JPH08326785A - スタ−タ用一方向性クラッチ - Google Patents

スタ−タ用一方向性クラッチ

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JPH08326785A
JPH08326785A JP7128705A JP12870595A JPH08326785A JP H08326785 A JPH08326785 A JP H08326785A JP 7128705 A JP7128705 A JP 7128705A JP 12870595 A JP12870595 A JP 12870595A JP H08326785 A JPH08326785 A JP H08326785A
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clutch
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ring gear
way clutch
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Yasuhiro Nagao
長尾  安裕
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】伝達トルク及びクラッチローラーの耐磨耗性を
確保しつつ小型軽量化を図った一方向性クラッチの提
供。 【構成及び効果】一方向性クラッチ350は、ローラー
収容溝351aを有するクラッチアウタ351とは反対
側のクラッチインナ352の外周面にローラ係合溝35
5がローラー収容溝351aよりも多数、周方向に形成
される。このようにすれば、クラッチを繋ぐ時点、特に
オーバーランニング状態からピニオン駆動状態に移行す
る過渡期間において、ローラー係合溝355の配設ピッ
チがローラー収容溝351aの配設ピッチより小さいの
で、ローラー353の空走距離を短縮でき、その結果と
して過渡時に生じる衝撃トルクを軽減でき、クラッチロ
ーラー353の磨耗量を低減しつつクラッチの小型軽量
化を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スタ−タ用の一方向性
クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、スタ−タは、バッテリからの
電流エネルギーを直流電動機により機械エネルギーに変
換し、これをエンジンに伝達し、エンジン始動に必要な
回転数を得、エンジン始動後はエンジンからの機械エネ
ルギーを遮断して自身を保護するように設計されてい
る。また、その1回の作動時間は、通常2秒以下と非常
に短時間で各部品の動作速度も速く、すべての面で極端
な短時間定格仕様にて設計がなされている。
【0003】近年、燃費改善、エンジン性能向上、運転
性能向上等のため、小型軽量化要求の増大、EFI化へ
の対応、使用温度範囲の拡大、耐振性の向上など、スタ
ータへの要求は年々、厳しくなっていている。これに対
応するため、約20年前に、内部減速装置をもち、耐熱
性、耐振性を向上させたスタータが開発され、順次バリ
エーションが増えるとともに改良が加えられ、現在では
主流を占めるに至っている。
【0004】この内部減速装置を有するスタータでは、
減速比を順次大きくすることにより、モータの大幅な小
型軽量化を順次達成してきた。しかし、力を伝達する減
速部や一方向性クラッチにおいては、減速比の増大によ
る慣性質量の大幅な増大に伴い、増加する衝撃負荷やエ
ンジン追従性の悪化をカバーするため、小型軽量化や構
成の簡素化に逆行しているのが現状である。
【0005】更に、従来のスタータのクラッチは、オー
バーラン性能を重視し、摩擦力を利用したローラークラ
ッチが主流であったが、エンジン始動時の立ち上がり回
転数の増加などの要因もあって、伝動子であるローラの
磨耗が増大し、トルク伝達に必要な摩擦力を得ること
と、ローラの磨耗を低減することとを両立する範囲で封
入グリースの摩擦係数を選択せねばならず、グリース選
択が容易ではなかった。
【0006】このため、本出願人は特願平6ー2223
28号の出願にてこれらの問題を改善する一方向性クラ
ッチを提案したが、この提案でもまだ伝動子の空走距離
が長いので、伝動子が空走している間に衝撃エネルギが
蓄積されて大きな衝撃が発生するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た一方向性クラッチでは、ローラの摩擦を利用してトル
ク伝達を行うのでローラに大荷重を掛ける必要があり、
小型軽量化が困難であるという問題があった。また、最
近のエンジンの傾向から、始動時のエンジン回転数が増
加し、ローラの磨耗が増大し、ローラ寿命が短縮される
という状況が生じており、ローラの磨耗低減のためにグ
リースの摩擦係数を低減すると、必要なトルク伝達のた
めに装置が一層大型大重量化してしまうという問題もあ
った。
【0008】そこで、本出願人は、摩擦力によらないト
ルク伝達方式を行うラチェット式の一方向性クラッチ
を、特願平6ー222327号及び特願平6ー2223
28号の出願にて提案しているが、これらの方式では、
エンジンクランキング中の脈動時においてクラッチが断
続する際、伝動子の空走距離が大きいと、クラッチ接続
時の衝撃が増大してしまうという問題が新たに派生する
ことが判明した。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、エンジンクランキング中の脈動時においてクラッ
チが断続する際の衝撃を低減しつつスタータの小型軽量
化を実現することを、その目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成は、
ローラー接触面をなす外周面にローラー係合溝及びロー
ラー収容溝の一方が互いに周方向へ所定間隔を隔てて複
数凹設されたクラッチインナと、前記クラッチインナの
前記外周面に対して径方向へ所定間隙を隔てて対面して
ローラー接触面をなす内周面に前記両溝の他方が互いに
周方向へ所定間隔を隔てて複数凹設されたクラッチアウ
タと、前記ローラー収容溝に略周方向へ変位可能に個別
に収容されるとともに前記ローラー収容溝の所定の接続
位置にて前記ローラー係合溝に係合して前記クラッチイ
ンナ及びクラッチアウタ間の一方向のトルク伝達を仲介
する複数のクラッチローラーと、前記クラッチローラー
を前記接続位置へ向けて付勢する付勢手段とを備え、リ
ングギアに噛合するピニオンギアと電機子側出力軸との
間に介設されて前記電機子側出力軸から前記ピニオンギ
アへトルクを伝達する一方向性クラッチであって、前記
ローラー係合溝は周方向へ前記ローラー収容溝よりも多
数配設されていることを特徴とするスタ−タ用一方向性
クラッチである。
【0011】本発明の第2の構成は、上記第1の構成に
おいて更に、前記ローラー収容溝の個数が前記ローラー
収容溝の個数の複数倍であることを特徴としている。本
発明の第3の構成は、上記第1の構成において更に、前
記複数のクラッチローラーの一部は前記ローラー係合溝
を含む前記ローラー接触面の第1接触部位で接触し、前
記複数のクラッチローラーの残部は前記ローラー係合溝
を含む前記ローラー接触面の第2接触部位で接触し、前
記両接触部位の径方向位置は異なることを特徴としてい
る。
【0012】本発明の第4の構成は、上記第1乃至第3
のいずれかの構成において更に、前記一方向性クラッチ
が、プラネタリギアを支承する減速軸がピニオンギア側
に連結され、サンギアが電機子出力軸に連結された遊星
減速機構のインターナルギアと固定部材との間に介設さ
れることを特徴としている。本発明の第5の構成は、上
記第1乃至第4のいずれかの構成において更に、前記電
機子出力軸と前記リングギヤとの回転数比を掛けて前記
両者の回転数が定回転状態で等値となるように換算した
前記電機子出力軸の換算回転数が前記エンジンのクラン
キング回転数の脈動変化時の減速局面にて前記リングギ
アの回転数以上となる回転数交差時点以前に前記ピニオ
ンギアの駆動側の歯面を前記リングギアの被駆動側の歯
面に当接させる所定の空転トルク値を有することを特徴
としている。
【0013】
【作用及び発明の効果】本発明の第1の構成では、通常
の一方向性クラッチの構成において更に、クラッチイン
ナ及びクラッチアウタのうち、ローラー収容溝が形成さ
れない方のローラー接触面に、ローラー係合溝がローラ
ー収容溝より多数、周方向へ配設される。なお、電機子
出力軸がピニオンギアを駆動するピニオン駆動状態にお
いてクラッチローラーはローラー係合溝に嵌合した状態
となってトルク伝達を行い、ピニオンギアの回転数が電
機子出力軸のピニオンギア換算回転数より大きい場合に
クラッチローラーは転動子非収容側筒部の接触面に対し
て相対回転してオーバーランニング状態となる。クラッ
チを繋ぐ時点、特に、オーバーランニング状態からピニ
オン駆動状態に移行する過渡期間において、ローラー係
合溝の配設ピッチがローラー収容溝の配設ピッチより小
さいので、ローラーの空走距離が減少でき、この結果と
して接続の際の衝撃トルクを低減することができる。そ
して、従来の摩擦力を利用するトルク伝達形式に比較し
てトルク伝達のための伝動子の押圧荷重を低減でき、か
つ上述のように衝撃トルクも低減できるので、一方向性
クラッチ全体の小型軽量化を実現することができる。
【0014】本発明の第2の構成では、上記第1の構成
において更に、ローラー収容溝の個数がローラー収容溝
の個数の複数倍とされているので、常にローラー全てが
動力伝達に寄与でき、偏心荷重の発生を阻止してローラ
ー1個あたりの負担荷重を軽減して、ローラーなどの小
型軽量化合や素材選択範囲の拡大を実現することができ
る。
【0015】本発明の第3の構成では、上記第1の構成
において更に、クラッチローラーは転動子非収容側筒部
の各ローラー接触面の周方向における少なくとも第1接
触部位及び第2接触部位で接触し、第1接触部位と第2
接触部位とはそれぞれ軸心からの距離(すなわち径方向
位置)が異なるので、空走距離を更に短縮してクラッチ
ローラーの磨耗を低減することができ、クラッチの断続
を迅速に行うことができる。
【0016】更に説明すると、ローラー係合溝は最もロ
ーラーと強く係合する最大係合位置(すなわちクラッチ
ローラーがローラー係合溝の肩部に当接する位置)を有
し、オーバーランニング状態からピニオン駆動状態に移
行する際、クラッチローラーがローラー係合溝に対して
周方向へ相対変位してローラの一部又は全部はこの位置
にセットされる。ここで、各クラッチローラーが転動子
非収容側筒部のローラー接触面の径方向等位置に当接さ
れる場合、換言すれば、ローラー係合溝の上記最大係合
位置から等距離に位置する場合、もし各クラッチローラ
ーがこれら最大係合位置から最遠位置に存在したとする
と、全てのクラッチローラーが長い空走距離をいたずら
に相対変位しなければそれぞれローラー係合溝に係合で
きない(落ち込めない)場合が生じ、この場合には、オ
ーバーランニング状態から駆動状態に移行してからすぐ
に一方向性クラッチが繋がらず、このためにクラッチア
ウタ及びクラッチインナのうち、駆動する方が加速され
たり接続衝撃が増大するなどの不具合が生じてしまう。
すなわち、第1の構成で述べた空走距離短縮による作用
効果が減殺される。
【0017】これに対し、本構成では、ローラー係合溝
の凹設により周方向へ変位するにつれて径方向位置が周
期的に変化するローラー接触面の互いに異なる径方向位
置に別々に位置する第1接触部位、第2接触部位に各ロ
ーラが接触するので、両接触部位のうち、上記最大係合
位置に近い方に存在するクラッチローラーが空走距離が
短いので素早くローラー係合溝の最大係合位置に落ち込
んで先に結合状態(トルク伝達状態)となり、ピニオン
駆動状態となることができる。したがって、第1の構成
の作用効果を一層向上することができる。
【0018】本発明の第4の構成では、上記第1乃至第
3のいずれかの構成において更に、一方向性クラッチ
が、プラネタリギアを支承する減速軸がピニオンギア側
に連結され、サンギアが電機子出力軸に連結された遊星
減速機構のインターナルギアと固定部材との間に介設さ
れるので、大径の部位に係合溝を多数形成することが可
能となり、係合溝のピッチを一層縮小することができ、
空走距離の一層の短縮及び衝撃トルクの一層の低減を実
現することができる。また、減速比の分だけトルクが小
さく、また径が大きいので伝動子押圧荷重を軽減でき、
衝撃低減及び応力集中の軽減により、低強度の樹脂材料
の採用など素材選択の幅を更に拡大することができる。
【0019】本発明の第5の構成では、上記第1乃至第
4のいずれかの構成において更に、電機子出力軸とリン
グギヤとの回転数比を掛けて両者の回転数が定回転状態
で等値となるように換算した電機子出力軸の換算回転数
がエンジンのクランキング回転数の脈動変化時の減速局
面にてリングギアの回転数以上となる回転数交差時点以
前にピニオンギアの駆動側の歯面をリングギアの被駆動
側の歯面に当接させる空転トルク値をこの一方向性クラ
ッチに与えるので、上記回転数交差時点経過後、ピニオ
ンギアが電機子出力軸により駆動されてリングギアを駆
動し始める時点でのバックラッシュが解消でき、歯面衝
撃を大幅に低減することができ、その結果、始動騒音低
減及びスタータ強度の格段の低減を実現することができ
る。 以下、本構成の作用効果について更に詳しく説明
する。まず、従来のスタ−タにおける問題を説明する。
【0020】リングギアとピニオンギアとの噛合を通じ
て始動トルクを伝達する従来のスタータでは、両ギヤの
歯面間の隙間があるためにバックラッシュによる歯面衝
撃が不可避的に発生し、この問題は、スタ−タ内部に減
速装置を有する減速型スタータではピニオンギア側回転
系の慣性が増大するので一層重大となっていた。特に、
エンジンのクランキング時においてはエンジンの爆発行
程期間と圧縮行程期間とでエンジンの発生トルクが正負
に反転し、いわゆるトルク脈動が生じてリングギアの歯
面がピニオンギアの歯面を繰り返し叩く現象が生じ、騒
音低減の障害となっていた。また、この時に生じる大き
な歯面衝撃を考慮してスタータを設計せねばならず、そ
の小型軽量化の障害となっていた。
【0021】この問題に対し、本構成にように一方向性
クラッチの空転トルクの低減により、両歯面を上記回転
数交差時点以前に当接させると、簡単に歯面衝接時の衝
撃を低減できることがわかった。更に説明すれば、ピニ
オンギアと一体に回転する回転質量系であるピニオンギ
ア回転質量系は、バックラッシュを通じてリングギアに
対して相対微小回転可能となっており、一方向性クラッ
チを通じて電機子出力軸に対して所定の相対回転範囲に
おいて相対回転可能となっている。リングギアのクラン
キング脈動時の減速局面では、いままでリングギアによ
り駆動されていたピニオンギアはリングギアより過渡的
に相対的に高速となり、その結果、ピニオンギアの被駆
動側の歯面はリングギアの駆動側の歯面より離れ、それ
に続く更なるリングギアの減速によりピニオンギアの駆
動側の歯面がリングギアの被駆動側の歯面に当接する。
すなわち、両ギアの当接状態は、ピニオンギア駆動当接
状態からリングギア駆動当接状態に変化する。ピニオン
ギア駆動当接状態は、リングギアの回転数がピニオンギ
アの換算回転数より小さくなった時点から開始される。
リングギア駆動当接状態が生じる時点は、摩擦を無視す
れば原理的には次のように決定される。
【0022】まず、以下の説明で角速度、角加速度はリ
ングギヤに換算した値とする。時点tpはリングギアが
加速から減速に向かう時点すなわちその振動周期におい
て角速度がピークとなる時点とし、この時のリングギア
の角速度ωrをωroとし、ピニオンギアの角速度ωp
をωpoとし、この時のアーマチャの角速度ωaをωa
oとする。ωaoはωpoに等しい。時点tpから時間
Δt後の時点t1におけるリングギアの角速度ωrをω
r1とし、この時のピニオンギアの角速度ωpをωp1
とする。次に、その後、リングギアの角速度ωrとピニ
オンギアの角速度ωpとが一致した時点tc(=tp+
Δtpc)におけるリングギアの角速度ωrをωr2と
し、ピニオンギアの角速度ωpをωp2とし、この時の
アーマチャの角速度ωaをωa2とする。当然、ωr2
=ωp2=ωa2である。
【0023】ここで、アーマチャの角加速度をα、リン
グギアの角加速度をβ、ピニオンギアの角加速度をγと
する。計算範囲において、これらの角加速度は一定と近
似する。角度で表したバックラッシュ量をθb、Tkを
空走トルク、Iを慣性質量とする。当然、各加速度は、
加速方向を+として取り扱う。時点tpから時点tcの
間の期間Δtpcにおいて、すなわち、リングギアの角
速度ωrがピーク値から減速し、逆にピニオンギアの角
速度ωpが増大して、両者が一致するまでの期間Δtp
cにおいて、以下の数式が成立する。
【0024】
【数1】ωro−ωao=△tpc(α−β) 数式1を移項して、
【0025】
【数2】△tpc=(ωro−ωao)/(α−β) 次に、時点tpから時点t1の間の期間Δt(Δt<Δ
tpc)において、以下の数式が成立する。
【0026】
【数3】θb=0.5(γ−β)△t2 数式2を移項して、
【0027】
【数4】 △t=(2θb/(γ−β))1/2 ,(γ−β>0) なお、γは空走トルクTkと慣性質量Iとの間で以下の
数式で規定される。
【0028】
【数5】γ=−Tk/I 上式から、以下の数式が成立する。
【0029】
【数6】 △tpc−△t =(ωro−ωao)/(α−β)ー((2θb)/(γ−β))1/2 =(ωro−ωao)/(α−β) ー(2θb/(−Tk/I−β))1/2 >0 数式6から、以下の数式を導出できる。
【0030】
【数7】 ((ωro−ωao)/(α−β))2 >2θb/(−Tk/I−β) =−2θbI/(Tk+βI) したがって、次の数式が成り立つ。
【0031】
【数8】 −(Tk+βI)>((α−β)/(ωro−ωao))2 ・2θbI したがって、次の数式が成り立つ。
【0032】
【数9】 Tk<−βI−((α−β)/(ωro−ωao))2 ・2θbI 上記数式の物理的な意味を以下に説明する。上記期間に
おいて一方向性クラッチは空転しており、この時、ピニ
オンギア回転質量系から電機子出力軸側へ空転トルクが
供給され、電機子出力軸側の回転質量系はこれにより加
速され、またこの時スタ−タモータが電動動作していれ
ばその電動トルクによっても加速される。逆に、上記両
状態間の間において、ピニオンギア回転質量系は上記空
転トルクによる電機子出力軸の加速により消耗して減速
される。
【0033】ピニオンギアの減速及び電機子出力軸の増
速によりピニオンギアの換算角速度ωpが電機子出力軸
の換算角速度ωaに一致する時点をtcとすれば、上記
時点tpから時点tcまでの時間(すなわち、ピニオン
ギアがリングギアよるトルクを受け取らなくなってから
ピニオンギアが電機子出力軸と実質的に結合されるまで
の時間)Δtpcを、上記Δtより長く設定すれば、歯
面衝撃を解消できることがわかる。
【0034】空転トルクTkが大きければ、リングギア
が減速するにも関わらずピニオンギアの運動エネルギ消
耗も大きくなってピニオンギアの減速率も増大する。そ
の結果、ピニオンギアよりリングギアの換算角速度が相
対的に大きくなって、ピニオンギアが上記両歯面間で変
位してバックラッシュを解消する時点が遅れてしまう。
一方、ピニオンギア回転質量系の慣性質量Iが増大する
と、空転トルクによる運動エネルギの消耗によるピニオ
ンギアの減速率が小さくなり、この結果、ピニオンギア
がリングギアより相対的に高速化して上記バックラッシ
ュの解消を速やかに行うことができる。
【0035】すなわち、空転トルクTkを(−βI−
((α−β)/(ωro−ωao)) 2 ・2θbI)よ
り小さく設定することにより、歯面衝撃を大幅に低減で
きることがわかる。
【0036】
【実施例】次に、本実施例のスタ−タを、図1を参照し
て説明する。このスタ−タは、エンジンに配設されたリ
ングギア100に噛み合うピニオン200や遊星歯車機
構300を内包するハウジング400と、モータ500
と、マグネットスイッチ600を内包するエンドフレー
ム700とに大別される。また、スタ−タの内部では、
ハウジング400とモータ500との間がモータ隔壁8
00によって区画されている。 〔ピニオン200の説明〕図1に示すように、ピニオン
200には、エンジンのリングギア100に噛合するピ
ニオンギア210が形成されている。
【0037】ピニオンギア210の内周面には、出力軸
220に形成されたヘリカルスプライン221に嵌まり
合うピニオンヘリカルスプライン211が形成されてい
る。一方、ピニオンギア210は、圧縮コイルバネより
なるリターンスプリング240により常に出力軸220
の後方へ付勢されている。リターンスプリング240
は、直接ピニオンギア210を付勢するのではなく、リ
ング体420を介してピニオンギア210を付勢する。 〔遊星歯車機構300の説明〕遊星歯車機構300は、
図1に示すように、モータ500の回転数を減速して、
モータ500の出力トルクを増大する減速手段である。
遊星歯車機構300は、モータ500のアーマチャシャ
フト510の前側外周に形成されたサンギヤ310と、
このサンギヤ310に噛合し、このサンギヤ310の周
囲で回転する複数のプラネタリーギヤ320と、このプ
ラネタリーギヤ320をサンギヤ310の周囲で回転自
在に支持する出力軸220と一体形成されたプラネット
キャリア330と、プラネタリーギヤ320の外周にお
いてプラネタリーギヤ320と噛合する筒状で、かつ樹
脂からなるインターナルギヤ340とからなる。 〔オーバーランニングクラッチ350の説明〕オーバー
ランニングクラッチ(一方向性クラッチ)350は、イ
ンターナルギヤ340を、一方向のみ(エンジンの回転
を受けて回転する方向のみ)回転可能に支持されてい
る。オーバーランニングクラッチ350は、インターナ
ルギヤ340の前側に一体形成された第1の円筒部をな
すクラッチアウタ351と、遊星歯車機構300の前方
を覆う固定側をなすセンターブラケット360の後面に
形成されている。一方向性クラッチ350は、図2に示
すように、クラッチアウタ351の内周と対面して配置
された第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ352
と、クラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成され
たローラー収納部(本発明でいうローラー収容溝)35
1aに収納されるローラー353とを有している。この
ローラー収納部351aは周方向に傾斜しており、スタ
−タ駆動時にローラー353と係合するローラー係合面
351bを有している。
【0038】クラッチインナ352の外周面には、周方
向に複数個のローラー溝部(本発明でいうローラー係合
溝)355が形成されている。このローラー溝部355
はスタ−タ駆動時にローラー353を係合するローラー
係合面352bと、このローラー収納部352bに導く
ローラーガイド面352cとを有している。また、ロー
ラー収納部351aのローラー係合面351bの対面側
には、スタ−タオーバーラン時に、ローラー353をロ
ーラー収納部351aにすくい上げる働きをするローラ
ー収納ガイド部351dを備える。クラッチアウタ35
1のローラー係合面351bと、クラッチインナ352
のローラー係合面352bとの位置関係は、スタ−タ駆
動時にローラー353をそれぞれの面でトルク伝達方向
前後から挟み込むように構成されており、クラッチアウ
タ351のローラー収納部351aは、スタ−タオーバ
ーラン時に、ローラー353を収納した際に、ローラー
353の最内径がクラッチインナ352の最外径より若
干大きくなるように設定されている。
【0039】このように構成すれば、スタ−タがエンジ
ンによりオーバーランされた時に、モータ500とピニ
オンギア210との回転差を吸収するようにクラッチア
ウタ351であるインターナルギヤ340がクラッチイ
ンナ352に対し空転すると、ローラー353はその遠
心力を受けてクラッチインナ352外周面から離脱し、
ローラー353やクラッチインナ352外周面の異常摩
耗が防止できる。
【0040】また、クラッチインナ352においても、
ローラー係合面352bとローラー353との接触部
で、従来の楔効果を利用したローラー式一方向クラッチ
のような大きな応力がかからず、強度を増大することな
く大トルクの伝達が行える。また、オーバーランニング
クラッチ350は、出力軸220を軸受370を介して
回転自在に支持するセンターブラケット360を利用し
ているので、軸方向長も長くすることなしに小型化を図
ることができる。 〔センターブラケット360の説明〕センターブラケッ
ト360は、ハウジング400の後側の内部に配置され
ている。ハウジング400とセンターブラケット360
とは、ハウジング400に係止されている。 〔プラネットキャリア330の説明〕プラネットキャリ
ア330は、後端に、プラネタリーギヤ320を支持す
るために径方向に伸びるフランジ形突出部331を備え
る。このフランジ形突出部331には、後方に伸びるピ
ン332が固定されており、このピン332がメタル軸
受333を介してプラネタリーギヤ320を回転自在に
支持している。
【0041】また、プラネットキャリア330は、前側
端部がハウジング400の前端内部に固定されたハウジ
ング軸受(図示せず)と、センターブラケット360の
内周の内側筒部365内に固定されたセンターブラケッ
ト軸受370とによって、回転自在に支持されている。
このプラネットキャリア330は、内側筒部365の前
端位置に環状溝334を備え、この環状溝334には、
止め輪が嵌め合わされている。この止め輪と内側筒部3
65の前端との間には、プラネットキャリア330に対
して回転自在に装着されたワッシャ336が設けられて
おり、止め輪がワッシャ336を介して内側筒部365
の前端に当接することにより、プラネットキャリア33
0が後方に移動することが規制される。また、プラネッ
トキャリア330の後側を支持するセンターブラケット
軸受370の後端は、内側筒部365の後端と、フラン
ジ形突出部331との間に挟まれるフランジ部371を
備え、フランジ形突出部331がフランジ部371を介
して内側筒部365の後端に当接することにより、プラ
ネットキャリア330が前方に移動することが規制され
る。
【0042】なお、プラネットキャリア330の後面に
は、軸方向に伸びる凹部337を備え、この凹部337
内に配置されるプラネットキャリア軸受380を介して
アーマチャシャフト510の前端を回転自在に支持して
いる。 〔ハウジング400の説明〕ハウジング400は、ハウ
ジング400の前端内部に固定された図示しないハウジ
ング軸受で出力軸220を軸支するとともに、図示しな
い開口部からの雨水等の進入を極力低減するために、開
口部にシャッタ420が配設される。 〔モータ500の説明〕モータ500は、ヨーク50
1、モータ隔壁800、不図示のブラシ保持部材に囲ま
れて配置されている。なお、モータ隔壁800は、セン
ターブラケット360との間で遊星歯車機構300を収
納するもので、遊星歯車機構300内の潤滑油がモータ
500に進入するのを防ぐ役目も果たす。
【0043】モータ500は、図1に示すように、アー
マチャシャフト510、このアーマチャシャフト510
に固定されて一体に回転する不図示の電機子鉄心および
電機子コイルから構成されるアーマチャ(図示せず)
と、このアーマチャを回転させる固定磁極(図示せず)
とから構成され、固定磁極はヨーク(図示せず)の内周
に固定されている。 〔アーマチャシャフト510の説明〕アーマチャシャフ
ト510は、プラネットキャリア330の後内部のプラ
ネットキャリア軸受380、およびエンドフレーム70
0内にある図示しない軸受によって回転自在に支持され
る。このアーマチャシャフト510の前端は、遊星歯車
機構300の内側に挿通されるとともに、上述のよう
に、アーマチャシャフト510の前端外周には遊星歯車
機構300のサンギヤ310が形成されている。 (作動説明) −始動開始時− 乗員によってキースイッチがスタ−タ位置に設定される
と、バッテリからマグネットスイッチ600の吸引コイ
ルに通電されて、スイッチ600の接点がONし、端子
620を介してモータ500へ通電されると同時に、図
示しないピニオン移行装置によりピニオン200が、リ
ングギア100に噛合い、モータ500で発生する回転
力がアーマチャシャフト510から減速機構300を通
じて増大されてプラネットキャリア330に伝達され、
更にスプライン221、211を通じてピニオン200
へ、更にリングギア100へと伝達され、エンジンを駆
動する。後述するクランキング状態を経てエンジンが着
火して始動することによってエンジンのリングギア10
0がピニオンギア210の回転よりも速く回転される
と、リングギア100の回転によってピニオンギア21
0が回転駆動される。すると、リングギア100からピ
ニオンギア210に伝えられた回転トルクは、プラネッ
トキャリア330を介してプラネタリーギヤ320を支
持するピン332に伝えられる。つまり、プラネットキ
ャリア330によってプラネタリーギヤ320が駆動さ
れる。すると、インターナルギヤ340には、エンジン
始動時とは逆回転のトルクがかかるため、オーバーラン
ニングクラッチ350がリングギア100の回転を許
す。つまり、インターナルギヤ340にエンジン始動時
とは逆回転のトルクがかかると、オーバーランニングク
ラッチ350のローラー353がクラッチインナ352
より離脱し、インターナルギヤ340の回転が可能にな
る。
【0044】つまり、エンジンが始動して、エンジンの
リングギア100がピニオンギア210を回転駆動する
相対回転は、オーバーランニングクラッチ350で吸収
され、エンジンによってアーマチャが回転駆動されるこ
とがない。エンジンが始動すると、乗員によってキース
イッチ10がスタ−ト位置から外され、マグネットスイ
ッチ600の吸引コイル650への通電が停止される。
【0045】これによりスイッチの接点がOFFすると
同時に図示しないピニオン移行装置も通電前の状態へ戻
り、ピニオン200はリターンスプリング240により
リングギアより離脱し、静止状態へ戻る。 −駆動状態(クランキング)時− 駆動状態(クランキング)を図2又は図3を参照して説
明する。なお、図3はローラー収納部351aの周方向
における配設位置を図2に対して変更した変形例である
が、構成要素の構造、作用は同じであるので共通機能を
有する構成要素には共通符号を付す。このローラー収納
部351aの周方向における配設位置の変更により、図
3のクラッチ350のローラー353はクランキング時
に全てローラー溝部355に収容され、かつ全てのロー
ラー353はローラー溝部355のローラー係合面35
2bに係合している。すなわち、全てのローラー353
はそれぞれ等径位置にてクラッチインナ352と係合し
ている。一方、図2のクラッチ350のローラー353
の内、互いに120度離れた3つのローラー353はク
ランキング時に全てローラー溝部355に収容され、か
つこれら3つのローラー353はローラー溝部355の
ローラー係合面352bに接触している。すなわち、こ
れら3つのローラー353はそれぞれ等径位置にてクラ
ッチインナ352と係合している。一方、図2のクラッ
チ350のローラー353の内、互いに120度離れた
残りの3つのローラー353はクランキング時にローラ
ー係合面352bよりも浅いローラー係合面352cに
接触している。すなわち、残りの3つのローラー353
は最初の3つのローラー353よりも軸心から遠い位置
にてクラッチインナ352に接触している。
【0046】すなわち、クランキング状態において、一
部又は全部のローラー353はアウタ351の溝部35
1aとインナの溝部352aとで形成される空間に収納
され、ローラー係合面351bと352bとローラー3
53との接触によりトルクを伝達する。 −オーバーランニング状態時− オーバーラン時には、図4に示すようにローラー353
は遠心力によりアウタ351の溝部351a、351d
に収納され、アウタ351とインナ352と相対回転自
在となる。 −オーバーランから駆動への移行時− オーバーラン状態からクランキング状態への移行は、図
5に示す過程を経て行われる。まずオーバーラン状態で
は、図4に示すようにエンジン回転数がスタ−タの回転
数より高いため、これを吸収するようにインターナルギ
ヤ340と直結したアウタ351が反時計方向に回転
(空転)している。エンジン回転数とスタ−タ回転数が
一致すると、アウタ351の回転数は「0」となる。こ
の時点で伝動子353とアウタ351及びインナ352
との関係が、図5の(a)に示すようになっていると、
トルク伝達するまでには空走距離Lだけ空走が生じれ
ば、アウタ351は時計廻り方向に回転スピードを持っ
た状態で駆動状態へ移行する。この時、衝撃が発生し、
その衝撃の大きさはアウタ351の回転スピードに係わ
るスタ−タとエンジンとの回転差に比例している。
【0047】本実施例では図2に示すように、クラッチ
アウタ351のローラー収納部(本発明でいうローラー
収容溝)351aより、クラッチインナ352のローラ
ー溝部(本発明でいうローラー係合溝)355を格段に
多く増設している。これにより、オーバーランニング状
態から駆動状態への移行に際して、ローラー353の空
走距離すなわち、現在位置に最も回転方向下流側で近接
するローラー係合面352bまでの周方向距離は短縮さ
れ、この空走距離短縮により前述の作用効果を奏するこ
とができる。
【0048】更に、図2の態様では、インナ352の外
周面とローラー353との接触部位の径方向位置が複数
設定されている.このようにすれば、インナ352のロ
ーラー溝部355のうちの1部が最悪の位置(空走距離
が最も大きい)にあったとしても、残部が素早くローラ
ー溝部355に落ち込んで駆動状態に達し(空走距離L
が短縮され)、アウタ351の回転スピードが小さくな
り、一方向性クラッチ350の結合衝撃を低減すること
ができる。
【0049】図6及び図7は図2の変形態様であるが、
図2と同様にインナ352の外周面とローラー353と
の接触部位の径方向位置が複数設定されている点では同
じである。ただ、図6ではローラー溝部355の周方向
配設ピッチを代えてこの構成を実現しているが、図7で
はローラー収納部の周方向配設ピッチを代えてこの構成
を実現している。
【0050】また、図3では、クラッチインナ352の
ローラー溝部(本発明でいうローラー係合溝)355を
クラッチアウタ351のローラー収納部(本発明でいう
ローラー収容溝)351aの整数(5)倍としている。
このように均等ピッチで整数倍とすることにより、全て
のローラー353がトルク伝達に寄与できる。また、偏
心荷重の発生も抑止することができるために、ローラー
353の一個当たりの荷重負担を低減しかつ均等化する
ことができ、クラッチの長寿命化及び小型軽量化を実現
することができる。
【0051】更に、上記各実施例の一方向性クラッチ
は、従来と同じくピニオンと一体に配置してもよく、そ
の一例を図8に示す。300aは遊星減速機構、200
0はピニオン、3500は一方向性クラッチ、3530
はクラッチローラー、3510はクラッチアウタ、35
20はクラッチインナである。 (実施例2)他の実施例を図9を参照して説明する。
【0052】図9にエンジン着火前のクランキング状態
でのリングギア100の回転数及びモータ軸(電機子出
力軸)510の換算回転数の時間変化を示し、図10に
従来のスタ−タにおけるエンジン着火後のクランキング
状態でのリングギア100の回転数及びモータ軸(電機
子出力軸)510の換算回転数の時間変化を示し、図1
1に本実施例のスタ−タにおけるエンジン着火後のクラ
ンキング状態でのリングギア100の回転数及びモータ
軸(電機子出力軸)510の換算回転数の時間変化を示
す。なお、上記従来のスタータに比べて本実施例のスタ
ータは一方向性クラッチ350の空転トルクが所定値以
下に低減されている。
【0053】まず、従来のクラッチを用いた場合を図
9、図10にて説明する。図9のようにクランキング行
程において上死点を過ぎると、エンジン(以後、エンジ
ンはリングギア100と一体回転するためリングギア1
00の運動をエンジンの運動として説明する)は、膨張
行程となるため急激に速度(回転数)が上昇する。しか
し、スタ−タモータ500は、エンジンからの力がクラ
ッチ350で遮断されるため、モータ500自身のトル
クとクラッチ350の空転トルクとの合成トルクにて加
速されるのみである。従って、図9の破線のようにリン
グギア100と比較してゆっくり増速する。この時、ピ
ニオンギア210は、図12のようにB面にてリングギ
ア100より力を受けてリングギア100と同一速度と
なっている。リングギア100が更に回転し、中間点を
過ぎると、図9の実線のようにリングギア100は圧縮
力により減速される。この状態では、破線で示すように
スタ−タモータ500は更に加速を続けている。一方、
ピニオンギア210は、クラッチ350の空転トルクに
より減速されながら図10のようにリングギア100と
噛合ったまま一体で回転している。この時、従来のクラ
ッチでは空転トルクがピニオン200等の慣性に対して
大きくされていてリングギア100より速く減速される
ため、依然として図12のようにリングギア100より
力を受ける状態となっている。更に、リングギア100
が回転すると圧縮力が大きくなり急速に減速され、つい
には増速中のスタ−タモータ500の回転とA点にて同
一となる。この直前の時点ではまだ図12のように、リ
ングギア100からピニオンギア210、クラッチ35
0を介してモータ500へ力が伝達される状態であり、
モータ軸(電機子出力軸)510とリングギア100の
間には図12、図14のようにギア間の駆動側のバック
ラッシュCn、Cn1、Cn2やクラッチの遊び等があ
り、すぐには、モータ500からの動力をリングギア1
00に伝達できない。従ってギア間のバックラッシュや
クラッチの遊びが「0」となり駆動が可能となるまでに
空走状態が生じ、図9に示すようにリングギア100は
更に減速され、モータ500は更に加速された状態とな
り、大きな相対回転差(N1)が生じた後、B点にて初
めて動力を伝達する事になる。当然、ギア間では衝突が
生じ、大きな衝撃や、騒音が発生する。また、この衝突
によりスタ−タモータ500は図9に示すように急激に
減速されるとともにリングギア100は加速されるた
め、リングギア100の回転がスタ−タモータ500の
回転より再度大きくなる現象が生じる。従って上死点を
すぎるまで衝突を繰り返す事となる。
【0054】一方、本実施例のスタ−タでは図11に示
すように、膨張行程から圧縮行程へ入いる場合におい
て、ピニオンギア210を減速させるクラッチ350の
空転トルクが小さくされているので、ピニオンギア21
0の減速がリングギア100の減速より遅くなり(図1
1の破線参照)、駆動側のバックラッシュは図11のC
点において図13のように「0」の状態となる。従っ
て、A点において、ピニオンギア210とリングギア1
00と間のバックラッシュのための空走は生じない。
【0055】次に、この時の遊星減速機構300におけ
る状態を説明する。まず、圧縮行程に入ってリングギア
100が減速され始めると、ピニオンギアを含む減速部
は、慣性にて回転をつづけようとしている。この時、イ
ンターナルギヤ340はクラッチの空転トルクにより減
速される。しかし、図14に示すようにインターナルギ
ヤ340とプラネタリギヤ320は噛合っているため、
プラネタリギヤ320、シャフト331、ピニオンギア
200も同時に減速される。ところで、アーマチャギア
310はモータ500の増速により加速されているた
め、図14に示したプラネタリギヤ320とアーマチャ
ギア310との間のバックラッシュCn2はすぐに
「0」となり、アーマチャギア310からプラネタリギ
ヤ320に動力を伝える状態となる。
【0056】このアーマチャギア310からの動力によ
り加速されたプラネタリギヤ320は図14に示すイン
ターナルギヤ340とのバックラッシュCn1を「0」
とするように回転し、図15及び図16の駆動状態と同
じ、ギアの噛合状態となる。従って、内部減速装置30
0内のバックラッシュも「0」となり、図11のA点に
おいてギア間のバックラッシュによる空走がなくなる。
【0057】なお、一方向性クラッチ350の空転トル
クTkを(−βI−((α−β)/(ωro−ωa
o))2 ・2θbI)より小さく設定することにより、
歯面衝撃を大幅に低減できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタ−タの一実施例を示す一部破断軸
方向側面図である。
【図2】図1のスタ−タの一方向性クラッチの変形例の
クランキング時における断面図である。
【図3】図1のスタ−タの一方向性クラッチのクランキ
ング時における断面図である。
【図4】図1のスタ−タの一方向性クラッチのオーバー
ランニング時における断面図である。
【図5】図1のスタ−タの一方向性クラッチのオーバー
ランニング状態から駆動状態への過渡状態を示す断面図
である。
【図6】図2の一方向性クラッチの他の変形例を示す断
面図である。
【図7】図2の一方向性クラッチの他の変形例を示す断
面図である。
【図8】図1のスタ−タの変形例を示す断面図である。
【図9】従来におけるエンジン未着火時のエンジンクラ
ンキング脈動状態におけるリングギア、ピニオンギア、
電機子出力軸の回転数の変化を示す図である。
【図10】従来におけるエンジン着火後のエンジンクラ
ンキング脈動状態におけるリングギア、ピニオンギア、
電機子出力軸の回転数の変化を示す図である。
【図11】エンジン着火後のエンジンクランキング脈動
時のリングギア、ピニオンギア、電機子出力軸の回転数
の変化を示す図である。
【図12】リングギア100及びピニオンギア210の
オーバーラン時の状態を示す図である。
【図13】リングギア100及びピニオンギア210の
駆動時の状態を示す図である。
【図14】遊星減速機構の各ギヤのオーバーラン時の状
態を示す図である。
【図15】リングギア100及びピニオンギア210の
駆動時の状態を示す図である。
【図16】遊星減速機構の各ギヤのオーバーラン時(圧
縮行程時)の状態を示す図である。
【符号の説明】
100はリングギア、210はピニオンギア、510は
電機子出力軸、350は一方向性クラッチ、351はク
ラッチアウタ、352はクラッチインナ、353はクラ
ッチローラー、355はローラー溝部、351aはロー
ラー収納部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ローラー接触面をなす外周面にローラー係
    合溝及びローラー収容溝の一方が互いに周方向へ所定間
    隔を隔てて複数凹設されたクラッチインナと、前記クラ
    ッチインナの前記外周面に対して径方向へ所定間隙を隔
    てて対面してローラー接触面をなす内周面に前記両溝の
    他方が互いに周方向へ所定間隔を隔てて複数凹設された
    クラッチアウタと、前記ローラー収容溝に略周方向へ変
    位可能に個別に収容されるとともに前記ローラー収容溝
    の所定の接続位置にて前記ローラー係合溝に係合して前
    記クラッチインナ及びクラッチアウタ間の一方向のトル
    ク伝達を仲介する複数のクラッチローラーと、前記クラ
    ッチローラーを前記接続位置へ向けて付勢する付勢手段
    とを備え、リングギアに噛合するピニオンギアと電機子
    側出力軸との間に介設されて前記電機子側出力軸から前
    記ピニオンギアへトルクを伝達する一方向性クラッチで
    あって、 前記ローラー係合溝は周方向へ前記ローラー収容溝より
    も多数配設されていることを特徴とするスタ−タ用一方
    向性クラッチ。
  2. 【請求項2】前記ローラー収容溝の個数は前記ローラー
    収容溝の個数の複数倍である請求項1記載のスタ−タ用
    一方向性クラッチ。
  3. 【請求項3】前記複数のクラッチローラーの一部は前記
    ローラー係合溝を含む前記ローラー接触面の第1接触部
    位で接触し、前記複数のクラッチローラーの残部は前記
    ローラー係合溝を含む前記ローラー接触面の第2接触部
    位で接触し、前記両接触部位の径方向位置は異なる請求
    項1記載のスタ−タ用一方向性クラッチ。
  4. 【請求項4】前記一方向性クラッチは、プラネタリギア
    を支承する減速軸がピニオンギア側に連結され、サンギ
    アが電機子出力軸に連結された遊星減速機構のインター
    ナルギアと固定部材との間に介設される請求項1乃至3
    のいずれか記載のスタ−タ用一方向性クラッチ。
  5. 【請求項5】前記電機子出力軸と前記リングギヤとの回
    転数比を掛けて前記両者の回転数が定回転状態で等値と
    なるように換算した前記電機子出力軸の換算回転数が前
    記エンジンのクランキング回転数の脈動変化時の減速局
    面にて前記リングギアの回転数以上となる回転数交差時
    点以前に前記ピニオンギアの駆動側の歯面を前記リング
    ギアの被駆動側の歯面に当接させる所定の空転トルク値
    を有する請求項1乃至4のいずれか記載のスタ−タ用一
    方向性クラッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004040168A1 (ja) * 2002-10-31 2004-05-13 Yugenkaisha Wanda Kikaku 無段変速装置
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CN114144593A (zh) * 2019-07-26 2022-03-04 株式会社电装 离合器装置

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