JPH0830256B2 - 肌焼鋼の浸炭方法 - Google Patents
肌焼鋼の浸炭方法Info
- Publication number
- JPH0830256B2 JPH0830256B2 JP1327956A JP32795689A JPH0830256B2 JP H0830256 B2 JPH0830256 B2 JP H0830256B2 JP 1327956 A JP1327956 A JP 1327956A JP 32795689 A JP32795689 A JP 32795689A JP H0830256 B2 JPH0830256 B2 JP H0830256B2
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- Japan
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- carburizing
- steel
- temperature
- treatment
- carburized
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ベアリングやピストンリングなどのよう
な摺動部品、その他耐摩耗性や疲労強度等を必要とする
機械部品に使用される肌焼鋼の浸炭方法に関する。
な摺動部品、その他耐摩耗性や疲労強度等を必要とする
機械部品に使用される肌焼鋼の浸炭方法に関する。
(従来の技術) 軸受けの転動体や軌道輪(レース)あるいはピストン
リングなどに用いられる材料には、局部的に大きな面圧
が加わるため、その繰り返しによる摩耗に対する抵抗性
が必要とされる。そのため摺動表面は均質な組織を有
し、硬度が高いことが必要である。このような用途に
は、炭素量を高めた鋼を使用することもあるが、鋼の表
層部だけの炭素量を高める浸炭処理鋼を使用することも
多い。
リングなどに用いられる材料には、局部的に大きな面圧
が加わるため、その繰り返しによる摩耗に対する抵抗性
が必要とされる。そのため摺動表面は均質な組織を有
し、硬度が高いことが必要である。このような用途に
は、炭素量を高めた鋼を使用することもあるが、鋼の表
層部だけの炭素量を高める浸炭処理鋼を使用することも
多い。
炭素量の高い鋼は通常マルテンサイトとなるため一般
には硬いが、反面脆い性質を有する。このため、高炭素
鋼は、鋼の熱処理時、特に冷却時に焼き割れを起こしや
すい問題がある。これは冷却が鋼表面から進むため、マ
ルテンサイト変態の時間的ずれに伴う内部応力に起因す
るもので、焼き割れ防止の観点からすると、表層層だけ
炭素量を高くすることで表面の高さを高くすると同時に
変態時間も調整し、硬さを特に要求しない内質部は軟ら
かく、靱性に富むようにする処理、すなわち浸炭熱処理
が望ましい。
には硬いが、反面脆い性質を有する。このため、高炭素
鋼は、鋼の熱処理時、特に冷却時に焼き割れを起こしや
すい問題がある。これは冷却が鋼表面から進むため、マ
ルテンサイト変態の時間的ずれに伴う内部応力に起因す
るもので、焼き割れ防止の観点からすると、表層層だけ
炭素量を高くすることで表面の高さを高くすると同時に
変態時間も調整し、硬さを特に要求しない内質部は軟ら
かく、靱性に富むようにする処理、すなわち浸炭熱処理
が望ましい。
浸炭用鋼(以下、肌焼鋼と記す)としては、 構造部材として使用される非浸炭部の強さおよび靱
性が充分であること、 このため熱処理中に非浸炭部の結晶粒粗大化が起こ
りにくいこと、 浸炭部の焼入れ性が良く耐摩耗性が高いこと、等の
要件を満たすことが必要である。従って、肌焼鋼は通常
種々の合金元素を含有する。例えば、焼き入れ性を向上
し、耐摩耗性を高める合金元素としてはCr、結晶粒成長
粗大化防止にはNi、焼き入れ性や靱性の向上、残留オー
ステナイト量の減少にはMo等が利用されている。
性が充分であること、 このため熱処理中に非浸炭部の結晶粒粗大化が起こ
りにくいこと、 浸炭部の焼入れ性が良く耐摩耗性が高いこと、等の
要件を満たすことが必要である。従って、肌焼鋼は通常
種々の合金元素を含有する。例えば、焼き入れ性を向上
し、耐摩耗性を高める合金元素としてはCr、結晶粒成長
粗大化防止にはNi、焼き入れ性や靱性の向上、残留オー
ステナイト量の減少にはMo等が利用されている。
さて、上記のような肌焼鋼を対象とする浸炭処理は、
鋼のオーステナイト(γ)域で行うのが常識とされてき
た。例えば、第3版「鉄鋼便覧VI」(丸善、昭和57年5
月31日発行)の563頁には「浸炭は、オーステナイト中
に炭素を固溶させる反応」と定義されており、改定3版
「金属便覧」(丸善、昭和46年12月10日発行)の1687頁
の図14、16にあるように浸炭温度は850〜1000℃とオー
ステナイト域になっている。このように、従来は、ガス
浸炭であれ固体浸炭であれ、浸炭処理は温度の高いオー
ステナイト域で炭素を拡散浸透させるのが常識であっ
た。温度の低いところで浸炭した場合には、拡散した炭
素は結晶粒界に塊状炭化物を生成し、これが拡散障壁と
なるため十分な深さの浸炭層は得られないと信じられて
いたのである。
鋼のオーステナイト(γ)域で行うのが常識とされてき
た。例えば、第3版「鉄鋼便覧VI」(丸善、昭和57年5
月31日発行)の563頁には「浸炭は、オーステナイト中
に炭素を固溶させる反応」と定義されており、改定3版
「金属便覧」(丸善、昭和46年12月10日発行)の1687頁
の図14、16にあるように浸炭温度は850〜1000℃とオー
ステナイト域になっている。このように、従来は、ガス
浸炭であれ固体浸炭であれ、浸炭処理は温度の高いオー
ステナイト域で炭素を拡散浸透させるのが常識であっ
た。温度の低いところで浸炭した場合には、拡散した炭
素は結晶粒界に塊状炭化物を生成し、これが拡散障壁と
なるため十分な深さの浸炭層は得られないと信じられて
いたのである。
浸炭層深さは、種々の要因により決まるが、一般には
炭化物の生成挙動ならびに固溶炭素の母材中の拡散に大
きく依存し、温度が高く、処理時間が長いほど浸炭層は
深くなると考えられている。同じ浸炭層深さを得るに
は、高温で処理するほど短時間ですむというのが常識で
ある。前述のように、従来の浸炭処理が高温のγ領域で
行われていたのはこの理由による。
炭化物の生成挙動ならびに固溶炭素の母材中の拡散に大
きく依存し、温度が高く、処理時間が長いほど浸炭層は
深くなると考えられている。同じ浸炭層深さを得るに
は、高温で処理するほど短時間ですむというのが常識で
ある。前述のように、従来の浸炭処理が高温のγ領域で
行われていたのはこの理由による。
浸炭処理時間を短縮して生産能率を上げるには、可能
な限り短時間で必要な浸炭深さを得ることが必要である
が、これまでは、上記の「第3版鉄鋼便覧」の566〜567
頁にもあるような高温浸炭(960〜1000℃で浸炭させ
る)でその目的を達していた。
な限り短時間で必要な浸炭深さを得ることが必要である
が、これまでは、上記の「第3版鉄鋼便覧」の566〜567
頁にもあるような高温浸炭(960〜1000℃で浸炭させ
る)でその目的を達していた。
しかしながら、高温浸炭法には、高温処理のため熱処
理炉の寿命が短くなり、燃料原単位が悪化するという問
題がある。さらに、材料の特性面からは、処理温度が高
いため非浸炭部の結晶粒が粗大化してしまい、材料の靱
性低下を招くという大きな問題がある。これに対処する
ため、高価な合金元素であるNi、V等の元素を鋼に添加
し、結晶粒成長を抑制するというような対策が必要とな
り、浸炭部品の製造コストを押上げてしまう。
理炉の寿命が短くなり、燃料原単位が悪化するという問
題がある。さらに、材料の特性面からは、処理温度が高
いため非浸炭部の結晶粒が粗大化してしまい、材料の靱
性低下を招くという大きな問題がある。これに対処する
ため、高価な合金元素であるNi、V等の元素を鋼に添加
し、結晶粒成長を抑制するというような対策が必要とな
り、浸炭部品の製造コストを押上げてしまう。
合金元素による結晶粒の成長抑制効果も、浸炭処理時
間の大幅短縮を可能にするような高い浸炭温度では十分
でなくなるため、材料の靱性の点から、熱処理温度をむ
やみに上げる訳にはいかない。即ち、従来の高温浸炭で
は処理時間を大幅に短縮して生産効率を高めるというこ
とは困難である。
間の大幅短縮を可能にするような高い浸炭温度では十分
でなくなるため、材料の靱性の点から、熱処理温度をむ
やみに上げる訳にはいかない。即ち、従来の高温浸炭で
は処理時間を大幅に短縮して生産効率を高めるというこ
とは困難である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、肌焼き鋼の浸炭処理を行うにあた
り、処理時間の画期的な短縮を達成することにある。同
時に熱処理後の鋼の靱性低下が少なく、コストアップに
つながるような高価な合金元素の添加を最低限に抑える
ことが可能で、炉の寿命の点でも問題がなく、燃料原単
位の点でも有利な浸炭熱処理法を提供することにある。
り、処理時間の画期的な短縮を達成することにある。同
時に熱処理後の鋼の靱性低下が少なく、コストアップに
つながるような高価な合金元素の添加を最低限に抑える
ことが可能で、炉の寿命の点でも問題がなく、燃料原単
位の点でも有利な浸炭熱処理法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、炭素の拡散の遅速は母材の結晶構造に
大きく依存し、通常はγ相よりもα相の方が拡散が早い
点に着目し、温度の低いフェライト(α)相領域で浸炭
が可能かどうかを調べた。その結果、従来の常識に反
し、温度の低いα相領域でも充分に浸炭することが明ら
かになった。もちろん、同じ結晶構造であれば、温度の
高い方が拡散速度は大きいのであるが、炭素の拡散は、
高温のγ相よりも、低温のα相の方が格段に早いのであ
る。しかも、浸炭深さは炭素の拡散に大きく依存し、炭
化物生成反応の影響は浸炭に関しては小さく、比較的低
温で浸炭しても、結晶粒界には塊状の炭化物は顕著には
生成せず、拡散の障壁とはならないという新しい知見が
得られた。このことは、同じ浸炭深さを得る場合には、
α相領域で処理した方がγ相領域で処理するよりも短時
間ですむということを意味する。
大きく依存し、通常はγ相よりもα相の方が拡散が早い
点に着目し、温度の低いフェライト(α)相領域で浸炭
が可能かどうかを調べた。その結果、従来の常識に反
し、温度の低いα相領域でも充分に浸炭することが明ら
かになった。もちろん、同じ結晶構造であれば、温度の
高い方が拡散速度は大きいのであるが、炭素の拡散は、
高温のγ相よりも、低温のα相の方が格段に早いのであ
る。しかも、浸炭深さは炭素の拡散に大きく依存し、炭
化物生成反応の影響は浸炭に関しては小さく、比較的低
温で浸炭しても、結晶粒界には塊状の炭化物は顕著には
生成せず、拡散の障壁とはならないという新しい知見が
得られた。このことは、同じ浸炭深さを得る場合には、
α相領域で処理した方がγ相領域で処理するよりも短時
間ですむということを意味する。
α域での浸炭処理であれば、処理温度が低いため非浸
炭部の結晶粒も粗大化せず、強さ、靱性の低下を招かな
いという大きな利点がある。
炭部の結晶粒も粗大化せず、強さ、靱性の低下を招かな
いという大きな利点がある。
かかる知見に基づく本発明は「処理対象鋼のA1変態点
以下の温度域で浸炭処理を行うことを特徴とする肌焼鋼
の浸炭方法」をその要旨とする。
以下の温度域で浸炭処理を行うことを特徴とする肌焼鋼
の浸炭方法」をその要旨とする。
(作用) 本発明の対象となる鋼は、一般に肌焼鋼と呼ばれる0.
1〜0.3%程度の炭素を含有する炭素鋼、Cr鋼、Cr−Mo
鋼、Ni−Cr鋼あるいはNi−Cr−Mo鋼である。JISでは、
例えば炭素鋼ではJIS G4051のS20〜28C、Cr鋼ではJIS G
4104のSCr415、420、Cr−Mo鋼ではJIS G4105のSCM415、
420、421、Ni−Cr鋼ではJIS G4102のSNC415、815、Ni−
Cr−Mo鋼ではSNCM220、415、420等である。これらの鋼
の多くの改良鋼種も対象になることは言うまでもない。
1〜0.3%程度の炭素を含有する炭素鋼、Cr鋼、Cr−Mo
鋼、Ni−Cr鋼あるいはNi−Cr−Mo鋼である。JISでは、
例えば炭素鋼ではJIS G4051のS20〜28C、Cr鋼ではJIS G
4104のSCr415、420、Cr−Mo鋼ではJIS G4105のSCM415、
420、421、Ni−Cr鋼ではJIS G4102のSNC415、815、Ni−
Cr−Mo鋼ではSNCM220、415、420等である。これらの鋼
の多くの改良鋼種も対象になることは言うまでもない。
なお、本発明で肌焼鋼というのは、上記のような鋼の
素材のみならず、これらから製作された歯車、軸受、ピ
ストンリングなどの機械部品も含めたものである。
素材のみならず、これらから製作された歯車、軸受、ピ
ストンリングなどの機械部品も含めたものである。
浸炭処理は、ガス浸炭、液体浸炭、固体浸炭、のいず
れでもよいが、特に鋼表面の炭素ポテンシャルを制御す
る必要がある場合、工業的にはガス浸炭が好ましい。ま
た、所定温度に保った炉中で被処理材を連続的に処理す
る場合も、雰囲気調整の容易なガス浸炭法が望ましい。
れでもよいが、特に鋼表面の炭素ポテンシャルを制御す
る必要がある場合、工業的にはガス浸炭が好ましい。ま
た、所定温度に保った炉中で被処理材を連続的に処理す
る場合も、雰囲気調整の容易なガス浸炭法が望ましい。
A1変態点というのは、低温から加熱していく場合には
Ac1変態点を意味し、高温から冷却していく場合にはAr1
変態点を意味する。
Ac1変態点を意味し、高温から冷却していく場合にはAr1
変態点を意味する。
なお、本発明の浸炭処理の望ましい温度範囲は、600
℃〜A1変態点℃である。下限温度が600℃未満である
と、ガス浸炭法による場合にはガス雰囲気のスーティン
グ(すすの発生)の顕著になる。また、固体浸炭法およ
び液体浸炭法の場合にはα相領域といえども600℃より
低い温度では拡散が遅くなって充分な効果が得られな
い。
℃〜A1変態点℃である。下限温度が600℃未満である
と、ガス浸炭法による場合にはガス雰囲気のスーティン
グ(すすの発生)の顕著になる。また、固体浸炭法およ
び液体浸炭法の場合にはα相領域といえども600℃より
低い温度では拡散が遅くなって充分な効果が得られな
い。
浸炭処理の後の熱処理は、通常の浸炭処理鋼に対する
熱処理でよい。即ち、浸炭層を硬化させるための焼入れ
と、低温焼戻しを行う。また、焼入れの前に切削加工を
行う場合は、焼入れ前に軟化のための焼なましを行って
もよい。
熱処理でよい。即ち、浸炭層を硬化させるための焼入れ
と、低温焼戻しを行う。また、焼入れの前に切削加工を
行う場合は、焼入れ前に軟化のための焼なましを行って
もよい。
第1表に組成を示す12種類の炭素鋼、低合金鋼の鍛伸
材に焼ならし(950℃×1時間→空冷)と、焼戻し(600
℃×1時間→徐冷)の処理を施し、JIS Z2202に規定さ
れる4号衝撃試験片と、幾つかの代表鋼種からは8mm径
の平滑部を有するJIS Z 2274に規定される1号試験片の
回転曲げ疲労試験片を切り出した。
材に焼ならし(950℃×1時間→空冷)と、焼戻し(600
℃×1時間→徐冷)の処理を施し、JIS Z2202に規定さ
れる4号衝撃試験片と、幾つかの代表鋼種からは8mm径
の平滑部を有するJIS Z 2274に規定される1号試験片の
回転曲げ疲労試験片を切り出した。
これらの試験片を浸炭性雰囲気(CO:24%、CO2:0.5
%、CH4:0.4%、H2:30%、残N2、いずれも体積%)中
で、700℃×2時間(本発明例)、900℃×16時間(比較
例1)、1000℃×2時間(比較例2)のそれぞれ3種類
の浸炭に供した。
%、CH4:0.4%、H2:30%、残N2、いずれも体積%)中
で、700℃×2時間(本発明例)、900℃×16時間(比較
例1)、1000℃×2時間(比較例2)のそれぞれ3種類
の浸炭に供した。
その後、各試験片に820℃×30分→油冷の焼入れと、1
80℃×1時間→空冷の焼戻しの処理を施した。得られた
試験片について浸炭層深さと硬さの調査ならびにシャル
ピー衝撃試験と回転曲げ疲労試験を行った。
80℃×1時間→空冷の焼戻しの処理を施した。得られた
試験片について浸炭層深さと硬さの調査ならびにシャル
ピー衝撃試験と回転曲げ疲労試験を行った。
浸炭層深さはJIS G 0557、浸炭層の硬さはJIS Z 2242
にあるビッカース硬さ試験でそれぞれ評価し、衝撃試験
はJIS Z2242で規定されたシャルピー衝撃試験、回転曲
げ疲労試験はJIS Z 2274で行った。
にあるビッカース硬さ試験でそれぞれ評価し、衝撃試験
はJIS Z2242で規定されたシャルピー衝撃試験、回転曲
げ疲労試験はJIS Z 2274で行った。
浸炭層深さを第2表に示す。従来法に相当する比較例
1(900℃で16時間浸炭)の場合、浸炭硬化層深さ、す
なわちJISで規定される有効硬化層深さは0.9〜1.5mmで
ある。比較例2は、浸炭処理時間の短縮を図るための先
に述べた高温浸炭法であり、1000℃で2時間の浸炭を行
ったものである。その有効硬化層深さは鋼種によりバラ
ツキはあるものの0.5〜1.1mmと、比較例1よりも浅めで
ある。
1(900℃で16時間浸炭)の場合、浸炭硬化層深さ、す
なわちJISで規定される有効硬化層深さは0.9〜1.5mmで
ある。比較例2は、浸炭処理時間の短縮を図るための先
に述べた高温浸炭法であり、1000℃で2時間の浸炭を行
ったものである。その有効硬化層深さは鋼種によりバラ
ツキはあるものの0.5〜1.1mmと、比較例1よりも浅めで
ある。
本発明例では、比較例2と同じく2時間の短時間処理
(比較例1に比べれば8分の1の処理時間)であって
も、ほぼ比較例1に匹敵する有効硬化層深さが得られて
いる。即ち、比較例1の900℃とという高温処理に対
し、700℃という低温で処理する本発明方法の方が、同
じ浸炭層深さを得るの要する時間が著しく短くなってい
る。
(比較例1に比べれば8分の1の処理時間)であって
も、ほぼ比較例1に匹敵する有効硬化層深さが得られて
いる。即ち、比較例1の900℃とという高温処理に対
し、700℃という低温で処理する本発明方法の方が、同
じ浸炭層深さを得るの要する時間が著しく短くなってい
る。
第3表は、衝撃試験結果であり、浸炭熱処理による試
験片の靱性の低下を見たものである。
験片の靱性の低下を見たものである。
比較例1の長時間浸炭では鋼の衝撃値が1〜8kg−m/c
m2であり、鋼種によるバラツキが大きい。即ち、結晶粒
成長を抑制し、靱性を改善する合金元素(Mo、Ni等)を
含む合金鋼(符号4〜12)は、炭素鋼に比べ靱性は比較
的高い。ところが短時間熱処理を目的とし、比較例2の
高温浸炭にすると、靱性は著しく低下し、合金鋼といえ
ども極めて低い衝撃値しか持たない。
m2であり、鋼種によるバラツキが大きい。即ち、結晶粒
成長を抑制し、靱性を改善する合金元素(Mo、Ni等)を
含む合金鋼(符号4〜12)は、炭素鋼に比べ靱性は比較
的高い。ところが短時間熱処理を目的とし、比較例2の
高温浸炭にすると、靱性は著しく低下し、合金鋼といえ
ども極めて低い衝撃値しか持たない。
これに対して、本発明例においては、靱性は従来法
(比較例1)よりもむしろ改善される傾向にある。これ
は浸炭処理温度が低いため、鋼の非浸炭部の結晶粒成長
が殆どなかったためである。
(比較例1)よりもむしろ改善される傾向にある。これ
は浸炭処理温度が低いため、鋼の非浸炭部の結晶粒成長
が殆どなかったためである。
第4表は、浸炭処理鋼表面の硬度の測定結果である。
比較例1、2、および本発明例ともに鋼表面の硬度はH
v:700〜800の範囲に入っており、鋼表面の硬さ、すなわ
ち耐摩耗性の確保という効果の点では、本発明法は従来
法と同等であることがわかる。
比較例1、2、および本発明例ともに鋼表面の硬度はH
v:700〜800の範囲に入っており、鋼表面の硬さ、すなわ
ち耐摩耗性の確保という効果の点では、本発明法は従来
法と同等であることがわかる。
第5表は、第1表の符号1,3,4の鋼の回転曲げ疲労試
験の結果である。900℃×16時間の比較例1の耐久限を
1.0として対比してある。
験の結果である。900℃×16時間の比較例1の耐久限を
1.0として対比してある。
第5表に明らかなように、本発明例では比較例1の従
来法に較べて、疲労強度が約3割程度増加している。こ
れに対し、高温処理の比較例2では、従来法よりも低下
している。高温処理の場合は、浸炭層中にセメンタイト
が残存して疲労強度を低下させるが、本発明の低温浸炭
の場合にはこのセメンタイトの生成がないため疲労強度
においても優れているのである。
来法に較べて、疲労強度が約3割程度増加している。こ
れに対し、高温処理の比較例2では、従来法よりも低下
している。高温処理の場合は、浸炭層中にセメンタイト
が残存して疲労強度を低下させるが、本発明の低温浸炭
の場合にはこのセメンタイトの生成がないため疲労強度
においても優れているのである。
(発明の効果) 本発明方法は、浸炭処理はオーステナイト域で行うも
のであるとの従来の常識を覆して、低温のフェライト域
で浸炭を行うという画期的なものである。本発明方法に
よれば、浸炭処理時間が著しく短縮できるだけでなく、
非浸炭部の靱性に及ぼす浸炭処理の影響を最小限に抑え
ることが可能となり、低い製造コストで従来の製品に優
る品質の浸炭部品が製造できる。
のであるとの従来の常識を覆して、低温のフェライト域
で浸炭を行うという画期的なものである。本発明方法に
よれば、浸炭処理時間が著しく短縮できるだけでなく、
非浸炭部の靱性に及ぼす浸炭処理の影響を最小限に抑え
ることが可能となり、低い製造コストで従来の製品に優
る品質の浸炭部品が製造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】処理対象鋼のA1変態点以下の温度域で浸炭
処理を行うことを特徴とする肌焼鋼の浸炭方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1327956A JPH0830256B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 肌焼鋼の浸炭方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1327956A JPH0830256B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 肌焼鋼の浸炭方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03188256A JPH03188256A (ja) | 1991-08-16 |
| JPH0830256B2 true JPH0830256B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=18204895
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1327956A Expired - Fee Related JPH0830256B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 肌焼鋼の浸炭方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0830256B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2773523B2 (ja) * | 1992-03-19 | 1998-07-09 | 住友金属工業株式会社 | 鋼材の熱処理方法 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5439221B2 (ja) | 2010-02-22 | 2014-03-12 | セコム株式会社 | 発声検出装置 |
-
1989
- 1989-12-18 JP JP1327956A patent/JPH0830256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5439221B2 (ja) | 2010-02-22 | 2014-03-12 | セコム株式会社 | 発声検出装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03188256A (ja) | 1991-08-16 |
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