JPH08304229A - 光学素子の屈折率分布の測定方法および装置 - Google Patents

光学素子の屈折率分布の測定方法および装置

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JPH08304229A
JPH08304229A JP7110462A JP11046295A JPH08304229A JP H08304229 A JPH08304229 A JP H08304229A JP 7110462 A JP7110462 A JP 7110462A JP 11046295 A JP11046295 A JP 11046295A JP H08304229 A JPH08304229 A JP H08304229A
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refractive index
test
interference fringe
optical element
wave
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JP7110462A
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Hiroyuki Suhara
浩之 須原
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Ricoh Co Ltd
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  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度などの環境変動を受けにくい測定方法およ
び装置を提供する。 【構成】同一光源1からの可干渉光を基準となる参照波
aと屈折率がほぼ同一の試液中に浸した測定対象の光学
素子よりなる被検物Aを透過する被検波bとに分割し、
参照波aと被検波bとの重畳による干渉縞像を形成す
る。光学素子と屈折率がほぼ同一の透光性固体73を試
液Bの一部と置換し、干渉縞像検出器15を干渉縞像の
結像面に配置し、被検物Aを試液中にて被検波bの光軸
に対して直交する軸線周りに回転させながら、干渉縞像
検出器15によって検出された干渉縞像を解析して透過
波面を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズなどの光学
素子の屈折率分布の測定方法および装置に関し、特に干
渉縞像の解析により光学素子の屈折率の分布を測定する
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタ、カメラなどの光
学機器に使用される光学レンズとして、プラスチックス
材料による成形レンズが普及している。このプラスチッ
クス成形レンズは、ガラス研磨レンズに比して非球面レ
ンズの製作性に優れ、安価であるが、製造上の屈折率の
分布が不安定で、レンズ内部に不均一性を生じることが
多い。レンズ内部の屈折率の不均一性は、光学特性に大
きい影響を及ぼし、画質、解像度を劣化する原因にな
る。このようなことから、光学レンズ内部の屈折率の分
布を高精度に測定し、光学レンズの均質性を評価する必
要がある。
【0003】光学レンズの屈折率を測定する方法として
は、精密示差屈折計などを使用してVブロック法などに
より屈折角を計測して屈折率を求める方法と、トワイマ
ン・グリーン干渉計などの二光束干渉計を使用して干渉
縞より屈折率を測定する方法とがある。また、光学的均
質性の測定法として、フィゾ干渉計、マッハツェンダ干
渉計などの二光束干渉計を使用して干渉縞像の解析より
透過波面を計測し、屈折率分布から光学的均質性を求め
る方法が知られている。
【0004】なお、これらの屈折率測定法、光学的均質
性の測定法について、より詳細な説明が必要ならば、光
学第20巻第2号(1991年2月)の63〜68頁の
「光学素材の屈折率および光学的均質性の測定」を参照
されたい。
【0005】このような方法では、被検物、即ち試料を
所定形状に高精度に加工する必要があり、測定対象の光
学素子を破壊しなければならない。また、透過波面より
求められる屈折率分布は光路進行方向に積算された平均
値となり、3次元空間的な屈折率分布を測定することは
できない。このことにより屈折率の不均一部分を3次元
空間的に特定することができない。
【0006】そこで、本発明者は先に、光学素子の屈折
率分布の測定方法として特願平6−203502号を提
案した。この測定方法は、光学素子の屈折率分布を、形
状にかかわらず、非破壊で、3次元空間的な屈折率分布
として効率よく高精度に測定することができ、屈折率の
不均一部分を3次元空間的に特定することが可能である
ので、屈折率分布の測定方法としては、非常に有力であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基準と
なるはずの試液が環境変動、特に温度に対して敏感で1
℃変化すると屈折率が0.0001〜0.001 のオーダーで変化
する恐れがある。この環境変動が測定精度に影響を与え
ないようにするためには、環境変動の小さい安定した環
境のもとで測定を行うかまたは、温度補償をしなければ
ならないという問題があった。そこで、本発明は、上述
の問題点に着目してなされたものであり、温度などの環
境変動を受けにくい測定方法および装置を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明による光学素子の屈折率分布の測定方法
は、測定対象の光学素子よりなる被検物とこの光学素子
と屈折率がほぼ同一の透光性固体とを光学素子と屈折率
がほぼ同一の試液中に浸し、同一光源からの可干渉光
を、基準となる参照波と前記光学素子を透過する被検波
とに分割し、参照波と被検波との重畳による干渉縞像を
形成し、被検物を試液中に浸した状態にて被検波の光軸
に対して直交する軸線周りに回転させ少なくとも二つの
回転角位置の各々にて前記干渉縞像の解析により透過波
面を計測し、この複数方向からの透過波面の測定結果か
ら光学素子の屈折率分布を測定することを特徴としてい
る。
【0009】また、上述の目的を達成するために、本発
明による光学素子の屈折率分布の測定装置は、同一光源
からの可干渉光を基準となる参照波と屈折率がほぼ同一
の試液中に浸した測定対象の光学素子よりなる被検物を
透過する被検波とに分割し、参照波と被検波との重畳に
よる干渉縞像を形成する二光束干渉計と、前記試液の一
部と置換される、光学素子と屈折率がほぼ同一の透光性
固体と、前記干渉縞像の結像面に配置された干渉縞像検
出器と、前記干渉縞像検出器によって検出された干渉縞
像を解析して透過波面を計測する透過波面計測手段と、
被検物を試液中にて被検波の光軸に対して直交する軸線
周りに回転させる回転手段とを有していることを特徴と
する。
【0010】また、本発明による測定装置においては、
前記透光性固体は、前記光学素子を収納する円柱状中空
部分を備えていてよい。また、本発明による測定装置に
おいては、前記透光性固体は、前記被検物と組合わせた
形状がほぼ円柱形状となるような形状に構成されていて
よい。また、本発明による測定装置においては、前記試
液を収容する容器は、測定対象物の屈折率とほぼ同一の
屈折率をもつ光学材料から構成されていてよい。また、
本発明による測定装置においては、前記透光性固体は、
前記試液中に混入された粉末状の光学材料からなってい
てよい。
【0011】
【作用】上述した構成によれば、被検物とほぼ同一の屈
折率を有する透光性固体を、被検物とともに、被検物と
ほぼ同一の屈折率を有する試液中に入れて測定するの
で、環境変動の影響を受けやすい試液を環境変動の少な
い透光性固体に置き換えることができ、測定に対する環
境変動の影響を小さくすることができる。
【0012】また、透光性固体が光学素子を収納する円
柱状中空部分を備えている場合には、被検物を回転させ
るために必要な空間を最小とすることができるととも
に、カメラレンズのような回転対称体の被検物を測定す
る際に試液が侵入する領域を最小にすることができる。
【0013】また、透光性固体を被検物と組合わせた形
状がほぼ円柱形状となるような形状に構成した場合に
は、回転非対称なレンズの測定においても環境変動の影
響を小さくすることができる。
【0014】また、試液を収容する容器が測定対象物の
屈折率とほぼ同一の屈折率をもつ光学材料からなる場合
には、部品点数を削減することができる。また、透光性
固体を粉末状として試液中に混入した場合には、他の構
成部品を変更することなく、測定に対する環境変動の影
響を少なくすることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
詳細に説明する。図1は、本発明による光学素子の屈折
率分布測定装置の一つの実施例を示し、この実施例で
は、被検物が回転対象で軸心が紙面に対して垂直に配置
された例を示している。この測定装置は、マッハツェン
ダ型の干渉計を基本構成としており、レーザ光源1と、
ビームエキスパンダ3と、光束分割用のビームスプリッ
タ5と、二つの高反射ミラー7、9と、光束重畳用のビ
ームスプリッタ11と、結像レンズ13と、CCDなど
によるエリアイメージセンサによる干渉縞検出器15
と、高速画像処理装置、マイクロコンピュータなどより
なる演算処理装置17とを含んでいる。
【0016】レーザ光源1より出射する可干渉光として
のレーザ光は、ビームエキスパンダ3によって光束径を
拡大され、ビームスプリッタ5によってこれを直進して
参照波aとなるレーザ光束と、図1にて下方に直角に屈
折して進んで被検波bとなるもう一つのレーザ光束とに
分割される。
【0017】参照波aは高反射ミラー7にて反射して後
述の被検物Aを透過することなくビームスプリッタ11
に入射し、被検波bは高反射ミラー9にて反射して被検
物Aを透過してビームスプリッタ11に入射する。
【0018】ビームスプリッタ11に入射した参照波a
と被検波bとはビームスプリッタ11によって相互に重
畳され、結像レンズ13によって干渉縞像を干渉縞検出
器15の撮像面に結像する。
【0019】高反射ミラー9は、ピエゾ素子などによる
電気−変位変換素子19により支持され、位相シフト法
による干渉縞解析を行なうために、被検波bの光路長を
波長オーダーで可変設定すべく光路方向に微動変位可能
に配置されている。
【0020】被検波bの光路の途中には被検物Aを収容
する容器状のセル21が配置されている。セル21内に
は、測定対象の光学素子たる被検物Aを固定状態にセッ
トするとともに、図中矢印で示すように被検波bの光軸
に対して直交する軸線周り(紙面に対して垂直な軸線周
り)に回転可能とされた回転被検物台23が配置されて
いる。回転被検物台23は、図示されていないサーボモ
ータと駆動連結され、このサーボモータにより所定回転
角位置に回転駆動される。
【0021】図2に示すように、セル21が被検波bの
光路を横切る両端面は光束の入射窓25と出射窓27と
から構成されている。そして、これら入射窓25、出射
窓27は各々面精度が高いオプチカルフラット29、3
1によって液密にシールドされている。
【0022】そしてセル21内には屈折率を被検物Aの
屈折率とほぼ同一に調合されたマッチング液である試液
(接触液)Bが充填されており、回転被検物台23上の
被検物Aは試液B中に浸されている。さらにセル21内
には屈折率が被検物Aの屈折率とほぼ同一で既知の固体
光学材料からなる第1マッチング硝材73が設けられて
いる。ガラスの屈折率温度係数は10-6/℃であるた
め、10-4〜10-3/℃オーダーの試液Bに比べはるか
に耐環境性に優れる。例えば被検物AがPC(ポリカー
ボネイト)でレーザー光の波長が633nm、室温23
〜25℃程度の条件下で測定を行う場合、第1マッチン
グ硝材73としては、BaF3(ショット名)が屈折率
差が最も小さくて良い。
【0023】第1マッチング硝材73の形状は直方体を
なし、直方体の一面の中心付近が円筒状にくり抜かれて
円柱状中空部分を有する孔83が形成されている。そし
て、その孔83の中には被検物Aが挿入できる構造にな
っている。上述したように、セル21内には試液Bが充
填されており、回転被検物台23上の被検物Aは試液B
中に浸されている。そして、セル21および第1マッチ
ング硝材73は装置本体側に固定され、被検物Aのみが
回転被検物台23上に回転可能に支持されている。
【0024】上述のようにして結像レンズ13によって
干渉縞検出器15の撮像面に結像した干渉縞像は、干渉
縞検出器15によって光電変換されて電気的な画像信号
となり、A/D変換器33によってA/D変換された
後、演算装置17に入力される。なお、演算装置17
は、位相シフト法などによる干渉縞像の解析によって透
過波面の計測演算を行う透過波面計測部35を含んでい
る。
【0025】次に上述の構成よりなる測定装置を使用し
て被検物Aの屈折率分布を計測する方法を説明する。ま
ず最初に、回転被検物台23に被検物Aをセットする前
に、干渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像信号を
演算装置17に取り込んで透過波面計測部35により干
渉縞像の解析を行い、初期状態の透過波面を計測する。
この計測結果に基づいて測定装置自体の定常的な誤差成
分を排除する初期処理を行う。
【0026】次に、回転被検物台23に被検物Aをセッ
トし、回転被検物台23が初期回転位置に位置している
状態にて干渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像信
号を演算装置17に取り込んで透過波面計測部35によ
り干渉縞像の解析を行い、透過波面を計測する。
【0027】ここで、被検物Aの屈折率が完全に均一
で、この屈折率がセル21内に充填されている試液Bの
屈折率と等しい場合には、位相シフト法による干渉縞像
の解析は0になるはずである。これに対し、被検物Aの
屈折率が試液Bの屈折率より僅かに相違していると、次
の関係式が成立する。
【0028】 φ(y)=(2π/λ)∫Δn(x,y)dx 但し、 φ(y):透過波面(rad) Δn(x,y):被検物Aと試液Bとの屈折率差 λ:レーザ光の波長
【0029】回転被検物台23が初期回転位置に位置し
ている状態下のみの透過波面の計測では、干渉縞像の解
析結果はx方向(光路進行方向)に積算されており、こ
れだけでは屈折率の不均一部分の空間的な位置を特定す
ることができない。
【0030】このため、回転被検物台23を初期回転位
置より所定角度、例えば90度回転させ、回転被検物台
23上の被検物Aの被検波bの光軸に対する向きを回転
被検物台23の初期回転位置よりの回転角だけ変化させ
る。このように被検物Aが回転変位しても被検物Aが試
液B中に浸されていることから、回転変位前と同様に、
参照波aと被検波bとの重畳によって干渉縞像が干渉縞
検出器15の撮像面に結像する。この状態下にて干渉縞
検出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算装置1
7に取り込んで透過波面計測部35より透過波面を計測
する。
【0031】これにより、被検物Aに対して複数方向、
この場合、2方向から入射させた被検波bにより透過波
面が各々計測され、この複数個の透過波面データの組み
合わせにより、被検物Aの屈折率の不均一部分の空間的
位置を特定することが可能になる。
【0032】被検物Aの屈折率分布を完全な3次元空間
分布として測定する場合には、被検物Aを被検波bの光
軸に対して直交する軸線周りに回転させて被検物Aに対
する被検波bの入射方向を180度あるいは360度の
範囲で変化させ、各回転角位置における透過波面の計測
データを収集してコンピュータにより画像を再構成す
る。この画像の再構成は公知のCT(コンピュータ・ト
モグラフィ)法により行う。
【0033】図3はCT法の原理を示すものであり、角
度φの方向から入射した被検波による透過波面のデータ
p(X,φ)を変数Xについて1次元フーリエ変換を行
えば、求めるべき屈折率の分布Δn(x,y)の2次元
フーリエ変換の極座標表現におけるφ方向成分が得られ
る。
【0034】すなわち、0≦φ≦2πまたは0≦φ≦π
の角度範囲にわたって透過波面を計測し、その透過波面
データを1次元フーリエ変換し、フーリエ変換された各
断面の極座標データを直交座標データに変換した後、2
次元逆フーリエ変換を行うことにより被検物Aの3次元
屈折率分布を再構成することができる。
【0035】これを数式により表すと、次のようにな
る。直交座標系(ξ,η)と極座標系(r,φ)との関
係を、 ξ=r cosθ η=r sinθ 透過波面をp(X,φ)、被検物Aと試液Bとの屈折率
差をΔn(x,y)とすれば、2次元フーリエ変換F
(ξ,η)は次のように表される。
【0036】
【数1】
【0037】Δn(x,y)=(1/4π2)∫∫F
(ξ,η) exp[i(ξx+ηy)]dξdη
【0038】図4は、CT法により画像を再構成して被
検物Aの3次元屈折率分布を得る場合の演算装置17の
構成を示している。この場合、演算装置17は、干渉縞
検出器15より回転角φ毎に画像信号を入力して透過波
面の収差量を算出する透過波面量算出部37と、回転角
φ毎の波面収差量を1次元フーリエ変換する1次元フー
リエ変換部39と、フーリエ変換された各断面の極座標
データを直交座標データに変換する極座標−直交座標変
換部41と、直交座標データの2次元逆フーリエ変換を
行う2次元逆フーリエ変換部43と、2次元逆フーリエ
変換の結果を屈折率に変換する屈折率変換部45と、屈
折率変換部45により変換された屈折率に基づいて屈折
率分布を出力する屈折率分布出力部47とを有してい
る。
【0039】このCT法による場合には、屈折率分布に
規則性がなく、またその分布が不明である被検物であっ
ても、屈折率分布を被検物の屈折率の不均一部分の空間
的位置を特定することが可能になる。
【0040】図5では、被検物が回転対象ではない場合
の実施例を示し、被検物とマッチング硝材以外の部分に
ついては、図1の実施例と同様のため、被検物とマッチ
ング硝材を含むセルの内部のみ図示した。回転対称では
ない被検物A1としては、例えば、レーザプリンタ等に
用いられるfθレンズ、トロイダルレンズ、トーリック
レンズ等の回転非対称なレンズがある。
【0041】このような回転対象ではない被検物A1
あっても、図1(図2)の第1マッチング硝材73の孔
83の円柱空間内に挿入して測定することができる。こ
の場合には被検物A1とマッチング硝材73との間の隙
間が大きくなるため、この隙間に充填する試液Bの量が
多くなり、温度変動による屈折率変化の影響を被検物が
回転対称の場合と比べて受けやすくなる。これを防止す
るために、本実施例では、被検物A1と第1マッチング
硝材73との間の空間を埋める如く、被検物A1と組み
合わせた形状がほぼ円柱状となる第2マッチング硝材7
5を回転被検物台23上に設けている。この第2マッチ
ング硝材75は被検物A1とほぼ同一の屈折率を有し、
測定の際には、第2マッチング硝材75と被検物被検物
1とは回転被検物台23上で一体的に回転する。
【0042】図6では、図2のセル21、オプティカル
フラット9、31及び第1マッチング硝材73を一体化
した場合の実施例を示し、他の部分については図1の実
施例と同様のため図示していない。図では一体化された
第3マッチング硝材77のみを示している。即ち、この
第3マッチング硝材77は、図2に示した第1マッチン
グ硝材73と同様の固体光学材料からなり、即ち被検物
とほぼ同一の屈折率を有し、外形は図6(a)に示すよ
うに直方体形状に形成されている。さらに、この第3マ
ッチング硝材77は、入射光Liが入射する入射面79
及び出射光Loが出射する出射面81がオプティカルフ
ラット9、31と同程度の面精度に光学研磨され、光軸
と直交する方向には円柱状空間を形成する孔83が設け
られている。この孔83の一端は図6の(b)に示すよ
うに閉塞されて、孔83の円柱状空間内には被検物Aと
試液Bが挿入される。
【0043】このようにセル21、オプティカルフラッ
ト9、31及び第1マッチング硝材73を一体化してセ
ル、オプティカルフラット及びマッチング硝材の機能を
有する第3マッチング硝材77としたことにより、部品
点数を低減することができる。この部品点数の低減によ
り、組付け調整が容易になるとともに、低コスト化を達
成することができる。
【0044】また、オプティカルフラット9、31と第
1マッチング硝材73とを一体化しているので、オプテ
ィカルフラット9、31と第1マッチング硝材73との
間に試液Bが存在することがない。したがってこの被検
波透過部分の試液Bによる屈折率の環境変動がなくなる
ので、この部分の波面収差の影響を除去することができ
る。
【0045】図7では、粉体からなるマッチング硝材を
用いた場合の実施例を示し、マッチング硝材以外の部分
については、図1の実施例と同様のため、被検物とマッ
チング硝材を含むセルの内部のみ図示した。この実施例
では、図2の第1マッチング硝材73の代わりに、数〜
数十μmの粒径を有する粉末状のマッチング硝材85を
用い、このマッチング硝材85を試液B中に混入させた
ものである。このように粉末状のマッチング硝材85を
用いることにより、マッチング硝材85以外については
従来のものを用いることができるので、専用の治具や光
学部品を製作する必要がない。また、形状の異なる種々
の被検物Aの測定に応用することができる。
【0046】上述した粉末状のマッチング硝材85を混
入させた試液Bは、図2のセル21だけでなく、図5の
セル21や図6のセル77に用いることもでき、このよ
うに組み合わせることにより、環境変動による影響をよ
り小さくすることができる。
【0047】図8は、本発明による光学素子の屈折率分
布測定装置の他の実施例を示している。なお、図8にお
いて、図1に対応する部分は図1に付した符号と同一の
符号により示されている。この実施例においては、レー
ザ光源1が出射するレーザ光の偏光方向は紙面に対して
約45度になるように設定し、ビームスプリッタ5、1
1として各々偏光ビームスプリッタを使用する。参照波
aと被検波bとはビームスプリッタ11を通過すること
により重なり合うが、偏光面が相互に直交しているため
干渉はしない。
【0048】また、この実施例では、もう一つのビーム
スプリッタ49が設けられており、ビームスプリッタ4
9はビームスプリッタ11よりの参照波aと被検波bと
の重畳光束を二つに分割する。ビームスプリッタ49に
より2分割された重畳光束の一方は偏光子51を通過す
ることにより干渉を生じ、その干渉縞は結像レンズ13
によって第一の干渉縞検出器15の撮像面に結像する。
他方の重畳光束は光学異方性部材であるλ/4板53を
通過することにより一方の重畳光束に対してπ/2の位
相差を生じる。この他方の重畳光束はその後に偏光子5
5を通過することにより干渉を生じ、その干渉縞は結像
レンズ57によって第二の干渉縞検出器59の撮像面に
結像する。
【0049】第一の干渉縞検出器15と第二の干渉縞検
出器59に結像した干渉縞像は、共に同一の被検物Aに
ついてのものであるが、第二の干渉縞検出器59に至る
光路にはλ/4板53が存在することにより、相互に9
0度、位相がずれたものになる。例えば第一の干渉縞検
出器15に結像した干渉縞像が図9(a)に示す状態で
あるとすると、第二の干渉縞検出器59に結像する干渉
縞像は図9(b)に示す状態となり、干渉縞像が半分ず
れたものになる。
【0050】この場合、第一の干渉縞検出器15と第二
の干渉縞検出器59は、被検物Aの同一点からの光情報
を受けるように配置されている。なお、干渉縞像のずれ
は、90度=π/2に限らず、一般にnを自然数として
nπ/2であればよい。
【0051】図10は、第一の干渉縞検出器15と第二
の干渉縞検出器59の出力信号より干渉縞の位相変位量
を算出する装置を示している。この算出装置は第一の干
渉縞検出器15と第二の干渉縞検出器59の出力信号よ
りリサージュ波形を得てその干渉縞の明暗変化をカウン
トするものである。
【0052】第一の干渉縞検出器15、第二の干渉縞検
出器59には各々増幅回路61、63と方形波変換回路
65、67とが接続されている。第一の干渉縞検出器1
5、第二の干渉縞検出器59が出力する出力信号は各々
増幅回路61、63によって増幅される。
【0053】図11(a)は第一の干渉縞検出器15の
出力信号波形を、図11(b)は第二の干渉縞検出器5
9の出力信号波形を各々示している。これらは被検物A
を光軸に対して直交する軸線周りに回転させることによ
って干渉縞が一定の速度で変化した場合の出力信号波形
であり、第一の干渉縞検出器15の出力信号波形は第一
の干渉縞検出器15の点P1 (図9参照)における光強
度変化を観測したことによるものであり、第二の干渉縞
検出器59の出力信号波形は点P1 と同一の観測点に相
当する第二の干渉縞検出器15の点P2 (図9参照)に
おける光強度変化における光強度変化を観測したことに
よるものであり、この両者には90度の位相ずれがあ
る。
【0054】これら出力信号は、方形波変換回路65、
67によって所定のスレッシュレベルにより図11
(c)、(d)に示されているような方形波信号に変換
される。この二つの方形波信号はパルスカウント回路6
9に入力され、パルスカウント回路69は二つの方形波
信号の入力タイミング検出とアップパルスおよびダウン
パルスのカウントにより、干渉縞の移動方向と移動本数
を検出する。
【0055】この干渉縞の移動方向と移動本数のデータ
は位相変位量算出装置71に入力され、位相変位量算出
装置71はこれらのデータより光軸方向の位相変位量を
算出し、この位相変位量に予め位相シフト法によって測
定した初期値を加えることにより透過波面の収差量を算
出する。この操作が各干渉縞検出器の各画素について行
われることにより、被検物全体の位相変位量ならびに透
過波面量が求められる。
【0056】上述の構成よりなる測定装置を使用して被
検物Aの屈折率分布を計測する方法を説明する。まず、
電気−変位変換素子19を駆動して位相シフト法などの
解析方法を用いて透過波面分布の初期値を測定する。次
に、回転被検物台23を矢印方向に回転駆動し、被検物
Aを光軸に対して直交する軸線周り(紙面に対して垂直
な軸線周り)に回転させる。この被検物Aの回転によっ
て第一の干渉縞検出器15と第二の干渉縞検出器59に
結像する干渉縞像が移動し、その干渉縞の移動方向と移
動量(移動本数)を上述の如くパルスカウント回路69
によって検出する。
【0057】次いで、位相変位量算出装置71が干渉縞
の移動方向と移動本数より光軸方向の位相変位量を算出
し、この位相変位量に予め位相シフト法によって測定し
た初期値を加えることにより、ある回転角φにおける透
過波面の収差量p(x,θ)を算出する。この操作を入
射方向が180度あるいは360度にわたる範囲で行
い、計測データをCT法を用いて解析し、屈折率分布を
算出する。
【0058】図8に示されている測定装置においては、
第一の干渉縞検出器15、第二の干渉縞検出器59は1
次元CCDなどによるリニアイメージセンサにより構成
されてよい。1次元CCDなどによるリニアイメージセ
ンサは画像信号を高速にシリアル出力することが可能で
あるから、干渉縞のリアルタイム計測が可能になる。
【0059】例えば、7μm×5000画素の高分解能
な1次元CCDを用いた場合、フリンジ1本に対して必
要な画像数が10画素であるとしても、分解能70μm
で、最大500フリンジ、即ち波面収差量にして500
λ(概ね300μm)まで対応可能であり、被検物の大
きさd=50mm、試液Bとの屈折率差Δn=0.00
1であったとしても、Δndは概ね79λであり、充分
許容できる。
【0060】また、試液Bとの屈折率差が大きいと被検
物の回転によって干渉縞が急激に変化するが、1次元C
CDは画像信号を数m秒以下の応答速度で高速にシリア
ル出力することができるので、回転させながらリアルタ
イムで透過波面量を算出することが可能となる。
【0061】以上の実施例では、被検物Aを試液B中に
浸した状態にて被検物Aに対して複数方向から入射させ
た被検波による透過波面を計測し、この複数個の透過波
面データの組み合わせにより、任意の形状の被検物に対
して深さ方向の屈折率分布を測定し、屈折率の不均一部
分を3次元空間的に特定する場合に、環境変動の影響を
受けやすい試液Bの一部を環境変動の影響を受けにくい
透光性固体73(75、77、85)で置き換えたの
で、環境変動によって生じる屈折率変動を小さくするこ
とができ、高精度な測定を行うことが可能になる。
【0062】また、透光性固体73(77)が被検物A
を収納する孔83(円柱状中空部分)を備えている場合
には、カメラレンズのような回転対称体の被検物Aを測
定する際に試液Bが侵入する領域を最小にすることがで
き、環境変動の影響をより小さくすることができる。
【0063】また、透光性固体75を被検物A1と組合
わせた形状がほぼ円柱形状となるような形状に構成した
場合には、回転非対称なレンズ等の被検物A1の測定に
おいても環境変動の影響を小さくすることができるの
で、例えば、レーザプリンタの走査レンズ等の回転非対
称な被検物A1を高精度に測定することができる。
【0064】また、試液Bを収容する容器が測定対象物
の屈折率とほぼ同一の屈折率をもつ光学材料からなる場
合には、容器、透光性固体等を一体化して部品点数を削
減することができるので、被検波が透過する領域の試液
Bを少なくすることができ、したがって波面収差の影響
を除去でき、より高精度な測定をすることができる。
【0065】また、透光性固体85を粉末状として試液
B中に混入した場合には、他の構成部品を変更すること
なく、測定に対する環境変動の影響を少なくすることが
でき、より高精度な測定をすることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光学
素子の屈折率分布の測定方法および装置によれば、被検
物を試液中に浸した状態にて被検物に対して複数方向か
ら入射させた被検波による透過波面を計測し、この複数
個の透過波面データの組み合わせにより、任意の形状の
被検物に対して深さ方向の屈折率分布を測定し、屈折率
の不均一部分を3次元空間的に特定する場合に、環境変
動の影響を受けやすい試液の一部を環境変動の影響を受
けにくい透光性固体で置き換えたので、環境変動によっ
て生じる屈折率変動を小さくすることができ、高精度な
測定を行うことが可能になる。
【0067】また、透光性固体が光学素子を収納する円
柱状中空部分を備えている場合には、カメラレンズのよ
うな回転対称体の被検物を測定する際に試液が侵入する
領域を最小にすることができ、環境変動の影響をより小
さくすることができる。
【0068】また、透光性固体を被検物と組合わせた形
状がほぼ円柱形状となるような形状に構成した場合に
は、回転非対称なレンズの測定においても環境変動の影
響を小さくすることができるので、レーザプリンタの走
査レンズ等の回転非対称なレンズを高精度に測定するこ
とができる。
【0069】また、試液を収容する容器が測定対象物の
屈折率とほぼ同一の屈折率をもつ光学材料からなる場合
には、容器、透光性固体等を一体化して部品点数を削減
することができるので、被検波が透過する領域の試液を
少なくすることができ、したがって波面収差の影響を除
去でき、より高精度な測定をすることができる。
【0070】また、透光性固体を粉末状として試液中に
混入した場合には、他の構成部品を変更することなく、
測定に対する環境変動の影響を少なくすることができ、
より高精度な測定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学素子の屈折率分布測定装置の
一実施例を示す構成図である。
【図2】セル部分の拡大図である。
【図3】CT法の原理説明図である。
【図4】CT法による演算装置の一実施例を示すブロッ
ク線図である。
【図5】被検物が回転対象ではない場合に好適なセル部
分の実施例を示す図である。
【図6】セル、オプティカルフラット及びマッチング硝
材を一体化した場合の実施例を示し、(a)は斜視図、
(b)は側面図である。
【図7】粉体のマッチング硝材を用いた場合のセル部分
の実施例を示す図である。
【図8】本発明による光学素子の屈折率分布の測定装置
の他の実施例を示す構成図である。
【図9】干渉縞像の例を示す説明図である。
【図10】干渉縞の位相変位量算出装置の一実施例を示
すブロック線図である。
【図11】(a)、(b)は各々干渉縞検出器の出力信
号の波形例を、(c)、(d)は各々方形波の波形例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 11 ビームスプリッタ 15 干渉縞検出器(第一の干渉縞検出器) 17 演算処理装置 21 セル 23 回転被検物台 29 オプチカルフラット 31 オプチカルフラット 35 透過波面計測部 37 透過波面量算出部 39 1次元フーリエ変換部 41 極座標−直交座標変換部 43 2次元逆フーリエ変換部 45 屈折率変換部 47 屈折率分布出力部 49 ビームスプリッタ 53 λ/4板 59 第二の干渉縞検出器 69 パルスカウント回路 71 位相変位量算出装置 73 透光性固体 75 第2マッチング硝材 77 セル(マッチング硝材) 83 孔 85 マッチング硝材 A 被検物 B 試液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の光学素子よりなる被検物とこ
    の光学素子と屈折率がほぼ同一の透光性固体とを光学素
    子と屈折率がほぼ同一の試液中に浸し、 同一光源からの可干渉光を、基準となる参照波と前記光
    学素子を透過する被検波とに分割し、 参照波と被検波との重畳による干渉縞像を形成し、 被検物を試液中に浸した状態にて被検波の光軸に対して
    直交する軸線周りに回転させ少なくとも二つの回転角位
    置の各々にて前記干渉縞像の解析により透過波面を計測
    し、 この複数方向からの透過波面の測定結果から光学素子の
    屈折率分布を測定することを特徴とする光学素子の屈折
    率分布の測定方法。
  2. 【請求項2】 同一光源からの可干渉光を基準となる参
    照波と屈折率がほぼ同一の試液中に浸した測定対象の光
    学素子よりなる被検物を透過する被検波とに分割し、参
    照波と被検波との重畳による干渉縞像を形成する二光束
    干渉計と、 前記試液の一部と置換される、光学素子と屈折率がほぼ
    同一の透光性固体と、 前記干渉縞像の結像面に配置された干渉縞像検出器と、 前記干渉縞像検出器によって検出された干渉縞像を解析
    して透過波面を計測する透過波面計測手段と、 被検物を試液中にて被検波の光軸に対して直交する軸線
    周りに回転させる回転手段とを有していることを特徴と
    する光学素子の屈折率分布の測定装置。
  3. 【請求項3】 前記透光性固体は、前記光学素子を収納
    する円柱状中空部分を備えていることを特徴とする請求
    項2記載の光学素子の屈折率分布の測定装置。
  4. 【請求項4】 前記透光性固体は、前記被検物と組合わ
    せた形状がほぼ円柱形状となるような形状に構成されて
    いることを特徴とする請求項3記載の光学素子の屈折率
    分布の測定装置。
  5. 【請求項5】 前記試液を収容する容器は、測定対象物
    の屈折率とほぼ同一の屈折率をもつ光学材料からなるこ
    とを特徴とする請求項2記載の光学素子の屈折率分布の
    測定装置。
  6. 【請求項6】 前記透光性固体は、前記試液中に混入さ
    れた粉末状の光学材料からなることを特徴とする請求項
    2記載の光学素子の屈折率分布の測定装置。
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