JPH08298968A - 流動食品 - Google Patents

流動食品

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JPH08298968A JP7129347A JP12934795A JPH08298968A JP H08298968 A JPH08298968 A JP H08298968A JP 7129347 A JP7129347 A JP 7129347A JP 12934795 A JP12934795 A JP 12934795A JP H08298968 A JPH08298968 A JP H08298968A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛、銅、その他のミネラル成分を多く摂取
することができ、かつ風味に優れ、栄養補給食品として
有用な流動食品を得る。 【構成】 流動食品にカキ抽出物と大豆蛋白質の双方を
含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛及び銅の含有量が
多い流動食品に関する。さらに詳しくは、カキ(牡蠣)
抽出物と大豆蛋白質とを含有することにより亜鉛及び銅
の含有量が多く、かつカキ抽出物に由来する生臭さも抑
制された流動食品に関する。
【0002】
【従来の技術】術前術後の患者の栄養補給や、通常の食
物の経口摂取が不可能な寝たきり老人等の栄養補給のた
めに、種々の経腸栄養剤が使用されている。
【0003】市販の経腸栄養剤は、大別すると、薬品に
属するもの(薬価収載されているもの)と食品に属する
もの(薬価収載されていないもの)とに分けることがで
きる。このうち、食品に属する経腸栄養剤においては、
乳児用調整粉乳を除き、亜鉛や銅等の生理機能の調整に
有用なミネラル成分を添加することが認められていな
い。
【0004】そこで、従来より経腸栄養剤の原料の一つ
として、それ自体にグリコーゲン、タウリン、亜鉛等の
ミネラル成分を多く含むカキが栄養価の高い食品素材と
して注目され、カキ肉エキスが経腸栄養剤等の栄養補給
用の食品に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に成人
に対して望ましいとされるミネラルの1日当たりの摂取
量に関し、亜鉛は8〜15mgであり、銅は1〜2mg
である。しかしながら、上述のように、経腸栄養剤には
ミネラル成分の添加が認められていないため、これまで
の経腸栄養剤においては亜鉛や銅の含有量が少なく、平
均して亜鉛2〜4mg/2000kcal、銅0.2〜
0.4mg/2000kcalしか含まれていない。
【0006】一般に、栄養価が高く、多くのミネラル成
分を含有しているとされるカキ肉エキスにおいても、亜
鉛に関しては60ppm以上含有されているので、カキ
肉エキスの1日の摂取量の目安とされている6gを摂取
した場合に亜鉛の摂取量を1日0.36mg以上とする
ことができるが、それでも亜鉛の1日の望ましい摂取量
の約10〜20%程度をまかなえるにすぎない。銅に関
しては亜鉛よりもさらに含有量が低く、1日の望ましい
摂取量を確保することは到底できない。
【0007】さらに、カキ肉エキスには、カキ特有の生
臭さがあるため風味の点で問題があり、またその生臭さ
故に、摂取量を多くすることには困難が伴う。
【0008】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、人の生理機能の調整に有用
な亜鉛、銅、その他のミネラル成分を多く摂取すること
ができ、かつ風味に優れ、食品経腸栄養剤、一般コンシ
ューマー向け栄養飲料等の栄養補給食品として有用な流
動食品を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、カキ抽出物
と大豆蛋白質の双方を流動食品に含有させることによ
り、流動食品中の亜鉛、銅、その他のミネラル成分の含
有量を高めることができること、また、大豆蛋白質がカ
キ特有の生臭さをマスキングする作用を有することを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、カキ抽出物と大豆蛋白質
とを含有することを特徴とする流動食品を提供する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】カキは軟体動物、弁鰓綱に属する二枚貝で
あり、ベッコウガキ科、マガキ科、イタボガキ科があ
り、いずれも食用になる。本発明が使用するカキ抽出物
としては、これらのカキの生鮮物のむき身又は冷凍物の
むき身を、そのままもしくは酵素分解した後に、熱水も
しくは有機溶剤で抽出したもの、又は熱水抽出後有機溶
剤で抽出したものなどを使用することができる。また、
これら熱水や有機溶剤による液状抽出物を濃縮したペー
スト状のもの、さらに乾燥して粉末状にしたものなども
使用することができる。
【0013】このようにして得られるカキ抽出物には、
亜鉛、銅、その他のミネラル類、貯蔵炭水化物としての
グリコーゲン、含硫アミノ酸であり脂質代謝改善作用を
有するタウリン、ビタミン類等の各種栄養成分が含まれ
ている。特に、亜鉛が多く含まれ、その含有割合は固形
分換算(即ち、カキ抽出物の固形分中に含まれる量)
で、10〜200mg/固形分100g程度である。ま
た、銅の含有割合は固形分換算で1.5〜30mg/固
形分100g程度である。なお、このようなカキ抽出物
としては、市販品を使用することができる。
【0014】本発明の流動食品において、カキ抽出物の
含有割合には特に制限はないが、多すぎるとカキ特有の
生臭さが現れて風味が低下し、少なすぎると十分な亜鉛
を摂取できなくなるので、通常、固形分換算でカキ抽出
物の含有量を0.1〜2.0重量%とすることが好まし
い。
【0015】一方、本発明において、大豆蛋白質として
は、常法により大豆から得られるもの使用することがで
き、例えば、搾油後の脱脂大豆の水抽出物を精製し、乾
燥したものを使用することができる。このような乾燥物
中には、通常、蛋白質が50〜95%程度含まれてい
る。
【0016】本発明者らは、この大豆蛋白質における銅
含量が、卵蛋白質、乳蛋白質等の他の蛋白質素材に比較
して著しく高く、通常、卵蛋白質(乾燥卵白)100g
中の銅含量が0.3mg程度であり、乳蛋白質(乾燥カ
ゼイン)100g中の銅含量が0.1mg未満であるの
に対し、大豆蛋白質(乾燥物)100g中の銅含量は
2.0mg程度であることを見出した。したがって、流
動食品の成分として、上述のカキ抽出物と共にこの大豆
蛋白質を使用すると、流動食品中の亜鉛及び銅の双方の
含有量を大きく高めることが可能となる。
【0017】さらに、本発明者らは大豆蛋白質がカキ特
有の生臭さをマスキングする作用を有することを見出し
た。したがって、流動食品の成分として、カキ抽出物と
共に大豆蛋白質を併用することにより、カキ抽出物の生
臭さが抑制され、流動食品の風味を向上させることがで
きる。
【0018】本発明の流動食品において、大豆蛋白質の
含有割合には特に制限はないが、多すぎると大豆蛋白質
特有の青臭さが現れて風味が損なわれたり、また、殺菌
した際に蛋白質の変性によるオリや凝集が発生すること
があるので好ましくない。反対に、少なすぎると十分な
銅を摂取できなくなるので好ましくない。そこで、通
常、固形分換算で大豆蛋白質の含有量を0.3〜5.0
重量%とすることが好ましい。
【0019】また、カキ抽出物と大豆蛋白質との使用割
合については、カキ抽出物に対して大豆蛋白質の使用割
合が少なすぎるとカキ抽出物の生臭さを十分にマスキン
グすることができないため、固形分換算で、カキ抽出物
100重量部に対し、大豆蛋白質を15〜5000重量
部含有させることが好ましい。
【0020】本発明の流動食品には、上述のカキ抽出物
及び大豆蛋白質の他に、栄養成分のバランス、摂取カロ
リーの増加、保存安定性、患者の便性の改善(下痢や便
秘に対して、排便回数を適度な範囲に調整すること)等
の必要に応じて種々の成分を含有させることができる。
例えば、ミネラル類をより充実させるために、食物繊維
やオリゴ糖等を含有させることができ、また、蛋白質成
分として、小麦蛋白質、乳蛋白質、卵蛋白質等を含有さ
せることができる。種々のビタミン類を含有させること
もできる。カロリー源としては、植物性あるいは動物性
の脂質を添加することができる。ここで、植物性脂質と
しては、例えば大豆油、米油、サフラワー油、綿実油、
コーン油等をあげることができ、動物性油脂としては、
牛脂、豚脂、羊脂、魚脂等をあげることができる。さら
に、カロリー源として、デキストリン、砂糖、粉飴等の
糖類を使用することができる。この他、卵黄レシチン、
ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、香辛料、調味料、防
腐剤、水等を含有させることができる。
【0021】本発明の流動食品は、以上のような各成分
を常法にしたがって混合することにより製造することが
できる。例えば、図1に示したように、ミキサーに、清
水、デキストリン等の糖類、大豆蛋白質等の蛋白質、食
用植物油等の脂質、ビタミン類、ミネラル類、乳化剤等
を入れ、混合撹拌し、さらにホモゲナイザーにより均一
化し、これを缶、レトルトパウチ、瓶等の容器に充填
し、殺菌することにより、流動食品の製品を得ることが
できる。
【0022】本発明の流動食品は、食品経腸栄養剤、一
般コンシューマー向け栄養飲料等の栄養補給を目的とし
た食品として広く使用することができる。
【0023】
【作用】本発明の流動食品は、カキ抽出物と大豆蛋白質
の双方を含有しているので、これらに由来するミネラル
類を豊富に含有するものとなり、特に、カキ抽出物に由
来する亜鉛と、大豆蛋白質に由来する銅とを高濃度に含
有するものとなる。
【0024】さらに、大豆蛋白質は、カキ抽出物が有す
る生臭さのマスキング作用を有しているので、本発明の
流動食品はカキ抽出物を含有しているにもかかわらず、
風味の優れたものとなる。またこれにより、流動食品に
おいてカキ抽出物の生臭さが問題とならないようにしつ
つ、カキ抽出物の含有量を増加させることができるの
で、流動食品中にカキ抽出物に由来する有用成分をより
多量に含有させることが可能となる。例えば、亜鉛の
他、脂質改善作用を有するタウリン等を多量に含有させ
ることが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0026】実施例1 以下の配合1の各成分をミキサーに入れて混合撹拌し、
ホモゲナイザー(条件:数百kg/cm2 )で均一化
し、レトルトパウチ又は缶に充填し、殺菌(条件:12
0℃、10〜30分)することにより流動食品を得た。
【0027】 (*1)…熱水抽出方式による抽出物(固形分30重量
%)。主要成分:塩分2.5重量%、グリコーゲン8.
1重量%、タウリン1〜2重量%、亜鉛30mg/10
0g、銅5mg/100g。 (*2)…日本人の栄養所要量として定められているビタミ
ンA、B1 、B2 、C、D及びナイアシンを、その所要
割合にしたがって配合したもの。
【0028】実施例2 以下の配合2の各成分を使用する以外は実施例1を繰り
返し、流動食品を得た。
【0029】
【0030】比較例1 以下の配合aの各成分を使用する以外は実施例1を繰り
返し、流動食品を得た。
【0031】
【0032】比較例2 以下の配合bの各成分を使用する以外は実施例1を繰り
返し、流動食品を得た。
【0033】
【0034】比較例3 以下の配合cの各成分を使用する以外は実施例1を繰り
返し、流動食品を得た。
【0035】
【0036】評価 実施例1、2及び比較例1〜3の各流動食品の亜鉛含有
量と銅の含有量を原子吸光度法により測定し、タウリン
の含有量をアミノ酸自動分析機により測定した。また、
流動食品中の蛋白質成分、炭水化物成分および脂質成分
の含有割合を求め、蛋白質成分に4、炭水化物成分に
4、脂質成分に9をそれぞれ乗じることにより流動食品
の単位重量あたりのエネルギー(kcal)を求め、こ
れに基づいて流動食品2000kcalあたりの亜鉛、
銅及びタウリンの含有量を算出した。これらの結果を表
1に示す。なお、表1には、参考のため、成人1日当た
りに望ましいとされる亜鉛及び銅の摂取量(摂取推奨
量)も合わせて示した。
【0037】
【表1】 亜鉛含有量 銅含有量 タウリン含有量 摂取推奨量 8〜15mg/day 1〜2 mg/day 実施例1 6.0mg/2000kcal 1.1mg/2000kcal 300mg/2000kcal 実施例2 10.0mg/2000kcal 2.5mg/2000kcal 1000mg/2000kcal 比較例1 2.0mg/2000kcal 0.2mg/2000kcal 0mg/2000kcal 比較例2 3.0mg/2000kcal 0.4mg/2000kcal 0mg/2000kcal 比較例3 3.6mg/2000kcal 0.2mg/2000kcal 0mg/2000kcal 表1の結果から、実施例1、2の流動食品によれば、成
人1日当たりの亜鉛及び銅の摂取推奨量を達成できるこ
とがわかる。さらにタウリンも多量に含有されており、
栄養価に優れていることがわかる。これに対して、比較
例1〜3の従来の流動食品によれば、亜鉛及び銅の含有
量が低く、特に銅の含有量が低いことがわかる。また、
タウリンが含まれていないことがわかる。
【0038】参考例 大豆蛋白質によるカキ抽出物臭のマスキング効果を調べ
るために、大豆蛋白質とカキ抽出物(濃縮液)とを表2
の配合で混合し、その混合物にカキ抽出物特有の生臭さ
が感じられるか否かを10名のパネラーにより官能試験
した。そして、大豆蛋白質によるカキ抽出物臭のマスキ
ング効果を、生臭さを感じたパネラーの割合で評価し
た。この場合、大豆蛋白質としては、蛋白質含有量が固
形分中90重量%のものを使用した。また、カキ抽出物
としては、熱水抽出法によるものであって、固形分30
重量%で、主要成分として、塩分2.5重量%、グリコ
ーゲン8重量%、タウリン1〜2重量%、亜鉛30mg
/100g、銅5mg/100gを含有するものを使用
した。この結果を表2に示す。
【0039】
【表2】 配合(g) 官能試験評価 カキ抽出物 大豆蛋白質 清水 (生臭さを感じたハ゜ネラーの割合) サンプル1 1 0 99.0 10/10 サンプル2 1 0.5 98.5 8/10 サンプル3 1 1.0 98.0 4/10 サンプル4 1 1.5 97.5 2/10 サンプル5 1 2.0 97.0 1/10 サンプル6 1 2.5 96.5 1/10 サンプル7 3 0 97.0 10/10 サンプル8 3 1.0 96.0 10/10 サンプル9 3 2.0 95.0 9/10 サンプル10 3 3.0 94.0 7/10 サンプル11 3 4.0 93.0 5/10 サンプル12 3 5.0 92.0 3/10 表2の結果から、大豆蛋白質にはカキ抽出物の生臭さを
マスキングする効果のあることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、亜鉛、銅、その他のミ
ネラル成分を多く摂取することができ、かつ風味に優
れ、食品経腸栄養剤、一般コンシューマー向け栄養飲料
等の栄養補給食品として有用な流動食品を得ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動食品の製造工程図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カキ抽出物と大豆蛋白質とを含有するこ
    とを特徴とする流動食品。
  2. 【請求項2】 固形分換算で、カキ抽出物を0.1〜
    2.0重量%含有し、大豆蛋白質を0.3〜5.0重量
    %含有する請求項1記載の流動食品。
  3. 【請求項3】 固形分換算で、カキ抽出物100重量部
    に対し、大豆蛋白質を15〜5000重量部含有する請
    求項1記載の流動食品。
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