JPH08307199A - 静電型変換手段の容量成分低減回路および静電型変換手段の駆動装置ならびに検出装置 - Google Patents

静電型変換手段の容量成分低減回路および静電型変換手段の駆動装置ならびに検出装置

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JPH08307199A
JPH08307199A JP7138289A JP13828995A JPH08307199A JP H08307199 A JPH08307199 A JP H08307199A JP 7138289 A JP7138289 A JP 7138289A JP 13828995 A JP13828995 A JP 13828995A JP H08307199 A JPH08307199 A JP H08307199A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電型変換手段の一例である圧電振動子の駆
動装置において、圧電振動子の制動容量による電流消費
を等価的に低減して効果的な駆動ができるようにする。
また制動容量の低減効果に周波数依存性がないものとす
る。 【構成】 圧電振動子2に交流駆動電源5から駆動電圧
Vが与えられる。圧電振動子2の電極Cには(N+1)
倍の電圧増幅率を有する増幅器7と静電容量Csとが直
列に接続されたループ回路8が設けられている。静電容
量Csを圧電振動子2の制動容量Cdの1/Nに設定す
ると、制動容量Cdに流れる電流i3が静電容量Csか
らの電流i1により置き換えられて負担され、駆動電流
iが制動容量Cdにより消費されなくなる。制動容量C
dを低減する条件は、静電容量Csの容量値と増幅器7
の増幅率にのみ依存するものとなり、周波数依存性がな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電ひずみを利用した
圧電振動子や、空隙を隔てて向かいあった電極を有する
静電変換器などの静電型変換手段において、圧電振動子
の制動容量や静電変換器の容量成分を低減しまたは打ち
消して、効率的な駆動または高感度の振動検出などを可
能にした静電型変換手段の容量成分低減回路、および静
電型変換手段の駆動装置あるいは検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静電型変換手段は、各種分野に使用され
る。静電型変換手段のうちの圧電変換器である例えば圧
電振動子は、圧電トランスのように電気的にパワーを取
り出す装置、圧電モータまたは圧電アクチュエータなど
のように力学的にパワーを取り出す装置、圧電ジャイ
ロ、加速度センサ、超音波センサおよび赤外線センサな
どのように主に信号を取り出す装置、周波数源としての
発振素子などのように信号を作り出す装置、フィルター
などのように信号を選択する装置に使用される。同様
に、静電変換器も振動型ジャイロ、加速度センサ、超音
波センサあるいは赤外線センサなどに使用が可能であ
る。
【0003】図26以下は、静電型変換手段の一例であ
る圧電振動子の駆動の従来例を示している。図26
(A)は圧電振動子1を示し、図26(B)の等価回路
では、共振点付近で振動しているときの圧電振動子を符
号2で示している。ここで、Rm、Cm、Lmからなる
直列共振辺3は、圧電振動子2の共振を等価的に表して
いる。前記直列共振辺3を含む並列共振辺4内でのCd
は圧電振動子の制動容量成分である。図27は圧電振動
子2のアドミッタンスの周波数特性を示したものであ
り、faは共振点(共振周波数、直列共振点)、fbは
反共振点(反共振周波数、並列共振点)を示している。
【0004】圧電振動子を駆動する際、制動容量Cdに
流れる電流は圧電振動子の振動に寄与していない無効電
流である。この制動容量Cdに電流を供給しているため
に、駆動電源は圧電振動子を共振させるために必要な電
力に加え、制動容量Cdにて消費する電力を供給するこ
とになり、その分駆動電源の容量を大きくする必要があ
る。
【0005】図28は、圧電振動子を共振点faにて振
動させる際に、制動容量Cdに流れる電流を等価的に打
ち消すための従来の回路例を示している。この従来例で
は、インダクタンスLdを有するコイル6が圧電振動子
2に並列に接続されている。ここで、直列共振辺3のイ
ンピーダンスZmは数1で示される。
【0006】
【数1】
【0007】図28における交流駆動電源5は定電圧源
であり、圧電振動子2とコイル6にかかる電圧をVとす
ると、圧電振動子2とコイル6に流れ込む電流Iは数2
で示される。
【0008】
【数2】
【0009】数2より電流Iを最小にする条件は数3の
条件を満たすときで、そのとき電流Iは数4で示され
る。
【0010】
【数3】
【0011】
【数4】
【0012】よって、数3をインダクタンスLdについ
て展開した数5で示されるインダクタンスLdを有する
コイルを圧電振動子に並列に接続することで、圧電振動
子の制動容量Cdが等価的に打ち消される。
【0013】
【数5】
【0014】制動容量Cdに流れる電流が等価的に打ち
消されることにより、交流駆動電源5の電源容量をその
分低減することができる。また圧電振動子を共振状態に
て駆動するためには、交流駆動電源の駆動周波数は共振
点faまたは反共振点fbに近いことが必要である。し
かし、PZT系のセラミック振動子などでは外部環境の
温度変化や振動子自体の発熱により圧電振動子の弾性係
数などが変化し、共振周波数が変動する。また駆動電圧
によってもその共振周波数が変動することが知られてい
る。従って常に共振点faの付近で圧電振動子を駆動す
るためには、圧電振動子の共振周波数を検知してその周
波数で駆動する必要がある。そこで、最近の圧電モータ
等では圧電振動子の振動状態を検知する為のセンサを組
み込み、駆動電圧または駆動電流と前記センサの検出電
圧との位相差に基づいて圧電振動子の共振点の変動を追
尾し、常に共振周波数に近い周波数で駆動する共振点追
尾型の駆動装置も考えられている。
【0015】一方、振動型ジャイロスコープ等のように
センサとして圧電振動子を用いる場合においても制動容
量Cdの影響により、圧電振動子から得られる検出電圧
または検出電流は低減させられ、圧電振動子の振動を高
感度に検出できない問題がある。この問題に関しても圧
電振動子の駆動の場合と同様に、従来から圧電振動子に
並列にインダクタンスLdを接続して制動容量Cdを等
価的に打ち消すまたは低減することにより、検出感度の
向上を図っている。
【0016】さらに、フィルタの比帯域幅は圧電振動子
に固有な電気・機械結合係数にとって制限されるため、
比帯域幅を広げるため、インダクタンスLdを入力端子
に接続している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、制動容
量Cdを等価的に打ち消すインダクタンスLdは数5に
示すように(駆動周波数f)2×(制動容量Cd)に反
比例する。特に駆動周波数fに対しては2乗で効くた
め、温度変化等により共振周波数が変動した場合には、
駆動周波数と共振周波数との差が大きくなるに従い制動
容量Cdを等価的に打ち消す量は加速度的に減少する。
また一般的にインダクタンスLdは他の回路部品である
抵抗Rや静電容量Cに比べて形状が大きく回路の小型化
が難しい。また、等価的な打ち消し効果を上げるために
は圧電振動子に合わせてインダクタンスを可変して調整
する必要があるが、抵抗Rや静電容量Cに比べて可変す
ることには適していない。
【0018】さらに、共振点追尾型の駆動装置は、従来
の圧電モータの様に、圧電振動子の振動状態を検知する
センサを用いることで一部実現されているが、その他の
モータでは振動状態を最適に検知できるセンサが現状で
存在していないため、センサを用いずに駆動電圧やモー
タの温度等を検知して駆動周波数を変動させているが、
共振点を完全に追尾することは困難である。
【0019】また、振動型ジャイロスコープ等のように
センサとして圧電振動子を用いる場合、検出に用いられ
る圧電振動子の制動容量CdをインダクタンスLdを用
いて等価的に低減または無くすことができるが、等価的
に低減する効果は周波数の関数となるため駆動周波数の
影響を大きく受ける。さらに、前記のように、一般的に
インダクタンスは、他の電子部品に比べて調整が難しい
と同時に部品が大型となる。
【0020】また、フィルタとして圧電振動子を使用す
る場合、広帯域化を図るため、インダクタンスLdを入
出力端子に接続するが、インダクタンスは小型化が難し
いこととインダクタンスの効果が特定周波数のみでしか
有効とならないという制約がある。
【0021】なお、圧電振動子と同じ静電型変換手段の
一種である静電変換器は、狭い間隙を隔てて向かい合う
平面電極を有するものである。この電極間に電圧を与え
ると前記間隙が変化するように動作し、逆に前記間隙が
変化するような外力を与えると電極間の電圧が変化す
る。この静電変換器の駆動および動作検知での等価回路
は、圧電振動子と同じである。したがって、この静電変
換器においてもその容量成分が駆動電力を消費し、また
検知装置では容量成分が検出感度を低下させるという圧
電振動子と全く同じ問題点が存在する。
【0022】本発明は上記課題を解決するものであり、
インダクタンスを用いることなく静電型変換手段の容量
成分にかかる電力を低減させさらには打ち消すことがで
きる容量成分低減回路を提供し、さらに静電型変換手段
を省電力にて駆動する駆動装置、ならびに静電型変換手
段の振動を高感度にて検出する検出装置を提供すること
を目的としている。
【0023】また、本発明は、温度変化や駆動電圧の変
化などにより静電型変換手段の共振周波数が変動した場
合に、常にこの共振周波数を追尾して駆動できるように
した駆動装置を提供することを目的としている。
【0024】さらに、本発明は静電型変換手段を含む自
励発振回路を構成して、静電型変換手段を共振周波数ま
たは反共振周波数にて駆動できるようにしたことを目的
としている。
【0025】
【発明を解決するための手段】本発明の容量成分低減回
路は、静電型変換手段の一方の側の電圧を増幅する増幅
器が設けられ、この増幅器の増幅出力端から静電容量を
経て静電型変換手段の前記一方の側に接続される経路が
設けられて、静電型変換手段の容量成分が低減されるこ
とを特徴とするものである。
【0026】上記静電型変換手段は、例えば電気歪み変
換器である圧電振動子、または平面電極が微小な隙間を
隔てて対向する静電変換器などである。前記容量成分
は、圧電振動子の場合には制動容量であり、静電変換器
の場合は対向電極間の容量成分である。
【0027】上記において、静電容量が、静電型変換手
段の容量成分のほぼ1/Nであるときに、増幅器の増幅
度がほぼ(N+1)倍であることが好ましい。
【0028】この場合、静電型変換手段の一方の側の電
圧をVとすると、増幅器の出力端の電圧すなわち、互い
に直列となる静電型変換手段および静電容量にかかる電
圧がV(N+1)となる。
【0029】また、静電型変換手段が圧電振動子である
場合に、静電容量を、この圧電振動子を構成する材料と
同一の材料により形成することが可能である。
【0030】本発明の駆動装置は、静電型変換手段に駆
動電力を供給する経路と、前記容量成分低減回路とを含
み、この容量成分低減回路の増幅器が、前記経路にて静
電型変換手段に与えられる駆動電力を増幅する位置に設
けられていることを特徴とするものである。
【0031】この場合の回路構成例では、まず図1に示
すように、静電型変換手段の一端Cに駆動電力が与えら
れ、さらに前記一端Cから、増幅器7および静電容量C
sを経て前記一端Cに戻るループ回路が構成される。あ
るいは、図21に示すように、静電型変換手段の一端
C′に駆動電力が与えられる経路と、増幅器7と静電容
量Csを経て一端C′に至る経路とが並列に配置され
る。図1と図21に示す回路は実質的に同じである。た
だし、図1に示すようなループ回路が構成されている
と、使用周波数が高く且つ増幅器7の増幅率が高くなっ
た場合に発振が生じるおそれがある。そこで図22に示
すように、静電型変換手段に駆動電力を供給する経路
と、増幅器および静電容量を有する経路とが、駆動電力
の供給側と静電型変換手段との間で並列に設けられてい
る場合に、静電型変換手段に駆動電力を供給する前記経
路に、電圧保持手段が設けられている構成とすることが
好ましい。
【0032】さらに、静電型変換手段に流れる電流位相
を検出する電流位相検出手段と、前記電流位相検出手段
で検出した電流位相と静電型変換手段に与えられる駆動
電力の電圧位相とを比較する位相比較器と、位相比較器
の高周波成分を除去するフィルタと、このフィルタを経
た出力電圧に基づいて発振周波数が可変制御される電圧
制御発振器とが設けられ、この電圧制御発振器の発振周
波数に基づく駆動電力が与えられて静電型変換手段が共
振周波数にて駆動されるものとすることができる。
【0033】上記において、静電型変換手段は圧電振動
子である場合に、位相比較器により比較される電流位相
と電圧位相との位相差が0となるように電圧制御発振器
の発振周波数が可変制御されるものとなる。
【0034】次に本発明の検出装置は、外力にて振動さ
せられる静電型変換手段から電気出力を得る検出装置で
あって、前記容量成分低減回路が設けられていることを
特徴とするものである。
【0035】さらに、本発明の駆動装置は、静電型変換
手段の容量成分と抵抗成分を含む周波数選択回路と、こ
の周波数選択回路を正帰還ループに配された増幅器とを
有して、前記周波数選択回路で決定される周波数により
自励発振することを特徴とするものである。
【0036】上記において、周波数選択回路は、増幅器
の正帰還ループ内にて互いに直列に接続された第1の抵
抗と第1の容量と、互いに並列に接続されて前記増幅器
の非反転入力側に接続された第2の抵抗と第2の容量と
から構成され、第1の抵抗と第1の容量、または第2の
抵抗と第2の容量が、静電型変換手段の容量成分と抵抗
成分とされているものとして構成できる。
【0037】具体的には、図9に示すように、増幅器の
正帰還ループ内に第1の容量と第1の抵抗とが互いに直
列に接続され、増幅器の非反転入力側に圧電振動子また
は静電変換器などの静電型変換手段が接続され、前記第
1の容量と第1の抵抗および、共振点付近にて駆動状態
となる静電型変換手段の容量成分と抵抗成分とで決定さ
れる周波数にて、自励発振する構造となる。あるいは、
図11に示すように、増幅器の正帰還ループに静電型変
換手段が接続され、さらに互いに並列な第2の容量と第
2の抵抗とが、増幅器の非反転入力側に接続され、反共
振点付近で駆動状態となる静電型変換手段の容量成分と
抵抗成分および第2の容量と第2の抵抗とで決定される
周波数にて自励発振する構造となる。
【0038】さらに、図9と図11にてC′およびR′
にて示すように、静電型変換手段に容量成分と抵抗成分
とが接続されている構造が好ましい。
【0039】また、上記において、好ましくは、増幅器
の負帰還ループに、増幅器の増幅率を決定する抵抗を有
する振幅安定化回路が設けられたものとなる。
【0040】
【作用】本発明の容量成分低減回路では、圧電振動子な
どの静電型変換手段の一方の側に与えられる電圧または
この一方の側に生じる電圧を増幅器により増幅し、この
増幅された電圧が静電型変換手段に直列に接続された静
電容量にかかるものとなる。よって静電容量に流れる電
流により、静電型変換手段の容量成分例えば圧電振動子
の制動容量が打ち消され、静電型変換手段の容量成分の
働きを低減させることができる。
【0041】上記において、静電容量が、静電型変換手
段の容量成分のほぼ1/Nであるときに、増幅器の増幅
度をほぼ(N+1)倍にすると、すなわち、静電型変換
手段の一方の側に与えられる電圧または一方の側に生じ
る電圧をVとしたときに、静電型変換手段および静電容
量にかかる電圧をV(N+1)にすると、静電型変換手
段の容量成分がほぼ完全に打ち消されるものとなる。た
だし、静電容量がこの値に厳密に一致していなくても容
量成分の低減効果を発揮できる。
【0042】静電型変換手段が圧電振動子の場合には、
静電容量を圧電振動子と同じ材料により形成でき、この
場合には温度などの環境に対して圧電振動子と静電容量
とが同等なものとなり、より効果的な容量成分の低減が
可能になる。
【0043】本発明の駆動装置では、圧電振動子などの
静電型変換手段の一方の側(一方の電極)に交流駆動電
力が与えられるが、この駆動電力を与えるのとは別の経
路で、前記駆動電力が増幅器にて増幅され、この増幅電
圧が前記一方の側に接続された静電容量にかかるものと
なっている。この容量成分低減回路により、静電型変換
手段の容量成分が低減されまたは打ち消され、よって容
量成分での電力消費がなくなり、省電力駆動が可能にな
る。
【0044】また、静電型変換手段に駆動電力を供給す
る経路と、増幅器および静電容量を有する経路とが、駆
動電力の供給側と静電型変換手段との間で並列に設けら
れている場合において、静電型変換手段に駆動電力を供
給する前記経路に、電圧フォロワなどの電圧保持手段を
設けると、発振の生じない安定した駆動が可能になる。
【0045】さらに静電型変換手段に与えられる駆動電
圧の位相と、静電型変換手段に流れる電流の位相とを比
較して、電圧の電流の位相差、例えば圧電振動子の場合
に位相差が0となるように、駆動電力の周波数を可変制
御することにより、常に静電型変換手段が共振周波数ま
たは反共振周波数で駆動されるようになる。よって、温
度や駆動電圧などの変動により、静電型変換手段の共振
周波数または反共振周波数が変動した場合であっても、
駆動電力は常にこの周波数の変動を追尾するものとな
る。
【0046】さらに、本発明の静電型変換手段の駆動装
置は、増幅器(オペアンプ)と、この増幅器の正帰還ル
ープ(正帰還経路)に周波数選択回路を設け、この周波
数選択回路に、静電型変換手段の容量成分と抵抗成分、
さらに詳しくは共振状態(直列共振)または反共振状態
(並列共振)となった静電型変換手段の容量成分と抵抗
成分を含ませることにより、静電型変換手段の共振点ま
たは反共振点付近で自励発振させるものとして構成でき
る。
【0047】この駆動装置は、ウイーンブリッジ発振回
路の原理を使用したものである。この発振回路での、周
波数選択回路は、例えば互いに直列に接続されて増幅器
の正帰還ループ内に含まれる第1の容量と第1の抵抗
と、互い並列に接続されて増幅器の非反転入力側に接続
される第2の容量と第2の抵抗とで構成できる。ここ
で、第1の容量と第1の抵抗、あるいは第2の容量と第
2の抵抗を、共振点付近または反共振点付近で駆動され
る静電型変換手段に置き換えることにより、静電型変換
手段の容量成分と抵抗成分を決定要素とした周波数によ
る自励発振回路を構成できる。
【0048】また、上記の周波数選択回路では、第1と
第2のそれぞれの容量がハイパスフィルタとローパスフ
ィルタとして機能して、増幅器の入出力間でのバンドパ
スフィルタが構成されて自励発振の周波数が決められ
る。ここで、圧電振動子などの静電型変換手段の共振周
波数または反共振周波数と、前記周波数選択回路で決め
られる自励発振の周波数に差が生じることがある。従っ
て、図9または図11に示すように、静電型変換手段に
付加容量C′と付加抵抗R′を並列または直列に接続
し、この付加容量と付加抵抗とで、前記ローパスフィル
タとハイパスフィルタのカットオフ周波数を調整する
と、静電型変換手段の共振周波数または反共振周波数に
て、自励発振が行われるようになる。
【0049】さらに、増幅器の負帰還ループに、増幅率
を設定する抵抗を設けることにより、自励発振の振幅を
安定させることが可能になる。
【0050】
【実施例】本発明での静電型変換手段としては、圧電振
動子、または平面電極が対向した静電変換器を例示でき
るが、以下の実施例では、まず圧電振動子を一例として
説明する。図1は圧電振動子の駆動装置に関わる実施例
である。
【0051】圧電振動子2(共振点付近で振動している
状態での等価回路で示している)の電極はアースに接続
され、一方の電極(本発明での一方の側)は交流駆動電
源5に接続されている。また、前記一方の電極には、こ
の電極にかかる電圧すなわち交流駆動電源5にて供給さ
れる駆動電力の電圧を(N+1)倍のゲインにて増幅す
る増幅器7が接続されている。この増幅器7の増幅出力
端には静電容量Csが直列に接続され、この静電容量C
sは前記一方の電極にて圧電振動子2に直列に接続され
ており、C点において、これら増幅器及びCsを有する
ループ回路(容量成分低減回路)8が接続されている。
静電容量Csの容量値は、圧電振動子2の制動容量Cd
のほぼ(1/N)である。このループ回路8が本発明の
容量成分(制動容量)低減回路となる。
【0052】図1において、交流駆動電源5からの供給
電流をi、静電容量Csを流れる電流をi1、圧電振動
子2の直列共振辺3のインピーダンスをZmとし、そこ
に流れる電流をi2、制動容量Cdに流れる電流をi3、
増幅器7に流れる電流をi4とする。
【0053】C点には交流駆動電源5からの駆動電圧V
がかかるため、増幅器7によりD点の電位は(N+1)
Vとなる。よって、D点−C点間にはN・Vの電圧がか
かる。D点−C点間のインピーダンスは1/(jωC
s)であるからi1は数6で表せる。ただしωは角周波
数である。
【0054】
【数6】
【0055】同様にi2、i3は数7、数8で表せる。
【0056】
【数7】
【0057】
【数8】
【0058】i4は極めて微小な電流の為、これを無視
するとiは数9で表される。
【0059】
【数9】
【0060】数6、数7、数8を数9に代入すると数1
0となる。
【0061】
【数10】
【0062】ここで、数11が成立するとき、
【0063】
【数11】
【0064】iは数7の右辺と等しくなり、iはi2と
等しくなる。すなわち交流駆動電源5からの供給電流
は、直列共振辺3のインピーダンスZmに流れる量のみ
で、振動に寄与しない制動容量Cdの分は供給されない
ことになる。
【0065】圧電振動子の制動容量Cd成分が等価的に
打ち消されたため、この状態の圧電振動子の等価回路は
図2に表されるような直列共振辺3のみの回路とな
る。このときの交流駆動電源5からの供給電流iのゲイ
ン特性は数12となり、共振点faは数13、位相特性
は数14となる。図3(A)はこのときの供給電流iの
ゲインの周波数特性を示し、図3(B)は供給電流iの
位相の周波数特性を示している。
【0066】
【数12】
【0067】
【数13】
【0068】
【数14】
【0069】制動容量Cdに流れる電流を打ち消す条件
は数11、すなわち静電容量Csが制動容量Cdの(1
/N)となることである。この条件は静電容量Csと増
幅器7のゲインNの関数で与えられ、交流駆動電源5の
駆動周波数の関数とはならない。そのため、制動容量C
dを打ち消すための条件に周波数依存性はない。また制
動容量Cdを打ち消すための静電容量Csの調整は、バ
リキャップまたはトリマータイプの可変静電容量を使用
しても、インダクタンスLの調整よりははるかに容易で
小型化が実現できるものとなる。ただし、静電容量Cs
を固定してゲインNを可変抵抗で調整しても同様の効果
が得られるため、より一層の小型化が図れる。また、接
続する静電容量Csおよび増幅器7のゲインが数11に
示す条件に完全に一致しなくても制動容量Cdの影響を
低減する効果があることはもちろんである。
【0070】また、静電容量Csは圧電振動子2を構成
する材料と同一であってもよい。また圧電振動子を構成
する材料の一部分を分極を施さないものとし、この部分
を静電容量Csとして使用してもよい。このように、同
一の材料の一部を分極を施して圧電振動子として機能さ
せ、他の一部を分極を施さない静電容量Csとして機能
させることにより、静電容量Csとなる素子を特別に設
ける必要がなくなる。これにより、コストを削減できる
だけでなく、部品点数を減らし、装置の小型化に対応す
ることが可能となる。また、増幅器7は電圧を増幅する
手段であればよく、トランジスタ、オペアンプ、トラン
スなどで構成される。
【0071】図5と図7は従来の回路と本発明の実施例
での実験結果を示している。図8は実験に用いた圧電振
動子の積層体10を示している。図8においてガラス基
板14の一方の面には、電極13、圧電材料12、およ
び駆動電極11が積層されており、他方の面には同じ
く、電極15、圧電材料16および検出電極17が積層
されている。圧電材料12および16の誘電分極方向は
図8において矢印で示す方向である。
【0072】図5は本発明に係わるループ回路8(容量
成分低減回路)を接続しない従来の回路を用いた実験結
果を示している。図4は従来の回路を用いた実験回路で
あり、図5は図4における電流計9より検出された出力
を示している。図4では圧電振動子2の電極はアースに
接続され、一方の電極は交流駆動電源5に接続され、電
流計9は圧電振動子2と交流駆動電源5の間に接続され
ている。実験に用いた圧電振動子2は図8の積層体10
であり、この積層体10の駆動電極11を図4の実験回
路の端子Aへ、電極13を端子Bへそれぞれ接続した。
【0073】図5は横軸に交流駆動電源5から与えられ
る駆動電力の周波数を示し、縦軸に交流駆動電源5から
の供給電流iのゲインを(dB)で、同じく供給電流i
の位相θを(deg)で示している。出力Xはゲイン特
性を示し、共振点faで最大、反共振点fbで最小とな
っている。出力Yは位相特性を示し、共振点faおよび
反共振点fb付近以外の周波数において、制動容量Cd
の影響で、供給電流iは駆動電圧位相より90度の進み
位相となっている。
【0074】図7は本発明に係わるループ回路8(容量
成分低減回路)を接続した本発明の回路での実験結果を
示している。図6は実験回路であり、図7は図6におけ
る電流計9より検出された出力を示している。図6で
は、圧電振動子2の電極がアースに接続され、一方の電
極は交流駆動電源5に接続され、端子Aから圧電振動子
2に駆動電力が与えられる。容量成分低減回路であるル
ープ回路8では前記駆動電力の供給経路において端子A
での電圧が増幅器7により(N+1)倍に増幅される。
増幅器7の増幅出力端には静電容量Csが直列に接続さ
れ、さらに静電容量Csは端子Aに接続されている。静
電容量Csは、制動容量Cdのほぼ(1/N)とした。
【0075】電流計9は圧電振動子2と交流駆動電源5
の間に接続されている。実験に用いた圧電振動子2は図
8の積層体10であり、この積層体10の駆動電極11
を図6の実験回路の端子Aへ、電極13を端子Bへそれ
ぞれ接続した。図6に示す実施例では、増幅器7がオペ
アンプであり、電圧増幅の利得を設定する抵抗R3、R
4を含む負帰還回路ブロック19、および静電容量Cs
からなる正帰還回路ブロック18で構成した。各パラメ
ータ(R3、R4、Cs)を数15、数16に示すよう
に設定した。
【0076】
【数15】
【0077】
【数16】
【0078】図7は横軸に周波数を示し、縦軸に交流駆
動電源5からの供給電流iのゲインを(dB)で、同じ
く供給電流iの位相θを(deg)で示している。出力
Xはゲイン特性を示すが、制動容量Cdが等価的にキャ
ンセルされており、共振点faでゲインが最大となる特
性となっている。また、出力Yは位相特性を示すが、共
振点faで位相がぼぼ0度となり、その周波数を境に電
流位相は駆動電圧位相に対して約90度の進み位相から
約90度の遅れ位相に変化していることがわかる。
【0079】前記、図5と図7の出力特性を比較する
と、図6のループ回路8(容量成分低減回路)を付加し
たことによる作用で、制動容量Cdの成分を等価的に打
ち消すことができ、交流駆動電源5から制動容量Cdに
加わる電力の分だけ、駆動電力を低減できたことを確認
することができる。
【0080】図9と図11は、自励発振回路20を構成
した本発明の圧電振動子の駆動装置の実施例を示してい
る。図9の実施例において、増幅器27はオペアンプで
あり、電圧増幅の利得を設定する抵抗R3,R4を有す
る負帰還回路ブロック23、および静電容量Csと抵抗
R1と圧電振動子1とで構成される正帰還回路ブロック
22が接続されている。
【0081】正帰還回路ブロック22は周波数選択回路
であり、静電容量Csと抵抗R1とが互いに直列に接続
され、この直列に接続されたものが増幅器27の正帰還
経路(正帰還ループ)22a内、すなわち増幅器27の
出力側と非反転入力側をむすぶ経路内に接続されてい
る。また、圧電振動子1の一方の電極が増幅器27の非
反転入力側に接続され、他方の電極はアース接続されて
いる。負帰還回路ブロック23は、電圧増幅の利得を設
定する振幅安定化回路であり、抵抗R3を介して増幅器
27の反転側入力端子に接続される負帰還経路(負帰還
ループ)23aが設けられ、また抵抗R4は増幅器27
の反転入力側とアース間に接続されている。
【0082】図10(A)は圧電振動子を共振点fa付
近で駆動させたときの等価回路である。共振点faで
は、LmとCmが直列共振となり図10(B)と等価と
なる。図10(B)の等価回路の共振点faは数17で
求められる。
【0083】
【数17】
【0084】一方、図9の回路(ここでは付加抵抗R′
と付加容量C′が設けられていない回路を想定する)に
おいて、圧電振動子1を図10(B)の直列共振での等
価回路に置き換えて回路解析を行った結果を以下に示
す。増幅器27の非反転入力端子の電圧をei、反転入
力端子の電圧をei′、出力電圧をeoとおくと、数1
8、数19の関係となる。
【0085】
【数18】
【0086】
【数19】
【0087】増幅器(オペアンプ)27の増幅度が十分
に大きいとすると、数20の関係が成り立つ。数20に
数18、数19を代入すると数21となる。
【0088】
【数20】
【0089】
【数21】
【0090】数21より、圧電振動子1の駆動回路20
の発振条件は、振幅条件が数22、周波数条件が数23
となる。
【0091】
【数22】
【0092】
【数23】
【0093】ここで上記振幅条件および周波数条件を満
足する各パラメータ(R1,R3,R4,Cs)を選ぶ
ことにより、この回路20は圧電振動子の共振点faで
発振する自励発振回路となる。
【0094】すなわち、この自励発振回路は、ウイーン
ブリッジ発振回路の原理を使用したものである。ウイー
ンブリッジ発振回路は、増幅器(オペアンプ)27に正
帰還をかけることにより発振を生じさせるものである
が、この自励発振周波数は、周波数選択回路である正帰
還回路ブロック22により決められる。正帰還回路ブロ
ック22(周波数選択回路)では、第1の容量Csと第
1の抵抗R1が正帰還ループ内にて直列に接続され、ま
た図10(B)に示した等価回路となる圧電振動子1の
制動容量Cdが第2の容量で、Rmが第2の抵抗とな
る。これらは互いに並列であり、増幅器27の非反転入
力側に接続されるものとなる。周波数選択回路では、第
1の容量(静電容量)Csがハイパスフィルタとして働
き、第2の容量(制動容量)Cdがローパスフィルタと
して働く。増幅器27の正帰還経路でのこのハイパスフ
ィルタとローパスフィルタとで形成されるバンドパスフ
ィルタにより自励発振の周波数が決められる。
【0095】なお、負帰還回路ブロック23は、増幅器
27の電圧増幅の利得を十分に高く設定して、自励発振
の振幅安定化回路として機能するものとなる。ここで、
圧電振動子1の共振周波数は数17にて決められ、これ
は圧電振動子1のモーショナル時のインダクタンス成分
Lmと容量成分Cmにて決められる。この共振周波数
と、前記周波数選択回路にて決められる自励発振周波数
が、必ずしも一致しない場合がある。
【0096】この場合には、図9に示すように圧電振動
子1に、並列な付加容量C′と付加抵抗R′を設け、そ
れぞれの容量値と抵抗値を調整しまたは選択することが
好ましい。この場合、付加容量C′が前記ローパスフィ
ルタのカットオフ(遮断)周波数を調整するように働
き、付加抵抗R′が前記ハイパスフィルタのカットオフ
周波数を調整するように働く。その結果、自励発振回路
20の自励発振周波数と、圧電振動子1の共振周波数を
一致させまたは近似させるように補正することができ
る。したがって付加容量C′と付加抵抗R′を可変自在
な素子により構成し、および/または静電容量Csと抵
抗R1を可変自在な素子により構成することが好まし
い。
【0097】次に、図11の実施例では、増幅器37は
オペアンプであり、電圧増幅の利得を設定する抵抗R
3,R4を含む負帰還回路ブロック33、および静電容
量Csと抵抗R2と圧電振動子1とで構成される正帰還
回路ブロック32が接続されている。正帰還回路ブロッ
ク32は周波数選択回路であり、圧電振動子1を含む正
帰還経路(正帰還ループ)32aが構成されており、す
なわち増幅器37の出力側と非反転入力側をむすぶ経路
が構成てれ、この経路内に圧電振動子1が接続されてい
る。静電容量Csと抵抗R2は互いに並列に接続され且
つ増幅器37の非反転入力側とアース間に接続されてい
る。負帰還回路ブロック33は電圧増幅利得を十分に高
くして振幅安定化を図るものであり、抵抗R3を介して
増幅器37の反転入力端子に接続される負帰還経路33
aが構成されている。また抵抗R4は、増幅器37の反
転入力側とアース間に接続されている。
【0098】図12(A)は圧電振動子1を反共振点f
b付近で駆動させたときの等価回路である。反共振点f
bでは、Lm′とCm′が並列共振となり、図12
(B)と等価となる。図12(B)の等価回路の反共振
点fbは数24で求められる。
【0099】
【数24】
【0100】図11の回路(ここでは付加容量C′と付
加抵抗R′が設けられていない回路を想定する)におい
て、圧電振動子1を図12(B)の並列共振での等価回
路に置き換えて回路解析を行った結果を以下に示す。増
幅器37の非反転入力端子の電圧をei、反転入力端子
の電圧をei′、出力電圧をeoとおくと、数25、数
26の関係となる。
【0101】
【数25】
【0102】
【数26】
【0103】増幅器(オペアンプ)37の増幅度が十分
に大きいとすると、数27の関係が成り立つ。数27に
数25、数26を代入すると数28となる。
【0104】
【数27】
【0105】
【数28】
【0106】数28より、圧電振動子1を含む自励発振
回路30の発振条件は振幅条件が数29、周波数条件は
数30となる。
【0107】
【数29】
【0108】
【数30】
【0109】ここで振幅条件および周波数条件を満足す
る各パラメータ(R2,R3,R4,Cs)を選ぶ事に
より、この回路は圧電振動子の反共振点fbで発振する
自励発振回路となる。
【0110】図11に示す自励発振回路の原理は、ウイ
ーンブリッジ発振回路であり、図9に示したものと同じ
である。図11にて圧電振動子1を図12(B)の等価
回路におきかえたとき、第1の容量はCd′、第1の抵
抗はRm′、第2の容量はCs、第2の抵抗はR2であ
る。この回路では、反共振点付近で動作している圧電振
動子1の制動容量Cd′がハイパスフィルタとして働
き、静電容量Csがローパスフィルタとして働く。
【0111】ここで、圧電振動子の反共振周波数は数2
4で決められるが、この反共振周波数と、自励発振回路
30での自励発振周波数が必ずしも一致しない場合があ
る。この場合には、図11に示すように、圧電振動子1
に付加容量C′と付加抵抗R′を接続することが好まし
い。この場合には、付加容量C′がハイパスフィルタの
通過周波数を補正する機能を発揮し、付加抵抗R′がロ
ーパスフィルタの通過周波数を補正する機能を発揮す
る。これにより、自励発振回路30の自励発振周波数
を、圧電振動子1の反共振周波数に一致させ、または近
似させることができるものとなる。この実施例において
も、付加容量C′と付加抵抗R′および/または静電容
量Csと抵抗R2を可変可能な素子で構成することが好
ましい。
【0112】また、図11において付加容量C′と付加
抵抗R′を圧電振動子1と並列に接続し、図9において
付加容量C′と付加抵抗R′を圧電振動子1に直列に接
続してもよい。なお、図9と図11において、付加容量
C′と付加抵抗R′のいずれか一方のみ設ける構造であ
ってもよい。すなわちハイパスフィルタとローパスフィ
ルタのいずれかのみを調整することによっても、圧電振
動子の共振周波数または反共振周波数を、自励発振周波
数に近似させる点で効果がある。
【0113】図9と図11に示す2つの実施例では、制
動容量Cd(またはCd′)の静電容量Csによる容量
低減回路の応用として圧電振動子を用いた自励発振回路
を構成している。静電容量Csは圧電振動子1を構成す
る材料と同一であってもよい。または圧電振動子を構成
する材料の一部に分極を施さず、この部分を静電容量C
sとして用いてもよい。ここで、増幅器27、37は電
圧を増幅する手段であればよく、トランジスタ、オペア
ンプ、トランスなどで構成される。
【0114】図13は、圧電振動子の共振点を追尾して
駆動する駆動装置の実施例を示している。圧電振動子2
の電極はアースに接続され、一方の電極(一方の側)に
駆動電圧Vが印加される。前記一方の電極では駆動電圧
が供給されるC点にて(N+1)倍のゲインを持った増
幅器7が接続されている。この増幅器7の増幅出力端に
直列に接続された静電容量Csが前記C点に接続されて
ループ回路8(容量成分低減回路)が構成されている。
この点は、図1に示した実施例と同じである。
【0115】図13において、圧電振動子2への供給電
流をi、静電容量Csを流れる電流をi1、圧電振動子
2の直列共振辺3のインピーダンスをZmとし、そこに
流れる電流をi2、制動容量Cdに流れる電流をi3、増
幅器7に流れる電流をi4とおく。
【0116】C点に電圧Vがかかったとき、増幅器7に
よりD点の電圧は(N+1)Vとなるため、D点−C点
間にはN・Vの電圧がかかる。D点−C点間のインピー
ダンスは1/(jωCs)であるからi1は数31で表
せる。
【0117】
【数31】
【0118】同様にi2、i3は数32、数33で表せ
る。
【0119】
【数32】
【0120】
【数33】
【0121】i4は極めて微小な電流の為、これを無視
するとiは数34で表される。
【0122】
【数34】
【0123】数31、数32、数33を数34に代入す
ると数35となる。
【0124】
【数35】
【0125】ここで、数36が成立するとき、
【0126】
【数36】
【0127】iは数32の右辺と等しくなり、iはi2
と等しくなる。すなわち圧電振動子2への供給電流は、
直列共振辺3のインピーダンスZmに流れる量のみで、
振動に寄与しない制動容量Cdの分は供給しない。この
ときの供給電流iのゲイン特性は数37となり、共振点
faは数38、位相特性は数39となる。図14(A)
は供給電流iのゲインの周波数特性であり、図14
(B)は供給電流iの位相の周波数特性である。
【0128】
【数37】
【0129】
【数38】
【0130】
【数39】
【0131】図14(B)より共振点faにおいては、
圧電振動子2への供給電流の位相と圧電振動子2の一方
の電極に印加される駆動電圧の位相の位相差は0度であ
る。図13に示す実施例は、ここに着眼してなされたも
のであり、この位相差を検出することによって、共振点
を追尾する圧電振動子の駆動装置を実現するものであ
る。
【0132】図13において、圧電振動子2を駆動する
交流電源部は、電流位相検出手段、波形整形手段A、波
形整形手段B、位相比較器、ループフィルタ、電圧制御
発振器(VCO)、電力増幅器により構成される。
【0133】交流電源部から圧電振動子2の一方の電極
に与えられる電流位相が電流位相検出手段により検出さ
れ波形整形手段Aにて波形整形された出力をφ1とし、
圧電振動子2に印加される電圧位相が波形整形手段Bに
より波形整形された出力をφ2とする。両波形整形出力
は位相比較器に入力され、φ1とφ2の位相誤差が検出
される。位相比較器からの位相誤差出力は、ループフィ
ルタ(ローパスフィルタ)を経て高周波成分が除去さ
れ、位相誤差電圧Vpが得られる。この位相誤差電圧V
pがVCOに入力されてVpに応じた周波数の出力が得
られる。このVCOの出力が電力増幅器にて電力増幅さ
れ、前記電流位相検出手段を通して圧電振動子2に印加
される。
【0134】ここで位相比較器、ループフィルタ、VC
Oにより、出力(電流位相)φ1の位相が出力(電圧位
相)φ2より進んでいるときにはVCOの発振周波数が
高くなるように働き、逆に出力(電圧位相)φ2の位相
が出力(電流位相)φ1の位相より進んでいるときには
VCOの発振周波数が低くなるように働き、φ1の位相
とφ2の位相が等しいときすなわち電流位相と電圧位相
の位相差が0度のとき、発振周波数は固定される。図1
4(B)に示すように電流出力φ1の位相と、電圧出力
φ2の位相が等しいとき、圧電振動子2は共振点で駆動
されることになる。外部環境などの影響で圧電振動子の
共振周波数点が低下したときには、φ2がφ1に対して
進み位相となりVCOの周波数は低く可変制御され、共
振点を追尾することができる。逆に共振周波数が高くな
った場合もφ1がφ2より進み位相となりVCOの周波
数が高くなり、共振点を追尾することができる。
【0135】図13に示す駆動装置では、従来例のよう
に共振周波数を検出する為のセンサを使用する必要がな
く、圧電振動子の駆動周波数を圧電振動子の共振周波数
に固定することができる。特にセンサを追加すること
が、コストパフォーマンス上またはスペース上の点で不
可能なときは非常に有効である。また、発熱などで圧電
振動子の共振点が変化しても、自動的に共振周波数を追
尾できる。また本発明の回路はすべての圧電振動子に適
用できるため、圧電モータ,圧電トランス,圧電ジャイ
ロの駆動回路に採用することにより温度変化等の影響に
より圧電振動子の共振周波数が変化しても常に共振周波
数を追尾できる。
【0136】すなわち図13に示す駆動装置では、ルー
プ回路8(容量成分低減回路)を設けることにより、圧
電振動子2での制動容量Cd成分による電力消費をなく
すことができ、しかも圧電振動子2の共振を追尾した駆
動ができるものとなる。ここで、静電容量Csは圧電振
動子2を構成する材料と同一であってもよく、また圧電
振動子2を構成する材料の一部を分極を施され部分と
し、この部分を静電容量Csとして使用することができ
る。増幅器7は電圧を増幅する手段であればよく、トラ
ンジスタ、オペアンプ、トランスなどで構成される。
【0137】図15は本発明の検出装置の実施例を示し
ている。図15の等価回路で示される圧電振動子50
は、圧電振動子が外部応力を受けると電圧が発生する様
子を電気回路的に表現したものであり、例えば振動形ジ
ャイロスコープにおいてコリオリ力により圧電振動子に
与えられる振動が検出される場合の検出装置としての等
価回路である。等価回路におけるF部は機械的応力の発
生を示し、これが等価的なトランスで電気的な信号に変
換される。E部におけるCd2は、圧電材料の誘電体と
しての容量成分である制動容量を表している。
【0138】圧電振動子50の電極はアースに接続さ
れ、一方の電極(一方の側)には(N+1)倍のゲイン
を持った増幅器57と静電容量Cs2とが直列に接続さ
れ、図1に示したのと同様のループ回路58(容量成分
低減回路)が構成されている。すなわちこの検出装置で
は、容量成分低減回路を構成する増幅器57が、圧電振
動子50の一方の電極(一方の側)であるG点に発生す
る電圧を増幅するものとなっている。
【0139】図15において、外部応力による発生電流
をi10、静電容量Cs2を流れる電流をi11、制動容量
Cd2に流れる電流をi13、出力として取り出す電流を
i12とする。なお、増幅器57への入力電流i14は極め
て微小なためこれを無視する。
【0140】圧電振動子50の一方の電極であるG点に
発生する電圧をVとすると、H点の電圧は(N+1)V
であり、H点−G点間にはN・Vの電圧がかかる。H点
−G点間のインピーダンスは1/(jωCs2)である
から、i11は数40で表される。
【0141】
【数40】
【0142】制動容量Cd2には電圧Vがかかるため、
i13は数41で表される。
【0143】
【数41】
【0144】数42の関係のCs2を設定すると数43
の関係となる。
【0145】
【数42】
【0146】
【数43】
【0147】ここで、G点においては数44の関係があ
り、これに数43を代入すると、数45の関係となる。
【0148】
【数44】
【0149】
【数45】
【0150】このように、静電容量Cs2が制動容量C
d2の(1/N)であると、制動容量Cd2には、ループ
回路58からの電流が供給されることになり、外部応力
により発生した電荷による発生電流i10は制動容量Cd
2に供給されずに外部にすべて取り出せることになる。
この状態を表現したものが図16における等価回路51
であり、制動容量Cd2がある場合と比較すると、出力
インピーダンスZが大きくなり、センサとしての出力感
度が向上することがわかる。
【0151】この検出装置では、制動容量Cd2に流れ
る電流i13を打ち消す条件は数42であり、静電容量C
s2と増幅器57のゲインのNの関数で与えられるもの
であって、検出電圧の周波数の関数とはならない。した
がって、周波数依存性はない。また制動容量Cd2を打
ち消すための静電容量Cs2の調整はバリキャップまた
はトリマータイプの可変静電容量を使用することにより
可能であり、インダクタンスLの調整よりははるかに容
易で、また回路の小型化が実現できる。または、静電容
量Cs2を固定して、増幅器57のゲインNを可変抵抗
で調整しても同様の効果が得られるため、より一層の小
型化が図れる。
【0152】なお、接続する静電容量Cs2が数42の
条件に完全に一致しなくても制動容量Cd2の影響を低
減する効果があることは言うまでもない。さらに、静電
容量Cs2は圧電振動子を構成する材料と同一であって
もよい。または振動型ジャイロスコープなどにおいて、
検出部に設けられる圧電振動子を構成する圧電材料の一
部にのみ分極を施さず、この部分を前記静電容量Cs2
として使用することが可能である。または圧電振動子の
圧電材料の全体に分極が施されている場合に、この圧電
材料のうちの振動が与えられない部分を静電容量Cs2
として使用することも可能である。また、増幅器57は
電圧を増幅する手段であればよく、トランジスタ、オペ
アンプ、トランスなどで構成される。
【0153】図18と図20は、図15に示した本発明
の検出装置に関する実験結果を示している。実験に用い
たのは図8に示す積層体10である。図18は、本発明
のループ回路58(容量成分低減回路)を接続しない従
来の検出装置を用いた実験結果を示している。実験装置
では、図8の積層体10の駆動電極11、電極13、検
出電極17、電極15をそれぞれ図17の実験回路の端
子A、端子B、端子C、端子Dへ接続した。図17に示
す端子Bと端子Dは接地されている。交流駆動電源5に
より、図8における駆動電極11、電極13を介して圧
電材料12に駆動電圧を与えて屈曲振動させた。そして
ガラス基板14を介し、圧電材料16に伝わった振動を
検出した。図15に等価回路で示した圧電振動子50
は、図8での前記圧電材料16に相当している。
【0154】図18は図17における端子C−端子D間
の出力電圧Voutを示している。図18は横軸に周波数
を示し、縦軸に出力電圧Voutを(dB)で示してい
る。fcは検出の最大感度周波数である。
【0155】図20は本発明のループ回路58(容量成
分低減回路)を用いた場合の実験結果を示している。こ
の実験装置は、図19に示すように、端子Bと端子Dが
アースに接続され、端子Aに交流駆動電源5が接続され
ている。また端子Cには、(N+1)倍のゲインをもっ
た増幅器57と静電容量Cs2が直列に接続されたルー
プ回路58(容量成分低減回路)が接続されている。抵
抗R3とR4で示す負帰還経路56は増幅器57の増幅
率を設定するためのものである。図8に示す積層体の電
極11,13,17,15はそれぞれ端子A,B,C,
Dに接続した。図19においても圧電材料16が圧電振
動子50に相当している。
【0156】交流駆動電源5により、図8における積層
体10の駆動電極11、電極13を介して圧電材料12
に駆動電圧を与えて屈曲振動させ、ガラス基板14を介
し、圧電材料16に伝わった振動を検出した。図20は
図19の実験装置における端子C−端子D間の出力電圧
Voutを示している。図20は横軸に周波数を示し、縦
軸に出力電圧Voutを(dB)で示している。図19に
おいて、増幅器57はオペアンプであり、各パラメータ
(R3、R4、Cs2)は数46、数47に示すように
設定した。
【0157】
【数46】
【0158】
【数47】
【0159】図18と図20におけるfc点の出力電圧
Voutを比較すると、数47の条件を満たすループ回路
58(容量成分低減回路)のある図20の方が、出力電
圧が約5dB高く、制動容量Cd2の影響を低減した感
度の良い検出ができていることがわかる。
【0160】次に、上記各実施例に対して変形可能な実
施例について以下において説明する。まず、図1に示す
実施例では、(N+1)倍の増幅度を有する増幅器7と
静電容量Csとが直列に接続されたループ回路8が構成
され、このループ回路8が容量成分低減回路となってい
る。しかし、この容量成分低減回路は図21に示すよう
にして構成することが可能である。
【0161】図21では、交流駆動電源5から圧電振動
子2の一方の側の電極(C′点)に駆動電力を供給する
経路と、これに分岐される経路が設けられ、この分岐経
路に増幅器7と静電容量Csとが直列に接続されて設け
られ、さらに静電容量CsがC′点に接続されたものと
なっている。すなわち、駆動電力の供給側(交流駆動電
源5)と圧電振動子2との間で駆動電力を供給する経路
(イ)と、増幅器7および静電容量Csを有する経路
(ロ)とが並列に配置されている。この実施例でも圧電
振動子2の一方の側に与えられる駆動電圧Vが増幅器7
によって(N+1)倍に増幅されるものとなり、増幅器
7の増幅出力端が静電容量Csを介して前記C′点に接
続されるものとなる。C′の電圧をVとすると、D′点
の電圧はV(N+1)である。
【0162】図21は図1と同種の圧電振動子の駆動装
置であるが、交流駆動電源5からC′点に与えられる電
流をi、直列共振辺と制動容量Cdに流れる電流をそれ
ぞれi2とi3、静電容量Csを流れる電流をi1′とす
ると、各電流の関係は、数9においてi1をi1′に置き
換えたものと同じである。
【0163】したがって、図21に示す容量成分低減回
路8′を設けた駆動装置であっても、数11に示す条
件、すなわち静電容量Csが制動容量Cdの(1/N)
倍となる条件を満たすと、駆動電力の供給電流iが制動
容量Cdにより消費されず、効率的な圧電振動子の駆動
が可能である。また図13に示す実施例においても、ル
ープ回路8を図21に示したのと同じ容量成分低減回路
8′に置き換えて、全く同じ効果を得ることができる。
【0164】図22は、図21に示す実施例をさらに好
ましい構成としたものである。図22に示すものでは、
駆動電力の供給側となる交流駆動電源5と圧電振動子2
の一方の側の電極(C′点)との間で、前記一方の側の
電極(C′点)へ駆動電力を供給する経路(イ)と、直
列に接続された増幅器7および静電容量Csとが含まれ
た経路(ロ)とが並列に接続されている。すなわち、駆
動電力の供給部から圧電振動子2に電力を供給する経路
(イ)と、駆動電力の供給部から増幅器7および静電容
量Csを経て圧電振動子2に至る経路(ロ)とが分岐形
成され、容量成分低減回路8”が構成されている。そし
て圧電振動子2に電力を供給する前記経路(イ)内に電
圧保持手段として電圧フォロワ(バッファアンプ)41
が設けられている。
【0165】電圧フォロワ41は、オペアンプの出力側
と反転入力側を短絡させて100%の負帰還をかけ、電
圧利得を1とした周知のものである。電圧フォロワ41
は駆動電源の電圧を保持する役割として働き、発振が生
じるのを防止できる。すなわち図1に示した回路構成で
は、増幅器7の増幅利得をあまり高くすると、C点の電
圧を増幅し、静電容量Csを経て、C点に帰還する回路
構成のためループ回路8に発振が生じ不安定なものとな
る可能性がある。ただし、図22に示すものでは、電圧
フォロワ41を設けることにより、経路(イ)と(ロ)
にて発振ループが構成されるのを防止でき、きわめて安
定した圧電振動子の駆動装置を構成できる。
【0166】次に、図23は、図13に示した共振追尾
型の駆動装置に、図22に示す容量成分低減回路8”を
備えたものを適用した例を示している。図13および図
14に基づいて説明したのと同様に、駆動電力の供給部
(供給側)となる電力増幅器から与えられる電流の位相
が電流位相検出手段により検出され、その出力(電流位
相)φ1が位相比較器に与えられる。またC′点での電
圧すなわち圧電振動子2に与えられる電圧位相が出力φ
2として位相比較器に与えられる。そして、両出力φ1
とφ2の位相差が0のときに発振周波数が固定されるよ
うにVCOが制御される。これにより圧電振動子2に対
しその共振点を追尾する駆動が可能となる。
【0167】次に、図1では、静電型変換手段として圧
電振動子を示しているが、図24(A)に示すような静
電変換器60に対する駆動装置についても同様に効果を
発揮できる。この静電変換器60は、固定側の平面電極
61と可動側の平面電極62とが、微小間隙dを隔てて
対向したものである。電極61と62の対向面積をA、
電極間に与えられるバイアス電圧をE、電極間に与えら
れる入力電圧(駆動電圧)をV、電極間の空気層の誘電
率をεとすると、入力電圧Vにより電極61と62の間
に作用する静電駆動力fは数48で表わされる。
【0168】
【数48】
【0169】ここで、静電変換器60が共振点付近で駆
動されている等価回路は図24(B)にて符号60aで
示される。これは図1に示したように圧電振動子が共振
点付近にて振動しているときと等価なものとなる。図2
4(B)にて、Caは電極61と62間の容量成分であ
る。またRは可動電極62の機械的な駆動抵抗、Lは可
動電極62の機械的な支持によるバネ定数、Cは機械的
な弾性支持による粘性抵抗である。静電変換器60の駆
動においても、駆動電流は、容量成分Caにより消費さ
れることになり、これは可動電極62の駆動に寄与しな
い電流消費分である。
【0170】したがって、図24(A)(B)に示すよ
うに、図1に示したのと同じループ回路8(または図2
1に示す容量成分低減回路8′さらに好ましくは図22
に示す容量成分低減回路8”)を付加し、静電容量Cs
を容量成分Caの(1/N)倍とし、増幅器7の増幅度
を(N+1)倍に設定することにより、圧電振動子にお
ける駆動装置と同様にして、容量成分Caでの消費電流
を低減しさらには打消すことができ、効率の良い駆動が
可能になる。この場合も、図22に示す電圧フォロワ4
1を含む容量成分低減回路8”を使用することにより、
発振の生じない安定した駆動が可能になる。これは、図
13に示した駆動装置においても同じであり、図13に
示す共振追尾型の駆動装置さらには図23に示した共振
追尾型の駆動装置を静電変換器60にも用いることが可
能である。
【0171】次に、図25(A)は、静電変換器60を
用いて振動の検出を行なう検出装置を示している。この
検出装置は、例えば振動型ジャイロスコープにおいて、
圧電振動子などにより可動電極62を振動させ、コリオ
リ力による力をこの可動電極62に与えるものである。
前記コリオリ力などの力により可動電極62に与えられ
る移動速度をvとすると、検出電流iは数49で示され
る。
【0172】
【数49】
【0173】この電流iを取り出すことにより、出力電
圧Voutを得ることが可能である。この検出装置におい
ても、図25(B)の等価回路に示すように、静電変換
器60の容量成分Caに流れる電流分だけ検出出力が低
下する。しかし、図15に示した検出装置と同様に、
(N+1)倍の増幅率の増幅器57と、容量成分Caの
1/N倍の容量値の静電容量Cs2を用いたループ回路
58(容量成分低減回路)を付加することにより、図1
5に示した実施例と同様に、容量成分Caに流れる電流
をループ回路58からの電流により負担させることがで
き、機械−電気変換により得られた電流を高感度にて検
出することが可能になる。
【0174】さらに、図9と図11に示した自励発振回
路においても、圧電振動子の代わりに静電変換器60を
用いたものとして構成することが可能である。すなわ
ち、静電変換器60が共振点付近で自励発振駆動される
場合には、図9に示すのと同じ自励発振回路20が使用
される。また静電変換器60は容量成分Caを有してい
るため、反共振点も現れる。この反共振点付近で振動し
ているときの等価回路は、図12(a)と同種のものと
なる。したがって、図11に示す自励発振回路30を用
いることにより、静電変換器60を反共振点付近で自励
発振駆動することが可能である。
【0175】
【発明の効果】以上のように本発明では、圧電振動子ま
たは静電変換器などの静電型変換手段の一方の側(電
極)に、静電容量と増幅器を有する容量成分低減回路を
接続することで、この容量成分低減回路を通じて、圧電
振動子の制動容量成分などに流れる電流と等価の電流を
圧電振動子などに供給することができ、圧電振動子の入
力または出力の制動容量あるいは静電変換器の容量成分
を等価的に打ち消すかまたは低減することができる。
【0176】これにより静電型変換手段の駆動回路に適
用した場合、インダクタンスを用いないで制動容量や容
量成分を打ち消すことができる。したがって、周波数に
依存性がなく、回路の調整が容易にできると共に回路の
小型化が図れる。なお等価的な打ち消し条件が完全に満
たされない場合でも、容量成分の等価的な低減効果があ
る。また、容量成分低減回路に電圧フォロアなどの電圧
保持手段を設けることにより安定した駆動が可能にな
る。
【0177】また、圧電ジャイロなどの検出装置に適用
した場合、出力インピーダンスが高くなるため、出力電
圧が高くなり検出感度が向上する。また、圧電トランス
に適用した場合にも、同様な効果により出力電圧が上が
り、トランスとしての性能向上に寄与することができ
る。
【0178】さらに、フィルタに適用した場合には圧電
振動子の制動容量を打ち消すかまたは低減することによ
り比帯域幅を大きくできる。
【0179】また本発明においては、静電型変換手段に
前記容量成分低減回路を接続し、圧電振動子などに流れ
込む電流位相と圧電振動子などを駆動する電圧位相を比
較することにより共振点を求め、その求められた共振点
にて駆動することにより、温度等により静電型変換手段
の共振点が変動しても常に共振点を追尾させることがで
きる。これにより、従来の圧電モータの一部でしか実現
されていないセンサによる周波数追尾を、センサを使用
せずして追尾することができるため、あらゆる圧電モー
タに適用できるばかりでなく、他の圧電効果を利用した
圧電センサ、圧電トランスなどの周波数追尾型の駆動回
路としても適用することができる。
【0180】さらに、増幅器と周波数選択回路により自
励発振回路を構成し、この周波数選択回路に、共振点付
近または反共振点付近で振動する静電型変換手段の容量
成分と抵抗成分を含ませたことにより、静電型変換手段
を共振点付近または反共振点付近で駆動でき、効率的な
駆動が可能になる。また付加容量と付加抵抗を設けるこ
とにより、静電型変換手段の共振点または反共振点と一
致したまたは近似した周波数での自励発振が可能にな
る。
【0181】また、増幅器の負帰還ループに増幅率を高
く設定する抵抗を含ませることにより、安定した振幅の
自励発振が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電振動子の駆動装置の一実施例を示
す等価回路図、
【図2】図1において圧電振動子の制動容量成分が等価
的に打ち消されたときの状態を示す等価回路図
【図3】(A)と(B)は、図1における圧電振動子に
与えられる電流のゲインおよび位相の周波数特性を示す
線図
【図4】従来の圧電振動子の駆動装置の実験に用いた等
価回路図、
【図5】従来の圧電振動子の駆動装置の実験結果を示す
線図、
【図6】本発明の圧電振動子の駆動装置の実験に用いた
等価回路図、
【図7】本発明の圧電振動子の駆動装置の実験結果を示
す線図、
【図8】本発明の実験に用いた圧電振動子の構造を示す
側面図、
【図9】本発明の自励発振型の圧電振動子の駆動装置の
一実施例を示す等価回路図、
【図10】(A)(B)は図9における圧電振動子の共
振点付近における等価回路図、
【図11】自励発振型の圧電振動子の駆動装置の別の実
施例を示す等価回路図、
【図12】(A)(B)は、図11における圧電振動子
の反共振点付近における等価回路図、
【図13】本発明の共振追尾型の圧電振動子の駆動装置
の一実施例を示す等価回路図、
【図14】(A)(B)は、図13における圧電振動子
への供給電流のゲインおよび位相の周波数特性を示す線
図、
【図15】本発明の圧電振動子の検出装置の一実施例を
示す等価回路図、
【図16】図15において圧電振動子の制動容量成分が
等価的に打ち消されたときの状態を示す等価回路図、
【図17】従来の圧電振動子の検出装置の実験に用いた
等価回路図、
【図18】従来の圧電振動子の検出装置の実験結果を示
すグラフ、
【図19】本発明の圧電振動子の検出装置の実験に用い
た等価回路図、
【図20】本発明の圧電振動子の検出装置の実験結果を
示すグラフ、
【図21】本発明の他の構成の圧電振動子の駆動装置を
示す等価回路図、
【図22】図21に示す圧電振動子の駆動装置を改良し
たさらに好ましい例を示す等価回路図、
【図23】図22に示すものを図13の共振追尾型の駆
動装置に適用した例を示す等価回路図、
【図24】(A)は静電変換器の駆動装置の構成図、
(B)はその等価回路図、
【図25】(A)は静電変換器を用いた検出装置の構成
図、(B)はその等価回路図、
【図26】(A)は圧電振動子の回路図、(B)は圧電
振動子の共振点における等価回路図、
【図27】圧電振動子のアドミッタンスの周波数特性を
示す線図、
【図28】従来の圧電振動子の駆動回路において圧電振
動子の制動容量成分が等価的に打ち消される手段を施し
た等価回路図、
【符号の説明】
1 圧電振動子 3 直列共振辺 4 並列共振辺 7 増幅器 8 ループ回路(容量成分低減回路) 22,32 正帰還回路ブロック 23,33 負帰還回路ブロック 27,37 増幅器(オペアンプ) 41 電圧フォロア 57 増幅器 58 ループ回路(容量成分低減回路) 60 静電変換器 61 固定側の平面電極 62 可動側の平面電極 Ca 静電変換器の容量成分 Cd 圧電振動子の制動容量 Cs,Cs2 静電容量

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電型変換手段の一方の側の電圧を増幅
    する増幅器が設けられ、この増幅器の増幅出力端から静
    電容量を経て静電型変換手段の前記一方の側に接続され
    る経路が設けられて、静電型変換手段の容量成分が低減
    されることを特徴とする静電型変換手段の容量成分低減
    回路。
  2. 【請求項2】 静電容量が、静電型変換手段の容量成分
    のほぼ1/Nであるときに、増幅器の増幅度がほぼ(N
    +1)倍である請求項1記載の静電型変換手段の容量成
    分低減回路。
  3. 【請求項3】 静電型変換手段は圧電振動子であり、静
    電容量は、この圧電振動子を構成する材料と同一の材料
    により形成されている請求項1または2記載の静電型変
    換手段の容量成分低減回路。
  4. 【請求項4】 静電型変換手段に駆動電力を供給する経
    路と、請求項1ないし3のいずれかに記載の容量成分低
    減回路とを含み、この容量成分低減回路の増幅器が、前
    記経路にて静電型変換手段に与えられる駆動電力を増幅
    する位置に設けられていることを特徴とする静電型変換
    手段の駆動装置。
  5. 【請求項5】 静電型変換手段に駆動電力を供給する経
    路と、増幅器および静電容量を有する経路とが、駆動電
    力の供給側と静電型変換手段との間で並列に設けられ、
    静電型変換手段に駆動電力を供給する前記経路に、電圧
    保持手段が設けられている請求項4記載の静電型変換手
    段の駆動装置。
  6. 【請求項6】 静電型変換手段に流れる電流位相を検出
    する電流位相検出手段と、前記電流位相検出手段で検出
    した電流位相と静電型変換手段に与えられる駆動電力の
    電圧位相とを比較する位相比較器と、位相比較器の高周
    波成分を除去するフィルタと、このフィルタを経た出力
    電圧に基づいて発振周波数が可変制御される電圧制御発
    振器とが設けられ、この電圧制御発振器の発振周波数に
    基づく駆動電力が与えられて静電型変換手段が共振周波
    数にて駆動される請求項4または5記載の静電型変換手
    段の駆動装置。
  7. 【請求項7】 静電型変換手段は圧電振動子であり、位
    相比較器により比較される電流位相と電圧位相との位相
    差が0となるように電圧制御発振器の発振周波数が可変
    制御される請求項6記載の静電型変換手段の駆動装置。
  8. 【請求項8】 外力にて振動させられる静電型変換手段
    から電気出力を得る検出装置であって、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の容量成分低減回路が設けられてい
    ることを特徴とする静電型変換手段の検出装置。
  9. 【請求項9】 静電型変換手段の容量成分と、抵抗成分
    を含む周波数選択回路と、この周波数選択回路を正帰還
    ループに配された増幅器とを有して、前記周波数選択回
    路で決定される周波数により自励発振することを特徴と
    する静電型変換手段の駆動装置。
  10. 【請求項10】 周波数選択回路は、増幅器の正帰還ル
    ープ内にて互いに直列に接続された第1の抵抗と第1の
    容量と、互いに並列に接続されて前記増幅器の非反転入
    力側に接続された第2の抵抗と第2の容量とから構成さ
    れ、第1の抵抗と第1の容量、または第2の抵抗と第2
    の容量が、静電型変換手段の容量成分と抵抗成分である
    請求項9記載の静電型変換手段の駆動装置。
  11. 【請求項11】 静電型変換手段に、さらに付加容量と
    付加抵抗とが接続されている請求項10記載の静電型変
    換手段の駆動装置。
  12. 【請求項12】 増幅器の負帰還ループに、増幅器の増
    幅率を決定する抵抗を有する振幅安定化回路が設けられ
    ている請求項9ないし11のいずれかに記載の静電型変
    換手段の駆動装置。
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