JPH0832267B2 - 人工発声器 - Google Patents

人工発声器

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JPH0832267B2
JPH0832267B2 JP13857488A JP13857488A JPH0832267B2 JP H0832267 B2 JPH0832267 B2 JP H0832267B2 JP 13857488 A JP13857488 A JP 13857488A JP 13857488 A JP13857488 A JP 13857488A JP H0832267 B2 JPH0832267 B2 JP H0832267B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は人工発声器に関する。
ここに人工発声器とは喉頭癌その他の疾患によって喉
頭部を失い、発声機能を失った人が、自ら発声ができな
いという生活上深刻な問題に遭遇するので、これを克服
して健常者同様の会話ができるようにするために、発声
機能を失った人が使用して音声に代わる音響を発生させ
るための音声発生装置をいうものとする。
(従来技術) 従来の人工発声器としては、大別して電動式と呼気を
利用した呼気式の2タイプのものがあった。
前者は発声機能を失った人(以下使用者という)が振
動部を喉頭付近の下顎部に体外から当てがい、電動式音
響発生装置のスイッチを作動させると共に、使用者が健
常時に行ったと同様に口や舌を動かして話をする動作を
することによって、前記音響発生装置から発した音が口
腔内で共鳴して健常時と同じように話しことばを作るよ
うにしたものである。後者の呼気式は第2図に人体の側
面概念図を示すように、使用者の気管1は喉頭部2が除
去されたため口腔に届かないので、気管1を直接体外に
人工的に設けた気管孔3に繋ぎ、該気管孔3に人工発声
器の集気皿4を当てがい、気管孔3から吐きだされた呼
気を用いて該集気皿4内に設置した音源部を作動させて
音響を生じさせる。この音響は前記呼気とをゴム管5を
通じて口腔6内に導き、先端部7から発生した原音を口
腔内に出させて、これと同時に前記同様に、話をすると
きのように口の形や舌の位置を変化させて調音動作をす
ることによって健常者の話し声と同様な音声を発声させ
るようにしたものである。尚、その他の人工発声器につ
いては本発明と直接関係がないので省略する。
(発明が解決しようとする問題点) 前記2タイプの人工発声器についてみると、電動式の
ものは近時の音響技術の向上によってかなり吾人の肉声
に近い音響を発生させることも可能な筈であるが、使用
者の数が全国でも少ないため、それほどの研究開発費用
を投じることができないし、また使用者が自分の口を動
かすのと同時に該人工発声器を作動させるための操作を
しなければならず、しかも人工発声器を使用する者は一
般に高年齢者が多いことと相俟って、そのタイミングを
合わせるのが非に難しいという不都合がある。
また第2図に示したように気管1から直接体外に作っ
た気管孔3を連結してしまった使用者においては、電動
式では同図と違ってゴム管によって呼気を口腔に導くこ
ともしないから、口腔からの呼気を伴わないで発声する
ことになり、破裂音や摩擦音のような空気の流通によっ
て生じる音は出し難いものである。
それらの理由によって、前記後者の肺呼気を利用した
呼気式のものが、安価で且つ使用者の従来の生活におけ
ると同様に、呼気と同時に口を動かせばよく、さほどの
練習も必要としないので、広く用いられている。
ところが従来の空気式人工発声器は、その音響発声装
置の中心をなす音源管8付近の斜視図を第3図に示すよ
うに、音源管8の通気口9にゴム膜10を、呼気の流通方
向、すなわち音源管8の軸方向に対して垂直に設けてい
たものであった。
これは吾人の生来の声帯が丁度喉頭内で呼気の流通方
向に対して垂直に声帯が位置することにヒントを得て構
成されたものと思われるが、これでは呼気の通路を広く
塞ぐことになり、呼気の邪魔にするばかりでなく、振動
膜がゴムであるため、その発生する代用声帯原音は90Hz
から110Hzまでの周波数であった。このように原音が非
常に低く、話しことばの明瞭度が低いので、非常に陰気
な話し声となってしまう結果、対話者にとってことばが
聞き取り難く、何度も聞き直すことが多かった。同時
に、使用者にとっても程度の差こそあれ、気分を消沈さ
せ、人前に出ることを嫌い、ときには人生に失望する原
因にもなってしまう。
また音源部にゴム膜を使用しているので破損しやす
く、ゴム膜の経時変化も避けられず、また飽和に近い水
蒸気を有する呼気や唾液に曝されているため、一層劣化
が激しく、常にゴム膜部分を交換する必要がある等の欠
点があった。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明は呼気式人工発声器に関する上記欠点を除去
し、呼気を妨げず、且つ肉声に近い音声を生じさせるよ
うな人工発声器を開発するため、発明者が、九官鳥の発
声部はヒトと異なり、気管支付近にある呼気の流通方向
と平行に近い鼓状膜と鳴管筋からなっているのにかかわ
らず、極めて人間の声に近い音響を発しているという事
実にヒントを得て開発したものであっる。人工発声器の
音源部を構成する振動板は呼気の流通方向に対して斜め
になるように設置して構成することによって、音源部が
呼気の妨げとならない。また、振動板には弾性の高い薄
い振動板も使用できるので、ほぼ健常者の肉声に近い音
質の発声ができ、しかも、きわめて軽い呼気で明瞭度の
高い話しことばを調音できるという数々の長所を有する
人工発声器を開発するに至ったものである。
(実施例) 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。
第1図は本発明を実施せる人工発声器の一部切欠側面
図であるが、同図に示すように、集気皿4に囲まれた音
源管8の通気口9の切り口は図示のように呼気の流通方
向である音源管8の軸方向に対して斜めに構成し、該通
気口に僅かに離して該切り口と同様に斜めに振動板11を
配置し、その根元部を前記音源管8に設けた切り込み12
に差し込ん設置する。
音源管8は集気皿4に囲まれているから、該集気皿4
を使用者の気管孔3に当てがって肺呼気を排出すること
により、前記振動板11は呼気によって前記通気口9の、
前記斜めの切り口に押しつけられたり、また気流の一時
的停止および振動板の弾性によって複雑かつ微妙な振動
を生じ、音響を発するのである。
音源管8あるいは集気皿4の根元部13にはゴム管5を
連結し、該ゴム管5によって該音響と使用者の呼気とが
使用者の口腔6内に誘導され、ここで呼気と共に前記音
源管8で生じた音響が先端部7から口腔6内に出て、使
用者の口の動きや舌の位置に応じた共鳴効果によって健
常者の音声に近い音声を発することになるのである。
本発明は上記のような構成および動作をするものであ
って、振動板としては弾性の高い薄い金属板を使用する
ことができる。実施例の振動板は図面から想像できると
おり、楕円形の振動部と、それより少し幅狭になった折
れ曲がり部と、同様の幅の差し込み部とから成る形状の
金属箔であって、この形状が本発明の実施には適当であ
るようであるが、その他の形状を工夫することも自由で
ある。
振動板の材質としては、前記実施例のものは厚さ0.05
mm程度の燐青銅箔を用いたものであって、その結果は後
記のように極めて良好な成績を挙げたのであるが、ほか
にチタン合金の同様の箔を用いても良い。
このような振動板は前記のような呼気の流れによる蝶
番運動をするのと同時に、箔自体がこれとは別の、より
高い周波数の振動を行うものと解せられ、そのため後記
のように幅広い周波数を含む音声を同時に発生するので
ある。
また第1図に示す実施例では、音源管8の開口部の振
動板の当たる切り口に沿って細いバイパス14を、また音
源管8の側部にもやはり細いバイパス14′を設けた例を
紹介しているものであって、このようなバイパスを設け
ることによって、より自然な呼気によって会話ができ、
また振動板が開口部に貼り付くような事故を減少させる
ことができる。さらに前記バイパスを、図示を省略した
開閉装置で開閉または調節すれば、一層使用者各個人に
適合した呼気量で作動させるのに役立つものである。
さらに同図に示す実施例においては、ゴム管5を取付
けるための音源部の根元部13は集気皿4と一体に構成
し、音源管8は前記集気皿の中央に嵌め込むように構成
して、唾液および損傷等で振動板の振動がわるくなった
ときには容易に音源管8の部分だけを交換できるように
構成した例を紹介したものである。
(発明の効果) 本発明は前記のように振動板を呼気の流通方向に対し
て斜めになるように構成したから、使用者の呼気をそれ
ほど妨げることなく、健常者の会話時における呼気の量
および圧力はいずれも少なく、軽く、作動させることが
できるから、使用者は健常時と同様の感覚で息を吐きな
がら口と舌を動かせばよいことになり、さほどの練習を
要しないで使用できる。
また振動板を呼気に対して斜めになるように設置した
ために、振動板として上記のような材質の金属箔を前記
構造で使用することができたものであって、その結果は
非常に良く、振動板は極めて安定した蝶番運動すると共
に、その生じた音響(代用声帯原音)の周波数も250Hz
から6500Hzにおよぶ広い帯域の成分を含み、健常者の男
性のそれに略近いものが得られた。
また本発明の人工発声器を使用して会話を行った時に
おける音声の成分についてみても、次のように極めて健
常者のそれに近いものであった。
即ち、第4図はAが男子健常者の音声、Bはある喉摘
者が前記従来のゴム膜を用いたときの呼気式の人工発声
器を用いたときの音声、CはBと同じ人が本発明の人工
発声器を用いた音声の、それぞれ「オハヨウ」を発声し
たときの音声分析結果を示している。上段は波形、下段
は声紋−すなわちどのような周波数の音声がどの程度含
まれているかを示すグラフ(音声描写図)である。これ
で見ると、上段に示す波形によっても本発明の人工発声
器の音声が健常者のそれに似ていることが判る。さらに
大きな効果は下段に示す声紋による比較であって、特に
母音iの声紋は真中が抜けていて上下が有る−すなわち
低い周波数の音と高い周波数の音とから成っていく中く
らいの周波数の音がないという特徴があり、第2ホルマ
ント(folmant)と呼ばれている特徴を有するものであ
るが、同図に矢印で示す部分で明白なように従来の人工
発声器にあっては、この音声は出来なかったものが、本
発明を実施した人工発声器を用いた同図Cの声紋をみる
と極めて明瞭に前記第2ホルマントの特徴(矢印)が示
され、健常者Aの声紋に近い声紋が得られていることが
判る。
これによって判るるように、本発明を実施した人工発
声器を使用すると極めて健常者の自然の会話に近い音声
を発することができる。聞く側においても、明瞭に話の
内容を聞き取ることができる、低温に伴う違和感がな
い、雑音がなく軽い声でよくわかる等の評価を受けてい
る。また使用者にとっても、自分の声が健常者の声と同
じように比較的高い声まで出せるという効果があると共
に、その声紋も健常者のそれとほぼ同様なので相手に話
の内容を正確に聞き取ってもらうことが出来る結果、聞
き直しがなくなった。そのためあまり劣等感もなく話す
意欲を起こし、延いては使用者の表情までも明るくなっ
たというような心理的な副次効果も生じているのであ
る。
また振動板として燐青銅箔等を使用するから、従来の
ゴム膜のように経時劣化や、呼気からの水蒸気や唾液に
よる音の変化等も少なく、安定して作動をする。またチ
タン合金の箔を用いたものも、燐青銅箔のものに近い効
果を挙げた。これは弾力があり、且つ剛性の高い金属板
であるために、前記のように振動板が確実に気流による
蝶番運動をし、且つ振動板自体がより周波数の高い別の
振動をしているためと思われる。
チタン合金も燐青銅もともに弾性に富み、且つ錆びな
い、変形しにくい等の特徴があるため、本発明の目的に
応じた薄い箔に構成することができる等の特徴を有する
ので、本発明の振動板として最適である。このような振
動板に最も適した材質を選択したことも本発明の重要な
要素と言える。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施せる人工発声器の一部切欠側面
図。第2図は人工発声器の使用を説明する人体の側面概
念図、第3図は従来の人工発声器の音源部の斜視図、第
4図は各音声のグラフである。 図中 8……音源管、9……通気口、11……振動板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】呼気の流通方向に対して斜めになるように
    振動板を設置した音源部を有する人工発声器。
  2. 【請求項2】振動板には燐青銅から成る薄板を用いたこ
    とを特徴とする特許請求の範囲(1)の人工発声器。
  3. 【請求項3】振動板にはチタン或いはチタン合金から成
    る薄板を用いたことを特徴とする特許請求の範囲(1)
    の人工発声器。
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