JPH08309524A - 自動溶接方法と装置及び溶接構造物 - Google Patents

自動溶接方法と装置及び溶接構造物

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Publication number
JPH08309524A
JPH08309524A JP12185895A JP12185895A JPH08309524A JP H08309524 A JPH08309524 A JP H08309524A JP 12185895 A JP12185895 A JP 12185895A JP 12185895 A JP12185895 A JP 12185895A JP H08309524 A JPH08309524 A JP H08309524A
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JP
Japan
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welding
wire
wire feeding
groove
welded
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JP12185895A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Matsumura
義明 松村
Toshiji Nagashima
利治 永島
Mitsuhiro Tada
光宏 多田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 据付け現地などで角柱と角柱を溶接によって
接続する場合に、自動溶接機による横向き姿勢での多層
盛り溶接を行う場合に、最適な溶接方法と手順での溶接
が行える溶接技術を提供すること。 【構成】 溶接ワイヤ8の送給時にワイヤ送給ユニット
1内のワイヤ送給部品であるローラ2、3、5を結ぶ軸
線に対して、ローラ4が下方にあると、ローラ3の外径
に沿ってワイヤ8が狭開先トーチ6に送られるため、ワ
イヤ8に下向きの曲げ癖が付加され、ワイヤ8がトーチ
6から下向きに出てくるので、ワイヤ8先端が開先10
の下面の角部を狙うことができ、トーチ6を傾けること
なく、開先10の下面の溶接を行うことができる。ま
た、ローラ4が前記軸線の上方にあると、ワイヤ8に上
向きの曲げ癖が付加され、その先端が開先10の上面の
角部を狙うことができる。こうしてI形の開先10でも
連続して積層が行えるので、効率的な自動溶接が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動溶接方法と装置およ
び該自動溶接方法で得られた溶接構造物に関し、特に建
築物の鉄骨に用いられる角柱の自動溶接技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラ鉄骨などの大型建築物の鉄骨には
型鋼の他に厚板の角柱が使用され、現地据付けにおい
て、角柱と角柱の接続が横向き姿勢の多層盛溶接で行わ
れることが多い。従来、この部分の溶接は手溶接や半自
動溶接で行われているが、溶接作業の能率向上のため、
自動溶接機を用いる溶接方法も提案されている(例え
ば、日立造船技報第55巻第3号)。
【0003】角柱の溶接開先継手(以下、開先と言うこ
とがある。)の形状は、従来、図14に示すような角柱
9の断面レの字形の開先10’の形状のものが一般的で
あるが、角柱9のような厚板では、開先形状が大きくな
り、溶接金属の積層数が増加し、溶接に多くの時間を要
することから、溶接金属の減少を目的として、図15に
示すような開先形状が平行かまたはほぼ平行で、開先角
度を持たない断面I字形の開先10も提案されている。
【0004】図14、図15のいずれの場合の開先形状
においても、図16に示すように裏当て金または、裏当
て金の用途を成す部材を用いて、MAG(Metal Active
Gas)溶接法によって行われることが多い。図16には
上側角柱9を下側角柱9に差し込む前の状態を示す。下
側角柱9の内側に差込み裏当て金31および受け裏当て
金32が、上側角柱9の内側には突合わせ裏当て金34
が各々工場にて取り付けられている。コーナを溶接して
製造される角柱9の場合は、溶接ひずみなどの影響でコ
ーナ近傍には不整形が生じ易いので、差込み裏当て金3
1は直線部に、突合わせ裏当て金34および受け裏当て
金32はコーナに配置する方が好都合である。
【0005】図16に示すように裏当て金32などを用
いて角柱9のレ字形の開先を溶接する場合、図17
(a)または図18に示すように、レ字形の開先10’
が、例えば35度または37度の標準開先角度である
と、開先10’内が広いことから開先10’内において
溶接トーチ角度を溶接に適正な角度に選択でき、特に溶
け込み不良が生じやすい開先10’面においても良好な
溶接部を比較的容易に得ることができる。
【0006】この場合、溶接金属の積層は、図17
(a)または図18に示すように初層は1パスで行われ
るが、2層目は2パス、3層目は2パスまたは3パスと
増加していき、最終層では7パスまたは8パスとなり、
全パス数では34パスまたは42パスとかなりの積層数
となる。
【0007】従って、手溶接などではかなりの作業時間
を要したものが自動化することによって、かなりの作業
効率の向上の効果が得られる。しかしながら図17
(a)と図18の開先10’の3層目以降の積層状態で
示すように、開先角度などの開先形状の加工寸法公差
や、開先面の設定寸法公差や、溶接条件の差による溶接
積層形状の違いなどにより、溶接金属の積層方法を変え
る必要があるため、自動で全部の積層を連続して溶接す
ることは難しい。
【0008】これに対して、I字形の開先形状に自動溶
接を適用する場合、図17(b)に示すように溶接金属
の積層を初層から最終層まで2パス/層で行うことがで
き、レの字形の開先10’の形状の場合のようなパス数
のばらつきがないため、自動で全部の積層を連続して溶
接するのに適している。
【0009】しかしながら開先形状がI字形の場合、図
19に示すように、開先角度がほとんどないため開先1
0内が狭く、開先10内において溶接トーチ角度を、溶
接に適正な角度に選択できず、溶接トーチ6からのワイ
ヤ8の狙い方向を開先10面に向けることができない。
特に角柱9のような厚板の場合には、溶接トーチ6を開
先10内部へ挿入するため、溶接トーチ6を開先10面
とほぼ平行に設定し、ほぼ平行に移動させながら溶接す
る方法がとられるため、溶接トーチ6からのワイヤ8の
狙い方向が開先10面に対してほぼ平行となり、開先1
0面において溶け込み不良が生じやすい。
【0010】このためI字形の開先形状に自動溶接を適
用する場合には、図15に示すように、溶接トーチ6か
らのワイヤ8の狙い方向を開先10面に向けるために溶
接トーチ6を傾ける方法や、溶接電流を大電流にして所
定の溶け込みを得る方法が提案されている。
【0011】しかしながら、前記溶接トーチ6を傾ける
方法は、特に角柱9のような厚板においては、開先10
内が狭くなるのに伴い、開先幅を広くする必要があるた
め積層数が増加することになり、レの字形の開先10’
に対する優位性がない。
【0012】また、前記溶接電流を大電流にする方法
は、適正な積層形状かつ溶け込みが得られる溶接条件範
囲や溶接トーチ6の設定位置の許容範囲が狭くなること
から、地上から、数十mにもなる現地溶接位置に大電流
の供給が可能な容量の電源ケーブルを配線したり、製缶
公差で製作されている製缶品であるところの角柱9に、
精密な溶接トーチ6の位置設定が可能な装置を設置する
必要があり、実用上不向きな方法である。
【0013】一方、溶接手順においては、図20の角柱
9の水平断面方向からの視図に示すように、角柱9の開
先10(斜線部)の放差周囲に設置した直線レール21
などのガイド装置に、溶接トーチを有する溶接ヘッド1
1を搭載し、溶接ヘッド11が角柱の周方向を連続的に
移動しながら溶接を行うものがある。すなわち、角柱9
の所定の一面の任意の位置を溶接開始点とし、1パス目
を左回りまたは右回りで角柱9の四面を連続して溶接し
た後、溶接開始点で折り返して2パス目を溶接すること
を繰り返し行う方法が行われている。
【0014】また、この他には、図21の角柱9の断面
方向からの視図に示すように、角柱9の四面のうちの任
意の一面毎に全積層の溶接を行う方法(図21の下面に
示す矢印Aが溶接順序を表し、上面に4層からなる溶接
層を表している。)などが、一般的に行われている。
【0015】まず、図20に示すような連続して角柱9
の四面または、二面以上を溶接する方法では、角柱9の
コーナ部において、溶接トーチ6を有する溶接ヘッド1
1が90度回転する必要があるが、この場合に、直線部
と同じ溶接条件では、溶接ヘッド11が90度回転する
間に供給される溶接金属量が多すぎると、余剰の溶接金
属が積層形状不良となり、連続して溶接する場合に支障
をきたす。
【0016】この対策として、角柱9のコーナ部分で、
溶接速度すなわち回転速度を速くして単位時間当りの溶
接金属供給量を減少する方法や、溶接速度は余り落さず
に、溶接金属供給量を減少させる方法や、溶接を中断す
る方法がある。
【0017】しかしながら、前記コーナ部分で、溶接速
度を速くする方法では、溶接速度は直線部の数十倍の速
さを必要とするため、装置能力の限界や高速での積層形
状の安定性などからみて、実用上不向きな方法である。
また、何らかの理由でコーナ部からの溶接の再開が必要
となった場合には、溶接開始直後の溶接速度が、数m/
分の高速走行となり、安定な溶接金属形状が得られず、
手溶接での補修が必要となる。
【0018】また、溶接速度を余り落さずに、溶接金属
供給量を減少させる方法では、MAG溶接などの消耗電
極を使用する溶接方法の場合には、溶接金属供給量は電
流に依存しているため、溶接金属供給量を減少させるに
は、大幅に電流を減少させる必要があり、積層形状の不
良や、溶け込み不良などが発生しやすい。
【0019】また、図22に示すように、前記連続して
角柱9の四面または二面以上を溶接する方法では、角柱
9のコーナ部の溶接条件の設定がうまくいったとして
も、角断面形状であるコーナ部において積層形状が円弧
形状になるため、自動溶接終了後に角断面形状へ仕上げ
るために、手溶接によって肉盛溶接作業を行うことにな
り、溶接後のグラインダー仕上げも含めて、効率的な溶
接作業が行えなかった。
【0020】次に、図21に示すような、角柱9の任意
の一面毎に溶接を行う方法は、隣の面内に溶接金属が流
れ込むのを防止するために、セラミックタブ22をコー
ナ部に設置し、任意の一面毎にコーナ部を含めた面内
を、図示していない溶接トーチを有する溶接ヘッドの往
復移動を繰り返しながら溶接を行うものであるが、この
方法ではコーナ部のセラミックタブ22部分に溶接不良
が出やすく、特に溶接開始部と終了部に溶接不良が多
い。また、この方法では、コーナ部のセラミックタブ2
2が開先内に設置されるため、溶接トーチの形状が限定
される。すなわち、小型で断面円形状の普通のトーチを
使用するレの字形の開先10’には、溶接トーチとセラ
ミックタブ22とが干渉することなく使用できるが、薄
型で板状の狭開先トーチを使用するI字形の狭い開先1
0には、溶接トーチとセラミックタブ22とが、コーナ
部において干渉するため使用できない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来技術に
は次のような問題点があった。すなわち、角柱9を目的
の現地で据え付ける場合など、角柱9と角柱9を溶接に
よって接続する場合に、自動溶接機による横向き姿勢で
の多層盛り溶接を行う場合に、図14、図17(a)、
図18に示すレの字形の開先10’を有する場合は、開
先角度などの開先形状の加工寸法公差や、開先面の設定
寸法公差や、溶接条件の差による溶接積層形状の違いな
どにより、溶接金属の積層方法を変える必要があるた
め、自動で全部の積層を連続して溶接することは難しか
った。
【0022】また図15、図19に示す開先10の形状
がI字形である場合は、開先角度がほとんどないため開
先内が狭く、開先内において溶接トーチ角度を適正な角
度に選択できず、溶接トーチ6からのワイヤ8の狙い方
向を開先面に適正な角度に向けることができなかったた
め、開先面において溶け込み不良が生じやすいという問
題があった。
【0023】上記従来技術の対策として、溶接トーチ6
を傾けて、溶接トーチ6からのワイヤ8の狙い方向を開
先面に適正な角度に向けたり、溶接電流を大電流にし
て、所定の溶け込みを得るなどの方法があるが、溶接ト
ーチ6の角度を確保するためには、開先幅を広く取って
溶接トーチ6との干渉をなくす必要があるため、積層数
が増加することや、適正な積層状態と溶け込みを得るた
めの溶接条件範囲が狭いなど実用上の問題があった。
【0024】さらに、溶接手順において、図20、図2
2に示す従来技術では、手溶接による角柱9のコーナ部
の仕上げ溶接が必要となることや、図21に示すセラミ
ックタブ22を角柱9のコーナ部に使用した従来技術で
は、溶接トーチ6とセラミックタブ22が干渉するため
に、この方法はI字形の狭い開先10には使用できなか
った。
【0025】また、特開昭59−202183号には図
23に示すように溶接ワイヤ8に下向きおよび上向きの
曲げ癖をそれぞれ巻き付けローラ38、39で付加した
2組のワイヤ送給部品40、41を用いてこれらを水平
方向に前後して移動させながら角柱9の開先10部分の
下側と上側を同時に溶接する方法が開示されている。し
かし、この方法では2組のワイヤ送給部品40、41が
必要である上に、2本のワイヤ8の下向きおよび上向き
の曲げ癖は巻き付けローラ38、39への巻き付け方に
より決まり、それぞれのワイヤ8の曲げ癖は変えられな
い。
【0026】したがって、下向きの曲げ癖がついた溶接
ワイヤ8に有するワイヤ送給部品40を常に先行させて
水平方向に移動させながら開先10の下側部分を溶接し
た後、上向きの曲げ癖がついた溶接ワイヤ8に有するワ
イヤ送給部品41を追従させることで開先10の上側を
溶接する必要がある。そのため、往復溶接作業時に、復
路では、改めてワイヤ送給部品40、41をスタートラ
インに戻して、常に下向きの曲げ癖がついた溶接ワイヤ
8に有するワイヤ送給部品40を先行スタートさせる必
要があり、溶接作業時間に無駄があることも問題であ
る。
【0027】本発明の目的は、据付け現地などで角柱と
角柱を溶接によって接続する場合に、自動溶接機による
横向き姿勢での多層盛り溶接を行う場合に、最適な溶接
方法と手順で能率的に溶接が行える溶接技術を提供する
ことである。
【0028】また、本発明の目的は、据付け現地などで
角柱と角柱を溶接によって接続するのに最適な溶接装置
を提供することにある。
【0029】また、本発明の目的は、据付け現地などで
角柱と角柱を溶接によって接続するのに最適な自動溶接
用開先を提供することにある。
【0030】また、本発明の目的は、能率的な自動溶接
方法で得られる被溶接構造物を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、溶接トーチを有す
る溶接ヘッドと溶接電源と制御装置と冷却水供給装置を
備えた自動溶接装置を使用し、搭載機能を有するガイド
装置を被溶接部の開先継手面に配置し、少なくとも溶接
ヘッドをガイド装置に搭載し、ガイド装置上を移動させ
ながら溶接を行う自動溶接方法において、溶接ヘッド内
に少なくとも3組のワイヤ送給部品をワイヤ送給方向に
並べて配置し、前記3組のワイヤ送給部品のうち外側に
位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線に対して、前
記2組のワイヤ送給部品の間に位置するワイヤ送給部品
の軸位置を上方向または下方向へずらすことで、ワイヤ
送給時にワイヤに開先継手の上面方向または下面方向の
曲げ癖を付加しながら開先継手内の少なくとも上面側と
下面側の溶接をする自動溶接方法である。
【0032】上記本発明の自動溶接方法において、開先
継手内を各溶接層当たり下側面と上側面の2回のパスに
振り分けて、開先継手内部の全領域にわたり多層盛溶接
を行うことが望ましい。また、上記本発明の自動溶接方
法において、2組のワイヤ送給部品の間に位置するワイ
ヤ送給部品の軸位置を外側に位置する2組のワイヤ送給
部品を結ぶ軸線に対して下方向へずらすことで、ワイヤ
送給時にワイヤに開先継手の下側面方向の曲げ癖を付加
しながら開先継手の任意の一辺の、一方の端部から他方
の端部へ向けて溶接を開始し、他方の端部では溶接走行
を停止し、溶接終了端部の処理を行うと共に、次パスを
溶接する位置に溶接ヘッドを移動した後、または停止位
置のままであって、次パスの溶接を開始する前までに、
2組のワイヤ送給部品の間に位置するワイヤ送給部品の
軸位置を外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸
線に対して上方向へずらすことで、ワイヤ送給時にワイ
ヤに開先継手の上側面方向の曲げ癖を付加しながら開先
継手の一辺の、前記他方の端部から前記一方の端部へ向
けて溶接を開始し、前記他方の端部では溶接走行を停止
し、溶接終了端部の処理を行うことができる。
【0033】また、本発明の上記自動溶接方法において
は、2組のワイヤ送給部品の間に位置するワイヤ送給部
品の軸位置を外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結
ぶ軸線に対して下方向へずらすことで、ワイヤ送給時に
ワイヤに開先継手の下側面方向の曲げ癖を付加しなが
ら、4面ある開先継手面のうち少なくとも1面につい
て、一方の端部から他方の端部へ向けてその下側面の溶
接を開始し、他方の端部では溶接走行を停止し、溶接終
了端部の処理を行うと共に、次パスを溶接する位置に溶
接ヘッドを移動した後、または停止位置のままであっ
て、次パスの溶接を開始する前までに、2組のワイヤ送
給部品の間に位置するワイヤ送給部品の軸位置を外側に
位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線に対して上方
向へずらすことで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の
上側面方向の曲げ癖を付加しながら開先継手の前記他方
の端部から前記一方の端部へ向けて溶接を開始し、前記
他方の端部から一方の端部へ向けて、開先継手の上側面
の溶接を開始し、一方の端部にきたときには、溶接走行
を停止し、溶接終了端部の処理を行うと共に、次パスの
溶接をする位置に溶接ヘッドを移動した後かまたは停止
位置のままであって、次パスの溶接を開始する前まで
に、溶接トーチを溶接済みの層から遠ざかる方向にワイ
ヤを移動し、前記二段の溶接工程と同様の溶接手順を順
次繰り返すことで開先継手内部の全領域にわたり多層盛
溶接を行うこともできる。
【0034】上記本発明の自動溶接方法は、2台の溶接
ヘッドを用いて、被溶接部材の対向する2面を、同時か
またはほぼ同時に、前記被溶接部材の対向する2面に略
直交する2面を溶接する前に溶接する方法としても良
い。例えば、本発明の溶接トーチは狭開先継手溶接トー
チであって、溶接電源はMAG溶接電源であって、被溶
接部材は角柱であり、該角柱の溶接開先継手はI字形の
狭開先継手とする。
【0035】また、本発明は次の構成からなる。すなわ
ち、溶接トーチを有する溶接ヘッドと溶接電源と制御装
置と冷却水供給装置を備えた自動溶接装置を使用し、搭
載機能を有するガイド装置を被溶接部の開先継手面に配
置し、少なくとも溶接ヘッドをガイド装置に搭載し、ガ
イド装置上を移動させながら溶接を行う自動溶接装置に
おいて、溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給部
品をワイヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイヤ
送給部品のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品を
結ぶ軸線に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に位
置するワイヤ送給部品を上方向または下方向へ移動可能
な構成とした自動溶接装置である。上記本発明の自動溶
接装置は溶接ヘッドのガイド装置に水平方向および上下
方向の各駆動装置を備えたもの、または被溶接部材の対
向する2面にそれぞれ対応した溶接ヘッドとそのガイド
装置を備えたものでも良い。
【0036】また、本発明は次の構成からなる。すなわ
ち、前記本発明の自動溶接方法で溶接開先継手部分が溶
接されたことを特徴とする溶接構造物である。そして、
該溶接構造物は被溶接構造物がI字形の溶接開先継手形
状を有する角柱からなるものを用いることができる。
【0037】
【作用】本発明を理解し易くするために、図面により概
略を説明するが、これらの図面は本発明の一例にしか過
ぎない。図1、図2に示すように、溶接ワイヤ8の送給
時にワイヤ送給ユニット1内に少なくとも3組のワイヤ
送給部品(ローラ2〜5)をワイヤ送給方向に並べて配
置し、前記3組のワイヤ送給部品(ローラ2〜5)のう
ち外側に位置する2組のワイヤ送給部品(ローラ2、
3、5)を結ぶ軸線に対して、前記2組のワイヤ送給部
品(ローラ2、3、5)の間に位置するワイヤ送給部品
(ローラ4)が下方にある場合には、外側に位置する2
組のうち、角柱9の狭い開先10のトーチ6側の溶接ワ
イヤ送給部品(ローラ2、3)の下側のローラ3の外径
に沿って溶接ワイヤ8が狭開先トーチ6に送られるた
め、溶接ワイヤ8に下向きの曲げ癖が付加され、ワイヤ
8が狭開先トーチ6から下向きに出てくるので、溶接ワ
イヤ8先端が開先10の下面の角部15を狙うことがで
き、狭開先トーチ6を傾けることなく、狭開先10の下
面の溶接を行うことができる。
【0038】また、前記溶接ワイヤ送給部品(ローラ
4)が図2に示すように2組のワイヤ送給部品(ローラ
2、3、5)を結ぶ軸線に対して、上方にある場合に
は、狭開先トーチ側の溶接ワイヤ送給部品(ローラ2、
3)の上側のローラ2の外径に沿って溶接ワイヤ8が狭
開先トーチ6に送られるため、溶接ワイヤ8に上向きの
曲げ癖が付加され、ワイヤ8が狭開先トーチ6から上向
きに出てくるので、溶接ワイヤ8の先端が開先10の上
面の角部15’を狙うことができ、狭開先トーチ6を傾
けることなく、狭開先10の上面の溶接を行うことがで
きる。
【0039】次に、溶接手順においては、図3の角柱9
のI字形狭開先10の正面図中に示すように、A点より
1パス目の溶接を開始し、B点で溶接走行を停止し、ク
レータ処理に入ると共に、前記溶接ワイヤ送給部品(ロ
ーラ4)を上昇させ、溶接ワイヤ8に上向きの曲げ癖を
付加できる位置とした後、狭開先トーチ6を上方のC点
まで移動させ、C点から2パス目の溶接を開始し、D点
で溶接走行を停止してクレータ処理に入ると共に、溶接
ワイヤ送給部品(ローラ4)を下降させ、溶接ワイヤ8
に下向きの曲げ癖を付加できる位置とした後、1層目の
溶接が終了する。さらに、次の層の1パス目の溶接は、
D点で1層目の溶接終了後に、狭開先トーチ6を開先1
0内から遠ざかる方向に、次の層を溶接するのに好適な
距離だけ移動する(図9(b)参照)と共に、下方のA
点まで移動させる。このような溶接手順を繰り返すこと
で、開先深さ分を連続して積層が行えるので、効率的な
自動溶接が可能となる。
【0040】
【実施例】本発明の実施例を図面とともに説明する。図
4に本発明を具体化する角柱自動溶接装置の構成を示
す。角柱自動溶接装置は溶接ヘッド11、冷却水ポンプ
16、溶接電源17、制御装置18、走行ユニット19
およびケーブル類(制御ケーブル、冷却水ホース、シー
ルドガスホース、パワーケーブル、アースなど)で構成
される。溶接ヘッド11は走行ユニット19とワイヤ送
給ユニット1などから構成され、走行ユニット19とワ
イヤ送給ユニット1との間には、トーチ上下機構25と
トーチ前後機構26がある。ワイヤ送給ユニット1は図
1、図2に示すように、一対の送給ローラである上側ワ
イヤ送給ローラ2と下側ワイヤ送給ローラ3、曲げ付加
用ローラ4およびガイドローラ5の3組のローラを有す
る。
【0041】なお、図4には角柱9に設けられた直線レ
ール12、13も図示しており、直線レール12、13
上を角柱自動溶接装置の走行ユニット19が走行する。
【0042】図1に角柱9の溶接箇所近傍にあるワイヤ
送給ユニット1のワイヤ送給機構を示す。曲げ付加用ロ
ーラ4は上下方向に移動でき(上下移動機構は図示せ
ず)、上側ワイヤ送給ローラ2はバネ(図示せず)によ
り下側ワイヤ送給ローラ3に押し付けられ、下側ワイヤ
送給ローラ3にはモータ(図示せず)が取り付けられて
いる。ワイヤ送給ユニット1に送られるワイヤ8はワイ
ヤリール7から前記ガイドローラ5、曲げ付加用ローラ
4を通り、上側ワイヤ送給ローラ2と下側ワイヤ送給ロ
ーラ3に挟まれ狭開先トーチ6に送り込まれる。自動溶
接を行う場合に図4、図5に示すように角柱9に取り付
けられた直線レール12、13に溶接ヘッド11を懸架
して移動させながら行う。
【0043】溶接ヘッド11の狭開先溶接トーチ6を図
7に示す角柱9の開先10に向け、狭開先溶接トーチ6
を図7の左右、上下、前後の矢印方向に動かすことがで
きる。すなわち、走行ユニット19により角柱9の開先
10に対して左右方向に、トーチ上下機構25により上
下方向に、またトーチ前後機構26により前後方向にそ
れぞれ移動でき、制御装置18からの指令により、狭開
先溶接トーチ6は任意の位置に位置決め可能である。
【0044】図1および図2に示すようにワイヤ送給ユ
ニット1はワイヤリール7よりワイヤ8を取り出し、狭
開先溶接トーチ6を通して消耗電極として角柱9の開先
10内に送る働きをする。曲げ付加用ローラ4は上下に
移動可能であり、図1に示すように曲げ付加用ローラ4
がワイヤ送給ユニット1内の下方にある場合、ワイヤ8
は下側ワイヤ送給ローラ3の外周に沿って、狭開先溶接
トーチ6に送られるため、下側ワイヤ送給ローラ3でワ
イヤ8は塑性変形すなわち曲げぐせが与えられ、狭開先
溶接トーチ6の先端から下方に向かって出てくる。図2
は曲げ付加用ローラ4がワイヤ送給ユニット1内の上方
にある場合を示すが、この場合は図1と逆にワイヤ8は
狭開先トーチ6から上方に向かって出てくる。本発明は
このワイヤ曲げぐせを利用した溶接法である。角柱9の
開先10の上下方向の幅(以後、単に開先幅と言う。)
は10〜14mmが望ましい。
【0045】次に溶接積層手順を以下に述べる。まず、
曲げ付加用ローラ4をワイヤ送給ユニット1内の下方に
セットし、下側ワイヤ送給ローラ3を回転させ上側ワイ
ヤ送給ローラ2との間にワイヤ8を挟み込んで狭開先溶
接トーチ6に送り、トーチ6先端から出たワイヤ8を図
1のように下向きにわん曲させる。
【0046】次に、図8(a)に示すように、平行開先
10内に狭開先溶接トーチ6を入れ、トーチ6先端から
のワイヤ8が平行開先10内の下側の開先角部15を狙
う位置に狭開先溶接トーチ6の上下方向、前後方向の位
置を設定する。この状態でアークスタートさせ溶接を開
始し、ワイヤ8を消耗電極として使用しながら狭開先溶
接トーチ6を角柱9に向かって左または右方向に動か
す。この溶接法を狭開先MAG溶接法と言うこととす
る。この結果、図1に示す1−1ビードが形成される。
【0047】次に図2に示すように曲げ付加用ローラ4
をワイヤ送給ユニット1内の上側に移動し、ワイヤ8を
ワイヤ送給ローラ2、3によりワイヤリール7から狭開
先溶接トーチ6側へ送る。このとき、狭開先溶接トーチ
6内には下方の曲げぐせのついたワイヤ8がLの長さだ
け残っており、ワイヤ8をLの長さ分を送給したところ
でワイヤ8は狭開先溶接トーチ6先端から上方向に出る
ようになり、図2に示すように、トーチ6先端から出た
ワイヤ8は上向きにわん曲した状態になる。
【0048】狭開先溶接トーチ6が図8(a)に示すも
のと同じ位置にあると、図8(b)のようにワイヤ8が
平行開先10内の上側開先角部15’を狙うとは限らな
い。そこで、図8(c)に示すように狭開先溶接トーチ
6を上方に移動させる操作が必要となるときがある。ワ
イヤ8の曲げぐせの量は曲げ付加用ローラ4のワイヤ送
給ユニット1での位置を変えることにより調整できるた
め、狭開先溶接トーチ6の上下移動量は大きくなり、角
柱9の開先10の幅14mmの中で1mmであった。図
8(c)の状態でアークスタートして溶接を開始し、狭
開先溶接トーチ6を角柱9に対して左または右方向に水
平方向に動かす。この結果、図1に示す1−2ビードが
形成される。これで1層目の溶接が終了したことにな
る。
【0049】次に曲げ付加用ローラ4をワイヤ送給ユニ
ット1の下側に移動し、ワイヤ8を送って再び図1の状
態にし、図9(b)に示すようにビードの高さ分だけ狭
開先溶接トーチ6を後方に下げる。さらにトーチ6の上
下位置を調整し、2層目を溶接する。上記の手順を繰り
返すことにより、1層2パスの積層で溶接され余盛を含
め、図10の状態になり積層を終える。
【0050】上記の狭開先MAG溶接法を使用し、角柱
9を自動連続溶接する手順を以下に述べる。図5、図6
は角柱9の溶接手順を示し、図3は狭開先内で狭開先ト
ーチ6の動きを示している。ここで、図5、図6は角柱
9の水平断面方向からみた図であり、図3は角柱9の開
先10部分の側面方向から見た図である。図5に示すよ
うに角柱9に取り付けられた取付具は図示せず、直線レ
ール12、13に溶接ヘッド11を懸架する。
【0051】角柱9の溶接手順は、まず、図5に示す直
線レール13上を溶接ヘッド11を走行させ、図5の角
柱9の対向する位置にある2面の開先10の部分に縞模
様で示す溶接層〜を開先10の奥から順に溶接し、
角柱9の対向する開先10部分を角柱9の内寸の幅で溶
接する。次いで図6に示す残りの角柱9の対向する位置
にある2面の開先10の部分に縞模様で示す溶接層〜
を開先10の奥から順に溶接し、角柱9の対向する開
先10部分の外寸の幅で溶接する。
【0052】また、ワイヤ8の先端の曲げぐせは図1に
示すように下方に向け、図3に示すA点に狭開先溶接ト
ーチ6を持ってくる。この位置でアークスタートさせ、
狭開先MAG溶接を開始する。
【0053】まず、図5に示す直線レール13上を溶接
ヘッド11を走行させ、走行ユニット19は直線レール
13上を右側に制御装置18(図4)で設定された溶接
速度で動き、B点(図3も参照のこと)を検出したとこ
ろで停止する。これにより図1、図10に示す1−1ビ
ードが形成される。また、A点−B点間距離は角柱9の
内寸に近い寸法である。B点の検出はリミットスイッチ
(図示せず)でも、走行ヘッド19に内蔵されたパルス
発生器(図示せず)による走行距離の積算と制御装置1
8(図4)に入力された値との比較によるものでも良
い。制御装置18への入力はマニュアルで行っても良い
し、ロボットのようなティーチングでも、センサーによ
るセンシングで行っても良い。図3におけるA点〜D点
の設定や検出、あるいは狭開先溶接トーチ6の上下方
向、前後方向の移動量の設定、算出方法はその他の適切
な方法であれば、いかなる方法を用いても良い。
【0054】溶接ヘッド11の走行の停止と共に、溶接
クレータ処理を行い、狭開先溶接トーチ6を図8(c)
のように図8(b)に示す場合より上方に移動させ、同
時に曲げ付加用ローラ4を溶接ヘッド11内の上方に移
動させる。トーチ6の前記上方移動量は開先10の幅と
溶接条件とワイヤ曲げぐせ量により変わるが、溶接条件
とワイヤ曲げぐせは一定にできるため、開先幅で決定で
きる。溶接前に開先幅を測定し、制御装置18にそれを
入力すればトーチ上方移動量は自動的に決定される。ク
レータ処理時間は約5秒であり、狭開先溶接トーチ6内
に残った長さL(約250mm)分のワイヤ8は約2.
5秒でトーチ6先端から出るため、クレータ処理終了す
なわち溶接終了時にはワイヤ8の曲げぐせにより図2に
示すようにワイヤ8の先端は上向きに曲がっている。
【0055】また、クレータ処理終了すなわち溶接終了
時にはトーチ6の位置もC点(図3、図5参照)にあ
る。ここでアークを自動再スタートさせ、溶接ヘッド1
1を図3で示すように、開先10に向かって左方に移動
させながら溶接を行う。そして、D点を検出したところ
で溶接クレータ処理に入り、溶接走行を停止し、曲げ付
加用ローラ4を溶接ヘッド11内の下方に移動させる。
クレータ終了後、制御装置18の指令により自動的に狭
開先溶接トーチ6を下方へ下げるとともに図9(b)に
示すように図9(a)の場合に比べて開先10内の後方
へ下げる(トーチ6の前後移動機構は図示していない
が、ワイヤ送給ユニット1中にある)。後方移動量は開
先幅、溶接条件により左右されるが溶接条件は一定にで
きるため、開先幅のみで決定できる。これは上方移動量
と同じように開先幅を制御装置18に入力するだけで決
定される。
【0056】開先幅14mm、溶接条件は、溶接電流2
20A、溶接電圧26V、溶接速度220mm/min
で、図9に示す後方移動量は5mmである。つまり1層
のビード高さが5mmであり、板厚25mmの角柱は余
盛分を1層を含めて6層12パスで開先を積層できる。
【0057】トーチ6の移動後、つまり図3のA点の位
置でアークを自動再スタートさせ、1層目と同様のシー
ケンスで溶接する。これを繰返し、図5に示すように対
向する2面を角柱9の内寸の幅で溶接する。
【0058】図10(図4のA−A線断面図)に余盛
(6−1、6−2)までを溶接した断面を示す。また、
図11(a)に示すように余盛およびビード14の左
右両端部は凹凸があるため、グラインダーで余盛およ
びビード14の両端部の凹凸の端面を平滑にするよう手
入れする。この作業は数分で終了する。このとき2台の
溶接装置で角柱9の対向する2面にある開先10部分を
同時に溶接を行うと角柱9の溶接変形による傾きが小さ
くなる。
【0059】図12には、2台の溶接ヘッド11を角柱
9に取りつけたレール13に懸架した状態を示す。上下
の角柱9はエレクションピース27により接続固定さ
れ、レール12、13はレールサポート28により角柱
9に固定される。この状態で図5、図11に示すように
溶接を行う。溶接終了後はエレクションピース27を取
り除く。
【0060】次に図6に示すように溶接ヘッド11を直
線レール12に移動し、図5などで説明したと同様に角
柱9の対向する面にある開先10部分を溶接する。この
場合図5に示す溶接部分より水平方向に長い距離である
角柱9の外寸に近い寸法分の溶接幅がある。図13には
片側2面の溶接後、2台の溶接ヘッド11をレール12
に懸架した状態を示す。この状態で角柱9の外寸に近い
寸法分(図11参照)の溶接を行う。
【0061】本発明の上記実施例によれば、開先10の
形状が平行であるため、開先10を加工作製する工数は
従来のレの字形開先10’に対し1/3〜1/4の時間
で済んだ。また開先10の形状がレの字形の場合(図1
7(a))とI字形の場合(図17(b))の比較をす
ると、角柱9の板厚が50mmの場合、本実施例のI字
形の場合に適用できる溶接法を用いれば、開先幅12m
mで18パスで溶接できたが、レの字形の開先10’の
場合は34パスも必要であった。
【0062】自動化に対しても上記実施例は優れてい
る。もともと開先10の形状が平行なため、開先精度が
よい(開先10の加工作製時の寸法誤差などが小さい)
が、具体例で示したように、開先10の寸法誤差に対し
ては、開先幅のみに左右されるだけであり、センサーな
どを使用して開先10の形状の認識や、それに対応する
処理などが不要であり、建築現地で要求される簡単に使
用できる装置が提供できる。
【0063】また、上記実施例の溶接方法では溶け込み
不良の出やすい開先10の角部15、15’(図8
(a)、図8(b)参照)を先端を曲げたワイヤ8によ
り狙えるため、溶け込み不良がなくなる。また、図19
に示す先端を曲げていないワイヤ8に比べてトーチ6の
位置設定が上下1mm、前後2mm程度はずれていても
先端を曲げたワイヤ8による溶接の裕度が広がる溶接不
良とはならない。
【0064】さらに数回のパス毎に溶接手順が同じこと
の繰り返しであり、溶接ヘッド11に溶接するケーブル
類も直線往復のため周回溶接のように作業者が監視する
必要がなく、一人で2台の溶接ヘッド11を操作するこ
とができ、現場工数の大幅な低減となる。また、角柱9
の対向する開先10を同時に溶接すると角柱9の歪によ
る傾きも小さくなる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、開先形状が平行なた
め、開先を加工作製する工数は従来のレ形開先に対し1
/3〜1/4の時間で済み、開先精度が良く、自動化に
対しても本発明は優れている。また、本発明の溶接法
は、溶け込み不良の出やすい開先角部を曲げたワイヤに
より狙えるため溶け込み不良がなくなり、また、溶接が
同じことの繰返しであり、現場工数の大幅な低減とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる溶接ユニットの具体例を示す側
面図。
【図2】 本発明になる溶接ユニットの具体例を示す側
面図。
【図3】 本発明の一実施例の溶接シーケンスを示す角
柱部分の正面図。
【図4】 本発明の一実施例の溶接法を具現化する自動
溶接装置の構成図。
【図5】 本発明の一実施例の溶接手順を示す角柱の水
平部分の断面図。
【図6】 本発明の一実施例の溶接手順を示す角柱の水
平部分の断面図。
【図7】 本発明の一実施例の溶接方法を適用する角柱
の外観図。
【図8】 本発明の一実施例の溶接方法を適用する角柱
開先部分の側面図。
【図9】 本発明の一実施例の溶接方法を適用する角柱
開先部分の側面図。
【図10】 図5のA−A線断面図。
【図11】 本発明の一実施例の溶接手順を示す角柱部
分の水平断面図。
【図12】 本発明の一実施例の2台の溶接ヘッドを角
柱に取り付けて溶接作業を行う状態を示す斜視図。
【図13】 本発明の一実施例の2台の溶接ヘッドを角
柱に取り付けて溶接作業を行う状態を示す斜視図。
【図14】 従来技術によるトーチ位置を示す開先側面
図。
【図15】 従来技術によるトーチ位置を示す開先側面
図。
【図16】 角柱の接合構造を示す斜視図。
【図17】 開先の形状がレの字形の場合とI字形の場
合の溶接積層状態を示す開先部分の垂直断面図。
【図18】 レの字形の開先溶接積層状態を示す垂直断
面図。
【図19】 従来技術によるトーチ位置を示す開先側面
図。
【図20】 従来技術による溶接手順を示す角柱の水平
断面図。
【図21】 従来技術による溶接手順を示す角柱の水平
断面図。
【図22】 従来技術による自動溶接終了後の状態を示
す角柱の水平断面図。
【図23】 従来技術の2台の溶接装置を用いて角柱の
開先の溶接作業を行う状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ワイヤ送給ユニット、2〜5…ワイヤ送給ローラ 6…狭開先溶接トーチ、7…ワイヤリール、8…ワイ
ヤ、9…角柱、10…開先、11…溶接ヘッド、12、
13…直線レール 14…ビード、15、15'…開先角部、17…溶接電
源 18…制御装置、19…走行ユニット、25…トーチ上
下機構 26…トーチ前後機構、27…エレクションピース、2
8…レールサポート

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチを有する溶接ヘッドと溶接電
    源と制御装置と冷却水供給装置を備えた自動溶接装置を
    使用し、搭載機能を有するガイド装置を被溶接部の開先
    継手面に配置し、少なくとも溶接ヘッドをガイド装置に
    搭載し、ガイド装置上を移動させながら溶接を行う自動
    溶接方法において、 溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給部品をワイ
    ヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイヤ送給部品
    のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線
    に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品の軸位置を上方向または下方向へずらすこ
    とで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の上面方向また
    は下面方向の曲げ癖を付加しながら開先継手内の少なく
    とも上面側と下面側の溶接をすることを特徴とする自動
    溶接方法。
  2. 【請求項2】 開先継手内を各溶接層当たり下側面と上
    側面の2回のパスに振り分けて、開先継手内部の全領域
    にわたり多層盛溶接を行うことを特徴とする請求項1記
    載の自動溶接方法。
  3. 【請求項3】 2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品の軸位置を外側に位置する2組のワイヤ送
    給部品を結ぶ軸線に対して下方向へずらすことで、ワイ
    ヤ送給時にワイヤに開先継手の下側面方向の曲げ癖を付
    加しながら開先継手の任意の一辺の、一方の端部から他
    方の端部へ向けて溶接を開始し、他方の端部では溶接走
    行を停止し、溶接終了端部の処理を行うと共に、次パス
    を溶接する位置に溶接ヘッドを移動した後、または停止
    位置のままであって、 次パスの溶接を開始する前までに、2組のワイヤ送給部
    品の間に位置するワイヤ送給部品の軸位置を外側に位置
    する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線に対して上方向へ
    ずらすことで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の上側
    面方向の曲げ癖を付加しながら開先継手の一辺の、前記
    他方の端部から前記一方の端部へ向けて溶接を開始し、
    前記他方の端部では溶接走行を停止し、溶接終了端部の
    処理を行うことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに
    記載の自動溶接方法。
  4. 【請求項4】 2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品の軸位置を外側に位置する2組のワイヤ送
    給部品を結ぶ軸線に対して下方向へずらすことで、ワイ
    ヤ送給時にワイヤに開先継手の下側面方向の曲げ癖を付
    加しながら、4面ある開先継手面のうち少なくとも1面
    について、一方の端部から他方の端部へ向けてその下側
    面の溶接を開始し、他方の端部では溶接走行を停止し、
    溶接終了端部の処理を行うと共に、次パスを溶接する位
    置に溶接ヘッドを移動した後、または停止位置のままで
    あって、 次パスの溶接を開始する前までに、2組のワイヤ送給部
    品の間に位置するワイヤ送給部品の軸位置を外側に位置
    する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線に対して上方向へ
    ずらすことで、ワイヤ送給時にワイヤに開先継手の上側
    面方向の曲げ癖を付加しながら開先継手の前記他方の端
    部から前記一方の端部へ向けて溶接を開始し、前記他方
    の端部から一方の端部へ向けて、開先継手の上側面の溶
    接を開始し、一方の端部にきたときには、溶接走行を停
    止し、溶接終了端部の処理を行うと共に、次パスの溶接
    をする位置に溶接ヘッドを移動した後かまたは停止位置
    のままであって、 次パスの溶接を開始する前までに、溶接トーチを溶接済
    みの層から遠ざかる方向にワイヤを移動し、前記二段の
    溶接工程と同様の溶接手順を順次繰り返すことで開先継
    手内部の全領域にわたり多層盛溶接を行うことを特徴と
    する請求項1記載の自動溶接方法。
  5. 【請求項5】 2台の溶接ヘッドを用いて、被溶接部材
    の対向する2面を、同時かまたはほぼ同時に、前記被溶
    接部材の対向する2面に略直交する2面を溶接する前に
    溶接することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の自動溶接方法。
  6. 【請求項6】 溶接トーチは狭開先継手溶接トーチであ
    って、溶接電源はMAG溶接電源であって、被溶接部材
    は角柱であり、該角柱の溶接開先継手はI字形の狭開先
    継手であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の自動溶接方法。
  7. 【請求項7】 溶接トーチを有する溶接ヘッドと溶接電
    源と制御装置と冷却水供給装置を備えた自動溶接装置を
    使用し、搭載機能を有するガイド装置を被溶接部の開先
    継手面に配置し、少なくとも溶接ヘッドをガイド装置に
    搭載し、ガイド装置上を移動させながら溶接を行う自動
    溶接装置において、 溶接ヘッド内に少なくとも3組のワイヤ送給部品をワイ
    ヤ送給方向に並べて配置し、前記3組のワイヤ送給部品
    のうち外側に位置する2組のワイヤ送給部品を結ぶ軸線
    に対して、前記2組のワイヤ送給部品の間に位置するワ
    イヤ送給部品を上方向または下方向へ移動可能な構成と
    したことを特徴とする自動溶接装置。
  8. 【請求項8】 溶接ヘッドのガイド装置に水平方向およ
    び上下方向の各駆動装置を備えたことを特徴とする請求
    項7記載の自動溶接装置。
  9. 【請求項9】 被溶接部材の対向する2面にそれぞれ対
    応した溶接ヘッドとそのガイド装置を備えたことを特徴
    とする請求項7記載の自動溶接装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし6のいずれかに記載の
    自動溶接方法で溶接開先継手部分が溶接されたことを特
    徴とする溶接構造物。
  11. 【請求項11】 被溶接構造物がI字形の溶接開先継手
    形状を有する角柱からなることを特徴とする請求項10
    記載の溶接構造物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103381517A (zh) * 2013-05-09 2013-11-06 杭州新九龙厨具制造有限公司 一种水槽自动化焊接机及其焊接方法
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KR20230162702A (ko) 2021-07-29 2023-11-28 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 다층 덧살올림 용접 방법, 다층 덧살올림 맞댐 용접 이음 및 다층 덧살올림 용접의 적층 패턴 산출 방법

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