JPH08323935A - 結露防止性積層フィルムまたはシートと、その製造方法 - Google Patents

結露防止性積層フィルムまたはシートと、その製造方法

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JPH08323935A
JPH08323935A JP7137569A JP13756995A JPH08323935A JP H08323935 A JPH08323935 A JP H08323935A JP 7137569 A JP7137569 A JP 7137569A JP 13756995 A JP13756995 A JP 13756995A JP H08323935 A JPH08323935 A JP H08323935A
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film
water
sheet
polyvinyl alcohol
isobutylene
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JP7137569A
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English (en)
Inventor
Takashi Gonda
貴司 権田
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高湿度環境下または湿度が著しく異なる境界面
で長期間結露を防止することができ、また耐水性を低下
させることなく、貼り付けや剥すことが容易にできる、
結露防止性フィルムまたはシートを提供する。 【構成】この結露防止性フィルムまたはシート6は、ケ
ン化度60モル%以上、重合度 500〜 2,500のポリビニル
アルコール系樹脂(A)と、カルボキシル基の25〜50%
がアルカリ金属塩であるイソブチレン−無水マレイン酸
共重合体のアルカリ加水分解物(B)とを、重量比
(A)/(B)=99/1〜70/30で含有する吸水性フィ
ルムまたはシート2と、水不溶性のヘーズが20%未満の
熱可塑性樹脂フィルムまたはシート1とを、接着剤層3
を介して積層してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴室等の鏡面、自動
車、電車、家屋等の窓ガラス、温室内のガラス板、眼鏡
のレンズ、ゴーグルまたはカーブミラー等、高湿度環境
下または温度が著しく異なる境界にあるガラス面等に貼
付して長期間結露防止するのに有用な、結露防止性積層
フィルムまたはシート(以下、単にフィルムとする)
と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明なガラスまたはプラスチック
製品の結露を防止するために種々の提案がなされ採用さ
れてきた。これには例えば、次の方法がある。 1)成形品表面の水との接触角を限りなく0°に近ずけ
る方法:樹脂中に界面活性剤等の表面改質剤を練り込
み、成形後、樹脂との相溶性から成形品表面にブリード
アウトさせて結露を防止するか、成形品表面に界面活性
剤等の表面改質剤を塗布して結露を防止する方法等。 2)成形品表面の水との接触角を限りなく 180°に近ず
ける方法:成形品表面にシリコーンオイル、流動パラフ
ィン、ワセリン等の疎水性物質を塗布して水滴を流下さ
せる方法、フッ素系樹脂等の疎水性樹脂から成形品を得
る方法、特開昭48-47939号、同59−179684号、特開平3
−181586〜181589号各公報等に記載のように有機ケイ素
化合物により樹脂の撥水性を改質する方法等。 3)成形品表面に吸水層を設ける方法:水に対して親和
性の高い樹脂を成形品表面に塗布し、表面に付着した水
滴を吸収する方法等。 4)成形品の表面を常に露点以上の温度に保ち結露を防
ぐ方法:ガラスの内面に発熱体を取り付けて加熱し結露
を防止する方法等。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
1)の方法は、界面活性剤が水と繰り返し接触すると、
界面活性剤が水に溶解流出して結露防止効果を示さなく
なる。すなわち、この方法による結露防止効果は初期効
果のみで耐久性に乏しい。2)の方法は、細かい水滴に
は全く効果を示さない。3)の方法は、1)および2)
の方法よりは、結露防止効果の耐久性に優れているが、
水滴に接触した部分が膨張して皺あるいは剥離が生じ
る。更に吸水性フィルムをガラス等の表面に接着剤によ
り接着すると、吸水性フィルムを剥すときに部分的に外
観に問題を生じる。4)の方法は、初期投資が大きく電
力費も高く、特殊な用途にしか利用できない。したがっ
て、本発明の目的は高湿度環境下または湿度が著しく異
なる境界面で長期間結露を防止することができ、また耐
水性を低下させることなく、貼り付けや剥すことが容易
にできる、結露防止性積層フィルムと、その製造方法を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特開昭59-6
4650号および同60−210444号各公報に記載の吸水性フィ
ルムの吸水力に着目し研究を重ねた結果、吸水性フィル
ムと熱可塑性樹脂フィルムとの接着部には、吸湿、吸水
または排湿、排水に伴う吸水性フィルムの伸縮力よりも
強い剪断強度が与えられること、熱可塑性樹脂フィルム
の一方の面に、この吸水性フィルムを積層し、熱可塑性
樹脂フィルムの他方の面に粘着剤層を設ければ、得られ
た積層フィルムをガラス等の表面に貼付することが容易
になり、結露防止効果を付与できることを見出し、本発
明に到達した。
【0005】すなわち、本発明による結露防止性積層フ
ィルムは、ケン化度60モル%以上、重合度 500〜 2,500
のポリビニルアルコール系樹脂(A)と、カルボキシル
基の25〜50%がアルカリ金属塩であるイソブチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物(B)と
を、重量比(A)/(B)=99/1〜70/30で含有する
吸水性フィルムと、水不溶性のヘーズが20%未満の熱可
塑性樹脂フィルムとを、接着剤層を介して積層してなる
ことを特徴とするものであり、また、その製造方法は、
ケン化度60モル%以上、重合度 500〜 2,500のポリビニ
ルアルコール系樹脂(A)と、カルボキシル基の25〜50
%がアルカリ金属塩であるイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体のアルカリ加水分解物(B)とを、重量比
(A)/(B)=99/1〜70/30の割合で混合して製膜
した後、表面温度 130〜 200℃で1〜60秒間熱処理を施
して得られた吸水性フィルムを、水不溶性のヘーズが20
%未満の熱可塑性樹脂フィルムに、接着剤層を介して圧
着することを特徴とするものである。
【0006】以下、本発明による結露防止性積層フィル
ムの一実施態様を縦断面図で示した図1に基づいて説明
する。本発明による結露防止性積層フィルムは、水不溶
性のヘーズが20%未満の熱可塑性樹脂フィルム1、上記
吸水性フィルム2および接着剤層3から構成されるが、
実施に際しては、図示のように、上記熱可塑性樹脂フィ
ルム1の反対側の面に、さらに粘着剤層4と離型紙5を
重ね合わせて使用される。
【0007】上記熱可塑性樹脂フィルム1においてヘー
ズが20%以上のものは、透明性が劣り、特にガラス等に
施工した場合、ガラスの内面から外側の像が見にくくな
るので、本発明の結露防止性積層フィルムの構成材料と
して不適当である。これに適した熱可塑性樹脂フィルム
1としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリメチルメタクリレート等の透明な合成樹脂が
挙げられる。これらの熱可塑性樹脂フィルムは厚さが10
μm未満では吸水層の吸排湿による伸縮によりシワが発
生し易く、また 800μmを超えると施工が困難になり易
く、かつコストアップとなるので、通常10〜 800μmの
範囲の厚さのものが用いられる。
【0008】吸水性フィルム2は、ケン化度60モル%以
上、重合度 500〜 2,500、好ましくは 1,000〜 2,000の
ポリビニルアルコール系樹脂(A)とイソブチレン−無
水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物(B)とを
重量比(A)/(B)=99/1〜70/30の割合で含有す
るものである。上記ポリビニルアルコール系樹脂(A)
においてケン化度が60モル%未満の場合には、ポリビニ
ルアルコール樹脂の水への溶解性が著しく劣り好ましく
ない。また一般にケン化度の上限は 99.99%である。重
合度が 500未満では薄膜の強度低下しフィルム表面にク
ラックが発生し、 2,500を超える場合は粘度が著しく高
くなり吸水層の形成が困難となる。このようなポリビニ
ルアルコール系樹脂は、酢酸ビニル、ギ酸ビニル等のビ
ニルエステルあるいはt−ブチルエーテル、トリメチル
シリルビニルエーテル等のビニルエーテルを重合させた
重合体を酸あるいはアルカリで加水分解し得られるが、
一般的には酢酸ビニルを重合した重合物を加水分解して
得られたポリビニルアルコール樹脂から製造されたフィ
ルムがコストの面から好適である。
【0009】一方のイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルカリ加水分解物(B)には、イソブチレン−
無水マレイン酸共重合体をアルカリ金属化合物かアルカ
リ土類金属塩化合物の水溶液で加水分解したものが用い
られる。ここで、アルカリ金属化合物またはアルカリ土
類金属塩化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムおよび水酸化マグネシウム等が
挙げられる。また、上記加水分解物中のカルボキシル基
がアルカリ金属塩を形成している割合(以後、中和度と
記す)は、25〜50%、好ましくは30〜50%である。一般
に、イソブチレン−無水マレイン酸をアルカリ金属化合
物かアルカリ土類金属化合物で加水分解し、中和度が25
%未満のイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を作製
することは非常に困難である。中和度が50%を超える
と、ポリビニルアルコール樹脂との相溶性が悪くなっ
て、フィルムを得にくくなるばかりか、ポリビニルアル
コール系樹脂とイソブチレン−無水マレイン酸共重合体
のアルカリ加水分解物との架橋反応が著しく抑えられる
ため、フィルム表面に水滴が付着した場合に膨張し、さ
らにはフィルムが溶解流出してしまう。このイソブチレ
ン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量は 5.5×
104 〜17×104 が好ましい。
【0010】ポリビニルアルコール系樹脂(A)とイソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解
物(B)との混合比は、(A)/(B)の重量比で99/
1〜70/30の範囲であり、特には90/10〜75/25の範囲
であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂の
重量組成比が99/1より大きくなると吸水性フィルムと
しての機能を十分発揮できなくなり、またポリビニルア
ルコール系樹脂の混合比が70/30より小さくなると吸水
性フィルムが硬く脆くなってしまう。吸水性フィルムの
厚みは5〜 100μm、特には20〜50μmが好ましい。5
μm未満および 100μmを超えるフィルムの成形は著し
く困難である。吸水性フィルムを成膜する方法は、独立
薄膜を得ることができる成膜法であればどのような方法
でもよいが、一般的にはキャスティング法が好ましい。
【0011】吸水性フィルムの製造に当たっては、ポリ
ビニルアルコール系樹脂とイソブチレン−無水マレイン
酸のアルカリ加水分解物とを上記の割合で混合して製膜
した後、得られたフィルムを表面温度 130〜 200℃で1
〜60秒間、好ましくは 150〜180℃で10〜30秒間熱処理
する方法が採用される。この際、フィルムの表面温度が
130℃未満、1秒間未満で熱処理を行うと、ポリビニル
アルコール系樹脂とイソブチレン−無水マレイン酸共重
合体のアルカリ加水分解物との架橋反応が不十分とな
り、吸水、乾燥後のフィルムが白濁しまう。フィルムの
表面温度が 200℃を超える温度で熱処理を行うと、ポリ
ビニルアルコール系樹脂の分解が起こり変色してしま
う。吸水性フィルムの熱処理は、熱風、赤外線、加熱ロ
ールあるいはこれらの複合による方法のいずれかの方法
を用いてもかまわない。
【0012】この吸水性フィルムには、上記成分に加え
て、必要に応じて、その耐水性を損なわない程度に、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、澱粉あるいはその誘導体、キ
サンタンガム、カラギナン等の多糖類、ポリアクリル酸
またはその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビ
ニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等の水溶性高
分子等の水溶性樹脂、グリセリン、ポリエチレングリコ
ール、エタノールアミン等の可塑剤、ノニオン性あるい
はアニオン性界面活性剤、アセチレンアルコール、ポリ
ビニルアルコール系樹脂の各種架橋剤、イソブチレン−
無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物の各種架
橋剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができる。
【0013】熱可塑性樹脂フィルム1と吸水性フィルム
2との間に介在する接着剤層3を構成する接着剤として
は、吸排湿に伴う吸排湿層の伸縮を防止する能力があ
り、この伸縮力よりも大きい剪断強度を有する接着力が
要求されるので、ウレタン系二液反応型(両末端に水酸
基、アミノ基またはカルボキシル基を有するポリエステ
ルとポリイソシアネートとの反応型)接着剤、エポキシ
樹脂系接着剤が好適である。これらの接着剤は耐水性、
耐高温多湿性に優れている。さらに必要に応じて、紫外
線吸収剤等の添加剤を加えてもよい。なお、吸水性フィ
ルムと熱可塑性樹脂フィルムとを、熱可塑性樹脂フィル
ムの伸縮力以下の剪断強度しか得られない接着剤を用い
て接着すると、シワが発生し易くなる。
【0014】本発明による結露防止性積層フィルムは、
このようにして得られた吸水性フィルムと熱可塑性樹脂
フィルムとを、接着剤層を介して積層してなるものであ
る。この積層方法としてはドライラミネーション法が好
ましい。本発明でいうドライラミネーション法とは、好
ましくは上記の接着剤をトルエン、酢酸エチル等の有機
溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解した後、通常は熱可
塑性樹脂フィルムの一方の面に、グラビアコーター、ワ
イヤバー等、またはその他の公知の手段で接着剤を塗布
し、溶媒を揮散させて接着剤塗布面を形成した後、この
接着剤面に吸水性フィルムを重ね、加熱圧着して行う。
このときの加熱圧着条件としては、温度は15℃以上、熱
可塑性樹脂の融点以下、圧力は線圧で2kg/cm 以上あれ
ばよい。また、この結露防止性積層フィルムは、図1に
示すように、通常は上記熱可塑性樹脂フィルムの反対側
の面に粘着剤層を設け、これに離型紙を貼り合わせて使
用される。この粘着剤層の形成に用いられる粘着剤とし
ては、ポリアクリル酸エステル系粘着剤、シリコーン系
粘着剤等が挙げられる。これらはトルエン、酢酸エチル
等の有機溶媒に溶解した形態で使用するのがよく、通常
は離型紙の離型剤塗布面に、ワイヤバー、グラビアコー
ター、ダイコーター、コンマコーター、ナイフコーター
等、またはその他の公知の手段で粘着剤を塗布し、溶媒
を揮散させ、接着剤塗布面を形成した後、この粘着剤面
に上記結露防止性積層フィルムの熱可塑性樹脂フィルム
側を重ね、圧着し積層する。このように粘着剤層を設け
ることにより、ガラス等への貼り付けや、これから剥す
ことが容易にできるようになる。
【0015】
【作用】本発明による結露防止性積層フィルムは、表面
のポリビニルアルコール系樹脂とイソブチレン−無水マ
レイン酸共重合体のアルカリ加水分解物の混合物からな
る吸水性フィルムにより、表面の結露を防止する作用が
ある。またポリビニルアルコール系樹脂とイソブチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物との架
橋反応により、吸水時の膨張および吸水性フィルムの溶
解流出を防ぐことができる。さらに、上記吸水性フィル
ムは、この吸排湿による伸縮力よりも大きな剪断強度を
有する接着剤等の接着力と組み合わせることにより、吸
湿、吸水や排湿、排水を行う時の寸法変化を抑えるため
の支持体として作用する。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれ
らの記載に限定されるものではない。 (A:吸水性フィルムの製造) 実施例1〜5 表1に示すケン化度と重合度を有するポリビニルアルコ
ール系樹脂(表中、PVA樹脂とする)をイオン交換水
中に入れ、80℃以上に加熱し溶解した。溶解後、ポリビ
ニルアルコール系樹脂水溶液の濃度を10重量%に調整し
た。他方、中和度が0.45、0.40および0.30で、分子量が
16×104 〜17×104 のイソブチレン−無水マレイン酸の
水酸化ナトリウム加水分解物水溶液(クラレ社製、表
中、共重合体とする)を濃度10重量%に調整した。ポリ
ビニルアルコール系樹脂とイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体の水酸化ナトリウム加水分解物との組成重量
比を、表1に示すように種々変えた溶液を調製し、厚さ
125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にワ
イヤーバーにて乾燥厚みが25μmとなるように塗布し、
110℃で10時間乾燥後、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムから剥離し、得られたフィルムをフィルム表面温
度が160℃で10秒間オーブン中で熱処理を行った。得ら
れた吸水性フィルムについて、下記の方法により吸水量
と60℃の温水中に30分間浸漬後の有機物の溶出量を求
め、それぞれの結果を表1に併記した。
【0017】(吸水量)吸水性フィルムを5cm角に切り
出し、23℃のイオン交換水中に1時間浸漬した後、取り
出し、ろ紙にて両表面付着水を十分に除去した後、その
重量(W1 )を測定した。次に、この吸水性フィルムを
110℃で3時間乾燥して絶乾状態の重量(W2 )を測定
した。これらの測定値から次式により吸水量を求めた。 吸水量=(W1 −W2 )/25×10-3
【0018】(有機物溶出試験)吸水性フィルムを10.0
cm×6.25cmの大きさに切り出し、1cm2 あたり2mlの割
合の蒸留水中に、60±2℃で30± 0.5分間浸漬して取り
出した。残った溶液を試験液とした。この試験液を 100
ml取り、96%硫酸1に対してイオン交換水2の割合で希
釈して調製した希硫酸5mlを加え、さらにN/100過マン
ガン酸カリウム溶液を10mlを加えて加熱し、5分間煮沸
した。次に加熱をやめ、直ちにN/100臭酸ナトリウム溶
液を10ml加えて脱色した後、N/100過マンガン酸カリウ
ム溶液を微紅色が消えずにのこるまで滴定した。別に同
様の方法で空試験を行い、次式により過マンガン酸カリ
ウム消費量を求め、有機物溶出量とした。 ・過マンガン酸カリウム消費量=[(a−b)× 1,000
×f/100]×0.316 但し、 a:本試験の過マンガン酸カリウム滴定量ml b:空試験の過マンガン酸カリウム滴定量ml f:N/100過マンガン酸カリウム溶液の規定度係数(f
=0.9901)
【0019】
【表1】 実施例1〜3で得られた吸水性フィルムの有機物溶出量
はいずれも 10ppm以下であり、優れた耐水性を有してい
た。
【0020】比較例1〜8 表2に示すケン化度と重合度を有するポリビニルアルコ
ール系樹脂と、表2に示す中和度を有する分子量16×10
4 〜17×104 のイソブチレン−無水マレイン酸の水酸化
ナトリウム加水分解物との組成重量比を、それぞれ表2
に示すように種々変えた溶液を用いたほかは、実施例1
〜5と同様にして吸水性フィルムの作製とその評価を試
みたところ、下記の結果が得られた。
【0021】
【表2】
【0022】(結果)比較例1、2では、80℃以上の熱
水中で5時間攪拌したが、ポリビニルアルコール系樹脂
を完全に溶解することができなかった。比較例3では、
吸水性フィルムが得られなかった。比較例4では、ポリ
ビニルアルコール系樹脂−共重合体混合溶液の粘度が高
く表面の平滑なフィルムが得られなかった。このため上
記混合溶液の濃度をさらに1重量%に希釈したが、表面
の平滑なフィルムは得られなかった。比較例5では、吸
水性フィルムが得られなかった。比較例6では、吸水性
フィルムの吸水量が37g/m2で有機物の溶出量が480ppmで
あった。比較例7、8では、吸水性フィルムが白濁して
いた。フィルムの吸水量はフィルムがイオン交換水浸漬
中にゲル化してしまい測定不能であった。
【0023】比較例9 ケン化度99.9モル%と重合度 1,700を有するポリビニル
アルコール系樹脂をイオン交換水中に入れて80℃以上に
加熱し溶解した。溶解後、ポリビニルアルコール系樹脂
水溶液の濃度を10重量%に調整した。また、中和度0.4
5、分子量16×104 〜17×104 のイソブチレン−無水マ
レイン酸の水酸化ナトリウム加水分解物水溶液を濃度10
重量%に調整した。上記ポリビニルアルコール樹脂水溶
液とイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナ
トリウム加水分解物水溶液とを、組成重量比(ポリビニ
ルアルコール樹脂)/(イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体の水酸化ナトリウム加水分解物)=90/10に混
合した後、厚さ 125μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム上にワイヤーバーにて乾燥厚みが25μmとなる
ように塗布し 110℃で10分間乾燥した。得られた吸水性
フィルムについて吸水量と有機物溶出試験を行ったとこ
ろ、吸水量は80g/m2で優れていたが、有機物溶出試験中
に吸水性フィルムが溶解してしまった。なお、 110℃で
10分間乾燥したものについて、さらにフィルムの表面温
度が 200℃で90秒間熱処理を行った吸水性フィルムは、
著しく変色していた。
【0024】(B:結露防止性積層フィルムの製造) 実施例6〜9、比較例10 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムHSW-
75(帝人社製、ヘーズ: 1.3%)に、ウレタン系2液反
応型(両末端に水酸基を有するポリエステル、イソシア
ネート反応型)接着剤(主剤:武田薬品工業社製、タケ
ラックA610、硬化剤:同社製、タケネート A10、重量配
合比:タケラックA610/タケラック A10=9/1)を、
ワイヤーバーにより接着剤固形分の厚さが5μmになる
ように塗布乾燥した後、これに実施例1〜3および5と
比較例6で得られた各吸水性フィルムを、ニップ部にて
60℃のロールでニップし、40℃で3日間エージングを行
い、それぞれ実施例6〜9と比較例10の各積層フィルム
を得た。次に、この各積層フィルムのポリエチレンテレ
フタレート側に、ポリアクリル酸エステル系粘着剤(主
剤SKダイン 1811L:綜研化学社製、硬化剤D-90:同社
製)を固形分の厚さが20μmとなるようにワイヤーバー
で塗布、乾燥した後、ニップロールを用いて離型紙(厚
さ20μm)を貼り合わせ、35℃で3日間エージングを行
った。このようにして得られた上記積層フィルムを、10
cm角に切り出し、厚み5mmのアクリル樹脂製板に貼り付
け、下記の方法で結露防止性試験を行い、その結果を表
3に示した。
【0025】実施例10 実施例6において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの代わりに厚さ 250μmでヘーズ18%の塩化ビニルシ
ートを用い、これを実施例1で得られた吸水性フィルム
と積層したほかは、同様にして積層フィルムを作製し、
同様の試験を行った。
【0026】(結露防止性試験)富士テスター社製の建
具結露防止性能試験機を用いて、恒温恒湿室側の温度:
20℃、湿度:70%RH、恒温室側の温度:3℃の条件下
で、30分間放置(A操作)したときの結露防止性効果
を、初期結露防止性効果とした。次に、恒温恒湿室側の
温度:25℃、湿度:50%RH、恒温室側の温度:25℃の条
件下で23時間30分放置(B操作)した。このA操作、B
操作を30回繰り返した後の、A操作での結露防止性効果
を耐久性結露防止性効果とした。それぞれの結露防止性
効果を、下記の評価基準により目視により観察した。な
お、◎、○について結露防止効果有りとした。また同時
にシワの発生の有無についても観察した。 ◎:フィルム表面には、全く水滴が付着していない。 ○:直径>10mmの水滴がフィルムの一部に付着してい
た。 △:直径2〜10mmの水滴がフィルム全面に付着したい
た。 ×:直径<2mmの水滴がフィルムの全面に多数付着して
いた。
【0027】
【表3】 実施例6〜10では優れた結露防止性効果が認められた。
またシワの発生も認められなかった。比較例10ではフィ
ルム表面全面に直径2mm未満の水滴が多数付着していた
が、シワの発生は認められなかった。
【0028】比較例11 実施例1で得られた吸水性フィルムと前例のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムとを用い、ウレタン系2液反
応型接着剤の代わりにポリアクリル酸エステル系粘着剤
を用いて固形分の厚さが20μmになるように貼り合わせ
た。さらに、ポリエチレンテレフタレート面側にも同様
の粘着剤層を設けて離型紙を貼り合わせた。このほかは
前例と同様に行って積層フィルムを作製し、同様に結露
防止性試験を行ったところ、耐久試験中の吸水フィルム
に多数のシワが認められ、またポリエチレンテレフタレ
ートフィルムより剥離した部分も認められた。
【0029】比較例12〜13 吸水性フィルムとして実施例1で得られたものを用い、
熱可塑性樹脂フィルムとして厚さ 200μmのヘーズが40
%のポリプロピレンフィルムと厚さ 200μmのヘーズが
25%の塩化ビニルフィルムを用いたほかは、実施例6と
同様にして、ポリプロピレンフィルム側およびポリ塩化
ビニル側に、それぞれポリアクリル酸エステル系粘着剤
層と離型紙とが設けられた積層フィルムを作製した。こ
の積層フィルムを10cm角に切り出して窓ガラスに貼り付
け、内側から外側を見たところ外側の像を確認すること
ができなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明による結露防止性積層フィルム
は、 表面の吸水性フィルムにより表面の結露を防止する作
用がある; 吸水性フィルムの表面に水滴が付着した場合の膨潤に
よるシワの発生および吸水性フィルムの溶解流出を防ぐ
ことができる; 吸水性フィルムが表面層となるようにガラス等に粘着
施工することにより、吸湿、吸水や排湿、排水による吸
水性フィルムの膨潤、伸縮から引き起こされるシワを完
全に防止することができる; 粘着剤層により容易にガラスなどの表面に貼付するこ
とや剥すことができる; 等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結露防止性積層フィルムの一実施態様
についての縦断面図である。
【符号の説明】
1…熱可塑性樹脂フィルム、 2…吸水性
フィルム、3…接着剤層、
4…粘着剤層、5…離型紙、
6…結露防止性積層フィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケン化度60モル%以上、重合度 500〜 2,5
    00のポリビニルアルコール系樹脂(A)と、カルボキシ
    ル基の25〜50%がアルカリ金属塩であるイソブチレン−
    無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物(B)と
    を、重量比(A)/(B)=99/1〜70/30で含有する
    吸水性フィルムまたはシートと、水不溶性のヘーズが20
    %未満の熱可塑性樹脂フィルムまたはシートとを、接着
    剤層を介して積層してなることを特徴とする結露防止性
    積層フィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】ケン化度60モル%以上、重合度 500〜 2,5
    00のポリビニルアルコール系樹脂(A)と、カルボキシ
    ル基の25〜50%がアルカリ金属塩であるイソブチレン−
    無水マレイン酸共重合体のアルカリ加水分解物(B)と
    を、重量比(A)/(B)=99/1〜70/30の割合で混
    合して製膜した後、表面温度 130〜 200℃で1〜60秒間
    熱処理を施して得られた吸水性フィルムまたはシート
    を、水不溶性のヘーズが20%未満の熱可塑性樹脂フィル
    ムまたはシートに、接着剤層を介して圧着することを特
    徴とする結露防止性積層フィルムまたはシートの製造方
    法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5964650A (ja) * 1982-10-04 1984-04-12 Kuraray Co Ltd 吸水性フイルム
JPS60137639A (ja) * 1983-12-26 1985-07-22 三菱レイヨン株式会社 防曇フイルム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5964650A (ja) * 1982-10-04 1984-04-12 Kuraray Co Ltd 吸水性フイルム
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