JPH08328627A - サーボ制御装置及びサーボ制御方法並びにこれらを用いたロボット制御装置及びロボット制御方法 - Google Patents

サーボ制御装置及びサーボ制御方法並びにこれらを用いたロボット制御装置及びロボット制御方法

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JPH08328627A
JPH08328627A JP15864695A JP15864695A JPH08328627A JP H08328627 A JPH08328627 A JP H08328627A JP 15864695 A JP15864695 A JP 15864695A JP 15864695 A JP15864695 A JP 15864695A JP H08328627 A JPH08328627 A JP H08328627A
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servo
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の駆動軸が力学的に干渉作用を及ぼしな
がら運動する制御対象をあたかも各駆動軸が力学的に干
渉しない系であるかのように制御することよって、制御
の高速化や安定化を図る。 【構成】 サーボ制御装置24において、指令部25の
発する指令信号が加減速パターン生成部26に入力さ
れ、加減速パターン生成部26の出力はサーボ系27に
送出されるとともに、非干渉化計算部28を介してサー
ボ系27に送出される。加減速パターン生成部26は、
加速度の連続性が保証されかつ加速パターンと減速パタ
ーンとが時間軸に関する対称性(線対称、点対称、回転
対称等)を有する加減速パターンを生成してサーボ系2
7に送出する。そして、非干渉化計算部28は、ある駆
動軸が他の駆動軸から受ける力学的干渉作用を打ち消す
ための補正値を、加減速パターンに基づいて計算し、こ
れをサーボ系27に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の駆動軸が力学的
に干渉作用を及ぼしながら運動する制御対象をあたかも
各駆動軸が力学的に干渉しない系であるかのように制御
することよって、制御の高速化や安定化を図ることを目
的とした新規なサーボ制御装置及びサーボ制御方法、そ
してロボット制御装置及び制御方法を提供しようとする
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、2以上の自由度を有する機構
は、複数の駆動要素(摺動や回動、その他、部材間の相
対運動を可能とする構成要素)の組み合わせによって構
成されており、例えば、駆動軸のうちの2軸が互いに独
立又は略独立した力学系(以下、「力学的非干渉系」と
いう。)とされている場合には、各軸についての制御を
分離して取り扱うをことができるため、制御が簡単であ
る。
【0003】しかしながら、駆動軸同士が相互に干渉し
合うように構成されている力学系(以下、「力学的干渉
系」という。)では、ある駆動軸に対する制御に他の駆
動軸に係る運動制御が関与するため、系の運動状態は一
般に複雑な様相を呈することとなる。
【0004】例えば、多関節型ロボットの場合には、ロ
ボット本体が複数のアームやアームの手先位置に取着さ
れるツール等を有し、アーム間あるいはアームとツール
間で力学的な干渉作用を及ぼし合いながら運動すること
になる。
【0005】図12は水平関節型ロボットの構成を簡略
的に示すものである。
【0006】ロボットaは、基軸部bと、第1アーム
c、第2アームdとを備え、第1アームcの一端部が回
動し得る状態で基軸部bに取り付けらている。そして、
第1アームcの他端部には第2アームdの一端部が回動
し得る状態で取り付けられており、第2アームdの他端
部にはツール搭載軸eが設けられている。
【0007】基軸部bには第1アームcを回動させるた
めにモータfとハーモニック減速機gとが設けられてお
り、モータfの駆動力がハーモニック減速機gを介して
第1アームcの回動力として伝達される。
【0008】第1アームcには、第2アームdを回動さ
せるための機構が設けられている。例えば、図示するよ
うに第1アームcに固定された支持部hにモータi及び
ハーモニック減速機jが取り付けられており、ハーモニ
ック減速機jの出力軸にプーリkが取り付けられてい
る。プーリlはプーリkと対をなすものであり、第2ア
ームdの回動軸に固定されている。そして、プーリkと
プーリlとの間にベルトmが掛け渡されている。モータ
iの駆動力はハーモニック減速機jを介してプーリkの
回動力となり、これがベルトmによってプーリlに伝達
され、第2アームdの回動力となる。
【0009】図13はロボットaを平面で見たときの構
成を略線的に表現したものであり、第1アームcの回動
中心を原点Oとする2次元の位置座標系(X,Y)を基
軸部bに設定している。
【0010】図において点Cは第2アームdの回動中心
を示し、点Eは手先位置を示しており、線分OC(その
長さを「L1」とする。)によって第1アームcを表
し、線分CE(その長さを「L2」とする。)が第2ア
ームdを表している。また。角度「θ1」は線分OCが
X軸に対してなす角度を示し、角度「θ2」は線分CE
が線分OCの延長線に対してなす角度を示している。
【0011】点P1は第1アームcの重心位置、点P2
は第2アームdの重心位置をそれぞれ示しており、線分
OP1の長さが「l1」とされ、線分CP2の長さが
「l2」とされている。
【0012】このように簡略化された力学系モデルにつ
いての運動方程式を導出するにあたっては、X軸を実数
軸とし、Y軸を虚数軸とする複素平面座標系を用いるよ
うにすると、位置や速度等を、複素表示で表現すること
ができる。
【0013】例えば、各アームの重心位置やその1階の
時間微分は複素量に拡張されて下式のように表わされ
る。
【0014】
【数1】
【0015】尚、ここで「j」は虚数単位である。
【0016】解析にあたって必要な物理量の記号を表形
式にまとめたものが、下表1、2である。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】第1アームcの回転角がθ1である時のモ
ータfの回転角はR1・θ1であり、第2アームdの回
転角がθ2である時のモータiの回転角はR2・θ2で
あるので、ロボット系(ロボット本体の他、負荷等を含
む系)の運動エネルギーを「Ek」とすると、下式のよ
うになる。
【0020】
【数2】
【0021】速度の2乗値は複素数の絶対値として求め
られるので、Ekは下式のようになる。
【0022】
【数3】
【0023】重力に係るポテンシャルエネルギーを無視
した場合に、ラグランジアンがEkに等しいことに注意
して、オイラー−ラグランジュ方程式に従って各アーム
に係る運動方程式([数4]式)に[数3]式を適用す
ると、ハーモニック減速機の出力トルクが[数5]式の
ように求められる。
【0024】
【数4】
【0025】
【数5】
【0026】尚、上式において摩擦等の粘性項の影響は
無視している。
【0027】[数5]式において、トルクT1に係る第
1式の右辺第1項は慣性項を示し、第2項は第2アーム
dから受ける慣性力(トルク)を示しており、また、第
3項はコリオリ力(トルク)を示し、第4項は第2アー
ムdの回転による遠心力が第1アームcに及ぼすトルク
を示している。
【0028】また、トルクT2に係る第2式の右辺第1
項は慣性項を示し、第2項は第1アームcから受ける慣
性力(トルク)を示しており、また、第3項は第1アー
ムcの回転による遠心力が第2アームdに及ぼすトルク
を示している。
【0029】各アームの運動についてはアーム自身の慣
性項の他に干渉項が存在し、該干渉項の絶対値は慣性項
と略同程度の大きさをもっているため無視することがで
きない。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述のように力学的干
渉系に係る制御は、駆動要素間の干渉項の存在を充分考
慮して制御を行う必要があるため、運動の高速化や安定
化を図ることが難しいという問題がある。
【0031】例えば、上記のようなロボットでは、第1
アームcと第2アームdとが互いに力学的な干渉作用を
及ぼし合いながら運動しているため、運動状態によって
は、ロボットの手先位置について位置決めを行う際に静
定が悪化したり、タクトタイム(作業時間)が長くなる
といった不都合が生じることになる。
【0032】これは、例えば、以下の(1)乃至(3)
に示す事項が要因となっているからである。 (1)第1アームcの運動に関して慣性項([数5]式
の第1式右辺第1項)が第2アームdの姿勢に影響され
る(慣性項における2・b・cosθ2の項に注意)。 (2)第1アームcは、第2アームdの運動によって生
じる慣性力や、コリオリ力、遠心力([数5]式の第1
式右辺第2項乃至第4項)の影響を受ける。 (3)第2アームdは、第1アームcの運動によって生
じる慣性力や遠心力([数5]式の第2式右辺第2項、
第3項)の影響を受ける。
【0033】このように第1アームと第2アームとの間
の複雑な干渉作用のため、位置や速度のフィードバック
制御における最適ゲインがロボットの姿勢によって変化
してしまい制御が難しくなってしまう。
【0034】尚、このような干渉作用が生じないように
ロボットの構造自体を力学的非干渉系又はこれに近い系
に改変する方法も考えられるが、そのためにはロボット
の設計に比較的強い制約が課せられてしまうという危惧
が生じるので、ロボットの構造の如何によって制御の仕
方が著しく変化しない汎用性の高い制御装置や制御方法
が求められている。
【0035】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、サー
ボ系に係る運動方程式において、ある駆動軸が他の駆動
軸から受ける力学的干渉項(コリオリ力や遠心力等)を
打ち消すための補正項の値を、加減速パターン生成部に
より生成される加減速パターンに係る制御変数を力学的
干渉項に代入することで計算し、これと加減速パターン
に係る制御指令とをサーボ系に送出して、サーボ系にお
いて力学的干渉項に起因する外乱を除去することができ
るようにしたものである。
【0036】
【作用】本発明によれば、補正項を負の要因としてサー
ボ系に送出することによって力学的干渉項が打ち消され
又は干渉作用の影響が弱められるので、各駆動要素につ
いて略独立した運動系であるかのように取り扱うことが
できる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の詳細を図示した実施例に従
って説明する。尚、図示した実施例は本発明をロボット
制御装置に適用したものである。
【0038】図1はロボット制御装置1のハードウェア
構成の要部を概略的に示すものである。
【0039】ロボット制御装置1は、CPU(中央演算
装置)2を核とし、そのバス3に直接又は間接的に接続
されるプログラム記憶部4を有している。
【0040】プログラム記憶部4には、ロボットの動作
手順の記述に係るロボットプログラムや、ロボットシス
テムの記述(例えば、ロボットの各軸の動作を決定する
座標変換等の記述)に係るシステムプログラムが記憶さ
れるようになっている。
【0041】サーボユニット5、5、・・・は、制御対
象たるロボット6の駆動軸毎に独立しており、CPU2
から発せられた命令に従ってロボット6の軸駆動を行な
うアクチュエータ(モータやシリンダー等)を制御する
ために設けられている。
【0042】ロボット6の動作指示に係るティーチング
ペンダント7は、T.P.(ティーチングペンダントの
略)インターフェース8を介してバス3に接続されてい
る。図2は、制御対象となるロボット6の構成例とし
て、4軸構成の水平多関節型ロボットを示すものであ
る。
【0043】即ち、ロボット6は、基軸部9と、第1ア
ーム10、第2アーム11とを備え、第1アーム10の
一端部が回動し得る状態で基軸部9に取り付けらてい
る。そして、第1アーム10の他端部には第2アーム1
1の一端部が回動し得る状態で取り付けられており、第
2アーム11の他端部にはツール搭載軸12が設けられ
ている。
【0044】基軸部9には第1アーム10を回動させる
ためにモータ13が設けられており、該モータ13の駆
動力がハーモニック減速機14を介して第1アーム10
の回動力として伝達される。
【0045】第1アーム10には、第2アーム11を回
動させるための機構が設けられている。即ち、第1アー
ム10の一端部に固定された支持部15にモータ16及
びハーモニック減速機17が取り付けられており、ハー
モニック減速機17の出力軸にプーリ18が取り付けら
れている。このプーリ18と対をなすプーリ19が第2
アーム11の回動軸11aに固定されており、プーリ1
8とプーリ19との間にベルト20が掛け渡されてい
る。つまり、モータ16の駆動力はハーモニック減速機
17を介してプーリ18の回動力となり、これがベルト
20によってプーリ19に伝達されて第2アーム11の
回動力となる。
【0046】ツール搭載軸12は、第2アーム11の回
動端部の上面に設けられたアクチュエータ21によって
鉛直方向に摺動されるとともに、第2アーム11の回動
軸11a寄りの端部に設けられたモータ22の回転力が
ベルト等によってツール搭載軸12に伝達されることに
よって軸回りに回動されるようになっている。そして、
ツール搭載軸12の下端部には、ツール搭載部23が固
定されており、ハンドや工具等の効果器を取り付けるこ
とができるようになっている。
【0047】図3はロボット6を平面で見たときの構成
を略線的に表現したものであり、第1アーム10の回動
中心Oを原点とする2次元の位置座標系(X,Y)を
基軸部9に設定している。
【0048】図において、点Oは第2アーム11の回
動中心、点O3はツール搭載軸12の回動中心、点Eは
ツール搭載部23の回動端点をそれぞれ示している。そ
して、線分O(その長さを「L」とする。)が
第1アーム10を表し、線分O(その長さを「L
」とする。)が第2アーム11を表し、線分O
(その長さを「L」とする。)がツール搭載部23を
表している。尚、ツール搭載軸12の長さを「L」と
する。
【0049】また、「θ(i=1、2、3、4)」
は、各駆動軸に係る関節変位量を表しており、「θ
(i=1、2、4)」は角度変位、「θ」が鉛直方
向の摺動変位を表している。つまり、角度「θ」は線
分OがX軸に対してなす角度、角度「θ」は線
分Oが線分Oの延長線に対してなす角度、
角度「θ」は線分OEが線分Oの延長線に対
してなす角度をそれぞれ示しており、「θ」はツール
搭載軸12の鉛直方向における変位を示している。
【0050】点Pは第1アーム10の重心位置、点P
は第2アーム11の重心位置、点P3はツール搭載軸
12の重心位置、点P4はツール搭載部23の重心位置
をそれぞれ示しており、線分Oの長さが
「l」、線分Oの長さが「l 」、線分O
の長さが「l」とされている。
【0051】しかして、図2及び図3に示すように、ロ
ボット6は、点Oの回りの回動軸(以下、「θ軸」
という。)、点Oの回りの回動軸(以下、「θ軸」
という。)、点O3を通って鉛直方向に延びる摺動軸
(以下、「Rz軸」という。)、点O3の回りの回動軸
(以下、「Rθ軸」という。)に係る4つの駆動軸が関
節要素として組み合わされることで構成されている。
【0052】尚、以下では、ある定義量「X」に添え字
「i」を付すことによって各駆動軸に関する量を示すも
のとし、i=1がθ軸、i=2がθ軸、i=3がR
z軸、i=4がRθ軸に係る量をそれぞれ表すものとす
る。つまり、各駆動軸に係る減速比を「G」とし、ア
ーム等の駆動中心に関する慣性モーメントを
「Jai」、駆動モータのロータの慣性モーメントを
「Jmi」とし、駆動モータの位相角を「θmi」とす
ると、例えば、Gがハーモニック減速機14の減速
比、Ja1が第1アーム10の慣性モーメント、Jm1
がモータ13のロータの慣性モーメント、θm1がモー
タ13の位相角をそれぞれ示し、また、Gがアクチュ
エータ21に係る減速比、Ja3がツール搭載軸12の
慣性モーメント、Jm3がアクチュエータ21の駆動源
であるモータのロータの慣性モーメント、θm3がモー
タの位相角をそれぞれ示すことになる。
【0053】以上の定義量を表形式にまとめると下表3
のようになる。
【0054】
【表3】
【0055】このように簡略化された力学系モデルにつ
いての運動方程式を導出するにあたっては、X軸を実数
軸とし、Y軸を虚数軸とする複素平面座標系と、両軸に
直交するZ軸とからなる座標系を設定すると、アーム等
の重心位置やその1階の時間微分等を複素量に拡張して
下式のように表わすことができる。即ち、点Pの位置
を示す複素量「P」は、[数6]式のように表され、
また、それらについての時間による1次微分が、[数
7]式のように表される。
【0056】
【数6】
【0057】
【数7】
【0058】尚、ここで「j」は虚数単位である。
【0059】ロボット6の基軸部9が設置される地面に
固定された基準座標系に対するロボット系の運動エネル
ギー(正確にはラグランジアン)を「Lg」とし、各駆
動軸に係るラグランジアンを「Lg」(i=1、2、
3、4)とすると、これらは下式に示すようになる。
【0060】
【数8】
【0061】
【数9】
【0062】
【数10】
【0063】
【数11】
【0064】即ち、θ軸に係るラグランジアンLg
は、[数8]式の右辺に示すように、並進エネルギー
(第1項)と第1アーム10の回転エネルギー(第2
項)と駆動モータ13のロータの回転エネルギー(第3
項)の和であり、また、θ軸に係るラグランジアンL
も同様に並進エネルギーと、第2アーム11や駆動
モータ16のロータの回転エネルギーの和として、[数
9]式の右辺に示すように表される。尚、Jm2の公転
分についての並進エネルギーや回転エネルギーはラグラ
ンジアンLgに含まれるものとする。
【0065】Rz軸に係るラグランジアンLgは、
[数10]式の右辺に示すように、駆動モータの回転エ
ネルギー(第1項)と、ツール搭載軸12の鉛直方向に
おける運動エネルギー(第2項)と、ツール搭載軸12
にかかる重力のポテンシャルエネルギー(第3項)との
和である。尚、アクチュエータ21を構成するモータ
や、ボールネジ等の機構部分、負荷等の公転分について
のエネルギーはラグランジアンLgに含まれる。
【0066】Rθ軸に係るラグランジアンLgは、
[数11]式に示すように、負荷の並進エネルギー(第
1項)と公転エネルギー(第2項)と、モータ22の回
転エネルギーの和である。
【0067】尚、以上の解析にあたっては、説明を簡単
にするために、運動方程式における粘性項や非線形項、
熱エネルギーの散逸を無視するとともに、アーム等がサ
ーボ指令値通りに運動するものと仮定している。
【0068】しかして、全系のラグランジアンLgはL
乃至Lgの和となるが、下式[数12]の関係式
を用いると、最終的に下式[数13]のようになる。
【0069】
【数12】
【0070】
【数13】
【0071】但し、[数13]式における力学定数「A
(i=1、2、3、4)」、「B(i=1、
4)」、「C」、「D(i=1、2、3、4)」、
「E(i=1、4)」、「F(i=1、3、
4)」、「H(i=0、1)」は下式に示す通りであ
る。
【0072】
【数14】
【0073】
【数15】
【0074】
【数16】
【0075】尚、[数13]式の導出に係る式変形にあ
たっては、上記[数6]式乃至[数11]式や複素数の
絶対値の計算等を用いれば良い。また、[数14]式乃
至[数16]式において定義される18個の力学定数に
ついては、ロボット6の設計図に基づいて計算すること
ができるが、これらの力学定数を精度良く同定するため
には、実験によって決定する方が好ましい(例えば、モ
ータ電流や、位相角、角速度、角加速度等を実測すれば
良い。)。
【0076】さて、以上のようにラグランジアンが求ま
ると、ロボット系の運動を記述することができる。即
ち、各駆動軸についてモータの発生するトルクを
「τ」(i=1、2、3、4)とすると、下式[数1
7]に示すオイラー−ラグランジュ方程式に従って、各
駆動軸に係る運動方程式([数18]式乃至[数21]
式)を導出することができる。
【0077】
【数17】
【0078】
【数18】
【0079】
【数19】
【0080】
【数20】
【0081】
【数21】
【0082】尚、[数18]、[数19]、[数21]
式では「cosθ=C(θ)」、「sinθ=S
(θ)」とおいて、記述の簡略化を図った。
【0083】[数20]式に示すRz軸を除いて、各駆
動軸の間には複雑な力学的干渉作用が働いていること
が、[数18]、[数19]、[数21]式から明らか
となる。
【0084】図4は、本発明に係るサーボ制御装置24
の機能的な構成を示すものであり、指令部25からの信
号が加減速パターン生成部26に入力され、加減速パタ
ーン生成部26の出力はサーボ系27に送出されるとと
もに、非干渉化計算部28を介してサーボ系27に送出
される。尚、ここにいう「サーボ系」とは、制御対象で
ある駆動源及び/又は駆動機構の他、サーボ回路等を含
む系を意味している。また、サーボ系を除く部分は制御
装置においてソフトウェア処理により実現される部分で
あるが、図では各部の機能をブロック要素で視覚化して
表現している。また、「加減速パターン」とは、加減速
曲線によって直接に記述される状態量の変化は勿論、該
状態量の時間微分や積分値の変化等を含む広義の概念で
ある。
【0085】加減速パターン生成部26は、指令部25
からの信号に基づいて状況に応じた加減速パターンを生
成するものであり、例えば、本願出願人が特開平3−1
47103号公報にて開示したように、サーボ系27の
応答特性を基本とし、この応答特性を再現する手段に指
令値を与えたときの応答出力結果として、加速パターン
を生成し、減速時には、加速パターンに対して時間的な
対称化操作を施すことによって減速パターンを得ること
を制御の基礎としている。
【0086】例えば、サーボ系27にステップ入力信号
を与えた場合には、理想的なサーボ系を除いてこれに完
全に追従した振る舞いをすることはなく、サーボ系27
の応答の遅れにより、実際の立ち上がり特性では、ステ
ップ入力信号の定常値に達するまでに時間がかかること
になる。そこで、運動方程式の可逆性(つまり、運動方
程式が時間反転に関して対称性を有するという性質。)
を利用して、サーボ系27が追従可能な加速パターンに
対して時間的な対称化を行う(例えば、スタックを用い
た操作等による。)ことによって減速パターンが得られ
るように制御すると、サーボ系の円滑な制御が可能とな
る。例えば、図5(b)に示すように、速度ωの制御で
は、速度ωがそのピーク値ωpを示す時間を「Tp」と
した時、t=Tpを通りω軸に平行な直線LNに関して
加速時のグラフ曲線29を折り返した曲線によって減速
時のグラフ曲線30が得られるように操作し、または、
これと同じ事を位置θの制御について言及すれば、図5
(a)に示すように、加速時のグラフ曲線31に対し
て、点P(t=Tp)に関する点対称操作を施すことに
よって減速時のグラフ曲線32が得られるように操作す
る。尚、最適な加減速パターンを決める上で主要な要素
はサーボ系の応答特性であり、この点に関して設計者の
能力や経験等が介入する余地は皆無であるため、原理的
に明確なアルゴリズムに従ってサーボ系にとっての最適
制御パターンを得ることができる。また、図5(a)、
(b)では、加速パターンに対して、時間t=一定の線
に関する線対称性化の操作や、時間t=一定の線上の点
に関する点対称化の操作によって減速パターンを得るよ
うにしたが、これらはほんの一例に過ぎず、例えば、図
5(c)に示すように、加速時のグラフ曲線29′を、
時間軸上の点Q(t=Tp)に関して時計回り方向に9
0゜だけ回転させることによって、グラフ曲線29′に
対して回転対称性を有する減速パターン30′を形成す
る等、各種の対称化の操作が可能である。
【0087】そして、例えば、PTP(Point T
o Point)動作に係る制御については、特開平4
−157508号公報に示すように、速度のピーク時間
Tpと移動距離との間の関係を予め指定したり、あるい
は、特開平4−306711号公報に示すように、駆動
軸間の力学的な干渉作用について、エネルギー式や駆動
源のパワー及びパワー配分に基づいてサーボ系を理論的
にモデル化して速度のピーク時間Tpの最適値を算出し
て、上記のような加減速パターンを生成する方法を本願
出願人が提案している。
【0088】即ち、図6に示すように、制御装置33
は、指令部25からの指令がパターン生成部34やTp
値設定/決定部35に送出され、パターン生成部34の
出力がサーボ系27に送出されるように構成される。
【0089】Tp値設定/決定部35は、加減速パター
ンの形状を指定するための情報等を入力部36から受け
取り、軸駆動量と速度のピーク時間との関数関係やエネ
ルギー演算式に基づいて速度のピーク時間Tpを求める
ために設けられており、Tp値に係る情報をパターン生
成部34に送出する。
【0090】パターン生成部34は指令部25からの情
報やTp値設定/決定部35からのTp値に係る情報に
基づいて加減速パターンを生成するものである。つま
り、ここでは、加減速パターンを生成する上で基準とな
る関数を用意して、これに時間的なスケール変換操作や
図5で示したような時間的な対称化の操作が基本とな
る。尚、「時間的なスケール変換操作」とは、軸駆動量
についての保存を前提とした時間軸に関する変倍操作を
意味する。図7は、速度ωに関する時間的なスケール変
換操作について示すものであり、変換パラメータkを導
入して、グラフ曲線37(t=Tpでの速度値=ωp、
時間軸方向の幅2・Tp)に対して、時間軸をk倍に伸
縮するとともに速度ピーク値をk分の1倍にすることで
グラフ曲線38を得る純粋に理論的な操作である。
【0091】パターン生成部34は、このような時間的
なスケール変換操作をTp値に応じて施すことにより加
速パターンの元を生成して、該加速パターンに対して時
間的な対称化操作を施すことによって減速パターンを得
ることができるように構成されている。
【0092】尚、パターン生成方法としては、例えば、
下記に示す2通りの方法を挙げることができる。 (1)関数計算による方法(図8(a)参照。) 現実のサーボ系の応答特性が、理論的に明快に解析され
ているような場合に、サーボ系の制御変数を関数式とし
て表現することができれば、パターン生成の対象となる
量を予め数式によって用意することができる。例えば、
図8(a)に簡単に示すように、パターン生成部34内
に関数演算部34aと時間軸操作部34bとを設け、関
数演算部34aにおいて制御変数に係る基準関数群を予
め決定しておけば、時間軸操作部34bによって上記の
ような時間的スケール変換や対称化操作を基準関数に対
して容易に施すことができる。即ち、基準関数の関数値
の計算とこれに四則演算を組みあわせた計算レベルで済
むことになる。 (2)仮想サーボ系を用いる方法(図8(b)参照。) ここにいう「仮想サーボ系」とは、現実のサーボ系に対
応した構成をソフトウェア処理によって模擬的に構築し
て制御装置内に用意される系であり、これを計算手段と
して用いることによって各種の推定量の算出に利用する
ことができる。例えば、モータの制御回路には、モータ
の制御に直接に関係する回路部分や制御の安定化のため
の動的補償に係る部分等がサーボ系内に設けられるが、
これらに対応した構成を有する仮想モータ系を、ソフト
ウェア処理による内部モデルとして制御装置内に用意す
れば、仮想モータ系に対して指令を与えた時の応答特性
を得て、これをそのまま実際のサーボ系の制御に利用す
ることができる。
【0093】また、サーボ系の構成が比較的簡単な場
合、即ち、サーボ系の応答特性が解析式によって表現す
ることができ、計算が簡単な場合には、上記(1)のよ
うに関数計算による方法が有効であるが、一般には、サ
ーボ系の応答特性は解析式によって容易に表わされると
は限らないので、現実のサーボ系を摸した仮想サーボ系
を導入することは、実際的な見地から有用である。
【0094】例えば、図8(b)に示すように、仮想サ
ーボ系34c(図ではシグナルフロー線図で表現してい
る。)を用意するとともに、時間軸操作部34bを設
け、該仮想サーボ系34cの各ノードから得られる諸量
に対して時間軸操作部34bによる時間的なスケール変
換操作や対称化操作を施すことができるようにプログラ
ム処理により系を構成すれば良い。
【0095】また、ロボットの種類や構造等が異なる場
合でも、ロボットの駆動に係るサーボ系の構成に応じて
仮想サーボ系34cの構成を改変すれば容易に制御の変
更が可能であるため、汎用性が高い。
【0096】尚、これまでの説明はPTP動作に係る制
御について行ったが、CP(Continuous P
ath)動作に関する制御については、本願出願人が、
特開平6−19528号公報で示した方法を用いれば、
サーボ系の構造に依存することのない汎用的なアルゴリ
ズムに従った制御を実現することができる。
【0097】即ち、PTP動作にあっては、ロボットの
移動経路上の重要な点のみを指定し、その点間の経路が
不問とされるのに対し、後者のCP動作ではロボットの
移動経路(以下、その指定曲線を「CP曲線」とい
う。)を指定するとともに、CP曲線に沿ってロボット
の手先位置を如何に正確にトレースさせるかが問題とな
るため、軸駆動量の概念をCP曲線の曲線長で置き換え
るだけでは不充分であり、CP曲線における作用点の位
置制御が重要項目として浮上してくる。
【0098】その制御の大要を簡単にまとめると、以下
の(a)乃至(e)に示すようになる。
【0099】(a)CP曲線の計算時間間隔の決定 (b)CP曲線の曲線長に応じた加減速パターンの生成
及び線素列の算出 (c)CP曲線上に指定される点列と線素列とに基づく
関節角列の算出 (d)CP制御の精度を評価量とした速度ピーク値の最
適値の決定 (e)関節角列の算出に係る再計算処理及び計算結果の
サーボ系への出力 上記の「線素列」とは、CP曲線上に設定される多数の
点列間の長さを制御始点から制御終点に向かって順次に
配列したものであり、線素列や点列から関節角列を求め
ることは、CP曲線に沿ってロボットの作用点を運動さ
せようとするCP動作にとって基本的な事項であり、ロ
ボットアームの関節角列は逆運動学問題(手先位置が与
えられたときにロボットの関節変位や姿勢を求める問
題)の解として求められる。また、(c)の速度ピーク
値については、理想的には大きい値程好ましいが、制御
精度の如何によって制限を受けるため、その適正値を規
定する必要が生じる。
【0100】尚、逆運動学問題の解析にあたっては、順
運動学問題(ロボットの関節変位や姿勢からロボットの
手先位置を求める問題)の解法に係る演算要素(同次変
換行列)を利用してこれにロボット構造を反映させ、該
演算要素を含むネガティブフィードバックフィルターに
よる計算処理を通して解を求めるようにしたフィルタリ
ング法を挙げることができ、また、ロボットの作用点を
指定されたCP曲線に沿って精度良く移動させるために
標本化に際して時間軸補正を行い、加減速パターンの生
成や速度制御等に要する計算処理上の負担を減らして処
理の高速化を図るとともに、この時間軸補正を介在させ
ることによってCP動作に係る制御のアルゴリズムの基
本部分には何等変更を加えることなく単にCP曲線の曲
線長を駆動軸の軸駆動量へと置換するだけでPTP動作
の制御を可能とし、PTP動作とCP動作との間で制御
の統一化を図ることができることは特筆すべき事項であ
る(その詳細については説明を省略する。)。
【0101】非干渉化計算部28は、加減速パターン生
成部26によって得られる諸量に基づいて各駆動軸に関
する力学的な干渉項を打ち消すためのトルク補正計算を
行うものであり、力学系の非干渉化にとって本質的な部
分である。
【0102】今、ある駆動軸に係る状態量を「θ」と
し、その時間によるn次(nは自然数)の導関数を「θ
(n)」で表すことにする。例えば、サーボ系がモータ
を含むものとして、該モータの位相角を「θ」とする
と、「θ(1)」は角速度、「θ(2)」は角加速度を
それぞれ示すことになる。
【0103】また、各駆動軸に係る状態量を、「θ」に
下付の添え字「i」(i=1、2、・・・)を付すこと
によって表して、これらの列(θ、θ、・・・)を
ベクトル「Θ」とし、その時間によるn次(nは自然
数)の導関数θ(n)に下付の添え字「i」(i=1、
2、・・・)を付したもので構成される列
(θ (n)、θ (n)、・・・)をベクトル「Θ
(n)」で表すことにする。
【0104】駆動軸の発生トルクに係るベクトル量をT
(=(T、T、・・・))、慣性モーメントに係る
ベクトル量をΘの関数として「J(Θ)」とし、また、
ある駆動軸を対象とした時これとは異なる駆動軸が当該
駆動軸に及ぼす外乱トルクに係るベクトル量を、Θ、Θ
(1)、Θ(2)のベクトル関数として「TH(Θ、Θ
(1)、Θ(2))」(TH=(TH、TH、・・
・)。但し、i番目の駆動軸に係る量THはTH
TH(Θ、Θ(1)、Θ(2))である。)とし、駆
動軸間の干渉作用に依らない純粋にランダムな外乱に係
るベクトル量を時間tの関数として「d(t)」でそれ
ぞれ表すことにすると、ロボット系の運動方程式は、下
式に示すベクトル方程式として一般化することができ
る。
【0105】
【数22】
【0106】パターン生成部34により加減速パターン
として得られる、ある駆動軸についての状態量を「θ
(t)」とし、その時間によるn次(nは自然数)の導
関数を「θ (n)」で表すことにし、各駆動軸に係る
状態量を、「θ」に下付の添え字「i」(i=1、
2、・・・)を付すことによって表して、これらの列
(θd1、θd2、・・・)をベクトル「Θ」とし、
その時間によるn次(nは自然数)の導関数θ (n)
に下付の添え字「i」(i=1、2、・・・)を付して
たもので構成される列(θd1 (n)、θd2 (n)
・・・)をベクトル「Θ (n)」で表すことにする。
【0107】そして、加減速パターンに沿って各駆動軸
を運動させた場合に、ある駆動軸を対象としてこれとは
異なる駆動軸が当該駆動軸に及ぼす外乱トルクに係るベ
クトル量を「TH」と定義すると、これは、Θ、Θ
(1)、Θ (2)のベクトル関数として「TH
(Θ、Θ(1)、Θ(2))」(TH=(T
d1、THd2、・・・)。但し、i番目の駆動軸に
係る量THdiはTHdi=TH(Θ
Θ (1)、Θ (2))である。)と表すことができ
る。このベクトル量THは加減速パターンの生成にあ
たってΘ、Θ (1)、Θ (2)が知られているこ
とから明らかなように事前に計算可能な量であり、具体
的には、[数18]、[数19]、[数21]式におけ
る「τIFi」(i=1、2、4)の「θmi」、「θ
mi (n)」に「θdi」、「θdi (n 」をそれぞ
れ代入することによって下式のように求めることができ
る。
【0108】
【数23】
【0109】
【数24】
【0110】
【数25】
【0111】但し、加減速曲線については、そのθdi
やθdi (n)がサーボ系にとって実現可能なものであ
る必要があり、三角波のようにその頂点で加速度が不連
続となるものは避ける必要がある。
【0112】ところで、[数22]式の右辺にベクトル
THに負符号を掛けたものを加えると下式が得られ
る。
【0113】
【数26】
【0114】上式の右辺第2項及び第3項の「TH−T
」は、ロボット系のモデル化や力学的定数の同定が
完全であって、サーボ系が加減速パターンに追従して制
御される場合には理論的にゼロとなるので、結局、[数
26]式は下式のようになる。
【数27】
【0115】上式は、各駆動軸がランダムな外乱の影響
を受けながらも、他の駆動軸からの干渉から完全に解放
されている状態を示している。即ち、他の駆動軸からの
干渉項THがTHによって打ち消されることで、各駆
動軸に係る運動方程式が互いに独立した系を記述するこ
とになり、これによって多関節型ロボットをあたかも直
交型ロボットのように力学的非干渉系として取り扱うこ
との可能性が開けることになる。勿論、現実のロボット
系では各種の誤差要因によって「TH−TH」が完全
にゼロになるとは限らないが、サーボ系が上記のような
加減速パターンにほぼ追従して制御されている場合に
は、「TH−TH」という外乱項が小さな値となる。
【0116】非干渉化計算部28は、加減速パターンに
基づいて補正項THを計算して、これによって干渉項
THを打ち消すための出力をサーボ系27に送出するよ
うに構成されている。例えば、パターン生成方法とし
て、上述した仮想サーボ系を用いる方法を採用した場合
には、図9に示すように、仮想サーボ系34cのノード
から直接又は間接的にΘ、Θ (1)、Θ (2)
得て、補正項THの値を[数23]乃至[数25]式
に基づく演算により求めて、これに負の符号をつけたも
のを、非干渉化計算部28が現実のサーボ系27におけ
るトルクノードTにそのまま送出するように構成すれば
良い。また、関数計算による方法では、Θ、Θ
(1)、Θ (2)や干渉項THに係る関数形は既知で
あるため、単に関数値を求めれば良い。
【0117】例えば、PTP動作に係る制御において、
指令信号としてランプ信号を用いた場合には、Θ、Θ
(1)、Θ (2)が下式のように表されるので、こ
れらを補正項THに代入すれば、TH=TH
(Θ、Θ (1)、Θ (2))からTHの値を計
算することができる。
【0118】
【数28】
【0119】尚、上式において、「ΔΘ」は軸駆動量、
「T」はランプ信号の折れ時間、「T」、
「T」、「T」は仮想モータ系として3次のフィル
タ構造を有する場合の制御ループにおける極の逆数をそ
れぞれ示している。また、関数u(t)は、Θ等の表
現の便宜上導入される関数であり、Θの時間微分によ
ってΘ (1)やΘ (2)が直接に得られる訳ではな
いことに注意を要する。
【0120】本発明に係る制御の手順をまとめると、以
下の(S1)乃至(S5)及び図10に示すようにな
る。
【0121】(S1)制御対象についての力学的なモデ
ル化 即ち、図3及び[数6]乃至[数16]式を用いて説明
したように、制御対象であるロボット系についての力学
的なモデル化に基づいてエネルギー解析を行う。
【0122】(S2)運動方程式における力学的干渉項
の算定 [数17]式乃至[数21]式に示すように、各駆動軸
についての運動方程式に基づいて、駆動軸が他の駆動軸
から受ける力学的干渉項を導出する。
【0123】(S3)指令値に応じた加減速パターンの
生成 指令部25の発する指令値に応じて、加速度の連続性が
保証されかつ加速パターンと減速パターンとが時間軸に
ついて対称性を有する加減速パターン(図5参照。)を
生成する。尚、ここでいう「時間軸についての対称性」
には、前述したように、時間t=一定の線に関する線対
称性、時間t=一定の線上の点に関する点対称性、時間
軸上の点に関する回転対称性等が含まれる。
【0124】(S4)非干渉化のための補正項TH
計算 加減速パターンに沿う制御変数を(S2)の力学的干渉
項に代入して、補正項THの値を[数23]式乃至
[数25]式に示すように算出する。
【0125】(S5)サーボ系への制御出力の送出 加減速パターンに沿う制御出力と、補正項TH又は補
正項THによる力学的非干渉化作用と同等の効果を得
るための出力をサーボ系27に送出する。
【0126】尚、本発明に係る非干渉化のためのトルク
補正は、図4及び図9から明らかなように、パターン生
成部34からサーボ系27へと至るフィードフォワード
法であるため、制御の安定性の面で有利である。
【0127】図11は、上記ロボット6に関する制御装
置の機能的構成の要部を各駆動軸に対して視覚化して示
したものである。
【0128】各加減速パターン生成部26(i=1、
2、3、4)には、指令部25からの指令信号、例え
ば、図示するような所定の傾斜をもったランプ信号等が
それぞれ入力され、これに応じた加減速パターンが生成
される。そして、加減速パターンに沿う制御変数Θdi
やΘdi (1)、Θdi (2)が非干渉化計算部28に
送られ、ここで、補正項THの値が各駆動軸に対して
計算される(但し、Rz軸については、[数20]式か
ら明らかなように、干渉項がないので計算から除外され
る。)。 非干渉化計算部28(i=1、2、4)
は、サーボ系27に対して加減速パターンに沿う制御変
数ΘdiやΘdi (n)、補正項THに係るトルク計
算値([数23]式乃至[数25]式参照。)を、サー
ボ系27においてこれらに対応するノードに制御指令と
してそれぞれ送出する。
【0129】以上に説明したように、本発明によれば機
構的には力学的干渉系である制御対象をあたかも力学的
非干渉系であるかのように、つまり、ロボット6につい
て言えば、多関節型ロボットを直交型ロボットであるか
のように擬制することが可能となる。
【0130】尚、上記実施例では、本発明をロボット系
の制御に適用したが、ロボット系を構成する各駆動軸に
対して本発明を適用することができることから明らかな
ように、駆動軸が互いに力学的に干渉し合っている系で
あれば、その構造が如何なるものであっても本発明を適
用することが可能である。
【0131】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1、請求項2に係る発明によれば、ある駆動
要素が他の駆動要素から受ける力学的干渉項を打ち消す
ための補正計算を行い、これによってサーボ系における
力学的干渉項による外乱を除去して、構造上は力学的干
渉系である制御対象をあたかも力学的非干渉系であるか
のように制御することができるので、サーボ系に対する
制御性の向上によって、運動の高速化や安定化を図るこ
とができる。
【0132】また、請求項3、請求項4に係る発明によ
れば、請求項1や請求項2に係るサーボ制御をロボット
系の制御に適用することによって、アームとアームとの
間やアームとツール搭載部との間の力学的干渉作用がア
ーム又はツール搭載部に与える影響を、ロボットの構造
の改変に拠ることなくその制御において除去すること
で、例えば、多関節型ロボットをあたかも直交型ロボッ
トであるかのように制御することができ、ロボットの特
定の構造に依存しない汎用性の高い制御を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図11とともに本発明について説明す
るための図であり、本図はロボット制御装置の構成例を
示す図である。
【図2】制御対象であるロボットの構成例を示す概略図
である。
【図3】平面で見た場合の図2のロボットを略線的に示
す図である。
【図4】本発明に係る制御装置の機能的な構成を示すブ
ロック図である。
【図5】加減速パターンの生成法について説明するため
のグラフ図であり、(a)は駆動軸の移動量ΔΘについ
ての時間的な対称化操作を示し、(b)は速度ωについ
ての時間的な対称化操作を示し、(c)は時間軸上の点
に関する回転対称性についてそれぞれ示す。
【図6】加減速パターン部の構成例を概略的に示すブロ
ック図である。
【図7】加減速パターンの生成にあたって基準関数に対
する時間的なスケール変換操作を施した様子を示すグラ
フ図である。
【図8】加減速パターンの生成法に係るパターン生成部
について説明するための概念図であり、(a)は関数計
算を用いる方法、(b)は仮想サーボ系を用いる方法に
ついてそれぞれ示す。
【図9】非干渉化計算部における補正項の計算について
説明するための概略図である。
【図10】制御手順について説明するための図である。
【図11】図2のロボットに対する制御装置の機能的な
構成を示すブロック図である。
【図12】図13とともに従来の問題点について説明す
るための図であり、本図はロボットの構成例を示す概略
図である。
【図13】平面で見た場合の図12のロボットを略線的
に示す図である。
【符号の説明】
1 ロボット制御装置 6 ロボット 10、11 アーム 23 ツール搭載部 24 サーボ制御装置 25 指令部 26 加減速パターン生成部 27 サーボ系 28 非干渉化計算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05D 3/12 305 G05D 3/12 305V 306R 306 306G G05B 19/407 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各駆動要素が互いに力学的な干渉作用を
    及ぼし合いながら運動するように構成された力学系の制
    御を行うために、駆動要素とその制御手段を含むサーボ
    系に対して制御信号を送出するサーボ制御装置であっ
    て、 サーボ制御変数について指令を発する指令部と、 加速度の連続性が保証されかつ加速パターンと減速パタ
    ーンとが時間軸について対称性を有する加減速パターン
    を生成してサーボ系に送出する加減速パターン生成部
    と、 サーボ系に係る運動方程式においてある駆動要素に対し
    て他の駆動要素から受ける力学的干渉項を打ち消すため
    の補正項の値を、加減速パターン生成部からの加減速パ
    ターンに係る制御変数を力学的干渉項に代入して計算
    し、これを駆動要素間の力学的干渉項を打ち消すための
    出力としてサーボ系に送出する非干渉化計算部とを備え
    たことを特徴とするサーボ制御装置。
  2. 【請求項2】 各駆動要素が互いに力学的な干渉作用を
    及ぼし合いながら運動するように構成された力学系の制
    御を行うためのサーボ制御方法であって、 (1)駆動要素とその制御手段を含むサーボ系について
    の力学的なモデル化を行った後、 (2)サーボ系に係る運動方程式において、ある駆動要
    素が他の駆動要素から受ける力学的な干渉項を算定し、 (3)サーボ制御変数についての指令値に応じて、加速
    度の連続性が保証されかつ加速パターンと減速パターン
    とが時間軸について対称性を有する加減速パターンを生
    成し、 (4)(3)の加減速パターンに基づいて(2)の力学
    的干渉項を打ち消して非干渉化するための補正項の値
    を、加減速パターンに係るサーボ制御変数を(2)の力
    学的干渉項に代入することで計算し、 (5)(3)の加減速パターンに沿う制御指令及び
    (4)の補正項に係る出力を略同時にサーボ系に送出す
    るようにした、 ことを特徴とするサーボ制御方法。
  3. 【請求項3】 アームとアームとの間及び/又はアーム
    とツール搭載部との間で力学的な干渉作用を及ぼしなが
    ら運動するように構成されたロボットの制御を行うため
    に、ロボットのアーム及び/又はツール搭載部の駆動制
    御に係る駆動源やサーボ回路を含むサーボ系に対して制
    御信号を送出するロボット制御装置であって、 ロボットの運動状態に係る制御変数について指令を発す
    る指令部と、 指令部からの指令に応じて、加速度の連続性が保証され
    かつ加速パターンと減速パターンとが時間軸について対
    称性を有する加減速パターンを生成してサーボ系に送出
    する加減速パターン生成部と、 ロボットの駆動軸に係る運動方程式においてある駆動軸
    が他の駆動軸から受ける力学的な干渉項を打ち消すため
    の補正項の値を、加減速パターン生成部からの加減速パ
    ターンに係る制御変数を力学的干渉項に代入することで
    計算し、これを駆動軸間の力学的干渉項を打ち消すため
    の出力としてサーボ系に送出する非干渉化計算部とを備
    えた、 ことを特徴とするロボット制御装置。
  4. 【請求項4】 アームとアームとの間及び/又はアーム
    とツール搭載部との間で力学的な干渉作用を及ぼしなが
    ら運動するように構成されたロボットの制御を行うため
    のロボット制御方法であって、 (1)ロボットのアーム及び/又はツール搭載部の駆動
    制御に係る駆動源やサーボ回路を含むサーボ系について
    の力学的なモデル化を行った後、 (2)ロボットの各駆動軸に係る運動方程式において、
    あるアーム又はツール搭載部が他のアーム又はツール搭
    載部から受ける力学的な干渉項を算定し、 (3)ロボットの運動状態に係る制御変数の指令値に応
    じて、加速度の連続性が保証されかつ加速パターンと減
    速パターンとが時間軸について対称性を有する加減速パ
    ターンを生成し、 (4)(3)の加減速パターンに基づいて(2)の力学
    的干渉項を打ち消してすための補正項の値を、加減速パ
    ターンに係る制御変数を(2)の力学的干渉項に代入す
    ることで計算し、 (5)(3)の加減速パターンに沿う制御指令及び
    (4)の補正項に係る出力を略同時にサーボ系に送出す
    るようにした、 ことを特徴とするロボット制御方法。
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