JPH0829087B2 - 酵素ムタロターゼの生物学的活性を有するポリペプチド - Google Patents

酵素ムタロターゼの生物学的活性を有するポリペプチド

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JPH0829087B2
JPH0829087B2 JP61206086A JP20608686A JPH0829087B2 JP H0829087 B2 JPH0829087 B2 JP H0829087B2 JP 61206086 A JP61206086 A JP 61206086A JP 20608686 A JP20608686 A JP 20608686A JP H0829087 B2 JPH0829087 B2 JP H0829087B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、酵素ムタロターゼ(mutarotase;変旋光酵
素)の生物学的活性を有するポリペプチドに関する。
最後に、本発明は、アルドースの酵素検出反応または
転化速度を高めるために、酵素ムタロターゼの生物学的
活性を有する前記ポリペプチドを用いることに関する。
ムタロターゼ(アルドース1−エピメラーゼ、EC5.1.
3.3)はアルドヘキソースのα−およびβ−アノマーの
間、例えばα−およびβ−グルコースまたはα−および
β−ガラクトース間の平衡達成速度を高めることが知ら
れている。この酵素は主に、分析生化学において、α−
またはβ−型に特異な酵素によるアルドースの酵素検出
反応(これらにおいてそれら2種類のアノマー間の平衡
達成が律速段階である)の速度を高めるために用いられ
ており、例えばグルコースデヒドロゲナーゼ、グルコー
スオキシダーゼまたはガラクトースデヒドロゲナーゼを
用いた測定方法などに用いられている。
工業的用途も、例えばグルコアミラーゼ/グルコース
イソメラーゼ法にとつて重要であろう。その理由は、酵
素グルコアミラーゼは、変旋光が生起するまではグルコ
ースイソメラーゼによりα−型に転化され得ないβ−グ
ルコースを遊離するからである。
ムタロターゼは天然に広く分布していて、様様な微生
物(細菌、酵母および線状菌類)、植物および動物組織
に存在している。
工業的規模でのムタロターゼ単離を可能とする唯一の
相当な酵素含量は今までに哺乳動物(畜牛、豚)の腎臓
に見出されていて;すべての既知の市販品は腎臓から調
製されている。牛腎臓の新鮮重量1gあたりのムタロター
ゼ活性含量は例えば大腸菌(Escherichia coli)におけ
るよりも60倍以上であることが知られている(Bailey,M
eth.Enzymol.1975,478)。アスペルギルス・ニガー(As
pergillus niger)の菌株からのムタロターゼの微生物
学的製造方法はBiochim.Biophys.Acta662,285(1981)
に初めて記載された。これによれば、最良の菌株から得
られたムタロターゼ活性は、4.4mU/ml培養ブロスであ
り、ミハエリス(Michaelis)定数は50mMであり、そし
て至適pHは5〜7の範囲であつた。
しかしながら、前述の微生物学的方法を用いた場合、
酵素ムタロターゼは、牛腎臓からの製造方法によるより
も低収率で得られるにすぎない。その上、アスペルギル
ス・ニガー由来の酵素の性質は、アルドースの酵素的測
定の範囲内で平衡を達成する目的には好ましくない。
従つて、本発明の目的は、酵素ムタロターゼの生物学
的活性を有するポリペプチドを利用可能とすることにあ
る。
「酵素ムタロターゼの生物学的活性を有するポリペプ
チド」という用語はそのアミノ酸配列がアシネトバクタ
ー・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticu
s)よりの天然ムタロターゼに相当し、このアミノ酸配
列に類似し、またはその一部を含むポリペプチドまたは
タンパク質を意味する。本発明によれば相当する融合タ
ンパク質も「酵素ムタロターゼの生物学的活性を有する
ポリペプチド」と称される。
ムタロターゼを形成し、そして好適なものとして用い
られる種はアシネトバクター属の微生物である。これら
のうちでも、アシネトバクター・カルコアセチカス菌株
DSM30007、DSM30008、DSM30010またはDSM30011、特にDS
M30008が、適宜の遺伝情報部分が導入されたそれらの突
然変異株または変異株と同様、好ましい。
ムタロターゼをコードするDNAを移植できる適当なホ
スト生物は、主として微生物であるが、植物、動物また
はヒト細胞であつてもよい。微生物、例えば細菌、酵母
および線状菌類、特に大腸菌系細菌が好ましい。
酵素ムタロターゼの生物学的活性を有するポリペプチ
ドの遺伝子工学的製造方法を利用可能とするために、本
発明によれば次の段階がとられる。
まず、例えば微生物アシネトバクター・カルコアセチ
カス株No.DSM 30008を適当な培地で培養する。次にその
微生物の天然ムタロターゼをこの培養物から単離し、そ
して生化学的タンパク質分析にかける。そのムタロター
ゼのアミノ酸部配列を確定後、ムタロターゼポリペプチ
ドのアミノ酸位12〜17および353〜359に相当するオリゴ
ヌクレオチドを合成する。遺伝コードは縮重(退)して
いるので、これらアミノ酸位の各々に相当するオリゴデ
オキシヌクレオチドの配列には様々な可能性がある。従
つて、本発明によれば、各々についていくつか異なるオ
リゴデオキシヌククレオチドが合成され、またその後の
ハイブリツド形成においてオリゴヌクレオチド混合物I
およびIIとして用いられる(第III表参照。) この段階とは別に、適当な培地で培養されたアシスト
バクター・カルコアセチカス微生物(株No.30008)から
染色体DNAを単離する。次にその染色体DNAを制限エンド
ヌクレアーゼBclI、EcoRIおよびHindIIIで切断し、ニト
ロセルロース上にブロツトし、そしてオリゴヌクレオチ
ド混合物IおよびIIでハイブリダイズさせる。これによ
り6400bpの大きさのBclIDNA断片がオリゴヌクレオチド
混合物Iとハイブリダイズする。この断片を、次にプラ
スミドpBR327のBamHI切断部位にクローニングする。制
限分析とクローン化されたBclI断片の部分配列決定との
組合せにより、この断片はムタロターゼポリペプチドの
N−末端領域をコードしていることが示される。
約1500bpの大きさのアシネトバクター・カルコアセチ
カス(株No.30008)の染色体DNAのHindIII断片は、オリ
ゴヌクレオチド混合物IIとハイブリツド形成する。従つ
てこの断片は、バクテリオフアージM13mp11のHindIII切
断部位にクローン化される。その後のマツピングおよび
部分ヌクレオチド配列決定により、そのクローン化され
たHindIII断片は、ムタロターゼポリペプチドのC−末
端領域をコードしていることが示される。
従つて、本発明は、酵素ムタロターゼの生物学的活性
を有するポリペプチドをコードする、第10図に示された
DNA配列に関する。
本発明は、更にまた、ムタロターゼ遺伝子の全暗号領
域がλ−PLプロモーターの制御下にあり、そしてムタロ
ターゼ遺伝子の全DNA配列を決定する組換え発現プラス
ミドに関する。ムタロターゼポリペプチドのN−末端領
域をコードするこのDNA断片は、前述の組換えpBR327ク
ローンに由来し、そしてムタロターゼポリペプチドのC
−末端領域をコードするDNA断片は、前述のM13mp11クロ
ーンに由来する。本発明によれば、発現制御配列として
のλ−PLプロモーターに代えて、大腸菌プロモーター系
例えば大腸菌lac系、大腸菌β−ラクタマーゼ系、大腸
菌trp系または大腸菌リポタンパク質プロモーター、酵
母発現制御配列、または他の真核発現制御配列などを用
いることも等しく可能である。この意味合において唯一
の重要な点は、遺伝子が発現制御配列に機能的に連結さ
れること、そして選択された発現制御配列が特性のホス
ト生物に適していることである。
本発明は、特に、本発明に従つてムタロターゼポリペ
プチドをコードするDNA配列を含む発現プラスミドpWH13
72に関する。
組換え発現ベクターを構築した後、それは、常法によ
り、形質転換可能なホスト生物、例えば大腸菌系細菌例
えば大腸菌株No.69(E.coliK12ΔH1)などに導入され
る。形質転換されたホスト生物は、次いで自体知られた
方法により適当な栄養培地で培養され、そして発現時に
形成される酵素ムタロターゼの生物学的活性を有するポ
リペプチドがそこから標準的方法により得られる。
従つて、本発明は、前述の条件下での発現時に合成さ
れ、ムタロターゼの生物学的活性を有しそして第11図に
示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。
本発明は、また、本発明によるDNAを含むホスト生物、
特にプラスミドpWH1372で形質転換された大腸菌WH1372
(DSM3442)にも関する。
本発明によれば、アシネトバクター・カルコアセチカ
スからのムタロターゼをコードする単離DNA配列を、ム
タロターゼ−生成性微生物または哺乳動物のジーン・バ
ンクにおけるプローブ分子として用いることにより、関
連のムタロターゼ遺伝子を同定し、そしてそれをこれら
のジーン・バンクから単離することができる。このよう
にして、これら生物のムタロターゼをコードする配列を
適当な発現制御配列と機能的に接合することにより、哺
乳動物例えば畜牛および豚、および微生物例えばアスパ
ージラス属微生物よりの酵素ムタロターゼの生物学的活
性を有するポリペプチドを任意の所望量で製造すること
も可能である。本発明の方法により製造される酵素ムタ
ロターゼの生物学的活性を有するポリペプチドは、例え
ば、次のような諸性質により特徴付けられる。分子量は
約40,000である。活性至適pHは7〜8のpH範囲にあり、
また至適温度は42℃〜46℃である。グルコースに対する
ミハエリス定数は6〜8mMである。
その活性は、Hg++イオンおよびFe+++イオンにより2mM
の濃度で略半減し;Cu++イオン、Co+++イオンおよびZn
++イオンによる阻害は、同濃度で完全である。
本発明による製造される酵素ムタロターゼの生物学的
活性を有するポリペプチドは、アルドヘキソースに対し
て特異的である。その活性は、次のようにして測定され
る。
ムタロターゼ、グルコースデヒドロゲナーゼおよびNA
Dを、用時調整されたα−グルコース溶液と反応させ、
そして形成されるNADH2を366nmにおける吸光度測定によ
り測定する。基準値に対する、ムタロターゼによるNADH
2形成速度増加により使用溶液のムタロターゼ活性を計
算することができる。
このように、ムタロターゼ活性は、自体知られた方法
により、グルコースデヒドロゲナーゼ測定を経由して測
定される。後者は、例えば臨床化学における標準的方法
の一つである。
ムタロターゼ酵素活性は、ブランク(ムタロターゼを
含有しない)と分析値(ムタロターゼを含有する)の間
の差から次式により与えられる: 酵素活性=ΔΔE/分×4.09U(ムタロターゼ)/ml(使用
酵素溶液)(E=366nmにおける吸光度) 導入されるβ−グルコースはすべてこの試験法を妨害
するので粗製ムタロターゼ検体は、グルコースが存在し
ていないかどうか試験する必要がある。
クローニングに用いられ、また以上および以下におい
て記載されるすべての制限酵素および出発プラスミド、
フアージおよびホスト系は、それらの起源または製造の
詳細が明細書中に与えられていない場合は、既知である
かまたは参照用文献中に詳述されており、従つて容易に
入手しうるものである。これらの、および使用される標
準的方法の一部の詳細なレビューが文献34(後掲)にみ
られる。
以下に実施例として本発明の態様を例示的に示すが、
例中では以下の略号が用いられている。
ATP アデノシントリホスフエート Bis N,N,N′,N′−メチレンビスアクリルアミ ド bp 塩基対 BSA 牛血清アルブミン CB 臭化シアン切断により生成したペプチド cpm 1分あたりの係数値 Da ダルトン、g/mol MDSO ジメチルスルホキシド dNTP デオキシヌクレオシド5′−トリホスフエ ート EDTA エチレンジアミンテトラアセテート E.coli 大腸菌(Escherichia coli) HPLC 高速液体クロマトグラフイ IPTG イソプロピルチオガラクトシド32 P 相対質量32の隣同位元素 PEG ポリエチレングリコール PVP ポリビニルピロリドン ARG エンドプロテイナーゼARG Cによる切断に より生成したペプチド rpm 1分間あたりの回転数 SDS ドデシル硫酸ナトリウム F トリプシンによる切断により生成したペプチ
ド Tris トリスヒドロキシメチルアミノメタン Tryptone トリプシンで切断されたカゼイン U 酵素活性の単位 UV 紫外光 X−GAL 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル β−Dガラクトピラノシド A,T,C,G ヌクレオチド:アデニン(A)、 チミン(T)、シトシン(C)、グアニン
(G) なお、引用した文献番号の各文献は、本明細書の発明
の詳細な説明の項の末尾に、その番号の文献名を列記し
てある。
実施例1 シアネトバクター・カルコアセチカスからのムタロター
ゼの単離および精製 発酵槽にまず次の組成の滅菌栄養培地100リツトルを
仕込む: カゼインからのペプトン 0.5% 酵母エキス 1.0% トウモロコシデンプン粉 0.3% 燐酸水素二カリウム 0.8% 硫酸マグネシウム・7水和物 0.04% グルコース 1.2% シリコーン消泡剤 10ml pH 6.8 このようにして調製された発酵槽に、同じ栄養溶液中
で18時間インキユベートして調製されたアシネトバクタ
ー・カルコアセチカス株30008の深部培養物1リツトル
を接種する。
この培養物を穏やかに通気しながら34℃で18時間イン
キユベートする。
濁度として測定される生物量は最初の2〜10時間増加
した後一定となる。10時間後に培養物は43U/lにて最大
ムタロターゼ活性に達する。
次の方法を用いて、その細菌からムタロターゼを遊離
させ、そして活性を測定する:発酵槽からの十分に混合
されたグルコース不含のサンプル3mlを5,000rpmで10分
間遠心分離し、そして上清を捨てる。細菌ペレツトを3m
lの0.1Mホスフエート緩衝液(pH6.5)および0.1mlのEDT
A溶液(1.8g/l)に懸濁し、そしてその遠沈管中のその
懸濁液をアセトン/ドライアイス冷浴中で迅速に凍結
し、次いで40℃の水浴で融解する。1滴の洗剤および25
〜30mgのリゾチームを添加し(約15,000U/mg)、そして
その混合物を28℃で15分間攪拌する。次いでそれを45℃
で5分間加熱してNADHオキシダーゼを失活させ、破砕を
行い、そしてその反応混合物を遠心分離により清澄化す
る。このようにして得られた透明上清中の酵素の測定を
前述の方法により行う。
培養物が最大活性に達したら粗製ムタロターゼ抽出液
を調製する。0.5%の洗剤と0.1mol/lの塩化カリウムを1
0リツトルの細菌懸濁液に添加する。菌体を高圧ホモジ
ナイザーを用いて500バールで破砕する。この間、細菌
懸濁液を冷却する必要がある。3000×gで3時間遠心分
離して菌体破片を除去する。沈殿を捨て、そして20%の
ポリエチレングリコールを曇つた遠心液に添加して随伴
物質を沈殿させる。その混合物を次いで30分間攪拌し、
そして沈殿を遠心分離により除去する。依然として曇つ
た上清は、約2U/mlのムタロターゼを含有してそしてこ
れを3×10-3の伝導度となるまで水に対する透析過
(diafiltration)にかける。透析過後、ムタロター
ゼをバツチ・プロセツサーで、pH5.5で乾燥イオン交換
体に吸着させる。20,000Uに対しては5〜10gのイオン交
換体材料が必要である。負荷されたイオン交換体を吸引
過により取出しそして液が透明となるまで 0.025M燐酸カリウム緩衝液(pH5.5)で洗浄する。次い
でその負荷されたイオン交換体をカラムに詰め、そして
0.025M燐酸カリウム緩衝液(pH5.5)を用いて吸光度が
ゼロとなるまで洗浄し、次いで溶出を塩化カリウム濃度
勾配を用いて行う。
酵素含有画分を集め限外過により濃縮し、次いで凍
結乾燥する。このようにして得られた粗製抽出液の比活
性は約16.1U/mg(タンパク質)である。
得られた粗製抽出液2420mg(=34,800U)をSephadex
G100分子ふるいのカラム(20×85cm)にかける。20mM T
ris.HCl(pH7.2)を用いて70ml/時の流速で溶出を行
い、14ml容の画分を集める。それら溶出液画分にムタロ
ターゼ活性が認められる。それら画分を、溶出時に重な
り合う分子量21kDaのタンパク質が排除されるように合
一させる。これは、後者の精製段階によつては除去され
得ないためのである。
合一画分をCM−Sephadexカラム(2×20cm)にかけ
る。負荷されたカラムを250mlの20mMK2HPO4/KH2PO4(p
H9.0)で洗浄する。流速は20ml/時とし、5ml容の画分を
集める。直線的濃度勾配(350mlの20mM、および350mlの
170mM K2HPO4/KH2PO4、pH9.0)を溶出に用いる。ムタ
ロターゼは80mMホスフエートで溶出される。
集めたサンプルを1:4希釈し、そしてヒドロキシアパ
タイト(球状)カラム(4×10cm)にかける。流速は9.
2ml/時とし、2.3ml容の画分を集める。そのカラムを10m
lの20mM K2HPO4KH2PO4(pH9.0)で洗浄する。溶出は、3
00mlの20mM K2PO4/KH2PO4(pH9.0)より300mlの300mM
K2PO4/KH2PO4(pH9.0)までの直線的濃度勾配を用いて
行われ、ムタロターゼは、カラム材料により85mMにて放
出される。
次いで精製をSDSゲル(文献5参照)で行う(第1
図)。第3図カラム段階の後は、40kDaの分子量に相当
する唯一のバンドを検出し得るにすぎない。G100分子ふ
るいカラムでの泳動挙動から、自然条件ではそのタンパ
ク質はオリゴマーの形態にあるものと推論することがで
きる。
実施例2 ムタロターゼのペプチド配列の部分的決定 後述する方法を用いて、ムタロターゼペプチドの(DN
Aよりの下及的少数の異なるコドンによりコードされる
アミノ酸を含む)部分配列を決定する。このタイプの配
列は、後の相当するオリゴヌクレオチドの選択に特に好
適である(実施例3参照)。
実施例1における如きカラムクロマトグラフイによる
最終精製段階の後ホスフエート緩衝液中にあるタンパク
質をその1/2容の100%酢酸およびその1/2容のn−プロ
パノールと混合し、そしてその混合物を回転蒸発器で蒸
発乾涸する。塩類を除去するために、残留物をp10分子
ふるいカラム(2.5×25cm)にかけ、そして70%酢酸を
用いて溶出を行う。個々の画分中のタンパク質を280nm
における吸収の測定により検出する。タンパク含有画分
を合一し、そしてその溶液を回転蒸発器で蒸発乾涸す
る。このようにして得られたタンパク質(ムタロター
ゼ)を、次のN−末端アミノ酸の配列決定および、臭化
シアンおよびトリプシン切断に用いた。
臭化シアン、トリプシンおよびエンドプロテイナーゼAR
GC切断 臭化シアンによる、および酵素トリプシンおよびエン
ドプロテイナーゼARGCによる切断を行つてムタロターゼ
中アミノ酸の部分配列を決定する。
臭化シアンによる切断は、GrossおよびWittkopp(文
献12参照)の手順により行う。前述の如く塩類を除去済
みで蒸発済みの15mgのタンパク質を3mlの70%蟻酸にと
り、100倍モル過剰の臭化シアンを添加し、そしてその
混合物を暗所で7時間インキユベートする。蟻酸を回転
蒸発器で除去し、そして残留物を2mlの70%酢酸にと
る。次いで、切断生成物を、P10およびP30分子ふるいカ
ラム(2.5×50cm)で分離する。個々の切断生成物(断
片)をCB1−5と呼ぶ。第2図は、個々の断片が記載の
カラムクロマトグラフイにおいて溶出されている画分を
示している。
全タンパク質をトリプシンで消化するために、塩を除
去してあり、かつ蒸発乾涸させてある2mgのタンパク質
を2mlの1M重炭酸アンモニウムに溶解し、そして1重量
%のプロテイナーゼを添加する。全タンパク質はこれら
の条件下では溶解しないので、その混合物をSDS濃度が
0.05%となるように調節する。トリプシンは全部で4回
添加する必要がある。最後の添加の後一夜インキユベー
シヨンする。依然として不溶物を含有する反応混合物を
100μlアリコートとしてHPLCカラムにかける。
Beckman HPLC系は、2つの溶媒デイスペンサ(型式10
0Aおよび110A)、可変波長検出器(型式165)および濃
度勾配混合器より成る。溶出は溶出A(水中0.05%トリ
フルオロ酢酸)を10分間用いることによつて開始する。
次いで、濃度勾配を適用し、溶媒Bの濃度(アセトニト
リル中0.025%トリフルオロ酢酸)を50分内に50%まで
高める。流速は1.6ml/分とし、そして温度は50℃とす
る。カラム(0.72×25cm)に球状シリカゲル(Nukleosi
l 5 C18,Machery & Nagel,Dren)を詰める。21nmに
おける吸収の測定によりペプチドを固定する。配列決定
のために、7〜10クロマトグラフイ実験よりの画分を集
める。
このようにして、特に、全ムタロターゼポリペプチド
のトリプシン断片F38およびF42を単離する(第3図参
照)。
全タンパク質のトリプシン消化により、場合によつて
は分離困難な切断生成物が得られる。
酵素消化に全タンパク質に代えて臭化シアン断片を用
いれば分離上の問題は、単純化される。タンパク質のC
−末端領域に関する更なる情報を得るために、臭化シア
ン断片CB5をエンドプロテナーゼARGCを用いてそのアル
ギニン位で切断した。
そのARGC切断もまた、1M重炭酸アンモニウム(pH7〜
8)中、1重量%のプロテイナーゼの存在下に37℃で行
われる。
消化混合物を回転蒸発器で蒸発させ、残留物を2mlの9
0%蟻酸に溶解し、そしてその溶液を1mlの水で希釈しそ
してP10カラム(2.5×100cm)にかけた。溶出は20%蟻
酸を用いて行つた。
このようにして3画分I〜IIIを溶出し、そしてこれ
らのうち、画分Iを2.5×50cm長のP10カラムで再度クロ
マトグラフイにかけた(第3a図)。
アミノ酸分析 全ムタロターゼポリペプチドのアミノ酸分析を最初に
行う。このために、5nmolのタンパク質を、2mlの6M HC
l、0.05%チオグリコール中150℃で2時間還元条件下に
加水分解する。2mlの6M HCl、1.5%DMSO中、110℃で20
時間酸化条件下に加水分解を行う。次にサンプルを回転
蒸発器で蒸発させ、そして、製造元の指示に従つてLC60
0(Biotronik,Frankfurt)アミノ酸分析器を用い、0.6
×21cmDC6A樹脂カラムで分析する。
このようにして測定された全ポリペプチドのアミノ酸
組成を第II表に示す。DNA配列から推論されるアミノ酸
組成は「配列」欄に掲げられている。これにより計算さ
れうるムタロターゼの分子量は、39,500Daである。
前述の実験条件では、トリプトフアンは測定できな
い。
第II表から、タンパク質が4個のメチオニン残基を含
んでいることがわかる。従って臭化シアン切断時には5
個の断片が期待される。すなわち、前述の(第2図参
照)臭化シアン切断およびその後の切断生成物の分離の
結果と、アミノ酸分析の結果(第II表参照)とが合致す
る。
適切な場合には、臭化シアン、トリプシンおよびエン
ドプロテイナーゼARGC切断により得られるペプチドのア
ミノ酸組成も前述の如くに測定する。
アミノ酸配列の決定 まず、ムタロターゼのN−末端アミノ酸を自動液相配
列決定装置(Beckman型式890C)を用いて測定する。ア
ミノ酸の2−アニリノ−1,3−チアゾリン−5−オン誘
導体を20%トリフルオロ酢酸中55℃で3分間インキユベ
ートする。フエニルチオヒダントイン誘導体をHPLC系で
同定する(文献8参照)。
次に、断片CB1、CB2、F42、CB3、CB4、CB5、F38、ARG
1、ARG2およびARG3のアミノ酸配列を決定する(第4図
参照)。
これら断片を固相法により50℃でLKB型式4020装置を
用いて配列させる。それら断片のC−末端をEDC(1−
エチル−3−(3−ジエチルアミノ−プロピル)カルボ
ジイミド.HCl)を用いて3−アミノプロピル−グラスに
結合させる(文献9参照)。次にEdman分解をLaurson法
により行う(文献10参照)。アミノ酸のフエニルヒダン
トン誘導体をMerck HPTLCプレート(シリカゲル60F G25
4)での薄層クロマトグラフイにより同定する(文献11
参照)。
このようにして得られる前記ムタロターゼ断片のアミ
ノ酸配列に対しムタロターゼの全体のアミノ酸配列にお
ける相対的位置を付与する。
これは、次のようにして行われる。
臭化シアン断片CB1およびCB2の位置は、それらのアミ
ノ酸配列と全ポリペプチドのN−末端アミノ酸配列とが
合致するところから明白である(第4図参照)。
臭化シアン断片CB3の最初の5個のアミノ酸を測定す
る。臭化シアン切断後のクロマトグラフイよりの、第1
吸収極大の物質をP60カラム(2.5×50cm)を用いて再度
クロマトグラフイにかける。配列決定は、N−末端配列
(すなわち前記極大は未切断物質を含有した)および臭
化シアン断片CB2の最初の6個のアミノ酸を並行的に示
す。ムタロターゼポリペプチド中のCB3の相対位置は、
相当する構造遺伝子のDNA配列が決定されるまで確定で
きない(第4図参照)。
臭化シアン断片CB4の配列はトリプシン切断より断片F
38中に完全に保持されている。それは11個のアミノ酸よ
り成る(第4図参照)。
臭化シアン断片CB5は、臭化シアン断片CB3から、2.5
×50cm大のP30カラムでのクロマトグラフイに再度かけ
ることにより分離することができる。ホモセリンはアミ
ノ酸分析で認められないので、臭化シアン断片CB5はC
−末端断片でなければならない。CB5の42個のアミノ酸
の配列を決定する(第4図参照)。
臭化シアン断片CB4およびCB5の確立された配列のムタ
ロターゼの全ポリペプチドにおける相対的帰属は、ムタ
ロターゼポリペプチドのトリプシン切断よりの断片の配
列決定およびムタロターゼポリペプチドの臭化シアン断
片CB5のトリプシン切断よりの配列決定により決定す
る。
臭化シアン断片CB5を更に細かく断片化することによ
り得られる画分I、IIおよびIII(第3a図)の配列決定
を行つた。画分IIのペプチドの配列は、CB5の最初の20
個のアミノ酸と一致する。
臭化シアン断片内のそれらの配列に従つて、ペプチド
にARG1〜ARG3の番号を付与した。画分II(ARG1)のペプ
チドの配列は、CB5の最初の20個のアミノ酸と一致し
た。画分Iよりのペプチドは、その配列がCB5の位置21
〜42と重複したため、ARG2として固定された。それは、
この配列のほかにアミノ酸Ser−Thr−Argを有してい
た。ARG3は、CB5のC−末端配列である。ARG1、ARG2お
よびARG3の配列は第4図に示されている。
臭化シアン断片CB5は、ムタロターゼのC−末端ペプ
チド断片であるので、これによりムタロターゼポリペプ
チドのC−末端アミノ酸配列が確定する(第4図参
照)。
全タンパク質のトリプシン切断よりの断片F38の25個
のアミノ酸の配列決定により、臭化シアン断片CB4およ
びCB5の相対的位置が与えられる。F38がCB4およびCB5と
重複するところから、CB4とCB5は直接に隣接しているは
ずである(第4図参照)。
最後に、全ムタロターゼポリペプチドのトリプシン切
断に由来する断片F42のアミノ酸配列を決定する。25ア
ミノ酸鎖長であるその配列の相対的位置は、ムタロター
ゼ構造遺伝子のヌクレオチド部分配列が決定されるまで
確定することはできない(第V表参照)。
実施例3 オリゴヌクレオチドの合成 ムタロターゼをコードする遺伝子は、実施例5に記載
されるようなジーン・バンクから単離する。
オリゴデオキシヌクレオチド(オリゴヌクレオチドと
略記される)は、このジーン・バンクをスキヤニングす
るためのプローブ分子として働かせるために、化学合成
により製造する。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、実施例2にお
ける如く決定されたムタロターゼポリペプチドの部分ア
ミノ酸配列のアミノ酸12〜17、および353〜359(最後の
7個のアミノ酸)から推定する。
遺伝暗号は縮重しているので、同じアミノ酸配列をコ
ードする様々なオリゴヌクレオチドを合成する必要があ
る。各場合につき関連するオリゴヌクレオチドを第III
表に掲げる。
前記三文字コードおよび一文字コードは、天然に存在
する20個の生物アミノ酸について通常使用される省略形
である。
第III表に示されるオリゴヌクレオチド配列のすべて
の組合せを用時に合成する。その合成は、Caruthers et
al.(文献14、15参照)により開発されたホスホルアミ
ダイト法を用い、官能性n−プロピルアミノ基を備えた
シリカゲルより成る担体で行われる。個々のトリプレツ
トの第3位に、相互に水素結合を形成し得ない2個のヌ
クレオチドを持たせることが可能なときは、等モル量の
ホスホルアミダイトをカツプリングに利用可能とする。
挿入される二者択一物がGとC、またはAとTである場
合には、この特定のカツプリング段階に対しては担体材
料を分ける。合成終了時に、脱トリチル段階は行われな
い。何故ならば、目的とするオリゴヌクレオチドはその
方が、5′−末端トリチル保護基により副生物からより
明瞭に区別され得るからである。ホスフエート保護基を
除いた後、担体材料に対する共有結合を加水分解し、そ
して塩基保護基を除去する。次いで溶液を回転蒸発器で
蒸発乾涸し、そして残留物を緩衝液(10mM Tris.HCl、p
H8.0、1mM EDTA)にとる。懸濁液および担体残留物を、
このようにして得られたオリゴヌクレオチドの粗製混合
物から、遠心分離によつて除去する。各実験において、
5〜15A260単位をHPLCカラムを通して精製する。このカ
ラムクロマトグラフイにおける溶出は、5分間溶液A
(0.1Mトリエチルアンモニウムアセテート中20%アセト
ニトリル)を用いることから開始される。次に、濃度勾
配を適用し、アセトニトリル濃度を30分間内に30%まで
高める。流速は15ml/分とし、そして温度は45℃とす
る。オリゴヌクレオチド含有溶出液を合一し、そして蒸
発乾涸し、400μlの80%(v/v)酢酸を添加し、そして
室温で5分後に、その混合物を蒸発乾涸する。残留物を
500μlの水に再懸濁し、そして5%から20%アセトニ
トリルの勾配を用いて再びクロマトグラフイにかける。
このクロマトグラフイにおいて、脱トリチルされたオリ
ゴヌクレオチドは13〜17%のアセトニトリル濃度で溶出
される。
最後に、最終的収率をHPLCで緩衝液を基準として用い
て、260nmで測定し、そして得られた2つのオリゴヌク
レオチド混合物IおよびIIを水から2度凍結乾燥し、そ
して10mM Tris.HCl(pH8.0)、0.1mM EDTA緩衝液に懸濁
する。
実施例4 アシネトバクター・カルコアセチカスからの染色体DNA
の調製 アシネトバクター・カルコアセチカス(DSM30008)の
菌体を実施例1における如く培養する。
5gの菌体を50mM NaCl、50mM EDTA、30mM Tris.HCl(p
H7.9)に懸濁し、そして200mgのリンチームと共に37℃
で30分間インキユベートする。懸濁液をSDS濃度が1%
となるまで調整し、そして5mgのプロテイナーゼK(Mer
ck)と共に37℃で更に30分間インキユベートする。次に
その混合物を(10mM Tris.HCl(pH8.0)、0.1mM EDTAで
平衡した)フエノールで6回、次いでクロロホルム/イ
ソアミルアルコール(20:1)で4回、注意深く抽出す
る。
得られたDNAを次に、三倍容のエタノールを添加する
ことにより沈殿させる。DNAを遠心分離により沈殿さ
せ、そして沈降物を乾燥させ、そして5mlの10mM Tris.H
Cl(pH8.0)、0.1mM EDTAに再懸濁する。次いで50μg
のDNアーゼ不含RNアーゼA(Sigma)を添加する。DNア
ーゼは、100mM NaOAc(pH5.5)中で10分間沸騰すること
により前もつて失活させてある。RNアーゼAで30分間イ
ンキユベーション後、250μgのプロテイナーゼKを添
加し、そしてその混合物を更に30分間インキユベートす
る。次にそれを再び、やはりフエノールと共に6回、そ
してジエチルエーテルと共に3回振盪することにより抽
出する。次いで1/2容の1.5M NaCl中30%PEG溶液を添加
することにより沈殿させ、エタノールで洗浄しそしてデ
シケータ中で乾燥させる。
実施例5 ゲノム・ムタロターゼ(genomic mutarotase)配列のク
ローニング 材料と方法 酵素: 制限酵素、T4 DNAリガーゼおよびE.coliポリメラーゼ
および、E.coliポリメラーゼのKlenow断片をBoehring,B
RLまたはBiolabs社から購入し、そして製造元の指示に
従つて使用した。Eco RIはGreene et al.(文献16参
照)の手順により調製する。
ゲル電気泳動:制限分析のために、1,000bpまでの鎖
長のDNA断片を、TEB緩衝液(60mM Tris,60mMホウ酸、1m
M EDTA、pH8.3)および10%グリセロール(文献17参
照)中5%ポリアクリルアミドゲル(アクリルアミド/
ビスアクリルアミド20:1)で分画する(文献17参照)。
500bp〜9,000bpの鎖長のDNA断片の分画には、TAE緩衝
液(40mM Tris、15mM NaOAc、1.25mM EDTA、pH8.3)中
1%アガロースゲルを用いる(文献18参照)。垂直アガ
ロースゲル電気泳動には、高さ3cmの8%ポリアクリル
アミド支持ブロツクを装置の下側部分に設定(cast)す
る。アガロースゲルから単離されたDNAは、クローニン
グ実験には適していないので、分取する目的には、グリ
セロールの添加されていない3%ポリアクリルアミドゲ
ル(アクリルアミド/ビスアクリルアミド50:1)を用い
る。ゲル電気泳動後、ゲルを装置から取り出し、そして
0.001%臭化エチジウム溶液中で10分間染色する。これ
によつてDNA含有バンドはUV光下に可視となる。
DNAの調製:アシネトバクター・カルコアセチカスから
の染色体DNAの調製は実施例4に記載されている。
プラスミドDNA、およびM13フアージの複製型のDNAの
単離をHardies et al.の方法(文献19参照)により行
う。単鎖M13DNAはMessing(文献20参照)の記載すると
ころに従つて調製する。ゲル電気泳動による分画または
ハイブリダイゼーシヨン分析には、フアージ上清を、1/
4容の2.5M NaCl中20%PEG6000溶液を用いて4℃で15分
間沈殿させることにより5倍濃縮する。
プラスミドDNAの分取目的での単離は、次のような形
質転換体の迅速分析方法によつて行われる。
単一の細菌コロニーを選抜プレートに拡げる。接種用
白金耳を用いて約1mm3の細菌集塊を取り出し、そして8
0μlのTriton緩衝液(8%シユクークロース、5%Tri
ton×100、50mM EDTA、50mM Tris.HCl、pH8.0)に懸濁
する。7μlのリソチーム緩衝液(50mM Tris.HCl、(p
H8.0)、50mM EDTA中10mg/mlリソチーム)の添加後、サ
ンプルを室温で5分間インキユベートする。次にそれら
を100℃で40秒間加熱し、次いで氷上に2分間置く。微
量遠心分離器で15分間遠心分離後、細菌の粘着性残留物
を接種用白金耳で除去する。次に80μlのイソプロパノ
ールを上清に添加し、そして混合物を20分間氷浴中に置
く。これによって生じる沈殿を、15分間遠心分離するこ
とにより沈降させ、そして、上清を捨てた後、それを2
回600μlのエタノールで洗浄し、そして真空乾燥す
る。得られたプラスミドDNAを40μlのTE緩衝液(10mM
Tris.HCl、pH8.0、0.1mM EDTA)に溶解し、そしてアガ
ロースゲルで分析する。
ゲルの溶出: ポリアクリルアミドゲルからのDNA断片の溶出をMaxam
およびGilbertの方法(文献21参照)によつて行う。5
%および20%ポリアクリルアミドゲル片をまずTeflon杆
を用して機械的に粉砕する。3%ポリアクリルアミドゲ
ル片を使い捨て20mlシリンジを用いて直径0.8mmのカニ
ユーレに押し通す。
溶出されたDNAを、200μl容のカラム材料を有するDE
52カラムにかけ、そして400μlの2M NaClで溶出する
(文献20参照)。オリゴヌクレオチドを1M NaClで溶出
し、次いで直接ハイブリダイゼーシヨンに用いる。その
DE52カラムから溶出後、二本鎖DNAをエタノールで2回
沈殿させる。
形質転換: E.coli株をCaCl2法(文献17参照)により形質転換す
る。
DNAの放射性標識: オリゴヌクレオチドの5′−末端をT4−ポリヌクレオ
チドキナーゼおよび〔γ−32P〕−ATPを用いて放射性
標識する(文献21参照)。これに要する8,000Ci/mmolの
比活性を有する 〔γ−32P〕−ATPは、WalsethおよびJohonsonの方法
(文献23参照)により合成する。得られる標識オリゴヌ
クレオチドの比活性を、40cm長20%8M尿素ゲルで非ホス
ホリル化オリゴヌクレオチドを除去することにより増大
させる。このゲル電気泳動は遊離ATPおよび無機ホスフ
エートをも除去する。
プラスミドDNAはWeinstock(文献24参照)のニック・
トランスレーシヨン法により放射性標識される。次に、
反応混合物中に残存する過剰のトリホスフエートをPast
eurピペツト中G50分子ふるいカラムを用いて除去する。
ハイブリダイゼーシヨン: サザーンブロツト分析: 染色体DNAの、または組換えプラスミドのDNAの切断に
より得られた制限断片をアガロースゲルで分離しそして
Southern(文献25参照)法によりニトロセルロース上に
ブロットする。ニトロセルロースフイルタを台所用フイ
ルム内にシールし、そしてフイルタ表面積40cm2あたり1
mlのハイブリダイゼーション溶液1mlを用いて60℃で4
時間予備的にハイブリツド形成させる(6×NET、10×D
enhardt溶液、0.1%SDS;1×NET=0.15M NaCl、15mM Tri
s.HCl、pH8.3、1mM EDTA;1×Denhardt溶液=0.02%牛血
清アルブミン、0.02%ポリビニルピロリドン40、0.02%
Ficoll)。次に、標識オリゴヌクレオチド(Cerenkov計
数により約1〜2×106cpm)を添加する。両オリゴヌク
レオチド混合物に対し選択されるハイブリツド形成温度
は40℃である。3〜5時間ハイブリツド形成後、フイル
タを15分間4℃で2回洗浄する。次にそれらを40℃で1
分間洗浄する。次にオートラジオグラフイを−70℃で12
時間を行う。非特異的ハイブリツド形成信号は高められ
た温度でもう1分間洗浄手順をふむことにより除去する
ことができる。次に、関連のニトロセルロースフイルタ
をもう一度前述の如く露出させる。
ドット−ブロツト分析: 前述の如く調製された組換えプラスミドのDNA、3%
ポリアクリルアミドゲルから溶出された染色体DNA、お
よび単鎖フアージ上清をドツト−ブロツト分析にかけ
る。このために、5μlのDNAをニトロセルロースフイ
ルタ上にピペツトで移し、そして送風機を用いて乾燥さ
せる。二本鎖DNAの場合には、そのフイルタを湿らせた
クロマトグラフイ紙上で室温にて処理する。クロマトグ
ラフイ紙の含浸に用いられた以下の溶液を順次用いる: 250mM Tris.HCl(pH7.5)を5分間;500mM NaOHを5分
間;500mM NaOH/1.5M NaClを5分間;1M Tris.HCl(pH7.
5)を2×2分間;500mM Tris.HCl(pH7.5)/1.5M NaCl
を4分間;6×SSC緩衝液(1×SSC=150mM NaCl、15mMク
エン酸トリナトリウム)を5分間。次にそのフイルタを
減圧下に2時間オーブン中80℃で焼き付ける。それらフ
イルタと放射性標識オリゴヌクレオチド混合物Iおよび
IIとのハイブリツド形成を前述の如く行う。フイルタと
ニツク・トランスレーシヨンを施したプラスミドとのハ
イブリツド形成はWahl et al.の方法(文献26参照)に
より行う。
コロニーハイブリダイゼーシヨン: 2個の寒天プレート(40mg/lアンピシリンで富化)
(24.3×24.3cm、Nunc Intermed、スクリーニング用プ
レート)の各々にニトロセルロースフイルタ(Schleich
er and Schll BA−85)を被せる。次に1,000個の細菌
コロニーを滅菌つまようじを用いて同じパターンで、一
方のプレートのニトロセルロースフイルタおよび他方の
プレートの寒天に移し、そして37℃で18時間インキユベ
ートする。次にそれらコロニーを有するフイルタをドツ
ト−ブロツト分析法(前記参照)と同様に処理する。そ
れらフイルタを減圧下に2時間80℃で焼き付けた後、そ
れらを6×NET、10×Denhardt溶液、0.1%SDSで3回洗
浄し、そして同じ緩衝液中40℃で5時間、24×106cpmの
標識オリゴヌクレオチドとハイブリツド形成させる。そ
れらフイルタを次いで2回6×SSCを用いて4℃で15分
間、次に40℃で5〜8分間、そして最後に42℃で1分間
洗浄する。X線フイルムの最初の感光の後、それらフイ
ルタを再び6×SSCを用いて44℃で2分間洗浄し、そし
て別のX線フイルムの感光に用いる。最後に、それらフ
イルタを6×SSC中46℃で1分間洗浄し、そして再びX
線フイルムの感光に用いる。
配列分析: 大体において、DNA配列はMaxamおよびGilbert(文献2
1参照)の方法により決定される。適切な場合、例えば
適当な制限切断部位が存在しない場合には、DNA断片はp
UR250中にサブクローン化される(文献28参照)。M13ク
ローンの同定には、M13法(文献27参照)による配列決
定を行う。
前述の諸方法は、本質的に分子生物学の標準的方法で
あり、また実験室マニユアル例えば“Molecular Clonin
g,A Laboratory Manual"、T.Maniatis et al.著、Cold
Spring Harbor Laboratory,1982年などに記載されてい
る。
ゲノム・ムタロターゼ配列のクローニング アシネトバクター・カルコアセチカス(DSM30008)よ
りの染色体DNAサンプル400μgを制限エンドヌクレアー
ゼEcoRI,HindIIIおよびBclIで切断する。次に20μgを
1%アガロースゲルでの電気泳動にかけ、そしてニトロ
セルロース上にブロツトする(いわゆるトタールDNAブ
ロツト)。前述の如くハイブリツド形成を行つた後、オ
リゴヌクレオチド混合物Iに対しては44℃で短時間、そ
してオリゴヌクレオチド混合物IIに対しては46℃で短時
間、洗浄を行う。
BclI切断をオリゴヌクレオチド混合物Iとハイブリツ
ド形成すると6400bpの大きさの領域に再現性のある信号
が得られる。EcoRI切断をオリゴヌクレオチド混合物I
とハイブリツド形成させると2000bpの大きさの領域に、
そしてHindIII切断の場合には1500bpの大きさの領域に
再現性のある信号が生じる。
約1500bpの大きさのHindIII断片はオリゴヌクレオチ
ド混合物IIとハイブリツド形成する。
次に、アシネトバクター・カルコアセチカスDNAのBcl
I断片とプラスミドpBR327(ATCC31344)のBamHI切断DNA
を用いてジーン・バンクを構成する。
このために、アシネトバクター・カルコアセチカスの
BclIN切断染色体DNA120μgを、3800bp長の断片がゲル
の下端に達するまで、3%ポリアクリルアミドゲルでの
電気泳動にかける。3800bpより上方のアクリルアミドを
9個の幅狭の帯状片に切断し、そして各個のゲル画分か
らDNAを溶出する。溶出されたDNAの各々の1/4をドツト
−ブロツト分析でハイブリツド形成させる。
二番目に大きな断片を有するゲル帯状片よりの画分が
最強の信号を与える。それ故に、この画分の溶出DNAの1
/10を、BamHIで切断されそして脱ホスホリル化された
(文献29参照)pBR327プラスミドDNA200ngと連結する。
続くE.coli RRIの形質転換(文献30参照)により3000個
のテトラサイクリン感受性コロニーが得られる。これら
のコロニーのうち1000個について前述のコロニーハイブ
リダイゼーシヨン法により調べる。
次いで、コロニーハイブリダイゼーシヨンで最強の信
号を与えた25個のコロニーからのプラスミドDNAを前述
の如く単離し、そしてドツト−ブロツト分析にかける。
調べた25個のプラスミドのうち10個は、陽性信号を与
える。そこで、以後の実験のために、陽性信号を与える
プラスミドのうち6個からのDNAを250mlの培養物から単
離する。それらプラスミドの各々についてEcoRIおよびH
indIII切断を行い、アガロースゲルで分画する。
そのDNAをサザーン法によりニトロセルロースに固定
し、そして放射性標識オリゴヌクレオチド混合物Iとハ
イブリダイズさせる。3つの1分段階における洗浄温度
は52℃に上げる。この温度ではpWH1318と称されるプラ
スミドのEcoRI断片(2000bpの大きさ)およびHindIII断
片(1500bpの大きさ)のハイブリツド形成があるのみで
ある。これらの断片の大きさは全染色体DNAを用いたハ
イブリダイズした結果と合致する。
オリゴヌクレオチド混合物IIとハイブリツド形成させ
ても陽性信号は存在しない。
第5a図は、適宜の制限ヌクレアーゼによる切断によつ
て得られた組換えプラスミドpWH1318の制限地図を示し
ている。
組換えプラスミドpWH1319は、pWH1318よりのHindIII
断片(1500bpの大きさ)をプラスミドpBR322のHindIII
切断部位にクローニングする(文献31参照)ことにより
得られる(第5図参照)。
プラスミドpWH1319のNdeI切断部位から出発して、挿
入部の最初の配列決定をMaxamおよびGilbert法(文献21
参照)により行う。
このようにして得られたDNA配列はムタロターゼポリ
ペプチドの最初の18個のアミノ酸と完全に一致する(第
1V表および第4図参照): このように、配列決定結果は、前記ジーンバンクから
単離された組換えプラスミドpWH1318が、ムタロターゼ
ポリペプチドのN−末端領域をコードするDNA配列を含
有することを示している。
プラスミドpWH1318は、ムタロターゼポリペプチドの
c−末端領域をコードするDNA配列を含み得ない。何故
ならこのプラスミドはオリゴヌクレオチド混合物IIとハ
イブリダイズしないからである。それ故、アシネトバク
ター・カルコアセチカスの全DNAから、HindIII断片(こ
れは1500bpの大きさであり、そしてオリゴヌクレオチド
混合物IIとも、また約125bp長であつて組換えプラスミ
ドpWH1318のHindIIIとBclI切断部位の間に含まれている
領域ともハイブリダイズする)がクローンされる(第6a
図および第6b図参照)。
200μgのHindIII切断染色体DNAを3%ポリアクリル
アミドゲルで分画する。1500bpあたりの大きさの領域に
あるDNAを溶出する。そのDNAの1/4を前述の如くニトロ
セルロースに固定する。この画分は、オリゴヌクレオチ
ド混合物IIとも、またプラスミドpWH1318のDNAともハイ
ブリダイズする。
単離された画分よりのHindIII切断染色体DNA200ng
を、200ngの、HindIII切断され脱ホスホリル化されたM1
3mp11RF DNAと連結する。得られる連結生成物を用いてI
PTGおよびX−GALを含有する軟寒天中にプレートされた
コンピタントな(受容能を有する)E.coli BMH71−18を
形質転換する。この形質転換を数回繰り返す。最終的に
は541個の組換えフアージ(白色プラーク)が存在す
る。
E.coli BMH71−18の培養物1mlずつを用いて各々を5
個のプラークで感染させる。沈殿するフアージ上清をオ
リゴヌクレオチド混合物IIと、また組換えプラスミドpW
H1318のDNAとハイブリダイズさせる。131個のフアージ
上清のうち2個が両方のプローブ分子に対し陽性信号を
示す。それらフアージを、2リツトル容の培養液からそ
れらの複製型(二本鎖DNA)として個別に調製する。そ
れら組換えフアージDNAの制限分析は、いずれの陽性M13
クローンとも同じ挿入部を有しEcoRI切断部位を予測さ
れた位置に有することを示している(第7図参照)。こ
れら2個のM13クローンの一方を以後の実験に用い、そ
してpWH1301と称する。
M13法(文献27参照)によるpWH1301のDNA配列決定
は、トリプシン切断より断片F42のペプチド配列と合致
する転写解読枠を示す(第V表)。
これら配列決定結果は、第6aおよび6b図のムタロター
ゼ遺伝子について仮定された制限地図を確認するもので
ある。何故なら見出された配列は事実BclI切断部位を含
んでいるからである(第V表参照)。
すなわち、クローンpWH1318およびpWH1319、およびpW
H1301は全体として、アシネトバクター・カルコアセチ
カス(DSM30008)よりの完全なムタロターゼを含有する
(第5図、第6図および第7図参照)。
実施例6 ムタロターゼ遺伝子の全配列を含む発現プラスミドの構
築 使用発現プラスミドはプラスミドpWH701である。これ
は、プラスミドpUR250(文献28参照)よりのポリリンカ
ーがEcoRIおよびHindIII切断部位間に挿入されたプラス
ミドpPLc236(文献32参照)の容易に入手しうる誘導体
である。プラスミドpWH701は強力なλ−PLプロモーター
を含有する(第8図、黒矢印参照)。
以後のクローニング工程は、すべて、λ−PLプロモー
ターがCIリプレツサーにより抑制されているホスト細菌
E.coli W6(文献32参照)で行われる。pPLc236、λ−PL
プロモーターおよびホスト微生物E.coli W6はヨーロツ
パ特許出願第0,041,767号明細書にも開示されている。
組換えプラスミドpWH1319よりのDNA20μgを制限エンド
ヌクレアーゼHindIIIおよびScaIで切断し、そして5%
ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動にかける。次いで
そのポリアクリルアミドゲルから574bpの大きさの断片
を溶出する。
発現プラスミドpWH701よりDNA10μgを制限エンドヌ
クレアーゼEcoRIで切断し、そして突出末端をdATPおよ
びdTTPの存在下にKlenowポリメラーゼで埋める。そのKl
enowポリメラーゼを反応混合物を90℃で5分間加熱する
ことにより失活させ、次いでエタノール沈殿を行つた
後、かく得られたDNAを制限エンドヌクレアーゼHindIII
で切断する。この切断で得られた31bpの大きさ断片を3
%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動により除去する。
このようにして調製されたプラスミドDNA200ng、およ
び前述の如く単離された574bpの大きさのDNA断片200ng
を共に連結してそしてE.coli W6の形質転換に用いる。
このようにして得られた形質転換体のプラスミドを前述
の如きアガロースゲルでの迅速分析により調べる。これ
により、組換え発現プラスミド分子は、挿入のない発現
プラスミドよりも大きい分子量を有していることがわか
る。
組換え発現プラスミドの一方を以後の実験に用し、ま
たpWH1307と称する。それを制限エンドヌクレアーゼHin
dIIIおよびSalIで切断しその前述の如くゲルから溶出す
る。次に、組換えフアージDNA pWH1301を同じく制限エ
ンドヌクレアーゼHindIIIおよびSalIで切断する。これ
により得られる1400bpの大きさのDNA断片を前述の如く
ゲルから溶出する。
次いで、pWH1301よりの1400bpの大きさのDNA断片を、
発現プラスミドpWH1307の大きなHindIII−SalI断片に挿
入する。連結、形質転換および所望の連結生成物の同定
は、組換え発現プラスミドpWH1307の構築に従つて行わ
れる。
このようにして得られる本発明の新しい組換発現プラ
スミドはpWH1372と称され、そして以後の発現に用いら
れる。
第8図は、組換え発現プラスミドの構築概略図を示
す。
実施例7 ムタロターゼ遺伝子のヌクレオチド配列の決定 この遺伝子の配列をMaxamおよびGilbertの方法により
決定した。配列決定手法を第VI表に示す。
図中の垂直線は、配列決定のために放射性標識の置か
れた制限部位を示す。矢印は、配列を読み得る範囲を示
す。
ScaIおよびHindIII部位間の配列はpWH1318およびpWH1
372で決定した。2個のRsaI部位間の配列は、pUR250
(文献28参照)にクローニング後決定した。
そのヌクレオチド配列は、第10図に示されたDNA配列
に相当する。そのDNA配列は、N−末端アミノ酸配列に
より決定されるコドンの上流にシグナル配列が存在する
ことを示している。従つて、組換え発現プラスミドpWH1
372より形成され、そして酵素ムタロターゼの生物学的
活性を有するポリペプチドのアミノ酸配列は第11図に示
されるものである。
実施例8 E.coli69中の発現プラスミドpWH1372によるムタロター
ゼ遺伝子の発現 E.coli株No.69(E.coli K12ΔH1)を本発明による新
しい組換えプラスミドpWH1372で形質転換する。ホスト
細菌のこの株は熱不安定リプレツサーCI857をコードす
る座位をその染色体上に含む。従つて、この菌株では、
λ−PLプロモーターにより制御される転写は、32℃では
完全に抑制されるが40℃では、熱不安定リプレツサーCI
857がこの温度では不活性な形にあるために、抑制され
ない。
典型的な発現手順では、200mlのLB培地(10g/lのTryp
tone、8g/lのNaCl、5g/lの酵母エキス、pH7.8)を、E.c
oli69/pWH1372の一夜培養液3mlで接種し、そして、菌体
密度が0.68ODとなるまで28℃で培養を続ける。次いで培
養液を水浴中40℃で振盪器中で更に振盪する。次いで菌
体を破砕した後に、ムタロターゼ活性を検出する。
1mlの菌体培養液を遠心分離し、そして菌体を100μl
の破砕緩衝液(50mM Tris−HCl、pH8.0、1mM EDTA、5
〜8%triton)に再懸濁する。10μlのリソチーム(25
mg/ml、50mM Tris.HCl、pH8.0、1mM EDTA中)を添加
後、菌体を28℃で10分間、および45℃で5分間インキユ
ベートする。次に菌体を遠心分離し、そして上清のムタ
ロターゼ活性を調べる。測定される6000U/l(培地)と
いう発現は、振盪フラスコ内での細菌アシネトバクター
の発現の約60倍を超える。
菌株E.coli No.69/pWH1372(DSM3442)は培地1あ
たり約20mgのムタロターゼを形成する。工業的規模での
発酵に至適化すれば、発現ムタロターゼの収量は、上記
の値に比べ3〜50倍に設定することができる。
実施例9 E.coliで発現されたムタロターゼの精製および分析 第9図に示されるように、産生ムタロターゼの約90%
は培地中に存在する。
培地1中のタンパク質を90%硫酸アンモニウムで沈
殿させ、再懸濁し、20mM KH2PO4/K2HPO4(pH9.0)に対
し透析し、そしてCM−Sephadexカラム(1cm×20cm)に
吸着する。実施例1に記載されているものと同じ塩条件
を用いて溶出を行い、ムタロターゼを50mM K2HPO4/KH2
PO4(pH9.0)でカラム材料から放出される。第VII表は
精製スキームをまとめたものである。精製工程の前およ
び後でのムタロターゼの純度は、SDSゲルのトラツクMUT
およびPから明白である(第9図)。ここではタンパク
質の測定にBradford法を用いた。
1回の沈殿工程および1回のカラムクロマトグラフイ
による精製工程により1の培地から12mgのタンパク質
が単離される。比活性は、アシネトバクター・カルコア
セチカスから単離されたムタロターゼのそれよりも約14
%低い。E.coliから単離された産生物は、変性ポリアク
リルアミドゲルで測定した場合、40kDaの分子量を有す
る。この分子量は、アシネトバクター・カルコアセチカ
スから単離されたタンパク質のそれに合致する。
E.coli培地から単離されたムタロターゼのN−末端ア
ミノ酸の配列決定により、この調製によりN−末端配列
が、次のとおり、すなわち、 Ala Thr Leu Asn Val Lys Ser Tyr Glyである均質生
成物が得られたことがわかつた。
それら2つの生成物のN−末端アミノ酸は一致する。
しかしながら7位にはセリンがあるのに対し、アシネト
バクター・カルコアセチカスからのムタロターゼは、こ
の位置にプロリンを有する。
次の性質は、E.coliで発現されたムタロターゼおよび
アシネトバクター・カルコアセチカスで発現されたムタ
ロターゼについて類似している。
1.比活性の相違はわずか約14%にすぎない。
2.それら2種類のタンパク質は、変性ポリアクリルアミ
ドゲルにおいて同じ分子量を有する。
3.いずれのタンパク質も20mMK2HPO4/KH2PO4(pH9.0)
でCM−Sephadexイオン交換体材料に結合する。
4.それら2種類のタンパク質は、同じアミノ酸組成を有
する。
5.それら2種類のタンパク質は、同じN−末端配列を有
する。
6.いずれのタンパク質も内膜を通過する。しかしなが
ら、ムタロターゼは、E.coliにおいてのみ培地中に放出
される。
このことは、目的生成物がE.coliにおいて発現されう
ることを実証するものである。比較可能な条件下におい
て、E.coli菌株は、最初に用いられたアシネトバクター
・カルコアセチカスより50〜100倍も多くのムタロター
ゼを産生する。E.coliからは、生成物を精製工程をより
少くして調製することができる。
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ag
【図面の簡単な説明】
第1図は、ムタロターゼの精製において、SDSゲル電気
泳動による図に代る写真である。 レーン1:粗製抽出液; レーン2:Sephadex G100でのクロマトグラフイ後; レーン3:CM−Sephadexでのクロマトグラフイ後; レーン4:ヒドロキシアパタイトでのクロマトグラフイ
後; レーンS:分子量標準 第2図は、Biogel−B10および−P30を通してのゲル過
による臭化シアン断片の分離を示すグラフであり、Mut
は未切断物質を示し、またCB1−5は、タンパク質内臭
化シアン断片の配列を示し、CB4は、11個のアミノ酸を
有し(第4図参照)、従つて小さすぎて溶出時には検出
されない。 第3図は、逆相高速液体クロマトグラフイによるトリプ
シン切断よりのペプチドの分離を示すグラフであり、 第3a図は、P10カラムでのCB5のARGC断片の溶出クロマト
グラムを示す。 第4図は、ムタロターゼポリペプチドおよび部分ポリペ
プチド配列の配列決定手法を表わす図であり、アミノ酸
は一文字コードで示されている。“★”はアミノ酸が未
規定の位置を示している。臭化シアン、トリプシンまた
はエンドプロテイナーゼARGCによる切断によつて生成さ
せたペプチドをCB、FまたはARGと称した。F42の位置は
構造遺伝子の配列が決定されるまでは決まらなかつた。 第5図は、組換えプラスミドpWH1318およびpWH1319の制
限地図である。組換えプラスミドpWH1319は、1500bpの
大きさで構造遺伝子のN末端部分を含むpWH1318よりのH
indIII断片をpBR322に挿入することにより得た。 第6a図は、ムタロターゼ遺伝子およびその側部の制限地
図を示す図であり、白抜き(unshaded)ゾーンは、第5a
図(プラスミドpWH1319)における白抜きゾーンと同じ
領域を示す。矢印は、ムタロターゼ遺伝子の5′−3′
方向を示している。この領域は、1500bpの大きさのHind
III断片を含み、そしてオリゴヌクレオチド混合物Iと
ハイブリツド形成する。 第6b図は、1500bpの大きさを有し、BclI切断部位の近位
に位置するHindIII切断部位の下流にあり、そしてゲノ
ムDNAの分析(トータルDNAブロツト)の際にオリゴヌク
レオチド混合物IIとハイブリツド形成するHindIII断片
を示す図である。下線を施した領域は、第6a図に示され
るDNA断片との重複部を示す。図示された2個のDNA断片
は、この重複領域のために相互にハイブリダイズする。 第7図は、M13mp11クローンpWH1301の制限地図を示す図
である。 第8図は、組換え発現プラスミドpWH1372の構築概略図
を示す。 第9図は、培地からの酵素ムタロターゼの生物活性を有
するポリペプチドの後処理の結果を示す図に代る写真で
ある。単一のクロマトグラフイ工程で、SDSゲル上、ム
タロターゼ中に不純物が全く検出され得ない程の純度が
得られる。 レーン「Mut」:培地より(NH4)2SO4で沈殿させた後; レーン「P」:CM−Sephadexでのクロマトグラフイ後; レーン「S」:標準の目盛定め用タンパク質。 第10図は、アシネトバクター・カルコアセチカス(DSM3
0008)よりのムタロターゼ遺伝子のDNA配列を示す図で
ある。 第11図は、pWH1372の発現産生物のアミノ酸配列を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) C12R 1:01) (72)発明者 ウオルフガング・ヒレン ドイツ連邦共和国D−6100ダルムシユタツ ト、フランクフルテル、シユトラーセ250

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酵素ムタロターゼの生物学的活性を有し、 よりなるアミノ酸配列を有するポリペプチド。
  2. 【請求項2】 よりなるDNA配列によりコードされていることを特徴と
    する、酸素ムタロターゼの生物学的活性を有するポリペ
    プチド。
  3. 【請求項3】微生物を栄養培地で培養しそして発現によ
    り形成されたポリペプチドを単離することにより酵素ム
    タロターゼの生物学的活性を有するポリペプチドを製造
    する方法であって、使用微生物が、 よりなるDNA配列を有する組換えDNA分子で形質転換され
    たホスト生物であることを特徴とする前記製造方法。
  4. 【請求項4】酵素ムタロターゼの生物学的活性を有し、 よりなるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含有する
    ことを特徴とするアルドースの酵素反応速度の加速剤。
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