JPH08311430A - 遮音材用組成物及びこれを用いた遮音材 - Google Patents

遮音材用組成物及びこれを用いた遮音材

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JPH08311430A
JPH08311430A JP7145600A JP14560095A JPH08311430A JP H08311430 A JPH08311430 A JP H08311430A JP 7145600 A JP7145600 A JP 7145600A JP 14560095 A JP14560095 A JP 14560095A JP H08311430 A JPH08311430 A JP H08311430A
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insulating material
sound
composition
insulation material
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Takeshi Nao
武司 直
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、難燃性ないし自己消火性更に遮音
効果が著しく優れる上、燃焼時に有害ガスが発生するこ
となく安全であり、又、再利用が可能で、しかも構造体
との接着強度が高く、施工が至極容易であり、更に、製
造時間を短くしてコストダウンを図れるようにした遮音
材が得られる遮音材用組成物及びこれを用いる遮音材を
提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、ホットメルト系接着性樹脂100
重量部に、無機質充填材150〜800重量部と難燃剤
0.1〜10重量部とを配合したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の床、壁、天井
などに用いられる遮音材に関し、特に遮音効果が著しく
高く、また難燃性ないし自己消火性更に遮音効果が著し
く優れる上、燃焼時に有害ガスが発生することなく安全
であり、又、再利用が可能で、しかも構造体との接着強
度が高く、施工が至極容易であり、更に、製造時間を短
くしてコストダウンを図れるようにした遮音材が得られ
る遮音材用組成物及びこれを用いた遮音材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】人口が都市或いはその周辺に集中しつつ
ある近年、都市あるいはその近郊で多数の集合住宅が建
築されている。このような集合住宅では各居住者の間で
の生活騒音の防止やプライバシー保護のために、例えば
床、壁、天井などに遮音材を用いて、上下或いは横に並
ぶ隣家の間で互いに家庭内で生じる音が伝わらないよう
に工夫されている。
【0003】従来の遮音材としては、 天然又は合成
のゴムシート、合成樹脂シートなどが用いられる他、例
えば特開平4−278341号公報に開示されているよ
うに、ブチルゴム、ストレート/ブロン混合アスファル
ト、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、炭酸カル
シウム及びタルクを混練し、押出し成形した遮音材が提
案されている。
【0004】又、 実開昭61ー78919号公報に
開示されているように、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)、塩化ビニル、ポリスチレンなどのプラスチ
ックの発泡体をスライスした厚さ20〜50mm程度の
板状体、あるいは、プラスチック発泡体の破砕片を接着
性樹脂で板状に接合した厚さ20〜50mm程度の板状
体が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の遮音材は可燃
性であり、火災時に多量の煤煙を発生しながら燃焼して
火勢を強めるという問題がある。
【0006】又、合成樹脂シートからなる遮音材は可燃
物であるポリ塩化ビニルを用いるものが主流であり、火
災に際し、有害な塩素系ガスが発生しながら燃焼して火
勢を強めるという問題がある。
【0007】更に、特開平4−278341号公報に開
示されている遮音材は、各素材間の親和性が乏しいの
で、僅かの曲げ応力で割れるためその取り扱いに相当の
注意を要するのであり、又、成形後の遮音材が変形した
り、成形後の遮音材にクラックが発生したり、更に成形
後の遮音材の表面剥離が発生し易く、歩留りが悪いので
あり、しかも遮音効果が低いという課題がある。
【0008】特に、この遮音材は、上述のように、耐久
性が乏しく、使用中に、クラックや表面剥離等が発生
し、一層遮音効果が低下するという致命的な課題があ
る。
【0009】一方、上記のプラスチック発泡体からな
る遮音材は、発泡によって、表面積が大となるから、一
層燃焼し易くなり、しかも火災時に多量の煤煙を発生し
ながら燃焼して至極火勢を強めるという問題がある。
【0010】又、合成樹脂シートからなる遮音材として
は、可燃物であるポリ塩化ビニルを用いるものが主流で
あり、火災に際し、有害な塩素系有害ガスを発生しなが
ら燃焼して火勢を強めるという問題があり、特に、ポリ
塩化ビニルからなる発泡体の場合、発泡によって、表面
積が大となって一層燃焼し易くなり、この火災に際し、
有害な塩素系ガスが発生しながら燃焼して一層火勢を強
めるという問題がある。
【0011】更に、プラスチック発泡体からなる遮音材
は、プラスチック発泡体が可燃性であるために、火災時
に燃焼するだけでなく、火災の際、プラスチック発泡体
内のガスが膨張して泡を破り、加熱された空気との接触
面積が急激に拡大して多量のプラスチックが一時に燃焼
して、一層火勢を強める虞れがある。
【0012】そして、この発泡体は床や壁を解体する時
には割れたり、部分的に押し潰されたりして再利用が不
可能になることが多く、資源保護の観点から不利にな
る。
【0013】又、プラスチック発泡体の厚さが20〜5
0mmもあるので、構造体の強度に与える影響が大き
く、壁などを薄肉化する上で不利になる。
【0014】更に、発泡体からなる遮音材の製造には、
発泡工程が必要になり、製造に要する時間が長くなり、
コストダウンを図る上で不利になる。
【0015】本発明は、上記技術的課題に鑑みて完成さ
れたものであり、特に遮音効果が著しく高く、また難燃
性ないし自己消火性更に遮音効果が著しく優れる上、燃
焼時に有害ガスが発生することなく安全であり、又、再
利用が可能で、しかも構造体との接着強度が高く、施工
が至極容易であり、更に、製造時間を短くしてコストダ
ウンを図れるようにした遮音材が得られる遮音材用組成
物及びこれを用いる遮音材を提供することを目的とする
ものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る遮音材用組
成物は、上記の目的を達成するため、ホットメルト系接
着性樹脂100重量部に、無機質充填材150〜800
重量部と難燃剤0.1〜10重量部とを配合したことを
特徴とする。
【0017】本発明の遮音材用組成物を更に詳細に説明
すれば、以下の通りである。上記ホットメルト系接着性
樹脂とは、A−B−A型ブロック共重合体、飽和ポリエ
ステル系高分子物質、アクリル系高分子物質、ウレタン
系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、ポリオレフィ
ン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこ
れらの変性体などのホットメルト型高分子物質からなる
接着性樹脂のことである。
【0018】上記A−B−A型ブロック共重合体におい
て、Aブロックはスチレン、メチルスチレンなどのモノ
ビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックで
あり、Bブロックは、ブタジエン、イソプロピレンなど
の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的に
は、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
などがその例として挙げられるのであり、これらを混用
しても良い。
【0019】これらの変性体とは、ホットメルト型高分
子物質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメル
ト型高分子物質の性質、例えば粘着性や安定性を改善し
たものをいう。
【0020】これらのホットメルト系接着性樹脂の中で
は、例えば80℃程度の比較的低温で粘着性が発現し、
しかも接着力が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下、EVAという。)等のポリオレフィン系共重合体が
最も好ましい。
【0021】なお、前記ホットメルト系接着性樹脂とし
ては、常温で粉体、ペレットやピスケット等を含む粒
体、定型又は不定型の小塊体等、種々の形状のものが挙
げられる。
【0022】そして、本発明は、従来のように発泡体に
成形することによって遮音効果を確保するのではなく、
無機質充填材を配合することによって遮音効果を確保
し、しかも難燃剤を配合することによって難燃性を確保
した点、に最も大きな特徴を有するのである。
【0023】無機質充填材は、遮音効果の向上、増量剤
としての役割の他に、前記ホットメルト系接着性樹脂の
粘度調整による成形時の流動特性の改善、成形後の成形
体収縮の低減などの寸法安定性の向上、表面の硬質化、
機械的特性の向上などを目的として配合されるものであ
り、粒子分散系充填材と強化繊維とに分類される。
【0024】粒子分散系充填材としては、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、滑石(タルク)、ろう石(ケイ酸ア
ルミニウム)、カオリンクレー(ケイ酸アルミニウ
ム)、焼成クレー(ケイ酸アルミニウム)、カオリン、
ジークライト(カオリナイト−セリナイト混合鉱物)、
炭素粉末、金属粉、マイクロバルーン、ガラスフレー
ク、ガラスビーズ、雲母片などがその例として挙げられ
るが、これらは1種或いは2種以上を併用しても良いの
である。
【0025】これらの粒子分散系充填材の中では、炭酸
カルシウムやタルク等の比重が比較的軽いものを用いる
場合、遮音効果が不足するきらいがある。そこで、遮音
効果が高い遮音材を得るために、比重が比較的重い粒子
分散系充填材、例えば硫酸バリウムを用い、硫酸バリウ
ムと炭酸カルシウムとを混用することが推奨されるので
あり、この場合、炭酸カルシウムと硫酸バリウムとの配
合比は重量比で1:1〜1:5とすることが好ましく、
1:2〜1:4とすることが更に好ましい。
【0026】また、強化繊維としては、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、ロックウール、スラグウール、アラミド繊
維などをその例として挙げることができる。
【0027】無機質充填材の配合比は、前記ホットメル
ト系接着性樹脂100重量部に対して150〜800重
量部とすることが好ましく、150重量部未満である
と、所要の比重の遮音材が得難く、所望の遮音効果の遮
音材が得難い上、増量効果が乏しいのであり、又、所望
の成形性や寸法安定性更に機械的特性が得難いので好ま
しくなく、一方、800重量部を上回ると、溶融混練後
硬化させた遮音材が脆くなったり、溶融組成物の流動性
が悪くなって成形性が悪くなる等、種々の逆効果が生じ
るので好ましくない。従って、この範囲の中では、前記
ホットメルト系接着性樹脂100重量部に対し、無機質
充填材を250〜600重量部とすることが更に好まし
く、特に、350〜600重量部とすることが最も好ま
しい。
【0028】又、本発明で用いられる難燃剤としては、
遮音剤用組成物に難燃性ないし自己消火性を賦与するも
のであればよく、有機系又は無機質系の添加型難燃剤で
あっても、反応型難燃剤であってもよい。
【0029】有機系添加型難燃剤としては、リン酸エス
テル、トリクレジルホスファート(TCP) 、トリフェニル
ホスファート(TPP) 、トリキシレンホスファート(TXP)
、塩素化有機ポリホスフェート、トリクロロプロピル
ホスファート(TCPP)、塩素化有機リン酸塩などのリン酸
化合物と、ハロゲン化炭化水素、塩素化ポリエチレン、
塩素化パラフィン、塩素化炭化水素、臭素化有機物(芳
香族)、1,1,2,2−テトラブロモエタン(TBE) 、
1,2,3,4−テトラブロモブタン(TBB) 、1,2,
3−トリブロモプロパン(TBP) 、臭素化高分子化合物な
どのハロゲン化合物とが主流を占めているが、これらの
他にトリアルキル−ボロン−エステル、エチレン−ビニ
ルクロライド−ラテックスなどがその例として挙げられ
る。
【0030】又、無機質系添加型難燃剤としては、水酸
化アルミニウム、三酸化二アンチモン、アンモニウム−
フルオロボレート、アンチモン酸ナトリウム、メタホウ
酸バリウム、ホウ酸亜鉛、オルトリン酸アンモニウムな
どが代表的である。
【0031】反応型難燃剤としては、ジ−(ポリオキシ
エチレン)ヒドロメチルホスフェート、ジブロモブテン
ジオール、ジブロモブテンジオール−アセテート、ジブ
ロモネオペンチル−グリコール、トリプロモネオペンチ
ル−アルコール、テトラブロモ−ビスフェノールA(TBP
A)、テトラクロロ−ビスフェノールA(TCBA)、臭化ビニ
ル、ジアリル−クロロエンデート、リン含有ポリオール
(TCEP)、テトラクロロフタリック−アンヒドリド、トリ
フェニル−ホスファイト、テトラクロロ無水フタル酸、
テトラブロモ無水フタル酸、ホウ酸ジポリオキシエチレ
ンヒトロメチルなどが代表的である。
【0032】これらの難燃剤の中では、燃焼によって有
害ガスを発生する恐れがない無機質系添加型難燃剤を用
いることが好ましいが、有害ガスの発生量が僅かである
ならば有機系添加型難燃剤を用いることも妨げない。
【0033】難燃剤を添加する場合、その配合比は、一
般的には、前記ホットメルト系接着性樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部とすることが好ましく、こ
の配合比が、0.1重量部未満であると、所要の難燃効
果が得難いので好ましくなく、一方、10重量部を超え
ると、難燃性を高める効果が限界になって意味がないだ
けでなく、コスト高になったり、更に遮音材用組成物の
特性を悪化する虞れがあるので好ましくない。これらの
理由より、難燃剤の配合比は、この範囲の中でも0.3
〜7.5重量部とすることが好ましく、1〜5重量部と
することが最も好ましい。
【0034】本発明においては、ホットメルト系接着性
樹脂と無機質充填材との結合力や親和性を高めるため
に、カップリング剤を用いることが好ましく、このカッ
プリング剤はホットメルト系接着性樹脂、無機質充填材
及び難燃剤とともに配合してもよいのであるが、予め無
機質充填材をカップリング剤でコーティングした後、こ
のカップリング剤でコーティングされた無機質充填材と
ホットメルト系接着性樹脂と配合することが、カップリ
ング剤の使用量の削減を図ると共に無機質充填材とホッ
トメルト系接着性樹脂との結合力や親和性を一層高める
上でより好ましい。
【0035】無機質充填材をカップリング剤でコーティ
ングする方法としては、例えば水或いは有機溶媒にカッ
プリング剤を溶解ないし分散させ、この溶液に無機質充
填材を浸漬したり、この溶液を無機質充填材をに噴霧し
たりして無機質充填材の表面に付着させた後、乾燥する
という方法を採用することができる。
【0036】カップリング剤としては、無機質充填材と
ホットメルト系接着性樹脂との親和性、結合力を高める
ものであれば特に限定されるものではなく、シリコーン
系カップリング剤、有機チタン系カップリング剤、リン
酸エステル、ホスホネート、亜リン酸エステル、ポリリ
ン酸或いはその金属塩、ホウ酸又はホウ砂から選ばれた
少なくとも1種がその例として挙げられる。
【0037】上記シリコーン系カップリング剤として
は、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキ
シエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、N−β(アミノメチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノメチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどがその例
として挙げられる。
【0038】又、有機チタン系カップリング剤として
は、アルキルチタネート、チタニウムアシレート、チタ
ニウムキレートなどが挙げられるが、これらのうちで
は、特に優れた架橋性を発現するアルキルチタネートが
好ましい。
【0039】上記アルキルチタネートとしては、例えば
テトライソプロピルチタネート、テトライソプロピルチ
タネートポリマー、テトラブチルチタネート、テトラブ
チルチタネートポリマー、テトラステアリルチタネー
ト、2−エチルヘキシルチタネート、テトライソプロピ
ルチタネートとテトラステアリルチタネートとの混合物
又はジブチルチタネートポリマーなどが挙げられるので
あり、又、チタニウムアシレートとしては、例えばイソ
プロポキシチタニウムステアレートが挙げられるのであ
り、更にチタニウムキレートとしては、例えばチタニウ
ムアセチルアセトネート又はチタニウムラクテート等が
挙げられる。
【0040】上記リン酸エステルとしては、例えばリン
酸エチル、リン酸ブチル又はリン酸イソアミルが挙げら
れ、又、上記ホスホネートとしては例えばジフェニルフ
ェニルホスホネート、ジメチルメチルホスホネート、ジ
エチルエチルホスホネート、ビス−(2−エチルヘキシ
ル)−2−エチルヘキシルホスホネート又はジブチルブ
チルホスホネートが挙げられ、更に、上記亜リン酸エス
テルとしては、例えば亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエ
チル、亜リン酸ジイソプロピル又は亜リン酸ジオクチル
等が挙げられる。
【0041】上記カップリング剤の添加量は、無機質充
填材に対して10重量%以下、特に、0.1〜10重量
%であることが好ましく、0.1重量%未満であると、
カップリング剤の効果が十分に得られないので好ましく
なく、一方、10重量%を超えると、経済的に不利にな
るうえ、遮音材が脆くなる虞れが有るので好ましくな
い。
【0042】本発明においては、顔料、染料などの着色
剤、老化防止剤、粘着性調整剤、粘着性改良剤、消泡
剤、増粘剤、改質剤、防黴剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤
又は脱臭剤などの他の添加材を添加することは妨げない
が、この場合には、添加量が前記ホットメルト系接着性
樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部とする
ことが好ましく、0.05重量部未満であると、その添
加の効果が乏しくなるので好ましくない。一方、10重
量部を超えると、遮音材用組成物を溶融混練した後に硬
化させた遮音材の機械的強度に悪影響を与える虞れが有
るので好ましくない。
【0043】本発明の遮音材用組成物は、ホットメルト
系接着性樹脂、無機質充填材及び難燃剤を必須成分とす
るもの、或いはホットメルト系接着性樹脂、無機質充填
材及び難燃剤更に、所望により添加されるカップリング
剤を必須成分とするものである。
【0044】これらの成分は、品質の均質化を図る上で
は、例えば乾式ブレンドによって組成物を互いに混合さ
せることが好ましく、例えばニーダなどによって、加熱
溶融させながら均一に混練した後、冷却、硬化するのが
好ましい。
【0045】又、これらの成分を混合し、加熱溶融させ
ながら混練した後硬化させる場合には、成分の周囲への
散逸を防止でき、所定の組成を確保する上でも好まし
い。もちろん、加熱溶融させた遮音材用組成物を硬化さ
せる際に、粉末状、粒状、繊維状、ペレット、塊体、シ
ート、条体などの種々の形状に形成ないし成形し、移送
性や取扱性更に保管・管理性を容易にしても良いのであ
り、そして、これを施工現場で再度溶融し、シート状な
いし板状に成形して遮音材を形成しても良いのである。
【0046】本発明の遮音材は、上記本発明の遮音材用
組成物を溶融混練した後、任意の形状に硬化させること
により得られる。
【0047】本発明の遮音材用組成物を溶融混練する場
合、この遮音材用組成物の製造工程で得た溶融混練状態
の遮音材用組成物をそのまま利用することが可能であ
り、又、施工現場において適当な釜、鍋、ニーダなどを
用いて遮音材用組成物を溶融混練することが可能であ
り、更に、遮音材用組成物の製造工程と現場施工との中
間の段階で溶融混練することも可能である。
【0048】本発明の遮音材において、遮音材用組成物
を硬化させる場合、遮音材用組成物を単体として硬化さ
せる方法と、遮音材用組成物を例えば床、壁などの化粧
用或いは下地用の板などの支持体に支持させて硬化させ
る方法とがある。
【0049】遮音材用組成物を単体として硬化させる場
合には、遮音材として要求される所定の形状、例えばシ
ート状ないし板状に成形して硬化させることが好まし
く、例えばTダイ法などの押出し成形法、カレンダ法、
型流しなど合成樹脂をシート状ないし板状に成形する公
知の方法によってシート状ないし板状に成形して硬化さ
せた本発明の遮音材を得ることができる。
【0050】なお、シート状ないし板状の遮音材の厚さ
は例えば0.25〜15mm程度、特に0.5〜5mm
程度にすることができるのであり、更に、複数枚のシー
ト状ないし板状の遮音材を積み上げ、加熱することによ
ってこれよりも厚い任意の厚さのシート状ないし板状の
遮音材を得ることができるのであり、又、面密度は、
1.0〜6.5kg/m2程度、特に1.5〜5.0k
g/m2程度である。
【0051】又、シート状ないし板状の遮音材を成形
し、硬化させる工程中でマット状ないし布状の補強繊維
を重ね合わせて接着した後に硬化させたり、マット状な
いし布状の補強繊維に溶融混練された遮音材用組成物を
浸漬、吹き付けなどによって浸潤させた後硬化させたり
することが可能であり、又、硬化した複数枚のシート状
ないし板状の遮音材と補強繊維とを積み上げ、加熱する
ことによって補強繊維入りのシート状ないし板状の遮音
材を得ることができる。
【0052】遮音材用組成物を例えば床、壁などの化粧
用或いは下地用の板などの支持体に支持させて硬化させ
る方法は、更に溶融した遮音材用組成物を一定の厚さに
成形した後に支持体に支持させる方法と、溶融した遮音
材用組成物を不定型状態で支持体に支持させる方法とに
分けることができる。
【0053】前者の中には、連続的な操業に適した方
法、例えばTダイ法等の押出し成形法によってシート状
に成形された未硬化のシート状ないし板状の遮音材を所
定の速度で送られる支持体の片面に積み重ね、遮音材の
接着性によって遮音材と支持体とを接着させる方法と、
例えば底面が支持体からなる型枠内に溶融した遮音材用
組成物を流し込み、吹き付けなどによって充填し、硬化
させる方法、施工現場でシート状ないし板状に成形され
た遮音材用組成物(遮音材)を支持体に重ねて加熱する
ことにより、支持体に接着する方法などバッチ操業に適
した方法とがある。
【0054】又、後者としては、施工現場で支持体に溶
融した遮音材用組成物を吹き付けたり、ローラやブラシ
で塗り付けたりする方法がその例として挙げられる。
【0055】なお、前者は、平面ないし二次曲面を有す
る支持体への遮音材層の積層に適しており、後者は、平
面、二次元曲面のみならず複雑な三次元曲面にも適用で
きるのである。
【0056】
【作 用】本発明の遮音材用組成物は、ホットメルト系
接着性樹脂、無機質充填材及び難燃剤を必須成分とする
ものであり、ホットメルト系接着性樹脂が無機質充填材
と難燃剤を強固に接着し、つまり各素材どうしが強固に
接着し合っているので、これを溶融混練して任意の形
状、例えばシート状ないし板状に成形、硬化させたり、
溶融混練した後、支持体に積層させて硬化させたり、溶
融混練してシート状ないし板状に成形した後硬化させた
ものを加熱している支持体に積層したり、溶融混練した
不定型物を支持体に吹き付け、塗着、型流しなどにより
積層したりすることにより、遮音効果が著しく優れた、
本発明の遮音材を歩留りが高く得ることができる作用を
有するのである。
【0057】そして、本発明の遮音材用組成物は、種々
の形状に成形されて遮音材が得られる。この遮音材は、
ホットメルト系接着性樹脂、無機質充填材及び難燃剤を
必須成分とするもので形成されており、ホットメルト系
接着性樹脂が無機質充填材と難燃剤を強固に接着し、つ
まり各素材どうしが強固に接着し合っているので緻密で
面密度が高く、遮音効果が著しく高い上、直角程度の曲
げでは割れることがないのであり、加えて、成形後に遮
音材が変形することもなく、また、成形後の遮音材にク
ラックが発生することがない上、成形後の遮音材の表面
剥離が発生することもないのである。
【0058】又、本発明の遮音材用組成物には、難燃剤
が配合されており、この遮音材用組成物を種々の形状に
成形して得られた遮音材は、難燃剤の配合によって、難
燃性ないし自己消火性を備え、外部の火炎が遮音材に及
んでいる間に燃焼することがあっても、外部の火炎が遮
音材から離れるとごく短時間内に自己消火するようにな
る上、塩化ビニル等の樹脂を用いていないので、燃焼時
に塩素系の有害ガスを発生する虞れがない作用を有する
のである。
【0059】又、本発明の遮音材用組成物は、ホットメ
ルト系接着性樹脂が多量に配合されているので、加熱す
ることにより容易に溶融し、粉・粒状或いはシート状
等、任意の形状に成形して、遮音材用組成物又は遮音材
として移送、保管することができるのであり、又、必要
に応じて再溶融して任意の形状の遮音材に成形し直すこ
とができる作用を有するのである。
【0060】加えて、本発明の遮音材用組成物は溶融混
練した後の未硬化状態で木、合成樹脂、金属など素材が
異なる種々の支持体(建築資材等)に積層させたり、硬
化後に支持体に積層し加熱すると、ホットメルト系接着
性樹脂の接着力が発現して支持体に接着される作用を有
するのである。
【0061】更に加えて、本発明の遮音材用組成物を薄
いシート状に形成した場合には、施工現場で支持体の複
雑な曲面にあてがい、加圧した熱風を吹き付けてその風
圧でシート状の遮音材用組成物を支持体に押し付けた
り、加熱したこて、アイロンなどによってシート状の遮
音材用組成物を支持体に押し付けたりすることにより、
シート状の遮音材用組成物を容易に支持体に接着させる
ことができるのであり、しかも、支持体に付着させ硬化
させた遮音材用組成物に更にシート状の遮音材用組成物
を同様にして積層することを繰り返すことにより、所望
の厚さの遮音材用組成物の層を支持体に接着することが
できる作用を有するのである。
【0062】又、本発明の遮音材用組成物を施工現場に
おいて溶融し、不定型化することにより、コンクリート
床スラブ上に流したり、コンクリート床スラブ、壁下地
構造或いは天井裏構造に吹き付けたりした後、硬化させ
ることによって、簡単に所望の厚さの層状の遮音材を床
構造、壁構造、天井構造内に設置することができる作用
を有するのである。
【0063】もちろん、施工現場で溶融された本発明の
遮音材用組成物を床、壁、天井などの表面に設置される
床上敷板、壁化粧板、天井板などの裏面に吹き付けた
り、塗装したりした後硬化させることによって、これら
床上敷板、壁化粧板、天井板などと層状の遮音材とを積
層した複合部材を現場製作することもできる作用を有す
るのである。
【0064】本発明の遮音材は、ホットメルト系接着性
樹脂が無機質充填材と難燃剤を強固に接着し、つまり各
素材どうしが強固に接着し合っているので、緻密で面密
度が高いから遮音効果が著しく高い上、ホットメルト系
接着性樹脂に起因する弾力性によって直角程度の曲げで
は割れることがないのであり、加えて、成形後に遮音材
が変形することもなく、また、成形後の遮音材にクラッ
クが発生することがない上、成形後の遮音材の表面剥離
が発生することもない作用を有するのである。
【0065】特に、本発明の遮音材は、上述のように、
機械的強度が高く、耐久性に優れるので、使用中に、ク
ラックや表面剥離等が発生しない結果、優れた遮音効果
を長期間にわたって維持する作用を有するのである。
【0066】又、本発明の遮音材は、難燃剤の配合によ
って、難燃性ないし自己消火性を備え、外部の火炎が遮
音材に及んでいる間に燃焼することがあっても、外部の
火炎が遮音材から離れるとごく短時間内に自己消火する
ようになる上、塩化ビニル等の樹脂を用いていないの
で、燃焼時に塩素系の有害ガスを発生する虞れがない作
用を有するのである。
【0067】更に、本発明の遮音材は、加熱することに
より容易に不定型状態になるので、溶融して任意の形状
の遮音材に成形して再利用することができる作用を有す
るのである。
【0068】特に、ホットメルト系接着性樹脂の弾性と
無機質充填材による比重増大により遮音性が高められ、
薄いシート状ないし板状であるにもかかわらず、高い遮
音性が得られる結果、遮音材の肉厚を薄くして建築構造
に与える影響を小さくすることができる。
【0069】その上、製造工程において発泡工程が不要
になり、製造時間を短くしてコストダウンを図ることが
できる。
【0070】加えて、本発明の遮音材は未硬化状態で
木、合成樹脂、金属など素材が異なる種々の支持体に積
層して硬化させたり、硬化した遮音材を支持体に重ねて
加熱することにより容易に、かつ、強固に支持体に接着
することができるという利点もあるのである。
【0071】更に加えて、加熱して軟化させることによ
り複雑な曲面を有する支持体にも容易にその曲面に馴染
ませることができるのであり、平面及び二次元曲面のみ
ならず複雑な三次元曲面に密着して遮音材を層状に設置
できるのである。
【0072】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説
明すれば、以下の通りであるが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0073】本発明の第1実施例に係る遮音材用組成物
は、図1に示すように、ホットメルト系接着性樹脂Aと
してのペレット状EVA(エチレン含量60%)100
重量部と、無機質充填材Bとしての炭酸カルシウム粉末
100重量部及び硫酸バリウム粉末300重量部と、難
燃剤Cとしての無機質系添加型難燃剤である三酸化二ア
ンチモン3重量部と、その他の添加剤Dとしての1重量
部のベンガラ(顔料Fe)とを混合したものであ
る。
【0074】上記無機質充填材Bとしては、炭酸カルシ
ウム単味であってもよいが、ここでは、遮音性を高める
ために炭酸カルシウムよりも比重が重い硫酸バリウムを
混用している。
【0075】図1に示した遮音材用組成物をニーダに投
入し、約165℃に加熱して溶融させながら混練した
後、Tダイ法によってシート状に押出し成形し、図2に
示す、厚さが1mm、面密度が2.3kg/m2のシー
ト状に形成した本発明の一実施例に係る遮音材1を得
た。
【0076】この遮音材1の難燃性を確認したところ、
火炎が及んでから5分30秒後に着火し、燃焼し始めた
が、火炎を取り除くと直ちに自己消火して鎮火すること
が認められた。
【0077】尚、ホットメルト系接着性樹脂の加熱、溶
融温度は当該接着性樹脂が熱劣化しない温度以下で溶融
点以上であればよく、ホットメルト系接着性樹脂の種類
などによって異なるが、60℃〜200℃程度であれば
よい。
【0078】又、この遮音材1は再溶解して任意の形状
の遮音材に形成し直すことができるので、遮音材用組成
物と呼ぶこともできる。
【0079】又、燃焼中に遮音材1の周囲から収集した
燃焼排ガスの成分分析を行ったところ塩素系ガスは全く
検出されなかった。
【0080】一方、比較例1として、ブチルゴム30重
量部、ストレート/ブロン混合アスファルト5重量部、
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)5重量部、炭酸
カルシウム50重量部及びタルク10重量部を溶融して
充分に混練し、この溶融組成物を押出し成形して得た、
面密度が0.93kg/m2、厚さ1mmのシート状遮
音材を用いた。
【0081】この遮音材の難燃性を確認したところ、火
炎が及んでから10秒程度で着火し、燃焼し始めた。
又、火炎を取り除いたが、その後も徐々に燃焼し続ける
ことが認められた。
【0082】この燃焼中に遮音材1の周囲から収集した
燃焼排ガスの成分分析を行ったところ塩素系ガスは検出
されなかった。
【0083】又、この遮音材は、曲げようと15度程度
の曲げ応力を加えると割れる事が認められたり、成形直
後の高温の遮音材が冷えるに従ってよじれやカールが発
生したり、クラックが発生したり、遮音材に曲げ応力を
加えると表面剥離が発生することが認められた。
【0084】比較例2として、遮音材として市販されて
いるポリ塩化ビニル製の発泡体(25mm)の難燃性を
確認したところ、火炎が及んでから5秒程度で着火し、
燃焼し始めた。又、火炎を取り除いたが、炎が徐々に激
しくなって燃焼し続けることが認められた。
【0085】又、この燃焼排ガスの成分分析を行ったと
ころ塩素系ガスが650〜1150ppm程度検出され
た。
【0086】図3に示す本発明の第2実施例に係る遮音
材は、図1に示した遮音材用組成物をニーダに投入し、
約150℃に加熱して溶解させながら混練した後、Tダ
イ法によってシート状に押出成形しながら押出速度とほ
ぼ同じ速度で横送りされる厚さ5mmの合板2上にシー
ト状に垂れ下げさせて、この合板2上にシート状の遮音
材1を形成し、硬化させた。この硬化後の遮音材1の厚
さは1mmとした。
【0087】この遮音材1と合板2とは遮音材1の接着
力によって、特別に接着性樹脂を用いることなく、ナイ
フなどによって境界を切り裂かないかぎり人力で遮音材
1を引き剥がすことはできない程度に強固に接着されて
いることが認められた。
【0088】又、この遮音材を用いて難燃性試験を行う
にあたり、合板側に火炎を当てた場合と、遮音材1側に
火炎を当てた場合とに付いて難燃性試験を行ったとこ
ろ、合板2側に火炎を当てると5分程度で着火し、燃焼
し始めたが、火炎を除くと驚くべきことに、火の勢いが
徐々に低下し、自然に消えるのであり、一方、遮音材1
側に火炎を当てると、20分程度で着火するが、火炎を
除くと直ちに自己消火して鎮火することが認められた。
【0089】一方、比較例1に示す遮音材用組成物を用
い、第2実施例と同様にして、厚さ5mmの合板上に、
厚さ1mmのシート状遮音材1を形成した。
【0090】この遮音材1と合板2とは接着力が乏し
く、爪で引っかけて一部剥離し、更にこの剥離部を指で
つまんで剥離すると、簡単に遮音材を合板から剥離でき
ることが認められた。
【0091】又、この遮音材を用いて難燃性試験を行う
にあたり、合板側に火炎を当てた場合と、遮音材1側に
火炎を当てた場合とに付いて難燃性試験を行ったとこ
ろ、合板側に火炎を当てた場合、5分程度で着火し、燃
焼し始め、火炎を除いても火の勢いが徐々に激しくなっ
て遮音材に引火し、両者とも燃焼し始めた。
【0092】更に、遮音材側に火炎を当てると、2分3
0秒程度で着火し、燃焼し始め、火炎を除いても火の勢
いが徐々に激しくなって合板に引火し、両者とも燃焼し
始めた。
【0093】一方、比較例2の遮音材(ポリ塩化ビニル
製で、厚さが25mmの発泡体)を、第2実施例で用い
たものと同様の厚さ5mmの合板2上に、上記実施例で
用いたものと同様のEVAを用いて接着した。
【0094】この遮音材を用いて難燃性試験を行うにあ
たり、合板側に火炎を当てた場合と、ポリ塩化ビニルの
発泡体(25mm)に火炎を当てた場合とに付いて難燃
性試験を行った。
【0095】その結果、合板側に火炎を当てた場合、5
分程度で着火し、燃焼し始め、火炎を除いても火の勢い
が徐々に激しくなってポリ塩化ビニル製の発泡体に引火
し、両者とも燃焼し始めた。
【0096】又、ポリ塩化ビニル製の発泡体側に火炎を
当てると、2分30秒程度で着火し、燃焼し始め、火炎
を除いても火の勢いが徐々に激しくなって合板に引火
し、両者とも燃焼し始めた。
【0097】第1実施例の遮音材1(厚さ1mm)、比
較例1の遮音材(厚さ1mm)及び比較例2の遮音材
(ポリ塩化ビニル製で、厚さが25mmの発泡体)を用
いて、JIS A 1416に準拠して遮音試験を行っ
た。
【0098】即ち、各遮音材を用い、この各遮音材を木
枠に両面接着テープで張り付けた後、鋲でおさえた。こ
のように各遮音材を取り付けた木枠を透過損失測定用開
口部に取り付けた。この場合、木枠の四周は油ネンドで
処理した。
【0099】この遮音試験において、試料面積は4.8
2、音源は1/3オクターブ帯域雑音、音源室は21
0m3で、且つ受音室は2103であり、その室温の温度
は16℃であった。その結果は以下のとおりであった。
【0100】即ち、第1実施例の遮音材1では、500
Hzでは音響透過損失17dB、1000Hzでは22
dB、2000Hzでは28Hzであるのに対し、比較
例1の遮音材では、500Hzでは音響透過損失4.5
dB、1000Hzでは9.0dB、2000Hzでは
9.5Hzであり、又、比較例2の遮音材では、500
Hzでは音響透過損失2.5dB、1000Hzでは
6.5dB、2000Hzでは6.5Hzであることが
認められた。
【0101】この結果より、本発明の遮音材の遮音効果
が著しく高いことが認められる。
【0102】ところで、特に、比較例1の遮音材は、こ
の試験後、肉眼による観察により、クラックや表面剥離
が発生していることが認められた。
【0103】図4に示す本発明の第3実施例では、鉄筋
コンクリート床の建設現場で、図1に示した遮音材用組
成物を融解し、コンクリート製の床スラブ3の表面に厚
さ3〜5mm程度にわたって遮音材用組成物を流した
後、自然冷却させて硬化させることにより、床スラブ3
の表面に層状の遮音材1が形成される。
【0104】図5に示す本発明の第4実施例では、現場
で、図1に示した遮音材用組成物を溶融し、凹凸がある
コクリート製の下地壁4の表面に厚さ3〜5mm程度に
わたって吹き付け塗装した後、自然冷却させて硬化させ
ることにより、下地壁4の表面に層状の遮音材1が形成
される。そして、この遮音材1の表面を加熱して遮音材
1の粘着性が発現している状態で表面を飾る例えばモザ
イクタイル5を押し付けることによりモザイクタイル5
が遮音材1に接着される。また、配列の修正が必要とさ
れるモザイクタイル5については、局部的に遮音材1の
表面を加熱してモザイクタイル5を引き剥がし、修正し
た位置に張りつけた後、自然冷却させて修正した位置に
モザイクタイル5を貼り付けることができる。
【0105】ここでは、現場で図1に示した遮音材用組
成物を溶融して吹き付けるという方法を採っているが、
図2に示した遮音材1を例えば熱風を吹きかけて軟化さ
せ、この熱風の風圧やこてなどを用いて凹凸がある下地
壁4に押し付けることにより、凹凸がある下地壁4に層
状に付着させることが可能である。この場合には、所定
の厚さを有する遮音材1を用いたり、それよりも薄い複
数の遮音材1を順に積層したりすることにより、より簡
単に、かつ、正確に所定の厚さの遮音材1の層を下地壁
4に形成することができる。
【0106】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の遮音材
用組成物は、ホットメルト系接着性樹脂、無機質充填材
及び難燃剤を必須成分とするものであり、ホットメルト
系接着性樹脂が無機質充填材と難燃剤を強固に接着し、
つまり各素材どうしが強固に接着し合っているので、こ
れを溶融混練して任意の形状、例えばシート状ないし板
状に成形した後硬化させたり、溶融混練した後支持体に
積層させて硬化させたり、溶融混練してシート状ないし
板状に成形した後硬化させたものを支持体に積層し、加
熱、接着させたり、溶融混練した不定型物を支持体に吹
き付け、塗着、型流しなどにより積層したりすることに
より、遮音効果が著しく優れた、本発明の遮音材を歩留
りが高く得ることができる。
【0107】そして、本発明の遮音材用組成物は、種々
の形状に成形されて遮音材が得られるのであり、この遮
音材は、ホットメルト系接着性樹脂、無機質充填材及び
難燃剤を必須成分とするもので形成されており、ホット
メルト系接着性樹脂が無機質充填材と難燃剤を強固に接
着し、つまり各素材どうしが強固に接着し合っているの
で、緻密で面密度が高く、遮音効果が著しく高い上、直
角程度の曲げでは割れることがないのであり、加えて、
成形後に遮音材が変形することもなく、また、成形後の
遮音材にクラックが発生することがない上、成形後の遮
音材の表面剥離が発生することもないのであり、従っ
て、信頼性が高く、多用途に利用できるうえ、応用範囲
が拡大する効果を奏するのである。
【0108】そして、本発明の遮音材用組成物は、難燃
剤が配合されているので、難燃性ないし自己消火性を備
え、外部の火炎が遮音材に及んでいる間には燃焼するこ
とがあっても、外部からの火炎が除かれるとごく短時間
内に自己消火するようになるので保管中の火災に対して
も焼尽による被害を軽減させることができるのであり、
しかも塩化ビニル等の塩素を含有する樹脂を用いていな
いので、燃焼時に塩素系の有害ガスを発生するおそれが
なく、至極安全性が高い効果を奏するのである。
【0109】又、本発明の遮音材用組成物は、ホットメ
ルト系接着性樹脂が多量に配合されているので、加熱す
ることにより容易に溶融し、粉・粒状或いはシート状等
の任意の形状に成形して遮音材用組成物又は遮音材とし
て移送、保管することができるのであり、又、必要に応
じて再溶融して定形又は不定形の遮音材に形成し直すこ
とができるから、資材利用の融通性に優れると共に、資
源の再利用性に優れる効果を奏するのである。
【0110】更に、本発明の遮音材用組成物は、発泡な
どの工程が不要になるので、製造工程が簡単になり、製
造時間が短くなる。
【0111】加えて、本発明の遮音材用組成物は溶融混
練した後の未硬化状態で木、合成樹脂、金属などの素材
が異なる種々の支持体(建築資材等)に積層させたり、
硬化後に支持体に積層し、加熱すると、ホットメルト系
接着性樹脂の接着力が発現して支持体に接着される結
果、特別に支持体と遮音材とを接着する接着材や鋲釘螺
類を用いずに、容易に、かつ、強固に遮音材と支持体と
を接着することができる効果を奏するのである。
【0112】更に加えて、本発明の遮音材用組成物を薄
いシート状に形成した場合には、施工現場で支持体の複
雑な曲面にあてがい、加圧した熱風を吹き付けて、その
風圧、こて、アイロンなどを用いてシート状の遮音材を
支持体に押し付けることによって当該遮音材を容易に支
持体の全面にわたって接着させることができるのであ
り、又、支持体に付着させ硬化させた遮音材用組成物に
更にシート状の遮音材用組成物を同様にして積層するこ
とを繰り返すことにより、所望の厚さの遮音材用組成物
の層を支持体に接着することができる結果、所要の遮音
効果を確保できるのである。
【0113】又、本発明の遮音材用組成物を施工現場に
おいて溶融し、不定型化することにより、コンクリート
床スラブ上に流したり、コンクリート床スラブ、壁下地
構造或いは天井裏構造に吹き付けたりした後、硬化させ
ることによって簡単に所望の厚さの層状の遮音材を床構
造、壁構造、天井構造内に設置することができる。
【0114】もちろん、工場内であっても、施工現場で
あっても、本発明の遮音材用組成物を溶融させることが
できるので、溶融された本発明の遮音材用組成物を床、
壁、天井などの表面に設置される床上敷板、壁化粧板、
天井板などの裏面に吹き付けたり、塗装した後、硬化さ
せることによって、これら床上敷板、壁化粧板、天井板
などと層状の遮音材とを積層した複合部材を工場でプレ
ハブ製作することも施工現場で製作することもできる。
【0115】そして、本発明の遮音材は、ホットメルト
系接着性樹脂が無機質充填材と難燃剤を強固に接着し、
つまり各素材どうしが強固に接着し合っているので緻密
で面密度が高く、遮音効果が著しく高い上、直角程度の
曲げでは割れることがないのであり、加えて、遮音材が
変形することもなく、また、成形後の遮音材にクラック
が発生することがない上、成形後の遮音材の表面剥離が
発生することもないのであり、しかも使用中にクラック
や表面剥離等が発生しない結果、信頼性が高く、多用途
に利用できるうえ、応用範囲が拡大する効果を奏するの
である。
【0116】本発明の遮音材には、難燃剤が配合されて
いるので、難燃性ないし自己消火性を備え、外部の火炎
が遮音材に及んでいる間には遮音材が燃焼することがあ
っても、外部の火炎が遮音材から離れるとごく短時間内
に自己消火するようになる上、燃焼時に塩素系の有害ガ
スを発生するおそれがない結果、安全性が著しく高い効
果を奏するのである。
【0117】又、本発明の遮音材は、加熱することによ
り容易に溶融し、不定型状態になるので、この溶融した
ものを任意の形状の遮音材に成形して再利用することが
できる。
【0118】更に、ホットメルト系接着性樹脂の弾性と
無機質充填材による比重増大により遮音性が高められ、
薄いシート状ないし板状であるにもかかわらず、高い遮
音性が得られる結果、遮音材の肉厚を薄くして建築構造
に与える影響を小さくすることができるので、多用途に
利用できるうえ、応用範囲が拡大する効果を奏するので
ある。
【0119】その上、製造工程において発泡工程が不要
になり、製造時間を短くしてコストダウンを図ることが
できる。
【0120】加えて、本発明の遮音材は未硬化状態で
木、合成樹脂、金属など素材が異なる種々の支持体に積
層させて硬化させたり、硬化した遮音材を支持体に重ね
て加熱することにより容易に、かつ、強固に支持体に接
着することができる結果、工場での製造工程を簡単に
し、或いは現場での施工を簡単にしてコストダウンを図
ることができる。
【0121】更に加えて、加熱して軟化させることによ
り複雑な曲面を有する支持体にも容易にその曲面に馴染
ませることができ、平面及び二次元曲面のみならず複雑
な三次元曲面に密着して遮音材を層状に設置できるので
ある。
【0122】又、例えばタイル貼りの壁面、床面などに
おいては遮音材の接着力を利用してタイルなどの表面化
粧材を遮音材に接着することができる上、一旦接着した
表面化粧材を加熱により接着力を弱めて剥がすことも容
易であり、表面化粧材の配置の修正、交換なども容易に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係る遮音材用組成
物の模式図である。
【図2】図2は本発明の第1実施例に係る遮音材の斜視
図である。
【図3】図3は本発明の第2実施例に係る遮音材の斜視
図である。
【図4】図4は本発明の第3実施例に係る遮音材を備え
る床構造の断面図である。
【図5】図5は本発明の第4実施例に係る壁構造の断面
図である。
【符号の説明】
A ホットメルト系接着性樹脂 B 無機質充填材 C 難燃材 D 顔料 1 遮音材 2 合板 3 床スラブ 4 下地壁 5 モザイクタイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 C08L 101/00 G10K 11/162 G10K 11/16 A // B29K 503:04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットメルト系接着性樹脂100重量部
    に、無機質充填材150〜800重量部と難燃剤0.1
    〜10重量部とを配合したことを特徴とする遮音材用組
    成物。
  2. 【請求項2】 無機質充填材に対し10重量%以下のカ
    ップリング剤が添加された請求項1に記載の遮音材用組
    成物。
  3. 【請求項3】 無機質充填材が予めカップリング剤でコ
    ーティングされたものである請求項1に記載の遮音材用
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の遮音材用組成物を溶融混練した後、硬化させてなる遮
    音材用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の遮音材用組成物を溶融混練した後、任意の形状に成形
    して硬化させてなる遮音材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の遮音材用組成物を溶融混練した後、シート状ないし板
    状に成形して硬化させてなる遮音材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の遮音材用組成物を溶融混練した後、支持体に層状に付
    着させて硬化させてなる遮音材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005060504A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Lonseal Corp 熱可塑性樹脂組成物及び床仕上げ材
JP2007099800A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Aica Kogyo Co Ltd ホットメルト系シーリング材
KR20180023534A (ko) * 2016-08-26 2018-03-07 유림에코 주식회사 세라믹을 함유한 친환경 바닥재
KR20200015128A (ko) * 2018-08-02 2020-02-12 한국교통대학교산학협력단 나노기술에 기반한 고기능성 모르타르를 이용한 공동주택의 층간소음 저감 보강구조물

Cited By (4)

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