JPH08308212A - 超電導発電機用ダンパ及びその製造方法 - Google Patents

超電導発電機用ダンパ及びその製造方法

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JPH08308212A
JPH08308212A JP7114774A JP11477495A JPH08308212A JP H08308212 A JPH08308212 A JP H08308212A JP 7114774 A JP7114774 A JP 7114774A JP 11477495 A JP11477495 A JP 11477495A JP H08308212 A JPH08308212 A JP H08308212A
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damper
strength
coating
metal
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JP7114774A
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Sumiichi Shibuya
谷 純 市 澁
Toshio Honda
多 登志男 本
Mayumi Yamamoto
本 真由美 山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダンパの径方向及び軸方向の寸法が長大にさ
れた場合であっても、充分な強度と高い寸法精度を得る
ことができる超電導発電機用ダンパ及びその製造方法を
提供することを目的としている。 【構成】 高強度非磁性金属から形成された第1円筒
と、この円筒の内径側及び外形側の少なくとも一方に配
置され且つ高導電性金属から形成された第2円筒とから
なる複合構造の超電導発電機用ダンパにおいて、第2円
筒は、コーティング処理により形成された円筒状の層か
らなることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導発電機の回転子
の最外筒に設けられた常温ダンパ及びその製造方法に関
し、詳しくは、ダンパの径方向及び軸方向の寸法が長大
にされた場合であっても、充分な強度と高い寸法精度を
得ることができる超電導発電機用ダンパ及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導発電機の回転子の外周面には、こ
れを一定の間隔をおいて包囲するように超電導発電機用
ダンパが設けられている。このダンパは、回転子ととも
に回転しながら、回転子に異常な振動が発生した時に
は、この振動を吸収して異常な振動を抑制する働きをす
るものである。また、このダンパには、使用時に遠心力
と電磁力とが重畳して作用する。
【0003】この超電導発電機用ダンパは、回転子の外
周側を被覆する高強度非磁性金属の第1円筒と、これの
外周側に設けられた高導電性金属の第2円筒とからなる
2層構造の円筒体から構成されている。さらに、場合に
よっては、2層構造の円筒体の外周側に高強度非磁性金
属の第3円筒が設けられた3層構造の円筒体から構成さ
れていることもある。
【0004】このような2層又は3層構造の円筒体の製
造に際しては、高強度非磁性金属の第1円筒と高導電性
金属の第2円筒とを焼きばめ又は冷しばめによって接合
する製造方法、或いは、火薬を用いた爆発接合による製
造方法が採用されている。
【0005】しかしながら、焼きばめ又は冷しばめによ
る接合の方法では、各円筒が密着して接合するわけでは
ないため、上記のように遠心力と電磁力とが重畳して作
用すると、積層した円筒体に変形が生じるといったこと
がある。一方、爆発接合による方法では、各円筒は密着
して接合するため、上記遠心力及び電磁力に対する円筒
体の機械的強度は高くなるが、火薬の爆発による加圧力
を全ての円筒面に均等に作用させることは困難であるた
め、円筒の曲り、座屈などの変形を生じ易く、仕上り寸
法精度も低く、さらに、円筒端面の近傍では未接合部が
生じるといったことがある。
【0006】このような点から、上述の接合方法に代え
て、特開昭55−10855号公報には、2層構造或い
は3層構造の円筒体(パイプ)を径方向に加圧しなが
ら、高温に加熱して接合する方法が開示されている。こ
の円筒体(パイプ)の加圧法としては、不活性ガス或い
は還元性ガスで静水圧式に行う方法が採用されている。
この接合方法では、まず2層構造或いは3層構造の円筒
体を仕上り寸法に近い寸法精度に加工し、さらに、接合
を要する各円筒体(パイプ)の内周面及び外周面を平坦
な面に加工し、その後、各円筒体(パイプ)を重ね合わ
せ、高温のガスによって高い圧力を加えて接合してい
る。この方法では、充分な強度と高い寸法精度を得るこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超電導発電
機の容量が70MWクラスになると、ダンパは、外径寸
法が約900mm、軸方向の寸法が3000mm程度と大型
化するが、反面、このような大きなダンパであっても、
高導電性金属の円筒の板厚はせいぜい10mmと薄い。し
かも、この金属には、その高導電性のために、純銅又は
銅の合金の比較的柔らかいものが用いられている。
【0008】このように、ダンパの軸方向及び径方向の
寸法に対してダンパの板厚が著しく薄く、しかも、ダン
パが柔らかい金属で形成されている場合、上述した公報
による製造方法では、接合前にダンパが変形しないよう
にしながら板厚の調整のための外周面の研削を行うこと
は極めて困難である。そのため、ダンパの径方向及び軸
方向の寸法が長大なものが用いられる場合には、上記公
報の製造方法では、充分な強度と高い寸法精度を得るこ
とが困難である。
【0009】特に、ダンパが3層構造の円筒体から構成
されている場合には、既に仕上り寸法に近い精度に加工
された各円筒について、2つの高強度非磁性金属の第1
及び第3円筒に挟まれる高導電性金属の第2円筒を、高
強度非磁性金属の第3円筒内に、損傷や変形を生じない
ように挿入することは困難である。
【0010】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、ダンパの径方向及び軸方向の寸法が長大
にされた場合であっても、充分な強度と高い寸法精度を
得ることができる超電導発電機用ダンパ及びその製造方
法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る超電導発電機用ダンパは、
高強度非磁性金属から形成された第1円筒と、この円筒
の内径側及び外形側の少なくとも一方に配置され且つ高
導電性金属から形成された第2円筒とからなる複合構造
の超電導発電機用ダンパにおいて、前記第2円筒は、コ
ーティング処理により形成された円筒状の層からなるこ
とを特徴としている。
【0012】また、請求項2に係る超電導発電機用ダン
パの製造方法は、高強度非磁性金属から形成された第1
円筒と、この円筒の内径側及び外形側の少なくとも一方
に配置され且つ高導電性金属から形成された第2円筒と
からなる複合構造の超電導発電機用ダンパを製造する方
法であって、前記第2円筒をコーティング処理により円
筒状の層に形成することを特徴としている。
【0013】さらに、請求項3に係る超電導発電機用ダ
ンパの製造方法は、前記コーティング処理は、メッキ処
理であることを特徴としている。
【0014】さらに、請求項4に係る超電導発電機用ダ
ンパの製造方法は、前記コーティング処理は、溶射処理
であることを特徴としている。
【0015】さらに、請求項5に係る超電導発電機用ダ
ンパの製造方法は、前記コーティング処理は、肉盛溶接
処理であることを特徴としている。
【0016】さらに、請求項6に係る超電導発電機用ダ
ンパの製造方法は、第2円筒が第1円筒の内径側又は外
形側にコーティング処理された後、これら第1及び第2
円筒を拡散熱処理することを特徴としている。
【0017】さらに、請求項7に係る超電導発電機用ダ
ンパの製造方法は、第2円筒が第1円筒の内径側又は外
形側にコーティング処理された後、このコーティング処
理された第2円筒に、高強度非磁性金属からなる第3円
筒を拡散接合することを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1及び2によれば、比較的剛性の弱い高
導電性の第2円筒がコーティング処理により第1円筒の
内径側又は外形側に形成されているため、第1円筒と第
2円筒の高い密着力及び接合力が得られる。そのため、
ダンパの機械的強度が優れ、遠心力及び電磁力が作用し
ても、剥離が生じることがなく、変形も生起されること
がない。加えて、コーティング処理により第2円筒が形
成されているため、ダンパの寸法精度が高く、回転時の
振動バランスの調整も容易である。以上から、ダンパが
大型化されたとしても、比較的薄い板厚で剛性の小さな
高導電性金属を含む複合構造の円筒体の製作が可能とな
る。また寸法精度も設計仕様に見合う高精度の加工が出
来る。
【0019】請求項3によれば、第2円筒は、メッキに
よりコーティングされているため、メッキのコーティン
グが容易であり、コーティング作業の簡素化が図られ
る。しかも、このメッキされた円筒状の層と基材である
高強度非磁性金属との接合性が高められ、接合強度及び
密着力が高められている。また、メッキによるコーティ
ング処理により、高導電性金属の厚みを設計に応じて厚
さを制御、生成することが容易である。
【0020】請求項4によれば、高強度非磁性金属の第
1円筒の外表面に直接銅の溶射により第2円筒がコーテ
ィングされるため、コーティング作業の簡素化と接合強
度を高めることが出来る。また、溶射によるコーティン
グにより高導電性金属の厚みを設計に応じて厚さを制
御、生成することが容易である。
【0021】請求項5によれば、高強度非磁性金属の第
1円筒の外表面に直接銅の肉盛溶接により第2円筒がコ
ーティングされるため、コーティング作業の簡素化と接
合強度を高めることが出来る。また肉盛溶接によるコー
ティングにより、高導電性金属の厚みを設計に応じて厚
さを制御、生成することが容易である。
【0022】請求項6によれば、拡散熱処理すること
で、高導電性金属の第2円筒と高強度非磁性金属の第1
円筒とのコーティング界面には、等方圧が加わり、高導
電性金属の銅と高強度非磁性金属の拡散が進行し、密着
性及び接合性を高めることができる。
【0023】請求項7によれば、拡散接合した第2及び
第3円筒には、円周および外周からの等方圧が加わり、
第2円筒と第3円筒とが強固に接合されて一体化し、こ
の一体化により高い剛性が付与される。また、高強度非
磁性金属の第1円筒と高導電性金属の第2円筒の接合強
度も高まり、より高い剛性が付与される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る超電導発電機用
ダンパ及びその製造方法について図面を参照しつつ説明
する。 (第1の実施例)図1a及びbは、第1実施例に係る超
電導発電機用ダンパの軸方向及び径方向の断面図であ
る。この超電導発電機用ダンパ1は、A286(JI
S.SUH660)等の高強度非磁性金属製の第1円筒
2(内筒)の外周側に、銅、銅合金等の高導電性金属の
第2円筒3(外筒)を直接メッキ処理して複合構造に形
成したものである。剛性の高い高強度非磁性金属の円筒
2は一体の筒状物である。
【0025】また、超電導発電機用ダンパ1を製造する
場合、初めに例えばA286製の高強度非磁性金属の第
1円筒(内筒)2を用意する。次いで、図2に示すよう
に、槽4を用いて蒸気脱脂および洗浄を行い、その後、
メッキを施す箇所以外をマスキングする。マスキング
後、銅メッキを施すためにメッキ面の活性化処理を行
い、さらには1〜2μm厚のNiストライクを行う。
【0026】次いで、Niストライク後、図3に示すよ
うに、直ちに硫酸銅の浴槽5にて銅メッキを施す。銅メ
ッキは、硫酸銅5の浴中にて電気メッキにより行う。具
体的には、高強度非磁性金属の第1円筒2の外表面のみ
に銅メッキを施すために、電源と純銅からなる電極6お
よび被メッキ基材である第1円筒2とをコンタクトし
て、例えば電流密度数A/dmの条件で、約100H
通電する。これにより、2〜3mmの銅メッキ厚さを生成
することが出来る。メッキ後の表面は、厚肉メッキ特有
の凹凸があり、これらを旋盤加工等で表面を仕上げる。
【0027】このような脱脂、前処理(活性化)、Ni
ストライク、銅メッキ、表面加工の工程を数回、繰り返
すことにより、所定の5〜6mmの厚さの銅メッキによる
コーティング層を円筒の表面に設けることが出来る。こ
のようにして、図1に示すように、高強度非磁性金属の
第1円筒2と、銅メッキによるコーティング層からなる
高導電性金属の第2円筒3とからなる複合構造であるダ
ンパが得られる。
【0028】このように、高強度非磁性金属の第1円筒
2の外表面に直接、銅メッキ処理によりメッキ層の第2
円筒3をコーティングする方法において、特に、第1円
筒2の外表面のメッキ面には銅メッキのコーティングが
容易に行えると共に、そのコーティングされた層と基材
である高強度非磁性金属との接合性を高めるために、銅
メッキの前処理として活性化処理およびNiストライク
処理を施しているため、コーティング作業の簡素化を図
れ、接合強度、密着力を高めることができる。また、メ
ッキによるコーティングにより、高導電性金属の厚みを
設計に応じて厚さを制御、生成することが容易である。
【0029】以上から、大型構造物でありながら、比較
的薄い板厚で剛性の小さな高導電性金属を含む2層ある
いは3層の複合構造の円筒体の製作が可能となる。ま
た、寸法精度も設計仕様に見合う高精度の加工が出来
る。従って、このような超電導発電機用ダンパは、銅メ
ッキにより、高い密着力および接合力が得られるため、
機械的強度に優れ、遠心力および電磁力が作用したとし
ても、銅メッキ面での剥離が生じさせられることがな
く、変形も生起されない。また、この超電導発電機用ダ
ンパは、寸法精度が高いめた回転時の振動バランス調整
が容易である。 (第2の実施例)図4は、本発明の第2実施例に係る超
電導発電機用ダンパ製造方法を示す図であり、本実施例
の高導電性金属の第2円筒の製造方法は、高強度非磁性
金属製の第1円筒2の外表面に溶射装置7によりコーテ
ィングするものである。
【0030】本実施例に係る方法は、銅の溶融又はそれ
に近い状態の細かい銅の粒子を高強度非磁性金属の第1
円筒の外周面に吹き付けて衝突させながら積層して、銅
のコーティング層を形成し、高強度非磁性金属の第1円
筒及び高導電性金属の第2円筒からなる複合構造の超電
導発電機用ダンパを製作するものである。銅の粉末から
なる粒子を吹き付ける溶射方法は、現在、各種の溶射方
式が実用化されているが、主として、溶射材料を加熱・
溶融する熱源の特性に応じて分類することが出来る。す
なわち、熱源にガスを用いるガス式溶射には、フレーム
溶射と爆発溶射があり、一方、電気式溶射には、アーク
溶射、プラズマ溶射、及び線爆溶射がある。
【0031】本実施例では、溶射処理の一例として、プ
ラズマ溶射方式によるコーティングについて図5を参照
しつつ説明する。
【0032】プラズマ溶射装置7では、直流電源9の陰
極側(−)を溶射トーチ8のカソード10にコンタクト
し、溶射トーチ8の陽極側(+)をアノード11にコン
タクトし、プラズマアーク12を発生するために、ガス
導入口13よりアルゴンガス等のプラズマガスが注入さ
れる。
【0033】プラズマアーク12の先端となる部位に
は、溶射材料の導入口14より銅の粉末が注入され、プ
ラズマジェット15として、銅の粉末が溶融又は溶融に
近い状態で高強度非磁性金属の第1円筒2の外表面に衝
突させられ、第1円筒2が回転させられながら、溶射に
よる銅のコーティング層16(第2円筒3)が生成させ
られる。
【0034】このようにして、銅の溶射によるコーティ
ング層からなる高導電性金属の第2円筒3と高強度非磁
性金属の第1円筒2からなる円筒の複合構造から構成さ
れるダンパが得られる。
【0035】なお、溶射面には、溶射する前に、溶射の
コーティング層と基材である第1円筒2の接合強度を高
めることを目的として、円筒2の表面に凹凸を設けるた
めにショットブラスト加工が施されていてもよい。
【0036】高強度非磁性金属の円筒の外表面に直接、
銅の溶射によりコーティングすることにより、第1の実
施例と同様、コーティング作業の簡素化と接合強度を高
めることが出来る。また、溶射によるコーティングによ
り高導電性金属の厚みを設計に応じて厚さを制御、生成
することが容易である。
【0037】以上から、大型構造物でありながら比較的
薄い板厚で剛性の小さな導電性金属を含む2層あるいは
3層の複合構造の円筒体の製作が可能となる。また寸法
精度も設計仕様に応じた高精度の加工が出来る。従っ
て、本実施例に係る超電導発電機用ダンパは、溶射によ
り、高い密着力が得られるため遠心力および電磁力が作
用しても銅の溶射面での剥離が生起させられることがな
く、変形が生起されることもない。また、寸法精度が高
いため、回転時の振動バランス調整が容易である。
【0038】なお、第2の実施例では、大気中のプラズ
マ溶射についての実施例を説明したが、上述したよう
に、溶射方法には各種の方法があり、他の溶射方法でも
本実施と同様の作用および効果が得られる。特に、銅の
溶射であることから、大気中で行うことでコーティング
層の酸化が特性上好ましくないと判断される場合には、
真空中で行う低圧プラズマ溶射、又はや高速プラズマ溶
射が可能なエアロプラズマ溶射を採用することで、コー
ティング層の参加を改善することが出来る。 (第3の実施例)図6は、本発明の第3実施例に係る超
電導発電機用ダンパ製造方法を示す図であり、本実施例
の高導電性金属の第2円筒の製造方法は、高強度非磁性
金属の第1円筒2の外表面に肉盛溶接装置17によりコ
ーティングするものである。
【0039】この本実施例の方法は、銅の溶融金属を高
強度非磁性金属の第1円筒2の外表面に肉盛溶接するも
のであり、肉盛溶接には、アーク、プラズマ、電子ビー
ム、レーザビーム等の方法がある。また、溶接材料を供
給する方法としては、ワイヤ状のものと、粉末状のもの
がある。
【0040】本実施例では、肉盛溶接の一例として、プ
ラズマ粉体肉盛溶接によるコーティングについて図7を
参照しつつ説明する。
【0041】プラズマ粉体肉盛溶接装置17では、溶接
電源18は直流で、極性は通常、正極性(第1円筒2側
が陽極、電極側が陰極)である。プラズマアークは、溶
接トーチ19内の非消耗電極20と第1円筒2との間に
不活性ガスを雰囲気ガスとして点弧され、粉末は、粉末
送給装置21から不活性ガスによって溶接トーチ19へ
搬送され、プラズマアーク柱22へ投入され、第1円筒
2へ到達して溶融金属池を形成する。
【0042】溶融金属池が不活性ガス23でシールドさ
れるのは、タングステンイナートガス(TIG)溶接な
どと同様である。通常、溶接トーチは、進行方向に直角
方向にオシレートしつつ、肉盛溶接が進行し、第1円筒
2が回転されながら溶接金属24(第2円筒3)が形成
される。図7中、25はパイロットアーク電源、26は
プラズマ用ガス導入口、27は粉体および粉体送給用ガ
ス導入口、28はシールド用ガス導入口、29はシール
ドガス用ノズルをそれぞれに示す。なお、肉盛溶接をす
る高強度非磁性鋼の第1円筒2は、図6に示すように、
溶接中回転させられている。また、肉盛溶接装置17
は、図6の矢印方向に移動して第1円筒2の外表面を肉
盛溶接する。
【0043】高強度非磁性金属の第1円筒2の外表面に
直接、銅の肉盛溶接により、コーティングすることによ
り、第1及び第2の実施例と同様、コーティング作業の
簡素化と接合強度を高めることが出来る。また肉盛溶接
によるコーティングにより、高導電性金属の厚みを設計
に応じて厚さを制御、生成することが容易である。
【0044】さらに、本実施例では、肉盛溶接におい
て、高強度非磁性金属のA286と高導電性金属の銅を
直接溶接することは、A286と銅の合金(あるいは化
合物)の組成によっては割れを生じたりすることがあ
る。その対策としては、肉盛溶接の初層あるいは場合に
よっては2層または3層まで、A286と銅の溶接に適
したNi基の溶接材料(粉末)を用いて割れを防ぐ方法
を採用してもよい。その後は銅の溶接材料を用いて所定
の厚さまで肉盛溶接を行う。このような施工法を行うこ
とにより、コーティング層の接合強度及び信頼性を高め
ることが出来る。
【0045】以上から、大型構造物でありながら、比較
的薄い板厚で剛性の小さな高導電性金属を含む2層ある
いは3層の複合構造の円筒体の製作が可能となる。ま
た、寸法精度も設計仕様に応じた高精度の加工が出来
る。また、本実施例でも、第3の実施例と同様の効果が
得られる。 (第4の実施例)図8は、本発明の第4実施例に係る超
電導発電機用ダンパ製造方法を示す図であり、本実施例
は、高強度非磁性金属の第1円筒に高導電性金属の第2
円筒をコーティングする第1〜第3の実施例、すなわ
ち、メッキによるコーティング、溶射によるコーティン
グ、及び肉盛溶接によるコーティングからなる複合構造
のダンパを製造する方法において、図8(a)に示すよ
うに、コーティング後に、高強度非磁性金属の第1円筒
2及び高導電性金属の第2円筒3からなる複合構造の円
筒体を高温・高圧のガス雰囲気炉33にて拡散熱処理す
るものである。
【0046】図8(a)に示すように、高温・高圧のガ
ス雰囲気炉33内で拡散熱処理することにより、高導電
性金属の第2円筒3と高強度非磁性金属の第1円筒2と
のコーティング界面には、図8(b)の矢印に示すよう
な等方圧が加わり、高導電性金属の銅と高強度非磁性金
属のA286との拡散が進行し、密着性及び接合性が高
まる。
【0047】以上から、大型構造物でありながら比較的
薄い板厚で剛性の小さな高導電性金属を含む2層の複合
構造の円筒体の製作が可能となる。また、寸法精度も設
計仕様に見合う高精度の加工が出来る。本実施例の超電
導発電機用ダンパは、コーティング界面を拡散処理する
ことにより、その密着力及び接合力が著しく高められる
ため、機械的強度に優れ、遠心力及び電磁力が作用して
も、コーティング界面での剥離が生じさせられることが
なく、変形も生起させられることがない。また、この超
電導発電機用ダンパは寸法精度が高いために回転時の振
動バランス調整が容易である。 (第5の実施例)図9乃至11を参照して、第5実施例
を説明する。本実施例は、第1乃至第4の実施例におい
てコーティングされた高導電性金属の第2円筒と高強度
非磁性金属の第1円筒とからなる複合構造の円筒体32
と、この円筒体32の外側に配置される高強度非磁性金
属の第3円筒34とを高温・高圧の接合条件にて接合す
るものである。
【0048】第1乃至第4の実施例で製造された高導電
性金属の第1円筒と高強度非磁性金属の第2円筒とから
なる複合構造の円筒体32の外周側に、高強度非磁性金
属の第3円筒34が接合されるが、この際、複合構造の
円筒体32の外表面を所定の表面性状に加工する前処理
が行なわれる。
【0049】その後、複合構造の円筒体32の外側に、
第3円筒34が挿入されて嵌合される。この複合構造の
円筒体32と第3円筒34とが高温・高圧の接合条件に
て接合されるが、先ず、この接合作業は、図10に示す
ように、複合構造の円筒体32の外周面と第3円筒34
の内周面を真空シールすることにより行う。
【0050】真空シールを行う手順は、図10に示すよ
うに、先ず、複合構造の円筒体32と第3円筒34とが
嵌合された円筒体35の両端面に、シール溶接リング3
6が密着されて、複合構造の円筒体32と第3円筒34
とが拡散接合されて一体化される。
【0051】次に、図10に示すように、一方のシール
溶接リング36が穿孔され、この孔37に排気管38が
差し込まれる。排気管38は、弁39を介して圧力計4
0を備えた排気装置41に接続される。排気装置41の
配備が終了すると、圧力計40を監視しながら、例えば
5×10-4Torr以下になるまで真空引きが行われ
る。所定の真空度が圧力計40の監視により得られる
と、真空引きが続けられながら排気管38の中央部が加
熱・加圧されて、鍛接部42で鍛接され、真空封じが行
われる。
【0052】このように、複合構造の円筒体32と高強
度非磁性金属の第3円筒34の間を真空雰囲気にした状
態において、複合構造の円筒体32と第3円筒34とを
拡散接合する。
【0053】図11は、この拡散接合する拡散接合装置
43を示し、この拡散接合装置43には、密閉された圧
力容器44と、この圧力容器44にアルゴン等のガスを
供給するガス供給装置45と、圧力容器44からの排気
装置46とが設けられている。圧力容器44内には、容
器壁側から、リフレクター47、ヒータ48、及び輻射
熱板49が順次セットされ、さらに、各輻射熱板49の
間に、鍛接部42で真空シール用の排気装置46と切り
離された円筒体35が収納される。
【0054】収納された円筒体35には、熱電対50が
接触されて、この熱電対50が圧力容器44外に引き出
される一方、ガス供給装置45と排気装置46とへの配
管51,52には、圧力計53,54がそれぞれ取り付
けられている。
【0055】図11に示すように、拡散接合装置43で
は、円筒体35の拡散接合を行うために、まず排気装置
46が稼動されて、圧力計54が観察されながら、圧力
容器44内の圧力が例えば5×10-2Torr程度の負
圧にされる。次に、ガス供給装置45から圧力容器44
へアルゴンなどのガスが圧力計53が観察されながら8
0kgf /cm2 程度の初期圧に達するまで供給される。
【0056】圧力容器44内が所定の初期圧に到達する
と、今度はヒータ48が作動されて圧力容器44内のガ
スが加熱され圧力上昇される。ヒータ48で発生した熱
は、四方に伝わるが、リフレクター47に向ったもの
は、反射されてやがて輻射熱板49に到達する。この輻
射熱板49によって熱は均一な分布で圧力容器44内全
体に行き渡される。圧力容器44内に充満するガスは加
熱されることによってこの圧力容器44内の圧力が増大
される。
【0057】この状態は、熱電対50と圧力計53とに
よって円筒体35上の温度と圧力とを計測することによ
り行われ、拡散接合に適した温度とガス圧とが得られる
と、この温度とガス圧とが一定に保持されながら高強度
非磁性金属と高導電性金属とからなる複合構造の円筒体
32と高強度非磁性金属の第3円筒34との拡散接合が
行われる。本実施例における接合条件は、接合温度が5
00〜900℃、接合圧力が500〜1500kgf /cm
2 、接合時間が0.5〜4時間である。
【0058】所定の接合が終了すると、今度はヒータ4
8が停止されて圧力容器44内の不活性ガスの温度が下
げられると共に、圧力弁が開放されて圧力容器44内が
大気圧に開放され、その後、拡散接合された円筒体35
が圧力容器44から取り出される。
【0059】高温・高圧のガス雰囲気で拡散接合された
円筒体35は、円周および外周からの等方圧が加わり、
複合構造の円筒体32の外周面にコーティングした高導
電性金属の銅と高強度非磁性金属の第3円筒34である
A286とが強固に接合されて一体化される。この一体
化により高い剛性が付与される。また、複合構造の円筒
体32を構成する高強度非磁性金属の第1円筒と高導電
性金属の第2円筒とのコーティング界面での接合強度も
高まり、より高い剛性が付与される。
【0060】従って、大型構造物でありながら比較的薄
い板厚で剛性の小さな高導電性金属を含む3層の重筒構
造の円筒体の接合が可能となり、その接合部の健全性も
高まる。さらに、この超電導発電機用ダンパは、拡散接
合により高い接合強度が得られるため、機械的強度に優
れ、遠心力および電磁力が作用しても接合面での剥離も
生起されず、変形も生起させられることがない。
【0061】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れなず、種々変形可能であることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1及び2によ
れば、比較的剛性の弱い高導電性の第2円筒がコーティ
ング処理により第1円筒の内径側又は外形側に形成され
ているため、第1円筒と第2円筒の高い密着力及び接合
力が得られる。そのため、ダンパの機械的強度が優れ、
遠心力及び電磁力が作用しても、剥離が生じることがな
く、変形も生起されることがない。加えて、コーティン
グ処理により第2円筒が形成されているため、ダンパの
寸法精度が高く、回転時の振動バランスの調整も容易で
ある。以上から、ダンパが大型化されたとしても、比較
的薄い板厚で剛性の小さな高導電性金属を含む複合構造
の円筒体の製作が可能となる。また寸法精度も設計仕様
に見合う高精度の加工が出来る。
【0063】請求項3によれば、第2円筒は、メッキに
よりコーティングされているため、メッキのコーティン
グが容易であり、コーティング作業の簡素化が図られ
る。しかも、このメッキされた円筒状の層と基材である
高強度非磁性金属との接合性が高められ、接合強度及び
密着力が高められている。また、メッキによるコーティ
ング処理により、高導電性金属の厚みを設計に応じて厚
さを制御、生成することが容易である。
【0064】請求項4によれば、高強度非磁性金属の第
1円筒の外表面に直接銅の溶射により第2円筒がコーテ
ィングされるため、コーティング作業の簡素化と接合強
度を高めることが出来る。また、溶射によるコーティン
グにより高導電性金属の厚みを設計に応じて厚さを制
御、生成することが容易である。
【0065】請求項5によれば、高強度非磁性金属の第
1円筒の外表面に直接銅の肉盛溶接により第2円筒がコ
ーティングされるため、コーティング作業の簡素化と接
合強度を高めることが出来る。また肉盛溶接によるコー
ティングにより、高導電性金属の厚みを設計に応じて厚
さを制御、生成することが容易である。
【0066】請求項6によれば、拡散熱処理すること
で、高導電性金属の第2円筒と高強度非磁性金属の第1
円筒とのコーティング界面には、等方圧が加わり、高導
電性金属の銅と高強度非磁性金属の拡散が進行し、密着
性及び接合性を高めることができる。
【0067】請求項7によれば、拡散接合した第2及び
第3円筒には、円周および外周からの等方圧が加わり、
第2円筒と第3円筒とが強固に接合されて一体化し、こ
の一体化により高い剛性が付与される。また、高強度非
磁性金属の第1円筒と高導電性金属の第2円筒の接合強
度も高まり、より高い剛性が付与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、本発明の第1実施例に
係る超電導発電機用ダンパの軸方向および径方向の断面
図。
【図2】本発明の第1実施例に係る超電導発電機用ダン
パのメッキによるコーティング処理の工程を示す断面
図。
【図3】本発明の第1実施例に係る超電導発電機用ダン
パのメッキによるコーティング処理の工程を示す断面
図。
【図4】本発明の第2実施例に係る超電導発電機用ダン
パの溶射によるコーティング処理の工程を示す断面図。
【図5】本発明の第2実施例に係る超電導発電機用ダン
パの溶射によるコーティング処理の工程を示す断面図。
【図6】本発明の第3実施例に係る超電導発電機用ダン
パの肉盛溶接によるコーティング処理の工程を示す断面
図。
【図7】本発明の第3実施例に係る超電導発電機用ダン
パの肉盛溶接によるコーティング処理の工程を示す断面
図。
【図8】(a)および(b)は、本発明の第4実施例に
係る超電導発電機用ダンパの拡散熱処理の工程を示す断
面図。
【図9】本発明の第5実施例に係る超電導発電機用ダン
パの拡散接合処理の工程を示す断面図。
【図10】本発明の第5実施例に係る超電導発電機用ダ
ンパの拡散接合処理の工程を示す断面図。
【図11】本発明の第5実施例に係る超電導発電機用ダ
ンパの拡散接合処理の工程を示す断面図。
【符号の説明】
1 超電導発電機用ダンパ 2 第1 円筒 3 第2円筒 4 洗浄槽 5 槽 6 電極 7 溶射装置 8 溶射トーチ 9 直流電源 10 カソード 11 アノード 12 プラズマアーク 13 ガス導入口 14 溶射材料導入口 15 プラズマジェット 16 コーティング層 17 肉盛装置 18 溶接電源 19 溶接トーチ 20 非消耗電極 21 粉末送給装置 22 プラズマアーク柱 23 不活性ガス 24 溶接金属 25 パイロットアーク電源 26 ガス導入口 27 粉体用ガス導入口 28 シールドガス導入口 29 ノズル 32 複合構造の円筒体 33 ガス雰囲気炉 34 第3円筒 35 円筒体 36 シール溶接リング 37 孔 38 排気菅 39 弁 40 圧力計 41 排気装置 42 鍛接部 43 拡散接合装置 44 圧力容器 45 ガス供給装置 46 排気装置 47 リフレクター 48 ヒータ 49 輻射熱板 50 熱電対 51,52 配管 53,54 圧力計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高強度非磁性金属から形成された第1円筒
    と、この円筒の内径側及び外形側の少なくとも一方に配
    置され且つ高導電性金属から形成された第2円筒とから
    なる複合構造の超電導発電機用ダンパにおいて、 前記第2円筒は、コーティング処理により形成された円
    筒状の層からなることを特徴とする超電導発電機用ダン
    パ。
  2. 【請求項2】高強度非磁性金属から形成された第1円筒
    と、この円筒の内径側及び外形側の少なくとも一方に配
    置され且つ高導電性金属から形成された第2円筒とから
    なる複合構造の超電導発電機用ダンパを製造する方法で
    あって、 前記第2円筒をコーティング処理により円筒状の層に形
    成することを特徴とする超電導発電機用ダンパの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記コーティング処理は、メッキ処理であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の超電導発電機用ダ
    ンパの製造方法。
  4. 【請求項4】前記コーティング処理は、溶射処理である
    ことを特徴とする請求項2に記載の超電導発電機用ダン
    パの製造方法。
  5. 【請求項5】前記コーティング処理は、肉盛溶接処理で
    あることを特徴とする請求項2に記載の超電導発電機用
    ダンパの製造方法。
  6. 【請求項6】第2円筒が第1円筒の内径側又は外形側に
    コーティング処理された後、これら第1及び第2円筒を
    拡散熱処理することを特徴とする請求項2乃至請求項5
    のいずれかに記載の超電導発電機用ダンパの製造方法。
  7. 【請求項7】第2円筒が第1円筒の内径側又は外形側に
    コーティング処理された後、このコーティング処理され
    た第2円筒に、高強度非磁性金属からなる第3円筒を拡
    散接合することを特徴とする請求項2乃至請求項6のい
    ずれかに記載の超電導発電機用ダンパの製造方法。
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