JPH08325037A - 撥水撥油防汚ガラス及びその製造方法 - Google Patents

撥水撥油防汚ガラス及びその製造方法

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JPH08325037A
JPH08325037A JP7131564A JP13156495A JPH08325037A JP H08325037 A JPH08325037 A JP H08325037A JP 7131564 A JP7131564 A JP 7131564A JP 13156495 A JP13156495 A JP 13156495A JP H08325037 A JPH08325037 A JP H08325037A
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JP
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water
repellent
oil
glass
surfactant
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Application number
JP7131564A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Ogawa
一文 小川
Yukio Nomura
幸生 野村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス基材1表面近傍にアルカリ金属を含ま
ないかまたはアルカリ金属含有量が少ないアルカリバリ
ヤー層2を形成した後、ガラス表面に界面活性剤分子を
共有結合によって形成して化学吸着膜3とすることによ
り、耐久性に優れた撥水撥油防汚ガラスを提供する。 【構成】 青板ガラス基板1を準備して、まず硫酸水溶
液で脱アルカリ処理する。例えば、濃硫酸を水で10%
程度に薄めた水溶液にガラス基材を浸漬して、90〜9
8℃で5時間程度処理する。この処理によりアルカリ成
分が溶出してアルカリバリヤー層2が形成できる。次
に、化学吸着用のフロロシラン系界面活性剤としてCF
3(CF27(CH2)2SiCl3を非水溶媒に溶解した溶
液に青板ガラス基板1を浸漬する。その後、非水溶液で
未反応物を除去し、水と反応させると単分子からなる化
学吸着膜3を有する撥水撥油防汚ガラスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水撥油防汚ガラス及
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、
建物、または自動車、電車、飛行機等の乗り物に用いら
れる窓ガラスや鏡、またはガラス容器や眼鏡等に用いら
れる高耐久性撥水撥油防汚ガラスに関するものであり、
表面近傍にアルカリを含まないかアルカリ含有量が少な
い層を備え、前記層に結合形成された界面活性剤よりな
る化学吸着膜を有する撥水撥油防汚性に優れた高耐久性
のガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス表面の撥水撥油性を改善する方法
として、ガラス基材の表面にフッ素系ポリマーを塗布焼
き付けたり、フロロカーボン系の化学吸着単分子膜を形
成する方法が提案されている。とくに後者のフロロカー
ボン系の化学吸着単分子膜を形成する方法は、本発明者
らによって複数の提案がなされている(特開平4−13
2637号公報、特開平4−221630号公報、特開
平4−367721号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
焼き付けによる塗布方法では製造が容易である反面、ガ
ラスが不動体であるため、ガラス表面と塗膜の密着性を
良くすることには限界があり、膜の剥がれが生じ耐久性
のよい塗膜は得られなかった。
【0004】一方、フロロカーボン系の化学吸着単分子
膜を形成する方法では、膜の剥がれに対する耐久性は得
られているが、耐熱性や耐水性、耐候性が悪い問題があ
った。この原因を調べると、ガラス基材に含まれている
ナトリウム等のアルカリ金属成分が原因であることが明
かとなった。すなわち、従来のフロロカーボン系の化学
吸着単分子膜は、耐アルカリ性が問題であった。
【0005】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、ガラス基材に含まれるアルカリ成分が原因で劣化や
分解していた化学吸着の耐久性、すなわち耐熱性や耐水
性、耐候性を改善することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の撥水撥油防汚ガラスは、ガラス表面に共有
結合によって形成された界面活性剤分子よりなる化学吸
着膜を有する撥水撥油防汚ガラスであって、前記ガラス
表面近傍はアルカリ金属を含まないかまたはアルカリ金
属含有量が少ないアルカリバリヤー層を備えていること
を特徴とする。
【0007】前記構成においては、界面活性剤分子がフ
ロロカーボン基を含んでいることが好ましい。撥水撥油
防汚性に優れているからである。また前記構成において
は、界面活性剤分子よりなる化学吸着膜がSiO基を介
して基材表面と共有結合していることが好ましい。界面
活性剤のたとえばクロロシリル基とガラス基材表面の水
酸基等の親水性基との脱塩化水素反応によりSiO基が
残るからである。またSiO基はアルカリ金属によって
加水分解されやすいため、ガラス表面近傍はアルカリ金
属を含まないかまたはアルカリ金属含有量が少ない層を
形成しておくことはとくに意味がある。
【0008】また前記構成においては、界面活性剤分子
よりなる化学吸着膜がTiO基を介して基材表面と共有
結合していることが好ましい。界面活性剤のたとえばク
ロロチタニル基とガラス基材表面の水酸基等の親水性基
との脱塩化水素反応によりTiO基が残るからである。
またTiO基においても同様にガラス表面近傍はアルカ
リ金属を含まないかまたはアルカリ金属含有量が少ない
層を形成しておくことはとくに意味がある。
【0009】また前記構成においては、ガラス表面近傍
のアルカリバリヤー層のアルカリ金属濃度が0.1重量
%以下であることが好ましい。耐久性が向上するからで
ある。
【0010】次に本発明の撥水撥油防汚ガラスの製造方
法は、ガラス基材の表面の親水性基と縮合反応する官能
基を有する界面活性剤をガラス基材に接触させ、前記ガ
ラス基材の表面の親水性基と前記界面活性剤の官能基と
の間で縮合反応を生じさせ、前記界面活性剤を化学吸着
する撥水撥油防汚ガラスの製造方法であって、化学吸着
する前にあらかじめ前記ガラス表面近傍にアルカリ金属
を含まないかまたはアルカリ金属含有量が少ないアルカ
リバリヤー層を形成することを特徴とする。
【0011】前記構成においては、アルカリ金属を含ま
ないかまたはアルカリ金属含有量が少ない層に形成する
方法が、ガラス基材の表面を脱アルカリ金属処理する
か、または前記ガラス基材の表面にアルカリ金属を含ま
ないかまたはアルカリ金属含有量が少ない組成の層を形
成する方法であることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、脱アルカリ金属
処理が、ガラス基材表面を鉱酸を用いて接触処理するこ
とが好ましい。また前記構成においては、鉱酸が、硫
酸、発煙硫酸、塩酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸から
選ばれる少なくとも一つの酸であることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、鉱酸の接触処理
が、鉱酸を含む水または温水で処理するかまたは鉱酸の
ガスに接触させる方法であることが好ましい。鉱酸が液
体の場合は水溶液として用いるのが好ましく、鉱酸がガ
ス(たとえば発煙硫酸)の場合はガス接触法が好まし
い。
【0014】また前記構成においては、アルカリを含ま
ないかアルカリ含有量が少ないアルカリバリヤー層を形
成する方法が、ガラス基材の表面にシリカを含む被膜を
形成することが好ましい。
【0015】また前記構成においては、シリカを含む被
膜を形成する方法が、CVD(chemical vapor deposit)
法またはゾルゲル法を用いることが好ましい。また前記
構成においては、界面活性剤が、フロロカーボン基、お
よびクロロシリル基またはアルコキシ基を有するフロロ
シラン系界面活性剤を用いることが好ましい。
【0016】また前記構成においては、界面活性剤が、
フロロカーボン基とチタネート基を有するフロロチタン
系界面活性剤を用いることが好ましい。また前記構成に
おいては、フロロシラン系界面活性剤が、前記式(化
1)及び(化2)から選ばれる少なくとも一つであるこ
とが好ましい。
【0017】また前記構成においては、化学吸着処理
が、界面活性剤を非水溶媒に溶解させた溶液にガラス基
材を浸漬させるか、または界面活性剤のガス雰囲気中に
ガラス基材をさらす処理であることが好ましい。
【0018】また前記構成においては、界面活性剤を非
水溶媒に溶解させた溶液にガラス基材を浸漬させて化学
吸着処理した後、非水溶液で未反応界面活性剤を洗浄除
去することが好ましい。
【0019】
【作用】前記した本発明の撥水撥油防汚ガラスによれ
ば、ガラス表面に共有結合によって形成された界面活性
剤分子よりなる化学吸着膜を有する撥水撥油防汚ガラス
であって、前記ガラス表面近傍はアルカリ金属を含まな
いかまたはアルカリ金属含有量が少ないアルカリバリヤ
ー層を備えていることにより、ガラス基材に含まれるア
ルカリ成分が原因で劣化や分解していた化学吸着の耐久
性、すなわち耐熱性や耐水性、耐候性を改善できる。す
なわち、アルカリ金属成分を除去するか少なくしておけ
ば化学吸着膜のアルカリ加水分解を防ぐことができる。
【0020】次に本発明の撥水撥油防汚ガラスの製造方
法によれば、ガラス基材の表面の親水性基と縮合反応す
る官能基を有する界面活性剤をガラス基材に接触させ、
前記ガラス基材の表面の親水性基と前記界面活性剤の官
能基との間で縮合反応を生じさせ、前記界面活性剤を化
学吸着する撥水撥油防汚ガラスの製造方法であって、化
学吸着する前にあらかじめ前記ガラス表面近傍にアルカ
リ金属を含まないかまたはアルカリ金属含有量が少ない
アルカリバリヤー層を形成することにより、前記本発明
の撥水撥油防汚ガラスを効率良く合理的に製造できる。
【0021】以上述べたように、ガラス基材の表面にア
ルカリを含まないかアルカリ含有量が少ない層を形成
し、界面活性剤を非水系溶剤中に溶かした化学吸着液に
基材を接触させ前記アルカリを含まないかアルカリ含有
量が少ないアルカリバリヤー層の表面に前記界面活性剤
を化学吸着して撥水撥油防汚性の被膜を形成すること
で、耐久性に優れた撥水撥油防汚ガラスを実現できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を図1を用いて、ガラス基材の
表面にアルカリを含まないかアルカリ含有量が少ない層
を形成する工程と、界面活性剤を非水系溶剤中に溶かし
た化学吸着液に基材を接触させ前記アルカリを含まない
かアルカリ含有量が少ないアルカリバリヤー層の表面に
前記界面活性剤を化学吸着する工程を用いて撥水撥油防
汚ガラスを製造する方法について説明する。なお下記の
実施例においては、とくに明記しない限り%は重量%を
意味する。
【0023】(実施例1)あらかじめ、風冷強化した高
層建築の窓ガラスとして使用する青板ガラス基板1(白
板、色ガラス等でも同様に使用可能である)を準備し
て、硫酸水溶液で脱アルカリ処理する。例えば、濃硫酸
を水で10%程度に薄めた水溶液にガラス基材を浸漬し
て、90〜98℃で5時間程度処理(硫酸の他に塩酸や
硝酸、燐酸、有機酸等が利用可能であるが、とくに硫酸
が温度を高くしても蒸気圧が低いくて安定的に使用でき
て都合が良い。)する。その後良く水洗すると図1
(a)に示すように、ガラス基材1の表面近傍約1μm
程度の領域でナトリウム、カリウム等の(アルカリ成
分)が溶出して表面ではほとんどアルカリを含まない層
2(アルカリバリヤー層として機能する)が形成され
た。
【0024】次に、化学吸着用のフロロカーボン基、お
よびクロロシリル基を含むフロロシラン系界面活性剤と
して下記式(化3)に示す化合物を用いた。
【0025】
【化3】
【0026】前記式(化3)に示す化合物を、乾燥雰囲
気例えば相対湿度10%以下の空気雰囲気中で、3×1
-3Mol/L程度の濃度で非水溶媒に溶解して化学吸着溶
液を調整した。非水溶媒しては、80%n-ヘキサデカ
ン、12%四塩化炭素、8%クロロホルム溶液を用い
た。前記化学吸着溶液中にガラス基板1を室温で1時間
浸漬した。この浸漬処理により、基板1表面のほとんど
アルカリを含まない層2の表面は水酸基を多数含んでい
るため、前記式(化3)に示すクロロシラン系界面活性
剤のクロロシリル基と水酸基が下記式(化4)のように
脱塩酸反応(化学吸着という)した。
【0027】
【化4】
【0028】次に、クロロホルムなどの非水溶液で良く
洗浄して、未反応の前記式(化3)に示すクロロシラン
系界面活性剤が除去した。次に空気中にさらして水分と
反応させるかまたは流体の水と反応させると下記式(化
5)の反応が生じた。
【0029】
【化5】
【0030】次いで乾燥すると下記式(化6)の結合が
生成され、表面に−CF3 基が配列した撥水撥油防汚性
の化学吸着単分子膜3が1層、酸素原子を介してほとん
どアルカリを含まない層2と共有結合した形で、約2n
m程度の厚みで形成された(図1(b)(c)、図1
(c)は(b)の丸A部分の拡大模式図)。
【0031】
【化6】
【0032】なお、上記実施例では、フロロカーボン基
およびクロロシリル基を含むフロロシラン系界面活性剤
として前記式(化3)に示すクロロシラン系界面活性剤
を用いたが、前記一般式(化1)で表わされる界面活性
剤を使用することができる。より具体的にはクロロシリ
ル基を有する化合物としては下記式(化7)が挙げられ
る。
【0033】
【化7】
【0034】また、クロロシリル基の代わりにアルコキ
シ基を含むフロロシラン系界面活性剤も利用可能であっ
た。この場合には、上述の吸着液に触媒として有機酸を
数パーセント添加して脱アルコール反応させる必要があ
ったが、それ以外は実施例1と同様の条件で撥水撥油防
汚性の化学吸着単分子膜3と同様の被膜が作製できた。
この場合、吸着液をアルコールのような含水系の溶媒に
代えても成膜が可能であった。なお、含水系の溶媒を用
いる場合には、塩酸や硫酸、硝酸などの鑛酸利用できて
都合がよい。アルコキシシリル基を有する化合物として
は下記式(化8)がある。
【0035】
【化8】
【0036】より具体的にはクロロシリル基を有する化
合物としては下記式(化9)が挙げられる。
【0037】
【化9】
【0038】なお、上記物質のフッ素を水素に置換した
物質では、撥水性は確保できたが、撥油性および防汚性
は良くなかった。したがって、撥水性のみが必要とされ
る場合には使用可能である。
【0039】さらにまた、前記クロロシラン系界面活性
剤やアルコキシシラン系界面活性剤以外にも、フロロチ
タネート系界面活性剤として、例えば下記式(化10)
に挙げる化合物を用いることができる。
【0040】
【化10】
【0041】またフロロチオール系界面活性剤として、
例えば下記式(化11)に挙げる化合物を用いることが
できる。
【0042】
【化11】
【0043】なお、フロロチタネート系界面活性剤を用
いた場合は、化学吸着単分子膜作成時、脱アルコール反
応をともなって吸着がなされ、フロロチオール系界面活
性剤を用いた場合は、脱水反応をともなって吸着がなさ
れる。
【0044】上記実施例では、アルカリバリヤー層の上
に直接フロロカーボン系化学吸着単分子膜を形成する例
を示したが、化学吸着液に浸漬した後、反応途中、例え
ば5分後に吸着液から引き上げ乾燥雰囲気中(相対湿度
30%程度以下)で溶媒を蒸発させ、さらに空気中の水
分と反応させると、吸着分子が図1(c)のように配向
してない化学吸着ポリマー膜が形成できた。なお、単分
子膜では、撥水撥油膜が薄すぎる場合には、特開平4−
367721号公報に開示されたような方法を用いて単
分子膜を累積形成しておけば良い。
【0045】次に、実施例1で作製した基板表面の水に
対する濡れ角度を測定すると、濡れ角度は118度であ
った。そこで、この基板の撥水耐久性を300℃で加熱
して加速評価した。実施例1と同様の方法でフロロシラ
ン系の界面活性剤を直接普通の青板硝子表面に形成した
場合、初期値が接触角115度で耐熱試験後5時間で8
0度に劣化していたのに比べ、実施例1で得られたガラ
スはアルカリバリヤー層を挟んでいるため、5時間では
全く劣化せず、約100時間で80度になった。すなわ
ち、従来に比べ、約20倍程度耐久性の改善が見られ
た。
【0046】なお、脱アルカリは残留アルカリ濃度が低
いほど耐久性に対する効果が高いが、0.1重量%以下
にすると従来の板ガラスに比べて改善効果が表れた。ま
た、アルカリバリヤー層が厚いほど耐久性が高いことも
判ったが、通常の使用では1μm程度で十分性能を発揮
できる。さらにまた、脱アルカリ処理する前にガラス基
板表面にサブミクロンオーダの凸凹を作成しておいた場
合、防汚性は多少悪くなったが、水の濡れ角度は145
〜155度となり撥水撥油防曇性能および耐久性を同時
に向上させることができた。
【0047】(実施例2)あらかじめ風冷強化した自動
車窓ガラス用の着色ガラス基板を準備して、基板表面に
半導体製造で良く用いられるCVD法を用いて全くアル
カリ成分を含まないSiO2 膜を1ミクロンの厚みで形
成した。例えば、シランガスとNO2 ガスを用い400
℃、10分程度成膜処理した。(なお、このような純粋
なSiO2膜を形成する代わりに、耐水性が悪い問題は
あるが、リンやボロンを含むPSGやBSG被膜を形成
した方がアルカリバリヤー効果は高い。また、ゾルゲル
法や有機シラン化合物を塗布後加熱分解してSiO2
膜を形成する方法も利用可能であった。)。このことに
より、ガラス基材の表面近傍約1μm程度の領域で全く
アルカリ成分を含まないアルカリバリヤー層を形成でき
た。
【0048】次に、化学吸着用のフロロカーボン基、お
よびクロロシリル基を含むフロロシラン系界面活性剤と
して下記式(化12)に示す化合物を用いた。
【0049】
【化12】
【0050】前記式(化12)に示す化合物を、窒素雰
囲気中で5×10-2Mol/L 程度の濃度の濃度で非水溶媒
に溶解して化学吸着溶液を調整した。非水溶媒しては、
80%n-ヘキサデカン、12%四塩化炭素、8%クロ
ロホルム溶液を用いた。前記化学吸着溶液中にガラス基
板1を室温で10分浸漬した後、乾燥雰囲気(相対湿度
10%程度)中に取り出し5時間程度乾燥させ、さらに
ふつうの空気中(相対湿度60%程度)に取り出し空気
中の水分と反応させた。すると基板表面のアルカリバリ
ヤー層の表面は水酸基を多数含んでいるため、クロロシ
ラン系界面活性剤のクロロシリル基と水酸基が脱塩酸反
応して重合する。一方、表面に残った未反応のクロロシ
ラン系界面活性剤のクロロシリル基は空気中の水分と脱
塩酸反応して重合する。そこで、基板表面と部分的に共
有結合した下記式(化13)に示す分子を主成分とした
ポリマー膜が約5nm程度の厚みでアルカリバリヤー層
を介して結合形成された。
【0051】
【化13】
【0052】次に、実施例2で作製した基板表面の水に
対する濡れ角度を測定すると、濡れ角度は115度であ
った。さらに、この基板の耐久性を300℃で加熱して
加速評価した。フロロシラン系の界面活性剤を直接青板
硝子表面に形成した場合、初期値が接触角115度で耐
熱試験後5時間で80度に劣化していたのに比べ、実施
例2で得られたガラスは1ミクロンのアルカリを全く含
まないアルカリバリヤー層を挟んでいるため、100時
間では全く劣化せず、約500時間で接触角は80度に
なった。すなわち、本実施例品は従来に比べ約100倍
程度耐久性の改善が見られた。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、ガラス基材の表面
にアルカリを含まないかアルカリ含有量が少ないアルカ
リバリヤー層を形成し、界面活性剤を非水系溶剤中に溶
かした化学吸着液に基材を接触させ前記アルカリバリヤ
ー層の表面に前記界面活性剤を化学吸着して撥水撥油防
汚性の被膜を形成することで、直接ガラス板に形成した
場合に比べ格段に耐久性に優れた撥水撥油防汚ガラスを
提供できる効果がある。
【0054】なお、ガラス基材としては、建物、または
自動車、電車、飛行機等の乗り物に使用される窓ガラス
や鏡、またはガラス容器や眼鏡レンズ等に使用されるガ
ラスがあるが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、アルカリを含むガラスに高耐久性の化学吸着膜を形
成したい場合にはすべて利用可能なことは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のガラス表面の工程断面概
念図であり、(a)はアルカリバリヤー層を形成した状
態、(b)はアルカリバリヤー層の上に化学吸着膜を形
成した状態、(c)は(b)の丸A部を分子レベルまで
拡大した模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基材 2 アルカリを含まないかアルカリ含有量が少ない層
(アルカリバリヤー層) 3 フロロカーボン系化学吸着単分子膜

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス表面に共有結合によって形成され
    た界面活性剤分子よりなる化学吸着膜を有する撥水撥油
    防汚ガラスであって、前記ガラス表面近傍はアルカリ金
    属を含まないかまたはアルカリ金属含有量が少ないアル
    カリバリヤー層を備えていることを特徴とする撥水撥油
    防汚ガラス。
  2. 【請求項2】 界面活性剤分子がフロロカーボン基を含
    んでいる請求項1に記載の撥水撥油防汚ガラス。
  3. 【請求項3】 界面活性剤分子よりなる化学吸着膜がS
    iO基を介して基材表面と共有結合している請求項1ま
    たは2に記載の撥水撥油防汚ガラス。
  4. 【請求項4】 界面活性剤分子よりなる化学吸着膜がT
    iO基を介して基材表面と共有結合している請求項1ま
    たは2に記載の撥水撥油防汚ガラス。
  5. 【請求項5】 アルカリバリヤー層のアルカリ金属濃度
    が0.1重量%以下である請求項1に記載の撥水撥油防
    汚ガラス。
  6. 【請求項6】 ガラス基材の表面の親水性基と縮合反応
    する官能基を有する界面活性剤をガラス基材に接触さ
    せ、前記ガラス基材の表面の親水性基と前記界面活性剤
    の官能基との間で縮合反応を生じさせ、前記界面活性剤
    を化学吸着する撥水撥油防汚ガラスの製造方法であっ
    て、化学吸着する前にあらかじめ前記ガラス表面近傍に
    アルカリ金属を含まないかまたはアルカリ金属含有量が
    少ないアルカリバリヤー層を形成することを特徴とする
    撥水撥油防汚ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】 アルカリバリヤー層を形成する方法が、
    ガラス基材の表面を脱アルカリ金属処理するか、または
    前記ガラス基材の表面にアルカリ金属を含まないかまた
    はアルカリ金属含有量が少ない組成の層を形成する方法
    である請求項6に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 脱アルカリ金属処理が、ガラス基材表面
    を鉱酸を用いて接触処理する請求項7に記載の撥水撥油
    防汚ガラスの製造方法。
  9. 【請求項9】 鉱酸が、硫酸、発煙硫酸、塩酸、硝酸、
    亜硝酸、燐酸、亜燐酸から選ばれる少なくとも一つの酸
    である請求項8に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 鉱酸の接触処理が、鉱酸を含む水また
    は温水で処理するかまたは鉱酸のガスに接触させる方法
    である請求項8に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 アルカリバリヤー層を形成する方法
    が、ガラス基材の表面にシリカを含む被膜を形成する請
    求項7に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方法。
  12. 【請求項12】 シリカを含む被膜を形成する方法が、
    CVD(chemical vapor deposit)法またはゾルゲル法を
    用いる請求項11に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 界面活性剤が、フロロカーボン基、お
    よびクロロシリル基またはアルコキシ基を有するフロロ
    シラン系界面活性剤を用いる請求項6に記載の撥水撥油
    防汚ガラスの製造方法。
  14. 【請求項14】 界面活性剤が、フロロカーボン基とチ
    タネート基を有するフロロチタン系界面活性剤を用いる
    請求項6に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方法。
  15. 【請求項15】 フロロシラン系界面活性剤が、下記式
    (化1)及び(化2)から選ばれる少なくとも一つであ
    る請求項13に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方法。 【化1】 【化2】
  16. 【請求項16】 化学吸着処理が、界面活性剤を非水溶
    媒に溶解させた溶液にガラス基材を浸漬させるか、また
    は界面活性剤のガス雰囲気中にガラス基材をさらす処理
    である請求項6に記載の撥水撥油防汚ガラスの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 界面活性剤を非水溶媒に溶解させた溶
    液にガラス基材を浸漬させて化学吸着処理した後、非水
    溶液で未反応界面活性剤を洗浄除去する請求項16に記
    載の撥水撥油防汚ガラスの製造方法。
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