JPH08291371A - 表面に高強度層を有する鍛造部品及びその製造方法 - Google Patents
表面に高強度層を有する鍛造部品及びその製造方法Info
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- JPH08291371A JPH08291371A JP9696295A JP9696295A JPH08291371A JP H08291371 A JPH08291371 A JP H08291371A JP 9696295 A JP9696295 A JP 9696295A JP 9696295 A JP9696295 A JP 9696295A JP H08291371 A JPH08291371 A JP H08291371A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 浸炭工程に要する多大な工程に代えて、高炭
素を含有しつつも低変形抵抗、高被削性を有する素材を
用いて加工後に高精度を有し、しかも熱処理によるひず
みが抑制された部品の供給ならびに、その製造方法を提
供する。 【構成】 重量%でC:0.3〜1.0%、Si:0.
6〜1.3%、Mn:0.3〜1.5%、P≦0.02
%、S≦0.1%、Al:0.01〜0.035%を含
み、必要に応じてNi:0.05〜5.0%、B:0.
001〜0.004%、N:0.002〜0.008
%、Mo:0.05〜0.20%の内、一成分以上を含
み、内部には黒鉛として0.2〜1.0%を含有し、少
なくとも表層部は焼入組織を有する、表面に高強度層を
有する鍛造部品とその製造方法。
素を含有しつつも低変形抵抗、高被削性を有する素材を
用いて加工後に高精度を有し、しかも熱処理によるひず
みが抑制された部品の供給ならびに、その製造方法を提
供する。 【構成】 重量%でC:0.3〜1.0%、Si:0.
6〜1.3%、Mn:0.3〜1.5%、P≦0.02
%、S≦0.1%、Al:0.01〜0.035%を含
み、必要に応じてNi:0.05〜5.0%、B:0.
001〜0.004%、N:0.002〜0.008
%、Mo:0.05〜0.20%の内、一成分以上を含
み、内部には黒鉛として0.2〜1.0%を含有し、少
なくとも表層部は焼入組織を有する、表面に高強度層を
有する鍛造部品とその製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車、ジョイント部品
などの、摺動によって動力を伝達する高強度鍛造部品の
製造法に関わるもので、特に製造コストを低減し、精度
と耐久性の優れた機械部品を提供するものである。
などの、摺動によって動力を伝達する高強度鍛造部品の
製造法に関わるもので、特に製造コストを低減し、精度
と耐久性の優れた機械部品を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車、ジョイント部品などの、摺動によ
って動力を伝達する高強度機械部品においては摩擦や摩
耗を減ずるために表面浸炭を施すことがある。このプロ
セスは自動車、建設機械、航空機などに、大量に使用さ
れる部品の製造技術として広く用いられている。
って動力を伝達する高強度機械部品においては摩擦や摩
耗を減ずるために表面浸炭を施すことがある。このプロ
セスは自動車、建設機械、航空機などに、大量に使用さ
れる部品の製造技術として広く用いられている。
【0003】浸炭工程は、せいぜい0.2〜0.3重量
%の低炭素鋼材を用いて鍛造や切削を施した後、浸炭に
よって表面だけに高炭素を含有させ熱処理にて高強度を
実現することに狙いがある。しかしながら、浸炭工程は
部品を炉内で900℃前後の高温下で長時間保持しなけ
ればならず、多大の処理費用を要するため、この工程の
コストダウンが叫ばれている。ことに大型部品や、小型
でも部品の使用状態が厳しい場合には浸炭深さを大きく
取る必要があるため、その処理時間は飛躍的に増加し、
工程上の大きな障害となっている。さらに、このように
長時間浸炭すると素材の結晶粒界に酸素が侵入し材質的
な異常層を形成し問題となる。
%の低炭素鋼材を用いて鍛造や切削を施した後、浸炭に
よって表面だけに高炭素を含有させ熱処理にて高強度を
実現することに狙いがある。しかしながら、浸炭工程は
部品を炉内で900℃前後の高温下で長時間保持しなけ
ればならず、多大の処理費用を要するため、この工程の
コストダウンが叫ばれている。ことに大型部品や、小型
でも部品の使用状態が厳しい場合には浸炭深さを大きく
取る必要があるため、その処理時間は飛躍的に増加し、
工程上の大きな障害となっている。さらに、このように
長時間浸炭すると素材の結晶粒界に酸素が侵入し材質的
な異常層を形成し問題となる。
【0004】浸炭は表面炭素量を0.8重量%前後にす
るのであるから、初めからこれ相当の炭素量の鋼材を用
いて成形し、焼き入れすれば浸炭は不要となるはずであ
る。しかしながら、高炭素鋼に鍛造や切削を施すと、材
料の高い変形抵抗によって、鍛造型の早期破損や、切削
工具の寿命の著しい低下を招き、生産プロセスとして成
立しなくなる。
るのであるから、初めからこれ相当の炭素量の鋼材を用
いて成形し、焼き入れすれば浸炭は不要となるはずであ
る。しかしながら、高炭素鋼に鍛造や切削を施すと、材
料の高い変形抵抗によって、鍛造型の早期破損や、切削
工具の寿命の著しい低下を招き、生産プロセスとして成
立しなくなる。
【0005】この問題を解決するには素材の変形抵抗を
低下させるのが最も有効であるが、冷間鍛造に供する素
材はC量0.22%程度であっても焼鈍が省略できない
のであるから、C量0.8%の鋼材ではたとえ焼鈍して
も複雑な形状を冷間鍛造することは非常に困難である。
また、熱間鍛造で粗成形し、切削で仕上げ成形して熱処
理しても部品は作れるが、高変形抵抗と低被削性によっ
て加工時の寸法精度が低くなること、熱処理のひずみが
大きくなること、さらには焼き割れが頻発することなど
により、用途は極く単純な形状の部品などに限られてい
る。
低下させるのが最も有効であるが、冷間鍛造に供する素
材はC量0.22%程度であっても焼鈍が省略できない
のであるから、C量0.8%の鋼材ではたとえ焼鈍して
も複雑な形状を冷間鍛造することは非常に困難である。
また、熱間鍛造で粗成形し、切削で仕上げ成形して熱処
理しても部品は作れるが、高変形抵抗と低被削性によっ
て加工時の寸法精度が低くなること、熱処理のひずみが
大きくなること、さらには焼き割れが頻発することなど
により、用途は極く単純な形状の部品などに限られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は浸炭工程に関
連した多くの課題を解決すべく案出されたものであり、
低変形抵抗、高被削性を有する素材を用いて加工後に高
精度を有し、しかも熱処理によるひずみが抑制されると
ともに、大型部品などに殊に必要となる深い高強度焼入
組織を任意に有し得る、大幅なコストダウンを実現した
鍛造部品、およびその製造方法を提供することを目的と
してなされたものである。
連した多くの課題を解決すべく案出されたものであり、
低変形抵抗、高被削性を有する素材を用いて加工後に高
精度を有し、しかも熱処理によるひずみが抑制されると
ともに、大型部品などに殊に必要となる深い高強度焼入
組織を任意に有し得る、大幅なコストダウンを実現した
鍛造部品、およびその製造方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記知見に基づ
いてなされたものであって、その要旨とするところは重
量%で C :0.3〜1.0%、 Si:0.6〜
1.3%、Mn:0.3〜1.5%、 P
:≦0.02%、S :≦0.1%、
Al:0.01〜0.035%、を含有するか、あ
るいは更に、 Ni:0.05〜5.0%、 B :0.00
1〜0.004%、N :0.002〜0.008%、
Mo:0.05〜0.20%、の1種または2種以
上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、か
つ黒鉛含有率が0.2〜1.0%で、該黒鉛の平均粒径
が4μm以下、粒数が3,000個/mm2 以上の黒鉛を
含み、更に上記炭素の黒鉛化率が10%以上を含有し、
更に少なくとも表層部は焼入組織を有することを特徴と
する表面に高強度層を有する鍛造部品、および上記化学
成分を有する棒線状鋼材を冷間鍛造、切削工程を適宜組
み合わせて成形後、表面に高強度を付与するため表層部
に焼入れ処理を施すことを特徴とする鍛造部品の製造方
法にある。
いてなされたものであって、その要旨とするところは重
量%で C :0.3〜1.0%、 Si:0.6〜
1.3%、Mn:0.3〜1.5%、 P
:≦0.02%、S :≦0.1%、
Al:0.01〜0.035%、を含有するか、あ
るいは更に、 Ni:0.05〜5.0%、 B :0.00
1〜0.004%、N :0.002〜0.008%、
Mo:0.05〜0.20%、の1種または2種以
上を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、か
つ黒鉛含有率が0.2〜1.0%で、該黒鉛の平均粒径
が4μm以下、粒数が3,000個/mm2 以上の黒鉛を
含み、更に上記炭素の黒鉛化率が10%以上を含有し、
更に少なくとも表層部は焼入組織を有することを特徴と
する表面に高強度層を有する鍛造部品、および上記化学
成分を有する棒線状鋼材を冷間鍛造、切削工程を適宜組
み合わせて成形後、表面に高強度を付与するため表層部
に焼入れ処理を施すことを特徴とする鍛造部品の製造方
法にある。
【0008】
【作用】図1(a)は従来の歯車断面の例であり、1は
浸炭部、2は非浸炭部で通常は低炭素の焼入組織または
非焼入組織を有する。図1(b)は本発明歯車の一態様
例であり、3は高炭素焼入組織、4は高炭素非焼入組織
で0.2から1.0%の黒鉛を含有する。
浸炭部、2は非浸炭部で通常は低炭素の焼入組織または
非焼入組織を有する。図1(b)は本発明歯車の一態様
例であり、3は高炭素焼入組織、4は高炭素非焼入組織
で0.2から1.0%の黒鉛を含有する。
【0009】こうした組織分布を有する部品を製造する
には、あらかじめ内部の炭素の一部あるいは全部が黒鉛
となっている素材を用い、冷間鍛造や切削によって成形
し、例えば高周波加熱を施せば表層の黒鉛は固溶し、焼
入によって3のような焼入組織を得ることができる。図
2は従来の浸炭焼入で部品を製造する工程例であり、鋼
材5を冷間鍛造6で粗成形し、切削7で仕上げを行った
後、浸炭焼入8を施して部品9を作る。この時、浸炭焼
入8は通常900℃で10時間程度の加熱処理が施され
る。
には、あらかじめ内部の炭素の一部あるいは全部が黒鉛
となっている素材を用い、冷間鍛造や切削によって成形
し、例えば高周波加熱を施せば表層の黒鉛は固溶し、焼
入によって3のような焼入組織を得ることができる。図
2は従来の浸炭焼入で部品を製造する工程例であり、鋼
材5を冷間鍛造6で粗成形し、切削7で仕上げを行った
後、浸炭焼入8を施して部品9を作る。この時、浸炭焼
入8は通常900℃で10時間程度の加熱処理が施され
る。
【0010】それに対し、図3は本発明法による部品を
製造する工程の一態様例を示し、浸炭焼入に代えて高周
波焼入10を用いている。高周波焼き入れは、900℃
で2〜3分加熱で十分であり、従来の図2の浸炭焼入に
多大のエネルギーを投入したのに比べると大幅な省エネ
ルギーとなっている。なお、素材は黒鉛を有した非常に
軟らかい材料であるため、7の切削を省略して6の冷間
鍛造で部品成形することも可能である。
製造する工程の一態様例を示し、浸炭焼入に代えて高周
波焼入10を用いている。高周波焼き入れは、900℃
で2〜3分加熱で十分であり、従来の図2の浸炭焼入に
多大のエネルギーを投入したのに比べると大幅な省エネ
ルギーとなっている。なお、素材は黒鉛を有した非常に
軟らかい材料であるため、7の切削を省略して6の冷間
鍛造で部品成形することも可能である。
【0011】さらに、図3の本発明法の工程では、切削
時の素材において含有炭素の一部または全部が黒鉛とな
っているため、極めて切削性が高く、高速切削が可能と
なるとともに切削工具の寿命が向上し、切削費用の削減
にも大きく寄与する。また、切削残留応力が低くなるこ
と、および歯車内部は黒鉛が含まれた軟らかい組織であ
ることから、焼入による部品形状のひずみが緩和され
る。
時の素材において含有炭素の一部または全部が黒鉛とな
っているため、極めて切削性が高く、高速切削が可能と
なるとともに切削工具の寿命が向上し、切削費用の削減
にも大きく寄与する。また、切削残留応力が低くなるこ
と、および歯車内部は黒鉛が含まれた軟らかい組織であ
ることから、焼入による部品形状のひずみが緩和され
る。
【0012】また、この高周波焼入条件によって、表面
の硬化深さは容易に変えることができる。このことは、
浸炭焼入の場合、深さを確保するには非常な長時間を必
要としたことに比べて、大きな利点である。従って、特
に大型の部品においてこの効果は増大する。図4は本発
明法の他の態様例を示し、高周波焼入に代えて普通焼入
する場合であり、内部硬さが問題となる場合は7の切削
後に11の焼きならしを施せば内部の黒鉛はほとんどな
くなって硬くなる。
の硬化深さは容易に変えることができる。このことは、
浸炭焼入の場合、深さを確保するには非常な長時間を必
要としたことに比べて、大きな利点である。従って、特
に大型の部品においてこの効果は増大する。図4は本発
明法の他の態様例を示し、高周波焼入に代えて普通焼入
する場合であり、内部硬さが問題となる場合は7の切削
後に11の焼きならしを施せば内部の黒鉛はほとんどな
くなって硬くなる。
【0013】図5(a)は、従来のシャフト断面の例で
あり、1は浸炭部、2は非浸炭部で通常は低炭素の焼入
組織または非焼入組織を有する、図5(b)は本発明シ
ャフトの一態様例であり、3は高炭素焼入組織、4は高
炭素非焼入組織で0.2〜1.0%の黒鉛を含有する。
3の焼入組織は例えば高周波焼入などによって与えられ
るので、その焼入条件、例えば高周波の周波数、加熱時
間などによって、3の焼入組織深さは任意に制御でき
る。このことは従来の浸炭深さを大きくすることが極め
て困難であったことに比べて非常に大きな優位点とな
る。
あり、1は浸炭部、2は非浸炭部で通常は低炭素の焼入
組織または非焼入組織を有する、図5(b)は本発明シ
ャフトの一態様例であり、3は高炭素焼入組織、4は高
炭素非焼入組織で0.2〜1.0%の黒鉛を含有する。
3の焼入組織は例えば高周波焼入などによって与えられ
るので、その焼入条件、例えば高周波の周波数、加熱時
間などによって、3の焼入組織深さは任意に制御でき
る。このことは従来の浸炭深さを大きくすることが極め
て困難であったことに比べて非常に大きな優位点とな
る。
【0014】なお、表面だけでなく内部まで加熱してか
ら焼き入れすれば、かなり内部まで硬くすることがで
き、用途に応じた必要な特性を得ることもできる。その
他、素材の低変形抵抗特性を利用して、炭素量0.6%
以上の素材でも容易に冷間鍛造できるので、従来低炭素
鋼を用いて冷間鍛造した後、浸炭焼入していたタッピッ
グスクリューや等速ジョイント部品などに極めて有効に
適用できる。次に、本発明の対象とする棒線状鋼材およ
び鍛造部品の化学成分の限定理由について説明する。
ら焼き入れすれば、かなり内部まで硬くすることがで
き、用途に応じた必要な特性を得ることもできる。その
他、素材の低変形抵抗特性を利用して、炭素量0.6%
以上の素材でも容易に冷間鍛造できるので、従来低炭素
鋼を用いて冷間鍛造した後、浸炭焼入していたタッピッ
グスクリューや等速ジョイント部品などに極めて有効に
適用できる。次に、本発明の対象とする棒線状鋼材およ
び鍛造部品の化学成分の限定理由について説明する。
【0015】Cは焼入後の強度を確保するために、また
十分な被削性能を得るために必要な黒鉛の量を確保する
ために、その下限値を0.3%とした。上限は熱処理に
よる焼き割れを防止するために1.0%とした。Siは
鋼中の炭素原子との結合力が小さく、黒鉛化に有効なの
で少なくとも0.6%は必要であり、1.3%を超える
とフェライト相が硬くなり冷間鍛造性が低下するので上
限値を1.3%とした。
十分な被削性能を得るために必要な黒鉛の量を確保する
ために、その下限値を0.3%とした。上限は熱処理に
よる焼き割れを防止するために1.0%とした。Siは
鋼中の炭素原子との結合力が小さく、黒鉛化に有効なの
で少なくとも0.6%は必要であり、1.3%を超える
とフェライト相が硬くなり冷間鍛造性が低下するので上
限値を1.3%とした。
【0016】Mnは鋼中硫黄をMnSとして固定・分散
させるために必要な量を加算した量が必要でありその下
限値は0.3%である。一方Mn量が大きくなると黒鉛
化しにくいので上限値を1.5%とした。Pは熱間加工
性を損なうので上限を0.02%とした。Sは、被削性
を向上させるものの冷間鍛造性を損なうので0.1%以
下とした。
させるために必要な量を加算した量が必要でありその下
限値は0.3%である。一方Mn量が大きくなると黒鉛
化しにくいので上限値を1.5%とした。Pは熱間加工
性を損なうので上限を0.02%とした。Sは、被削性
を向上させるものの冷間鍛造性を損なうので0.1%以
下とした。
【0017】Alは溶鋼の脱酸材となり、また結晶粒度
を調整するので0.01%以上の添加が必要である。添
加が多すぎると冷間鍛造性を損なうので0.035%を
上限とした。Bは鋼中でBNを生成して黒鉛化を促進す
るので添加するのが望ましい。その効果が得られる下限
値は0.001%、その効果が飽和するのが0.004
%である。
を調整するので0.01%以上の添加が必要である。添
加が多すぎると冷間鍛造性を損なうので0.035%を
上限とした。Bは鋼中でBNを生成して黒鉛化を促進す
るので添加するのが望ましい。その効果が得られる下限
値は0.001%、その効果が飽和するのが0.004
%である。
【0018】NはBN化するに少なくとも0.002%
は必要であるが、多いと時効などの問題を起こすので
0.008%を上限とした。Niは強度を確保するのに
有効であり、望ましくは0.05%以上添加するが、冷
間鍛造時の強度が上がりすぎると加工困難となるので
5.0%を上限とした。
は必要であるが、多いと時効などの問題を起こすので
0.008%を上限とした。Niは強度を確保するのに
有効であり、望ましくは0.05%以上添加するが、冷
間鍛造時の強度が上がりすぎると加工困難となるので
5.0%を上限とした。
【0019】Moはフェライト粒内に黒鉛を析出させる
に有効であり、0.05%以上添加するのが望ましい。
添加量が多いとフェライト地の硬さが上昇するので上限
値を0.20%とした。上記鋼材および鍛造部品内部の
黒鉛の重量含有率を0.2%以上とするのは、これ未満
では熱処理前の加工において鍛造型や切削工具寿命を高
めることができないのと、加工精度が低下すること、さ
らには熱処理後のひずみが高くなることによる。一方、
前記内部の黒鉛含有率が1.0%を超えると被削性向上
効果が飽和するので、これらの範囲内に収めるのが望ま
しい。
に有効であり、0.05%以上添加するのが望ましい。
添加量が多いとフェライト地の硬さが上昇するので上限
値を0.20%とした。上記鋼材および鍛造部品内部の
黒鉛の重量含有率を0.2%以上とするのは、これ未満
では熱処理前の加工において鍛造型や切削工具寿命を高
めることができないのと、加工精度が低下すること、さ
らには熱処理後のひずみが高くなることによる。一方、
前記内部の黒鉛含有率が1.0%を超えると被削性向上
効果が飽和するので、これらの範囲内に収めるのが望ま
しい。
【0020】また、平均粒径が4μm以下、粒数が30
00個/mm2 以上の黒鉛を含むと前記内部の靱性が高
く、折損防止に有効であるばかりでなく、こうした材料
は熱処理時の炭素の拡散が迅速に行われて焼入性が高い
ため、不完全焼入などの問題を発生しない。一方、上記
の様な部品の製造に当たっては、含有炭素の黒鉛化率が
10%以上の棒状素材を用いて冷間鍛造、切削を適宜組
み合わせて成形するのが有効である。黒鉛化率を10%
以上とするのは、これ未満では材料が十分軟化しないの
と、被削性が高くないことによる。
00個/mm2 以上の黒鉛を含むと前記内部の靱性が高
く、折損防止に有効であるばかりでなく、こうした材料
は熱処理時の炭素の拡散が迅速に行われて焼入性が高い
ため、不完全焼入などの問題を発生しない。一方、上記
の様な部品の製造に当たっては、含有炭素の黒鉛化率が
10%以上の棒状素材を用いて冷間鍛造、切削を適宜組
み合わせて成形するのが有効である。黒鉛化率を10%
以上とするのは、これ未満では材料が十分軟化しないの
と、被削性が高くないことによる。
【0021】次に、本発明では上記の化学成分を含有す
る棒線状鋼材を冷間鍛造、切削工程を適宜組み合わせて
成形後、表面強度を付与するために少なくとも表層部に
焼入れ処理、好ましくは高周波焼入れ処理により高周波
焼入れ組織を付与する。高周波焼入れ処理条件は、鍛造
部品に必要な表面硬度の確保は勿論であるが経済的コス
トをも加味になければならない。
る棒線状鋼材を冷間鍛造、切削工程を適宜組み合わせて
成形後、表面強度を付与するために少なくとも表層部に
焼入れ処理、好ましくは高周波焼入れ処理により高周波
焼入れ組織を付与する。高周波焼入れ処理条件は、鍛造
部品に必要な表面硬度の確保は勿論であるが経済的コス
トをも加味になければならない。
【0022】上記の各種条件を満足する高周波焼入れ処
理条件は、使用する周波数は通常熱処理で採用される3
kHz が最適であり、また焼入れ温度範囲は800〜90
0℃の範囲とする。800℃以下では不完全焼入状態と
なり十分な焼入れ組織が得られない。一方、900℃を
越えると焼入れ過多となり高硬度になり過ぎ脆くなり切
削時間と費用が嵩み経済的でない。また、高周波焼入れ
組織の付与の範囲は、目的とする部品形状によって異な
るが部品の少なくとも表層部の一部または全部とする
が、通常は磨耗の激しい摺動部分に付与することが望ま
しい。
理条件は、使用する周波数は通常熱処理で採用される3
kHz が最適であり、また焼入れ温度範囲は800〜90
0℃の範囲とする。800℃以下では不完全焼入状態と
なり十分な焼入れ組織が得られない。一方、900℃を
越えると焼入れ過多となり高硬度になり過ぎ脆くなり切
削時間と費用が嵩み経済的でない。また、高周波焼入れ
組織の付与の範囲は、目的とする部品形状によって異な
るが部品の少なくとも表層部の一部または全部とする
が、通常は磨耗の激しい摺動部分に付与することが望ま
しい。
【0023】なお焼入後に必要に応じて焼戻しを施すこ
ともできる。
ともできる。
【0024】
【実施例】表1に本発明法で用いた化学成分例と従来使
用されている鋼材の化学成分例およびそれぞれの黒鉛化
率を示した。なお、ここで鋼種1〜3は本発明法で用い
た化学成分例であり、鋼種4は従来使用されている鋼材
としてJIS構造用のSCM420の例を示した。
用されている鋼材の化学成分例およびそれぞれの黒鉛化
率を示した。なお、ここで鋼種1〜3は本発明法で用い
た化学成分例であり、鋼種4は従来使用されている鋼材
としてJIS構造用のSCM420の例を示した。
【0025】
【表1】
【0026】次に、本発明法と従来法で、歯車を試作し
た。従来法では表1の鋼種4を用い、図2の工程を経て
冷間鍛造でギアブランクを製造し、モジュール9のベベ
ルギヤをホブ盤で切削した後、935℃ガス浸炭9時
間、拡散4時間して焼入した。一方、本発明法では表1
鋼種1〜3の各鋼種を圧延後急冷して焼鈍し、炭素の6
0〜95%が黒鉛化した素材を用い、図3の工程におい
て、本発明1,2は冷間鍛造でギアブランクを製造後、
ホブ盤で同様のギヤを切削した後、3kHz 、870℃で
高周波焼入にて歯車を製作し、本発明3は冷間鍛造で歯
形成形まで一挙に実施した後、3kHz 、830℃で高周
波焼入により歯車を製作した。
た。従来法では表1の鋼種4を用い、図2の工程を経て
冷間鍛造でギアブランクを製造し、モジュール9のベベ
ルギヤをホブ盤で切削した後、935℃ガス浸炭9時
間、拡散4時間して焼入した。一方、本発明法では表1
鋼種1〜3の各鋼種を圧延後急冷して焼鈍し、炭素の6
0〜95%が黒鉛化した素材を用い、図3の工程におい
て、本発明1,2は冷間鍛造でギアブランクを製造後、
ホブ盤で同様のギヤを切削した後、3kHz 、870℃で
高周波焼入にて歯車を製作し、本発明3は冷間鍛造で歯
形成形まで一挙に実施した後、3kHz 、830℃で高周
波焼入により歯車を製作した。
【0027】表2に本発明法と従来法による場合の切削
費用比と熱処理使用比をそれぞれ示した。
費用比と熱処理使用比をそれぞれ示した。
【0028】
【表2】
【0029】切削費用比が本発明1、2では従来法を1
として0.7、本発明3では0.2、熱処理費用比は全
ての場合で0.2を実現した。しかも、これらの歯車
は、寸法精度、耐久性とも従来品と同等以上であった。
として0.7、本発明3では0.2、熱処理費用比は全
ての場合で0.2を実現した。しかも、これらの歯車
は、寸法精度、耐久性とも従来品と同等以上であった。
【0030】
【発明の効果】このように、従来多大の工数をかけて加
工していた部品を、はるかに容易にしかも高精度で製造
可能としたもので、産業上多大の寄与を成すものであ
る。
工していた部品を、はるかに容易にしかも高精度で製造
可能としたもので、産業上多大の寄与を成すものであ
る。
【図1】図1は歯車の一部断面を示し、(a)は従来の
歯車の断面を示す図であり、(b)は本発明の一態様例
により製造された歯車の断面を示す図である。
歯車の断面を示す図であり、(b)は本発明の一態様例
により製造された歯車の断面を示す図である。
【図2】図2は従来の製造工程を示す図である。
【図3】図3は本発明の製造工程を示す図である。
【図4】図4は本発明の別の態様例の製造工程を示す図
である。
である。
【図5】図5はシャフトの断面を示し、(a)は従来の
シャフトの断面を示す図であり、(b)は本発明の一態
様例により製造されたシャフトの断面を示す図である。
シャフトの断面を示す図であり、(b)は本発明の一態
様例により製造されたシャフトの断面を示す図である。
【符号の説明】 1…浸炭部 2…非浸炭部 3…高炭素焼入組織 4…高炭素非焼入組織 5…鋼材 6…冷間鍛造 7…切削 8…浸炭焼入 9…部品 10…高周波焼入 11…焼きならし 12…焼入
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%でC:0.3〜1.0%、Si:
0.6〜1.3%、Mn:0.3〜1.5%、P≦0.
02%、S≦0.1%、Al:0.01〜0.035%
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなり、内部
には黒鉛として0.2〜1.0%を含有し、少なくとも
表層部は焼入組織であることを特徴とする表面に高強度
層を有する鍛造部品。 - 【請求項2】 重量%で、さらにNi:0.05〜5.
0%、B:0.001〜0.004%、N:0.002
〜0.008%、Mo:0.05〜0.20%の内、1
種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載
の表面に高強度層を有する鍛造部品。 - 【請求項3】 前記内部の黒鉛含有率が、0.2〜1.
0%で、該黒鉛の平均粒径が4μm以下、粒数が300
0個/mm2 以上であることを特徴とする請求項1または
2記載の表面に高強度層を有する鍛造部品。 - 【請求項4】 重量%でC:0.3〜1.0%、Si:
0.6〜1.3%、Mn:0.3〜1.5%、P≦0.
02%、S≦0.1%、Al:0.01〜0.035
%、残部が鉄および不可避的不純物を含み、該炭素の黒
鉛化率が10%以上の棒線状鋼材を用いて冷間鍛造、切
削を適宜組み合わせて成形し、しかる後少なくとも表層
を焼き入れて表面強度を付与することを特徴とする表面
に高強度層を有する鍛造部品の製造方法。 - 【請求項5】 重量%でさらにNi:0.05〜5.0
%、B:0.001〜0.004%、N:0.002〜
0.008%、Mo:0.05〜0.20%の内、1種
または2種以上を含むことを特徴とする請求項4記載の
表面に高強度層を有する鍛造部品の製造方法。 - 【請求項6】 平均粒径が4μm以下、粒数が3000
個/mm2 以上の黒鉛を含む棒線状鋼材を用いることを特
徴とする請求項4または5記載の表面に高強度層を有す
る鍛造部品の製造方法。 - 【請求項7】 冷間鍛造、切削等の成形後に焼きならし
を施してから焼入を行うことを特徴とする請求項5,
6,7のいずれか1項に記載の表面に高強度層を有する
鍛造部品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9696295A JPH08291371A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 表面に高強度層を有する鍛造部品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9696295A JPH08291371A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 表面に高強度層を有する鍛造部品及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08291371A true JPH08291371A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14178878
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9696295A Pending JPH08291371A (ja) | 1995-04-21 | 1995-04-21 | 表面に高強度層を有する鍛造部品及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08291371A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001220623A (ja) * | 1999-12-31 | 2001-08-14 | Dana Corp | かさ歯車を製造する方法 |
| WO2013132575A1 (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | トヨタ自動車株式会社 | 機械加工部品の製造方法および機械加工部品 |
| CN103741021A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-04-23 | 马钢(集团)控股有限公司 | 铁路货车用高韧性车轮钢及车轮制备方法 |
-
1995
- 1995-04-21 JP JP9696295A patent/JPH08291371A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001220623A (ja) * | 1999-12-31 | 2001-08-14 | Dana Corp | かさ歯車を製造する方法 |
| WO2013132575A1 (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | トヨタ自動車株式会社 | 機械加工部品の製造方法および機械加工部品 |
| JPWO2013132575A1 (ja) * | 2012-03-05 | 2015-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | 機械加工部品の製造方法および機械加工部品 |
| CN103741021A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-04-23 | 马钢(集团)控股有限公司 | 铁路货车用高韧性车轮钢及车轮制备方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011023 |