JPH08296036A - 蒸着用材料とその成形体の製造方法 - Google Patents

蒸着用材料とその成形体の製造方法

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JPH08296036A
JPH08296036A JP10277195A JP10277195A JPH08296036A JP H08296036 A JPH08296036 A JP H08296036A JP 10277195 A JP10277195 A JP 10277195A JP 10277195 A JP10277195 A JP 10277195A JP H08296036 A JPH08296036 A JP H08296036A
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宗敏 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明性と密着性という相反する特性を兼ね備え
た蒸着膜を形成することができる蒸着用材料およびその
成形体の製造方法を提供する。 【構成】(1) mol%で、一酸化ケイ素( SiO):20〜
90、二酸化ケイ素(SiO2):10〜80から構成される原料
に、酸化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウム(Zr
02) 、酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミニウム
(Al2O3)のうち1種以上が混合されていることを特徴と
する蒸着用材料。 (2) mol%で、一酸化ケイ素( SiO):20〜90、二酸
化ケイ素(SiO2):10〜80から原料を構成し、さらに酸
化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウム(Zr02) 、
酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミニウム(Al2O
3)のうち1種以上を混合し、成形ののち 100〜1500℃で
熱処理することを特徴とする蒸着用材料の成形体の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装材料の表面に
形成され、透明性と密着性に優れる酸化ケイ素系薄膜の
蒸着に用いられる蒸着用材料とその成形体の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、一酸化ケイ素( SiO)、二酸
化ケイ素(SiO2)などから形成される酸化ケイ素系薄膜
は、電気絶縁用や機械保護用として優れた特性を発揮す
ることからエレクトロニクスや光学の分野で包装材料用
の蒸着薄膜として使用されている。また、酸化ケイ素系
薄膜は食品等の包装用として適する透明性やガスバリア
性も有していることから、最近では食品包装材料の表面
被覆用としても使用されるようになってきた。
【0003】酸化ケイ素系薄膜を形成する方法として、
一酸化ケイ素の粉末、粒状または塊状のものを蒸着用材
料とし、それを加熱し真空蒸発させて包装材料の表面に
薄膜を蒸着させる方法が周知である。しかし、このとき
形成された一酸化ケイ素蒸着膜の屈折率は 2.0〜 2.2と
比較的高い値であるとともに、膜内の分子構造に多くの
酸素欠陥を有しているので、蒸着膜内で光の吸収、散乱
を起こして蒸着膜は褐色に着色し、透明性は必ずしもよ
くないことが知られている。
【0004】一酸化ケイ素蒸着膜の透明性には、蒸着時
の蒸着膜組成のコントロールが大きく影響している。す
なわち、蒸着膜組成をSiOxとして表した場合、xの値が
1に近づくにつれて褐色を呈するようになり、xの値が
2に近づくにつれて透明性が向上する。これを前提とし
て、従来から下記、の方法が提案されている。
【0005】 酸化ケイ素系混合材料、例えば SiO+
Si2O3+SiO2の混合材料を蒸着用材料として、電子ビー
ム加熱によって真空蒸発させてフィルムの表面に蒸着膜
を形成する方法(特開平2−122924号公報参照)。
【0006】 金属ケイ素および酸化ケイ素、例えば
SiおよびSiO2を出発原料とし、これらを混合することに
よって蒸着用材料として、加熱によって真空蒸着させて
フィルムの表面にSiOx組成を調整した蒸着膜を形成する
方法(特開昭63−310961号公報、特開昭63−166965号公
報参照)。
【0007】上記、の方法によれば、 SiO2 の多い
組成をもつ蒸着膜を形成することができるので、所期の
透明性を確保することができる。しかし、蒸着用材料と
して混合したSiO2原料はシリカ系ガラスの形態となって
いるため、フィルム表面との密着性が悪いという問題が
ある。
【0008】図8は、上記の方法によって Si-SiO2
料を混合し蒸着用材料として形成した蒸着膜の透明性と
密着性との関係を示す図である。ただし、図の横軸は蒸
着用材料のSi混合比率( mol%)を示し、縦軸は蒸着膜
の透明性の評価基準となる分光光線の透過率を示してい
る。具体的な透明性と密着性の評価要領は後述する。
【0009】図8から明らかなように、蒸着用材料のSi
mol%を低減して組成中のSiO2を多くすると、透明性を
確保することができるが、密着性が悪化することにな
る。逆にSiO2を減らして密着性を向上させると、今度は
透明性が悪くなって、蒸着膜の透明性と密着性とは相反
した特性を示す。の方法によって形成された蒸着膜も
同様の特性を示すという問題がある。また、上記の、
の方法によって蒸着膜の組成を調整することはかなり
困難であり、さらに SiOとSiO2との蒸気圧に差があり、
すなわちSiO2の蒸気圧が SiOのそれに比較して低圧であ
るため、蒸着時の蒸発速度が制限され生産速度が上がら
ずコスト的にも不利であるという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、従来の蒸
着用材料を用いて形成された蒸着膜は、食品包装材料用
として必要な透明性と密着性とを同時に具備することが
できず、しかも蒸着時において蒸発速度に制限があり生
産速度が上がらないという製造上の問題がある。
【0011】本発明は、従来の蒸着材料が有していた問
題を克服して、透明性と密着性という相反する特性を兼
ね備えた蒸着膜を形成することができる、食品包装材料
用として好適な蒸着用材料およびその成形体の製造方法
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)の
蒸着用材料および(2)のその製造方法を要旨としてい
る。
【0013】(1) mol%で、一酸化ケイ素( SiO):
20〜90、二酸化ケイ素(SiO2):10〜80から構成される
原料に、酸化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウム
(Zr02) 、酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミニ
ウム(Al2O3)のうち1種以上が混合されていることを特
徴とする蒸着用材料。
【0014】(2) mol%で、一酸化ケイ素( SiO):
20〜90、二酸化ケイ素(SiO2):10〜80から原料を構成
し、さらに酸化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウ
ム(Zr02) 、酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミ
ニウム(Al2O3)のうち1種以上を混合し、成形ののち 1
00〜1500℃で熱処理することを特徴とする蒸着用材料の
成形体の製造方法。
【0015】
【作用】本発明の蒸着用材料は、 SiOおよびSiO2から構
成される原料に、さらに前記以外の金属酸化物として M
gO、ZrO2、TiO2、Al2O3 のうち1種以上が混合されたこ
とを特徴としており、これを用いて形成された酸化ケイ
素系薄膜は透明性および密着性という相反する特性を兼
ね備えたものとなる。
【0016】酸化ケイ素系薄膜の透明性に関して、前述
の通り、 SiO単体を用いて形成された蒸着膜では分子構
造に多くの酸素欠陥を有しているので、蒸着膜内で光の
吸収、散乱を起こし褐色を呈する。これに対し、 SiOお
よびSiO2を主成分とした上で、さらに金属酸化物として
MgO、ZrO2、TiO2、Al2O3 のうち1種以上を混合するこ
とによって、蒸着膜内の分子構造の酸素欠陥を減少する
ことができ、光の吸収、散乱を抑制することができる。
また、蒸着膜の屈折率を低減することによっても透明性
を改善することができるが、 SiO、SiO2および金属酸化
物の混合比率を調整することで蒸着膜の屈折率を 1.4〜
2.2 の範囲で変化させ得ることも明らかとなった。
【0017】蒸着膜の透明性の評価は、分光光度計によ
って可視光域 (波長 400〜700nm)における分光光線の透
過率を測定することにより行われる。通常、食品包装材
料として使用する場合には、肉眼でほぼ無色と判定され
る分光光線の透過率が78%以上の透明性が基準とされ
る。
【0018】蒸着時の密着性に関して、蒸着膜が形成さ
れるフィルム、例えばプラスチックフィルムの熱膨張係
数はSiO2の熱膨張係数に比べると非常に大きく、プラス
チックフィルムの表面にSiO2の薄膜を形成すると、真空
蒸着時の熱応力によって剥離、亀裂、反り、クラックな
どが発生して、薄膜の密着性は著しく悪化する。しか
し、蒸着用材料にSiO2の他に SiOおよび金属酸化物とし
て MgO、ZrO2、TiO2、Al2O3 のうち1種以上を混合させ
ることによって、蒸着膜の熱膨張係数を大きくすること
ができ、蒸着時の密着性を向上させることができる。
【0019】蒸着膜の密着性の評価は、薄膜に粘着テー
プを貼り、瞬時に剥がすテストを同一場所で10回繰り返
して、そのときの剥離状況を観察して行われている。通
常、食品包装材料として使用する場合には、10回繰り返
して剥がしても全く剥離が見られない程度の密着性を確
保する必要がある。
【0020】本発明の蒸着用材料では、 SiOおよびSiO2
以外の金属酸化物として MgO、ZrO2、TiO2、Al2O3 を使
用することを特徴としている。しかし、これらの金属酸
化物を過剰に混合すると金属酸化物自体の表面エネルギ
ーが大きいため、表面エネルギーが小さいプラスチック
フィルムとの密着性が悪化することになる。また、出発
原料の SiOとSiO2の混合比率によっては、金属酸化物を
混合しても密着性や透明性が改善されない場合もある。
後述の実施例において、食品包装材料として要求される
密着性や透明性を満たすことができる出発原料での SiO
とSiO2の混合比率および金属酸化物の混合量を説明す
る。
【0021】蒸着用材料の形態が粉末状のままでは、成
膜時に粉末が飛散し、蒸着膜の特性を劣化させる恐れが
あるので、蒸着用材料は成形体とするのが望ましい。
【0022】本発明の成形体の製造方法は、 SiOおよび
SiO2から構成される出発原料に、さらに金属酸化物とし
て MgO、ZrO2、TiO2、Al2O3 のうち1種以上を混合し、
成形ののち熱処理することを特徴としている。出発原料
は、蒸着用材料としての焼結性および真空蒸着における
蒸発性を確保するためには微粉末が適しており、成形性
を考慮して粉末の粒径は 0.1〜30μm の範囲とするのが
望ましい。
【0023】出発原料と金属酸化物粉末との混合は、慣
用されているボールミル等の手段を用いてもよく、その
方法は特に限定されない。成形には、プレス成形機等を
用いる方法が適用できる。成形時に使用されるバインダ
ーとしては通常は水が用いられるが、より強固な成形体
を必要とする場合には、ケイ酸エチル、ケイ酸メチル等
のケイ酸化合物、またはポリビニルアルコール等の有機
系化合物を用いることが望ましい。成形バインダーとし
て水を用いる場合には成形後に 200℃程度の乾燥処理で
水分除去ができるが、ケイ酸化合物または有機系化合物
をバインダーとして使用する場合には、これらの除去が
必要となるため 500〜 600℃で数時間の加熱処理が必要
となる。
【0024】成形後の熱処理温度は 100〜1500℃とする
のが望ましい。熱処理温度が 100℃未満であると、乾燥
に長時間を要することになる。一方、熱処理温度が1500
℃を超えると溶融焼結の問題が生じるとともに、蒸着材
料が緻密化して蒸発速度を高めることが困難になる。さ
らに、蒸着材料の取扱いや蒸発速度の確保を考慮するな
らば、熱処理温度は 900〜1100℃の範囲にするのがさら
に望ましい。
【0025】
【実施例】本発明の蒸着材料およびその製造方法の作
用、効果を、実施例1から実施例7に基づいて説明す
る。
【0026】(実施例1)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物として MgOを混合して蒸着用
材料を製造する場合を説明する。
【0027】SiOとSiO2を粉砕し平均粒径を約20μm と
して、これらをSiOmol%が0、10、20、40、60、80、90
および100mol%となるように混合し8種類の混合比率か
らなる出発原料を作製した。その出発原料に平均粒径21
μm の MgO粉末を添加して MgO mol%が出発原料に対し
(出発原料を100mol%として)0、5、20、30および35
mol%となるように混合した。成形バインダーとして少
量の水を添加後、圧力500kg/cm2で成形して、直径10m
m、厚さ1mmの成形体を得た。その後、成形体を120℃で
15時間乾燥ののち、1000℃で2時間熱処理して蒸着材料
を製造した。
【0028】上記蒸着用材料を電子ビーム加熱によって
圧力10-5Torrの雰囲気中で蒸発させ、厚さ12μm のポリ
エチレンテレフタレートフィルムの表面に 500Åの薄膜
を蒸着させた。薄膜の透明度の評価は、分光光度計を用
いて分光光線の透過率で判定した。また、薄膜の密着性
の評価は薄膜に粘着テープを貼り、瞬時に剥がすテスト
を同一場所で10回繰り返すことによって行い、剥離が生
じない場合を密着性良好とし、剥離が発生する場合を密
着性不良とした。
【0029】図1は、実施例1( SiO-SiO2-MgO 系原料
を混合して蒸着用材料を製造した場合)における透明性
と密着性の関係を示す図である。図の横軸には出発原料
の混合比率をSiOmol%で表示し、図中のパラメーターと
してMgO の混合量を出発原料料全体(SiO-SiO2を100mol
%として)に対する mol%で示している。
【0030】図1から明らかなように、蒸着用材料を S
iO単体から製造した場合(図中のSiO :100mol%、MgO
:0mol %) または SiOとSiO2を混合した出発原料の
みから製造した場合(図中のMgO :0mol %) に比べ、
さらに金属酸化物として MgOを混合することによって、
透明性と密着性を改善することができる。しかし、出発
原料に対する MgOの混合比率を増加させ過ぎると、ポリ
エチレンテレフタレートフィルムとの密着性が悪化す
る。
【0031】前述の通り、食品包装材料として使用する
場合には、透明性は透過率78%以上を確保し、密着性が
良好でなければならない。そのため、金属酸化物として
MgOを混合する場合には、出発原料の混合比率は SiO m
ol%で20〜90 mol%とする必要がある。また、 MgOの混
合比率に関しては、その混合比率を増加させ過ぎると密
着性が悪化することから MgO mol%は5〜30 mol%とす
るのがよい。
【0032】(実施例2)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物としてZr02を混合して蒸着用
材料を製造する場合を説明する。
【0033】実施例1と同様に、8種類の混合比率から
なる出発原料を作製した。その出発原料に平均粒径18μ
m のZr02粉末を添加してZr02 mol%が出発原料に対し
0、5、20、25および30 mol%となるように混合し、成
形ののち熱処理して蒸着用材料を製造した。このときの
成形および熱処理条件は実施例1と同様とした。この蒸
着用材料を供試材として実施例1と同様の条件でポリエ
チレンテレフタレートフィルムの表面に 500Åの薄膜を
蒸着した。
【0034】図2は、実施例2( SiO-SiO2-ZrO2系原料
を混合して蒸着用材料を製造した場合)における透明性
と密着性の関係を示す図である。実施例1と同様に、出
発原料にZr02を混合することによって透明性と密着性を
改善できることが分かる。
【0035】図2から、金属酸化物としてZr02を混合す
る場合には、出発原料の混合比率はSiO mol%で20〜90
mol%とする必要がある。また、Zr02の混合比率に関し
ては、その混合比率を増加させ過ぎると密着性が悪化す
ることからZr02 mol%は5〜25 mol%とするのがよい。
【0036】(実施例3)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物としてTiO2を混合して蒸着用
材料を製造する場合を説明する。
【0037】8種類の混合比率からなる出発原料に平均
粒径2μm のTiO2粉末を添加してTiO2 mol%が出発原料
に対し0、5、20、30および 35mol%となるように混合
し、成形ののち熱処理して蒸着用材料を製造した。その
後、この蒸着用材料を供試材としてポリエチレンテレフ
タレートフィルムの表面に 500Åの薄膜を蒸着した。
【0038】その他の条件は実施例1の場合と同様であ
る。
【0039】図3は、実施例3( SiO-SiO2-TiO2系原料
を混合して蒸着用材料を製造した場合)における透明性
と密着性の関係を示す図である。図3から明らかなよう
に、金属酸化物としてTiO2を混合する場合には、出発原
料の混合比率は SiO mol%で20〜90 mol%とする必要が
ある。またTiO2の混合比率に関しては、その混合比率を
増加させ過ぎると密着性が悪化することから、TiO2 mol
%は5〜30 mol%とするのがよい。
【0040】(実施例4)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物として Al2O3を混合して蒸着
用材料を製造する場合を説明する。
【0041】8種類の混合比率からなる出発原料に平均
粒径24μm の Al2O3粉末を添加してAl2O3 mol%が出発
原料に対し0、5、20、40および45 mol%となるように
混合し、成形ののち熱処理して蒸着用材料を製造した。
その後、この蒸着用材料を供試材としてポリエチレンテ
レフタレートフィルムの表面に 500Åの薄膜を蒸着し
た。その他の条件は実施例1の場合と同様である。
【0042】図4は、実施例4( SiO-SiO2-Al2O3 系原
料を混合して蒸着用材料を製造した場合)における透明
性と密着性の関係を示す図である。図4から、金属酸化
物として Al2O3を混合する場合には、出発原料の混合比
率は SiO mol%で20〜90 mol%とする必要がある。ま
た、Al2O3 の混合比率に関しては、その混合比率を増加
させ過ぎると密着性が悪化することから、 Al2O3 mol%
は5〜40 mol%とするのがよい。
【0043】(実施例5)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物として MgOと Al2O3との等モ
ル混合物を混合して蒸着用材料を製造する場合を説明す
る。
【0044】8種類の混合比率からなる出発原料に平均
粒径21μm の MgOと平均粒径24μmの Al2O3との等モル
混合物を mol%が出発原料に対し0、5、20、30および
35 mol%となるように混合し、成形ののち熱処理して蒸
着用材料を製造した。その後、この蒸着用材料を供試材
としてポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に50
0Åの薄膜を蒸着した。その他の条件は実施例1の場合
と同様である。
【0045】図5は、実施例5( SiO-SiO2-MgO-Al2O3
系原料を混合して蒸着用材料を製造した場合)における
透明性と密着性の関係を示す図である。図5から明らか
なように、金属酸化物として MgOと Al2O3との等モル混
合物を混合する場合には、出発原料の混合比率は SiO m
ol%で20〜90 mol%とする必要がある。また、 MgOとAl
2O3との等モル混合物の混合比率に関しては、その混合
比率を増加させ過ぎると密着性が悪化することから、5
〜30 mol%とするのがよい。
【0046】(実施例6)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に、金属酸化物として MgOと Al2O3とTiO2
の40:30:30 mol%混合物を混合して蒸着用材料を製造す
る場合を説明する。
【0047】8種類の混合比率からなる出発原料に平均
粒径21μm の MgOと平均粒径24μmの Al2O3と平均粒径
2μm のTiO2との40:30:30 mol%混合物を mol%が出発
原料に対し0、5、20、30および35 mol%となるように
混合し、成形ののち熱処理して蒸着用材料を製造した。
その後、この蒸着用材料を供試材としてポリエチレンテ
レフタレートフィルムの表面に 500Åの薄膜を蒸着し
た。その他の条件は実施例1の場合と同様である。
【0048】図6は、実施例6( SiO-SiO2-MgO-Al2O3-
TiO2系原料を混合して蒸着用材料を製造した場合)にお
ける透明性と密着性の関係を示す図である。図6から、
金属酸化物として MgOと Al2O3とTiO2との40/30/30 mol
%混合物を混合する場合には、出発原料の混合比率は S
iO mol%で20〜90 mol%とする必要がある。また、 MgO
と Al2O3とTiO2との40/30/30 mol%混合物の混合比率に
関しては、その混合比率を増加させ過ぎると密着性が悪
化することから、5〜30 mol%とするのがよい。
【0049】なお、出発原料に金属酸化物として2種以
上の混合物を混合して蒸着用材料を製造する場合として
実施例5および実施例6を示したが、他の金属酸化物を
2種以上混合する場合であっても、その混合物の混合比
率は実施例5、実施例6に示す範囲内であれば、透明性
と密着性が十分確保できることを確認している。
【0050】(実施例7)SiOおよびSiO2から構成され
る出発原料に金属酸化物として MgOを混合して蒸着用材
料を製造する場合に、成形体に施される熱処理温度が蒸
着時の蒸発特性に及ぼす影響を調査した。
【0051】SiOとSiO2を粉砕し平均粒径を約20μm と
し、SiO が60 mol%、SiO2が40 mol%の比率で構成され
る出発原料を作製したのち、平均粒径21μm の MgO粉末
を添加して MgO mol%が出発原料に対し20 mol%になる
ように混合した。成形バインダーとして少量の水を添加
後、圧力 500kg/cm2で成形して、直径10mm、厚さ1mmの
成形体を得た。その後、成形体を 100℃〜1580℃の範囲
内で熱処理温度を変化させて、大気中で2時間加熱して
蒸着材料を製造した。
【0052】製造された蒸着材料の蒸着時の蒸発速度を
評価するため、蒸着材料を真空熱天秤で10℃/minで昇温
して、圧力10-5Torrの条件で温度1250℃に2時間保持
し、このときの蒸着材料の蒸発率を測定した。蒸着材料
の蒸発率は、昇温前後の重量を計量して求められ、(昇
温前の重量−昇温後の重量)/(昇温前の重量)で示さ
れる。
【0053】図7は、成形体の熱処理温度と蒸着材料の
蒸発率の関係を示した図である。図7から明らかなよう
に、熱処理温度が上昇すると、粒成長にともなって蒸着
材料の比表面積が低下するので、蒸着時の蒸発率が小さ
くなる。特に熱処理温度が1500℃を超えると、著しく蒸
発率が低下し、蒸発速度が制限される。一方、熱処理温
度が 100℃未満では、乾燥に長時間を要する。したがっ
て、成形体の熱処理温度は、 100〜1500℃の範囲にする
のが望ましい。また、熱処理温度が 900℃未満では、成
形体が十分に固化しないのでその取扱いに注意を要する
ことから、成形体の熱処理温度は 900〜1100℃の範囲に
するのがさらに望ましい。
【0054】実施例では、金属酸化物として MgOを混合
して蒸着用材料を製造する場合について説明したが、他
にZr02、TiO2およびAl2O3 のうち1種以上を混合する場
合であっても同様であることを確認している。
【0055】
【効果】本発明の蒸着用材料を用いれば、透明性と密着
性のいずれにも優れ食品包装材料に適する蒸着膜を形成
することができる。さらに本発明の製造方法によれば、
取扱いが容易で蒸発率も高い前記の蒸着材料の成形体を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1( SiO-SiO2-MgO 系原料を混合して蒸
着用材料を製造した場合)における透明性と密着性の関
係を示す図である。
【図2】実施例2( SiO-SiO2-ZrO2系原料を混合して蒸
着用材料を製造した場合)における透明性と密着性の関
係を示す図である。
【図3】実施例3( SiO-SiO2-TiO2系原料を混合して蒸
着用材料を製造した場合)における透明性と密着性の関
係を示す図である。
【図4】実施例4( SiO-SiO2-Al2O3 系原料を混合して
蒸着用材料を製造した場合)における透明性と密着性の
関係を示す図である。
【図5】実施例5( SiO-SiO2-MgO-Al2O3 系原料を混合
して蒸着用材料を製造した場合)における透明性と密着
性の関係を示す図である。
【図6】実施例6( SiO-SiO2-Al2O3-TiO2系原料を混合
して蒸着用材料を製造した場合)における透明性と密着
性の関係を示す図である。
【図7】成形体の熱処理温度と蒸着材料の蒸発率の関係
を示した図である。Si-SiO2原料を混合し蒸着用材料と
して形成した蒸着膜の透明性と密着性との関係を示す図
である。
【図8】Si-SiO2原料を混合し蒸着用材料として形成し
た蒸着膜の透明性と密着性との関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】mol%で、一酸化ケイ素( SiO):20〜9
    0、二酸化ケイ素(SiO2):10〜80から構成される原料
    に、酸化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウム(Zr
    02) 、酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミニウム
    (Al2O3)のうち1種以上が混合されていることを特徴と
    する蒸着用材料。
  2. 【請求項2】mol%で、一酸化ケイ素( SiO):20〜9
    0、二酸化ケイ素(SiO2):10〜80から原料を構成し、
    さらに酸化マグネシウム( MgO)、酸化ジルコニウム
    (Zr02)、酸化チタニウム(TiO2) および酸化アルミニ
    ウム(Al2O3)のうち1種以上を混合し、成形ののち 100
    〜1500℃で熱処理することを特徴とする蒸着用材料の成
    形体の製造方法。
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