JPH08295592A - 加熱炉のヒータ温度制御装置 - Google Patents

加熱炉のヒータ温度制御装置

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JPH08295592A
JPH08295592A JP7125839A JP12583995A JPH08295592A JP H08295592 A JPH08295592 A JP H08295592A JP 7125839 A JP7125839 A JP 7125839A JP 12583995 A JP12583995 A JP 12583995A JP H08295592 A JPH08295592 A JP H08295592A
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heater
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thermocouple
heated
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Shinichi Sawada
真一 沢田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶引き上げ炉や熱処理炉において、雰囲気
の温度を正確に測定する装置を与えること。 【構成】 ヒ−タに対して、同心位置にリングを設け、
このリングの中に熱電対の先端を埋め込み、この熱電対
によって温度計測する。リングがヒ−タに対して同心位
置にあるのでリング近傍の雰囲気の温度はほぼ同じであ
る。この位置に固体が存在するので温度がリングによっ
て平均化される。熱電対を埋め込んでいるから、対流等
の影響を受けなくなる、時間的な温度変動がなく真の温
度を正確に求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si、Geなどの半導
体材料、GaAs、InP、CdTeなどの化合物半導
体材料、酸化物、金属やセラミックスを加熱する装置に
関する。原料多結晶から単結晶を育成する結晶成長炉
や、単体原料から化合物を合成する合成炉、あるいは結
晶を熱処理する炉、ヒ−タを用いて対象物を加熱する炉
などが含まれる。
【0002】但し、ヒ−タの形状配置が回転対称であっ
て、ヒ−タ周りの温度分布が回転対称であるものが望ま
しい。回転対称というのは、ある軸回りに三次元円筒座
標系を定義した時に温度分布T(r,Θ,z)が、ほぼ
T(r,z)によって表現する事ができるものを言う。
つまりZ軸回りの温度分布が一様なのである。従って、
温度分布は、rとzの二つのパラメータによってほぼ規
定される。
【0003】これはかなり特殊な条件のように見えよ
う。しかし円筒状のヒ−タや円錐状のヒ−タを使って、
円筒、円錐の対象物を加熱すると、このような回転対称
の温度分布が形成される。結晶成長炉や、熱処理炉にお
いては極ふつうに用いられる。
【0004】
【従来の技術】加熱炉において、ヒ−タの温度や、対象
物の温度、あるいは雰囲気の温度を知ることは極めて重
要である。これらの部位の温度が所定の温度から外れて
いれば予期した成果が得られない。高温部の温度は熱電
対によって測定する。これは対象に接触した状態で温度
計測するので正確である。ヒ−タの面に熱電対を接触さ
せてヒータの温度を測定したり、るつぼの底に熱電対の
先端を接触させて対象物の温度を測定する。対象が雰囲
気である場合は、その部位に熱電対の先端を露出して設
置する。
【0005】対象が熱容量の大きい固体または液体の場
合は、対象に接触させて温度計測できる。しかし対象が
雰囲気の場合、熱電対を空間に単に露呈して温度計測す
る方法にはいくつかの難点がある、と本発明者は考え
る。空間の温度を測定する方法に関して従来例を説明す
る。
【0006】[特開昭61ー286296号] これは
GaAs等の化合物半導体単結晶を引き上げるLEC法
において、磁場を原料融液に印加して結晶引き上げする
ものである。るつぼ底部に第1の熱電対が、ヒ−タ底部
に第2の熱電対が設置される。るつぼとヒ−タの間に、
雰囲気温度を知るための一つの熱電対が設けられる。第
3の熱電対である。この熱電対の先端は露呈している。
るつぼからも、ヒ−タからも離隔している。
【0007】[特公平5ー71555号] これはGa
Asなど化合物半導体単結晶をLEC法によって引き上
げる方法の改良である。円筒形のヒ−タによってるつぼ
を加熱するが、るつぼの周りの温度揺らぎが大きくて不
都合であるという。だからこれはるつぼ周りの温度揺ら
ぎを減らすことを目的にしている。
【0008】るつぼとヒ−タの間に軸方向に長い円筒形
の温度安定材を設ける。安定材により、るつぼに対して
ヒ−タが隠れるような長い安定材である。ヒ−タの輻射
熱は一旦安定材に吸収され、安定材の温度を上げて輻射
となって、るつぼを間接加熱する。この安定材の中に、
4つの熱電対の先端を異なる高さに埋め込んでいる。熱
容量の大きい安定材が直接の輻射を遮り再輻射してるつ
ぼを加熱するので、ヒ−タ電流の空間的、時間的揺らぎ
があっても、るつぼ周りの温度分布が安定する。本発明
に関連して注意すべきことは、熱電対の先端が固体の内
部に埋め込まれているということである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ヒ−タとるつぼの間の
空間温度を知るために、特開昭61−286296号は
裸の熱電対をこの位置に設置している。このような構造
では熱電対が露出しているため、チャンバ内の対流や、
ちょっとした熱電対位置の変動などにより、温度検出値
が変化する。実際に雰囲気温度が変わっていないのであ
るが、温度表示値のみが変わる。正確な雰囲気温度が分
からないので、温度制御の再現性が悪かった。
【0010】特公平5−71555号は熱電対を露呈さ
せない。ヒ−タとるつぼの間に、熱電対が埋め込まれた
軸方向に長い円筒状の安定材を設けている。これは熱電
対を熱容量の大きい円筒部材によって包むので、温度が
平均化されて揺らぎがなくなる。こういう利点がある。
しかし欠点がある。円筒形の安定材は、円周方向に温度
分布を均一化する。このため熱伝導の良い材料を使って
安定材を作る。反面、安定材の熱伝導が高すぎるから軸
方向にも熱分布が消滅してしまう。安定材そのものが、
積極的に作用してるつぼの温度分布を小さくしている。
つまり4つの熱電対が異なる部位に埋め込まれても、T
1=T2=T3=T4というふうになってしまう。
【0011】反面これは、軸方向の温度制御性が悪いと
いうことである。もとより特公平5−71555は、ヒ
−タ温度を一旦安定材によって平均化させてからるつぼ
に輻射するものであって、安定材を熱分布の再構築に用
いている。しかし多くの場合、温度センサ自体が、対象
物に影響を及ぼすのは望ましくない。センサの存在によ
り温度分布が乱されないものが良いという場合の方が多
い。
【0012】ヒ−タの形成する回転対称の空間の温度分
布を正確に測定できる装置を提案する事が本発明の第1
の目的である。ヒ−タ周りの回転対称の温度分布を乱す
ことなく計測できる装置を提供する事が本発明の第2の
目的である。ヒ−タ周りの回転対称の温度分布を計り、
ヒ−タ、対象物の温度を正しく制御する装置を提供する
事が本発明の第3の目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の温度制御装置
は、中央部に置かれた対象物を加熱する回転対称性のあ
るヒ−タが作る空間の温度分布を計測するための装置で
あって、熱電対の先端を埋め込んだ軸方向、半径方向に
短いリングを対称中心に関して対称になるように設置し
ている。リングの表面輻射率が0.3以上であることが
望ましい。
【0014】被加熱物体は、原料融液、成長中の単結
晶、成長の終わった結晶など様々である。温度検出用の
リングは、SiO2 、SiN、AlN、Al23 その
他のセラミックス、或いはカーボンのような導体を用い
ることができる。導体の場合は、熱電対の先端を絶縁す
る必要がある。炉は、結晶成長炉や、熱処理炉などであ
って回転対称性のあるものである。
【0015】ヒ−タは、カーボンヒ−タや金属ヒ−タな
どの抵抗加熱ヒ−タ、あるいは誘導加熱ヒ−タである。
回転対称の温度分布を形成する必要があるので、ヒ−タ
は、円筒状、円錐状、リング状のものである事が必要で
ある。雰囲気は不活性ガス、窒素ガス、あるいは真空で
あっても良い。熱電対を埋め込んだ計測用のリングは、
ヒ−タの内部にあっても良いし、外部にあっても良い。
表面輻射率が高いと輻射熱をよく吸収するので、温度変
化に早く追随できる。ここでは0.3以上が望ましい。
もちろん0.4以上ならもっと良い。
【0016】リングは長手方向、半径方向には短くなけ
ればならない。これには二つの理由がある。リングが軸
方向、半径方向に長いと、長手方向の温度分布を消滅さ
せるからである。温度センサの存在温度分布に影響を与
えてはいけない。もう一つは空間の温度は長手方向(Z
軸方向)と半径方向に変動し、この変動分を検出する必
要があるからである。
【0017】
【作用】被加熱物体は、円筒状又は円錐状の抵抗加熱ヒ
−タからの輻射、或いは誘導加熱ヒ−タが被加熱物体自
体に生ずる渦電流損失により加熱される。これによって
形成される温度分布は回転対称である。つまりT(r,
Θ,z)=T(r,z)というふうに表現される。
【0018】本発明は、ヒ−タに対して同心位置で回転
対称の、例えば円筒状または円錐状のリングを設ける。
リングには熱電対の先端が埋め込まれている。回転対称
のリングにはヒ−タからの輻射熱が当たる。これはもち
ろん被加熱物体への熱量に比例する。輻射熱によりリン
グが加熱され温度が上昇する。この温度を熱電対が計測
する。被加熱物体の温度をこれから求めることができ
る。リング温度と、被加熱物体の温度が比例する。これ
らの量の間の比例定数を予め決定しておけば、リング温
度から被加熱物体の温度を正確に測定できる。
【0019】リングによって輻射を受けているので、次
の利点がある。従来法(特開昭61−286296)の
ように熱電対を空間中に露出している場合は、熱電対先
端の熱容量が小さいので、対流変化や僅かの輻射変動に
よって熱電対の示度が著しく変化してしまう。時間的揺
らぎが大きいのである。時間的揺らぎは、露出した熱電
対の先端だけのものである。被加熱物体の温度がそのよ
うに激しく変動しているわけではない。
【0020】本発明はリングによって輻射を受け、これ
が熱伝導によってリングを均一温度にする。この温度を
熱電対によって検出しているので、時間的な変動が少な
くなる。対流変動、輻射の変化など時間的に早い熱変動
は、被加熱物体の内部では現実には起こらない。被加熱
物体の熱容量が十分に大きいからである。リングによっ
て熱を温度に変換するのは、被加熱物体の内部で起こる
熱運動をより正確に反映していると言える。これは温度
の細かく激しい時間変動をリングの熱容量によって平均
化しているということである。さらにリングの内部に先
端が埋没しているから、熱電対先端の位置が少しぐらい
ずれても温度示度に変化はない。
【0021】もう一つの重要な平均作用がある。これは
幾何学的な平均化作用ということができる。ヒ−タが回
転対称に配置され、被加熱物体の形状も回転対称であ
る。すると被加熱物体の温度分布は回転対称である筈で
ある。しかし空間的な温度分布は対流変動や輻射の時間
的異方性の影響を受けて、必ずしも回転対称ではない。
時間平均すれば、円筒対称になるが、時間的には様々の
要因によって異方的な温度示度の変動が起こる。
【0022】例えば3つの熱電対T1,T2,T3を、
同じ高さz、同じ半径rの位置に120度の中心角をな
すように配置して、空間温度を測定したとする。温度を
T(t,r,z,0°)、T(t,r,z,120
°)、T(t,r,z,240°)によって表現する。
これらは時間平均はほぼ等しいが、しかし時間的な変動
があって、時々刻々の値は食い違う。正確にT(t,
r,z)の値を知るには、3つの熱電対を設置して平均
値を取らないといけないということになる。
【0023】本発明の場合は、円環状のリングに熱電対
を埋設している。リングの熱伝導が優越するから、円周
方向でリングの温度は一様になる。本発明では熱伝導に
よって均一化した温度を測定する。このために揺らぎの
ない温度を測定できる。時々刻々変動する温度示度は、
その空間部位の温度としては正しいものである。しかし
熱容量の大きい被加熱物体の温度を反映するものではな
い。であるから、擾乱部分を除いた温度計測の方が被加
熱物体の状態をより正確に反映するのである。
【0024】空間の複数の部位の温度を求めるには、複
数のリングを用いる。これらのリングに一つの熱電対を
埋め込んで、その位置(z,r)での温度を求める。こ
うするとヒ−タ毎の独立性が保障されるので、ヒ−タ間
で干渉が起こらない。温度の測定自体にこのような方法
を使うこともできる。しかし本発明は被加熱物体の加熱
状態の制御を目的とする。そこで熱電対測定値をフィー
ドバックしてヒ−タパワーを制御する。温度計測がより
正確になるから、被加熱物体の温度制御の再現性が高揚
する。
【0025】さらにリングの表面の輻射率が0.3以上
の材料を選ぶのが望ましい。輻射率は放射率とも言う。
これは同じ温度の黒体が出す単位面積当たりエネルギー
に対するこの物体の単位面積当たりの放射エネルギーの
比である。ある温度の物体から放出するエネルギーと、
吸収するエネルギーは等しい。吸収率という言葉もあ
る。これは同じ温度の黒体が吸収する単位面積当たりの
エネルギーに対するある物体が吸収する単位面積当たり
のエネルギーの比である。であるから吸収率と輻射率は
等しい。黒体というのは全輻射を吸収するものである
(輻射率=1)。実際には黒体は存在せず理想的な概念
にすぎない。
【0026】輻射率が低いと吸収も少ないから、ヒ−タ
からの輻射熱を効率よく吸収することができない。する
と被加熱物体の温度変動をも正確に捕捉することができ
ない。輻射率の高い方が、ヒ−タ輻射をよく吸収して熱
変動をより忠実に追跡することができる。それ故、本発
明では輻射率が0.3以上の物体をリングに用いるのが
好ましい。0.4以上であっても良い。
【0027】輻射率が高い方が検出の精度が良い。ヒ−
タと被加熱物体の間にリングがある場合は、輻射率に上
限がある。あまりに輻射率が高いと、吸収が大きくなり
すぎて被加熱物体がリングの陰になり、被加熱物体の上
に温度分布ができてしまう恐れがある。上限は0.8程
度である。しかしリングがヒ−タの外側にある時はこの
ような制限がない。リング輻射率の上限は1である。
【0028】輻射率は温度の関数である。ここでは使用
温度において輻射率が0.3以上であるという意味であ
る。リングの半径方向の幅Wや、軸方向の厚みDなどは
目的によって適宜決定する必要がある。軸方向にあまり
に長いと、リングの存在が熱分布に影響する。断面積が
大きいと単位長さ当たりの熱容量が大きくなり、ヒ−タ
パワ−の早い変動に追随できなくなる。ヒ−タの温度変
動の最大速さ(dT/dt)や温度計測の許容誤差ΔT
により、またリングの比熱c、熱伝導率κにより、幅W
と厚みDの範囲が決められる。
【0029】リングの中心に熱電対の先端が埋め込まれ
ているとする。外側から半径方向にW/2の距離に温度
計測点がある。温度変化が外側からここまでに熱伝導に
よって到達する時間は、W2 c/4κによって与えられ
る。この時のヒ−タの内外の温度差は、ヒ−タ温度変動
の速さ(dT/dt)をこれに掛けて、(dT/dt)
(W2 c/4κ)なる。これが許容誤差ΔT以下であれ
ばよいので、(dT/dt)(W2 c/4κ)<ΔTと
なる。この条件から、幅Wの上限は、W<{(4κΔ
T)/c(dT/dt)}1/2 によって与えられる。
【0030】リングの厚みDは幅Wと少し事情が違う。
高さ方向の温度の差を正確に検出するためにDの大きさ
が制限される。しかしヒ−タは円筒対称に配置されるか
ら、温度の分布は主に半径方向に発生する。高さ方向の
温度分布は小さい。軸方向(高さ方向)の温度勾配を
(dT/dz)として、高さ方向の温度計測の許容誤差
をΔTzとすると、(dT/dz)D/2<ΔTzであ
る。これから厚みDの範囲は、D<2ΔTz/(dT/
dz)によって与えられる。リングの幅W、厚みDの下
限は、熱電対を支持するための十分な機械的強度がある
ということで決定される。
【0031】
【実施例】
[実施例1] 図1の構造のLEC装置でGaAs結晶
を育成した。GaAs単結晶1は種結晶に続いて引き上
げられる。種結晶2は、上軸6の下端に取り付けられて
いる。るつぼ10は、PBNのるつぼである。これは内
径150mmである。カーボンのサセプタ3の内部にる
つぼ10が支持される。るつぼ10の中には、GaAs
原料融液4と液体封止材であるB23 5が収容され
る。
【0032】サセプタ3の下底には、下軸7があって、
これを回転昇降自在に支持している。るつぼの周りや結
晶の周りには、ヒ−タA、B、Cが設けられる。分割ヒ
−タをここで用いるのは温度勾配を微妙に制御するため
である。しかし本発明の目的はヒ−タの構造の改良では
ない。ヒ−タが1つ或いは2つ、4つの装置にも本発明
は同様に適用することができる。ヒ−タの外側には、円
筒状或いは円盤状の保温材9が設けられる。カ−ボンや
セラミックス等の耐熱性のある材料を用いる。これらの
全体がチャンバ8の内部に収容されている。
【0033】以上の構成は、LEC装置の構造である。
以下に本発明に特有の構成を述べる。分割ヒ−タA、
B、Cの外側に温度検出用のリング14、15、16が
設置される。これはヒ−タA、B、Cから外側に放射さ
れた熱を吸収する。リングはアルミナ、カーボンなどの
耐熱性の絶縁物または導電体を用いる。導電体の場合
は、熱電対の先端を絶縁する必要がある。熱伝導性は高
い方が良い。リングの材質にはアルミナを用いた。リン
グ14、15、16の内部に一つずつ熱電対28、3
0、29を埋め込んでいる。
【0034】上軸にGaAsの種結晶を取り付ける。る
つぼ内に、GaAs10kg、B23 300gをチャ
−ジする。容器を閉じて、真空に引く。ヒ−タに通電し
て温度を上げる。窒素ガスを導入して液体封止材に圧力
をかける。これは解離した砒素(As)が液体封止材か
ら漏れるのを防ぐためである。
【0035】るつぼ全体を1238℃(GaAsの融
点)に加熱して原料を融解した後、シ−ディングして結
晶成長を行なった。上軸、下軸ともに回転させる。図に
示すように、種結晶に引き続いて単結晶が育成してゆ
く。ここでは3インチ径の単結晶を引き上げた。成長の
間、熱電対28、30、29によって温度を測定し、こ
の結果に基づいてヒ−タのパワーを制御する。このよう
な装置によって、10本の単結晶を引き上げた。
【0036】この結果、育成中のヒ−タ制御熱電対の温
度変動は±0.2℃以下であった。毎回のシ−ディング
(種付け)温度が±2℃以内に制御できた。再現性に優
れた結晶育成ができた。育成した結晶は3インチ径で、
10本育成し、単結晶歩留まりは平均60%であった。
十分に満足できる高い歩留まりである。
【0037】[比較例1] 一方、図1と同じ構造で、
制御熱電対先端をリングに埋め込まず、露出したままに
して同じような結晶成長を行った。この場合、育成中の
ヒ−タ制御熱電対の温度変動は±2℃であった。温度変
動が大きすぎる。本発明はこれに比べて温度変動を約1
/10に減らすことができる。毎回のシ−ディング温度
は±15℃であった。これも揺らぎが大きすぎる。本発
明はこれの約1/7程度の揺らぎにすぎない。露呈した
熱電対を使って制御する方法に依ると、このように再現
性の悪い結晶育成となった。結晶は3インチ径で、10
本育成し、単結晶歩留まりは平均40%となった。
【0038】[実施例2] 図2の構造のLEC装置
で、GaAs結晶を育成した。LEC装置の概略は図1
のものと同一である。ただし温度計測のためのリングの
位置が違う。図1ではヒ−タの外側にリングがあった。
ここではヒ−タの内側にリングがある。この方がより直
接にヒ−タパワ−を検出する事ができる。リングの材質
にはカ−ボンを用いた。導電性であるから、熱電対とリ
ングの間は電気的に絶縁してある。
【0039】るつぼは内径200mmのPBN製であ
る。図1と同様に、カ−ボンサセプタ内にセットされ
た。るつぼ内には、GaAs15kg、B23 500
gをチャ−ジした。炉を閉じて、るつぼ全体を1238
℃に加熱して原料を融解した。この後、シ−ディングし
て4インチ径のGaAs単結晶成長を行なった。
【0040】結晶育成中のヒ−タ制御熱電対の温度変動
は±0.15℃以下であった。15回の成長において、
毎回のシ−ディング温度のばらつきは±1℃以内であっ
た。非常に再現性がよい結晶育成できた。育成した結晶
は4インチ径で、15本育成し、単結晶歩留まりは平均
65%以上であった。
【0041】[比較例2] 特公平5−71555号と
同じ構造の装置を作り、温度制御性を調べた。軸方向に
長い熱伝導率の高い円筒(安定材)を炉の内部に設置す
る。安定材の中に4つの熱電対を埋め込んだ。4つの熱
電対により安定材の温度を計り、これによってヒ−タの
パワーを制御して、結晶成長を行った。他の条件は図2
と同じである。育成中のヒ−タ制御熱電対の温度変動は
±0.3℃と安定していた。しかし安定材を介したヒ−
タ間の干渉のために、毎回のシ−ディング温度のばらつ
きは±10℃であった。再現性の悪い結晶育成である。
【0042】[比較例3] さらに図2と同構造で、白
金をリングに用いたものによって同じ結晶成長を行っ
た。白金は表面輻射率が0.3以下である。結晶育成を
15回行った。シ−ディング温度のばらつきが±5℃と
大きかった。再現性が悪い。これはリングが熱を反射し
やすいために、埋め込んだ熱電対がヒータからの加熱を
十分感知できず、正しく原料融液の温度を反映しないか
らである。単結晶歩留まりは40%以下であった。満足
できる結果ではない。リングは輻射率の大きいものがよ
いということが分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、ヒ−タに対して同心のリング
に埋め込まれた熱電対によってリングの温度を測定す
る。リング温度はヒ−タからのパワ−に比例するので、
被加熱物体の加熱量を正確に検出することができる。こ
の熱電対によってヒ−タパワーを調整すると、加熱条件
の再現性を向上することができる。
【0044】熱電対先端部が少し移動しても、リング内
に入っていれば温度は殆ど変化しない。場所のずれによ
る温度の揺らぎがない。ヒ−タに円周方向の発熱量の不
均一性があっても被加熱物体の温度は円周方向に一様で
ある。特に被加熱物体を回転する時は円周方向の一様性
が高い。この場合、単独の熱電対によって温度計測する
と、同一円周上にあっても温度示度が違う。しかし本発
明はリングにより円周方向に熱吸収を均熱化する。ヒ−
タの円周方向位置(Φ)によらず、r,zによって決ま
る値となる。温度の空間的揺らぎを捨象することができ
る。
【0045】ヒ−タの製作や劣化によるばらつきも減
る。温度制御の安定性と再現性が向上する。リング全体
の平均温度を検出することになるので、熱電対を露出し
た場合に比べて、雰囲気の対流による温度変動も低減で
きる。複数の熱電対を使用する時は、ヒ−タ毎に分離し
たリングに熱電対を埋め込む。ヒ−タ間の独立性が高
く、ヒ−タ間の干渉がない。
【0046】リング表面の輻射率が0.3以上になるよ
うな材質を選ぶと、ヒ−タからリングに流入する熱量が
増加する。これによって更に温度再現性が向上する。図
2の構造のようにリングがヒ−タと加熱物体の間にあれ
ば、ヒ−タから加熱物体への輻射の一部がそのままリン
グに入る。更に温度再現性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るヒ−タ温度制御装置を備
えた化合物半導体の引き上げ装置の概略断面図。
【図2】本発明の他の実施例に係るヒ−タ温度制御装置
を備えた化合物半導体単結晶の引き上げ装置の概略断面
図。 1 単結晶 2 種結晶 3 サセプタ 4 原料融液 5 液体封止材(B23 ) 6 上軸 7 下軸 8 チャンバ 9 保温材 10 るつぼ 11 るつぼ下底の温度を計測する熱電対 14 リング 15 リング 16 リング 28 熱電対 29 熱電対 30 熱電対

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物体を加熱するための回転対称性
    のあるヒ−タと、回転中心に対して対称の位置にあって
    被加熱物体とヒ−タから離隔して設けられる一つまたは
    複数のリングと、リングの内部に先端部が埋め込まれた
    熱電対とを含み、熱電対の温度測定結果に基づいてヒ−
    タパワーを制御する事を特徴とする加熱炉のヒ−タ温度
    制御装置。
  2. 【請求項2】 リングの表面輻射率が0.3以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱炉のヒ−タ温度
    制御装置。
  3. 【請求項3】 リングがヒ−タと被加熱物体との間にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉のヒ−タ温
    度制御装置。
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