JPH0831432A - 低温作動可能な固体電解質型燃料電池 - Google Patents

低温作動可能な固体電解質型燃料電池

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JPH0831432A
JPH0831432A JP6186370A JP18637094A JPH0831432A JP H0831432 A JPH0831432 A JP H0831432A JP 6186370 A JP6186370 A JP 6186370A JP 18637094 A JP18637094 A JP 18637094A JP H0831432 A JPH0831432 A JP H0831432A
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JP
Japan
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fuel cell
sofc
solid electrolyte
operating temperature
scsz
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JP6186370A
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Yasunobu Mizutani
安伸 水谷
Moritoshi Tamura
守淑 田村
Masayuki Kawai
雅之 河合
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Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Toho Gas Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体電解質の導電率が高く、発電特性に優れ
るのみならず、800〜900℃での低い作動温度での
使用も可能な固体電解質(SOFC)型燃料電池を提供
すること。 【構成】 SOFC型燃料電池において固体電解質材料
がスカンジア安定化ジルコニア材料により構成されてお
り、この材料の主成分であるジルコニア材料がスカンジ
アの配合により結晶構造の安定化が図られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質型燃料電池
(以下、「SOFC」)と略称する。)に関し、さらに
詳しくは800〜950℃程度の作動温度でも十分に電
力を得ることができる低温作動可能なSOFC型燃料電
池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の燃料電池としては、電解質
の種類によってリン酸型(以下、「PAFC」と略称す
る。)、溶融炭酸塩型(以下、「MCFC」と略称す
る。)、および固体電解質型(SOFC)が知られてい
る。
【0003】この中でSOFC型燃料電池は、電解質材
料としてリン酸水溶液や溶融炭酸塩のような液体状材料
の代わりにイオン導電性を有する固体電解質材料を用い
たものであり、PAFC型やMCFC型の燃料電池に比
べて発電効率が高く、高い温度の排熱が得られることか
ら、オンサイト用コージェネレーションシステムへの適
用が期待されている。
【0004】ところでこのSOFC型燃料電池において
は、固体電解質材料の電気的特性、特に導電率が電池の
性能に大きく影響することから、従来この固体電解質材
料として、イットリア安定化ジルコニア(以下、「YS
Z」と略称する。)材料が用いられてきた。このYSZ
材料は、ジルコニア(ZrO2 )材料がこの種SOFC
型燃料電池の作動温度近辺の約1150℃付近で単斜晶
形から正方晶形へ結晶構造の変化を起こして容積変化を
生じることから、この容積変化を防ぐ手段としてイット
リア(Y23)をこのZrO2 材料中に固溶させて結晶
構造の安定化を図ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のSOFC型燃料電池では、作動温度を低くすることが
電池の耐久性能を向上させる上で望ましい。そしてこの
作動温度を下げることができれば、電解質以外の電池部
材に安価で加工が容易な耐熱金属を用いることができる
のでSOFCシステムのコストダウンも期待できるもの
である。
【0006】しかるに前述の従来一般に知られてきたY
SZ固体電解質材料を用いたSOFC型燃料電池では、
その作動温度を下げていくと電解質の内部抵抗が増大
し、電力の低下をもたらすという問題がある。そこで従
来、作動温度は1000℃前後の高温でなければならな
いとされてきた。
【0007】ちなみに図17に、従来一般に知られてき
たYSZ固体電解質材料を用いたSOFC型燃料電池の
発電特性を示す。用いられたYSZ電解質材料は、イッ
トリア配合量8モル%のもの(以下、「8YSZ」と表
記する。)であり、横軸に電流密度、縦軸に作動電圧お
よび電力密度を示すが、図示されるように、作動温度が
1000℃の高い温度ではまずまずの良好な発電特性を
示すのに対し、900℃,800℃と作動温度を下げて
いくと発電特性も急激に損なわれるという結果となって
いる。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、8
00〜950℃程度の低い作動温度でも良好な発電特性
を維持できるSOFC型燃料電池を提供することにあ
る。これにより、燃料電池としての耐久性能を向上さ
せ、また安価で加工の容易な材料を電解質以外の部材な
どに使用できるようにして製作コストの低廉化をも達成
せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため本発明は、ジルコニア材料を主成分とし、これに
スカンジアを適量配合し、800〜950℃の温度域に
おけるジルコニア材料の結晶構造を安定化させてなる固
体電解質材料によるセル構造を有することを要旨とする
ものである。
【0010】この場合にスカンジアはジルコニア材料中
に8〜15モル%固溶されているのが望ましく、これに
より固体電解質材料であるジルコニア材料の結晶構造の
安定化が図られる。またこの固体電解質材料にアルミナ
を0.1 〜20wt%の範囲で適量配合することにより
曲げ強度等の機械的特性が向上する。ただし、アルミナ
の配合量が増すにつれ導電率が低下するので少な目に配
合するのがよい。
【0011】
【実施例】以下に本発明について各種実験を行なったの
でその結果を詳細に説明する。 (実験方法)初めに図1に本発明のSOFC型燃料電池
に供されるスカンジア安定化ジルコニア固体電解質の調
製法について示し、これについて説明する。ScSZ原
料粉末は、Sc23を原子レベルで均一に混合すること
を目的として、ゾルゲル法(蟻酸法)により調製した。
はじめに、Sc23(99.9% )を加熱した濃硝酸に
溶解させ、蒸留水で希釈したのち、所定量のZrO(N
32・2H2O を加えた。この溶液に蟻酸とポリエチ
レングリコールを加え、攪拌しながら加熱固化して前駆
体を得た。つぎに、得られた前駆体を800℃で12時
間仮焼して結晶化させ、ScSZ原料粉末とした。この
段階で大部分の Sc23はZrO2 に固溶している。
【0012】ScSZ−Al23複合材料は、ScSZ
原料粉末に所定量のα−Al23(平均粒径0.2μm
)を加え、ボールミルで湿式混合したのち乾燥して原
料粉末とした。得られた原料粉末は金型で一軸成形した
のち、静水圧プレス(CIP)2000kg/cm2
成形した。つぎに成形体を1500〜1700℃で5〜
15時間焼成して焼結体を得た。
【0013】導電率の測定は、直径7mm,長さ2〜3
mmの円板状焼結体の両面に白金電極を焼き付け、交流
インピーダンス法により行った。周波数は1〜100k
Hzの範囲とし、Cole−Cole Plotで得ら
れた抵抗値と試験片の寸法から試料の導電率を求めた。
焼結体の機械的強度は3mm(B)×4mm(W)×4
0mm(L)の棒状試験片を用い、3点曲げ試験により
行なった。スパン間距離は30mm,クロスヘッドスピ
ードは0.5mm/min とした。また、その他検討す
べき物性値として破壊靱性値,ビッカース硬度,熱膨張
率をそれぞれ測定した。
【0014】(実験結果) (1)スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ) 次に表1にScSZ焼結体およびYSZ焼結体の導電率
と機械的特性を示す。X線回析により観察された結晶相
は、Sc23が8mol%(8ScSZ)では立方晶,
11〜15mol%では菱面体晶であった。これらの結
果はこれまでに報告されているSc23−ZrO2 系の
状態図と一致している。ScSZ焼結体の導電率は、S
23添加量8mol%で最大値となり、Sc23添加
量の増加とともに減少する傾向を示した。
【0015】SOFCの運転温度である1000℃にお
ける導電率はSc23添加量8〜11mol%で0.3
〜0.4S/cmの範囲にあり、これはYSZの約2倍
の値である。従来ScSZ焼結体について報告されてい
る導電率は1000℃で 0.19〜0.27S/cm で
あり、今回これよりも高い導電率を示したその理由は、
原料粉末の調製に液相法を用いたことから、不純物の混
入が少なく、Sc23がZrO2 に均一に固溶したため
と考えられる。なお、機械的に粉末を混合してScSZ
を調製した場合の導電率は、Sc23が12mol%の
とき0.25 S/cmであった。
【0016】
【表1】
【0017】つぎに、ScSZ系焼結体の導電率の温度
依存性を図2に示す。立方晶単相である8ScSZは温
度変化とともに連続的に導電率が変化したのに対して、
室温で菱面体晶が観察される10ScSZ〜15ScS
Zでは、600℃前後で導電率が不連続に変化した。こ
れは菱面体晶から立方晶への相転移に対応している。
【0018】図3に8ScSZおよび11ScSZの熱
膨張特性を示した。11ScSZの場合には相転移に伴
う熱膨張の不連続性が認められた。しかしながらこのと
きの体積膨張はごくわずかなものであり、SOFCへの
適用にあたって実用上は問題ないと考えられる。なお、
常温から1200℃までの熱膨張率は8YSZ,8Sc
SZ,11ScSZいずれも10〜11(×10-6
K)の範囲にあった。
【0019】つぎに、焼結体の曲げ強度は、8YSZと
8ScSZを比較すると、いずれも約280MPaであ
り、ドーバントをY23からSc23にしたことによる
強度変化は認められなかった。11ScSZについて
は、室温での結晶相が菱面体晶であるため強度が異なる
可能性も考えられたが、顕著な強度低下は見られなかっ
た。これらのことから、ScSZはYSZと同様の構造
設計でSOFC電解質板に使用できると考えられる。他
方、ScSZ系焼結体の破壊靱性値は、概して8YSZ
よりも高い傾向にあった。このことはSOFC電解質板
の加工やハンドリングが容易であることを示しており、
SOFCの大面積化に有利である。
【0020】つぎに、SOFCの電解質材料に必要な特
性として、電極材料(燃料極Ni/YSZ,酸素極La
SrMnO3 )と反応しないことが求められる。YSZ
においても、1300〜1400℃で酸素極材料である
LaSrMnO3 と反応して、絶縁体であるLa2Zr2
7 を生成することが報告されている。次の表2に8Y
SZ,および11ScSZ粉末をそれぞれLaSrMn
3 粉末と混合し、1000〜1400℃で熱処理して
LaSrMnO3 との反応性を調査した結果を示す。
【0021】X線回析の結果、反応温度1200℃にお
いて8YSZではLa2Zr27 が観察されたが、11
ScSZでは観察されなかった。このことから、ScS
Zは電極との反応性の面でもYSZより良好であり、S
OFCの運転温度である1000℃で問題は生じないこ
とが確認できた。
【0022】
【表2】
【0023】(2)ScSZ−Al23複合材料 ScSZにAl23を添加した場合には、図4に示すよ
うに、Al23添加量の増加に伴い、導電率は減少する
結果となった。導電率の値は、Al23を15〜20w
t%添加した材料についてほぼ8YSZと同等であっ
た。Al23とZrO2は化合物をつくらないので、Z
rO2マトリクス中にAl23が単純に分散していると
考えると、複合材料の導電率は、ZrO2 単体の導電率
と、絶縁体であるAl23の体積分率によって決まるは
ずである。
【0024】しかしながら、導電率の低下は予想された
よりも大きなものとなった。同様の現象は8YSZにつ
いても報告されている。この原因は、(1)ZrO2
にAl23がわずかに固溶すること、また、(2)焼結
の過程でAl23がZrO2の粒界に偏析し、粒界に存
在する不純物と反応することなどが考えられる。(2)
が原因である場合には、焼結体の微構造を制御するか、
不純物を減少させることにより、さらに導電率を向上で
きる可能性がある。なお、ScSZにAl23を20w
t%添加した材料の曲げ強度は、Al23を添加しない
場合から約 1.5倍に向上した。このことは、SOFC
電解質板を薄くすることが可能であり、発電性能の向上
が図れることを示している。
【0025】このほかに、Al23の添加は、(1)焼
結助剤としての効果、(2)菱面体晶となる組成のSc
SZを室温でも立方晶に安定化する効果があることが確
認された。以上のことから、ScSZへのAl23添加
は多くの面で効果的であるが、大量に添加した場合には
導電率の低下を招くため、SOFC電解質板として求め
られる特性に応じて最適添加量を決定することが重要で
ある。
【0026】(ScSZ電解質を用いたSOFC単電池
の発電性能)上記の実験結果から、ScSZはSOFC
電解質材料として優れた特性を持っていることがわかっ
たので、つぎにこれを電解質板に用いて小型のSOFC
単電池を試作し、その発電性能を評価した。
【0027】(実験方法)ScSZ焼結体を前述と同様
の方法で作成し、厚さを調製するため研削加工して電解
質板とした。寸法は17mmφ×0.25mmt であ
る。燃料極はNi/YSZサーメット(Ni:YSZ=
4:6)を用い、酸素極にはLa1-xSrxMnO3(X
=0.1)を用いた。電極材料はバインダーを添加して
電解質板上にスクリーン印刷し、それぞれ所定の温度で
焼き付けた。焼成後の電極の厚さは20〜30μm,電
極面積は0.2cm2である。
【0028】作成したSOFC単電池を図5に示す試験
装置にセットし、定電流発生装置に接続して直流4端子
で発電試験を行なった。燃料は室温で加湿した純水素、
酸化剤には純酸素もしくは空気を用いた。電極特性の評
価は、電解質板の側面に参照電極を取り付けて3端子と
し、前述と同様の方法で交流インピーダンス測定を行
い、Cole−Cole PlotからIR抵抗と両電
極の分極特性を求めた。
【0029】(実験結果) (1)ScSZ電解質板を用いた単電池の発電特性 図6に11ScSZを電解質板に用いたSOFC単電池
の発電特性の一例を示す。運転温度は1000℃,酸化
剤は純酸素である。電流密度4A/cm2 において、最
大電力密度2.1W/cm2が得られ、0.7V出力時に
は約2A/cm2の電流を取り出すことができた。8Y
SZを電解質板に用いた場合の最大電力密度は1W/c
2 前後であったので、最大電力密度は約2倍に向上し
たことになる。
【0030】これを確認するため、電極特性の測定結果
から、各電流密度における全抵抗を アノード(燃料極)の分極,カソード(酸素極)の
分極,IR抵抗に分離した結果を図7(a),(b)
((a):8YSZ,(b):11ScSZ)に分極電圧とし
て示す。アノード分極,カソード分極はばらつきが見ら
れるものの、分極電圧はいずれも100mV以下であ
り、全抵抗への寄与度は小さかった。他方、IR抵抗分
は8YSZと11ScSZで約2倍異なっており、電解
質抵抗の減少が発電性能の向上につながったことがわか
る。図7のIR抵抗から逆算した電解質材料の導電率は
8YSZで0.10S/cm、11ScSZで0.21S
/cmとなり、前述の焼結体サンプルで測定した導電率
よりも低くなったが、これは測定の中に接触抵抗などの
未知抵抗分を含んでいるためである。
【0031】電解質部分の抵抗を減らすことで高い電力
密度が得られることは既に他社の報告からも明らかであ
るが、いずれも電解質を薄膜とした支持膜型であり、薄
膜製造プロセスのコストや電解質膜の信頼性の面で課題
が残っている。製造コストが低い自立膜平板型SOFC
で、これまでにない高い電力密度が得られたことは低コ
ストで高性能なSOFC開発の可能性を示すものであ
る。
【0032】(2)低温作動SOFCの可能性 YSZを電解質材料に用いたSOFCにおいて十分な発
電性能を得るためには、作動温度は1000℃前後が必
要とされている。作動温度を下げることができれば、セ
パレータや電池容器など、電解質以外の電池部材に安価
で加工が容易な耐熱金属が利用できるのでSOFCシス
テムのコストダウンが期待できる。また、燃料極材料の
焼結による長期性能の劣化が起こりにくくなるため、長
期耐久性に優れたSOFCシステムが開発できる。
【0033】そこでScSZを電解質材料としたSOF
Cを1000℃以下の低温で作動させた場合の特性を評
価した。図2に示したScSZの導電率の温度依存性を
考慮すると、作動温度は800〜900℃まで下げるこ
とが可能と考えられる。そこで作動温度を800℃,9
00℃,1000℃とした場合の発電特性を図8に示し
た。酸化剤は純酸素である。
【0034】最大電力密度は作動温度の低下とともに減
少しているが、900℃でも1W/cm2 以上が得ら
れ、850℃程度でも十分実用になり、800℃でも何
とか使用できる範囲にあると考えられる。また、100
時間程度の連続発電試験の結果から、作動温度を低下さ
せることにより電池の耐久性能が大幅に向上することが
確認できた。しかしながら、酸化剤を空気とした場合に
は、900℃以下における発電性能は大幅に低下する結
果となった。 図9に酸化剤の違いによる電極特性の比
較を示す。作動温度は900℃である。1000℃にお
ける結果と比較すると、アノード分極,カソード分極,
IR抵抗ともに増大しているが、酸化剤を空気とした場
合にはこれらが更に大きくなっている。特に電流密度の
増加とともにカソードの分極が顕著に増大していること
がわかる。このことから、酸化剤を空気とした低温作動
SOFCを実現するためには、電解質材料だけでなく、
酸素極材料の性能向上が必要となることがわかった。
【0035】図10〜図16は、それぞれ作動温度を下
げたときの発電特性や分極電圧特性を示したものであ
る。初めに図10は、11ScSZ電解質材料を用い、
作動温度850℃での発電特性を示している。この図1
0で明らかなように、100時間程度の連続発電試験の
結果において発電前と発電後とで発電性能の低下はほと
んど認められない。
【0036】図11は、発電時間の経過による作動電圧
特性を示したものである。電解質材料は11ScSZを
用い、作動温度は850,900,1000℃の3段階
で示している。また、電流密度は、1A/cm2 として
いる。この図11に示されるように、850,900℃
程度の低い作動温度でも0.7 V以上の電圧が得られ、
100時間以上の持続的な発電特性を維持することが確
認された。
【0037】尚、この図11には示していないが、YS
Z電解質材料を用いたものは、作動温度850,90
0,1000℃のいずれの場合もScSZ材料よりも低
い電圧値を示しており、各作動温度においてYSZ材料
よりもScSZ材料の方が発電特性に優れていることも
確認されている。また850℃,900℃では0.7 V
以下の電圧しか得られないため十分な電力量が得られ
ず、発電効率も低くなってしまう(発電効率は出力電圧
に比例するため)。
【0038】図12は、図11に示した作動電圧特性を
作動時間(発電時間)と電圧比V/V0 との関係で示し
たものである。ここにVは各測点時間での電圧値、V0
は初期電圧値を示している。作動温度が高い場合には作
動時間の経過とともに電圧比が低下し、その低下度は大
きいが、作動温度が低い場合(850℃、900℃)に
は作動時間が経過しても電圧比はそれほど低下しない。
【0039】図13及び図14は、11ScSZ材料を
用い、作動温度850℃での分極電圧特性を示し、図1
3は使用前、図14は作動時間100時間経過した時点
でのデータを示している。カソード分極,アノード分
極,IR抵抗ともに使用前後でほとんど変わらず、トー
タルの電圧降下(抵抗)もほとんど変化していない。
【0040】図15(a),(b)は、この材料におけ
る作動温度900℃での使用前および作動時間経過後の
分極電圧特性を示し、図16(a),(b)は作動温度
1000℃での同様の分極電圧特性を示している。作動
温度が900℃,1000℃と若干高くなるとカソード
分極,アノード分極,IR抵抗ともに増大の傾向にあ
り、トータルの電圧降下(抵抗)も増大していることが
わかる。
【0041】以上の各種実験結果をまとめると、SOF
Cにおける電解質材料としてスカンジア安定化ジルコニ
ア(ScSZ)を用いてSOFC単電池を試作して発電
試験を行なった結果、以下のことがわかった。
【0042】(1)ScSZ材料はYSZ材料の約2倍
の導電率を持ち、機械的特性も同等であることから、S
OFCの電解質材料として優れた特性を持っている。 (2)ScSZ材料にAl23を分散させることによ
り、導電率は低下したが、ScSZ材料の機械的強度を
向上させることができた。 (3)ScSZ材料を電解質としたSOFCの発電試験
において、従来のYSZ材料を用いたものより約2倍の
最大電力密度が得られた。 (4)ScSZ材料を電解質としたSOFCは、低温作
動SOFCとして優れた特性を持つが、酸化剤を空気と
した場合には、酸素極材料の性能をさらに向上させる必
要がある。
【0043】
【発明の効果】以上各種の実験結果からも明かなよう
に、本発明に係る固体電解質型燃料電池(SOFC)
は、固体電解質材料として従来から一般的に知られてい
るYSZ電解質材料に代えてScSZ材料を用いるもの
であるが、このScSZ材料はYSZ材料に較べて高い
導電率を有し、発電特性に優れていることのほかに、作
動温度を800〜950℃の低温度に下げてもその良好
な発電特性を維持できるものである。したがって作動温
度を低く目に設定することにより燃料電池としての耐久
性能を向上させることができ、また電解質材料以外の電
池部材に安価で加工が容易な耐熱金属材料を用いること
ができることにより製作コストの低廉化をも図り得るも
のであり、オンサイト用コージェネレーションシステム
への実用化へ大いに寄与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体電解質型燃料電池における固
体電解質材料の調製法を説明するための工程図である。
【図2】本発明に係るScSZ系焼結体材料の導電率特
性についての温度依存性を示した図である。
【図3】本発明に係るScSZ系電解質材料および11
ScSZ電解質材料の熱膨張特性を示した図である。
【図4】本発明に係るScSZ(8ScSZ)材料にA
23(α−Al23)を添加した場合のAl23添加
量と導電率との関係を示した図である。
【図5】本発明に係るSOFC単電池の試験装置の概略
構成図である。
【図6】本発明に係る11ScSZ固体電解質材料を用
いたSOFC単電池の発電特性を8YSZ固体電解質板
を用いたSOFC単電池との比較において示した図であ
る。
【図7】(a)は、本発明に係る8YSZ固体電解質材
料を用いたSOFC単電池の電極特性(電流密度とアノ
ード極・カソード極の分極電圧との関係)を示した図で
ある。(b)は、本発明に係る11ScSZ固体電解質
材料を用いたSOFC単電池の電極特性(電流密度とア
ノード極・カソード極の分極電圧との関係)を示した図
である。
【図8】本発明に係るScSZ(11ScSZ)固体電
解質材料を用いたSOFC単電池における作動温度の違
いによる影響(電流密度と作動電圧および電力密度との
関係)を示した図である。
【図9】本発明に係る酸化剤の違いによる電極特性の比
較データを示した図である。作動温度は900℃であ
る。
【図10】本発明に係る11ScSZ固体電解質材料を
用いたSOFC単電池における850℃の作動温度での
発電特性(電流密度と作動電圧および電力密度との関
係)を示した図である。
【図11】本発明に係る11ScSZ固体電解質材料を
用いたSOFC単電池における作動温度の違いによる影
響(電流密度:1A/cm2 での作動時間と作動電圧と
の関係)を示した図である。
【図12】図11に示した本発明に係る11ScSZ固
体電解質材料を用いたSOFC単電池における作動温度
の違いによる影響のデータにおける作動電圧を作動電圧
比で表わしたデータを示した図である。
【図13】図11に示した本発明に係る11ScSZ固
体電解質材料を用いたSOFC単電池における850℃
の作動温度での分極電圧特性(電流密度と分極電圧との
関係−耐久前−)を示した図である。
【図14】図11に示した本発明に係る11ScSZ固
体電解質材料を用いたSOFC単電池における850℃
の作動温度での分極電圧特性(電流密度と分極電圧との
関係−耐久後−)を示した図である。
【図15】本発明に係る11ScSZ固体電解質材料を
用いたSOFC単電池における900℃の作動温度での
分極電圧特性(電流密度と分極電圧との関係)を示した
図であり、(a)は耐久前、(b)は耐久後のデータで
ある。
【図16】本発明に係る11ScSZ固体電解質材料を
用いたSOFC単電池における1000℃の作動温度で
の分極電圧特性(電流密度と分極電圧との関係)を示し
た図であり、(a)は耐久前、(b)は耐久後のデータ
である。
【図17】本発明に係るYSZ(8YSZ)固体電解質
材料を用いたSOFC単電池における作動温度の影響
(電流密度と作動電圧および電力密度との関係)を示し
た図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニア材料を主成分とし、これにス
    カンジアを適量配合し、800〜950℃の温度域にお
    けるジルコニア材料の結晶構造を安定化させてなる固体
    電解質材料によるセル構造を有することを特徴とする低
    温作動可能な固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 スカンジアはジルコニア材料中に8〜1
    5モル%固溶されていることを特徴とする請求項1に記
    載の固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 固体電解質の材料にはアルミナが0.1
    〜20wt%の範囲で適量配合されていることを特徴と
    する請求項1に記載の固体電解質型燃料電池。
JP6186370A 1994-07-14 1994-07-14 低温作動可能な固体電解質型燃料電池 Pending JPH0831432A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017130385A (ja) * 2016-01-21 2017-07-27 第一稀元素化学工業株式会社 固体酸化物形燃料電池用スカンジア安定化ジルコニア粉末及びその製造方法,固体酸化物形燃料電池用スカンジア安定化ジルコニア焼結体及びその製造方法,並びに固体酸化物形燃料電池

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06107462A (ja) * 1992-08-12 1994-04-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 酸素イオン導伝体及び固体燃料電池

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