JPH08323561A - ねじ締め装置 - Google Patents

ねじ締め装置

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JPH08323561A
JPH08323561A JP13174295A JP13174295A JPH08323561A JP H08323561 A JPH08323561 A JP H08323561A JP 13174295 A JP13174295 A JP 13174295A JP 13174295 A JP13174295 A JP 13174295A JP H08323561 A JPH08323561 A JP H08323561A
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screw
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要司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上下方向のみならず斜め方向からのねじ締め
が可能であり、ビット軸の推力を容易に制御しうるねじ
締め装置の提供を目的とする。 【構成】 ねじ締め装置1は装置本体2及び制御装置3
から構成されている。制御装置3はマイクロコンピュー
タ90、D/Aコンバータ91、電気式バルブ92等か
らなる。装置本体2のヘッドの位置角度が変化すると、
マイクロコンピュータ90はヘッド50の位置角度を求
め、ついでヘッド50の重力のビット軸方向の分力と釣
り合うのに必要なバランス圧力を算出し、更に電気式バ
ルブ92の固有の式からバランス圧力に対応するバラン
ス電圧を算出し、このバランス電圧に対応する信号をD
/Aコンバータ91に出力する。D/Aコンバータ91
はこの信号に対応する電圧指令信号を電気式バルブに出
力し、電気式バルブ92は入力された電圧指令信号によ
ってエアシリンダ80のエア圧を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の雄ねじをワーク
の雌ねじ穴部に自動的に締め付けるに適したねじ締め装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平6−262453号
に示されるねじ締め装置が知られている。このねじ締め
装置は、図12に示すように、コ字状の支持体110を
備えており、この支持体110は、鉛直状に支持・固定
されている。この支持体110には鉛直方向に延びる上
下軸(支持軸)120が回転可能に設けられている。上
下軸120は雄ねじ軸を構成するもので、上下軸用モー
タ130により回転される。
【0003】ヘッド150は、雄ねじMSを雌ねじ穴部
FSに締め付けるためのビット軸150b、このビット
軸150bを回転可能に保持するブラケット142及び
このビット軸150bを軸回転させるビット軸用モータ
150aを備えている。このヘッド150は、ブラケッ
ト142に設けた雌ねじ孔141にて上下軸120に嵌
装されている。この雌ねじ孔141は、上下軸120と
共にボールねじを構成している。従って、上下軸120
が回転するのに伴い、ヘッド150は上下軸120に沿
って移動する。
【0004】尚、支持体110の上面には図示しないエ
アシリンダが取り付けられ、そのロッドはヘッド150
のブラケット142に固着されている。このエアシリン
ダは、ヘッド150の重力をキャンセルするように一定
のエア圧に設定されている。ところで、一般に、ねじ締
め装置において要請されるねじ締めに必要な性能や機能
には次のようなことが挙げられる。
【0005】1)短時間でねじ締めができること。 2)ねじかじり、ねじの頭つぶし(雄ねじMSの頭の十
字穴の周縁が削れて丸い穴になることをいう)或いは雄
ねじMSの空回り等のねじ締め不良を発生させないこ
と。
【0006】特開平6−262453号のねじ締め装置
では、上記機能を実現すべく、ねじ締め工程を、 1)雄ねじが雌ねじ穴部に喰い込むまでの工程。 2)雄ねじが雌ねじ穴部に喰い込んでから着座するまで
の工程。
【0007】3)雄ねじが雌ねじ穴部に着座してからト
ルク上昇するまでの工程。 の3つに分解し、雄ねじのねじ締めパターンとの関連に
おけるビット軸回転速度、上下軸推力及びビット軸トル
クを図13に示すように制御している。図13によれ
ば、ねじ締めパターンが開始状態にあるときが、雄ねじ
MSの雌ねじ穴部FSへの喰い付き始めまでに対応す
る。また、ねじ締めパターンがねじ込み状態にあるとき
が、雄ねじMSの喰い付き始め後雄ねじMSの着座前
(雄ねじMSの雌ねじ穴部FSへの締め付けにより雄ね
じMSの頭が雌ねじ穴部FSの開口端上に当接する前)
までに対応する。更に、ねじ締めパターンが締め上げ状
態にあるときが、雄ねじMSの着座前から着座時までに
対応する。
【0008】ここで、上下軸推力(上下軸120がビッ
ト軸150bを上下動させる推力を表し、雄ねじMSの
頭に対するビット軸150bの先端の押し付け力に相
当)は、図13に示すように、ねじ締めパターンの開始
状態、ねじ込み状態及び締め上げ状態に対応して最適推
力調整を確保すべく第1、第2及び第3の上下軸推力と
してそれぞれ設定されている。この場合、第1上下軸推
力から第3上下軸推力にかけて階段状に順次大きく定め
られている。即ち、第1上下軸推力は、雄ねじMSの雌
ねじ穴部FSに対する傾きやロッキングを防止しつつ確
実な喰い付きを実現するように、小さく定められてい
る。また、第2上下軸推力は、雄ねじMSの雌ねじ穴部
FSに対する傾きやロッキングを防止しつつ確実なねじ
込みを実現するように、第1上下軸推力よりも大きく定
められている。更に、第3上下軸推力は、雄ねじMSの
締め上げを十分な下動推力でもって雄ねじMSの頭つぶ
れを防止しつつ実現するように第2上下軸推力よりも大
きく定められている。
【0009】このように、ねじ締めパターンが開始状態
にあるとき、ねじ込み状態にあるとき、締め上げ状態に
あるときのそれぞれの段階につき、ビット軸150bの
上下軸推力が適正に定められているので、ビット軸15
0bの先端が雄ねじMSの頭から滑ることなく、ねじ締
めを確実に達成できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のねじ
締め装置の支持体110は、鉛直状に支持・固定されて
いるため、上下方向にのみしかねじ締めを行うことがで
きなかった。このため、斜め方向からねじ締めを行った
り横方向からねじ締めを行ったりすることが要求される
種々の機械の組立工程に容易に適用できないという不都
合があった。
【0011】かかる不都合は、ねじ締め装置の支持体1
10に水平軸を取り付け、支持体110を水平軸周りで
回転可能に支持する構造とすれば、支持体110を介し
てヘッド150も水平軸周りで回転可能となるため、容
易に解消されるかにみえる。しかしながら、上記のねじ
締め装置の支持体110を水平軸周りに回転した場合、
ヘッド150の重力のビット軸方向の分力は、ヘッド1
50が回転して水平に近付くに従って小さくなる。この
ため、ヘッド150の重力をキャンセルするように一定
のエア圧に設定されたエアシリンダをそのまま使用した
のでは、ヘッド150が回転して水平に近付くにつれ、
ヘッド150がエアシリンダにより逆に引き上げられる
状態になり、上下軸用モータ30に負荷がかかるという
問題があった。
【0012】また、本発明者らは、上下軸用モータ13
0の電流制限値を一定にした上で、ヘッド150の垂線
に対する角度(ヘッドの位置角度)に対する押え力の変
化を追跡したところ、図14に示すように最大約3kg
fの低下が見られた。このように押え力が減少した場
合、雄ねじMSのねじ頭からビット軸150bの先端が
外れることが懸念されるため、何らかの対策が必要とさ
れた。
【0013】更に、特開平6−262453号に開示さ
れたねじ締め装置のように支持体110が鉛直方向に支
持・固定されている場合には、ねじ締めパターンが開始
状態にあるとき、ねじ込み状態にあるとき、締め上げ状
態にあるときのそれぞれの状態につき、ビット軸150
bの上下軸推力が適正に定められた値で制御することが
できたのであるが、支持体110が回転してヘッド15
0が垂線に対して斜めになると、同様の制御を行っても
エアシリンダがヘッド150を引き上げようとするた
め、結果的に上下軸推力が減少してしまい、ビット軸1
50bの上下軸推力を適正に定められた値で制御できな
いという不都合を生じた。
【0014】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、上下方向のみならず斜め方向からのねじ締めが可能
であり、ビット軸の推力を容易に制御しうるねじ締め装
置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載されたねじ締め装置は、図1に例示
したように、雄ねじをワークの雌ねじ穴部に締め付ける
ビット軸を備えたヘッドと、水平軸周りに回転可能に取
り付けられ、支持軸に沿って前記ヘッドを移動可能に支
持する支持体と、前記ヘッドの重力に抗して該ヘッドを
支持するヘッド支持手段と、前記ヘッドの位置角度を検
出する角度検出手段と、前記角度検出手段により検出さ
れた前記ヘッドの位置角度に基づいて、該ヘッドの重力
のビット軸方向の分力と釣り合うように前記ヘッド支持
手段のヘッド支持力を制御するヘッド支持制御手段とを
備えたことを特徴とする。
【0016】また、請求項2に記載したように、請求項
1のねじ締め装置において、前記支持軸に沿って前記ヘ
ッドを移動させるヘッド移動手段と、前記雄ねじの前記
雌ねじ穴部への喰い付き始めまでの第1段階、前記喰い
付き始めから前記雄ねじの前記雌ねじ穴部への着座まで
の第2段階、前記着座前から前記雄ねじの前記雌ねじ穴
部への着座後締付完了までの第3段階のいずれの段階で
あるかを認識する認識手段と、前記認識手段により第2
又は第3段階である認識されたとき、前記ヘッド移動手
段により前記ヘッドを前記支持軸に沿って移動させる推
力に関し、第1段階よりも該推力が大きくなるように前
記ヘッド移動手段を制御する移動制御手段とを備えるよ
うに構成してもよい。
【0017】更に、請求項3に記載したように、請求項
1又は2のねじ締め装置において、前記ヘッド支持制御
手段は、前記角度検出手段により検出された前記ヘッド
の位置角度が所定の切替角度になると、該切替角度にお
ける前記ヘッドの重力のビット軸方向の分力と釣り合う
ように前記ヘッド支持手段のヘッド支持力を制御するよ
うに構成してもよい。
【0018】このとき、請求項4に記載したように、請
求項3のねじ締め装置において、前記所定の切替角度は
n個存在し、該切替角度はm/n(m、nは共に整数で
あり、m≦n)のアークコサイン値として定められてい
てもよい。そして、請求項5に記載したように、請求項
1〜4のねじ締め装置において、前記ヘッド支持手段
は、圧力作動シリンダであり、前記ヘッド支持制御手段
は、入力された電圧値に比例する圧力に基づいて前記圧
力作動シリンダの作動圧を制御する電気式バルブと前記
電気式バルブに対して前記ヘッドの重力のビット軸方向
の分力と釣り合うために必要な電圧値を出力するバルブ
制御手段とを備えるように構成してもよい。
【0019】このとき、請求項6に記載したように、前
記バルブ制御手段は、前記圧力作動シリンダが前記ヘッ
ドの重力と釣り合うために前記電気式バルブに出力すべ
き電圧値を電圧最大値として求め、0から該電圧最大値
までを一定範囲ごとに分割して複数の電圧範囲を設定す
る電圧範囲設定手段と、前記電圧範囲設定手段により設
定された各電圧範囲につき、一定値おきに定められた切
替電圧値を対応させて記憶手段に記憶させる記憶制御手
段と、前記圧力作動シリンダが前記角度検出手段により
検出された前記ヘッドの位置角度における該ヘッドの重
力のビット軸方向の分力と釣り合うために前記電気式バ
ルブに出力すべき電圧値が、前記複数の電圧範囲のいず
れに属するのかを判断する判断手段と、前記判断手段に
より判断された電圧範囲に対応する切替電圧値を前記記
憶手段から読み出し、該切替電圧値を前記電気式バルブ
に出力する信号出力手段とを備えるように構成してもよ
い。
【0020】
【作用及び発明の効果】上記構成を備えた各請求項のね
じ締め装置では、ヘッドを支持する支持体が水平軸周り
に回転されると、角度検出手段がヘッドの位置角度を検
出する。すると、ヘッド支持制御手段は、このヘッドの
位置角度に基づいてヘッドの重力のビット軸方向の分力
と釣り合うようにヘッド支持手段の支持力を制御する。
【0021】即ち、雄ねじをワークの雌ねじ穴部に締め
付けるビット軸を備えたヘッドは、水平軸周りに回転さ
れて垂線に対して斜めに配置されたとしても、絶えずヘ
ッド支持手段によりヘッドの重みをキャンセルされた状
態で支持されるのである。尚、ヘッドの重力のビット軸
方向の分力とは、ヘッド質量をW(kg)、ヘッドの位
置角度(垂線に対するヘッドの角度)をθとすれば、W
g|cosθ|で表される。
【0022】このように、各請求項のねじ締め装置によ
れば、上下方向のみならず斜め方向からのねじ締めがで
きる。また、ビット軸を含むヘッドの位置角度にかかわ
らず該ヘッドに対して同じ力を与えれば、ビット軸を支
持軸に沿って移動させるときの推力は略同じになるた
め、ビット軸の推力を容易に制御することが可能となる
という効果が得られる。
【0023】また、請求項2のねじ締め装置では、認識
手段は、雄ねじの雌ねじ穴部への喰い付き始めまでの第
1段階、喰い付き始めから雄ねじの雌ねじ穴部への着座
までの第2段階、着座前から雄ねじの雌ねじ穴部への着
座後締付完了までの第3段階のいずれの段階であるかを
認識する。また、移動制御手段は、認識手段により第2
又は第3段階と認識されたとき、ヘッド移動手段により
ヘッドを支持軸に沿って移動させる推力に関し、第1段
階よりも該推力が大きくなるようにヘッド移動手段を制
御する。そして、移動制御手段により制御されたヘッド
移動手段は、支持軸に沿ってヘッドを移動させる。
【0024】即ち、ねじ締めパターンが開始状態にある
とき(第1段階)には、ねじ込み状態にあるとき(第2
段階)、又は、締め上げ状態にあるとき(第3段階)よ
りもビット軸の軸動推力が小さくなるように制御され
る。このように、請求項2のねじ締め装置によれば、ヘ
ッドの位置角度にかからわず、雄ねじの雌ねじ穴部への
喰い付きを正常にしかも確実に実現することができると
いう効果が得られる。また、ヘッドの位置角度にかかわ
らずヘッドに対して同じ力を与えればビット軸を支持軸
に沿って移動させるときの推力は同じになるため、例え
ば第1段階の軸動推力を得るにはヘッドの位置角度にか
かわらずヘッドに与える力は同じであればよく、ヘッド
の位置角度に応じてヘッドに与える力を変化させる必要
がないので、ビット軸の推力を容易に制御することがで
きるという効果が得られる。
【0025】更に、請求項3のねじ締め装置では、ヘッ
ド支持制御手段は、角度検出手段により検出されたヘッ
ドの位置角度が所定の切替角度になると、該切替角度に
おけるヘッドの重力のビット軸方向の分力と釣り合うよ
うにヘッド支持手段のヘッド支持力を制御する。即ち、
ヘッドの位置角度が漸次増加して所定の切替角度になっ
たとき、その切替角度における前記分力と釣り合うよう
にヘッド支持手段のヘッド支持力を制御するのである。
このように、請求項3のねじ締め装置によれば、連続的
に変化するヘッドの位置角度について、デジタル的にヘ
ッド支持手段のヘッド支持力を制御できるという効果が
得られる。
【0026】このとき、請求項4に記載したように、所
定の切替角度はn個存在し、該切替角度はm/n(m、
nは共に整数であり、m≦n)のアークコサイン値とし
て定められていてもよい。この場合、ヘッドの位置角度
が漸次増加していき切替角度に達する毎に、ヘッド支持
手段のヘッド支持力は一定値ずつ増加していくことにな
る。従って、切替信号の数を限定してヘッド支持手段を
制御するため装置構成を簡易化できる一方、ヘッドの位
置角度にかかわらずヘッドに対して同じ力を与えれば、
ビット軸を支持軸に沿って移動させるときの推力はかな
り精度よく略同じになるという効果が得られる。
【0027】この点につき、例えば、0〜90゜をn等
分して得られる各角度を切替角度として用いた場合に
は、ある切替角度から次の切替角度に切り替わったと
き、ある位置角度ではヘッド支持手段のヘッド支持力の
変化が小さくなり高精度で制御できるものの、別の位置
角度ではヘッド支持手段のヘッド支持力の変化が大きく
なり精度よく制御することが困難になる。請求項4のね
じ締め装置は、この点を解消したものである。
【0028】そして、請求項5のねじ締め装置では、ヘ
ッド支持手段は圧力作動シリンダであり、ヘッド支持制
御手段は電気式バルブ及びバルブ制御手段を備えてい
る。バルブ制御手段は、電気式バルブに対してヘッドの
重力のビット軸方向の分力と釣り合うために必要な電圧
値を出力する。すると、電気式バルブは、入力された電
圧値に比例する圧力に基づいて圧力作動シリンダの作動
圧を制御する。
【0029】このように、請求項5のねじ締め装置によ
れば、電気式バルブにより圧力作動シリンダを制御すれ
ば、電圧値により圧力制御が可能となるため、制御が容
易になるという効果が得られる。このとき、バルブ制御
手段は、請求項6に記載したように、電圧範囲設定手
段、記憶制御手段、判断手段及び信号出力手段を備えて
いてもよい。電圧範囲設定手段は、前記圧力作動シリン
ダがヘッドの重力と釣り合うために電気式バルブに出力
すべき電圧値を電圧最大値として求め、0から該電圧最
大値までを一定範囲ごとに分割して複数の電圧範囲を設
定する。記憶制御手段は、電圧範囲設定手段により設定
された各電圧範囲につき、一定値おきに定められた切替
電圧値を対応させて記憶手段に記憶させる。一方、判断
手段は、圧力作動シリンダが角度検出手段により検出さ
れたヘッドの位置角度における該ヘッドの重力のビット
軸方向の分力と釣り合うために電気式バルブに出力すべ
き電圧値が、複数の電圧範囲のいずれに属するのかを判
断する。そして、信号出力手段は、判断手段により判断
された電圧範囲に対応する切替電圧値を記憶手段から読
み出し、該切替電圧値を電気式バルブに出力する。する
と、電気式バルブは、入力された電圧値に比例する圧力
に基づいて圧力作動シリンダの作動圧を制御する。
【0030】即ち、ヘッドの位置角度における該ヘッド
の重力のビット軸方向の分力と釣り合うために電気式バ
ルブに出力すべき電圧値がある電圧範囲に属する限り、
その電圧範囲に対応する切替電圧値が電気式バルブに出
力され、電気式バルブはその切替電圧値に比例する圧力
に基づいて、圧力作動シリンダの作動圧を制御するので
ある。ここで、切替電圧値は一定値おきに定められ、電
気式バルブは切替電圧値に比例する圧力に基づいて制御
を行うため、切替電圧値に比例する圧力(切替圧力)も
また、一定値おきに定められた値となる。このため、ヘ
ッドの位置角度が漸次増加していくに伴って電気式バル
ブに出力すべき電圧値が漸次増加していき、その電圧値
の属する電圧範囲がある電圧範囲から次の電圧範囲に切
り替わる毎に、作動圧力シリンダの作動圧は一定値増加
する。
【0031】このように、請求項6のねじ締め装置によ
れば、ヘッドの重力のビット軸方向の分力と釣り合うた
めに電気式バルブに出力すべき電圧値は連続的に変化す
るのに対して、この電圧値をデジタル化して作動圧力シ
リンダの作動圧を制御できるという請求項3のねじ締め
装置と略同様の効果が得られる。また、電気式バルブに
出力する電圧値を複数(所定数)の切替電圧値に限定し
て作動圧力シリンダの作動圧を制御するため装置構成を
簡易化できる一方、ヘッドの位置角度にかかわらずヘッ
ドに対して同じ力を与えれば、ビット軸を支持軸に沿っ
て移動させるときの推力はかなり精度よく略同じになる
という請求項4のねじ締め装置と略同様の効果が得られ
る。
【0032】
【実施例】本発明の好適な実施例について図面に基づい
て以下に説明する。図2は本実施例のねじ締め装置の構
成図、図3は装置本体の正面図、図4は装置本体の右側
面図、図5は制御装置の概略ブロック図である。
【0033】ねじ締め装置1は、図2に示すように、装
置本体2及び制御装置3から構成される。装置本体2
は、図3及び図4に示すように、主として、ヘッド5
0、支持体10及びエアシリンダ80から構成されてい
る。
【0034】ヘッド50は、主としてビット軸50b、
ビット軸用モータ50a、キャッチャ50c及びブラケ
ット42から構成される。ビット軸50bは、その基端
部にてブラケット42を貫通し、ビット軸用モータ50
aの回転軸に同軸的に連結支持されている。このビット
軸用モータ50aは、ビット軸50bの回転量を制御可
能な直流サーボモータであり、ブラケット42の上面に
固設され、回転量を計測するためのエンコーダ70を備
えている。キャッチャ50cは、略円筒状のパイプであ
り、ビット軸50bに外装されている。このキャッチャ
50cは、図示しない配管を介してキャッチャ50c内
を負圧化することにより、ビット軸50bの先端にて雄
ねじMSを吸着保持できるように構成されている。ブラ
ケット42は、略コ字状に形成され、上下方向に貫通す
る雌ねじ孔41にて後述する上下軸20に同軸的に嵌装
されている。
【0035】支持体10は、略コ字状に形成され、上下
方向に延びる上下軸(支持軸)20を備えている。この
上下軸20は、ヘッド50のブラケット42に設けた雌
ねじ孔41と共にボールねじを構成するように雄ねじ軸
として形成され、自身の軸を中心として回転可能に支持
体10に組み付けられている。即ち、上下軸20の上端
は、支持体10の上側腕11に回転可能に軸支され、上
下軸20の下端は、支持体10の下側腕12に回転可能
に軸支されている。上下軸20は、上下軸用モータ(ヘ
ッド移動手段)30の回転軸に同軸的に連結支持されて
いる。この上下軸用モータ30は、上下軸の回転量を制
御可能な直流サーボモータであり、支持体10の上側腕
11の上面に固設され、回転量を計測するためのエンコ
ーダ60を備えている。この上下軸20が回転するに伴
い、ヘッド50は上下軸20に沿って移動する。
【0036】支持体10は、水平軸45の一端に固定さ
れ、通常はこの水平軸45により鉛直状に支持されてい
る。水平軸45は、ヘッド回転用モータ46の回転軸と
同軸的に接続されている。この水平軸45とヘッド回転
用モータ46の回転軸との間には、ヘッド回転用モータ
46の回転速度を1/50に減速して水平軸45に伝達
する減速機47が設けられている。また、水平軸45に
は、エンコーダ48が取り付けられている。この水平軸
45が回転するに伴い、ヘッド50は水平軸45を中心
としてXZ平面上を回転する。
【0037】エアシリンダ(ヘッド支持手段)80は、
シリンダ部81が支持体10の上側腕11の上面に固定
され、そのロッド82は上側腕11を上下方向に貫通し
てヘッド50のブラケット42の上面に連結されてい
る。一方、制御装置(ヘッド支持制御手段、認識手段、
移動制御手段)3は、図5に示すように、マイクロコン
ピュータ90、D/Aコンバータ91、電気式バルブ9
2及び入力装置93から構成されている。
【0038】マイクロコンピュータ90は、上下軸用モ
ータ30、ビット軸用モータ50a、ヘッド回転用モー
タ46、D/Aコンバータ91に対して信号を出力する
ように電気的に接続されている。また、上下軸用モータ
30のエンコーダ60、ビット軸用モータ50aのエン
コーダ70、ヘッド回転用モータ46のエンコーダ48
及び入力装置93からの信号を入力するように電気的に
接続されている。このマイクロコンピュータ90のRO
Mには、雄ねじMSのねじ締めパターンとの関連におけ
るビット軸回転速度、上下軸推力及びビット軸トルクが
図13のパターンになるように記憶されている。
【0039】上下軸用モータ30及びビット軸用モータ
50aは、マイクロコンピュータ90から信号が入力さ
れると、その信号に対応する電流でもって回転するよう
に構成されている。D/Aコンバータ91は、入力され
た制御信号(後述)に対応する電圧指令信号(後述)を
電気式バルブ92に出力するものであり、電気式バルブ
92は、エア供給機95からエアの供給を受け、入力さ
れた電圧指令信号に対応するエア圧をエアシリンダ80
に付与するものである。
【0040】ここで、本実施例で使用した電気式バルブ
92について図6に基づいて説明する。図6は電気式バ
ルブの概略ブロック図である。この電気式バルブ92
は、SMC社製の商品名「電空レギュレータ」であり、
入力される電圧v(V)と出力されるエア圧p(MP
a)との関係は、 v=p/0.02 で表される。この電気式バルブ92は、電圧vに相当す
る電圧指令信号が入力されると、コントローラ92a
が、 p=0.02v よりエア圧p(MPa)を求め、そのエア圧pに基づい
てノズルフラッパ92bを調節することによりエア供給
機95からミストセパレータ96を介して供給されるエ
アの圧力を制御し、ダイヤフラム92c、パイロット弁
92dを介して外部にエア圧pを出力する。尚、パイロ
ット弁92dの出力側には圧力センサ92eが設けら
れ、圧力センサ92eの測定圧力をコントローラ92a
に入力してフィードバック制御を行っている。
【0041】入力装置93は、オペレータがエアシリン
ダ80のピストン径D(cm)及びロッド径d(c
m)、ヘッド質量W(kg)、ヘッド50の位置角度の
設定値などを入力するための装置であり、これらのデー
タはマイクロコンピュータ90のバックアップRAMに
記憶される。また、ヘッド50の位置角度の設定値が入
力されると、マイクロコンピュータ90は、減速機47
の減速比を考慮した上で、ヘッド回転用モータ46に信
号を出力し、ヘッド回転用モータ46はその信号に対応
する電流でもって所定位置まで回転する。
【0042】次に、上記のように構成された本実施例の
ねじ締め装置の動作について説明する。図7は電圧範囲
設定処理のフローチャート、図8は電圧範囲と制御信号
との対応図、図9は制御信号出力処理のフローチャート
である。ねじ締め装置1の入力装置93から所定のデー
タ(ヘッド50の質量W(kg)、エアシリンダ80の
ピストン径D(cm)及びロッド径d(cm))が入力
されると、図7に示す電圧範囲設定処理が開始される。
この処理が開始されると、まず、ステップ(以下「S」
という)101にてマイクロコンピュータ90は、バッ
クアップRAMに記憶されているヘッド50の質量W、
エアシリンダのピストン径D及びロッド径dを読み出
す。
【0043】そして、S102にてマイクロコンピュー
タ90は、この電圧範囲設定処理が初回(1回目)であ
るか否かを判別する。この処理を行うのが1回目であれ
ば、S102にて「YES」と判別し、その後S104
以下の演算処理を行う。一方、この電圧範囲設定処理を
行うのが1回目でなければ、S102にて「NO」と判
別し、S103にてマイクロコンピュータ90は、バッ
クアップRAMに記憶されたヘッド50の質量W、エア
シリンダ80のピストン径D及びロッド径dの値のいず
れかが前回この電圧範囲設定処理を行ったときと比較し
て変更されたか否かを判別する。上記W、D、dの値の
いずれもが前回この電圧範囲設定処理を行ったときと同
じであれば、マイクロコンピュータ90はS103にて
「NO」と判別し、この電圧範囲設定処理を終了する。
一方、上記W、D、dの値のいずれかが前回この電圧範
囲設定処理を行ったときと同じでなければ、マイクロコ
ンピュータ90はS103にて「YES」と判別する。
【0044】マイクロコンピュータ90がS102にて
「YES」と判別したとき、又は、S103にて「YE
S」と判別したとき、マイクロコンピュータ90はS1
04にてヘッド50の重力Wg(N)と釣り合うバラン
ス圧力最大値Pmax (MPa)を求める。このPmax
は、ヘッド50の位置角度が0゜の場合のバランス圧力
に一致するものであり、
【0045】
【数1】
【0046】により算出される。続いて、S105にて
マイクロコンピュータ90は、このPmax に対応するバ
ランス電圧最大値Vmax (V)を求める。Vmax は、電
気式バルブ92の固有の式 Vmax =Pmax /0.02 により算出される。
【0047】続いて、S106にてマイクロコンピュー
タ90は、0からVmax までを8等分し、8個の電圧範
囲RV1〜RV8を設定する。このとき、電圧範囲RV
1は0〜V1、電圧範囲RV2はV1〜V2、…と設定
される。そして、S107にてマイクロコンピュータ9
0は、電圧範囲RV1〜RV8に対して制御信号S1〜
S8を割り付け、これをバックアップRAMに記憶し、
この電圧範囲設定処理を終了する。これにより、マイク
ロコンピュータ90のバックアップRAMには図8に示
す対応図が記憶される。尚、以上の電圧範囲設定処理
は、所定時間(数〜数10msec)毎に実行される。
【0048】ここで、D/Aコンバータ91について簡
単に説明する。D/Aコンバータ91は、上述の電圧範
囲設定処理における各制御信号(デジタル信号)S1〜
S8について各切替電圧値VS1〜VS8が設定され、こ
の各切替電圧値VS1〜VS8について各電圧指令信号
(アナログ信号)SV1〜SV8が対応するように設定
されている。本実施例では、切替電圧値VS1 は0
(V)、VS2 はV1(V)、VS3 はV2(v)、…
と設定されている。このとき、切替電圧値VS8 とV S
7 との差、VS7 とVS6 との差、…、VS2 とVS
との差はすべてV1(V)であり、一致している。即
ち、切替電圧値は一定値おきに設定されているのであ
る。この対応関係を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】尚、ヘッド50の質量W、エアシリンダ8
0のピストン径D及びロッド径dのいずれかが変更され
るとバランス圧力最大値Pmax が変化するため、バラン
ス電圧最大値Vmax も変化する。従って、D/Aコンバ
ータ91の電圧指令信号SVj(jは1〜8の整数、以
下同じ)に対応する切替電圧値を変更する必要がある
が、これは(今回のバランス電圧最大値)/(前回のバ
ランス電圧最大値)を係数として前回の各切替電圧値に
乗ずれば足り、D/Aコンバータ91上で容易に変更し
うる。
【0051】次に、図9に示す制御信号出力処理のフロ
ーチャートについて説明する。この制御信号出力処理
は、上述の電圧範囲設定処理が終了した後、引き続き実
行される処理である。この処理が開始されると、まず、
S111にてマイクロコンピュータ90は、ヘッド回転
用モータ46のエンコーダ48から入力される回転量に
関する信号に基づいて、ヘッド50の位置角度θを求め
る。この位置角度θは、垂線に対するヘッド50の傾斜
角度として求められ、ビット軸50bの位置角度に一致
する。
【0052】続いて、S112にてマイクロコンピュー
タ90は、ヘッド50の重力のビット軸方向の分力と釣
り合うのに必要なバランス圧力Pを算出する。これは、
次式により算出することができる。
【0053】
【数2】
【0054】ここで、ヘッド50の質量W、エアシリン
ダ80のピストン径D及びロッド径dの値は予め入力装
置93を介してオペレータにより入力され、マイクロコ
ンピュータ90のバックアップRAMに記憶された値で
ある。続いて、S113にてマイクロコンピュータ90
は、電気式バルブ92に固有の式 v=p/0.02 から、バランス圧力Pに対応するバランス電圧Vを算出
する。その後、S114にてマイクロコンピュータ90
は、バランス電圧Vが、上述の電圧範囲設定処理におい
てバックアップRAMに記憶された対応図(図8参照)
に照らし、8個の電圧範囲RV1〜RV8のいずれに属
するかを判断する。そして、S115にてマイクロコン
ピュータ90は、そのバランス電圧Vが属する電圧範囲
RVjに対応する制御信号SjをD/Aコンバータ91
に出力する。
【0055】すると、D/Aコンバータ91は、この制
御信号Sjを表1に照らして電圧指令信号SVjに変換
し、この電圧指令信号SVjを電気式バルブ92に出力
する。これを受けて、電気式バルブ92は電圧指令信号
SVjの表す切替電圧値VSj に対応する切替圧力PS
j (=0.02VSj )に基づいてエアシリンダ80
のエア圧をフィードバック制御する。従って、S111
にて求められたヘッド50の位置角度θにおけるヘッド
50は、エアシリンダ80によってほぼバランスされた
状態になり、ヘッド50の重みはほぼキャンセルされ
る。なお、切替圧力PS7 とPS6との差、PS6とPS
5との差、…、PS2とPS1 との差は、すべて0.0
2V1(MPa)であり、一致している。
【0056】マイクロコンピュータ90は、S115に
て制御信号SjをD/Aコンバータ91に出力した後、
この制御信号出力処理を終了する。以上の電圧範囲設定
処理及び制御信号出力処理を実行した場合の効果を調べ
るために、以下の試験を行った。即ち、上下軸用モータ
30の制限電流値を一定にし、ヘッド50の位置角度を
0〜90゜まで変化させたときのビット軸50bの押え
力の変化を実測した。その結果、図10に示すようなグ
ラフが得られた。即ち、本実施例のねじ締め装置1によ
れば、ビット軸50bの押え力の変動幅を±0.42k
gfとすることができ、エアシリンダ80のエア圧を一
定にした場合に比べて(図14参照)、かなり精度よく
押え力を制御することができることがわかった。
【0057】ここで、ある切替電圧値から次の切替電圧
値に切り替わるときのヘッドの位置角度θを切替角度θ
Sj とすると、切替角度θSj は、 θS =cos-1cVSj =cos-1c’PSj(c、c’は定数) となる。この式から、ヘッドの位置角度θが増加して切
替角度θSj に達する度に、エアシリンダ80を制御す
る切替圧力PSj は0.02V1(Mpa)ずつ増加し
ていくことがわかる。尚、(c’PSj)の値及びθS
の値を具体的に示せば、表2のようになる。但し、θS
jの値については小数点第2位を四捨五入した。
【0058】
【表2】
【0059】このように、本実施例のねじ締め装置にお
いて上述の電圧範囲設定処理及び制御信号出力処理を実
行することにより、以下の効果が得られる。 上下方向のみならず斜め方向からのねじ締めが可能と
なる。 ビット軸50bを含むヘッド50に対してヘッド50
の位置角度θにかかわらず同じ力を与えれば、ビット軸
50bを上下軸20に沿って移動させるときの推力は略
同じになる(図10参照)。このため、ビット軸50b
の上下軸推力を容易に制御することが可能となるという
効果が得られる。 バランス電圧Vの値は連続的に変化するのに対して、
このバランス電圧Vの値を8個の切替電圧値VSj に置
換して処理するため、デジタル化してエアシリンダ80
のエア圧を制御でき、装置構成を簡易化できる。
【0060】次に、本実施例のねじ締め装置1によるね
じ締め動作について説明する。オペレータは、ねじ締め
を開始する前に入力装置93から図13における第1〜
第3上下軸推力、第1〜第3ビット軸回転速度のデータ
を入力し、また、雄ねじMSの長さ及びねじピッチ、着
座前回転量などのデータを入力する。これらのデータは
マイクロコンピュータ90のバックアップRAMに記憶
される。尚、第1上下軸推力は、雄ねじMSの雌ねじ穴
部FSに対する傾きやロッキングを防止しつつ確実な喰
い付きを実現するように、小さく定められている。ま
た、第2上下軸推力は、雄ねじMSの雌ねじ穴部FSに
対する傾きやロッキングを防止しつつ確実なねじ込みを
実現するように、第1上下軸推力よりも大きく定められ
ている。更に、第3上下軸推力は、雄ねじMSの締め上
げを十分な下動推力でもって雄ねじMSの頭つぶれを防
止しつつ実現するように第2上下軸推力よりも大きく定
められている。
【0061】本実施例のねじ締め装置において、図示し
ないねじ供給機構から雄ねじMS(図1参照)をキャッ
チャ50c内にその下方から供給すると、この雄ねじM
Sがビット軸50bと同軸的にキャッチャ50cにより
吸着されてビット軸50bの先端に保持される。このよ
うな状態においてねじ締め装置を作動させると、マイク
ロコンピュータ90が、ROMに記憶された図11のフ
ローチャートに従い、ねじ締め処理を実行する。
【0062】この処理が開始されると、マイクロコンピ
ュータ90は、S201にて、そのバックアップRAM
から第1上下軸推力及び第1ビット軸回転速度を読み出
す。ついで、マイクロコンピュータ90は、S202に
て、第1上下軸推力及び第1ビット軸回転速度を各モー
タ30、50aにそれぞれ出力する。
【0063】すると、上下軸用モータ30が第1上下軸
推力でもって上下軸20を回転させ、これに伴い、ヘッ
ド50が同第1上下軸推力で下動する。また、ビット軸
用モータ50aが第1ビット軸回転速度でもってビット
軸50bを回転し、これに伴い、雄ねじMSが同様に回
転する。これにより、ビット軸50bが、雄ねじMSを
ワークの雌ねじ穴部FSに押し付けるように、第1ビッ
ト軸回転速度にて回転しつつ第1上下軸推力でもって下
動していく。S202での処理が終了すると、マイクロ
コンピュータ90は、S203にて、エンコーダ60か
らの回転量データをエンコーダ70からの回転量データ
により除算して、ビット軸50bの一回転あたりの下動
量を求め、S204にて、この下動量をねじピッチと比
較判別することにより、喰い付き始めか否かを判別す
る。ビット軸50bの一回転あたりの下動量が前記ねじ
ピッチとほぼ一致すれば、雄ねじMSがワークの雌ねじ
穴部FSに喰い付き始めたと判断して、マイクロコンピ
ュータ90が、S204にて「YES」と判別する。か
かる場合、雄ねじMSの喰い付きが、ねじ傾きやロッキ
ングを招くことなく、確実になされ得る。一方、S20
4にて「NO」との判別がなされる場合には、再びS2
03における演算処理及びS204における判別処理を
行う。
【0064】S204における判別が「YES」となる
と、マイクロコンピュータ90は、S205にて前記バ
ックアップRAMから第2上下軸推力及び第2ビット軸
回転速度を読み出し、ついで、S206にて第2上下軸
推力及び第2ビット軸回転速度を各モータ30、50a
にそれぞれ出力する。すると、上下軸用モータ30が第
2上下軸推力でもって上下軸20を回転させ、これに伴
い、ヘッド50が同第2上下軸推力で下動する。また、
ビット軸用モータ50aが第2ビット軸回転速度でもっ
てビット軸50bを回転し、これに伴い、雄ねじMSが
同様に回転する。これにより、ビット軸50bが、第2
ビット軸回転速度にて回転しつつ第2上下軸推力でもっ
て下動し、雄ねじMSを雌ねじ穴部FSにねじ込んでい
く。かかる場合、雄ねじMSのねじ込みが、ねじ傾きや
ロッキングを招くことなく、短時間にてなされ得る。
【0065】S206の処理が終了すると、マイクロコ
ンピュータ90は、S207にて、雄ねじMSの回転量
が着座前回転量か否かを判別する。かかる場合、前記着
座前回転量は、雄ねじMSの雌ねじ穴部FS内への進み
量が(雄ねじの長さ−ねじピッチ数)に相当する量を表
す。そうして、このS207では、マイクロコンピュー
タ90が、前記バックアップRAM内の雄ねじの長さ及
びねじピッチとの関連でエンコーダ70からの回転量デ
ータに応じて雄ねじMSの雌ねじ穴部FS内への進み量
を演算し、この演算進み量が前記着座前回転量となった
とき、「YES」と判別する。一方、S207における
判別が「NO」なる場合には、再びS230における処
理を行う。
【0066】S207における判別が「YES」となる
と、マイクロコンピュータ90は、S208にて前記バ
ックアップRAMから第3上下軸推力及び第3ビット軸
回転速度を読み出し、ついで、S209にて第3上下軸
推力及び第3ビット軸回転速度を各モータ30、50a
にそれぞれ出力する。すると、上下軸用モータ30が第
3上下軸推力でもって上下軸20を回転させ、これに伴
い、ヘッド50が同第3上下軸推力で下動する。また、
ビット軸用モータ50aが第3ビット軸回転速度でもっ
てビット軸50bを回転し、これに伴い、雄ねじMSが
同様に回転する。これにより、ビット軸50bが、第3
ビット軸回転速度にて回転しつつ第3上下軸推力でもっ
て下動し、雄ねじMSを雌ねじ穴部FSに締め上げてい
く。かかる場合、雄ねじMSの締め上げが、安定した高
精度トルクにて確実になされ得る。
【0067】続いて、マイクロコンピュータ90は、S
210にて、ビット軸50bのトルクが前記バックアッ
プRAM内の設定トルクに達したか否かを判別する。即
ち、上述のような雄ねじMSの締め上げ過程において、
ビット軸50bのトルクに対応するビット軸駆動電流
が、前記設定トルクに対応するビット軸駆動電流に達す
ると、雄ねじMSが雌ねじ穴部FSに着座後締め上げ完
了との判断のもとに、マイクロコンピュータ90がS2
10にて「YES」と判別し、各モータ30、50aに
停止信号をそれぞれ出力し、このねじ締め処理を終了す
る。また、上述のような演算処理過程において、S21
0における判別が「NO」となる場合には、再びS21
0における処理を行う。
【0068】以上の開始状態、ねじ込み状態及び締め上
げ状態を経ることにより、雄ねじMSのねじ締め不良を
低減しつつ同雄ねじMSの雌ねじ穴部FSへのねじ締め
時間を著しく短縮できるという効果が得られる。かかる
場合、前記開始状態、ねじ込み状態及び締め上げ状態の
各状態ごとに、ビット軸50bの回転速度及び上下軸推
力が適正に定められているので、ビット軸50bの先端
が雄ねじMSの頭から滑ることなく、最適なねじ締め推
力にて、雄ねじMSのねじ締めを確実に達成し得るとい
う効果が得られる。
【0069】ここで、本実施例のねじ締め装置では、ヘ
ッド50の位置角度θが変化してもW、D、dの値、並
びに、雄ねじMS及びワークが同じである限り、ヘッド
50はその位置角度θでバランスされるため、第1上下
軸推力、第2上下軸推力、第3上下軸推力を変更するこ
となく上述のねじ締め処理を行えば、ビット軸50bの
先端が雄ねじMSの頭から滑ることなく、最適なねじ締
め推力にて、雄ねじMSのねじ締めを確実に達成し得る
という上述の効果が得られる。従って、第1〜第3上下
軸推力をビット軸50bに付与するための上下軸用モー
タ30の回転数は、ヘッド50の位置角度θにかかわら
ず同じであるため、容易に図13のパターンで制御する
ことができる。
【0070】尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。例えば、上
記実施例の電気式バルブに代えて、複数のレギュレータ
(上記実施例に対応させるとすれば8個のレギュレー
タ)を用い、制御信号をバルブ開閉信号として用いても
よく、この場合も上記実施例とほぼ同様の効果が得られ
る。但し、上記実施例の方がコスト面で有利である。
【0071】また、上記実施例の切替角度θSj を予め
マイクロコンピュータ90のROMに記憶しておくこと
とし、マイクロコンピュータ90は、ヘッドの位置角度
θを求めた後、その位置角度θがどの切替角度θSj に
対応するかを判断し、その切替角度θSj に対応する制
御信号SjをD/Aコンバータ91に出力するようにし
てもよく、この場合も上記実施例とほぼ同様の効果が得
られる。
【0072】更に、図13における第1〜第3上下軸推
力は、予め雄ねじMSやワークの材質等を種々変化させ
ることにより測定した実測データに基づきテーブルを作
製し、このテーブルをマイクロコンピュータ90のRO
Mに記憶しておき、入力装置93から雄ねじやワークの
材質等が入力された場合に、マイクロコンピュータ90
がこのテーブルから上記材質等に対応する第1〜第3上
下軸推力を選択し、それをバックアップRAMに記憶す
るようにしてもよい。
【0073】更にまた、上記実施例では、電圧範囲設定
処理におけるS106にて、マイクロコンピュータ90
は、0からVmax までを8等分し8個の電圧範囲RV1
〜RV8を設定したが、0からVmax までを更に細かく
分割して9個以上の電圧範囲(これに伴い切替角度θS
j の個数も増える)を設定してもよく、この場合、ビ
ット軸50b押え力の変動幅を一層小さくすることがで
き、より一層精度よく押え力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 本実施例のねじ締め装置の構成図である。
【図3】 本実施例の装置本体の正面図である。
【図4】 本実施例の装置本体の右側面図である。
【図5】 本実施例の制御装置の概略ブロック図であ
る。
【図6】 電気式バルブの概略ブロック図である。
【図7】 電圧範囲設定処理のフローチャートである。
【図8】 電圧範囲と制御信号との対応図である。
【図9】 制御信号出力処理のフローチャートである。
【図10】 ヘッドの位置角度に対するビット軸の押え
力の変化を表すグラフである。
【図11】 ねじ締め処理のフローチャートである。
【図12】 従来のねじ締め装置の正面図である。
【図13】 ねじ締めパターンの各状態との関連におけ
るビット軸回転速度、上下軸推力及びビット軸トルクの
変化を示す説明図である。
【図14】 エアシリンダのエア圧及び上下軸用モータ
の電流制限値を一定にしてねじ締め装置を水平軸周りに
回転したときのヘッドの位置角度に対するビット軸の押
え力の変化を表すグラフである。
【符号の説明】
1・・・ねじ締め装置、 2・・・装置本体、
3・・・制御装置、 10・・・支持体、
20・・・上下軸、 30・・・上下軸用
モータ、45・・・水平軸、 46・・・
ヘッド回転用モータ、50・・・ヘッド、
50a・・・ビット軸用モータ、50b・・・ビット
軸、 80・・・エアシリンダ、90・・・マ
イクロコンピュータ、91・・・D/Aコンバータ、9
2・・・電気式バルブ、 93・・・入力装置、
P・・・バランス圧力、 PSj ・・・切替圧
力、RVj・・・電圧範囲、 Sj・・・制御
信号、SVj・・・電圧指令信号、 V・・・バラ
ンス電圧、VSj ・・・切替電圧値、 θ・・・
位置角度、θSj ・・・切替角度、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ねじをワークの雌ねじ穴部に締め付け
    るビット軸を備えたヘッドと、 水平軸周りに回転可能に取り付けられ、支持軸に沿って
    前記ヘッドを移動可能に支持する支持体と、 前記ヘッドの重力に抗して該ヘッドを支持するヘッド支
    持手段と、 前記ヘッドの位置角度を検出する角度検出手段と、 前記角度検出手段により検出された前記ヘッドの位置角
    度に基づいて、該ヘッドの重力のビット軸方向の分力と
    釣り合うように前記ヘッド支持手段のヘッド支持力を制
    御するヘッド支持制御手段とを備えたことを特徴とする
    ねじ締め装置。
  2. 【請求項2】 前記支持軸に沿って前記ヘッドを移動さ
    せるヘッド移動手段と、 前記雄ねじの前記雌ねじ穴部への喰い付き始めまでの第
    1段階、前記喰い付き始めから前記雄ねじの前記雌ねじ
    穴部への着座までの第2段階、前記着座前から前記雄ね
    じの前記雌ねじ穴部への着座後締付完了までの第3段階
    のいずれの段階であるかを認識する認識手段と、 前記認識手段により第2又は第3段階である認識された
    とき、前記ヘッド移動手段により前記ヘッドを前記支持
    軸に沿って移動させる推力に関し、第1段階よりも該推
    力が大きくなるように前記ヘッド移動手段を制御する移
    動制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    ねじ締め装置。
  3. 【請求項3】 前記ヘッド支持制御手段は、 前記角度検出手段により検出された前記ヘッドの位置角
    度が所定の切替角度になると、該切替角度における前記
    ヘッドの重力のビット軸方向の分力と釣り合うように前
    記ヘッド支持手段のヘッド支持力を制御することを特徴
    とする請求項1又は2記載のねじ締め装置。
  4. 【請求項4】 前記所定の切替角度はn個存在し、該切
    替角度はm/n(m、nは共に整数であり、m<n)の
    アークコサイン値であることを特徴とする請求項3記載
    のねじ締め装置。
  5. 【請求項5】 前記ヘッド支持手段は、圧力作動シリン
    ダであり、 前記ヘッド支持制御手段は、 入力された電圧値に比例する圧力に基づいて前記圧力作
    動シリンダの作動圧を制御する電気式バルブと前記電気
    式バルブに対して前記ヘッドの重力のビット軸方向の分
    力と釣り合うために必要な電圧値を出力するバルブ制御
    手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のねじ締め装置。
  6. 【請求項6】 前記バルブ制御手段は、 前記圧力作動シリンダが前記ヘッドの重力と釣り合うた
    めに前記電気式バルブに出力すべき電圧値を電圧最大値
    として求め、0から該電圧最大値までを一定範囲ごとに
    分割して複数の電圧範囲を設定する電圧範囲設定手段
    と、 前記電圧範囲設定手段により設定された各電圧範囲につ
    き、一定値おきに定められた切替電圧値を対応させて記
    憶手段に記憶させる記憶制御手段と、 前記圧力作動シリンダが前記角度検出手段により検出さ
    れた前記ヘッドの位置角度における該ヘッドの重力のビ
    ット軸方向の分力と釣り合うために前記電気式バルブに
    出力すべき電圧値が、前記複数の電圧範囲のいずれに属
    するのかを判断する判断手段と、 前記判断手段により判断された電圧範囲に対応する切替
    電圧値を前記記憶手段から読み出し、該切替電圧値を前
    記電気式バルブに出力する信号出力手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項5記載のねじ締め装置。
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