JPH0830503B2 - オートレリーズ機構付変速装置 - Google Patents

オートレリーズ機構付変速装置

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JPH0830503B2
JPH0830503B2 JP62084878A JP8487887A JPH0830503B2 JP H0830503 B2 JPH0830503 B2 JP H0830503B2 JP 62084878 A JP62084878 A JP 62084878A JP 8487887 A JP8487887 A JP 8487887A JP H0830503 B2 JPH0830503 B2 JP H0830503B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動二輪車等の車両に備えられるオートレリ
ーズ機構付変速装置に関するものである。
〔従来の技術〕
自動二輪車や自動三輪車等の車両において、クラッチ
操作を行うことなく変速することができるオートレリー
ズ機構付変速装置を備えたものがある。これは運転者が
足で操作するチェンジペダルと、エンジン,変速装置間
に介装された多板クラッチのプッシュロッドとを連結し
たものである。
前記多板クラッチは、有底円筒状に形成されたクラッ
チハウジングと、このクラッチハウジングの円筒部に周
方向に間隔をおいて多数形成された軸方向へ延びる溝に
外周部を嵌合させて軸方向に複数配置された円環板状の
摩擦板と、前記クラッチハウジングの内側底面に対向す
る受圧板部およびこの受圧板部から軸方向に延在する円
筒部を有しかつ前記クラッチハウジングの内方にこれと
軸線が同一となるように配置されクラッチハウジングに
対して回転自在となるように構成されたクラッチボス
と、このクラッチボスの円筒部に周方向に間隔をおいて
多数形成された軸方向へ延びる溝に内周部を嵌合させる
とともに前記摩擦板と交互に重なるように軸方向に複数
配置された円環板状のクラッチ板と、前記クラッチボス
に軸方向に沿って進退自在に保持されるともにプッシュ
ロッドに連結され、クラッチスプリングにより前記摩擦
板およびクラッチ板をクラッチボスの前記受圧板部との
間に挟持するように付勢されたプレッシャープレートと
を備えていた。
そして、従来のオートレリーズ機構付変速装置は、チ
ェンジペダルの操作によってプッシュロッドを押圧して
前記多板クラッチを切断状態に保持すると共に、シフト
ドラムを回動させてドッグクラッチを切り換えるように
構成されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような構造では、変速する際に当
打音が発生し運転者に不快感を与えるなど問題となって
いる。これは、足による操作ではクラッチレバーで操作
する場合のように円滑なクラッチ接続が行えないことに
よる。すなわち、エンジンの動力が多板クラッチを介し
てドッグクラッチに急激に伝達されるために、ドッグク
ラッチのエンジン側の噛合部と車輪側の噛合部とが激し
く衝突するからである。詳述すれば、ドッグクラッチは
噛合いを円滑にするために噛合部間にある程度の間隙が
設けられており、多板クラッチが切られた状態において
は、車輪側の噛合部がエンジン側の噛合部を押圧するよ
うに接触し、多板クラッチが接続された状態において
は、エンジン側の噛合部が車輪側の噛合部を押圧するよ
うに接触するからである。その結果、多板クラッチが瞬
間的に接続されると、両噛合部が相対的に激しく移動し
当打音が発生することになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、変速
時に当打音が発生するのを防止することができるオート
レリーズ機構付変速装置を提供するものである。本発明
に係るオートレリーズ機構付変速装置は、多板クラッチ
のクラッチボスに複数並べて保持されたクラッチ板のう
ち軸方向両端に位置する2枚のクラッチ板を除く残りの
クラッチ板におけるクラッチボスに形成した多数の溝の
一部であって互いに周方向に等間隔をおいて離間する少
なくとも2箇所の溝に嵌合する部位を切り欠き、この溝
に嵌合する軸方向両端のクラッチ板の嵌合部どうしの間
に、一方のクラッチ板に前記溝内で軸方向に延びるよう
に立設したピンに嵌装されかつ両クラッチ板を互いに離
間する方向に付勢してこの多板クラッチをクラッチ切断
状態においても常時僅かに接続された状態に保持する圧
縮コイルばねを弾装したものである。
〔作用〕
本発明においては、多板クラッチを切った状態であっ
ても圧縮コイルばねによってクラッチ板がこれと隣接す
る摩擦板に圧接されて僅かに動力が伝達されることか
ら、ドッグクラッチはエンジン側の噛合部が車輪側の噛
合部を押圧している状態に保たれるので、多板クラッチ
を接続したときにドッグクラッチの両噛合部が互いに衝
突するのが防止される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図により詳細に説明する。
第1図は本発明に係るオートレリーズ機構付変速装置の
要部となる多板クラッチを示す断面図、第2図はオート
レリーズ機構付変速装置を備えたエンジンユニットを示
す一部断面図、第3図は第1図のIII−III線断面図で、
第2図において符号1で示すものは例えば自動二輪車な
どに搭載されるエンジンユニットを示す。このエンジン
ユニット1は従来のもの同様に前部に配設されたエンジ
ン本体2と、その後方に配設された変速装置3などから
構成されている。エンジン本体2のクランク軸4は幅方
向に回転自在に支持され、右側には一方向クラッチを介
して遠心クラッチ5軸装されている。この遠心クラッチ
5はクランク軸4の回転速度が高くなったときに自動的
にクランク軸4と駆動小歯車6とを接続するものであ
る。
前記変速装置3は入力軸7および出力軸8がクランク
軸4と平行に回転自在に軸架されており、入力軸7の右
の部分には前記駆動小歯車6に噛合する駆動大歯車9が
回転自在に支持され、その外側に多板クラッチ11が配設
されている。一方、出力軸8の左端部には車輪を駆動す
るチェーンが添接されるスプロケット12が軸装されてい
る。
前記多板クラッチ11は駆動大歯車9にピン13で取付ら
れたクラッチハウジング14と、入力軸7の軸端部にスプ
ライン結合されたクラッチボス15などの部材から構成さ
れている。
クラッチハウジング14は有底円筒状に形成され、円筒
部となる周壁には軸線方向に溝16が切り込まれており、
この溝16に嵌合するように複数枚の摩擦板17・・が軸線
方向に配設されている。摩擦板17は前記クラッチボス15
が嵌入する中央孔を有する円板状に形成されている。18
は摩擦板17間に介装された複数枚のクラッチ板で、クラ
ッチボス15の外周面に設けられた溝19に軸線方向に移動
自在に嵌合されている。前記クラッチボス15は、図1お
よび図4に示すように、有底円筒状に形成された前記ク
ラッチハウジング14の内側底面に対向する受圧板部15a
と、この受圧板部15aから軸方向に延在する円筒部15bと
を有し、クラッチハウジング14の内方にこれと軸線が同
一となるように配置されてクラッチハウジング14に対し
て回転自在となるように構成されている。そして、前記
円筒部15bに前記溝19が軸方向に延びるように形成され
ている。
21はクラッチボス15に対向するように配設されクラッ
チボス15と一体的に回転するプレッシャプレートで、ク
ラッチスプリング22により摩擦板17およびクラッチ板18
をクラッチボス15の受圧板部15aとの間に挾持するよう
に付勢されている。23は入力軸7を貫通しプレッシャプ
レート21を押圧して多板クラッチ11を切るプッシュロッ
ドである。
前記変速装置3は入力軸7上に一体に設けられ第1入
力歯車25、入力軸7上に回転自在に支持された第2,4入
力歯車26,27、入力軸7上にスプライン結合された第3
入力歯車28、出力軸8に圧入された第2出力歯車29、出
力軸8上に回転自在に支持された第1,第3入力歯車30,3
1、出力軸8上にスプライン結合された第4出力歯車32
の噛合を切換えることによって変速するものであり、こ
れら歯車の互いに対向する面には突設された噛合部33a,
34a,35a,36aと凹設された噛合部33b,34b,35b,36bとから
なるドッグクラッチが設けられている。
41は図示しない支持軸上に揺動自在に支持されたチェ
ンジペダルである。このチェンジペダル41はプッシュロ
ッド23およびカム溝を有するシフト操作用の図示しない
カムドラムに接続されている。すなわち、チェンジペダ
ル41を足で操作すると、プッシュロッド23を押圧して多
板クラッチ11が切られると共に、カムドラムが回動する
ため、図示しないシフトフォークを介して第3入力歯車
28および第4出力歯車32が移動されて変速が行われる。
42は多板クラッチ11において一番内側のクラッチ板18
と一番外側のクラッチ板18との間に介装された圧縮コイ
ルばねである。この圧縮コイルばね42は一番内側のクラ
ッチ板18に円周方向に等間隔をおいてかしめ固定された
3本のピン43に嵌装され、クラッチボス15の前記溝19に
収容されている。このピン43の長さはクラッチ接続時に
おいても一番外側のクラッチ板18に当接しない長さとさ
れている。圧縮コイルばね42の弾撥力は、多板クラッチ
11の一部である2枚のクラッチ板18に弱い付勢力を常時
作用させ、クラッチが切られた状態においても僅かにク
ラッチハウジング14とクラッチボス15との間が接続され
ている状態に保持するような強さに設定されている。す
なわち、圧縮コイルばね42は一番内側の摩擦板17をクラ
ッチボス15方向へ付勢し、一番外側の摩擦板17をプレッ
シャプレート21方向へ付勢する。
このように構成されたオートレリーズ機構付変速装置
においては、チェンジペダル41を足で操作することによ
って、変速装置3のドッグクラッチを切換えることがで
きるので、1速〜4速、4速〜1速というように順次変
速することができる。
この変速時において、チェンジペダル41の操作によっ
てプッシュロッド23が押圧され第4図に示すように多板
クラッチ11が切られた状態となるが、圧縮コイルばね42
の弱い弾撥力が一番内側および外側のクラッチ板18に作
用し、一番内側および外側の摩擦板17の表裏面に摩擦力
が生じるため、摩擦板17とクラッチボス15とが接続され
た状態に保たれる。そのため、多板クラッチ11を切った
状態であっても、エンジン本体2の動力が僅かに伝達さ
れ、ドッグクラッチはエンジン側の噛合部が車輪側の噛
合部を押圧している状態に保たれる。
これを第5図によって説明すると、第5図はチェンジ
ペダル41が操作されプッシュロッド23で多板クラッチ11
が切断されると共に2速に変速された状態において第2
入力歯車26を側方から見た動作を説明するための図で、
第3入力歯車28に凹設された噛合部33bはエンジン側の
噛合部となり、第2入力歯車26に突設された噛合部33a
は車輪側の噛合部となっている。ここで、第3入力歯車
28はエンジン本体2の動力が僅かに伝達されており、車
輪の回転に伴って回転する第2入力歯車26の回転速度B
よりも速い回転速度Aで回転するため、第3入力歯車28
の噛合部33bは第2入力歯車26の噛合部33aを押圧するよ
うに接触するようになる。
したがって、チェンジペダル41が瞬間的に元の状態に
戻されて多板クラッチ11が急激に接続されても、噛合部
33aと噛合部33bとは接触している状態に保たれるので、
従来のようにドッグクラッチの噛合部同士が衝突して当
打音を発生するようなことがない。
また、本実施例で示したように圧縮コイルばね42をク
ラッチボス15のクラッチ板嵌合用溝19に収容することに
よって、多板クラッチ11が径方向に大型化するのを防ぐ
ことができる。すなわち、圧縮コイルばね42を前記溝19
より多板クラッチの径方向外側に配置すると、クラッチ
ハウジング14側の摩擦板17の内径をこの圧縮コイルばね
42との干渉を避けるために拡大させなければならず、ク
ラッチ板18との接触部分の面積を確保すると摩擦板7の
径が大径になり、その結果、クラッチハウジング14が大
径になってしまうが、本実施例の構成を採ればこのよう
なことがない。
しかも、圧縮コイルばね42によって軸方向両端のクラ
ッチ板18,18を互いに離間する方向へ付勢したので、こ
の圧縮コイルばね42を軸方向一端部に位置づけて軸方向
一端に位置するクラッチ板18に圧縮コイルばね42を当接
させ、摩擦板17およびクラッチ板18の全てを全体的に軸
方向他方へ付勢する構成を採る場合に較べ、圧縮コイル
ばね42がクラッチ板18より軸方向へ突出しないので、多
板クラッチ11が軸方向に大型化するのを防ぐことができ
る。
さらに、並設方向一端のクラッチ板にピンを突設して
このピンに圧縮コイルばねを嵌装させる構成を採ること
によって、クラッチ板、摩擦板および圧縮コイルばねを
一体的に組み合わせた状態でクラッチボスに組み込むこ
とができるので、多板クラッチを容易に組立てることが
できるという利点もある。すなわち、ピンをクラッチボ
スあるいはプレッシャプレートに立設させると、各クラ
ッチ板をピンに対応させて位置決めしながらクラッチボ
スに組み込まなければならないが、前記構成を採ること
によって、前記組立体をクラッチボスに組み込むに当た
りピンの位置を何等考慮する必要がなく、クラッチボス
の溝にクラッチ板の嵌合部が嵌合するように両者を位置
決めするだけでよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、多板クラッチの
クラッチボスに複数並べて保持されたクラッチ板のうち
軸方向両端に位置する2枚のクラッチ板を除く残りのク
ラッチ板におけるクラッチボスに形成した多数の溝の一
部であって互いに周方向に等間隔をおいて離間する少な
くとも2箇所の溝に嵌合する部位を切り欠き、この溝に
嵌合する軸方向両端のクラッチ板の嵌合部どうしの間
に、一方のクラッチ板に前記溝内で軸方向に延びるよう
に立設したピンに嵌装されかつ両クラッチ板を互いに離
間する方向に付勢してこの多板クラッチをクラッチ切断
状態においても常時僅かに接続された状態に保持する圧
縮コイルばねを弾装したため、多板クラッチを切った状
態であっても、ドッグクラッチをエンジン側の噛合部が
車輪側の噛合部を押圧している状態に保つことができ
る。
したがって、多板クラッチを接続したときにドッグク
ラッチの両噛合部が互いに衝突するのを防止することが
できるから、従来のように当打音が発生するのを防止
し、運転者に不快感を与えるようなことがない。
また、前記圧縮コイルばねをクラッチボスのクラッチ
板嵌合用溝に収容し、これによって軸方向両端のクラッ
チ板を付勢する構造としたから、多板クラッチが軸方向
および径方向に大型噛することなく圧縮コイルばねを装
着することができる。
さらに、並設方向一端のクラッチ板にピンを突設して
このピンに圧縮コイルばねを嵌装させる構成を採ること
によって、クラッチ板、摩擦板および圧縮コイルばねを
一体的に組み合わせた状態でクラッチボスに組み込むこ
とができるので、多板クラッチを容易に組立てることが
できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るオートレリーズ機構付変速装置の
要部となる多板クラッチを示す断面図、第2図はオート
レリーズ機構付変速装置を備えたエンジンユニットを示
す一部断面図、第3図は第1図のIII−III線断面図、第
4図は多板クラッチが切られた状態を示す要部の断面
図、第5図は2速に変速された状態において第2入力歯
車を側方から見た動作を説明するための図である。 7……入力軸、8……出力軸、11……多板クラッチ、14
……クラッチハウジング、15……クラッチボス、16……
溝、17……摩擦板、18……クラッチ板、19……溝、21…
…プレッシャープレート、22……クラッチスプリング、
23……プッシュロッド、41……チェンジペダル、42……
圧縮コイルばね、43……ピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 良和 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−86716(JP,A) 実開 昭61−188053(JP,U) 実開 昭56−101223(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有底円筒状に形成されたクラッチハウジン
    グと、このクラッチハウジングの円筒部に周方向に間隔
    をおいて多数形成された軸方向へ延びる溝に外周部を嵌
    合させて軸方向に複数配置された円環板状の摩擦板と、
    前記クラッチハウジングの内側底面に対向する受圧板部
    およびこの受圧板部から軸方向に延在する円筒部を有し
    かつ前記クラッチハウジングの内方にこれと軸線が同一
    となるように配置されクラッチハウジングに対して回転
    自在に設けられたクラッチボスと、このクラッチボスの
    円筒部に周方向に間隔をおいて多数形成された軸方向へ
    延びる溝に内周部を嵌合させるとともに前記摩擦板を軸
    方向両側に位置づけた状態でこの摩擦板と交互に重なる
    ように軸方向に複数配置された円環板状のクラッチ板
    と、前記クラッチボスに軸方向に沿って進退自在に保持
    されるとともにチェンジペダルに連結され、クラッチス
    プリングにより前記摩擦板およびクラッチ板をクラッチ
    ボスの前記受圧板部との間に挟持するように付勢された
    プレッシャープレートとを備えた多板クラッチが、ドッ
    グクラッチを切換えて変速する変速装置とエンジンとの
    間に介装され、前記多板クラッチをチェンジペダルの操
    作によって変速時に自動的に断続するオートレリーズ機
    構付変速装置において、複数並べられた前記クラッチ板
    のうち軸方向両端に位置する2枚のクラッチ板を除く残
    りのクラッチ板におけるクラッチボスに形成した多数の
    溝の一部であって互いに周方向に等間隔をおいて離間す
    る少なくとも2箇所の溝に嵌合する部位を切り欠き、こ
    の溝に嵌合する軸方向両端のクラッチ板の嵌合部どうし
    の間に、一方のクラッチ板に前記溝内で軸方向に延びる
    ように立設したピンに嵌装されかつ両クラッチ板を互い
    に離間する方向に付勢してこの多板クラッチをクラッチ
    切断状態においても常時僅かに接続された状態に保持す
    る圧縮コイルばねを弾装したことを特徴とするオートレ
    リーズ機構付変速装置。
JP62084878A 1987-04-08 1987-04-08 オートレリーズ機構付変速装置 Expired - Fee Related JPH0830503B2 (ja)

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