JPH08323155A - 膜を用いた光学分割法 - Google Patents

膜を用いた光学分割法

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JPH08323155A
JPH08323155A JP13929795A JP13929795A JPH08323155A JP H08323155 A JPH08323155 A JP H08323155A JP 13929795 A JP13929795 A JP 13929795A JP 13929795 A JP13929795 A JP 13929795A JP H08323155 A JPH08323155 A JP H08323155A
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JP
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membrane
optically active
optical
film
glutamic acid
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JP13929795A
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Naoya Ogata
直哉 緒方
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量の光学活性体を経済的、汎用的に得るの
に適した膜による光学分割法において、より高い透過性
と高い分離性の両方を期待できる新規な光学分割法の提
供。 【構成】 光学活性なポリマー膜、例えば光学活性なポ
リL−グルタミン酸をドーパントとしたポリピロール複
合膜に電圧をかけることにより、光学異性体混合物を光
学分割することを特徴とする膜を用いた光学分割法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光学分割法に関
し、詳しくは、光学活性なポリマー膜に電圧をかけるこ
とにより、光学異性体混合物を光学分割することを特徴
とする膜を用いた光学分割法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】有機化
合物の中には、不斉中心を持つものが多くあり、それに
由来する光学異性体が存在する。光学異性体は、沸点や
溶解度などの物理的性質にはほとんど差が見られない。
しかし、生理活性には多くの違いが見出されることがし
ばしばある。したがって、光学異性体の一方(D体また
はL体)を得ることは、医薬品、農薬、食品などの分野
に関しては非常に有用なことである。
【0003】例えば、グルタミン酸の場合、L体(S)
には旨味はあるが、D体(R)には旨味がない。また、
甘味料アスパルテームの場合には、S体は甘味を呈する
が、R体は苦味を呈すると言われている。医薬品の場合
においても、D体、L体でその薬効、毒性において、顕
著な差を示す場合もあるため、厚生省は、1985年度版医
薬品製造指針において、「当該薬物がラセミ体である場
合には、それぞれの異性体について、吸収、分布、代
謝、排泄動態を検討しておくことが望ましい。」と記載
している。
【0004】このような社会的要請に基づき、ラセミ体
から光学活性体を得る種々の手段が考案されている。光
学活性体をラセミ体から得る方法としては、優先晶出
法、ジアステレオマー法、酵素法、クロマトグラフィー
法、膜分離法などがある。優先晶出法は、ラセミ体の過
飽和溶液に希望の結晶を接種し、その結晶のみを成長さ
せ、析出させる方法である。これは、優れた方法にもか
かわらず、その実績が少ないのは、次のような理由によ
る。すなわち、あるラセミ体を優先晶出法で分割しよう
とするには、先ず、ラセミ体と両活性体の溶解度を測定
し、ラセミ体>活性体であること、沸点は活性体の方が
ラセミ体より高いこと、ラセミ体の過飽和溶液には活性
体は溶けないこと、更には、ラセミ体と活性体の赤外線
吸収スペクトルが一致することなどを確かめておく必要
がある(山中宏、田代泰久、季刊化学総説、No.6,198
9, P4-5) 。また、固−液分離のタイミングと濾過時間
を短縮することが、技術的に重要な問題であることなど
からして、優先晶出法は、特殊な結晶にのみ適用可能な
技術である。ジアステレオマー法は、ラセミ体に光学活
性な酸または塩基を作用させて、生成したジアステレオ
マー塩の溶解度の差により、分別結晶によって分ける方
法である。この方法は、分割剤がラセミ体と容易に塩、
または誘導体を形成するものでなければならないことに
よる分割剤の選定の困難さが付随する。また、高純度の
光学活性体を得るのも困難であることや、ラセミ体と等
量の分割剤が必要であるという制約がある。
【0005】酵素を用いる光学分割法は、酵素の持つ基
質に対する立体特異性を利用している。この方法は、光
学活性体を大量に得る方法としては適しており、例え
ば、ヒダントイナーゼ反応と化学的脱カルバミル化反応
を組み合わせた酵素法によるD−アミノ酸の工業的規模
の生産技術が確立している(S. TAKAHASHI, "Biotechno
logy of Aminoacid Production", H. YAMADA et al., K
odansya Ltd., (1986),P.289)。また、米国特許第4,80
0,162 号には、酵素をキャピラリー型膜に固定化するこ
とにより、光学活性体を得る方法が記載されている。し
かしながら、酵素法の場合には、光学分割しようとする
対象ラセミ体に適合する酵素を見つけることが極度に困
難であり、したがって、非常に限定されたラセミ体にし
か適用できないという欠点を有している。クロマトグラ
フィー法は、キラルな化合物を固定相とし、D体、L体
と固定相(充填剤)との相互作用によって光学分割する
方法である。HPLC(高性能液体クロマトグラフィ
ー)法の進歩及び大きな光学認識能を持つ充填剤の開発
によって、対象化合物の範囲が拡大するとともに、処理
能力も向上しているが、まだ工業規模で経済的に行われ
る域には達していない。このように上記の種々の光学分
割法には、それぞれ特有の欠点があり、大量の光学活性
体を経済的に得る技術としては、汎用性に欠けていると
いわざるを得ない。
【0006】この点、膜による光学異性体の分離は、効
率良く、連続して光学活性体を得ることができるという
利点がある。このため、膜による光学分割法も近年、研
究が盛んになされてきている。その例を挙げるならば、
特開昭61−50603号公報や特開昭62−1807
01号公報に不斉認識能を持つクラウン化合物を含浸さ
せた多孔質膜を用いる方法が、英国特許公開第2,233,24
8 号公報に光学活性ポリマー膜を用いる方法が、開示さ
れている。これまでの上記の膜による光学分割法は、膜
の一方の側にラセミ体溶液、他方の側に溶媒を接触させ
るという濃度勾配法がとられている。この場合、光学分
割対象物によっては、透過性や分離性に問題があること
があった。
【0007】従って、本発明が解決しようとする課題
は、大量の光学活性体を経済的、汎用的に得るのに適し
た膜による光学分割法において、より高い透過性と高い
分離性の両方を期待できる新規な光学分割法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を行い、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、光学活性なポリマー膜に電
圧をかけることにより、光学異性体混合物を光学分割す
ることを特徴とする膜を用いた光学分割法である。
【0009】本発明における光学活性なポリマー膜とし
ては、光学識別能を有するポリマー膜であればいかなる
ものでもよく、具体例を挙げるならば、光学活性なポリ
L−グルタミン酸をドーパントとしたポリピロール複合
膜である。
【0010】光学活性なポリL−グルタミン酸をドーパ
ントとしたポリピロール複合膜を製造するには、ポリL
−グルタミン酸とピロールモノマーを溶解した水溶液
に、金蒸着したメンブレンフィルターを入れて、定電流
電解重合を行い、このメンブレンフィルター上に目的の
複合膜を形成させる。金蒸着したメンブレンフィルター
を用いるのは、膜全体に均一に電場をかけるためであ
る。金蒸着をし過ぎるとメンブレンの孔をふさいで透過
性能に支障をきたすから、そうならないよう注意する。
原料のポリL−グルタミン酸の重合度は 100〜1000、生
成したポリピロールの重合度は 100〜1000の範囲が好ま
しく、ポリL−グルタミン酸/ポリピロールの組成比は
40/60〜60/40(繰り返し単位当たりの比)の範囲が好
ましい。また、ポリL−グルタミン酸/ポリピロール複
合膜の厚みは5〜50μmが好ましい。
【0011】次に、このポリL−グルタミン酸/ポリピ
ロール複合膜に電圧をかけて、光学分割実験するやり方
について説明する。この複合膜は、メンブレンフィルタ
ー上から剥がさずにそのまま2枚の白金電極板に挟み込
む。膜の一方は分離対象化合物のラセミ体水溶液、他方
は蒸留水を接触させる。膜にかける電圧は、絶対値で10
0mV〜10Vが好ましく、パルス的に変化させるのが好ま
しい。室温で経時的に蒸留水側に透過してくる分離対象
化合物を高速液体クロマトグラフィーで定量する。
【0012】
【実施例】以下に、製造例及び実施例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0013】製造例1(ポリL−グルタミン酸(PG
A)の製造) 分子量33,000g/mol のポリL−グルタミン酸メチルエ
ステル(PMLG)の10重量%ジクロロメタン溶液26.5
gをイソプロパノール50mlに落とし、これを濾過した。
メタノール/プロパノール/水(体積比2/2/1)の
溶液に少量の水酸化ナトリウムを加えた混合溶液中で濾
物を氷冷下で6時間ゆっくりと反応させ、溶け残ってい
たPMLGを少量の水で完全に溶解し、加水分解反応が
進んだことを確認した後、反応溶液がpH7になるよう
に水酸化ナトリウム及び塩酸を加えた。この反応溶液を
透析膜に入れ、よく精製水で透析膜表面を洗い流した
後、水の入ったバケツに入れ、これをスターラーチップ
でゆっくり混ぜながら透析した。バケツの水を3時間ご
とに取り替え、2日間透析した。透析終了後、透析膜に
穴を開け、透析した反応溶液を凍結乾燥用のナス型フラ
スコに移し、これを斜めに傾けた状態で冷蔵庫に入れ、
出来るだけフラスコ内の反応溶液の表面積が広くなるよ
うにゆっくり回しながら凍結させた。これをフラスコご
と液化窒素によってゆっくりと更に凍結させ、凍結乾燥
機を用いて2日間凍結乾燥した。得られたPGAのIR
スペクトルを図1に示す。
【0014】製造例2 (ポリピロール(PPy)/ポリL−グルタミン酸(P
GA)複合膜の製造) 図3に示す装置を用いPPy/PGA複合膜の製造を行
った。即ち、容器1中で、製造例1で得られたPGAを
水に対して2重量%になるように溶かし、更にピロール
モノマーを 0.3M溶かした。この水溶液を用いて、金蒸
着したメンブレンフィルター2(ミリポア社製、直径3
cmの円形膜、孔径0.45μmのポリビニリデンクロライド
膜を孔径 5.0μmのテフロン膜で挟んであり、全体で厚
み 0.1mm) 上に、8.0mAの定電流にて10分間電解重合を
行うことにより、PPy/PGA複合膜3を得た。得ら
れたPPy/PGA複合膜のIRスペクトルを図2に示
す。
【0015】実施例1 製造例2で得られたPPy/PGA複合膜を用いて光学
分割実験を行った。この実験における装置概略図を図4
に示す。実験に用いたセルは、図4に示すようにPPy
/PGA複合膜3を介して原液側4及び透過側5に溶液
が注入できる二室型のものを用いた。膜3は、メンブレ
ンフィルター2上から剥がさずにそのまま2枚の白金電
極板6間にシリコンゴムをパッキング7として挟み込ん
だ。原液側4及び透過側5の内容量は共に21cm3 であ
り、膜3の透過部分の有効面積は0.79cm2 である。原液
側4にはトリプトファンのラセミ体水溶液(50mM) を、
透過側5には超純水を入れた。そして、膜3に電圧を、
+700mVで50秒かけ、次いで−200mVで50秒かけるサイ
クルを繰り返した。尚、図4において、8はフランジ、
9はボルト、10はリード線である。
【0016】室温で時間的に超純水側に透過してくる
D,L−トリプトファンを高速液体クロマトグラフィー
で定量した。その使用機器及び条件は次の通りである。 光学分割用カラム:ダイセル化学工業株式会社製 CR
OWNPAK(+) 分光UV光度計 :日本分光株式会社製 875−UV UV波長 :280nm 流速 :0.5ml/min 移動相 :超純水 得られた光学分割実験結果を図5に示した。この図か
ら、パルス電圧をかけることによって、L−トリプトフ
ァンが、D−トリプトファンに比べて優位に透過し、光
学分割が可能であることがわかる。一方、パルス電圧を
取り除くと、L体、D体は共に同じ透過速度を示し、パ
ルス電圧をかけることによって、光学分割が良好になさ
れることが明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明により、大量の光学活性体を経済
的、汎用的に得るのに適した膜による光学分割法におい
て、より高い透過性と高い分離性の両方を期待できる新
規な光学分割法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例1で得られたポリ−L−グルタミン酸
のIRスペクトルである。
【図2】 製造例2で得られたポリピロール/ポリ−L
−グルタミン酸複合膜のIRスペクトルである。
【図3】 製造例2で用いたポリピロール/ポリ−L−
グルタミン酸複合膜の製造装置の略示図である。
【図4】 実施例1の光学分割実験に用いた装置の略示
図である。
【図5】 実施例1で行った光学分割実験結果を示す図
である。
【符号の説明】
1 容器 2 メンブレンフィルター 3 PPy/PGA複合膜 4 原液側 5 透過側 6 白金電極板 7 パッキング 8 フランジ 9 ボルト 10 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07M 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性なポリマー膜に電圧をかけるこ
    とにより、光学異性体混合物を光学分割することを特徴
    とする膜を用いた光学分割法。
  2. 【請求項2】 光学活性なポリマー膜が、光学活性なポ
    リL−グルタミン酸をドーパントとしたポリピロール複
    合膜である請求項1記載の膜を用いた光学分割法。
JP13929795A 1995-06-06 1995-06-06 膜を用いた光学分割法 Ceased JPH08323155A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008168176A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性ポリマーを用いた分離装置およびそれを用いた分離方法

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JP2008168176A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性ポリマーを用いた分離装置およびそれを用いた分離方法

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Effective date: 20040525