JPH08304250A - ゴム複合体の疲労試験方法及びその疲労試験方法で使用する試験片 - Google Patents

ゴム複合体の疲労試験方法及びその疲労試験方法で使用する試験片

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JPH08304250A
JPH08304250A JP7112794A JP11279495A JPH08304250A JP H08304250 A JPH08304250 A JP H08304250A JP 7112794 A JP7112794 A JP 7112794A JP 11279495 A JP11279495 A JP 11279495A JP H08304250 A JPH08304250 A JP H08304250A
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JP
Japan
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test piece
longitudinal direction
rubber
fatigue
rubber composite
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Withdrawn
Application number
JP7112794A
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English (en)
Inventor
Rie Ichitani
理恵 市谷
Mitsumori Kasada
満盛 笠田
Susumu Onoe
勧 尾上
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伸長及び圧縮の繰り返し応力を作用させて補
強体の残存引張強度の測定を行う疲労試験及び試験片に
おいて、得られる残存引張強度の測定データのばらつき
を可及的に少なくし、残存引張強度の測定の容易化及び
確実化を図る 【構成】 ゴム体4の厚み方向中間位置に帆布5が長手
方向に連続して延びるよう埋設されたゴム複合体につい
て、帯板状の本体部2と、両端部のゴム体を厚み方向両
側に突出させた膨出部3,3とで試験片1を構成する。
本体部の長手方向中央位置の厚み方向両側に凹溝部2
a,2aを形成して断面欠損部とする。両端部をディス
ク疲労試験機の両ディスクに装着し両ディスクを回転さ
せることにより長手方向に伸長及び圧縮の繰り返し応力
を凹溝位置に集中的に作用させた後に、両膨出部をチャ
ックでチャックして引張り帆布の残存引張強度を測定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば帆布もしくはコ
ード等の補強体がゴム体内に埋設されたタイミングベル
ト等のゴム複合体について、その補強体としての帆布等
の疲労性を評価するために行われる疲労試験方法及びそ
れに用いる試験片に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のゴム複合体の疲労試
験方法としてディスク疲労試験機を用いるグッドリッチ
法が知られている(JIS L 1017 3.2.2.2 ディスク疲労
強さの項参照)。これは、2枚のディスクを正対状態か
ら互いに傾けることにより両者間の間隔が直径方向一側
の周縁で狭く他側の周縁で広くなるように配設し、その
狭い側の両ディスク間隔を試験片が所定圧縮率となる寸
法に設定する一方、広い側の両ディスク間隔を試験片が
所定伸長率となる寸法に設定し、この状態で両ティスク
を所定回数回転させて、上記各試験片に圧縮と伸長とを
繰り返し作用させるものである。この後、上記試験片か
ら補強体を取り出し長手方向に引張力を与えることによ
り残存引張強度を測定するものである。そして、これを
基に補強体としての帆布やコードの強力維持率(伸長・
圧縮疲労率)を得ることにより上記補強体としての帆布
等の疲労性を評価するものである。
【0003】また、上記疲労試験方法で使用する試験片
としては、一般に、図7に示すように、ゴム体4と、こ
のゴム体4の厚み方向中間位置に長手方向に連続して延
びるよう埋設された補強体5とからゴム複合体として構
成され、上記ゴム体4と補強体5とがそれぞれ長手方向
に等断面で延びる帯板状に形成されたものが知られてい
る。そして、この試験片13は、その両端部位が上記各
ディスクの周縁に取付けられて上記両端部位間の試験片
13に対し伸長及び圧縮の繰り返し応力を受け、その
後、図8に示すように上記両端部位をそれぞれチャック
8,9のチャック片8a,8a、9a,9aで把持した
状態で両チャック8,9を引張方向に相対移動させるこ
とにより上記残存引張強度の測定が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ゴム複合体の疲労試験方法及びその試験片においては、
長手方向に等断面で延びる試験片13を用いているた
め、その試験片の両端部位を両ディスクに取付けて長手
方向に伸長及び圧縮力を加えても、その伸長及び圧縮に
よる繰り返し応力(歪み)が一点に集中せず、結果とし
て得られる残存引張強度のデータにばらつきが生じ易く
なる。しかも、補強体の残存引張強度の測定において、
上記の伸長及び圧縮の繰り返し応力載荷後の試験片から
そのゴム体に埋設されている補強体としての帆布もしく
はコードを取り出し、この取り出した帆布等について上
記残存引張強度の測定を行うようにしているため、上記
取り出しの際に、上記帆布もしくはコードを引張ったり
傷付けたりすることがあり、上記のデータのばらつきを
より増大させる傾向にある。
【0005】一方、上記の帆布等の取り出しの際の不都
合を解消するために、補強体の残存引張強度の測定を、
帆布等をゴム体から取り出さずにその帆布等が埋設され
た状態の試験片に対して引張力を直接作用させて行うこ
とが考えられる。ところが、この方法を採用した場合、
上記の如く伸長及び圧縮の繰り返しによる歪みが長手方
向に分散した複数位置に生じているため、終局状態であ
る破断位置が一定せず、これに伴いデータのばらつきが
生じることになる。しかも、この場合には、等断面の帯
板状試験片の両端部位、すなわち、ゴム体表面の平滑面
をチャックで把持することになり、このため、各チャッ
クがそのゴム体表面に沿って滑り、安定した測定を行い
得ないことになる。この場合、滑りを防止するために、
上記各チャックの把持力を増大させて大圧力で挟み付け
るようにすると、そのチャッキング部位で切断する事態
が発生し、安定したデータが得られないことになる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、伸長及び圧縮
の繰り返し応力を作用させて補強体の残存引張強度の測
定を行う疲労試験及びそれに用いる試験片において、得
られる残存引張強度の測定データのばらつきを可及的に
少なくし、安定したデータを得るようにすることにあ
る。加えて、安定したデータを確保しつつ、残存引張強
度の測定の容易化及び確実化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ゴム体の厚み方向中間位置
に補強体が長手方向に連続して延びるよう埋設されたゴ
ム複合体の試験片に対し、上記長手方向に伸長及び圧縮
を繰り返し作用させた後に、上記補強体の上記長手方向
に対する残存引張強度を測定するゴム複合体の疲労試験
方法を前提とする。このものにおいて、上記試験片を、
ゴム体と補強体とがそれぞれ長手方向に等断面で延びる
よう形成する一方、そのゴム体の長手方向中間の1箇所
に断面欠損部を設けて、上記伸長及び圧縮による繰り返
し応力を上記断面欠損部に集中させるようにする構成と
するものである。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、断面欠損部を、試験片の長手方向に直交す
る幅方向のゴム体の全幅に延びるように形成された凹溝
部により構成するものである。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、凹溝部を、試験片の補強体を挟んだ厚み方
向両側位置のゴム体にそれぞれ形成するものである。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、補強体の残存引張強度の測定を、試験片の
長手方向両端部位を把持して長手方向に互いに離れる側
に引張ることにより行うものである。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、試験片の長手方向両端部位にそれぞれ試験
片の厚み方向両側に膨出する膨出部を形成し、残存引張
強度の測定に際し、上記各膨出部にチャックを係合させ
て把持させ、その両チャックを引張方向に相対移動させ
るようにするものである。
【0012】請求項6記載の発明は、ゴム体と、このゴ
ム体の厚み方向中間位置に長手方向に連続して延びるよ
う埋設された補強体とからゴム複合体として構成され、
上記長手方向に伸長及び圧縮を繰り返し作用した後に上
記補強体の上記長手方向に対する残存引張強度を測定す
るゴム複合体の疲労試験方法で使用する試験片を前提と
する。このものにおいて、上記ゴム複合体を、ゴム体と
補強体とがそれぞれ長手方向に等断面で延びるように形
成する一方、上記ゴム体の長手方向中間の1箇所に上記
伸長及び圧縮による繰り返し応力が集中して作用するよ
う断面欠損部を形成する構成とするものである。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、断面欠損部を、ゴム複合体の長手方向に直
交する幅方向のゴム体の全幅に延びるよう形成された凹
溝部により構成するものである。
【0014】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の発明において、凹溝部を、ゴム複合体の補強体を挟
んだ厚み方向両側位置のゴム体にそれぞれ形成するもの
である。
【0015】さらに、請求項9記載の発明は、請求項6
記載の発明において、ゴム複合体の長手方向両端部位
に、それぞれ厚み方向両側に突出して把持用チャックが
係合する膨出部を形成するものである。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ゴム体と補強体とからなるゴム複合体の試験片のゴム体
の長手方向中間の1箇所に断面欠損部を設けて、上記伸
長及び圧縮による繰り返し応力を上記断面欠損部に集中
させるようにしているため、その伸長及び圧縮の繰り返
しによる歪みが上記断面欠損部に、すなわち、試験片の
長手方向の1点に集中することになる。このため、上記
繰り返し応力の載荷による疲労が長手方向に延びる試験
片の特定1箇所に集中し、補強体の残存引張強度の測定
において、その特定1箇所で破断することになる。これ
により、従来の疲労試験方法において複数の試験片を互
いに同一に形成しても、上記繰り返し応力による疲労が
長手方向に分散される結果、残存引張強度の測定におい
て個々の試験片毎に異なる位置で破断することによりデ
ータ間のばらつきが発生しているの対し、本発明の疲労
試験方法ではそのようなデータ間のばらつきが大幅に低
減される。そして、上記伸長及び圧縮の所定の繰り返し
疲労による影響が上記の測定された残存引張強度に直接
反映され、その残存引張強度と疲労前の引張強度との比
較により、伸長及び圧縮の繰り返しによる疲労性につい
てより的確な評価が可能となる。
【0017】請求項2または請求項7記載の発明では、
断面欠損部が、試験片の長手方向に直交する幅方向のゴ
ム体の全幅に延びるように形成した凹溝部により構成さ
れているため、伸長及び圧縮による繰り返し応力を集中
させる断面欠損部として、具体的に特定され、かつ、そ
のような断面欠損部を容易に形成することが可能とな
る。
【0018】請求項3または請求項8記載の発明では、
凹溝部が、試験片の補強体を挟んだ厚み方向両側位置の
ゴム体にそれぞれ形成されているため、ゴム体内に埋設
された補強体の長手方向1点に対しより集中的に歪みを
繰り返し発生させることができ、試験片の長手方向の特
定1箇所に設ける断面欠損部として、より好適なものと
なる。
【0019】請求項4記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、補強体の残存引張強度の
測定が、試験片の長手方向両端部位を把持して長手方向
に互いに離れる側に引張ることにより行われるため、伸
長及び圧縮の繰り返し応力の作用後の試験片から埋設し
てある補強体を取り出す作業の省力化が図られる上、そ
の取り出し作業の際に発生し易い補強体の損傷や不用意
な引張力の載荷等が確実に防止される。これにより、残
存引張強度の測定において、上記の補強体の損傷等に伴
う測定データ間のばらつきの発生が解消される。しか
も、上記補強体の残存引張強度の測定を補強体自体では
なく、ゴム体に埋設された状態の試験片を引張ることに
より行っても、伸長及び圧縮による繰り返し応力の載荷
により断面欠損部のある長手方向特定1箇所の補強体に
歪みが集中しているため、この特定1箇所の補強体で破
断され、これにより、補強体の疲労性の評価が的確に行
うことが可能になる。
【0020】請求項5記載または請求項9記載の発明で
は、試験片の長手方向両端部位にそれぞれ試験片の厚み
方向両側に膨出する膨出部を形成し、残存引張強度の測
定に際し、この各膨出部の段部位置をチャックにより把
持させ、その両チャックを引張方向に相対移動させるよ
うにしているため、各チャックの把持圧力をそれ程高く
しなくても各チャックによる試験片の把持が確実にな
る。その上、各チャックによるチャッキング部分で試験
片が切断するという不都合の発生が防止されて、その切
断発生に伴う測定データ間のばらつき発生が解消され
る。
【0021】請求項6記載の発明では、ゴム体と補強体
とからなるゴム複合体の試験片のゴム体の長手方向中間
の1箇所に断面欠損部を設けているため、上記伸長及び
圧縮による繰り返し応力を作用させた場合、その伸長及
び圧縮の繰り返しによる歪みが上記断面欠損部に、すな
わち、試験片の長手方向の1点に集中することになる。
このため、上記繰り返し応力の載荷による疲労が長手方
向に延びる試験片の特定1箇所に集中し、この試験片を
用いて行う補強体の残存引張強度の測定において、その
特定1箇所で破断することになる。これにより、従来の
試験片において複数の試験片を互いに同一に形成して
も、上記繰り返し応力による疲労が長手方向に分散され
る結果、残存引張強度の測定において個々の試験片毎に
異なる位置で破断することによりデータ間のばらつきが
発生しているの対し、本発明の試験片ではそのようなデ
ータ間のばらつきが大幅に低減される。そして、このよ
うな試験片を用いて疲労試験を行うことにより、上記伸
長及び圧縮の所定の繰り返しによる疲労による影響が上
記の測定された残存引張強度に直接反映され、その残存
引張強度と疲労前の引張強度との比較により、伸長及び
圧縮の繰り返しによる疲労性についてより的確な評価が
可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0023】<試験片>図1及び図2は、本発明の実施
例に係る試験片1を示し、2は後述のディスク疲労試験
機により疲労が強制的に与えられる帯板状(棒状を含
む)の本体部、3,3はこの本体部2の両端側に形成さ
れた膨出部である。
【0024】上記本体部2及び両膨出部3,3とは、水
素化ニトリルゴム(H−NBR)を主成分とするゴム体
4と、補強体としての帆布5とから一体物のゴム複合体
として形成されている。上記帆布5は、ゴム体4の厚み
方向(図面の上下方向)の中央位置において本体部2の
幅方向(図2の紙面に直交する方向)の全幅の範囲を長
手方向(図面の左右方向)全長にわたりに連続して延び
るように埋設されている。そして、上記上記試験片1
は、一体加硫成形により上記帆布5とゴム体4とが加硫
接着されて互いに密着した状態で形成されている。
【0025】そして、上記本体部2の長手方向中央位置
には、その本体部2を構成するゴム体4の厚み方向両側
面にそれぞれ断面欠損部としての凹溝部2aが全幅に延
びて形成されている。また、上記各膨出部3は、上記本
体部2の両端部位のゴム体4が厚み方向の両側に突出さ
れてほぼ直方体の形状になるように形成されている。
【0026】<疲労試験方法>図3は、上記試験片1を
用いて疲労試験を行う疲労試験機の概略を示す。本疲労
試験機は、JIS L 1071の3.2.2.2に規
定されるグッドリッチ法でのディスク疲労試験機に準じ
たものであり、相対向する一対のディスク6a,6b
と、各ディスク6a,6bの中心位置に固定されて上記
各ディスク6a,6bを回転させる一対の回転駆動軸7
a,7bとを備えている。上記両回転駆動軸7a,7b
は互いに偏心配置とされて、上記両ディスク6a,6b
間の間隔が直径方向一側(図例では上側)の周縁で狭く
他側(図例では下側)の周縁で広くなるようにされてい
る。
【0027】そして、上記疲労試験機は、上記の試験片
1が両ディスク6a,6bの周縁間に掛け渡されてその
両膨出部3,3位置で各ディスク6a,6bの周縁に固
定された装着状態で、両ディスク6a,6bを互いに同
回転方向に回転駆動することにより、上記試験片1が図
面の上側の回転位置にあるときに試験片1の長手方向に
所定の圧縮率となる圧縮力を作用させ、下側の回転位置
にあるときに上記長手方向に所定伸長率となる伸長力を
作用させるようになっている。また、上記回転を継続す
ることにより上記の圧縮力及び伸長力を上記試験片1に
繰り返し作用させるようになっている。
【0028】上記の試験片1を用いた疲労試験方法は、
まず、上記疲労試験機により試験片1に伸長及び圧縮の
繰り返し応力を作用させて疲労を与え、次に、その疲労
後の試験片1を上記疲労試験機から取り外し長手方向に
引張って残存引張強度を測定することにより行う。
【0029】上記試験片1の疲労試験機への装着は、試
験片1を両ディスク6a,6bの周縁間に掛け渡し、そ
の両膨出部3,3を各ディスク6a,6bの周縁に固定
することにより行う。そして、両回転駆動軸7a,7b
を同回転方向に所定回数回転させることにより、所定回
数の伸長及び圧縮の繰り返し応力を作用させる。
【0030】また、上記残存引張強度の測定は、図4に
示すように、上記疲労後の試験片1を一対のチャック
8,9により把持した状態で、この両チャック8,9を
試験片1の長手方向(図4の上下方向)に対し互いに離
れる側に上記試験片1が破断するまで相対移動させ、そ
の破断に至るまでの引張力を測定する。上記の一対のチ
ャック8,9は、それぞれ先端爪部が相対向配置にされ
た一対のL字状チャック片8a,8a、9a,9aを備
えており、各チャック8,9で試験片1を把持するに
は、両チャック片8a,8aもしくは9a,9aで試験
片1の各膨出部3をその厚み方向両側から各膨出部3の
厚み方向両側面及び本体部2側の面を挟み込んで係合状
態にする。
【0031】<実施例の作用・効果>上記試験片及びこ
の試験片を用いた疲労試験方法において、上記疲労試験
機の両ディスク6a,6bの回転駆動により作用する伸
長及び圧縮の繰り返し応力が両凹溝部2a,2aで挟ま
れた位置、すなわち、試験片1の長手方向中央の1点位
置に集中的に作用する。これにより、歪みがその1点位
置に集中して発生し、上記繰り返し応力の作用に基づく
疲労が試験片1の長手方向中央位置に集中して与えられ
ることになり、ディスク6a,6bの回転数と、試験片
1に与えられる疲労との相関関係がより密接となる。こ
の結果、残存引張強度の測定において、上記試験片1の
中央位置、つまり、常に試験片1の一定位置で破断させ
ることができるようになり、測定データのばらつき発生
を抑制,防止して安定した測定データを得ることができ
る。その上、埋設された帆布5を試験片1のゴム体4内
から取り出さずに試験片1自体に引張力を作用させる方
法を採っても、帆布5自体の残存引張強度について的確
な測定データを得ることができる。従って、残存引張強
度の測定に当たり、埋設してある帆布5を取り出す作業
の省力化を図ることができる上、その取り出し作業の際
に発生し易い帆布5の損傷や不用意な引張力の載荷等が
確実に防止することができる。これにより、上記の帆布
5の損傷等に伴う測定データへの影響をなくすことがで
き、上記の測定データ間のばらつきの発生をより一層抑
制,防止することができる。
【0032】しかも、試験片1の両端部位に膨出部3,
3を形成してこの膨出部3,3にそれぞれチャック8も
しくは9を係合させて引張るようにしているため、各チ
ャック8,9の把持圧力をそれ程高くしなくても滑るこ
となく試験片1を確実に把持することができ、チャッキ
ング部分での試験片1の切断という不都合の発生を回避
することができる。これにより、滑りや切断の発生に伴
う測定データ間のばらつき発生をも確実に防止すること
ができる。
【0033】そして、試験片1に付与した疲労が上記の
測定された残存引張強度に直接反映され、しかも、その
測定データ間のばらつきが大幅に低減するため、その残
存引張強度と疲労前の引張強度との比較により、伸長及
び圧縮の繰り返しによる疲労性についてより的確に評価
を行うことができる。この結果、補強体として用いる部
材を開発する上で、その開発の方向を迅速かつ的確に決
定することができるようになり、その補強体及びこれを
用いたゴム複合体の製品の研究開発の効率化を図り得
る。
【0034】<比較試験>上記の実施例に係る試験片1
と、図5〜図7に示す3種類の比較例に係る試験片1
1,12,13とを用いて疲労試験を行い、その結果を
比較した。
【0035】−試験片の設定− 比較例1の試験片11(図5参照)は実施例に係る試験
片1から凹溝部2,2の形成を省略したもの、比較例2
の試験片12(図6参照)は上記試験片1から膨出部
3,3の形成を省略しかつ凹溝部2a,2aを長手方向
に互いにずらせて配置したもの、比較例3の試験13
(図7参照)は上記試験片1から凹溝部2a,2aの形
成及び膨出部3,3の形成をそれぞれ省略した従来用い
られているものである。そして、上記の各試験片1,1
1,12,13の4種類のそれぞれについて、18〜2
0個の試験片を形成した。
【0036】各試験片1,11,12,13の各ゴム体
4の配合を次に示す。
【0037】 H−NBR 100重量部 カーボンブラック(FEF) 50重量部 可塑剤 10重量部 加硫促進剤 4重量部 老化防止剤 2重量部 ステアリン酸 1重量部 酸化亜鉛 5重量部 硫黄 0.5重量部 また、各試験片1,11,12,13の各帆布5は、経
糸に6.6ナイロン(210デニール×1本の174本
/5cm)の撚糸を、緯糸に6.6ナイロン(210デ
ニール×2本の130本/5cm)の撚糸をそれぞれ用
い、
【数1】
【0038】の2/2綾織組織に構成し、これに糊引き
加工を施したものを用いた。
【0039】−疲労試験条件− 温度条件を常温の室温に保ち、両ディスク6a,6bを
回転速度1000rpmで1×105 回回転させた。この
時の両ディスク6a,6bの歪み角度を3度(歪み量±
15%)とした。
【0040】−疲労試験結果及び考察− 比較試験結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】比較試験の結果、各試験片1,11,1
2,13と各チャック8,9との間のチャッキング部に
おける滑り発生については、膨出部3,3を形成した実
施例及び比較例1では発生しなかったものの、上記の膨
出部3,3のない比較例2及び比較例3では各20個の
試験片のほぼ全数において発生した(図11及び図12
において、滑りの発生した試験片Noの上方に「*」印を
付している)。この結果、膨出部3,3の形成により残
存引張強度測定時のチャック8,9と試験片との間の滑
り発生を防止することができることが分かる。
【0043】残存強度測定時におけるチャッキング部で
の各試験片1,11,12,13の切断発生について
は、実施例では発生しなかったものの、比較例1〜3で
はその全てで発生した。比較例2,3では膨出部3,3
がなく、チャック8,9の挟み付けの圧力を高くせざる
を得ず、このため、チャッキング部での切断が発生した
ものと考えられる。一方、膨出部3,3が形成された比
較例1においてもチャッキング部での切断が発生してい
るのは、この比較例1の場合、実施例の如き凹溝部2
a,2aがなく、このため、伸長及び圧縮の繰り返し応
力が本体部2の長手方向全域に分散され疲労の影響が本
体部2に分散される結果、本体部2と各膨出部3との境
界の断面急変部であるチャッキング部で先に切断してし
まうものと考えられる。
【0044】クラックの発生については、実施例及び比
較例2では凹溝部2aの形成位置でクラックが発生した
が、上記の如き凹溝部2aのない比較例1及び比較例3
ではチャッキング部以外の全域においてクラックが発生
した。
【0045】帆布の残存引張強度については、実施例の
ものでは図9に示すように全測定データが75〜85k
gの間の値を示し、ばらつきの少ない測定データが得ら
れている。これに対し、比較例1では図10に示すよう
に試験片No8及び11の2つが途中で切断して測定不能
となった上、残りのものについて得られた測定データも
70〜90kgの範囲でばらつきを生じている。また、
比較例2では図11に示すように試験片No7,14及び
18の3つの試験片が途中で切断して測定不能となり、
得られた測定データも57〜80kgとかなり広い範囲
でばらつきを生じている。さらに、比較例3では図12
に示すように試験片No7及び12の2つの試験片が途中
で切断し、得られた測定データも55〜90kgと極め
て広い範囲でばらつきを生じている。
【0046】<他の態様>なお、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含す
るものである。すなわち、上記実施例では、断面欠損部
として円弧状の凹溝部2aを示したが、これに限らず、
凹溝部をVの字状等の形状にしてもよい。要するに、断
面欠損部として窪み状のものを形成すればよい。
【0047】また、上記実施例では、膨出部3として直
方体の形状のものを示したが、これに限らず、厚み方向
に突出して各チャック片8a,9aの先端爪と係合し得
る形状のものであればよい。
【0048】さらに、上記実施例では、ゴム複合体の補
強体として帆布5を示したが、これに限らず、例えばコ
ード等を補強体として用いるゴム複合体であってもよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるゴム複合体の疲労試験方法または請求項6記
載の発明における試験片によれば、ゴム体と補強体とか
らなるゴム複合体の試験片のゴム体の長手方向中間の1
箇所に断面欠損部を設けて、上記伸長及び圧縮による繰
り返し応力を上記断面欠損部に集中させるようにしてい
るため、上記繰り返し応力の載荷による疲労が長手方向
に延びる試験片の特定1箇所に集中させることができ
る。このため、補強体の残存引張強度の測定において上
記特定1箇所で、つまり常に一定位置で破断させること
ができ、測定データ間のばらつきを大幅に低減させるこ
とができる。加えて、上記伸長及び圧縮の所定の繰り返
し疲労による影響を上記の測定された残存引張強度に直
接反映させることができ、その残存引張強度と疲労前の
引張強度との比較により、伸長及び圧縮の繰り返しによ
る疲労性についてより的確な評価を行うことができる。
この結果、補強体等の部材を開発する上で、その開発の
方向を迅速かつ的確に決定することができるようにな
り、その補強体及びこれを用いたゴム複合体の製品の研
究開発の効率化を図り得る。
【0050】請求項2または請求項7記載の発明によれ
ば、断面欠損部を、試験片の長手方向に直交する幅方向
のゴム体の全幅に延びるように形成した凹溝部により構
成するようにしているため、伸長及び圧縮による繰り返
し応力を集中させて請求項1または請求項6記載の発明
による効果を奏する断面欠損部として、具体的に特定
し、かつ、そのような断面欠損部を容易に形成すること
ができる。
【0051】請求項3または請求項8記載の発明によれ
ば、凹溝部を、試験片の補強体を挟んだ厚み方向両側位
置のゴム体にそれぞれ形成するようにしているため、ゴ
ム体内に埋設された補強体の長手方向1点に対しより集
中的に歪みを繰り返し発生させることができ、試験片の
長手方向の特定1箇所に設ける断面欠損部として、より
好適なものを提供することができる。
【0052】請求項4記載の発明によれば、補強体の残
存引張強度の測定を、試験片の長手方向両端部位を把持
して長手方向に互いに離れる側に引張ることにより行う
ようにしているため、伸長及び圧縮の繰り返し応力の作
用後の試験片から埋設してある補強体を取り出す作業の
省力化を図ることができる上、その取り出し作業の際に
発生し易い補強体の損傷や不用意な引張力の載荷等を確
実に防止して、その補強体の損傷等に伴う残存引張強度
の測定データ間のばらつきの発生を解消することができ
る。しかも、上記補強体の残存引張強度の測定を補強体
自体ではなく、ゴム体に埋設された状態の試験片を引張
ることにより行っても、伸長及び圧縮による繰り返し応
力の載荷により断面欠損部のある長手方向特定1箇所の
補強体に歪みが集中しているため、この特定1箇所の補
強体で破断することができ、これにより、補強体の疲労
性の評価を的確に行うことができる。
【0053】請求項5記載または請求項9記載の発明に
よれば、試験片の長手方向両端部位にそれぞれ試験片の
厚み方向両側に膨出する膨出部を形成し、残存引張強度
の測定に際し、この各膨出部の段部位置をチャックによ
り把持させ、その両チャックを引張方向に相対移動させ
るようにしているため、各チャックの把持圧力をそれ程
高くしなくても各チャックによる試験片の把持を滑るこ
となく確実に行うことができる。これにより、滑りの発
生や、各チャックによるチャッキング部分で試験片が切
断するという不都合の発生を防止することができ、その
滑りや切断発生に伴う測定データ間のばらつき発生を解
消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験片に係る実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の試験片の縦断面図である。
【図3】疲労試験機の概略説明図である。
【図4】残存引張強度測定時の状態を示す斜視図であ
る。
【図5】比較例1の斜視図である。
【図6】比較例2の斜視図である。
【図7】比較例3(従来の試験片)の斜視図である。
【図8】従来の試験片に対する残存引張強度測定時の状
態を示す斜視図である。
【図9】実施例における各試験片とその残存引張強度と
の関係図である。
【図10】比較例1における各試験片とその残存引張強
度との関係図である。
【図11】比較例2における各試験片とその残存引張強
度との関係図である。
【図12】比較例3における各試験片とその残存引張強
度との関係図である。
【符号の説明】
1 試験片 2a 凹溝部(断面欠損部) 3 膨出部 4 ゴム体 5 帆布(補強体) 8,9 チャック

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム体の厚み方向中間位置に補強体が長
    手方向に連続して延びるよう埋設されたゴム複合体の試
    験片に対し、上記長手方向に伸長及び圧縮を繰り返し作
    用させた後に、上記補強体の上記長手方向に対する残存
    引張強度を測定するゴム複合体の疲労試験方法におい
    て、 上記試験片をゴム体と補強体とがそれぞれ長手方向に等
    断面で延びるよう形成する一方、そのゴム体の長手方向
    中間の1箇所に断面欠損部を設けて、上記伸長及び圧縮
    による繰り返し応力を上記断面欠損部に集中させるよう
    にしたことを特徴とするゴム複合体の疲労試験方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 断面欠損部は、試験片の長手方向に直交する幅方向のゴ
    ム体の全幅に延びるように形成された凹溝部であること
    を特徴とするゴム複合体の疲労試験方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 凹溝部は、試験片の補強体を挟んだ厚み方向両側位置の
    ゴム体にそれぞれ形成されていることを特徴とするゴム
    複合体の疲労試験方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 補強体の残存引張強度の測定を、試験片の長手方向両端
    部位を把持して長手方向に互いに離れる側に引張ること
    により行う、ことを特徴とするゴム複合体の疲労試験方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 試験片の長手方向両端部位にそれぞれ試験片の厚み方向
    両側に膨出する膨出部を形成し、残存引張強度の測定に
    際し、上記各膨出部にチャックを係合させて把持させ、
    その両チャックを引張方向に相対移動させることを特徴
    とするゴム複合体の疲労試験方法。
  6. 【請求項6】 ゴム体と、このゴム体の厚み方向中間位
    置に長手方向に連続して延びるよう埋設された補強体と
    からゴム複合体として構成され、上記長手方向に伸長及
    び圧縮を繰り返し作用した後に上記補強体の上記長手方
    向に対する残存引張強度を測定するゴム複合体の疲労試
    験方法で使用する試験片において、 上記ゴム複合体は、ゴム体と補強体とがそれぞれ長手方
    向に等断面で延びるように形成される一方、上記ゴム体
    の長手方向中間の1箇所に上記伸長及び圧縮による繰り
    返し応力が集中して作用するよう断面欠損部が形成され
    ていることを特徴とするゴム複合体の疲労試験方法で使
    用する試験片。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 断面欠損部は、ゴム複合体の長手方向に直交する幅方向
    のゴム体の全幅に延びるよう形成された凹溝部であるこ
    とを特徴とするゴム複合体の疲労試験方法で使用する試
    験片。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 凹溝部は、ゴム複合体の補強体を挟んだ厚み方向両側位
    置のゴム体にそれぞれ形成されていることを特徴とする
    ゴム複合体の疲労試験方法で使用する試験片
  9. 【請求項9】 請求項6において、 ゴム複合体の長手方向両端部位には、それぞれ厚み方向
    両側に突出して把持用チャックが係合する膨出部が形成
    されていることを特徴とするゴム複合体の疲労試験方法
    で使用する試験片。
JP7112794A 1995-05-11 1995-05-11 ゴム複合体の疲労試験方法及びその疲労試験方法で使用する試験片 Withdrawn JPH08304250A (ja)

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