JPH08299698A - 真空乾燥方法 - Google Patents
真空乾燥方法Info
- Publication number
- JPH08299698A JPH08299698A JP7130999A JP13099995A JPH08299698A JP H08299698 A JPH08299698 A JP H08299698A JP 7130999 A JP7130999 A JP 7130999A JP 13099995 A JP13099995 A JP 13099995A JP H08299698 A JPH08299698 A JP H08299698A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- procedure
- temperature
- accommodation space
- air
- vacuum drying
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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- Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
- Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)
- Drying Of Solid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水洗い・脱水処理後の皮革製品を、収縮や硬
化を発生させることなく、短時間で強制的に乾燥するこ
とが可能な真空乾燥方法を提供する。 【構成】 チャンバ1の収容空間10に皮革衣料3を収容
し、遠赤外線パネルヒータ5の駆動とエアー供給用ダク
ト6からの除塵・除湿・加熱された管理エアーの供給と撹
拌用ファン7の駆動によって収容空間を温度Tcまで加熱
する加熱手順と、管理エアーの供給を停止させて遠赤外
線パネルヒータ5を制御して温度Tcと上限温度Tmの間
に保つ蒸らし手順と、真空ポンプ44で収容空間10内のエ
アーを排出させる減圧・排気手順を繰り返し実行する。
上限温度Tmは皮革衣料3に収縮や硬化が発生しない範囲
で定められており、各サイクルの蒸らし手順で収容空間
10内に充満した水蒸気は減圧・排気手順で過飽和状態に
なって外部へ排出される。
化を発生させることなく、短時間で強制的に乾燥するこ
とが可能な真空乾燥方法を提供する。 【構成】 チャンバ1の収容空間10に皮革衣料3を収容
し、遠赤外線パネルヒータ5の駆動とエアー供給用ダク
ト6からの除塵・除湿・加熱された管理エアーの供給と撹
拌用ファン7の駆動によって収容空間を温度Tcまで加熱
する加熱手順と、管理エアーの供給を停止させて遠赤外
線パネルヒータ5を制御して温度Tcと上限温度Tmの間
に保つ蒸らし手順と、真空ポンプ44で収容空間10内のエ
アーを排出させる減圧・排気手順を繰り返し実行する。
上限温度Tmは皮革衣料3に収縮や硬化が発生しない範囲
で定められており、各サイクルの蒸らし手順で収容空間
10内に充満した水蒸気は減圧・排気手順で過飽和状態に
なって外部へ排出される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空乾燥方法に係り、通
常の洗濯物の乾燥だけでなく、特に皮革製品を水洗い・
脱水処理した後の乾燥工程に適用され、乾燥時間の飛躍
的な短縮を図ると共に、乾燥後の皮革製品に収縮や硬化
等が発生しない、自然な仕上げを行うことが可能な乾燥
方法に関する。
常の洗濯物の乾燥だけでなく、特に皮革製品を水洗い・
脱水処理した後の乾燥工程に適用され、乾燥時間の飛躍
的な短縮を図ると共に、乾燥後の皮革製品に収縮や硬化
等が発生しない、自然な仕上げを行うことが可能な乾燥
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、クリーニング業界では各種の
洗濯・乾燥方式が採用されているが、大別すると、洗濯
については通常の水洗いによる場合とパークロールエチ
レンや石油系溶剤を用いる場合があり、また乾燥に関し
ては熱風乾燥させる場合と自然乾燥による場合がある。
そして、クリーニング工場では、依頼を受けた衣料をそ
の繊維材料や形態や縫製態様等の属性に応じて区分し、
その区分された各衣料を経験的判断に基づいて多種多様
に用意されている洗濯・乾燥工程の内の最適な処理工程
へ廻す。
洗濯・乾燥方式が採用されているが、大別すると、洗濯
については通常の水洗いによる場合とパークロールエチ
レンや石油系溶剤を用いる場合があり、また乾燥に関し
ては熱風乾燥させる場合と自然乾燥による場合がある。
そして、クリーニング工場では、依頼を受けた衣料をそ
の繊維材料や形態や縫製態様等の属性に応じて区分し、
その区分された各衣料を経験的判断に基づいて多種多様
に用意されている洗濯・乾燥工程の内の最適な処理工程
へ廻す。
【0003】ところで、近年では、革の特徴(柔軟性・強
靱性・耐久性・通気性・保温性・心地よい感触等)を生かし
た皮革製の防寒衣料やファッション衣料が多く利用され
るようになり、それら衣料の利用シーズンの前後になる
と極めて多くの皮革衣料がクリーニングに集中的に出さ
れる傾向があるが、クリーニング工場では、次のような
理由から皮革衣料の洗濯・乾燥方式に関して特別な取扱
いを余儀なくされている。
靱性・耐久性・通気性・保温性・心地よい感触等)を生かし
た皮革製の防寒衣料やファッション衣料が多く利用され
るようになり、それら衣料の利用シーズンの前後になる
と極めて多くの皮革衣料がクリーニングに集中的に出さ
れる傾向があるが、クリーニング工場では、次のような
理由から皮革衣料の洗濯・乾燥方式に関して特別な取扱
いを余儀なくされている。
【0004】皮革衣料の製革原料には、牛・豚・羊等の哺
乳類、鰐や蛇等の爬虫類、サメ等の魚類のように様々な
種類があるが、一般的に、 熱に弱く、高熱を受ける
と収縮・硬化する(例えば、牛・豚の皮の熱変形温度は5
9℃、サメ皮は49℃と低温であり、また収縮率に関し
ても、部位によって異なるが5〜25%と非常に大き
い。)、 染色堅牢度が弱く、洗浄することにより減色
し易い、 皮質が一定でなく、一体の皮革でも部位に
よって組織が異なるために、均一な乾燥が難しい、
皮革は表皮と銀面層と網様層とからなるが、銀面層と網
様層に水分が残留し易く、それが原因となってカビが発
生するというような特殊性を有している。従って、皮革
衣料の洗濯工程については、染色堅牢度の問題を考慮す
る必要がある場合には脱色作用の影響が少ない水を用
い、乾燥時の温度を考慮する場合には揮発温度が低いパ
ークロールエチレンや石油系溶剤等を用いるようにして
おり、乾燥工程に関しては、皮革衣料が熱に極めてデリ
ケートであることから通常の熱風乾燥方式を採用でき
ず、殆どは自然乾燥によっている。
乳類、鰐や蛇等の爬虫類、サメ等の魚類のように様々な
種類があるが、一般的に、 熱に弱く、高熱を受ける
と収縮・硬化する(例えば、牛・豚の皮の熱変形温度は5
9℃、サメ皮は49℃と低温であり、また収縮率に関し
ても、部位によって異なるが5〜25%と非常に大き
い。)、 染色堅牢度が弱く、洗浄することにより減色
し易い、 皮質が一定でなく、一体の皮革でも部位に
よって組織が異なるために、均一な乾燥が難しい、
皮革は表皮と銀面層と網様層とからなるが、銀面層と網
様層に水分が残留し易く、それが原因となってカビが発
生するというような特殊性を有している。従って、皮革
衣料の洗濯工程については、染色堅牢度の問題を考慮す
る必要がある場合には脱色作用の影響が少ない水を用
い、乾燥時の温度を考慮する場合には揮発温度が低いパ
ークロールエチレンや石油系溶剤等を用いるようにして
おり、乾燥工程に関しては、皮革衣料が熱に極めてデリ
ケートであることから通常の熱風乾燥方式を採用でき
ず、殆どは自然乾燥によっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記から明らかなよう
に、皮革衣料の洗濯・乾燥においては、水洗いと自然乾
燥という一般的な方式が製品の特性に対して最も安全で
良好な仕上がり結果が得られる方式であるといえる。ま
た、洗濯工程で石油系溶剤等を用いた場合には、その蒸
気が環境汚染を発生させるために常に冷却用熱交換器等
で液化・回収しなければならず、その観点からも洗濯方
式は水洗いによることが望ましい。
に、皮革衣料の洗濯・乾燥においては、水洗いと自然乾
燥という一般的な方式が製品の特性に対して最も安全で
良好な仕上がり結果が得られる方式であるといえる。ま
た、洗濯工程で石油系溶剤等を用いた場合には、その蒸
気が環境汚染を発生させるために常に冷却用熱交換器等
で液化・回収しなければならず、その観点からも洗濯方
式は水洗いによることが望ましい。
【0006】ところで、水洗いと自然乾燥による場合に
は、水洗い後の皮革衣料をある程度脱水処理して室内に
吊り下げておき、自然の温度・湿度・風量状態で乾燥させ
ることになるが、次のような問題点が指摘されている。 (1) 室内の温度と湿度と気圧は必ずしも一定ではなく、
乾燥効率を上げるべく室内の湿度を低下させるには空気
の流通が不可欠であるが、強制通風を行うと皮革の表面
部分だけで水分の蒸発が促進され、湿潤状態にある内部
の成層との関係でバランスがとれず、乾燥後の製品に収
縮や硬化(こわみ)が発生する。 (2) 自然乾燥による場合は季節や天候に大きく左右され
るため、通常は2〜3日経過した時点で手の感触によっ
て乾き具合いをみて経験的に乾燥が完了したか否かを判
断しているが、皮革製品には多種多様なものがあり経験
的判断が必ずしも正確であるとは限らず、網様層等に水
分が残留していると後にカビが発生する原因となる。 (3) 上記のように、皮革製衣料は利用シーズンに集中的
してクリーニングに出される傾向があり、また自然乾燥
の進行は極めて緩慢であるために、皮革衣料の乾燥だけ
のための専用スペースを大きく確保しておかねばなら
ず、クリーニング工場内での設備面積を非常に大きくと
り、スペースの利用効率が悪くなる。
は、水洗い後の皮革衣料をある程度脱水処理して室内に
吊り下げておき、自然の温度・湿度・風量状態で乾燥させ
ることになるが、次のような問題点が指摘されている。 (1) 室内の温度と湿度と気圧は必ずしも一定ではなく、
乾燥効率を上げるべく室内の湿度を低下させるには空気
の流通が不可欠であるが、強制通風を行うと皮革の表面
部分だけで水分の蒸発が促進され、湿潤状態にある内部
の成層との関係でバランスがとれず、乾燥後の製品に収
縮や硬化(こわみ)が発生する。 (2) 自然乾燥による場合は季節や天候に大きく左右され
るため、通常は2〜3日経過した時点で手の感触によっ
て乾き具合いをみて経験的に乾燥が完了したか否かを判
断しているが、皮革製品には多種多様なものがあり経験
的判断が必ずしも正確であるとは限らず、網様層等に水
分が残留していると後にカビが発生する原因となる。 (3) 上記のように、皮革製衣料は利用シーズンに集中的
してクリーニングに出される傾向があり、また自然乾燥
の進行は極めて緩慢であるために、皮革衣料の乾燥だけ
のための専用スペースを大きく確保しておかねばなら
ず、クリーニング工場内での設備面積を非常に大きくと
り、スペースの利用効率が悪くなる。
【0007】そこで、本発明は、皮革製品等を水洗い・
脱水処理した後の乾燥時間を飛躍的に短縮させ、乾燥後
の製品に収縮や硬化等を発生させずに自然な仕上がりを
得ることができる真空乾燥方法を提供し、それによって
前記の各問題点を解消させることを目的として創作され
た。
脱水処理した後の乾燥時間を飛躍的に短縮させ、乾燥後
の製品に収縮や硬化等を発生させずに自然な仕上がりを
得ることができる真空乾燥方法を提供し、それによって
前記の各問題点を解消させることを目的として創作され
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空乾燥方法
において、乾燥対象物の収容空間を有したチャンバの内
部に、輻射面を乾燥対象物の収容部側へ向けた赤外線ヒ
ータと、エアー撹拌用ファンと、管理エアー供給部と、
収容空間の温度を検出する温度センサを装備せしめると
共に、前記チャンバの収容空間と外部を通気状態と非通
気状態に切換えるバルブと、前記管理エアー供給部に温
度と湿度を管理したエアーを供給するエアー供給手段
と、前記収容空間のエアーを外部へ強制的に排出してそ
の収容空間の気圧を減圧させる減圧手段を設け、乾燥対
象物を収容空間へ収容させて前記チャンバを密閉した
後、前記バルブを通気状態にして前記の赤外線ヒータと
エアー撹拌用ファンとエアー供給手段を起動させて前記
収容空間を乾燥対象物の属性に基づいて決定される上限
温度以下の所定温度まで加熱する加熱手順と、前記温度
センサが前記所定温度を検出した時点で前記バルブを非
通気状態に切換えると共に前記エアー供給手段の駆動を
停止させ、前記赤外線ヒータを制御して収容空間の温度
を前記上限温度以下の範囲で一定時間保持させる蒸らし
手順と、前記蒸らし手順での一定時間が経過した後に、
前記赤外線ヒータの駆動を停止させると共に前記減圧手
段を起動させ、前記収容空間のエアーを外部へ排出する
減圧・排気手順を第1サイクルとして実行し、以降、前
記バルブを非通気状態に保持して前記と同様の手順から
なるサイクルを繰り返し実行することを特徴とした真空
乾燥方法に係る。
において、乾燥対象物の収容空間を有したチャンバの内
部に、輻射面を乾燥対象物の収容部側へ向けた赤外線ヒ
ータと、エアー撹拌用ファンと、管理エアー供給部と、
収容空間の温度を検出する温度センサを装備せしめると
共に、前記チャンバの収容空間と外部を通気状態と非通
気状態に切換えるバルブと、前記管理エアー供給部に温
度と湿度を管理したエアーを供給するエアー供給手段
と、前記収容空間のエアーを外部へ強制的に排出してそ
の収容空間の気圧を減圧させる減圧手段を設け、乾燥対
象物を収容空間へ収容させて前記チャンバを密閉した
後、前記バルブを通気状態にして前記の赤外線ヒータと
エアー撹拌用ファンとエアー供給手段を起動させて前記
収容空間を乾燥対象物の属性に基づいて決定される上限
温度以下の所定温度まで加熱する加熱手順と、前記温度
センサが前記所定温度を検出した時点で前記バルブを非
通気状態に切換えると共に前記エアー供給手段の駆動を
停止させ、前記赤外線ヒータを制御して収容空間の温度
を前記上限温度以下の範囲で一定時間保持させる蒸らし
手順と、前記蒸らし手順での一定時間が経過した後に、
前記赤外線ヒータの駆動を停止させると共に前記減圧手
段を起動させ、前記収容空間のエアーを外部へ排出する
減圧・排気手順を第1サイクルとして実行し、以降、前
記バルブを非通気状態に保持して前記と同様の手順から
なるサイクルを繰り返し実行することを特徴とした真空
乾燥方法に係る。
【0009】
【作用】本発明の真空乾燥方法では、チャンバ内に収容
された乾燥対象物に対して、加熱手順→蒸らし手順→減
圧・排気手順を繰り返し、乾燥対象物から段階的に湿分
を除去してゆく。加熱手順においては、チャンバの収容
空間への管理エアーの供給と赤外線の輻射熱によって加
熱を行い、また全体の温度と湿度を均一化するために撹
拌用ファンで撹拌を行う。乾燥対象物の湿分はこの段階
から徐々に蒸発を開始するが、この加熱は収容空間が乾
燥対象物の属性に基づいて決定される上限温度以下の所
定温度になるまで行われる。ここに、温度と湿度が管理
されたエアーを供給するのは、赤外線の輻射熱だけでは
収容空間の温度を初期状態(第1サイクル)又は減圧・排
気後の低温状態(第2サイクル以降)から効率的に上昇さ
せることができないためであり、また相対湿度を小さく
しておくことで乾燥対象物から蒸発する蒸気量を大きく
できるからである。尚、第2サイクル以降では減圧状態
にある収容空間を管理エアーで充填することになる。
された乾燥対象物に対して、加熱手順→蒸らし手順→減
圧・排気手順を繰り返し、乾燥対象物から段階的に湿分
を除去してゆく。加熱手順においては、チャンバの収容
空間への管理エアーの供給と赤外線の輻射熱によって加
熱を行い、また全体の温度と湿度を均一化するために撹
拌用ファンで撹拌を行う。乾燥対象物の湿分はこの段階
から徐々に蒸発を開始するが、この加熱は収容空間が乾
燥対象物の属性に基づいて決定される上限温度以下の所
定温度になるまで行われる。ここに、温度と湿度が管理
されたエアーを供給するのは、赤外線の輻射熱だけでは
収容空間の温度を初期状態(第1サイクル)又は減圧・排
気後の低温状態(第2サイクル以降)から効率的に上昇さ
せることができないためであり、また相対湿度を小さく
しておくことで乾燥対象物から蒸発する蒸気量を大きく
できるからである。尚、第2サイクル以降では減圧状態
にある収容空間を管理エアーで充填することになる。
【0010】蒸らし手順では、管理エアーの供給を停止
すると共にバルブを非通気状態とし、撹拌を続行しなが
ら赤外線の輻射を制御することにより、収容空間の温度
を乾燥対象物の属性によって定まる上限温度以下の範囲
に一定時間保持させる。乾燥対象物からの湿分の蒸発は
前記の加熱手順から継続しているが、乾燥対象物の温度
は表面と内部や表層と内層で異なり、加熱手順を前記の
上限温度を超えて実行すると表面や表層のみが過乾燥状
態になり、乾燥対象物が熱にデリケートなものである場
合には復元不能な収縮・硬化が発生してしまう。この蒸
らし手順では、収容空間の温度を上限温度に近い一定範
囲に保って蒸らし状態とし、高湿度のエアーによって熱
の移動効率を大きくして乾燥対象物全体の温度を均一化
すると共に表層と内層との間での湿分の移動を促進す
る。従って、部分的な過乾燥を防止しながら乾燥対象物
全体からの湿分の均一な蒸発を促進させることが可能に
なる。また、この蒸らし手順では、バルブが非通気状態
とされるために収容空間の圧力が上昇し、相対湿度が低
下して液分の蒸発効率は高くなる。
すると共にバルブを非通気状態とし、撹拌を続行しなが
ら赤外線の輻射を制御することにより、収容空間の温度
を乾燥対象物の属性によって定まる上限温度以下の範囲
に一定時間保持させる。乾燥対象物からの湿分の蒸発は
前記の加熱手順から継続しているが、乾燥対象物の温度
は表面と内部や表層と内層で異なり、加熱手順を前記の
上限温度を超えて実行すると表面や表層のみが過乾燥状
態になり、乾燥対象物が熱にデリケートなものである場
合には復元不能な収縮・硬化が発生してしまう。この蒸
らし手順では、収容空間の温度を上限温度に近い一定範
囲に保って蒸らし状態とし、高湿度のエアーによって熱
の移動効率を大きくして乾燥対象物全体の温度を均一化
すると共に表層と内層との間での湿分の移動を促進す
る。従って、部分的な過乾燥を防止しながら乾燥対象物
全体からの湿分の均一な蒸発を促進させることが可能に
なる。また、この蒸らし手順では、バルブが非通気状態
とされるために収容空間の圧力が上昇し、相対湿度が低
下して液分の蒸発効率は高くなる。
【0011】減圧・排気手順では、赤外線の輻射を停止
させると共に収容空間のエアーを外部へ強制排出させる
が、温度の低下と減圧によって収容空間のエアーは飽和
蒸気圧状態となり、霧状に結露して外部へ放出される。
尚、エアー撹拌用ファンはエアーが減圧・排気されると
その実行性がなくなるため、この手順では停止させるよ
うにしてもよい。
させると共に収容空間のエアーを外部へ強制排出させる
が、温度の低下と減圧によって収容空間のエアーは飽和
蒸気圧状態となり、霧状に結露して外部へ放出される。
尚、エアー撹拌用ファンはエアーが減圧・排気されると
その実行性がなくなるため、この手順では停止させるよ
うにしてもよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の真空乾燥方法の実施例を図面
を用いて詳細に説明する。尚、この実施例では、皮革衣
料を水洗い・脱水処理した後に強制乾燥を行う場合につ
いて説明する。先ず、図1は本発明の方法が適用される
真空乾燥装置におけるチャンバの断面図及びその収容空
間の温度・圧力の制御系を示し、また図2と図3はそれ
ぞれチャンバの正面図と図1におけるY-Y矢視断面図を
示す。各図において、1はチャンバ、2は多数の皮革衣料
(乾燥対象物)3がハンガーを用いて横架棒2aに吊り下げ
られように構成した台車であり、その台車2はチャンバ1
の下側に設けられたガイドテーブル4の上を滑動し、チ
ャンバ1の前扉1aを開放した状態で出し入れできるよう
になっている。また、前扉1aには透明樹脂板で封止され
た窓1bが構成されており、外部からチャンバ1の内部を
確認できるようになっている。そして、チャンバ1の両
側壁の内側には、スチーム加熱方式の遠赤外線パネルヒ
ータ5がその輻射面を内部に向けて設置されており、そ
の下側に多数のノズルが形成されているエアー供給用ダ
クト6が両側壁に沿って横架されており、更にその下側
に相当するガイドテーブル4の両側に撹拌用ファン7が設
置されている。尚、図1において、8は温度センサ、9は
湿度センサを示し、それぞれチャンバ1内の収納空間10
の適所に配置されており、また11は圧力メータであり、
収納空間10の内圧が異常な高圧又は低圧になったときに
自動的にチェック弁(図示せず)が作動して許容圧へ戻す
ようになっている。
を用いて詳細に説明する。尚、この実施例では、皮革衣
料を水洗い・脱水処理した後に強制乾燥を行う場合につ
いて説明する。先ず、図1は本発明の方法が適用される
真空乾燥装置におけるチャンバの断面図及びその収容空
間の温度・圧力の制御系を示し、また図2と図3はそれ
ぞれチャンバの正面図と図1におけるY-Y矢視断面図を
示す。各図において、1はチャンバ、2は多数の皮革衣料
(乾燥対象物)3がハンガーを用いて横架棒2aに吊り下げ
られように構成した台車であり、その台車2はチャンバ1
の下側に設けられたガイドテーブル4の上を滑動し、チ
ャンバ1の前扉1aを開放した状態で出し入れできるよう
になっている。また、前扉1aには透明樹脂板で封止され
た窓1bが構成されており、外部からチャンバ1の内部を
確認できるようになっている。そして、チャンバ1の両
側壁の内側には、スチーム加熱方式の遠赤外線パネルヒ
ータ5がその輻射面を内部に向けて設置されており、そ
の下側に多数のノズルが形成されているエアー供給用ダ
クト6が両側壁に沿って横架されており、更にその下側
に相当するガイドテーブル4の両側に撹拌用ファン7が設
置されている。尚、図1において、8は温度センサ、9は
湿度センサを示し、それぞれチャンバ1内の収納空間10
の適所に配置されており、また11は圧力メータであり、
収納空間10の内圧が異常な高圧又は低圧になったときに
自動的にチェック弁(図示せず)が作動して許容圧へ戻す
ようになっている。
【0013】チャンバ1の壁部には、前記の遠赤外線パ
ネルヒータ5へ連結されたスチームパイプ21a,21bと、エ
アー供給用ダクト6へ連結されたエアーパイプ22と、減
圧・排気用のエアーパイプ23と、調整排気のためのエア
ーパイプ24とがそれぞれ適所に貫設されており、各パイ
プ21a,22,23,24はそれぞれ電磁弁31,32,33,34に接続さ
れている。尚、図1では便宜上チャンバ1の背面の壁部
に貫設されているように表現されているが、各パイプ21
a,21b,22,23,24は配管や排気効率上の問題を考慮して最
適位置に貫設されている。また、各電磁弁31,32,33,34
を介した供給系や排出系は、次のように構成されてい
る。 遠赤外線パネルヒータ5に係る供給/排出系について
は、スチーム供給源(図示せず)からのスチームが電磁弁
31からスチームパイプ21aを介して遠赤外線パネルヒー
タ5へ入力され、遠赤外線パネルヒータ5を通じたスチー
ムはスチームパイプ21bを介してドレン側へ排出され
る。 管理エアー供給系については、供給されたエアーを
除塵フィルタ41を介して除湿器42へ送り、ラインヒータ
43で所定温度に加熱した後、電磁弁32からエアーパイプ
22を介してエアー供給用ダクト6へ送られる。尚、ライ
ンヒータ43の加熱源にもスチームを用いており、そのス
チームは電磁弁43aを介してラインヒータ43のラジエー
タ部へ送られ、使用後のスチームはドレン側へ排出され
る。 減圧・排気系については、エアーパイプ23に接続され
た電磁弁33が真空ポンプ44に接続されており、真空ポン
プ44が吸引したエアーをドレン側へ排気させるだけであ
る。 調整排気系については、エアーパイプ24に接続され
た電磁弁34を介して収容空間10内のエアーをドレン側へ
排気させるだけである。
ネルヒータ5へ連結されたスチームパイプ21a,21bと、エ
アー供給用ダクト6へ連結されたエアーパイプ22と、減
圧・排気用のエアーパイプ23と、調整排気のためのエア
ーパイプ24とがそれぞれ適所に貫設されており、各パイ
プ21a,22,23,24はそれぞれ電磁弁31,32,33,34に接続さ
れている。尚、図1では便宜上チャンバ1の背面の壁部
に貫設されているように表現されているが、各パイプ21
a,21b,22,23,24は配管や排気効率上の問題を考慮して最
適位置に貫設されている。また、各電磁弁31,32,33,34
を介した供給系や排出系は、次のように構成されてい
る。 遠赤外線パネルヒータ5に係る供給/排出系について
は、スチーム供給源(図示せず)からのスチームが電磁弁
31からスチームパイプ21aを介して遠赤外線パネルヒー
タ5へ入力され、遠赤外線パネルヒータ5を通じたスチー
ムはスチームパイプ21bを介してドレン側へ排出され
る。 管理エアー供給系については、供給されたエアーを
除塵フィルタ41を介して除湿器42へ送り、ラインヒータ
43で所定温度に加熱した後、電磁弁32からエアーパイプ
22を介してエアー供給用ダクト6へ送られる。尚、ライ
ンヒータ43の加熱源にもスチームを用いており、そのス
チームは電磁弁43aを介してラインヒータ43のラジエー
タ部へ送られ、使用後のスチームはドレン側へ排出され
る。 減圧・排気系については、エアーパイプ23に接続され
た電磁弁33が真空ポンプ44に接続されており、真空ポン
プ44が吸引したエアーをドレン側へ排気させるだけであ
る。 調整排気系については、エアーパイプ24に接続され
た電磁弁34を介して収容空間10内のエアーをドレン側へ
排気させるだけである。
【0014】一方、温度・圧力の制御系はコントローラ5
1を中心に構成されており、コントローラ51は温度セン
サ8と湿度センサ9の検出信号と内蔵タイマのカウント値
を参照しながら、予め格納されているプログラムに基づ
いて各電磁弁31,32,33,34及び43aを開/閉制御する。
1を中心に構成されており、コントローラ51は温度セン
サ8と湿度センサ9の検出信号と内蔵タイマのカウント値
を参照しながら、予め格納されているプログラムに基づ
いて各電磁弁31,32,33,34及び43aを開/閉制御する。
【0015】次に、以上の構成を有した本実施例の真空
乾燥装置の動作状態を、図4に示す動作フローチャート
及び図5に示す収容空間10の温度変化グラフと前記〜
の各系の作動タイミングの対応図を参照しながら説明
する。先ず、水洗いがなされて所定の脱水処理が施され
た皮革衣料3が搬入されると、チャンバ1の前扉1aを開放
して台車2を引き出し、各皮革衣料3をハンガーに掛けた
状態で台車2の横架棒2aに吊り下げ、台車2をチャンバ1
内に戻して前扉1aを封鎖する。そして、皮革衣料3の皮
革の種類や形態等の属性及びその個数や含水重量等を考
慮してコントローラ51にプログラムの選択入力を行った
後、乾燥開始の指示を行う。
乾燥装置の動作状態を、図4に示す動作フローチャート
及び図5に示す収容空間10の温度変化グラフと前記〜
の各系の作動タイミングの対応図を参照しながら説明
する。先ず、水洗いがなされて所定の脱水処理が施され
た皮革衣料3が搬入されると、チャンバ1の前扉1aを開放
して台車2を引き出し、各皮革衣料3をハンガーに掛けた
状態で台車2の横架棒2aに吊り下げ、台車2をチャンバ1
内に戻して前扉1aを封鎖する。そして、皮革衣料3の皮
革の種類や形態等の属性及びその個数や含水重量等を考
慮してコントローラ51にプログラムの選択入力を行った
後、乾燥開始の指示を行う。
【0016】前記の開始指示があると、コントローラ51
は先ず電磁弁34を開設定して収容空間10と外部を通気状
態にし、その状態で電磁弁32と電磁弁31を開設定すると
共に撹拌用ファン7を起動させる(S1〜S4)。これによ
り、前記の管理エアー供給系で除塵、除湿、加熱された
エアーがエアー供給用ダクト6のノズルを通じて収容空
間10内に供給され、また遠赤外線パネルヒータ5にスチ
ームが通気されて収容空間10内に遠赤外線が輻射され、
収容空間10内のエアーは撹拌されつつ上昇する。
は先ず電磁弁34を開設定して収容空間10と外部を通気状
態にし、その状態で電磁弁32と電磁弁31を開設定すると
共に撹拌用ファン7を起動させる(S1〜S4)。これによ
り、前記の管理エアー供給系で除塵、除湿、加熱された
エアーがエアー供給用ダクト6のノズルを通じて収容空
間10内に供給され、また遠赤外線パネルヒータ5にスチ
ームが通気されて収容空間10内に遠赤外線が輻射され、
収容空間10内のエアーは撹拌されつつ上昇する。
【0017】従って、湿潤した皮革衣料3は加熱された
管理エアーから熱量の供給を受けると共に遠赤外線の輻
射熱で加熱されて水分を蒸発するようになるが、コント
ローラ51は温度センサ8の出力で収容空間10の温度を監
視しており、選択されたプログラムで予め設定されてい
る所定温度Tcに達した状態で加熱手順を完了させ、電
磁弁34と電磁弁32を閉設定にして収容空間10を外部と完
全に遮断すると共に、管理エアーの投入も停止させる(S
5〜S7)。この場合、皮革衣料の属性によって乾燥時に皮
革が収縮や硬化が発生しない上限温度Tmが経験的に知
られているが、前記の所定温度Tcはそれよりも低い温
度であり、且つ上限温度Tmを超えない範囲で温度制御
が可能な温度値に設定される。具体的には、皮革の場
合、前記の上限温度Tmは一般的に35℃乃至60℃で
あるが、例えば、本実施例での皮革衣料3に係る皮革の
Tmが55℃で温度制御が±5℃の範囲で可能であれ
ば、Tcは50℃に設定される。
管理エアーから熱量の供給を受けると共に遠赤外線の輻
射熱で加熱されて水分を蒸発するようになるが、コント
ローラ51は温度センサ8の出力で収容空間10の温度を監
視しており、選択されたプログラムで予め設定されてい
る所定温度Tcに達した状態で加熱手順を完了させ、電
磁弁34と電磁弁32を閉設定にして収容空間10を外部と完
全に遮断すると共に、管理エアーの投入も停止させる(S
5〜S7)。この場合、皮革衣料の属性によって乾燥時に皮
革が収縮や硬化が発生しない上限温度Tmが経験的に知
られているが、前記の所定温度Tcはそれよりも低い温
度であり、且つ上限温度Tmを超えない範囲で温度制御
が可能な温度値に設定される。具体的には、皮革の場
合、前記の上限温度Tmは一般的に35℃乃至60℃で
あるが、例えば、本実施例での皮革衣料3に係る皮革の
Tmが55℃で温度制御が±5℃の範囲で可能であれ
ば、Tcは50℃に設定される。
【0018】次に、加熱手順が完了して電磁弁34と電磁
弁32を閉設定した状態で、コントローラ51は温度センサ
8から検出される温度を参照しながら電磁弁31を開/閉
制御し、遠赤外線パネルヒータ5からの輻射熱量を制御
して収容空間10内の温度を一定時間CtだけTmとTcの間
に保つ(S8)。即ち、一定時間Ctだけ蒸らし手順を実行さ
せる。この蒸らし手順の実効性は次のように説明でき
る。前記の加熱手順では温度をTcまで上昇させている
が、撹拌用ファン7による加熱エアーの撹拌を行ってい
ても、遠赤外線の輻射条件が異なる皮革衣料3の外側と
内側や皮革の表層と内層、更には含水量が異なる縫製部
分と非縫製部分とでは温度差が発生しており、それぞれ
の部分や局所で水分蒸発の進行度合いが異なっている。
この手順では、密閉した収容空間10内の温度を前記の範
囲に保ちながら、更に水分の蒸発が進行し蒸気を多く含
んでいる撹拌エアーによって熱の移動効率を大きくし、
部分的又は局部的な過乾燥を防止しながら皮革衣料3全
体の温度を均一に上昇させて水分の蒸発を促進させる。
また、副次的ではあるが、収容空間10が密閉されるため
に内圧が上昇して相対湿度が低下するため、その意味で
も水分の蒸発が促進されることになる。尚、蒸らし手順
の実行時間Ctは、皮革衣料3の属性や皮革衣料3全体の当
初の含水量やサイクルの実行回数等を考慮して経験的に
決定されており、前記のプログラムに制御データとして
設定されている。
弁32を閉設定した状態で、コントローラ51は温度センサ
8から検出される温度を参照しながら電磁弁31を開/閉
制御し、遠赤外線パネルヒータ5からの輻射熱量を制御
して収容空間10内の温度を一定時間CtだけTmとTcの間
に保つ(S8)。即ち、一定時間Ctだけ蒸らし手順を実行さ
せる。この蒸らし手順の実効性は次のように説明でき
る。前記の加熱手順では温度をTcまで上昇させている
が、撹拌用ファン7による加熱エアーの撹拌を行ってい
ても、遠赤外線の輻射条件が異なる皮革衣料3の外側と
内側や皮革の表層と内層、更には含水量が異なる縫製部
分と非縫製部分とでは温度差が発生しており、それぞれ
の部分や局所で水分蒸発の進行度合いが異なっている。
この手順では、密閉した収容空間10内の温度を前記の範
囲に保ちながら、更に水分の蒸発が進行し蒸気を多く含
んでいる撹拌エアーによって熱の移動効率を大きくし、
部分的又は局部的な過乾燥を防止しながら皮革衣料3全
体の温度を均一に上昇させて水分の蒸発を促進させる。
また、副次的ではあるが、収容空間10が密閉されるため
に内圧が上昇して相対湿度が低下するため、その意味で
も水分の蒸発が促進されることになる。尚、蒸らし手順
の実行時間Ctは、皮革衣料3の属性や皮革衣料3全体の当
初の含水量やサイクルの実行回数等を考慮して経験的に
決定されており、前記のプログラムに制御データとして
設定されている。
【0019】前記の蒸らし手順が時間Ctだけ実行される
と、コントローラ51は直ちに電磁弁31を閉設定すると共
に撹拌用ファン7を停止させ、湿度センサ9からその段階
における収容空間10内の湿度Huを検出した後、電磁弁3
3を開設定することにより真空ポンプ44側に収容空間10
内のエアーを排気させ、同空間10内を減圧状態にする(S
9〜S13)。この時、加熱・蒸らし手順を通じて収容空間10
内は高湿度状態になっており、電磁弁31の閉設定に基づ
く赤外線輻射量の減衰による温度の低下、及び電磁弁33
の開設定による気圧の低下に伴って一挙に飽和蒸気圧状
態へ移行し、収容空間10内のエアーに含まれている蒸気
は霧状に結露して外部へ放出される。また、この時の排
気完了の目安については温度センサ8から検出される温
度によって管理しており、蒸らし手順で加熱状態にあっ
た高湿度のエアーが放出されることによって収容空間10
の温度は徐々に低下し、所定の管理温度Toになった時
点で減圧・排気手順が完了する(S13,S14)。尚、この減圧
・排気手順では、収容空間10の容積やその手順の実行時
間にもよるが、例えば、収容空間10の容積が5m3で実
行時間を約9分としても収容空間10内の減圧度を約72
0〜730torr程度の低真空状態にするだけで十分であ
り、収容空間10内の結露した水分の殆どを排出させるこ
とができる。
と、コントローラ51は直ちに電磁弁31を閉設定すると共
に撹拌用ファン7を停止させ、湿度センサ9からその段階
における収容空間10内の湿度Huを検出した後、電磁弁3
3を開設定することにより真空ポンプ44側に収容空間10
内のエアーを排気させ、同空間10内を減圧状態にする(S
9〜S13)。この時、加熱・蒸らし手順を通じて収容空間10
内は高湿度状態になっており、電磁弁31の閉設定に基づ
く赤外線輻射量の減衰による温度の低下、及び電磁弁33
の開設定による気圧の低下に伴って一挙に飽和蒸気圧状
態へ移行し、収容空間10内のエアーに含まれている蒸気
は霧状に結露して外部へ放出される。また、この時の排
気完了の目安については温度センサ8から検出される温
度によって管理しており、蒸らし手順で加熱状態にあっ
た高湿度のエアーが放出されることによって収容空間10
の温度は徐々に低下し、所定の管理温度Toになった時
点で減圧・排気手順が完了する(S13,S14)。尚、この減圧
・排気手順では、収容空間10の容積やその手順の実行時
間にもよるが、例えば、収容空間10の容積が5m3で実
行時間を約9分としても収容空間10内の減圧度を約72
0〜730torr程度の低真空状態にするだけで十分であ
り、収容空間10内の結露した水分の殆どを排出させるこ
とができる。
【0020】上記の第1サイクルが完了した後、コント
ローラ51は前記の加熱手順と蒸らし手順と減圧・排気手
順を繰り返して実行させる(S16→S2〜S16)。但し、その
第2サイクル以降の繰り返しにおいては、電磁弁34を閉
設定にしたまま実行し、ステップS6については不要とさ
れる。即ち、各サイクルの減圧・排気手順が完了した時
点では収容空間10内が低真空状態になっているが、次の
サイクルの開始時点で電磁弁32を開設定にすると、管理
エアー供給系から除塵・除湿・加熱されたエアーがエアー
供給用ダクト6のノズルを通じて収容空間10内へ自動的
に吸引・供給されて充満する。
ローラ51は前記の加熱手順と蒸らし手順と減圧・排気手
順を繰り返して実行させる(S16→S2〜S16)。但し、その
第2サイクル以降の繰り返しにおいては、電磁弁34を閉
設定にしたまま実行し、ステップS6については不要とさ
れる。即ち、各サイクルの減圧・排気手順が完了した時
点では収容空間10内が低真空状態になっているが、次の
サイクルの開始時点で電磁弁32を開設定にすると、管理
エアー供給系から除塵・除湿・加熱されたエアーがエアー
供給用ダクト6のノズルを通じて収容空間10内へ自動的
に吸引・供給されて充満する。
【0021】そして、第2サイクル以降における各手順
の実行段階でも同様の作用によって皮革衣料3に含まれ
ている水分を除去してゆくため、当然に1サイクル毎に
皮革衣料3の含水量は減少し、減圧・排気手順へ移行する
前のステップS12で検出される収容空間10内の湿度デー
タHuは徐々に低下してゆくことになるが、一定回数の
サイクルが実行されると皮革衣料3の乾燥が完了したと
推定される湿度閾値Ha以下になる。そこで、本実施例
ではコントローラ51が各サイクル毎にステップS12で得
られた湿度データHuと温度閾値データHaとを比較し、
Ha≧Huとなったサイクルの減圧・排気手順の完了時点
で繰り返しを停止させ、電磁弁32を開設定して前記の管
理エアーを減圧状態になっている収容空間10内へ投入
し、内圧を外気と同等に戻して乾燥工程を終了する(S16
→S17)。尚、最終的に投入される管理エアーは加熱手順
におけるような加熱エアーである必要はなく、コントロ
ーラ51は電磁弁43aを閉設定することによりほぼ常温レ
ベルに近いエアーにして収容空間10内へ投入する(S1
7)。
の実行段階でも同様の作用によって皮革衣料3に含まれ
ている水分を除去してゆくため、当然に1サイクル毎に
皮革衣料3の含水量は減少し、減圧・排気手順へ移行する
前のステップS12で検出される収容空間10内の湿度デー
タHuは徐々に低下してゆくことになるが、一定回数の
サイクルが実行されると皮革衣料3の乾燥が完了したと
推定される湿度閾値Ha以下になる。そこで、本実施例
ではコントローラ51が各サイクル毎にステップS12で得
られた湿度データHuと温度閾値データHaとを比較し、
Ha≧Huとなったサイクルの減圧・排気手順の完了時点
で繰り返しを停止させ、電磁弁32を開設定して前記の管
理エアーを減圧状態になっている収容空間10内へ投入
し、内圧を外気と同等に戻して乾燥工程を終了する(S16
→S17)。尚、最終的に投入される管理エアーは加熱手順
におけるような加熱エアーである必要はなく、コントロ
ーラ51は電磁弁43aを閉設定することによりほぼ常温レ
ベルに近いエアーにして収容空間10内へ投入する(S1
7)。
【0022】以上のようにして、本実施例に係る真空乾
燥装置は、皮革衣料3を収縮や硬化が発生しない条件で
均一に乾燥させて自然な仕上がりが得られるるようにし
ているが、皮革衣料3の含水量や分厚さや縫製態様、含
水量が多い時と乾燥が進行した時の皮革の温度に対する
性質等を考慮すると、単に一律のTmやTcで管理するだ
けでなく、各サイクル内における各手順の時間比率や乾
燥の進行に伴って各サイクルの所要時間や各サイクルで
の最高温度等を変化させた方が適切な場合がある。
燥装置は、皮革衣料3を収縮や硬化が発生しない条件で
均一に乾燥させて自然な仕上がりが得られるるようにし
ているが、皮革衣料3の含水量や分厚さや縫製態様、含
水量が多い時と乾燥が進行した時の皮革の温度に対する
性質等を考慮すると、単に一律のTmやTcで管理するだ
けでなく、各サイクル内における各手順の時間比率や乾
燥の進行に伴って各サイクルの所要時間や各サイクルで
の最高温度等を変化させた方が適切な場合がある。
【0023】具体的には、皮革衣料3の乾燥に係る従来
からの経験や実験に基づいて、皮革衣料3の各種条件に
応じて次のような制御がなされることが望ましい。 (1) 上記の図5のグラフに示した制御は、皮革衣料3が
分厚く、初期含水量も多い場合に適用される。この場
合、加熱手順と蒸らし手順の時間帯を減圧・排気手順の
時間帯より相対的に長く設定しており、特に蒸らし手順
で熱を皮革衣料3の内部まで深く浸透させるようにし、
各サイクル毎により多くの水分を除去できるようにして
乾燥時間全体の短縮を図っている。 (2) 図6に示される制御は、皮革衣料3の初期含水量は
それほど多くないが、形態や縫製が複雑であり、長時間
の加熱や蒸らしが収縮や硬化を発生させてしまうような
場合に適用される。この場合、図5の場合とは逆に加熱
手順と蒸らし手順の時間帯を減圧・排気手順の時間帯よ
り相対的に短く設定しており、加熱状態での皮革素材へ
の影響をできるだけ小さくし、減圧・排気手順を緩やか
に長時間かけて行うことで除湿効率は確保させるように
している。 (3) 図7(A)に示される制御は、皮革衣料3の初期含水
量が多く、且つその皮革が熱に対して終始デリケートな
性質を有している場合に適用される。この場合、各サイ
クルの所要時間を繰り返し回数に対応させて徐々に短く
してゆき、前半のサイクルでは皮革衣料3の内部まで熱
を確実に浸透させて水分の除去率を大きくするが、乾燥
が進行するに伴って加熱状態での皮革素材の影響を少な
くしながら細部の乾燥を穏やかに行うようにしている。 (4) 図7(B)に示される制御は、皮革衣料3が薄手のも
ので初期含水量はそれほど多くないが、皮革衣料3の造
りが複雑であったり、部分的にデリケートな場合や、含
水時に熱に弱い皮革が用いられている場合に適用され
る。この場合、図7(A)の場合とは逆に各サイクルの所
要時間を繰り返し回数に対応させて徐々に長くしてゆ
き、前半のサイクルでは表面から少しずつ水分を除去し
て皮革内での水分の移動を促してゆき、乾燥がある程度
進行した段階で全体を均一に乾燥させるようにしてい
る。 (5) 図8(A)に示される制御は、皮革衣料3の皮革が含
水量の多い状態では熱に対してそれほどデリケートでな
いが、乾燥が進行した状態でデリケートになるような場
合に適用される。この場合、サイクルの繰り返し回数に
対応させてTmとTcを徐々に低下させてゆき、前半のサ
イクルでは皮革衣料3の内部まで熱を確実に浸透させて
水分の除去率を大きくし、乾燥が進行した段階では低い
温度での加熱と蒸らしを行うようにし、乾燥時間全体の
短縮を図りながら皮革衣料3に収縮や硬化が発生しない
自然な仕上がりを実現する。 (6) 図8(B)に示される制御は、皮革衣料3の皮革が含
水量の多い状態で熱に対してデリケートであり、乾燥が
進行した状態ではそれほどデリケートでないような場合
に適用される。この場合、図8(A)の場合とは逆にサイ
クルの繰り返し回数に対応させてTmとTcを徐々に上昇
させてゆき、前半のサイクルでは低い温度での加熱と蒸
らしを行うようにして緩やかに水分を除去するように
し、乾燥が進行した段階で皮革衣料3の内部まで熱を確
実に浸透させて、加熱による影響が発生しないようにし
ながら乾燥時間全体の短縮を実現する。 (7) 図9に示される制御は、図8(A)に示される制御に
おいて皮革衣料3の乾燥完了時の温度を考慮したもので
あり、この場合にはサイクルの繰り返し回数に対応させ
てToを徐々に常温Tnへ近付けるようにし、仕上がり時
に余熱の低下を待たずに直ちに皮革衣料3をチャンバ1か
ら取り出して包装できるようにする。 尚、以上の各制御は、コントローラ51にそれぞれの具体
的条件に対応した手順制御プログラムを用意しておき、
乾燥動作の開始前にそれらのプログラムの一つを選択す
る指示を与え、コントローラ51が選択されたプログラム
に基づいて各サイクルを実行することで実現できる。
からの経験や実験に基づいて、皮革衣料3の各種条件に
応じて次のような制御がなされることが望ましい。 (1) 上記の図5のグラフに示した制御は、皮革衣料3が
分厚く、初期含水量も多い場合に適用される。この場
合、加熱手順と蒸らし手順の時間帯を減圧・排気手順の
時間帯より相対的に長く設定しており、特に蒸らし手順
で熱を皮革衣料3の内部まで深く浸透させるようにし、
各サイクル毎により多くの水分を除去できるようにして
乾燥時間全体の短縮を図っている。 (2) 図6に示される制御は、皮革衣料3の初期含水量は
それほど多くないが、形態や縫製が複雑であり、長時間
の加熱や蒸らしが収縮や硬化を発生させてしまうような
場合に適用される。この場合、図5の場合とは逆に加熱
手順と蒸らし手順の時間帯を減圧・排気手順の時間帯よ
り相対的に短く設定しており、加熱状態での皮革素材へ
の影響をできるだけ小さくし、減圧・排気手順を緩やか
に長時間かけて行うことで除湿効率は確保させるように
している。 (3) 図7(A)に示される制御は、皮革衣料3の初期含水
量が多く、且つその皮革が熱に対して終始デリケートな
性質を有している場合に適用される。この場合、各サイ
クルの所要時間を繰り返し回数に対応させて徐々に短く
してゆき、前半のサイクルでは皮革衣料3の内部まで熱
を確実に浸透させて水分の除去率を大きくするが、乾燥
が進行するに伴って加熱状態での皮革素材の影響を少な
くしながら細部の乾燥を穏やかに行うようにしている。 (4) 図7(B)に示される制御は、皮革衣料3が薄手のも
ので初期含水量はそれほど多くないが、皮革衣料3の造
りが複雑であったり、部分的にデリケートな場合や、含
水時に熱に弱い皮革が用いられている場合に適用され
る。この場合、図7(A)の場合とは逆に各サイクルの所
要時間を繰り返し回数に対応させて徐々に長くしてゆ
き、前半のサイクルでは表面から少しずつ水分を除去し
て皮革内での水分の移動を促してゆき、乾燥がある程度
進行した段階で全体を均一に乾燥させるようにしてい
る。 (5) 図8(A)に示される制御は、皮革衣料3の皮革が含
水量の多い状態では熱に対してそれほどデリケートでな
いが、乾燥が進行した状態でデリケートになるような場
合に適用される。この場合、サイクルの繰り返し回数に
対応させてTmとTcを徐々に低下させてゆき、前半のサ
イクルでは皮革衣料3の内部まで熱を確実に浸透させて
水分の除去率を大きくし、乾燥が進行した段階では低い
温度での加熱と蒸らしを行うようにし、乾燥時間全体の
短縮を図りながら皮革衣料3に収縮や硬化が発生しない
自然な仕上がりを実現する。 (6) 図8(B)に示される制御は、皮革衣料3の皮革が含
水量の多い状態で熱に対してデリケートであり、乾燥が
進行した状態ではそれほどデリケートでないような場合
に適用される。この場合、図8(A)の場合とは逆にサイ
クルの繰り返し回数に対応させてTmとTcを徐々に上昇
させてゆき、前半のサイクルでは低い温度での加熱と蒸
らしを行うようにして緩やかに水分を除去するように
し、乾燥が進行した段階で皮革衣料3の内部まで熱を確
実に浸透させて、加熱による影響が発生しないようにし
ながら乾燥時間全体の短縮を実現する。 (7) 図9に示される制御は、図8(A)に示される制御に
おいて皮革衣料3の乾燥完了時の温度を考慮したもので
あり、この場合にはサイクルの繰り返し回数に対応させ
てToを徐々に常温Tnへ近付けるようにし、仕上がり時
に余熱の低下を待たずに直ちに皮革衣料3をチャンバ1か
ら取り出して包装できるようにする。 尚、以上の各制御は、コントローラ51にそれぞれの具体
的条件に対応した手順制御プログラムを用意しておき、
乾燥動作の開始前にそれらのプログラムの一つを選択す
る指示を与え、コントローラ51が選択されたプログラム
に基づいて各サイクルを実行することで実現できる。
【0024】ところで、図5から図9の何れの制御を行
う場合においても、多量の皮革衣料3を乾燥させようと
した場合には、加熱手順や蒸らし手順において皮革衣料
3からの水分の蒸発度合いを正確に制御することは困難
であり、収容空間10が過飽和状態になることがある。そ
して、そのような過飽和状態では、高湿度のエアーが熱
伝導媒体として皮革衣料3に過剰に熱量を与え、熱にデ
リケートな皮革衣料3は収縮や硬化を発生してしまう。
そこで、予期しない過飽和状態が温度センサ8と湿度セ
ンサ9の検出データから確認された時点でコントローラ5
1が通常の制御状態に割込みをかけ、電磁弁34を断続的
に開設定して収容空間10内の湿度を低下させるようにす
る。そのように、通常の制御プログラムによる不完全さ
を補完することで、常に安全な乾燥が図れ、安定した仕
上がり結果が得られる。
う場合においても、多量の皮革衣料3を乾燥させようと
した場合には、加熱手順や蒸らし手順において皮革衣料
3からの水分の蒸発度合いを正確に制御することは困難
であり、収容空間10が過飽和状態になることがある。そ
して、そのような過飽和状態では、高湿度のエアーが熱
伝導媒体として皮革衣料3に過剰に熱量を与え、熱にデ
リケートな皮革衣料3は収縮や硬化を発生してしまう。
そこで、予期しない過飽和状態が温度センサ8と湿度セ
ンサ9の検出データから確認された時点でコントローラ5
1が通常の制御状態に割込みをかけ、電磁弁34を断続的
に開設定して収容空間10内の湿度を低下させるようにす
る。そのように、通常の制御プログラムによる不完全さ
を補完することで、常に安全な乾燥が図れ、安定した仕
上がり結果が得られる。
【0025】尚、本実施例では、遠赤外線パネルヒータ
5やラインヒータ43でのエアーの加熱にスチームを用い
ているが、これはクリーニング工場ではスチームを多目
的に利用していることが多く、それを熱源として流用す
れば電力消費を節減できるためであり、スチームがない
場合にはそれらのヒータ5,43は電気加熱方式のものであ
ってもよい。また、本実施例では、水洗い後の皮革衣料
3を対象とした乾燥方法について説明したが、洗濯工程
で石油系溶剤等を用いた場合についても適用でき、その
場合にはTmやTcを水洗いの場合よりも低い温度に設定
できると共に、全体の乾燥所要時間も短くできる。更
に、最近では、大きな縫いぐるみ製品のクリーニングが
依頼される場合があるが、本実施例の乾燥方法はそのよ
うな製品の乾燥にも極めて有効であり、従来では何日も
自然乾燥させねばならなかった製品も数時間程度で強制
乾燥させることが可能であり、仕上がり具合も皮革衣料
3の場合と同様に元の自然な状態に保持することができ
る。
5やラインヒータ43でのエアーの加熱にスチームを用い
ているが、これはクリーニング工場ではスチームを多目
的に利用していることが多く、それを熱源として流用す
れば電力消費を節減できるためであり、スチームがない
場合にはそれらのヒータ5,43は電気加熱方式のものであ
ってもよい。また、本実施例では、水洗い後の皮革衣料
3を対象とした乾燥方法について説明したが、洗濯工程
で石油系溶剤等を用いた場合についても適用でき、その
場合にはTmやTcを水洗いの場合よりも低い温度に設定
できると共に、全体の乾燥所要時間も短くできる。更
に、最近では、大きな縫いぐるみ製品のクリーニングが
依頼される場合があるが、本実施例の乾燥方法はそのよ
うな製品の乾燥にも極めて有効であり、従来では何日も
自然乾燥させねばならなかった製品も数時間程度で強制
乾燥させることが可能であり、仕上がり具合も皮革衣料
3の場合と同様に元の自然な状態に保持することができ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明の真空乾燥方法は、以上の構成を
有していることにより、次のような効果を奏する。請求
項1の発明は、乾燥対象物をその属性によって定まる上
限温度以下の温度で極めて効率良く均一に強制乾燥させ
ることができ、乾燥対象物の自然さを損なうことなく乾
燥時間の大幅な短縮を可能にする。特に、皮革製品を水
洗いした後の乾燥工程に適用され、従来の自然乾燥方式
と比較して遥かに短時間で均一に乾燥させると共に、収
縮や硬化が発生せず、銀面層や網様層に残留した水分に
よってカビが発生するようなことのない仕上がり結果を
得ることが可能になる。請求項2の発明は、乾燥完了状
態の明確な確認を可能にする。請求項3の発明は、遠赤
外線の波長帯域が液分に吸収されやすい性質を利用し、
輻射熱による効率的な加熱を実現する。請求項4の発明
は、クリーニング工場等の既存のスチーム供給設備を利
用して省エネルギ化を実現する。請求項5の発明は、管
理エアーを除塵して供給するため、仕上がり製品の汚れ
が防止できる。請求項6の発明は、減圧・排気手順では
エアー撹拌用ファンの実効性がなくなるため、それを停
止させて電力消費を低減化する。請求項7の発明は、皮
革製品の収縮や硬化が35℃乃至60℃より高温で発生
するという一般的な経験則に基づき、加熱・蒸らし手順
での温度をそれ以下に設定することで皮革製品について
の良好な乾燥仕上がり結果が得られるようにする。請求
項8乃至請求項10の発明は、乾燥対象物の湿潤度合い
や形態や素材特性等に応じて、1サイクル内での各手順
の実行時間比率や各サイクルの実行時間や蒸らし手順で
の最高温度を変化させることにより、更に良好な乾燥仕
上がり結果を得ることを可能にする。請求項11の発明
は、加熱手順又は蒸らし手順で収容空間が過飽和状態に
なって乾燥対象物に過剰な熱供給がなされることを適応
的に防止し、常に安定した乾燥仕上がり結果を得ること
を可能にする。
有していることにより、次のような効果を奏する。請求
項1の発明は、乾燥対象物をその属性によって定まる上
限温度以下の温度で極めて効率良く均一に強制乾燥させ
ることができ、乾燥対象物の自然さを損なうことなく乾
燥時間の大幅な短縮を可能にする。特に、皮革製品を水
洗いした後の乾燥工程に適用され、従来の自然乾燥方式
と比較して遥かに短時間で均一に乾燥させると共に、収
縮や硬化が発生せず、銀面層や網様層に残留した水分に
よってカビが発生するようなことのない仕上がり結果を
得ることが可能になる。請求項2の発明は、乾燥完了状
態の明確な確認を可能にする。請求項3の発明は、遠赤
外線の波長帯域が液分に吸収されやすい性質を利用し、
輻射熱による効率的な加熱を実現する。請求項4の発明
は、クリーニング工場等の既存のスチーム供給設備を利
用して省エネルギ化を実現する。請求項5の発明は、管
理エアーを除塵して供給するため、仕上がり製品の汚れ
が防止できる。請求項6の発明は、減圧・排気手順では
エアー撹拌用ファンの実効性がなくなるため、それを停
止させて電力消費を低減化する。請求項7の発明は、皮
革製品の収縮や硬化が35℃乃至60℃より高温で発生
するという一般的な経験則に基づき、加熱・蒸らし手順
での温度をそれ以下に設定することで皮革製品について
の良好な乾燥仕上がり結果が得られるようにする。請求
項8乃至請求項10の発明は、乾燥対象物の湿潤度合い
や形態や素材特性等に応じて、1サイクル内での各手順
の実行時間比率や各サイクルの実行時間や蒸らし手順で
の最高温度を変化させることにより、更に良好な乾燥仕
上がり結果を得ることを可能にする。請求項11の発明
は、加熱手順又は蒸らし手順で収容空間が過飽和状態に
なって乾燥対象物に過剰な熱供給がなされることを適応
的に防止し、常に安定した乾燥仕上がり結果を得ること
を可能にする。
【図1】本発明の真空乾燥方法の実施例に係る真空乾燥
装置のチャンバの断面図及びその内部の温度・圧力の制
御系を示す図である。
装置のチャンバの断面図及びその内部の温度・圧力の制
御系を示す図である。
【図2】真空乾燥装置の正面図である。
【図3】図1におけるY-Y矢視断面図である。
【図4】真空乾燥装置の動作状態を示すフローチャート
である。
である。
【図5】真空乾燥装置における収容空間の温度変化を示
すグラフ(皮革衣料の初期含水量が多い場合)と、管理エ
アー供給と遠赤外線輻射と撹拌用ファンと真空ポンプの
作動タイミングの対応図である。
すグラフ(皮革衣料の初期含水量が多い場合)と、管理エ
アー供給と遠赤外線輻射と撹拌用ファンと真空ポンプの
作動タイミングの対応図である。
【図6】皮革衣料の初期含水量はそれほど多くないが、
形態や縫製が複雑である場合に適用される制御に基づく
収容空間の温度変化を示すグラフである。
形態や縫製が複雑である場合に適用される制御に基づく
収容空間の温度変化を示すグラフである。
【図7】皮革衣料の初期含水量が多く、且つその皮革が
熱に対して終始デリケートな性質を有している場合に適
用される制御(A)、及び皮革衣料が薄手のもので初期含
水量はそれほど多くないが、皮革衣料の造りが複雑であ
ったり部分的にデリケートな場合や、含水時に熱に弱い
皮革が用いられている場合に適用される制御(B)に基づ
く収容空間の温度変化を示すグラフである。
熱に対して終始デリケートな性質を有している場合に適
用される制御(A)、及び皮革衣料が薄手のもので初期含
水量はそれほど多くないが、皮革衣料の造りが複雑であ
ったり部分的にデリケートな場合や、含水時に熱に弱い
皮革が用いられている場合に適用される制御(B)に基づ
く収容空間の温度変化を示すグラフである。
【図8】皮革衣料の皮革が含水量の多い状態では熱に対
してそれほどデリケートでないが、乾燥が進行した状態
でデリケートになるような場合に適用される制御(A)、
及び皮革衣料の皮革が含水量の多い状態で熱に対してデ
リケートであり、乾燥が進行した状態ではそれほどデリ
ケートでないような場合に適用される制御(B)に基づく
収容空間の温度変化を示すグラフである。
してそれほどデリケートでないが、乾燥が進行した状態
でデリケートになるような場合に適用される制御(A)、
及び皮革衣料の皮革が含水量の多い状態で熱に対してデ
リケートであり、乾燥が進行した状態ではそれほどデリ
ケートでないような場合に適用される制御(B)に基づく
収容空間の温度変化を示すグラフである。
【図9】図8(A)に示される制御において皮革衣料の乾
燥完了時の温度を考慮した場合の制御に基づく収容空間
の温度変化を示すグラフである。
燥完了時の温度を考慮した場合の制御に基づく収容空間
の温度変化を示すグラフである。
1…チャンバ、1a…前扉、1b…窓、2…台車、2a…横架
棒、3…皮革衣料、4…ガイドテーブル、5…遠赤外線パ
ネルヒータ、6…エアー供給用ダクト、7…撹拌用ファ
ン、8…温度センサ、9…湿度センサ、10…収容空間、11
…圧力メータ、21a,21b…スチームパイプ、22,23,24…
エアーパイプ、31,32,33,34,43a…電磁弁、41…除塵フ
ィルタ、42…除湿器、43…ラインヒータ、44…真空ポン
プ。
棒、3…皮革衣料、4…ガイドテーブル、5…遠赤外線パ
ネルヒータ、6…エアー供給用ダクト、7…撹拌用ファ
ン、8…温度センサ、9…湿度センサ、10…収容空間、11
…圧力メータ、21a,21b…スチームパイプ、22,23,24…
エアーパイプ、31,32,33,34,43a…電磁弁、41…除塵フ
ィルタ、42…除湿器、43…ラインヒータ、44…真空ポン
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 正広 東京都品川区東大井6丁目4番5号 株式 会社サタコエンジニヤリング内 (72)発明者 中西 俊夫 東京都府中市寿町3丁目10番20号 東京ホ ールセール株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 真空乾燥方法において、乾燥対象物の収
容空間を有したチャンバの内部に、輻射面を乾燥対象物
の収容部側へ向けた赤外線ヒータと、エアー撹拌用ファ
ンと、管理エアー供給部と、収容空間の温度を検出する
温度センサを装備せしめると共に、前記チャンバの収容
空間と外部を通気状態と非通気状態に切換えるバルブ
と、前記管理エアー供給部に温度と湿度を管理したエア
ーを供給するエアー供給手段と、前記収容空間のエアー
を外部へ強制的に排出してその収容空間の気圧を減圧さ
せる減圧手段を設け、乾燥対象物を収容空間へ収容させ
て前記チャンバを密閉した後、前記バルブを通気状態に
して前記の赤外線ヒータとエアー撹拌用ファンとエアー
供給手段を起動させて前記収容空間を乾燥対象物の属性
に基づいて決定される上限温度以下の所定温度まで加熱
する加熱手順と、前記温度センサが前記所定温度を検出
した時点で前記バルブを非通気状態に切換えると共に前
記エアー供給手段の駆動を停止させ、前記赤外線ヒータ
を制御して収容空間の温度を前記上限温度以下の範囲で
一定時間保持させる蒸らし手順と、前記蒸らし手順での
一定時間が経過した後に、前記赤外線ヒータの駆動を停
止させると共に前記減圧手段を起動させ、前記収容空間
のエアーを外部へ排出する減圧・排気手順を第1サイク
ルとして実行し、以降、前記バルブを非通気状態に保持
して前記と同様の手順からなるサイクルを繰り返し実行
することを特徴とした真空乾燥方法。 - 【請求項2】 チャンバの収容空間に湿度センサを設け
ておき、前記湿度センサの指示値から乾燥対象物の乾燥
度合いを確認することとした請求項1の真空乾燥方法。 - 【請求項3】 赤外線ヒータが遠赤外線輻射パネルによ
るものである請求項1又は2の真空乾燥方法。 - 【請求項4】 遠赤外線ヒータ又は/及びエアー供給手
段がスチームを加熱源としたものである請求項1、2又
は3の真空乾燥方法。 - 【請求項5】 エアー供給手段が除塵フィルタを有し、
除塵された管理エアーを供給するものである請求項1、
2、3又は4の真空乾燥方法。 - 【請求項6】 減圧・排気手順において、エアー撹拌用
ファンを停止させることとした請求項1、2、3、4又
は5の真空乾燥方法。 - 【請求項7】 乾燥対象物が皮革製品である場合に、蒸
らし手順での上限温度を35℃乃至60℃とした請求項
1、2、3、4、5又は6の真空乾燥方法。 - 【請求項8】 加熱手順と蒸らし手順と減圧・排気手順
の各実行時間の比率を、乾燥対象物の湿潤度合い又は/
及び乾燥対象物の形態に応じて変更設定することとした
請求項1、2、3、4、5、6又は7の真空乾燥方法。 - 【請求項9】 各サイクルの所要時間を、乾燥対象物の
湿潤度合い、その素材特性又は/及びその形態に応じて
時系列的に変化させることとした請求項1、2、3、
4、5、6、7又は8の真空乾燥方法。 - 【請求項10】 各サイクルにおける蒸らし手順での最
高温度を、乾燥対象物における湿潤度状態と素材の温度
特性に応じて時系列的に変化させることとした請求項
1、2、3、4、5、6、7、8又は9の真空乾燥方
法。 - 【請求項11】 加熱手順又は蒸らし手順において、温
度センサと湿度センサの指示値に基づいてチャンバの収
容空間が蒸気の過飽和状態であることが確認された場合
に、バルブを適宜通気状態へ切換えることとした請求項
2、3、4、5、6、7、8、9又は10の真空乾燥方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7130999A JP2751095B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 真空乾燥方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7130999A JP2751095B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 真空乾燥方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08299698A true JPH08299698A (ja) | 1996-11-19 |
| JP2751095B2 JP2751095B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=15047583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7130999A Expired - Fee Related JP2751095B2 (ja) | 1995-05-01 | 1995-05-01 | 真空乾燥方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2751095B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008107051A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Toshiyuki Muramatsu | 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法 |
| JP2021089118A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-10 | 東プレ株式会社 | 冷凍装置及び冷凍装置の運転方法 |
| CN119958644A (zh) * | 2025-04-07 | 2025-05-09 | 厦门盈硕科智能装备有限公司 | 一种基于真空灌封设备的实时监测与数据分析系统 |
-
1995
- 1995-05-01 JP JP7130999A patent/JP2751095B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008107051A (ja) * | 2006-10-27 | 2008-05-08 | Toshiyuki Muramatsu | 減圧乾燥装置及び減圧乾燥方法 |
| JP2021089118A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-10 | 東プレ株式会社 | 冷凍装置及び冷凍装置の運転方法 |
| CN119958644A (zh) * | 2025-04-07 | 2025-05-09 | 厦门盈硕科智能装备有限公司 | 一种基于真空灌封设备的实时监测与数据分析系统 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2751095B2 (ja) | 1998-05-18 |
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