JPH0830228B2 - セラミック−金属複合体の製造方法 - Google Patents

セラミック−金属複合体の製造方法

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JPH0830228B2 JP62149749A JP14974987A JPH0830228B2 JP H0830228 B2 JPH0830228 B2 JP H0830228B2 JP 62149749 A JP62149749 A JP 62149749A JP 14974987 A JP14974987 A JP 14974987A JP H0830228 B2 JPH0830228 B2 JP H0830228B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はセラミック−金属複合体の製造方法に関し、
一層詳細には、セラミック粉末と酸により溶出される気
孔形成粉末との混合粉末により成形体を得て後、前記成
形体に焼成および溶出処理を施して三次元網目構造を呈
するセラミック焼結体を形成し、さらに前記セラミック
焼結体に溶融金属を加圧充填して耐摩耗性および耐熱性
等に優れた複合体を得ることを可能にしたセラミック−
金属複合体の製造方法に関する。
[発明の背景] 物理的、化学的に異なる2種類以上の材料を混合ある
いは結合して得られる複合体が一般に知られている。こ
の種の複合体として、セラミックと金属とからなる複合
体が広汎に使用されている。前記セラミック−金属複合
体では、耐熱性、耐摩耗性並びに強度等に優れるため、
例えば、シリンダヘッドのバルブシート部分、ピストン
およびロッカーアーム等のように他の部材と常時摺接す
る部分に効果的に採用されるに至っている。
ところで、前述したセラミック−金属複合体を製造す
るためには、一般的には、以下に示す方法が用いられて
いる。
すなわち、先ず、有機質発泡体に有機樹脂を用いてセ
ラミック粉末を付着させて所定形状の成形体を得、次い
で、前記成形体を乾燥固化して後、前記有機質発泡体を
燃焼させると共に、焼結処理を施し複数の気孔を有する
セラミック焼結体を成形している。さらに、このセラミ
ック焼結体に溶融金属を含浸、あるいは、所定圧力で充
填してセラミック−金属複合体を製造している。
この場合、前記の従来方法によれば、有機樹脂を用い
てセラミック成形体を形成しているが、前記有機樹脂の
固着力が弱いため、この成形体が容易に変形してしま
う。従って、成形体の取扱作業が相当に煩雑なものとな
る欠点が指摘される。しかも、前述したようにして得ら
れるセラミック焼結体に溶融金属を加圧充填する際、こ
の加圧力により前記セラミック焼結体が変形し、不均一
な繊維分布を有する複合体が製造されるという問題が露
呈する。
また、有機質発泡体を燃焼除去した後にセラミックの
焼結を行っており、セラミック焼結体の寸法精度を確保
するためにはこの有機質発泡体の除去後、直ちに焼成作
業を開始する必要がある。このため、通常、低温で焼結
促進機能を発揮する焼結助剤を使用して低温下でセラミ
ックの焼結を遂行しており、この結果、セラミック焼結
体の強度低下を招来することになる。従って、前記セラ
ミック焼結体に溶融金属を所定の加圧力で充填する際、
この加圧力によりセラミック焼結体が変形してしまい、
品質に優れた複合体を製造することが不可能となる不都
合が指摘される。
さらに、有機質発泡体に形成されている気孔に対応し
てこのセラミック焼結体に気孔が設けられるため、前記
セラミック焼結体の気孔が、実質上、大きなものとなっ
てしまう。従って、セラミック焼結体全体に亘り微細な
気孔を略均一に分布させることは到底不可能となる。こ
のため、セラミック焼結体の強度が低いものとなり、前
述したように、このセラミック焼結体に溶融金属を加圧
充填する際、前記セラミック焼結体が変形するという不
都合から回避出来ない。結果的に、このように大きな気
孔を有するセラミック焼結体では、複合体の製造工程に
使用することが実質上不可能となってしまう。
しかも、このような複数の気孔を有する、所謂、三次
元網目構造の有機質発泡体を製造するためには多くの工
程を要し、前記製造作業が極めて煩雑であるという問題
が生じている。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を克服するためになされたもの
であって、セラミック粉末と酸により溶出し得る気孔形
成粉末との混合粉末を用いて成形体を成形し、次いで、
前記成形体に焼結処理を施してセラミック焼結体を得て
後、溶出処理により前記気孔形成粉末を溶出除去し、さ
らに、前記焼結体に溶融金属を加圧充填して複合体を製
造することにより、全体に亘り微細な気孔を略均一に分
布させたセラミック焼結体を得ることが出来、しかも、
有機質発泡体を用いる際のように成形体が変形すること
を阻止すると共に、前記成形体を所望の焼結条件で焼結
処理し、これによって耐摩耗性や耐熱強度等に優れた複
合体を得ることを可能としたセラミック−金属複合体の
製造方法を提供することを目的とする。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は、セラミック
粉末と酸により溶出される気孔形成粉末との混合粉末を
用いて加圧成形法または射出成形法により成形体を成形
する第1の工程と、 前記成形体に焼結処理を施して焼結体を得る第2の工
程と、 前記焼結体を酸溶液中に浸漬した状態で所定時間超音
波振動を付与することにより、気孔成形粉末を溶出除去
する第3の工程と、 前記溶出処理終了後の焼結体を焼成する第4の工程
と、 前記焼成後の焼結体に溶融金属を加圧充填して複合体
を得る第5の工程と、 を有することを特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係るセラミック−金属複合体の製造方
法について好適な実施態様を挙げ、添付の図面を参照し
ながら以下詳細に説明する。
この場合、セラミック粉末としては、直径20μm以下
のSi3N4、サイアロン、SiC、Al2O3およびZrO2等の単独
粉末、あるいはこれらの混合粉末が用いられる。また、
Ti、Mo、Cr、Ta、Hf、wおよびZr等の炭化物、窒化物等若し
くは硼化物等を単独あるいは複合させたもの、またはこ
れらにSi3N4,Al2O3、SiCおよびサイアロン等を複合させ
たものが採用される。
一方、気孔形成粉末はセラミック焼結体に積極的に微
細な気孔を形成して所定の気孔率を有し且つ3次元網目
構造を呈する前記セラミック焼結体を得るために用いら
れるものであり、この気孔形成粉末としては以下に示す
2種のものがある。
すなわち、Na2O(8〜40重量%)、Al2O3(20重量%
以下)、BO3(30〜65重量%)およびSiO2(40重量%以
下)の混合粉末にCaO、MgOの少なくとも1種を添加して
溶融、粉砕の各工程を経て得られたガラス質で直径1μ
m〜5μmのAl2O3−Na2O−B2O3−S1O2系粉末が第1の
気孔形成粉末である。また、Al2O3(20重量%以下)、B
2O3(30〜65重量%)、S1O2(40重量%以下)およびK2O
(40重量%以下)の混合粉末にCaO、MgOの少なくとも1
種を添加して、前記と同様に溶融、粉砕の各工程を経て
得られたガラス質で直径1μm〜5μmのAl2O3−B2O3
−S1O2−K2O系粉末が第2の気孔形成粉末である。
この場合、セラミック粉末の焼結性を向上させるた
め、必要に応じて焼結助剤粉末が使用される。この種の
焼結助剤粉末としては、直径0.1μm〜1μmのAl2O3
Y2O2、MgOおよびS1O2等の単独粉末、あるいはこれらの
混合粉末が採用されている。
そして、前述したセラミック粉末、焼結助剤粉末およ
び気孔形成粉末を夫々の中から選択すると共に、所定の
配合量(セラミック粉末を75〜97重量%、焼結助剤粉末
を10重量%以下および気孔形成粉末を15重量%以下)で
混合して混合粉末を得る。次いで、この混合粉末を用い
て、例えば、加圧成形法または射出成形法等の各種成形
法により所望の形状を呈する成形体を成形する。
さらに、前記成形体を800℃〜2200℃で0.5時間〜24時
間焼成することによりセラミック焼結体を得て後、この
セラミック焼結体を30℃〜60℃のHClあるいはNNO3の単
一酸、またはこれらの混酸よりなる酸溶液中に所定時間
浸漬して気孔形成粉末を溶出除去する。この場合、溶出
作業を終了したセラミック焼結体を約1700℃で焼成すれ
ば、このセラミック焼結体の際摩耗性および耐熱強度を
一層向上させることが出来る。
なお、セラミック粉末としてSi3N4を使用し、1200℃
の焼成温度に選択した際の気孔形成粉末の配合量とセラ
ミック焼結体の曲げ強度との関係を第1図に示す。第2
図はセラミック粉末としてSi3N4(図中、A参照)とSiC
(図中、B参照)とを用い、1200℃で焼結処理を行った
際の夫々のセラミック粉末に配合される気孔形成粉末の
配合量と空隙率との関係を示したものである。また、第
3図はセラミック粉末としてSi3N4を使用し、焼成温度
を1200℃(図中、C参照)と1700℃(図中、D参照)と
に選択した際の気孔形成粉末の配合量と空隙率との関係
を示したものである。さらに、酸溶出後のセラミック焼
結体を1700℃の焼成温度で1時間焼成した時の空隙率と
曲げ強度との関係を第4図に示す。従って、第1図乃至
第4図を参照し、所定の曲げ強度並びに空隙率等に対応
して気孔形成粉末の配合量等を選択すればよい。
次いで、このようにして得られるセラミック焼結体と
複合化される金属材料としては、Al、Mg,Zr,Cu,Pbおよ
びSn等の金属、またはこれらの金属の合金が使用され
る。
そして、セラミック焼結体を溶融金属が含浸し易いよ
うに、予め、100℃〜1000℃の温度に加温しておき、こ
のセラミック焼結体に前記溶融金属を50kg/cm2〜1500kg
/cm2の加圧力で充填する。これによって、所定時間冷却
後、所望のセラミック−金属複合体が製造されるに至
る。この場合、溶融金属とのぬれ性や密着性を向上させ
るべくセラミック焼結体に金属、合金またはセラミック
材等を蒸着等の方法により被覆しておくと好適である。
そこで、本実施態様では、セラミック−金属複合体の
一例であるシリンダヘッドの製造方法について詳細に説
明する。
すなわち、第5図において、参照符号10は本発明に係
る方法を用いて製造されるシリンダヘッドを示す。この
場合、前記シリンダヘッド10はアルミニウム合金で鋳造
成形されており、シリンダ室12と吸気路14並びに前記シ
リンダ室12と排気路16との間にはバルブガイド孔18a、1
8bと同軸的にバルブシート20a、20bが設けられる。前記
バルブシート20a、20bは実質的には、第6図に示すよう
に、リング状のセラミック焼結体24を成形して後、この
セラミック焼結体24に後述するようにアルミニウム合金
を加圧充填してシリンダヘッド10と一体的に鋳造され
る。
このように構成されるシリンダヘッド10において、先
ず、前記セラミック焼結体24を成形する。
この場合、実質的にはセラミック粉末としてSi3N4
焼結助剤粉末としてAl2O3および気孔形成粉末としてガ
ラス質で直径1μm〜5μmのAl2O3−Na2O−B2O3−SiO
2系粉末を用いる。そして、夫々の粉末を所定の配合量
で混合し、加圧成形法により成形圧力75MPaにて第6図
に示すセラミック焼結体24に対応するリング状の成形体
を成形する。
次いで、この成形体を1500℃の温度で8時間焼成し、
セラミック焼結体24を得る。さらに、前記セラミック焼
結体24を50℃に加温された4NのHNO3中に浸漬し、このHN
O3に超音波振動を付与した状態で所定時間保持する。従
って、気孔形成粉末および不純物が溶出された3次元網
目構造を有するセラミック焼結体24が得られる。これに
よって、直径0.5μm〜3μmの微細な気孔を全体に亘
り略均一に分布したセラミック焼結体24が製造されるに
至る。
さらに、図示しない高圧鋳造用金型において、バルブ
シート20a、20bに対応する位置にセラミック焼結体24を
配置し、このセラミック焼結体24を、予め、略250℃の
温度に加温しておく。次に、図示しない金型内に略730
℃の温度で溶融しているアルミニウム合金(AC2B)の溶
湯を充填し、略200kg/cm2の加圧力で所定時間保持す
る。このため、前記アルミニウム合金の一部はセラミッ
ク焼結体24内に充填され、バルブシート20a、20bがシリ
ンダヘッド10と一体的に鋳造成形されるに至る。
この場合、本実施態様によれば、セラミック焼結体24
内に分散している気孔形成粉末を酸により溶出させるた
め、全体に亘って略均一に分布された微細な気孔を有す
るセラミック焼結体24を製造することが出来る。このた
め、前記セラミック焼結体24は十分な強度を有すると共
に、セラミック粉末の体積率を良好に且つ高く確保する
ことが可能となる。しかも、セラミック成形体を所望の
温度で焼結し得るため、強度に優れたセラミック焼結体
24を製造することが出来る。これによって、セラミック
焼結体24にアルミニウム合金の溶湯を加圧充填する際に
この加圧力(略200kg/cm2)により前記セラミック焼結
体24が変形することがない。
また、一般に、セラミック粉末にはセラミック焼結体
24としての強度低下の要因となる不純物を含有している
場合が多いが、本実施態様では、この不純物が溶出処理
によってセラミック焼結体24から除去されるため、当該
セラミック焼結体24の強度を一層向上させるという利点
が顕在化する。
さらに、従来のように、有機質発泡体を用いることが
ないため、セラミック成形体が変形することを阻止する
ことが出来る。従って、セラミック成形体の取扱作業が
一挙に簡易化すると共に、高精度なセラミック焼結体24
が得られる。その上、製造が煩雑な有機質発泡体を用い
るものに比べ、セラミック焼結体24の生産効率を一挙に
向上させるという効果が挙げられる。
結果的に、このようなセラミック焼結体24を介して鋳
造成形されるバルブシート20a、20bは十分な耐摩耗性、
耐熱強度および耐圧強度等を有することが可能となる。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、セラミック粉末と酸
により溶出し得る気孔形成粉末との混合粉末を用いて成
形体を成形し、この成形体に焼結処理並びに溶出処理を
施して複数の微細な気孔を有するセラミック焼結体を
得、さらにこのセラミック焼結体に溶融金属を加圧充填
してセラミック−金属複合体を製造している。このた
め、有機質発泡体を用いて成形体を得る際のように、こ
の成形体が変形することがなく、前記成形体の取扱作業
が簡易化する。しかも、セラミック粉末を所望の焼結条
件で焼結し得ると共に、セラミック焼結体に微細な気孔
が形成されるため、高強度なセラミック焼結体を製造す
ることが出来る。従って、前記セラミック焼結体に溶融
金属を所定の圧力で充填する際、このセラミック焼結体
が変形することがない。結局、耐摩耗性並びに耐熱性等
に優れた高品質な複合体を確実に且つ効果的に製造する
ことが出来るという効果が得られる。
さらに、従来のように、製造工程の煩雑な有機質発泡
体を用いるものに比べ、セラミック焼結体を一挙に容易
に且つ短時間で製造することが出来、複合体を効率的に
製造し得るという実質的な利点も挙げられる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明し
たが、本発明はこの実施態様に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図はセラミック成形体に添加される気孔形成粉末の
配合量とセラミック焼結体の曲げ強度との関係を示すグ
ラフ、 第2図はセラミック粉末としてSiCとSi3N4とを用い、夫
々に添加される気孔形成粉末の配合量と空隙率との関係
を示すグラフ、 第3図はセラミック粉末としてSi3N4を用い、2種の異
なる焼結温度における気孔形成粉末の配合量と空隙率と
の関係を示すグラフ、 第4図はセラミック焼結体を1700℃で1時間焼成した際
の空隙率と曲げ強度との関係を示すグラフ、 第5図は本発明に係るセラミック−金属複合体の製造方
法により鋳造成形されるシリンダヘッドの概略構成を示
す縦断面図、 第6図は第5図に示すシリンダヘッドに組み込まれるセ
ラミック焼結体の斜視図である。 10…シリンダヘッド 20a、20b…バルブシート 24…セラミック焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 光雄 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−145742(JP,A) 特開 昭61−222970(JP,A) 特開 昭61−222966(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉末と酸により溶出される気孔
    形成粉末との混合粉末を用いて加圧成形法または射出成
    形法により成形体を成形する第1の工程と、 前記成形体に焼結処理を施して焼結体を得る第2の工程
    と、 前記焼結体を酸溶液中に浸漬した状態で所定時間超音波
    振動を付与することにより、気孔成形粉末を溶出除去す
    る第3の工程と、 前記溶出処理終了後の焼結体を焼成する第4の工程と、 前記焼成後の焼結体に溶融金属を加圧充填して複合体を
    得る第5の工程と、 を有することを特徴とするセラミック−金属複合体の製
    造方法。
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