JPH08308561A - 動物細胞培養用無血清培地 - Google Patents

動物細胞培養用無血清培地

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JPH08308561A
JPH08308561A JP7117194A JP11719495A JPH08308561A JP H08308561 A JPH08308561 A JP H08308561A JP 7117194 A JP7117194 A JP 7117194A JP 11719495 A JP11719495 A JP 11719495A JP H08308561 A JPH08308561 A JP H08308561A
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serum
medium
cell culture
free medium
animal cell
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JP7117194A
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Inventor
Hiroto Nakajima
裕人 中嶋
Naoki Niihara
直樹 新原
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、血清添加を必要とせずに細胞が機
能性を失わずに良好に培養され得る既知成分のみから構
成される培地を提供するものである。 【構成】 本発明に係る動物細胞培養用無血清培地は、
少なくともセレン化合物を含むものであり、さらに細胞
膜安定化剤、細胞増殖因子、細胞機能促進剤等を含み得
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物細胞培養用無血清
培地に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生化学分野において生体機能の解
明を行うにあたって動物細胞を用いた実験がなされてお
り、動物細胞を培養する方法が次第に重要となってきて
いる。
【0003】培養動物細胞の細胞機能を長期間維持可能
とするために、培地に血清を加えることが必要とされて
おり、従って、培地に牛胎児等の血清を10%程度の濃
度添加して使用しなければならない。
【0004】一方、血清を培地に添加する方法には、以
下の問題がある。 1 添加される血清には、一般的にタンパク質を主成分
とする作用機能の不明な多種類の未知不純物質が混在す
る可能性があり、該血清を調整するための動物の個体差
等から上記の多種類の未知不純物質の組成が異なり、培
地の性能が一定でなく、再現性の点で問題となること。 2 ウイルスやマイコプラズマの汚染源となり得るこ
と。
【0005】このため、培地中の血清濃度を減少させる
方法が考えられるが、あまりに該血清がすくないと細胞
の機能性低下若しくは死滅を招くため、培地中の血清濃
度の減少には限度がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、以上の問題点
を解決するためには、上記血清添加を必要とせずに細胞
が機能性を失わずに良好に培養され得る既知成分のみか
ら構成される培地の開発が強く望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
以上のような問題点を解決するため鋭意検討を積み重
ね、長期間無血清で細胞機能を維持出来る動物細胞培養
無血清培地が、合成基本培地に既知物質のみを添加混合
する事により得られることを見出し本発明を完成するに
いたった。すなわち本発明は、培地にセレン含有化合物
を含み、さらに該培地にDMSO等の既知物を混合する
ことにより、上記血清添加培地と同様の効果を有する動
物細胞培養用無血清培地を提供する。
【0008】従って、本発明は、特に例えば、培養基材
としてテロペプチドを取り除いたタイプIコラーゲンを
使用するコラーゲンゲル培養法と組み合わせる事で、培
地、培養基材とも培養系に未知物質が含まれていない
為、薬物による細胞機能、薬物代謝、毒性試験の実験系
をシンプルに組む事が可能となる動物細胞培養用無血清
培地を提供する。さらに本発明は、培養基材や血清成分
中の数十種類のタンパク質やホルモンの影響を全く考慮
する必要がなく、長期間の培養に基づく長期間にわたる
試験を行うことが可能となる動物細胞培養用無血清培地
を提供する。
【0009】さらに詳しくは、本発明は、培地にセレン
化合物を含むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培
地に関するものである。
【0010】また本発明は、水溶性であるセレン化合物
を含むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に関
するものである。
【0011】さらに本発明は、水溶性セレン化合物とし
て、亜セレン酸塩またはセレン酸塩であることを特徴と
する動物細胞培養用無血清培地に関するものである。
【0012】また本発明は、セレン化合物を最適濃度含
むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に関する
ものである。
【0013】さらに本発明は、セレン化合物が最適濃度
の少なくとも(1/100)倍以上かつ100倍以下、
(1/10)倍以上かつ10倍以下含むことを特徴とす
る動物細胞培養用無血清培地に関するものである。
【0014】また本発明は、培地にさらに細胞膜安定化
剤を含むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に
関するものである。
【0015】さらに本発明は、細胞膜安定化剤がジメチ
ルスルホキシドであることを特徴とする動物細胞培養用
無血清培地に関するものである。
【0016】また本発明は、培地にさらに細胞増殖因子
を含むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に関
するものである。
【0017】さらに本発明は、細胞増殖因子として、E
GF、PDGF、FGF,HGFからなる群から選ばれ
る1つであることを特徴とする動物細胞培養用無血清培
地に関するものである。
【0018】さらに本発明は、細胞増殖因子が、EGF
であることを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に関
するものである。
【0019】また本発明は、培地にさらに細胞機能促進
剤を含むことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に
関するものである。
【0020】さらに本発明は、細胞機能促進剤がグルコ
コルチコイドまたはインスリンであることを特徴とする
動物細胞培養用無血清培地に関するものである。
【0021】さらに本発明は、グルココルチコイドとし
て、デキサメタゾン、またはデキサメタゾンおよびイン
スリンであることを特徴とする動物細胞培養用無血清培
地に関するものである。
【0022】また本発明は、培地に、亜セレン酸ナトリ
ウムを10-6〜10-7Mと、DMSOを1〜2体積%
と、デキサメタゾンを10-6〜10-7Mと,インスリン
を10-6〜10-7Mと,EGFを10〜50ng/ml
と、プロリンを20〜50μg/mlを少なくとも含む
ことを特徴とする動物細胞培養用無血清培地に関するも
のである。
【0023】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (培地)本発明において使用可能な培地としては、とく
に制限されず、一般的に動物細胞の培地として使用され
得る培地を好適に使用できる。例えば、肝細胞において
はL−15培地、William's E培地、Waymouth's MB
752/1 培地等が特に好適に使用可能である。
【0024】さらに当該培地は通常被培養物、例えば動
物細胞が同化しうる炭素源、消化しうる窒素源および無
機塩等を含有させる事も可能である。また、必要に応じ
て微量栄養促進物質、前駆物質などの微量有効物質を配
合しても良い。ここで炭素源としては、グルコース、マ
ンニトール、、グリセロール、フルクトースなとが使用
可能あり、窒素源としては、カゼイン、BSAなどの有
機窒素化合物、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムなど
の無機窒素化合物が使用可能である。
【0025】(抗酸化剤としてのセレン化合物)本発明
において抗酸化剤として使用され得るセレン化合物の種
類としては特に制限はない。セレンは肝細胞、その他の
組織細胞中のグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathi
oneperoxidase 、GSHーPx)中、セレノシステインの
形で含まれ、生体内でシステインのS(硫黄)と置換す
ることが知られており、さらに該置換グルタチオンペル
オキシダーゼ(セレン)が、細胞中に生成される過酸化
脂質を分解することにより生体膜を安定化することが知
られている(新栄養化学、内藤博ら著、朝倉出版)。
【0026】従って、本発明においては上記の生体膜安
定化の作用を代替し発揮し得る種々のセレンの化合物、
特に水溶性セレン化合物が好ましく、例えばセレン酸化
物またはセレン酸化物イオン等が使用可能である。さら
に例えば、本発明においては、亜セレン酸もしくはその
塩(例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、ま
たは、セレン酸もしくはその塩(例えばアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩)等が好適に使用可能である。
本発明において、肝細胞培養には特に亜セレン酸塩、例
えば亜セレン酸ナトリウムがさらに好適に使用可能であ
る。
【0027】(セレン化合物の最適濃度)本発明におい
て該セレン化合物の使用濃度は、セレン化合物の種類、
および培養される細胞の種類により最適化可能であり、
最適化の方法に特に制限はない。例えば該セレン化合物
の濃度変化による、培養細胞の数の増加(培養細胞数の
増加は例えば血球計数板及び顕微鏡下での観察、コロニ
ー形成法等で計数することが可能)、または培養細胞の
生産物質の増加を測定することで好適に最適濃度(例え
ば最大ピーク濃度)を推定可能である。
【0028】例えば、肝細胞の場合には、適当な培地
に、DMSO、EGF等の成分を加えたものに、さらに
亜セレン酸ナトリウムを最終濃度(培地として使用する
際の濃度)が10-3〜10-12 Mになるように添加した
複数の培地を調整したもので、肝細胞を培養し、例えば
肝細胞が生成するアルブミンを酵素イムノアッセイ法
(ELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay
)による定量により測定し、該アルブミンの生成量が
最大値を示す場合の亜セレン酸ナトリウム濃度を最適濃
度として推定することが可能である。さらに、本発明に
おいては、上記の方法により推定された最適濃度の約1
/100〜100倍の濃度範囲においても好適に使用可
能である。さらに本発明においては、上記の方法により
推定された最適濃度の約1/10〜10倍の濃度範囲に
おいても好適に使用可能である。
【0029】例えば肝細胞の場合上記最適濃度としては
10-6〜10-7Mと推定され、従って10-5〜10-8
の濃度で好適に使用可能であり、さらには10-4〜10
-9Mの濃度においても使用可能であることが示される。
これ以上濃度が高い場合(例えば上記最適濃度の100
倍以上)には、細胞毒性等が生じるため好ましくなく、
さらにあまり低濃度の場合(例えば上記最適濃度の1/
100倍以下)には、充分な上記作用が発揮されないた
め好ましくない。
【0030】本発明においては、上記該セレン化合物の
最適濃度は、細胞培養に使用する際の濃度を意味するも
のであって、該培地の調整前、または保存時での濃度で
ある必要はない。さらに本発明において上記最適濃度
は、培地の使用の態様には依存しない。すなわち水溶液
の態様に限定されるものではなく、希釈後の使用、また
は他の方法によりゲル化させて使用することも可能であ
り、該使用の際の濃度が上記最適濃度であればよい。
【0031】また、上記培地中の該セレン化合物を検出
する方法としては、一般的なセレン化合物の分析方法が
使用可能であり、例えば、セレン元素の存在の確認およ
び定量には、原子吸光分析、イオンカップルプラズマ質
量分析、イオンカラムクロマトグラフ等の分析方法が好
適に使用可能である。またイオン種の分析においては、
各種のイオンクロマトグラフ法等が使用可能である。
【0032】(細胞膜安定化剤)本発明においては、上
記抗酸化剤としてのセレン化合物ともに、細胞膜安定化
剤の添加が有効である。本発明においては、この細胞膜
安定化剤に特に制限はないが、ジメチルスルホキシド
(DMSO)またはDMSOと同等の細胞膜安定化性を
有する化合物が好適に使用可能である。特に本発明にお
いてはDMSOの使用が好ましい。
【0033】細胞膜安定化剤は長期間の培養において、
培養細胞の細胞膜を安定化し種々の外部の影響から保護
する作用を有するものと考えられる。該安定化剤の使用
濃度は使用する安定化剤および細胞の種類によって最適
化することが可能であり、特に制限はない。一般的に
は、上記作用を充分発揮するには一定の濃度が必要であ
り、例えば動物細胞においては最終濃度として約0.1
〜2重量%添加されることが好ましい。例えば肝細胞の
場合であって、DMSOを使用する場合には、最終濃度
が約0.1〜2重量%であることが好ましい。すなわ
ち、この濃度より低い場合は、充分な細胞膜安定化作用
が発揮されず、またあまり高濃度の場合には細胞毒性等
が生じ好ましくない。
【0034】さらに、培地中の該安定化剤を検出する方
法は一般的な有機物の検出方法が使用可能であり、例え
ば、ガスクロマトグラフ、カラムクロマトグラフ、赤外
線吸収スペクトル、核磁気共鳴吸収スペクトル等が好適
に使用可能である。
【0035】(細胞増殖因子)本発明においては、上記
の抗酸化剤、細胞膜安定化剤と併用して、細胞増殖因子
を使用することが好ましい。該因子を使用することによ
り長期間安定した細胞増殖を可能とする。本発明におい
ては細胞増殖因子として使用可能なものは特に制限はな
いが、例えば上皮増殖因子(epidermal growth factor:
EGF) 、血小板由来増殖因子(platelet-derived gro
wth factor:PDGF)、繊維芽細胞増殖因子(fibrob
lase growth factor:FGF)、肝細胞増殖因子(hepa
tocyte growth factor:HGF)等が特に好適に使用可
能である。例えば、肝細胞の場合においては、EGF、
HGF等が好適に使用可能である。
【0036】該因子の使用濃度は使用する因子および細
胞の種類によって最適化することが可能であり、特に制
限はない。一般的には、動物細胞において最終濃度とし
て10〜100ng/ml 程度の添加で充分である。例えば
肝細胞の場合であって、EGFを使用する場合には、最
終濃度が10〜50ng/ml であることが好ましい。すな
わち、上記濃度より低い場合は、充分な細胞増殖作用が
発揮されず、またあまり高濃度の場合には活性が飽和
し、所望の効果が期待できず、またタンパク成分の増加
による分解等の問題が生じ得る。
【0037】さらに培地中の該因子を検出する方法は、
特に制限されないが、濃度が微量であること、低濃度共
存物が多数存在することなどから、イムノアッセイ法が
好適に使用可能である。例えばEGFの場合、EGF抗
体を用いたラジオイムノアッセイ法(RIA)、酵素イ
ムノアッセイ法(EIA,ELISA)等によりEGF
を100pM程度の濃度まで分析可能である。
【0038】(細胞機能促進剤)さらに本発明において
は、培養される細胞に基づいて該細胞の機能促進剤を併
用することが可能である。該促進剤の種類および濃度
は、細胞の種類により最適化し、選択することが可能で
ある。例えば動物細胞においては一般的にはグルココル
チコイド類が好適に使用可能である。さらに該グルココ
ルチコイド類のうち、コルチゾール、コルチコステロ
ン、コルチゾン、デキサメタゾン、プレドニソロン等は
好ましく使用可能であり、特に肝細胞の場合において
は、肝機能促進剤としてのデキサメタゾン等が好適に使
用可能である。
【0039】さらに本発明においては培養細胞の機能促
進のためにインスリン様増殖因子(IGF)等の併用も
好ましく使用可能である。例えば肝細胞においては、イ
ンスリンは糖新生抑制、グリコーゲン合成促進、タンパ
ク合成促進等の作用を有する。
【0040】(使用態様)本発明においては、該培地の
使用態様については特に制限はない。水溶液の態様、ゲ
ル化させての使用態様、上記培地成分の固定、または半
固体混合物を必要量水溶液に溶解、またはゲル化したの
ちの使用等が好適に可能である。
【0041】
【作用】培地に抗酸化剤としてのセレン化合物を添加
し、細胞中に生成する過酸化物等を分解し、安定した長
期培養を可能とし、さらに培地に細胞膜安定化剤を添加
することにより、動物細胞膜を保護し、安定した長期培
養を可能とし、さらに必要ならば細胞増殖因子または細
胞機能促進剤を添加することにより、動物細胞の増殖を
助け、細胞機能を増進させることにより、血清を全く使
用する必要なく、長期間の動物細胞培養を可能とするた
めの培地を得る。
【0042】
【実施例】以下実施例に基づき本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)亜セレン酸ナトリウムの最適濃度の決定 A.細胞培養容器の作製 4℃の低温下でペプシン可溶性コラーゲン溶液に、再構
成用緩衝液(0.05%水酸化ナトリウム、4.77%
HEPES、2.2%炭酸水素ナトリウム)及び10倍
濃度の培養液を8:1:1(体積比)の割合になるよう
加えてよく混合して中和し、培養容器の底面に均一に注
入し、インキュベーター内で加温してゲル化させた後に
使用する。
【0043】B.無血清培地の調整 培地としてL−15培地に、インスリン10-7M、EG
F10ng/ml、DMSO2%、デキサメタゾン10
-7Mおよびプロリン30μg/mlを加えたものに、さ
らにそれぞれ亜セレン酸ナトリウムを10-3〜10-12
M添加したものを調整し、0.22μmのフィルターを
使用してろ過滅菌を行った。また、対照用の培地として
上記DMSO、EGFを添加しない培地を使用した。
【0044】C.肝細胞の培養 上記の方法で作成した細胞培養容器と無血清培地を用い
て、次に示す細胞培養を行った。肝細胞をラットよりコ
ラゲナーゼ潅流法(蛋白質、核酸、酵素、1978、2
3、1259−1271ページ参照)にて分離し、上記
コラーゲンゲル培養容器のゲル上に5x105 個/ml
の密度で播種し、37℃、5%炭酸ガスインキュベータ
ー内で培養した。
【0045】培養液は、上記無血清培地を用い、ゲル層
の上面に培養液を加え、2〜3日毎に培地交換を行い培
養を続けた。定期的に培養液の交換を行い、培養21日
目に培養液中のアルブミンを測定することにより、肝細
胞が合成するアルブミンの分泌量を測定した。アルブミ
ンの測定にはELISA法を用いた。その結果は、図1
に示す通りである。EGF、DMSOを含む培地で亜セ
レン酸ナトリウム濃度が10-6〜10-8Mのとき培養肝
細胞のアルブミン産生量がピークに達して細胞機能が維
持されている事が確認された。従って、この最適濃度の
亜セレン酸を含有する無血清培地で細胞機能の長期維持
が可能であることがわかった。
【0046】(実施例2)血清培地との比較 A.細胞培養容器の作製 4℃の低温下でペプシン可溶性コラーゲン溶液に、再構
成用緩衝液(0.05%水酸化ナトリウム、4.77%
HEPES、2.2%炭酸水素ナトリウム)及び10倍
濃度の培養液を8:1:1(体積比)の割合になるよう
加えてよく混合して中和し、培養容器の底面に均一に注
入し、インキュベーター内で加温してゲル化させた後に
使用する。
【0047】B.無血清培地の調整 培地としてL−15培地に、インスリン10-7M、EG
F10ng/ml、DMSO2%、デキサメタゾン10
-7Mおよびプロリン30μg/mlを加えたものに、さ
らにそれぞれ亜セレン酸ナトリウムを10-6M添加した
ものを調整し、0.22μmのフィルターを使用してろ
過滅菌を行った。また、比較用の無血清培地として亜セ
レン酸ナトリウムを添加していない培地を、血清培地と
して亜セレン酸ナトリウムの代わりに10%の牛胎児血
清を添加した培地を使用した。
【0048】C.肝細胞の培養 上記の方法で作成した細胞培養容器と無血清培地を用い
て、次に示す細胞培養実験を行った。肝細胞をラットよ
りコラゲナーゼ潅流法にて分離し、上記コラーゲンゲル
培養容器のゲル上に5x105 個/mlの密度で播種
し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内で培養し
た。培養液は、上記無血清培地を用い、ゲル層の上面に
培養液を加え、2〜3日毎に培地交換を行い培養を続け
た。4週間、定期的に培養液の交換とサンプリングを行
い、培養液中のアルブミンを測定(ELISA法によ
る)することにより、肝細胞が合成するアルブミンの分
泌量を測定した。
【0049】その結果は、図2に示す通りである。亜セ
レン酸ナトリウムを含有する培地で培養した場合、血清
培地に匹敵する細胞の長期培養による機能維持が可能で
あり、一方、亜セレン酸ナトリウム不含培地では長期培
養ができていない事が確認された。この結果、亜セレン
酸を含有する無血清培地で細胞機能の長期維持が可能で
あることがわかった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、従
来の血清培地と同様な効果を有し、しかも血清を全く必
要としない動物細胞培養用の培地が提供される。また本
発明に係る動物細胞用培地は、培地の構成材料が既知物
質だけで構成され、血清培養に見られるロット差の違い
による培地間の特性のバラツキが生じることがなく、再
現性の良い動物細胞培養が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で測定した各種亜セレン酸ナトリウム
濃度を含有する培地で培養した肝細胞のアルブミン分泌
量を示す図である。
【図2】実施例2で測定した培養肝細胞のアルブミン分
泌量の変化を示す図である。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地にセレン化合物を含むことを特徴と
    する動物細胞培養用無血清培地。
  2. 【請求項2】 前記セレン化合物が水溶性であることを
    特徴とする請求項1に記載の動物細胞培養用無血清培
    地。
  3. 【請求項3】 前記水溶性セレン化合物が、亜セレン酸
    塩またはセレン酸塩であることを特徴とする請求項2に
    記載の動物細胞培養用無血清培地。
  4. 【請求項4】 前記培地に前記セレン化合物を最適濃度
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    動物細胞培養用無血清培地。
  5. 【請求項5】 前記培地に前記セレン化合物を最適濃度
    の少なくとも(1/100)倍以上、かつ100倍以下
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    動物細胞培養用無血清培地。
  6. 【請求項6】 前記培地に前記セレン化合物を最適濃度
    の少なくとも(1/10)倍以上、かつ10倍以下含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の動物
    細胞培養用無血清培地。
  7. 【請求項7】 前記培地にさらに細胞膜安定化剤を含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の動物
    細胞培養用無血清培地。
  8. 【請求項8】 前記細胞膜安定化剤がジメチルスルホキ
    シドであることを特徴とする請求項7に記載の動物細胞
    培養用無血清培地。
  9. 【請求項9】 前記培地にさらに細胞増殖因子を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の動物細
    胞培養用無血清培地。
  10. 【請求項10】 前記細胞増殖因子が、上皮増殖因子
    (epidermal growth factor:EGF) 、血小板由来増殖
    因子(platelet-derived growth factor:PDGF)、
    繊維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FG
    F)、肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor:H
    GF)からなる群から選ばれる少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の動物細胞培養用無血清
    培地。
  11. 【請求項11】 前記細胞増殖因子が、EGFであるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の動物細胞培養用無血
    清培地。
  12. 【請求項12】 前記培地にさらに細胞機能促進剤を含
    むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の
    動物細胞培養用無血清培地。
  13. 【請求項13】 前記細胞機能促進剤がグルココルチコ
    イドまたはインスリンであることを特徴とする請求項1
    2に記載の動物細胞培養用無血清培地。
  14. 【請求項14】 前記グルココルチコイドが、デキサメ
    タゾンであることを特徴とする請求項13に記載の動物
    細胞培養用無血清培地。
  15. 【請求項15】 前記細胞機能促進剤が、デキサメタゾ
    ンおよびインスリンであることを特徴とする請求項12
    に記載の動物細胞培養用無血清培地。
  16. 【請求項16】 培地に、亜セレン酸ナトリウムを10
    -6〜10-7Mと、DMSOを1〜2体積%と、デキサメ
    タゾンを10-6〜10-7Mと,インスリンを10-6〜1
    -7Mと,EGFを10〜50ng/mlと、プロリン
    を20〜50μg/mlを少なくとも含むことを特徴と
    する動物細胞培養用無血清培地。
JP7117194A 1995-05-16 1995-05-16 動物細胞培養用無血清培地 Pending JPH08308561A (ja)

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