JPH08322582A - ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化合物の酸化還元方法及びそれを用いたアミノ酸の製造方法 - Google Patents

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化合物の酸化還元方法及びそれを用いたアミノ酸の製造方法

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JPH08322582A
JPH08322582A JP13012795A JP13012795A JPH08322582A JP H08322582 A JPH08322582 A JP H08322582A JP 13012795 A JP13012795 A JP 13012795A JP 13012795 A JP13012795 A JP 13012795A JP H08322582 A JPH08322582 A JP H08322582A
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nad
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adenine dinucleotide
nicotinamide adenine
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Tokuji Ikeda
篤治 池田
Kenji Kano
健司 加納
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性溶媒中のニコチンアミドアデニンジヌク
レオチド化合物を酸化または還元するに際し、電子受容
体化合物及びジアホラーゼ固定化電極を用いることを特
徴とするニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化合物
の酸化還元方法。 【効果】 簡便かつ任意にNAD 化合物の酸化還元反応を
制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチド化合物の酸化還元方法およびそれを用い
たアミノ酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド(リン酸)〔以下、NAD(P)+ という〕や還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)〔以
下、NAD(P)H という〕等のニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド〔以下、NAD という〕化合物が関与する酸化
還元酵素は多種多様存在することが知られている。これ
らの酵素の反応の制御を容易にするために、酵素を電極
系に組込み、この電極系をセンサー、リアクターあるい
は不斉合成等に応用する試みが従来より行われてきた。
【0003】しかし、上記酵素が反応する際には、NAD
(P)+ やNAD(P)H は酸化あるいは還元するが、NAD(P)+
やNAD(P)H を電極で直接酸化あるいは還元するには、大
きな過電圧が必要である。そこで、種々の電子受容体化
合物を電子伝達媒体として用い、NAD(P)H 依存型酵素と
電極系を共役させる手法が開発されたが、当初開発され
たものは、NAD(P)H をNAD(P)+ に酸化する方向の反応に
は利用できたが、NAD(P)+ をNAD(P)H に還元する方向の
反応には利用できなかった。その後、電子伝達媒体とし
て様々なものが研究されたが、現在までのところ、電子
伝達媒体としてメチルビオローゲンを用いて酵素反応を
共役させる方法、およびロジウム(Rh)錯体を用いる方
法が成功例として報告されているにすぎない。
【0004】しかし、メチルビオローゲンを用いる方法
では、反応平衡がNAD(P)+ のNAD(P)H への還元方向に著
しく偏っており、NAD 化合物の酸化還元反応を任意に制
御することが困難である。そのうえ、メチルビオローゲ
ンは、毒性が非常に強く、取扱いが困難で、特に生化学
分野への応用は難しいことが示唆されている。また、Rh
錯体を用いる方法では、反応速度が低く、実用性に欠け
るという点が指摘されている。
【0005】一方、アミノ酸の生産に関しては、現在ま
でのところ、化学合成法、発酵法および酵素法が報告さ
れており、これらの方法のうちいずれかの方法、または
複数の方法を組合わせることにより、大規模にアミノ酸
の生産が行われている。グリシン以外のアミノ酸は光学
活性を有しており、L-体とD-体が存在するが、生理的活
性あるいはその他特異な性質を示すものは、これらのう
ち一方であることは周知のことである。したがって、ア
ミノ酸の生産においてはL-体とD-体を厳密に区別して生
産することが必要である。また、あるアミノ酸を薬品そ
の他の原料として用いる場合には、他種のアミノ酸が混
入しないことが求められている。
【0006】化学合成法によるアミノ酸生産は、生産コ
ストを低く抑えることが可能であり、多様なアミノ酸を
生産することが出来るが、生産されたアミノ酸は通常ラ
セミ体となるため、後段の反応が必要となり、生産工程
が複雑になる。発酵法では、突然変異体の微生物を用い
て培地中にアミノ酸を分泌させる方法であるので、目的
とするアミノ酸を低コストで効率よく生産することは出
来るが、培地より混入する多種のアミノ酸や微生物の代
謝生成物などを精製段階において取り除く必要がある。
また、現時点では発酵法によって効率よく生産できるア
ミノ酸の種類は限られたものである。酵素法は、酵素の
有する高い立体特異性を利用するものであり、培地等か
らの多種アミノ酸や微生物の代謝生成物の混入もなく、
純度の高いアミノ酸を得られることが示唆されており、
様々な反応経路が提案されている。現在、工業スケール
の生産において使用することのできる酵素の種類は限ら
れているが、酵素法は非天然型アミノ酸を比較的容易に
生産できる等の利点があるので、アミノ酸の生産に有望
な方法であると考えられている。
【0007】酵素法によるアミノ酸の生産において、ア
ミノ酸脱水素酵素を使用した場合には酵素反応にNADHな
ど補酵素が必要な場合が多く、効率的なアミノ酸生産を
行うためにはこのような補酵素を再利用することが必要
である。例えば、アプライド・マイクロバイオロジー・
アンド・バイオテクノロジー〔Applied Microbiologyan
d Biotechnology ,第25巻, 第175 頁 (1986) 〕にはフ
ェニルアラニンを生産する方法として、フェニルピルビ
ン酸を基質としたフェニルアラニン脱水素酵素を利用す
る方法が報告されている。この方法ではL-フェニルアラ
ニンを生産する際消費されるNADHをギ酸脱水素酵素によ
って再生産する系が用いられている。しかしながら、ギ
酸脱水素酵素の反応制御は難しく、かつNADH再生産系で
の基質消費量及び副生成物量も無視できない大きさにな
ることより、L-フェニルアラニンの効率的生産には適し
ていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便かつ任
意に酸化還元反応を制御することが可能なNAD 化合物の
酸化還元方法、及びそれを用いた効率的なアミノ酸の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電子受
容体化合物、ジアホラーゼ固定化電極及びNAD 化合物を
含有する水性溶媒において、ジアホラーゼ固定化電極に
電圧を印加することにより、水性溶媒中の還元体あるい
は酸化体NAD 化合物を、副産物を生成することなく、簡
便かつ任意に、そして電気量論的に酸化あるいは還元で
きることを見いだした。
【0010】また、このジアホラーゼ固定化電極による
NAD 化合物酸化還元方法とNAD(P)H依存性アミノ酸脱水
素酵素を組合わせることによって効率的かつ電気量論的
にアミノ酸を合成できることを見いだした。
【0011】すなわち、本発明は、水性溶媒中のニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド化合物を酸化または還
元するに際し、電子受容体化合物及びジアホラーゼ固定
化電極を用いることを特徴とするニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド化合物の電気化学的酸化還元方法及び
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)依存
性アミノ酸脱水素酵素を用いて、ケト酸及びアンモニウ
ムイオンからアミノ酸を製造するに際し、ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド(リン酸)依存性アミノ酸脱
水素酵素、ケト酸及びアンモニウムイオンが共存する水
性溶媒に、電子受容体化合物、ジアホラーゼ固定化電極
及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化合物を共
存させ、ジアホラーゼ固定化電極に電圧を印加すること
を特徴とするアミノ酸の製造方法を要旨とするものであ
る。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
NAD 化合物とは、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌク
レオチド(以下、NAD + という)、酸化型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下、NADP +とい
う)や還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(以下、NADHという)、還元型ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチドリン酸(以下、NADPH という)をいう。
【0013】本発明におけるNAD 化合物の酸化還元方法
の基本原理を、アドリアマイシンを電子受容体化合物の
例として図1、図2に示した。図1にはNAD 化合物を酸
化する方向の反応の基本原理を示した。還元型の電子受
容体化合物は電極に電子を受け渡し、酸化型の電子受容
体化合物となる。酸化型の電子受容体化合物は還元型の
ジアホラーゼを酸化型に変換する。酸化型のシアホラー
ゼはNAD(P)H を酸化し、その結果、NAD(P)+ を生成す
る。
【0014】図2にはNAD 化合物を還元する方向の反応
の基本原理を示した。酸化型の電子受容体化合物は電極
よりに電子を受けとり、還元型の電子受容体化合物とな
る。還元型の電子受容体化合物は酸化型のジアホラーゼ
を還元型に変換する。還元型のシアホラーゼはNAD(P)+
を還元し、その結果、NAD(P)H を生成する。
【0015】本発明で使用する電子受容体化合物として
は、電極と比較的容易に電子の授受を行うことが出来る
ものであればいかなるものでもよく、酸化還元電位が銀
/塩化銀電極に対して-300から-600mVの間にあるものが
好ましい。このような例として、キノン系抗ガン剤とし
て知られるアドリアマイシンやその類縁体である7-デオ
キシアドリアマイシノン等が挙げられる。
【0016】本発明のジアホラーゼ固定化電極は、いか
なるものでもく、例えば、自ら調製したものでもよい。
【0017】ジアホラーゼ固定化電極を自ら調製する場
合、電極に固定化するジアホラーゼとしては、例えば微
生物由来のもの、動植物組織由来のもの等、各種のジア
ホラーゼが使用できるが、バチルス・ステアロサーモフ
ィルス(Bacillus stearothermophilus )由来のジアホ
ラーゼは、特に電子受容体に対する基質特異性が低く、
フラビン系化合物を補酵素として内在するので、より好
ましい。また、市販のジアホラーゼの例として、生化学
工業社製(No.100436 、No.100437 、No.100434 )、東
洋紡績社製(No.DAD-301)、旭化成社製(No.T-06 、N
o.T-10 、No.T-44 )、ベーリンガー・マンハイム社製
(No.104353 )等が挙げられる。
【0018】電極の素材は、導電性を有しかつ水に不溶
の物質であればいかなる物質でもよく、これらの物質を
単独で用いても、これらの物質に他の物質を組み合わせ
て用いてもよい。耐電解腐食性を考慮すると、例えばグ
ラッシーカーボン等の炭素系素材や白金等を用いること
が望ましい。
【0019】電極にジアホラーゼを固定化する方法とし
ては、公知の方法を用いることができる。例えば、電極
上にジアホラーゼ水溶液を滴下して室温にて乾燥後、透
析膜で酵素滴下部位を被覆する方法や、酵素溶液中に電
極を浸して一晩放置後、軽く水洗して室温にて乾燥し、
次いで、透析膜で酵素吸着部位を被覆する方法等が挙げ
られる。透析膜としては、例えば、シームレスセルロー
スチューブ(ユニオンカーバイド製、No.411-03 )等が
挙げられる。
【0020】本発明において電極に印加する電圧は、水
が電気分解しない電位であればよい。銀/塩化銀電極に
対して+2000mV から-2000mV であればよいが、好ましく
は+1200mV から-1200mV である。例えば、NAD(P)をNAD
(P)H に還元する際、電子受容体化合物としてアドリア
マイシンンを使用した場合、電極に印加する電圧として
は、銀/塩化銀電極に対して-400mV以下の電位であれば
よいが、-500mVから-1000mV が望ましい。特に-800mVに
おいては、副生成物の発生もみられず、効率的な還元反
応が得られる。
【0021】また、電極に電圧を印加する方法として
は、公知の方法を用いることができ、例えば、定電圧発
生装置を用いる方法等が挙げられる。この際、ジアホラ
ーゼ固定化電極は対極、参照電極とともに定電圧発生装
置に接続し、電圧を印加すればよい。対極としては、公
知のものであればいずれのものを用いてもよく、例え
ば、白金線等が挙げられる。参照電極としては、公知の
ものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、銀
塩化銀電極等が挙げられる。参照電極は塩橋を介して反
応溶液と接続すればよい。
【0022】本発明の水性溶媒としては、水、緩衝液、
水に若干の有機溶媒を含有するもの等を用いればよい。
緩衝液としては、例えば、トリス塩酸緩衝液等が挙げら
れる。水に含有させる有機溶媒としては、例えば、エタ
ノール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0023】本発明の方法でNAD 化合物を酸化または還
元するには、NAD 化合物、電子受容体化合物を含有する
水性溶媒中に、ジアホラーゼ固定化電極のジアホラーゼ
固定化部位、対極を浸し、参照電極を塩橋を介して水性
溶媒と接続した後、ジアホラーゼ固定化電極、対極、参
照電極を定電圧発生装置に接続し、電圧を印加すればよ
い。反応溶液である水性溶媒はマグネチックスターラー
等で攪拌ればよい。
【0024】本発明によるNAD 化合物の電気化学的酸化
還元方法は、電子受容体物質の存在下、直接的な電極反
応により副産物を生成しない電極電位範囲内で、ジアホ
ラーゼを固定化した電極に印加する電圧により、任意に
酸化体のNAD 化合物を還元体に、あるいは還元体のNAD
化合物を酸化体に変換できるものであるので、例えば、
NAD(P)H またはNAD(P)+ を補酵素として用いる酵素反応
に本発明のNAD 化合物の電気化学的酸化還元方法を組み
込むことにより、酵素反応により生成したNAD(P)+ また
はNAD(P)H を、再びNAD(P)H またはNAD(P)+ に変換する
ことができ、NAD 化合物の再生産系として酵素反応に組
み込むことができる。このような酵素反応の例として、
例えば、NAD(P)H 依存性アミノ酸脱水素酵素を用いたア
ミノ酸の合成反応等が挙げられる。
【0025】次に本発明のアミノ酸の製造方法の基本原
理の一例を、アドリアマイシンを電子受容体化合物の例
として図3に示した。酸化型の電子受容体化合物は電極
よりに電子を受けとり、還元型の電子受容体化合物とな
る。還元型の電子受容体化合物は酸化型のジアホラーゼ
を還元型に変換する。還元型のシアホラーゼはNAD(P)+
を還元し、その結果、NAD(P)H を生成する。生成したNA
D(P)H の存在下、アミノ酸脱水素酵素はケト酸とアンモ
ニウムイオンよりアミノ酸を生成する。
【0026】本発明のアミノ酸の製造方法に用いるNAD
(P)H 依存性アミノ酸脱水素酵素としては、例えば微生
物由来のもの、植物組織由来のものあるいは動物組織由
来のもの等、各種のNAD(P)H 依存性アミノ酸脱水素酵素
が使用できるが、例えばサーモアクチノマイセス・イン
ターメディウス(Thermoacyinomyces intermedius )由
来のフェニルアラニン脱水素酵素あるいはバチルス・ス
テアロサーモフィルス(Bacillus thermophilus )由来
のロイシン脱水素酵素等、中度好熱菌由来のアミノ酸脱
水素酵素は、反応性、安定性の点でより好ましい。ま
た,市販のNAD(P)H 依存性アミノ酸脱水素酵素として
は、例えば、フェニルアラニン脱水素酵素ではシグマ社
製(No.P4798)等が挙げられる。本発明では、NAD(P)H
依存性アミノ酸脱水素酵素を反応溶液中に直接加えても
よく、また、ジアホラーゼ固定化電極にジアホラーゼと
ともに固定化してジアホラーゼ/NAD(P)H 依存性アミノ
酸脱水素酵素固定化電極として用いてもよい。
【0027】NAD(P)H 依存性アミノ酸脱水素酵素をジア
ホラーゼとともに電極に固定化する方法としては、公知
の方法を用いることができる。例えば、電極上にジアホ
ラーゼ水溶液を滴下して室温にて乾燥後、NAD(P)H 依存
性アミノ酸脱水素酵素を含有する水溶液を滴下して室温
にて乾燥して、透析膜で酵素滴下部位を被覆すればよ
い。この方法でジアホラーゼとNAD(P)H 依存性アミノ酸
脱水素酵素を電極へ固定化する際、どちらの酵素を先に
固定化してもかまわない。他の方法として、酵素溶液中
に電極を浸して一晩放置後、軽く水洗して室温にて乾燥
し、次いで、透析膜で酵素吸着部位を被覆する方法等が
挙げられる。この方法では、ジアホラーゼとNAD(P)H 依
存性アミノ酸脱水素酵素の両酵素を含有する酵素溶液中
に電極を浸してもよく、また、一方の酵素を含有する溶
液中に電極を浸して一晩放置後、軽く水洗して室温にて
乾燥し、次いで、他方の酵素を含有する溶液中に電極を
浸して同様に処理してもよく、さらに、どちらの酵素を
先に固定化してもかまわない。
【0028】透析膜としては、例えば、シームレスセル
ロースチューブ(ユニオンカーバイド製、No.411-03 )
等が挙げられる。
【0029】本発明のアミノ酸の製造方法に用いるケト
酸は、製造するアミノ酸に応じたものを用いればよい。
例えば、L-フェニルアラニンを製造する場合にはフェニ
ルピルビン酸を用いればよい。
【0030】本発明のアミノ酸の製造方法に用いるアン
モニウムイオンとしては、例えば、塩化アンモニウム等
の水溶液を用いればよい。
【0031】また、水性溶媒としては、水、緩衝液、水
に若干の有機溶媒を含有するもの等を用いればよい。緩
衝液としては、例えば、トリス塩酸緩衝液等が挙げられ
る。水に含有させる有機溶媒としては、例えば、エタノ
ール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0032】本発明の方法によりアミノ酸を製造するに
は、例えば、NAD 化合物、電子受容体化合物を含有する
水性溶媒中に、ジアホラーゼ/NAD(P)H 依存性アミノ酸
脱水素酵素固定化電極を浸し、さらにケト酸及びアンモ
ニウムイオンを加えた後、対極を浸し、参照電極を塩橋
を介して水性溶媒と接続した後、ジアホラーゼ/NAD(P)
H 依存性アミノ酸脱水素酵素固定化電極、対極、参照電
極を定電圧発生装置に接続し、電圧を印加すればよい。
反応溶液である水性溶媒はマグネチックスターラー等で
攪拌ればよい。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 容量約5mlのガラス容器を反応槽として用いた。反応槽
に反応溶液として0.05mMのアドリアマイシン(シグマ社
製)および16.7mMのNAD + (ベーリンガー・マンハイム
社製)を含有するpH8.5 のトリス塩酸バッファーを3ml
注入し、30分間窒素ガス置換を行った。この反応溶液中
に対極として白金線を浸漬した。また、参照電極として
銀塩化銀電極を、塩橋を介して反応溶液と接続した。次
に、グラッシーカーボン電極の基底面上にジアホラーゼ
(生化学工業社製、No.100436 )水溶液(4.4 ×10-10m
ole )を滴下して室温にて風乾の後、透析膜(ユニオン
カーバイド製、シームレスセルロースチューブ、20μm
厚)で酵素滴下部位を被覆して、これをジアホラーゼ固
定化電極とし、ジアホラーゼ固定化部位を反応溶液中に
浸漬した。これら対極、参照電極及びジアホラーゼ固定
化電極を定電圧発生装置(柳本ポーラログラフィックア
ナライザP1100)に接続し、マグネチックスターラーに
より反応溶液を撹拌しながら、参照電極電位に対して−
800mV の電位をジアホラーゼ固定化電極に印加して、生
成するNADHを340nm における吸光度変化により追跡し
た。結果を図4に示した。図4は、縦軸に波長340nm に
おける吸光度、横軸に経過時間を示した。図4より、電
位印加時間の経過に比例してNADHが生成したことが明ら
かである。
【0034】実施例2 容量約5mlのガラス容器を反応槽として用いた。反応槽
に反応溶液として0.05mMのアドリアマイシン(シグマ社
製)、0.25mMのNAD + (ベーリンガー・マンハイム社
製)、10mMの塩化アンモニウムおよび10mMのフェニルピ
ルビン酸を含有するpH8.5 のトリス塩酸バッファーを3
ml注入し、30分間窒素ガス置換を行った。この反応溶液
に対極として白金線を浸漬した。また、参照電極として
銀塩化銀電極を、塩橋を介して反応溶液と接続した。次
に、グラッシーカーボン電極の基底面上に、ジアホラー
ゼ(生化学工業社製、No.100436 )水溶液(4.4 ×10
-10mole )およびフェニルアラニン脱水素酵素(50ユニ
ット)を滴下して室温にて風乾の後、透析膜(ユニオン
カーバイド製、シームレスセルロースチューブ、20μm
厚)で酵素滴下部位を被覆して、これをジアホラーゼ/
フェニルアラニン脱水素酵素固定化電極とし、酵素固定
化部位を反応溶液中に浸漬した。なお、フェニルアラニ
ン脱水素酵素は、サーモアクチノマイセス・インターメ
ディウス(Thermoacyinomyces intermedius 、IFO 1423
0 )からジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Jour
nal of Biochemistry )、第 109巻、第 371-376(199
1)に記載された方法に従って精製したものを用いた。
これら対極、参照電極及び酵素固定化電極を定電圧発生
装置(柳本ポーラログラフィックアナライザP1100)に
接続し、マグネチックスターラーにより反応溶液を撹拌
しながら、参照電極電位に対して−800mV の電位を酵素
固定化電極に印加した。生成したフェニルアラニンは、
以下に示す、フェニルアラニン脱水素酵素を用いた酵素
法により定量した。フェニルアラニンに上記フェニルア
ラニン脱水素酵素を作用させた後、生成したNADHを340n
m における吸光度変化により追跡し、フェニルアラニン
を定量した。結果を図5に示した。図5は、縦軸にフェ
ニルアラニン濃度、横軸に経過時間を示した。図5より
電位印加時間の経過に比例してフェニルアラニンが生成
したことが明らかである。
【0035】実施例3 フェニルアラニン脱水素酵素をシグマ社製(No.P4798)
に変えた以外は、実施例2と同様の方法でフェニルアラ
ニンの製造を行い、生成したフェニルアラニンを定量し
た。その結果、生成したフェニルアラニンは、反応時間
20秒で 0.4mM、反応時間40秒で 0.8mM、反応時間60秒で
1.2mMであった。以上の結果より、本発明の方法は、電
位印加時間の経過に比例してフェニルアラニンを生成す
ることが明らかである。
【0036】
【発明の効果】本発明のNAD 化合物の酸化還元方法は、
簡便かつ任意にNAD 化合物の酸化還元反応を制御するこ
とが可能であり、特に従来より制御の難しかった還元反
応についても簡便かつ任意に制御することが可能とな
る。また、本発明のNAD 化合物の酸化還元方法にNAD 化
合物依存性アミノ酸脱水素酵素を組み合わせた本発明の
アミノ酸の製造方法は、アミノ酸を電気化学的に効率よ
く製造することができる。この方法では、消費される電
流量から容易に反応経過を推定できるので、反応経過の
管理が極めて容易になるという利点も有している。さら
に、本発明のNAD 化合物の酸化還元方法に、種々のNAD
化合物依存性酵素を組み合わせることにより、これまで
電気化学的測定の困難であったケトグルタル酸などの酸
化物質に対する第2世代のバイオセンサーが構成可能と
なることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNAD 化合物の酸化還元方法の基本原理
を示す図である。
【図2】本発明のNAD 化合物の酸化還元方法の基本原理
を示す図である。
【図3】本発明のアミノ酸の製造方法の基本原理を示す
図である。
【図4】本発明のNAD 化合物の酸化還元方法において、
電位印加時間とNADHの生成との関係を示すグラフであ
る。
【図5】本発明のアミノ酸の製造方法において、電位印
加時間とフェニルアラニンの生成との関係を示すグラフ
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性溶媒中のニコチンアミドアデニンジ
    ヌクレオチド化合物を酸化または還元するに際し、電子
    受容体化合物及びジアホラーゼ固定化電極を用いること
    を特徴とするニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化
    合物の酸化還元方法。
  2. 【請求項2】 電子受容体化合物、ジアホラーゼ固定化
    電極及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチド化合物
    が共存する水性溶媒において、ジアホラーゼ固定化電極
    に電圧を印加することを特徴とするニコチンアミドアデ
    ニンジヌクレオチド化合物の酸化還元方法。
  3. 【請求項3】 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
    (リン酸)依存性アミノ酸脱水素酵素を用いて、ケト酸
    及びアンモニウムイオンからアミノ酸を製造するに際
    し、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(リン酸)
    依存性アミノ酸脱水素酵素、ケト酸及びアンモニウムイ
    オンが共存する水性溶媒に、電子受容体化合物、ジアホ
    ラーゼ固定化電極及びニコチンアミドアデニンジヌクレ
    オチド化合物を共存させ、ジアホラーゼ固定化電極に電
    圧を印加することを特徴とするアミノ酸の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009069085A (ja) * 2007-09-17 2009-04-02 Toyama Univ フェニルアラニンセンサ及びフェニルアラニン測定方法
WO2012036302A1 (en) * 2010-09-15 2012-03-22 Sumitomo Chemical Company, Limited Process for producing vinylglycine derivatives
JP2012078338A (ja) * 2010-09-10 2012-04-19 Toyama Univ フェニルアラニンまたはアラニンの電気化学的測定方法

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