JPH0832727B2 - 純化されたヒト血小板由来血管内皮細胞増殖因子及び純化する方法 - Google Patents

純化されたヒト血小板由来血管内皮細胞増殖因子及び純化する方法

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JPH0832727B2
JPH0832727B2 JP62242378A JP24237887A JPH0832727B2 JP H0832727 B2 JPH0832727 B2 JP H0832727B2 JP 62242378 A JP62242378 A JP 62242378A JP 24237887 A JP24237887 A JP 24237887A JP H0832727 B2 JPH0832727 B2 JP H0832727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本願発明はヒト血小板由来の血管内皮細胞増殖因子を
純化する方法に関するものである。
血管内皮細胞の増殖は血管新生、傷の癒着、アテロー
ム硬化症、および腫瘍の増殖のような各種の生理学的、
ならびに病理学的過程に中心的な役割りを持っている
[Folkman,J.“Cancer Res."(1986年)、46巻、467−4
73頁及びMaciag,T.“Prog.Hemostasis Thromb."(1984
年)7巻、167−182頁参照]。したがってこのような過
程の中では、血管内皮細胞の増殖を規制する因子が重要
である。報告によれば、処理されていない血小板は試験
管内でDNAの合成と血管内皮細胞の複製を刺激する[Sab
a,S.R.及びMason,R.G.“Thromb.Res"、(1975年)、7
巻、807−812頁:Maca.R.D.,Fry,G.L.,Hoak,J.C.及びLo
h,P.T.、“Thromb.Res"、(1977年)、11巻、715−727
頁:Fratkin,J.D.,Cancilla,P.A.及びDe Bault,L.E.“Th
romb.Res"、(1980年)、19巻、473−483頁参照]。さ
らに血小板溶解物の中に血管内皮細胞に対する増殖−促
進活性が認められている[Clemmons,D.R.,Isley,W.L.及
びBrown.M.T.、“Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A."、(1983
年)、80巻、1641−1645頁:King,G.L.及びBuchwald,S.
“J.Clin.Invest."(1984年)73巻、392−396頁:宮園
浩平、岡部哲郎、浦部晶夫、山中学、及び高久史麿、
“Biochem.Biophys.Res.Commun."(1985年)、126巻、8
3−88頁:宮園浩平、岡部哲郎、石橋俊、浦部晶夫、及
び高久史麿、“Exp.Cell.Res."(1985年)、159巻、487
−494頁及びSipes,N.J.,Meyskens,F.L.及びBregman,M.
D.、“Biochem.Biophys.Res.Commun."(1986年)、138
巻、795−802頁参照]。
最近、血管内皮細胞に対するポリペプチド増殖因子に
関する研究は神経組織由来の精製された、ヘパリン結合
性を有する増殖因子に関するものに集中している。これ
らの増殖因子(mitogen)2つの異なった種類に分類で
きる。すなわち酸性と塩基性の繊維芽細胞増殖因子(FG
Fs)である[Baird,A.,Esch,F.,Mormede,P.,Ueno,N.,
Ling,N.,Bhlen P.,Ying,S.Y.,Wehrenberg,W.B.及びGu
illemin,R.“Recent Prog.Horm.Res."、(1986年)、42
巻、143−205頁:Lobb,R.R.,Harper,J.W.及びFett.J.W.
“Anal.Biochem."、(1986年)、154巻、1−14頁:Thom
as,K.A.及びGimenez−Gallego,G.“Trends Biochem.Sc
i."(1986年)、11巻、81−84頁参照]。
報告によれば、FGFsおよび関連の増殖因子は神経組織
のみならず他の組織にも存在する。しかしFGFsは血小板
内ではまだ実証されていない。
酸性および塩基性FGFsは内皮細胞も含め広い範囲の細
胞に対する有力な増殖因子である[前記“Recent Prog.
Horm.Res."、(1986年)、42巻、143−205頁:前記“An
al.Biochem."(1986年)、154巻、1−14頁及び“Trend
s Biochem.Sci."、(1986年)、11巻、81−84頁参
照]。
それらはまたヘパリン−結合性増殖因子、内皮細胞増
殖因子、網膜由来増殖因子、および軟骨由来増殖因子な
ど、ヘパリン親和性、標的細胞特異性、または由来の組
織に基づいて名付けられる。酸性および塩基性のFGFsは
ヘパリン−セファロースカラムに強固に結合しそれぞれ
1および2M NaClで溶出する。さらに、塩基性のFGFで
なくて酸性のFGFはヘパリンの添加によって活性化され
る[前記“Trends Biochem.Sci.(1986年)、11巻、81
−84頁:Schreiber,A.B.,Kenney,J.,Kowalski,W.J.,Frie
sel,R.,Mehlmam,T.及びMaciag,T.“Proc.Natl.Acad.Sc
i.U.S.A."(1985年)、82巻、6138−6162頁及びUhlric
h,S.,Lagente,O.,Lenfant,M.及びCourtois,Y.“Bioche
m.Biophys.Res.Commun."(1986年)、137巻、1205−121
3頁参照]。
本願発明者らは既に、ヒトの血小板における内皮細胞
増殖促進活性が、熱および酸に不安定であるが還元剤に
抵抗性のあるpIが4.0から4.8の酸性タンパク質中に存在
することを発見した[前記“Biochem.Biophys.Res.Comm
un."、(1986年)、126巻、83−88頁及び前記“Exp.Cel
l.Res."、(1985年)、159巻、487−494頁参照]。この
血管内皮細胞増殖因子はヘパリンに対し親和性を持たな
いし、ヘパリンはその活性を増加させない。このこと
は、この因子がヘパリン結合性FGFsと別の物であること
を示唆する。
本願発明者らは、熱と酸に不安定な、ヘパリンと結合
しない、ヒトの血小板からの内皮細胞増殖因子であっ
て、以前血管内皮細胞増殖因子として記載された因子
[前記“Exp.Cell.Res."、(1985年)、159巻、487−49
4頁参照]を、初めてヒトの血小板から7段階の操作に
より、約1,000,000倍濃縮純化することに成功した。純
化されたこのヒト血小板由来の血管内皮細胞増殖因子は
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動分析によれば分子量が約44,000乃至46,000であっ
た。還元剤の有る時と無い時のドデシル硫酸ナトリウム
ゲル電気泳動における易動度は同様だった。このことか
らこの因子は単一のポリペプチド鎖で構成されているこ
とが明らかである。本純化タンパク質による刺激は約20
ng/ml(440 pM.)の時に最高であった。これはPDGF
(血小板由来成長因子)および表皮成長因子の場合に得
られる値の大きさと同じ程度である。しかし血小板由来
の内皮細胞増殖因子はFGFsより効力は少ない。
ヘパリンは活性を増加させずこの因子はセファロース
に固定されたヘパリンと結合しなかった。純化された因
子は熱および酸に不安定であり、豚やヒトの血管内皮細
胞に対し活性であったがヒトの包皮繊維芽細胞には不活
性であった。クロマトグラフィー分析を行なうとこの因
子のpIは約4.6であった。血小板由来の血管内皮細胞増
殖因子の構造的、機能的特性は既に特性が明らかにされ
ているヘパリン親和性の血管内皮細胞マイトゲンとは異
なっていた。
本発明方法で得られた純化されたヒト血小板由来の血
管内皮細胞増殖因子のアミノ酸組成を高速液体クロマト
グラフィーで同定したところAsx,The,Ser,Glx,Pro,Gly,
Ala,Half−cys,Val,Met,Ile,Leu,Phe,His,Lys,Arg及びT
yrで構成されることがわかった。
本発明方法で得られた純化ヒト血小板由来の血管内皮
細胞増殖因子は創傷治癒を促進し、動脈硬化予防薬の開
発に有用である。
増殖−促進活性の検定は以下の通り行なった。増殖−
促進活性は既述の通り、指標細胞として豚の大動脈内皮
細胞を用いて決定した[前記“Biochem.Biophys.Res.Co
mmun."、(1985年)、126巻、83−88頁及び前記“Exp.C
ell.Res."、(1985年)、159巻、487−494頁参照]。10
%牛胎児血清{フロー・ラボラトリーズ・インク(Flow
Laboratories,Inc.)}と抗生物質を添加したハムのF
−10培地で培養された内皮細胞を一週間ごとに1:20の比
で継代培養した。マイトゲンの検定のために、この細胞
をトリプシンで処理し、0.5%牛胎児血清と抗生物質を
含有するハムのF−10培地の500μlを用いて、24培養
皿(well)組織培養板{直径16mm、コスター(costa
r)}内にまばらに置いた(〜1×104細胞/皿)。24時
間のインキュベーションの後、試験試料を細胞に添加し
た。18時間後、[3H]チミジン(0.2μCi/くぼみ、6.7C
i/mM;ニューイングランド ニュークレア)を加えた。
さらに4時間後、細胞を氷冷の5%(W/V)トリクロロ
酢酸で20分間固定した。その結果得られる析出物を十分
に水洗し1M NaOH200μlで可溶化した。室温で20分間混
合の後、1M HClの200μlを前記培養皿に加えた。その
後、インスターゲル(Insta−Gel){パッカード(Pack
ard)}を試料あたり10ml用いて液体シンチレーション
計数管でH3放射能を決定した。
ヒトの包皮繊維芽細胞に対する増殖−促進活性はベシ
ョルツ(Betsholtz)とウエスターマーク(Westermar
k)の方法で検定した。[Betsholtz,C.及びWestermark,
B.“J.Cell.Physiol."(1984年)、118巻、203−210頁
参照]。
本願発明方法である血小板由来の内皮細胞増殖因子の
純化方法を以下に示す。純化の全操作を通して豚の大動
脈内皮細胞を標的細胞として増殖因子活性を追跡した。
内皮細胞増殖因子の精製にはPDGFの精製時の副画分を用
いた。ヒト血小板中の内皮細胞増殖因子は陰イオン線タ
ンパク質であるからPDGE精製の初めの工程内のCM−セフ
ァデックスカラムには吸着されなかった[Heldin,C.H.,
Johnsson,A.,EK,B.,Wennergren,S.,Rnnstrand,L,,Ham
macher,A.,Faulders,B.,Wasteson,A.及びWestermark,B.
“Methods Enzymol."(1987年)未発行]。
したがってこの通過部分を内皮細胞増殖因子の精製の
ための出発物質として用いた。これを最初QAE−セファ
デックスクロマトグラフィーで処理した。活性体の大部
分はこのカラムに結合し、pH7.4で75mM NaClと250mM Na
Clの間に溶出した。この工程において回収されたタンパ
ク質と増殖因子の仮定回収率の80%から推定するとこの
操作は20倍の純化をもたらす。出発物質中の増殖−促進
活性が恐らく阻害物質によるために(下記参照)変化し
たのでこの工程における収率は正確には決められなかっ
た。
次の精製工程に硫安析出を利用した。中性のpHにおい
て、42%飽和の硫安で活性体の約90%が析出した。一
方、僅か9%のタンパク質が共沈しただけである。この
工程によって、10倍の精製がもたらされ、200ml容積中
に約700mgのタンパク質が残った。
硫安による析出からの試料をジチオトレイトールで処
理し、透析してDEAE−セファロースクロマトグラフィー
に供した。第1図にDEAE−セファロースによるクロマト
グラフィーを示す。
内皮細胞に対する増殖−促進検定のために各分画から10
μlの試料を細胞に加えた。水平の棒線の下の部分を集
め次の精製工程に供給した。内皮細胞増殖−促進活性体
はpH7.0において約120乃至150mM NaClで溶出された。こ
の工程では回収率50%で6倍の精製がもたらされた。
ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーは特定
の活性体に関し、さらに4倍の増加となった。第2図に
ハイドロキシルアパタイトによるクロマトグラフィーを
示す。
内皮細胞に対する増殖−促進活性は各分画の8μlの試
料を細胞に加えることによって検定した。水平の棒線の
下の部分を集めて次の精製工程に供給した。0.6、15及
び200mMリン酸塩による溶出を矢印で示す。殆どすべて
のタンパク質がゲルと結合した。そして増殖−促進活性
体は15mMのリン酸塩で溶出したがタンパク質の大部分は
もっと高濃度のリン酸塩で溶出した。この工程における
活性体の回収率は約55%であり、約8mgのタンパク質が
残った。
増殖因子の最終的な精製をEPLC(高速液体クロマトグ
ラフィー装置)にとりつけられたイオン交換型の分離能
の良いゲルクロマトグラフィーカラムで行なった。ハイ
ドロキシルアパタイトクロマトグラフィーからの溶出液
をモノQアニオン交換クロマトグラフィーで処理した。
第3図にモノQカラムによるクロマトグラフィーを示
す。
各分画の試料(2.5μl)を内皮細胞増殖に関し生物検
定した。水平の棒線の下の部分を次の工程用に集めた。
pH7.0において120mM NaClによって増殖−促進活性体
の単一なピークが得られた。この工程において50%の回
収率でさらに4倍の精製がもたらされた。
モノQカラムから集めた分画をpH6.5の100mMリン酸塩
と平衡関係にあるTSK−G4000SWカラムに注入した結果、
分子量<12,000に対応する点において異常に遅く、溶離
している単一の大きな活性体ピークが得られた。第4図
にTSK−G4000SWカラムによるゲルクロマトグラフィーを
示す。
各分画の試料を同じバッファーを用いて10倍に希釈し、
10μlの試料を細胞に加えた。使用したMrマーカー(O,
オバルブリン;R,リボヌクレアーゼ;ファルマシアP−
Lバイオケミカルズ)を矢印で示す。水平の棒線の下の
部分を集め次の工程に供給した。活性体の回収率は30%
であり本特定の活性体に関した4倍の増加となった。
TSK−G4000SWクロマトグラフィーの後に得られた試料
を、pH7.0で10mM Hepes[4−(ヒドロキシエチル)−
1−ピペラジンエタンスルホン酸]中の200mM NaClと平
衡にあるスーパーロース(Superose)12のカラムに供し
た。第5A図にスーパーロース12カラムによるゲルクトマ
トグラフィーを示す。
使用した分量(Mr)マーカー(B、牛血清アルブミ
ン;O,オバルブミン;C,キモトリプシノーゲンA;R,リボヌ
クレアーゼ)を矢印で示す。各分画の試料を同じバッフ
ァーで10倍に希釈して、16μlの試料を検定のため細胞
に加えた。
この操作の結果、血清アルブミンとオバルブミンの間
に溶離点を有する生物活性体の単一の鋭いピークが得ら
れ、大部分のタンパク質が良く分離した。この工程にお
いて特定活性体の増加は30%回収率で12倍であり2μg
の純物質が得られた。
スーパーロース12クロマトグラフィー工程からの分画
のタンパク質組成をSDS−ゲル電気泳動と銀染色法によ
って分析した(第5B図)。45,000の分子量を有する均一
なタンパク質が増殖因子であることを示唆していた。こ
の試料を非還元性の条件のもとで分析した時、同様の易
動度が得られた(5C図)。
第5B図にスーパーロース12クロマトグラフィーから選ば
れた分画のSDSゲル電気泳動および銀染色法による分析
を示した。31分から34分(列A−F)から集められた0.
5分画の試料(8μl)をそれぞれ分析した。増殖−促
進活性(A)のピークは銀染色SDSゲルの最も強いMr=
約45,000バンドに正確に対応した(B、列C)。第5C図
に純化物質のSDSゲル電気泳動と銀染色による分析を示
した。
試料をジチオトレイトール(DTT)による還元とアル
キル化を行なうか行なわずに分析した。そしてこれは血
小板からの内皮細胞増殖因子が単一なポリペプチド連鎖
から成っていることを示唆している。
200gの血小板タンパク質からの各精製操作を第I表に
示す。
活性体の全体的中な増加は1%の回収率において約1,00
0,000倍であった。
a 血小板溶解物中の増殖−促進活性体はおそらく増殖
阻害因子の存在のために変化した。したがって出発物質
の特定の活性体は正確に決定できなかった。QAE工程に
おける精製は回収されたタンパク質の量と、この工程の
活性体の仮定回収率80%に基づいて20倍と推定した。
b タンパク質の濃度は銀染色SDSゲル内のバンドの相
対強度により推定した。
又本願発明者らは前記全純化方法のハイドロキシルア
パタイトによるクロマトグラフィー工程以下を別工程に
代えることにより前記純化方法より一層収率のよい純化
方法を見出した。その改良方法は前記純化方法とDEAE−
セファロースグラフィーで処理し、pH7.0において約120
mM乃至150mM NaClで溶出させる工程までは、同じ精製工
程を用い、その後、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いたハイドロキシルアパタイトで処理しpH7.4で
50M NaCl含有リン酸塩の0乃至60mMの濃度勾配にかけた
ところ40乃至50mMで溶出した。この工程における活性体
の回収率は約32%であった。第6図にハイドロキシルア
パタイト高速クロマトグラフィーを示す。
次に前記溶出液をアルキルスーパーロースカラム(フ
ァルマシア製)で処理し硫安の1.2M乃至0.6Mの濃度勾配
にかけたところ0.9Mで溶出した。この工程での収率は約
82%であった。第7図にアルキルスーパーロースクロマ
トグラフィーを示す。
第8図にアルキルスーパーロースクロマトグラフィーか
ら選ばれた分画のSDSゲル電気泳動及び銀染色法による
分析を示した。
300gの血小板タンパク質からの各精製操作を第II表に示
す。
本純化物質は豚の大動脈内皮細胞の増殖を投与量に依
存して刺激する。第6図にヒト血小板由来内皮細胞増殖
因子とPDGFが内皮細胞と繊維芽細胞の増殖に及ぼす効果
を示す。
血小板由来の内皮細胞増殖因子(●)とPDGF(○)を各
種の濃度において、豚の内皮細胞(A)とヒトの包皮繊
維芽細胞(B)に取込まれる[3H]チミジンで表わされ
る刺激について検定した。取り込み[3H]チミジン値を
無添加の対照培養物と比較した増加倍率で表わした。タ
ンパク質含有率は銀染色SDSゲルにおける分子量44,000
乃至46,000帯域の比較強度により推定した。純化試料の
最大刺激は約20ng/ml(440pM)において達成された。外
因性のヘパリン{20μg/ml、167単位/mg;シグマ(Sigm
a)}はこの因子を活性化しなかった(図には示されて
いない)。非常に精製された因子はヒトの腹部中心血管
内皮細胞に対しても投与量に依存して活性であった。一
方、非常に精製された因子はヒトの包皮繊維芽細胞には
不活性であった(6B図)。これはヒトの包皮繊維芽細胞
の増殖を刺激するが内皮細胞に不活性であるPDGFの効果
と対称的である(6Aと6B図)。
血小板由来の内皮細胞増殖因子の安定性を調べるため
に、TSK−G4000SWクトマトグラフィーで得られた高純度
の物質を各種の処理に供した。活性体は熱(65℃で10
分)と酸性条件(室温にてpH4で2時間)に対して不安
定であるが還元性の条件(5mMのジチオトレイトール、
室温で2時間)に対して抵抗性があった。以下のように
して純化ヒト血小板由来の内皮細胞増殖因子の安定性を
対照試料と比較した。TSK−G4000SWクロマトグラフィー
で得られた高精製物質を用いた。試料の生物活性を240n
g/mlの濃度で推定し、どの処理も行なわない試料(対
照、活性100%)と比較した。各種のpH値におけるイン
キュベーションに対する因子の安定性を決定するため
に、試料を、pH5.0、4.0および3.2の0.2Mギ酸アンモニ
ウムまたはpH8.8の0.2Mトリス−HClの3倍容に加え、20
℃で2時間保持した。その後pH7.0の0.2Mビストリス過
剰量で試料を中和した。第III表にその結果を示す。
この因子がヘパリンに対し親和性を持つかどうかを調
べるために、ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフ
ィーから得られた一部精製された物質をヘパリン−セフ
ァロースカラム(CL−6BファーマシアP−Lバイオケミ
カルズ)に供給した。増殖−促進活性体はpH7.0の低い
イオン強度においてもこのカラムに結合しなかった。第
7図に純化ヒト血小板由来内皮細胞増殖因子のヘパリン
−セファロースによるクトマトグラフィーを示す。
ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーによって
得られた部分的に精製された物質(タンパク質1.3mg)
をpH7.0、10mM Hepes中の50mM NaClに十分に透析し同じ
バッファーと予め平衡を保っているヘパリン−セファロ
ースCL−6Bのカラム(容積0.8ml;ファーマシアP−Lバ
イオケミカルズ)に供給した。溶離はpH7.0の10mM Hepe
s中の段階的に増加する。FGFsの特性は緩和な酸性化(1
9)によって変わり得るのでハイドロキシルアパタイト
クロマトグラフィーから得られた血小板因子の試料をpH
4.6、4℃で1時間酸性化し、再度中和し、そしてヘパ
リン−セファロースカラムに供給した。この場合にも増
加−促進活性体はカラム内に結合することなく通過分画
内に溶離した(図示していない)。
この因子の等電点をクロマト分析によって推定した。
ハイドロキシルアパタイトクトマトグラフィーによって
得られた部分的に精製された物質をpH6.4の25mMビスト
リスで透析し、同じバッファーと予め平衡になっている
「PLCクロマト分析カラム(モノP、HR5/20,ファーマシ
アP−Lバイオケミカルズ)にNaCl(0.2−2.0M)によ
って行なった。1mlの分画を集め、増殖−促進活性値に
ついて分析した。矢印は示されているNaCl濃度(モル)
の溶離バッファーを用いたことを示す。
本願発明方法による精製によって増殖−促進活性体の
回収率1%の時に、特定活性体は約1,000,000倍という
著しい増加となる。活性体の回収率が低いことは不安定
なタンパク質を高収率で精製することの困難さを示して
いる。活性体の損失はTSK−G4000SWとスーパーロース12
クトマトグラフィーの工程において顕著であった。しか
しTSK−G4000SWにおけるゲルクロマトグラフィーの時に
因子が想像外の挙動をとったために、これらの工程を組
み合わせて非常に効率的な精製が行なわれた。このカラ
ムにおいて、内皮細胞増殖因子はMr<12,000に対応する
点で溶離したがスーパーロース12カラムによるクロマト
グラフィーでは予期通りのMr=45,000の点で回収され
た。
血小板はPDGF[Heldin,C.H.,Wasteson,A.及びWhite,
M.F.“J.Cell.Biol."(1985年)、101巻、108頁(abst
r.)参照]、形質転換増殖因子−β(TGF−β)[Assoi
an,R.K.,Grotendorst,G.R.,Miller,D.M.及びSporn,M.
B.、“Nature"(1984年)、309巻、804−806頁参照]、
表皮増殖因子様タンパク質[Oka,Y.及びOrth,D.N.“J.C
lin.Invest."(1983年)、72巻、249−259頁参照]及び
肝細胞増殖因子[Russell,W.E.,McGowan,J.A.及びBuche
r,N.I.R.“J.Cell.Physiol."、(1984年)、119巻、183
−192頁及びNakamura,T.,Teramoto,ll.及びIchihaera,
A.“Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A."(1986年)、78巻、64
89−6493頁参照]を含めた増殖調節タンパク質の豊富な
源である。PDGFは内皮細胞を刺激せず[Heldin,C.H.,We
stermark,B.及びWasteson,A.“Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A."(1981年)78巻、3664−3668頁及びKazlauskas,A.
及びDiCorleto,P.E.“Biochem.Biophys.Acta"(1985
年)846巻、405−412頁参照]、一方TGT−βは内皮細胞
増殖の活性阻害剤である事が最近報告された[Frter
−Shrder,M.,Mllcr,G.Birchmeier,W.及びBhlen,
P.、“Biochem.Biophys.Res.Commun."(1986年)、137
巻、295−302頁及びHeimark,R.L.,Twardzik,D.R.及びSc
hwartz,S.M.“Science"、(1986年)、233巻、1078−10
80頁参照]。TGF−α/表皮増殖因子はハムスターほお
袋生物検定において血管新生を刺激することが示された
[Schreiber,A.B.,Winkler,M.E.およびDerynck,R.,“Sc
ience"(1986年)、232巻、1250−1253頁参照]。しか
し表皮増殖因子そのものは内皮細胞に対し弱いマイトゲ
ンである[Knauer,D.J.及びCunningham,D.D.“J.Cell.P
hysiol."、(1983年)、117巻、397−406参照]。
ヒトの血小板から回収された内皮細胞増殖因子の量は
PDGFおよびTGF−βよりはるかに少ないように見える。
この因子はPDGFおよびTGF−βに比較すると不安定であ
るから、回収量が少ないことは1部には精製の早期の段
階における活性体の損失に起因する。さらに、血小板由
来の内皮細胞増殖阻害物質がTGF−β及び酸−不安定増
殖阻害物質を含め数種類、最近報告されている[前記
“Biochem.Biophys.Res.Commun."、(1986年)、137
巻、295−302頁:前記“Biochem.Biophys.Res.Commu
n."、(1986年)、138巻、476−482頁:前記“Science"
(1986年)、233巻、1078−1080頁:Brown,M.T.及びClem
mons,D.R.“Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A."、(1986
年)、83巻、3321−3325頁参照]。
以下に本願発明方法を実施例により詳細に述べる。
実施例 ヒト血小板からの内皮細胞増殖因子の精製 一般−精製の間、プラスチック器具を用いて、ガラス
表面への吸着による活性体の損失を少なくした。特記し
ない限り、操作はすべて4℃で行なった。タンパク質の
濃度は特記しない限りブラドフォード(Bradford)[Br
adford,M.M.“Anal.Biochem."(1976年)、72巻、248−
254頁参照]の色素固定検定によって決定した。
血小板溶解物の調整 内皮細胞増殖因子の精製にはヒト
血小板[前記“Methods Enzymol."(1987年)]からの
血小板由来成長因子(PDGF)の精製の際の副画分を使用
した。血小板ペレットからのPDGFの精製の第1段階のCM
−セファデックスによるクロマトグラフィーである。
CM−セファデックスクロマトグラフィーによる精製 陽
イオン性のPDGFはこのカラムに吸着される。通り抜けた
部分は内皮細胞の増殖…促進活性体を含有することが明
らかとなったので本精製において出発物質として利用さ
れた。約15リットルの非吸着部分を同時に処理した;こ
れはヒトの新鮮な血液約900リットルに由来したもので
ある。この非吸着部分は使用時まで5リットルの容器に
−20℃で10年間貯蔵されていた。
QAE−セファデックスクロマトグラフィーによる精製 C
M−セファデックスクロマトグラフィーからの非吸着部
分を解凍してAQE−セファデックスクロマトグラフィー
で処理した。乾燥したQAE−セファデックスゲル{0.7グ
ラム/リットル;A−50、ファーマシア(Pharmacia)P
−Lバイオケミカルズ(Biochemicals)}を加え一夜振
とうして混合した。その後このゲルを沈降させた。非吸
着部分を廃棄した後、沈降物をカラム(60×5cm;ファー
マシアP−Lバイオケミカルズ)に注ぎ込んだ。このカ
ラムをpH7.4の10mMリン酸塩中の75mM NaClの4リットル
で洗浄しpH7.4の10mMのリン酸塩中の250mM NaClの2.5リ
ットルで溶出した。
硫安による析出 このQAE−セファデックスクロマトグ
ラフィーの溶離液に硫安(247グラム/リットル;42%飽
和)を加えた。4℃で2時間の平衡の後、試料を2075×
gで15分間遠心分離した。析出物を集めて、pH7.0の10m
Mのビストリス(bistris)中の50mM NaCl中に再度懸濁
させた。
DEAE−セファロースクロマトグラフィーによる精製 硫
安析出によって得られた物質(200mlの溶液中に700mgの
タンパク質を含有する)を5mMのジチオトレイトールで
2時間、室温で処理した。その後、pH7.0の10mMビスト
リス中の50mM NaClに対しこの試料を十分に透析しDEAE
−セファロースCL−6B(40ml;ファーマシアP−Lバイ
オケミカルズ)に供給した。このカラムpH7.0の10mMビ
ストリス中の50mM NaClの100mlで洗浄し、pH7.0、10mM
Bis Tris中の50から200mMのNaClの直線勾配(800ミリリ
ットル)で120ミリリットル/時間の流量速度で溶出し
た。20ミリリットルの分画を集め、タンパク質で増殖−
促進活性体を分析した。
ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーによる精
製 DEAE−セファロースクロマトグラフィーからの活性
部分(タンパク質、60mg)を集め、直接、pH7.4の0.6mM
リン酸塩中50mMのNaClと平衡を保っているハイドロキシ
ルアパタイトの8−mlカラム{(クラークソンケミカル
カンパニー、ペンシルヴァニア州ウィリアムスポート
(Clarkson Chemical Co.,Williamsport,PA)}に供給
した。このカラムを同じバッファーの80mlで洗浄し、pH
7.4の15mMリン酸塩中の50mM NaClで溶出し、次いでpH7.
4の200mMリン酸塩で溶出した。8mlの分画をタンパク質
と増殖−促進活性体について検定した。
モノQクロマトグラフィーによる精製 ハイドロキシル
アパタイトクロマトグラフィーの活性部分を集め4℃で
30分間90,000×gで遠心分離し、直接モノQカラム(HR
5/5,ファーマシアP−Lバイオケミカルズ)に供給し
た。このカラムと次の2基(TSK−G4000SWおよびスーパ
ーロース12)は高速液体クロマトグラフィー(FPLC)装
置(ファーマシアP−Lバイオケミカルズ)に取り付け
られており室温で運転された。このカラムを1ml/分の流
量速度で、pH7.0の10mMビストリス中の0から500mM Na
Clの勾配で溶出した。280nmの吸光度を追跡した。1mlの
分画を集め、増殖−促進活性を試験した。
TSK−G4000SWゲルクロトマトグラフィーによる精製 モ
ノQカラムクロマトグラフィーから得られた活性部分を
集め、事前の透析を行なわずに凍結乾燥し、水200μl
に溶解させた。それからこの試料を予備カラム(7.5×7
5mm;ウルトロパックカラム、LKB)の付いたTSK−G4000S
Wカラム(7.5×600mm;LKB)に供給した。このカラムをp
H6.5の100mMリン酸塩で平衡にして、500μl/分の流量速
度で溶出した。カラム溶離液の吸光度を280nmについて
追跡した。各500μl分画を集め増殖−促進活性を試験
した。
スーパーロース12ゲルクロマトグラフィーによる精製
TSK−G4000SWクロマトグラフィーから得られる活性部分
を集め、スペクトラポア透析チューブ(Mrカットオフ=
3500;スペクトル医学用)を用いてpH7.0の10mM Hepes中
の100mM NaClに対して透析しそれから凍結乾燥した。こ
の物質を100μlの水に再度懸濁させ、スーパーロース1
2カラム(HR10/30,ファーマシアP−Lバイオケミカル
ズ)を用いてpH7.0の10mM Hepesの200mM NaCl中で処理
した。このカラムを400μl/分の流量速度で溶出し、280
nmにおける吸光度を追跡した。200μlの分画を集めて
増殖−促進活性を検定した。精製部分のタンパク質濃度
はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ゲル電気泳動と銀染
色法の後の帯域の強度を牛血清アルブミンの中の標準品
の帯域の強さと比較して推定された。
SDSゲル電気泳動 SDSゲル電気泳動はブローベル(Blobel)とドバース
タイン(Dobberstein)の方法に基づいて行なった[Blo
bel,G.及びDobberstein,B.,、“J.Cell.Biol."、(1975
年)、67巻、835−851頁参照]。簡単に述べると、試料
を10mMのジチオトレイトールとともにまたはそれなしに
加熱した(95℃、3分間)、そして10から18%のポリア
クリルアミドから成る勾配ゲルに加えた。電気泳動の後
に、ゲルをグルタルアルデヒドで固定しそれから銀染色
を行なった[Morrissey,J.H.“Anal.Biochem."(1981
年)117巻、307−310頁参照]。ホスホリラーゼb(94,
000)、牛血清アルブミン(67,000)、オバルブミン(4
3,000)、炭酸脱水酵素(30,000)、ダイズトリプシン
阻害剤(20,100)およびα−ラクトアルブミン(14,40
0)を含有するMr標識物質(ファーマシアP−Lバイオ
ケミカルズ)を使用した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ADS ADU C07K 1/16 A61K 37/02 ADU ABX

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘパリン非結合でありヘパリンにより活性
    化されず、繊維芽細胞に対して不活性で特異的に血管内
    皮細胞を増殖する、等電点が約4.6であり、分子量約44,
    000乃至46,000のアミノ酸の組成がAsx,Thr,Ser,Glx,Pr
    o,Gly,Ala,半(half)−cys,Val,Met,Ile,Leu,Phe,His,
    Lys及びArgより成る単一ペプチド鎖で構成される純化さ
    れたヒト血小板由来血管内皮細胞増殖因子。
  2. 【請求項2】ヒト新鮮血液をCM−セファデックスクロマ
    トグラフィーで処理した非吸着部分からヒト血小板由来
    血管内皮細胞増殖因子を純化する方法において、 (i)非吸着部分をQAE−セファデックスクロマトグラ
    フィーで処理し、吸着部分をpH7.4で75mM乃至250mM NaC
    lで溶出させ、 (ii)中性において42%飽和の硫安を加え、析出物をジ
    チオトレイトールで処理し、pH7.0の塩化ナトリウム含
    有ビス(2−ヒドロキシ−エチル)イミノトリス−(ヒ
    ドロキシメチル)−メタンで透析し、 (iii)DEAE−セファロースクロマトグラフィーで処理
    し、pH7.0において約120mM乃至150mM NaClで溶出させ、 (iv)ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーで
    処理し、pH7.4の50mM NaCl含有15mMリン酸塩で溶出さ
    せ、 (v)モノQアニオン交換クロマトグラフィーで処理
    し、pH7.0の10mMビス(2−ヒドロキシ−エチル)イミ
    ノトリス(ヒドロキシメチル)−メタン中の0乃至500m
    M NaClで溶出させ、 (vi)pH6.5の100mMリン酸塩と平衡なTSK−G4000SWゲル
    クロマトグラフィーで処理し、 (vii)非吸着部分をpH7.0で200mM NaCl含有10mM Hepes
    [4−(ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンス
    ルフォン酸]と平衡なスーパーロース(Superose)12ゲ
    ルクロマトグラフィーで処理する ことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】ヒト新鮮血液をCM−セファデックスクロマ
    トグラフィーで処理した非吸着部分からヒト血小板由来
    血管内皮細胞増殖因子を純化する方法において、 (i)非吸着部分をQAE−セファデックスクロマトグラ
    フィーで処理し、吸着部分をpH7.4で75mM乃至250mM NaC
    lで溶出させ、 (ii)中性において42%飽和の硫安を加え、析出物をジ
    チオトレイトールで処理し、pH7.0の塩化ナトリウム含
    有ビス(2−ヒドロキシ−エチル)イミノトリス−(ヒ
    ドロキシメチル)−メタンで透析し、 (iii)DEAE−セファロースクロマトグラフィーで処理
    し、pH7.0において約120mM乃至150mM NaClで溶出させ、 (iv)高速液体クロマトグラフィーを用いたハイドロキ
    シルアパタイトで処理し、pH7.4の50mM NaCl含有40乃至
    50mMリン酸塩で溶出させ、 (v)アルキルスーパーロースクロマトグラフィーで処
    理し、0.9Mの硫安で溶出させる ことを特徴とする方法。
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