JPH08329458A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JPH08329458A
JPH08329458A JP10441296A JP10441296A JPH08329458A JP H08329458 A JPH08329458 A JP H08329458A JP 10441296 A JP10441296 A JP 10441296A JP 10441296 A JP10441296 A JP 10441296A JP H08329458 A JPH08329458 A JP H08329458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
layer
heat treatment
recording medium
protective layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10441296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3657344B2 (ja
Inventor
Keiji Moroishi
圭二 諸石
Takashi Sato
孝 佐藤
Isao Kawasumi
功 河角
Kiyoshi Sato
潔 佐藤
Hisao Kawai
久雄 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP10441296A priority Critical patent/JP3657344B2/ja
Publication of JPH08329458A publication Critical patent/JPH08329458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3657344B2 publication Critical patent/JP3657344B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い保磁力と高い再生出力を有するととも
に、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に、少なくとも、下地層
2、CoPtCr系磁性層、保護層6を順次形成する磁
気記録媒体の製造方法であって、下地層2を形成する前
のガラス基板1を300〜450℃の温度で加熱する第
一熱処理工程と、保護層形成過程中又は保護層6形成後
に250〜400℃の温度であって前記第一熱処理温度
よりも低い温度で基板を加熱する第二熱処理工程と、を
含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記憶装置等に用い
られる磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は歴史が古く成熟した技術
に立脚しているといえるが、近年の情報化社会の進展に
伴い、現在高密度化が加速され性能が急速に向上しつつ
あり、その重要性はますます高まっている。
【0003】特に、コンピュータの周辺記憶装置に用い
られる磁気ディスク(ハードディスクやフロッピーディ
スクなど)の分野においては、記録密度の向上のため記
録層の薄膜化が進んでおり、磁気薄膜を用いた薄膜媒体
の時代を迎えつつある。そして、半導体ICの際限のな
い高密度化と同様のペースで進展を遂げており、将来は
1Gbit/in2をもねらう勢いにあり、周辺技術も
含め熱心に研究開発が進められている。
【0004】このような薄膜記録層としては、高い保磁
力を有するCoPt系の磁性層が注目されており、さら
に、このCoPt系磁性層をCrからなる非磁性層で分
割してCoPt磁性膜/Cr非磁性膜/CoPt磁性膜
の多層構成として再生時のノイズを低減した薄膜記録層
が知られている。なお、CoPt系磁性層の熱処理条件
に関しては従来ほとんど研究されておらず、わずかに、
成膜前の基板を200℃前後の低温で加熱すること(特
開平3−224121号公報、特開平4−295625
号公報)や、SiO2保護膜を200〜300℃で焼成
して形成すること(特公平5−80804号公報)が記
載されているにすぎない。
【0005】一方、一般に、ハードディスク等の磁気記
録媒体は、非磁性基板上に下地層、磁性層及び保護層を
順次形成したもので、このディスク上で磁気ヘッドを搭
載したヘッドスライダーを浮上走行させながら記録及び
再生を行う。したがって、磁気記録媒体の高密度記録化
を実現するためには、磁性層の高保磁力化に加えて、ヘ
ッドスライダーの低浮上走行化を実現することが重要に
なってきている。すなわち、ヘッドスライダーを低浮上
走行させることによって、記録・再生の際の磁気ヘッド
と磁性層との間隔(スペーシング)を小さくして高密度
の記録・再生を可能にする必要がある。
【0006】また、ヘッドスライダーの走行開始及び停
止時における摺動走行と浮上走行との切替の繰り返し動
作(CSS:contact start and stop)の際に、磁気ヘ
ッド及び磁気記録媒体に加わる物理的・機械的負担が急
激に増すので、このCSSにおける磁気ヘッド及び磁気
記録媒体の耐久性の向上(高CSS耐久性)も必要にな
る。さらには、高密度記録化にともなって再生時のノイ
ズ低減化もより厳しく要求される。
【0007】ところで、現状の多くのハードディスク
は、非磁性基板としてアルミ合金基板を用い、その表面
にNi−Pメッキを施して研磨した後、テクスチャー加
工を施して表面に適度の表面粗さを付与しておき、しか
る後に、下地層、磁性層及び保護層等を順次スパッタ法
で形成したものである。すなわち、テクスチャー加工に
よる表面粗さに起因する凹凸が下地層及び磁性層を介し
て保護層表面に現れるようにして、CSSの際にヘッド
スライダーが磁気記録媒体に吸着するのを防止したり、
あるいは、両者の間の摩擦力の低減を図っている。
【0008】しかしながら、この方式で、上記高密度記
録化、低浮上走行化及び高CSS耐久性を実現させるに
は限界があることがわかってきた。これは、テクスチャ
ーによる表面凹凸が形成された上に、その凹凸にならっ
て凹凸のある下地層及び磁性層を形成していくことにな
るので、スパッタ粒子の入射角度が場所によって異なる
こと等が原因で、下地層及び磁性層の成膜過程で成長す
べき結晶が必ずしも良好に形成されず、磁性層の高保磁
力化が妨げられることが一因であると考えられる。
【0009】また、アルミ合金基板は表面平滑性が悪
く、テクスチャー加工によりディスク表面に現れる凹凸
の高低差が大きいため、スペーシングを小さくすること
ができず、低浮上走行化に限界がある。さらに、アルミ
合金基板の硬度等の機械的物性が、低浮上走行化及び高
CSS耐久性を図るために必要とされる機械的耐久性を
満たすには必ずしも十分なものでなく、また、下地層、
磁性層及び保護層等を良好な特性にするためにより高い
温度での加熱処理をはじめとする物理的・化学的処理を
施す必要がでてきているが、アルミ合金基板はこれらの
処理に対する耐熱性や耐食性等の物理的・化学的耐性も
十分でないことがわかってきた。
【0010】このような状況下にあって最近、高密度記
録化及び低浮上走行化がより容易に実現できる可能性の
高いものとして、非磁性基板としてガラス基板を用いた
磁気記録媒体が注目されている。これは、ガラスが、最
近のハードディスクの小径・薄板化に対応できる十分な
硬度を有する等の特性を有し、物理的・化学的耐久性に
も優れ、しかも、その表面を比較的容易に高い平面精度
(表面平坦性)に形成でき、したがってスペーシングを
小さくでき低浮上走行化を達成しやすい性質を有してい
ることが高密度記録化実現により適していることがわか
ってきたためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、高密度記録化を実現するためには、高保磁力化、
低浮上走行化及び高CSS耐久性を実現することが重要
であるが、これだけでは十分でない。すなわち、高密度
記録化にともなって、より高い再生出力も要求され、さ
らには、再生時のノイズについても、従来は問題となら
なかったようなレベルを問題にしなければならず、これ
らの特性についても改善する必要がある。
【0012】本発明は上記事情にかんがみてなされたも
のであり、高い保磁力と高い再生出力を有するととも
に、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体の製造方法の
提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するため鋭意研究を進めた結果、特定組成のCoC
rPt磁性層を有する磁気記録媒体を高温で熱処理する
と、磁気特性が飛躍的に向上することを第一に見出し
た。また、従来、熱処理によって残留磁化膜厚積(Mr
・t)が低下するとされていたが、特定組成のCoCr
Pt磁性層は高温で熱処理しても、Mr・tの低下によ
る再生出力の低下は見られず、分解能の向上によって逆
に再生出力が向上することもわかった。さらに、この熱
処理によって、各膜の物理的強度、各膜どうしの付着力
等が向上し、高CSS耐久性を実現できることもわかっ
た。
【0014】また、下地層形成前のガラス基板を300
〜450℃の高温で加熱してガラス中及び表面の不純物
ガスを放出させておき、この温度より低い温度で上記磁
気記録媒体の熱処理を行うと、磁気記録媒体の熱処理中
にガラス基板から不純物ガスが発生せず、不純物ガス等
による磁気特性の低下を抑止できることを第二に見出し
た。
【0015】さらに、CoCrPt磁性層を非磁性膜で
分割したタイプの多層化磁性層を高温で熱処理すると、
磁気特性が飛躍的に向上することを第三に見出した。す
なわち、各磁性層の膜厚が薄いために磁性層の上下から
の粒界拡散が均一に広がり、体積拡散が進行する前に磁
性層全体にわたり、磁性粒子の孤立化が達成される。し
たがって、保磁力は向上するがMr・tの低下による再
生出力の低下は見られず、分解能の向上によって逆に再
生出力が向上する。また、薄い膜に特徴的な結晶の歪み
を熱処理することで緩和でき、ノイズがさらに低減され
る。
【0016】また、上述した磁気記録媒体の熱処理を行
う場合、ガラス基板上にAl等の低融点金属層を形成し
ておくと、熱処理時にガラスから放出される不純物ガス
(H2O、O2、N2など)が磁性膜中に侵入し磁気特性
の劣化をもたらすことがないこと、及び熱処理によって
生ずる熱膨張差による膜の内部応力を緩和させる緩衝膜
としての役割を果たすことを第四に見出した。
【0017】このように熱処理を中心としこれに影響を
及ぼす要素を解明することで、各種要求特性を顕著に改
善でき、現在の厳しい要求特性を全て満たすことができ
ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0018】すなわち、本発明の磁気記録媒体の製造方
法は、ガラス基板上に、少なくとも、下地層、CoPt
Cr系磁性層、保護層を順次形成する磁気記録媒体の製
造方法であって、下地層を形成する前のガラス基板を3
00〜450℃の温度で加熱する第一熱処理工程と、保
護層形成過程中又は保護層形成後に250〜400℃の
温度であって前記第一熱処理温度よりも低い温度で基板
を加熱する第二熱処理工程と、を含む構成としてある。
【0019】また、本発明の磁気記録媒体の製造方法
は、上記磁気記録媒体の製造方法において、CoCrP
t系磁性層が、Co100-a-bPtaCrb(但し、a,b
は原子%を示し、5≦a≦18、8≦b≦25である)の組成
を有する磁性層である構成、磁性層が、CoPt系磁性
膜/Cr合金系非磁性膜/CoPt系磁性膜の多層化磁
性層である構成、保護層が、磁性層側からCr又はCr
合金層/酸化ケイ素を主成分とする層からなる構成、下
地層が、ガラス基板側からAl/Cr/CrMoの構成
の下地層である構成、あるいは、ガラス基板が、SiO
2、Al23、Li2O、Na2O、ZrO2を主成分とし
て含むアルミノシリケイトガラスを化学強化したガラス
基板である構成としてある。
【0020】さらに、本発明の磁気記録媒体は、非金属
基板上に、少なくとも、下地層、CoPtCr系磁性
層、保護層を順次形成する磁気記録媒体の製造方法であ
って、下地層を形成する前の非金属基板を300〜45
0℃の温度で加熱する第一熱処理工程と、保護層形成過
程中又は保護層形成後に250〜400℃の温度であっ
て前記第一熱処理温度よりも低い温度で基板を加熱する
第二熱処理工程と、を含み、S/N比と再生出力とを同
時に向上させる構成としてある。
【0021】
【作用】本発明では、二段階の高温熱処理工程を含む構
成としているので、高い保磁力と高い再生出力を有する
とともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明は、ガラス基板上に、少なくとも、
下地層、CoPtCr系磁性層、保護層を順次形成する
磁気記録媒体の製造方法であって、二段階の高温熱処理
工程を含むことを特徴とするものである。
【0024】ここで、第一熱処理工程では、下地層を形
成する前のガラス基板を300〜450℃の温度で加熱
する。この第一熱処理工程は、ガラス中の不純物ガスを
放出させる目的で行う。この目的からすると、300〜
400℃の温度で加熱することがより好ましい。また、
加熱時間は0.5〜5分程度が好ましい。
【0025】ガラス基板としては、ガラス基板、表面強
化ガラス基板、結晶化ガラス基板などが挙げられ、より
具体的には、アルミノシリケート系ガラス、アルミノボ
ロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラ
ス、ソーダライムガラスなどが挙げられる。また、ガラ
スと同様の性質を有するものとしてセラミック基板、ガ
ラスセラミック基板、Si基板、カーボン基板などの非
金属基板が挙げられる。化学強化ガラスは、例えば、ガ
ラス中のLi、Naイオン等をそれらよりもイオン半径
の大きいNa、Kイオン等でイオン交換により置換しガ
ラス表面層に強い圧縮応力を発生させて強度を増大させ
て得る。
【0026】ガラス基板等は、最近のハードディスクの
小径・薄板化に対応できる十分な硬度を有する等の特性
を有し、物理的・化学的耐久性にも優れ、しかも、その
表面を比較的容易に高い平面精度に形成でき、したがっ
てスペーシングを小さくでき低浮上走行化を達成しやす
い性質を有していることが高密度記録化実現により適し
ている。
【0027】本発明では、上記第一熱処理後のガラス基
板上に、下地層、CoPtCr系磁性層、保護層を順次
形成する。
【0028】ここで、下地層としては、Cr、CrMo
等を用いることもできるが、基板側からAl/Cr/C
rMoの構成の下地層が特に好ましい。これは、ガラス
基板上に磁性膜を形成する場合、Cr又はCrMo単独
の下地とした場合や、Al下地を形成しない場合に比
べ、より良好な磁気特性が得られるためである。すなわ
ち、下地層を基板側からAl/Cr/CrMoの構成の
下地層等とすることにより、磁性層の結晶粒の成長を良
好なものとすることができ、本発明の効果をさらに高め
ることが可能となる。
【0029】また、Al層は、熱処理時にガラスから放
出される不純物ガス(H2O、O2、N2など)が磁性膜
中に侵入して磁気特性が劣化するのを防止する効果があ
るとともに、熱処理によって生ずる熱膨張差による膜の
内部応力を緩和させる緩衝膜としての役割を果たす。
【0030】なお、CrMo(第三下地層)の代わり
に、CrV、CrZr、CrMoZr、CrB、Cr
W、CrTa、CrSiなどのCr系合金を用いてもよ
い。Cr系合金におけるMo等の他の元素の含有量は、
磁性層の格子間隔との整合性を考慮すると、2〜30a
t%、好ましくは5〜15at%程度が適当である。C
r系合金層の膜厚は、磁気記録媒体の各種磁気特性を考
慮すると、20〜150オングストローム程度が適当で
ある。磁性層と直接接するCrMo等の下地層は、磁性
層の結晶成長に影響を与え磁気特性に影響を与える。
【0031】また、Cr(第二下地層)の代わりに、T
i、W、Mo、Ta、Zr、Cu、Zn、In、Sn等
の非磁性材料を用いることもできる。この第二下地層は
2層以上とすることもできる。
【0032】さらに、Al(第一下地層)の代わりに、
Si、Pb、Cu、Ga、In等の材料を用いることも
できる。第一下地層の膜厚は、10〜100オングスト
ローム程度とすることが好ましい。膜厚が10オングス
トローム未満であると保磁力が低下するとともにノイズ
が増大し100オングストロームを超えると再生出力が
低下する。
【0033】本発明では、上記下地層上に磁性層を形成
する。この場合、特定組成のCoPtCr系磁性層を形
成することが好ましい。
【0034】具体的には、CoPtCr系磁性層の組成
は、Co100-a-bPtaCrb(但し、a,bは原子%を
示し、5≦a≦18、8≦b≦25)の範囲とすることが好ま
しい。これは、CoPtCr磁性層の組成によって熱処
理による影響が異なるためであり、CoPtCr磁性層
の組成を選ぶことによって、高温熱処理による磁気特性
の飛躍的向上を示すからである。このような効果をさら
に顕著に得るためには、単独磁性層の場合にあってはC
o100-a-bPtaCrb(但し、a,bは原子%を示し、8
≦a≦15、8≦b≦14)の組成とし、分割磁性層の場合
にあってはCo100-a-bPtaCrb(但し、a,bは原
子%を示し、10≦a≦15、10≦b≦18)の組成とするこ
とがさらに好ましい。
【0035】なお、CoPtCr系磁性層は、特定の磁
気特性を向上させる目的で他成分を加えた、CoPtC
rTa、CoPtCrB、CoPtCrNi等であって
もよい。
【0036】また、磁性層は、CoPt系磁性膜/Cr
合金系非磁性膜/CoPt系磁性膜であってもよい。こ
のような分割磁性層を用いると単独磁性層の場合に比べ
媒体ノイズを低減できる。また、このような分割磁性層
を高温で熱処理すると、磁性粒子の孤立化が促進されて
保磁力が向上し、分解能の向上によって再生出力も向上
する。さらに、各磁気薄膜の結晶歪みを熱処理すること
で緩和でき、ノイズがさらに低減される。
【0037】この場合、CoPt系磁性膜としては、C
oPtCr、CoPtTa、CoPtCrB、CoPt
CrTa、CoPtCrNiなどが好ましい。CoPt
系磁性膜におけるCoとPtの合計含有量は十分な保磁
力を得るという観点から65at%以上であることが好
ましく、また、Pt/Co(at%)の値は保磁力向
上、ノイズ低減及びコスト低減の観点から0.06以上
0.22以下の範囲とすることが好ましい。各CoPt
系磁性膜の膜厚は、磁気記録媒体の各種磁気特性を考慮
すると、150〜600オングストローム程度が適当で
ある。
【0038】また、Cr合金系非磁性層としては、Cr
Mo、CrV、CrZr、CrMoZr、CrB、Cr
W、CrTa、CrSiなどが好ましい。Cr系合金に
おけるMo等の他の元素の含有量は、磁性層の格子間隔
との整合性を考慮すると、2〜30at%程度が適当で
ある。Cr系合金層の膜厚は、磁気記録媒体の各種磁気
特性を考慮すると、20〜150オングストローム程度
が適当である。
【0039】なお、非磁性膜で分割される各磁性膜の材
質及び膜厚は同一としても良く、異なっていても良い。
また、磁性層は非磁性膜と磁性膜を交互に積層した多層
構造(例えば五層)としてもよい。
【0040】磁性層成膜時の基板温度は、250℃〜4
50℃であることが好ましい。これは、磁性層成膜時の
基板温度が、上記要求特性向上に寄与するからである。
なお、この温度範囲は従来知られている基板温度範囲よ
りも高温である。
【0041】本発明では、上記磁性層上に保護層を形成
する。
【0042】保護層は、磁性層を磁気ヘッドの接触摺動
による破壊から保護する目的で磁性層上に設けられる。
【0043】保護層としては、磁性層側からCr又はC
r合金層/酸化ケイ素を主成分とする層(ウエットSi
2層)からなる多層保護層が好ましく、この場合、C
r膜等は耐衝撃性と化学的保護の役割を果たし、SiO
2膜は、耐摩耗性と耐食性の役割を果たす。
【0044】この場合、Cr又はCr合金層の膜厚は、
20〜200オングストローム程度とすることが好まし
い。膜厚が20オングストローム未満であると保磁力が
低下し、200オングストロームを超えるとスペーシン
グロスによる感度低下が著しくなる。
【0045】なお、Cr合金層としては、Mo、Zr、
B、W、Ta、Siのうちの一種以上を含む合金が挙げ
られる。また、Crの代わりに、Ti、TiW、CrM
o、Ta、W、Si、Ge等の非磁性材料を用いること
もできる。
【0046】酸化ケイ素を主成分とする層(ウエットS
iO2層)は、例えば、上記Cr保護層上にテトラアル
コキシランをアルコール系の溶媒で希釈して塗布し、さ
らに焼成して酸化ケイ素(SiO2)膜を形成できる。
この場合、均一な粒径のシリカ微粒子等の硬質微粒子を
溶媒中に分散させておくと、高い耐摩耗性を付与できる
とともに、ヘッドの吸着を防止でき、さらにシリカ微粒
子による突起の高さ(テクスチャー)が均一であるため
スペーシングロスを小さくできる。
【0047】なお、保護層は、例えば、Cr膜、Cr合
金膜(CrMo等)、炭素膜、ジルコニア膜、シリカ
膜、SiN、SiC、Si−O−N、Si−O−C等の
単独膜、あるいは、これらの同一又は異種の膜からなる
多層構成とすることも可能である。
【0048】本発明では、上記保護層形成過程中又は保
護層形成後に第二熱処理を行う。
【0049】第二熱処理工程では、250〜400℃の
温度であって前記第一熱処理温度よりも低い温度で基板
を加熱する。
【0050】ここで、第二熱処理工程における加熱温度
を250〜400℃としたのは、250℃未満では十分
な保磁力向上効果や膜強度が得られず、400℃を超え
ると残留磁化膜厚積(Mr・t)の値が低下し再生出力
が低下するからである。このような観点からすると、第
二熱処理工程における加熱温度は、270〜350℃が
より好ましい。加熱時間は60〜150分程度が好まし
い。
【0051】また、第二熱処理工程において、第一熱処
理温度よりも低い温度で基板を加熱するのは、ガラス基
板からの不純物ガスの発生を防ぎ、磁気特性の劣化を防
ぐためである。
【0052】本発明では、必要に応じ、上記保護層上に
潤滑層を形成する。潤滑層は、磁気ヘッドと媒体表面と
の摩擦抵抗を低減する目的で保護層上に設けられる。
【0053】潤滑層は、一般に、液体潤滑剤であるパー
フロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶
媒で希釈し、媒体表面にディッピング法等によって塗布
し、必要に応じ加熱処理を行って形成する。潤滑剤とし
ては、上記の他に、フロロカーボン系液体潤滑剤やスル
ホン酸のアルカリ金属塩からなる潤滑剤などの従来より
公知のあるいは市販の潤滑剤を用いることもできる。
【0054】潤滑層の膜厚は、10〜30オングストロ
ーム程度が適当である。これは、10オングストローム
未満であると耐摩耗性が不十分であるとともに潤滑寿命
が短くなり、30オングストロームを超えると耐摩耗性
の向上がみられず、しかも磁気ヘッドの吸着の問題を生
ずるからである。
【0055】なお、下地層、磁性層、Cr保護層は、蒸
着装置や静止対向型スパッタ装置等を用いて形成するこ
ともできるが、インライン型スパッタ装置を用いて連続
して形成することが好ましい。この場合、各ターゲット
の間には隣接して発生するプラズマ間の影響を避けるた
めシールド板を設けることが好ましい。
【0056】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに具体
的に説明する。
【0057】実施例1 本実施例においては、図1示すような、ガラス基板1上
に、下地層2、第一磁性膜3、非磁性膜4、第二磁性膜
5、保護層6、潤滑層7を順次積層してなる磁気ディス
クを製造する。
【0058】なお、図1に示す磁気ディスクは、高い保
磁力を呈するCoPt系の磁性層を非磁性層で分割する
ことにより、ノイズの低減を図ったものであり、MRヘ
ッド(磁気抵抗型ヘッド)用磁気ディスクとして好適に
使用することができる。
【0059】まず、イオン交換によって化学強化したア
ルミノシリケイトガラスからなる2.5インチ径、厚さ
0.9mmのガラス基板の両面を精密研磨によって表面
粗さ(Ra)が30オングストローム(Rmaxが300
オングストローム)程度の鏡面とする。
【0060】ここで、ガラス基板としては、SiO2
62〜75重量%、Al23:5〜15重量%、Li2
O:4〜10重量%、Na2O:4〜12重量%、Zr
2:5.5〜15重量%を主成分として含有するとと
もに、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0、A
23/ZrO2の重量比が0.4〜2.5である化学
強化用ガラスをイオン交換によって化学強化したもの
(特開平5−32431号)を使用した。このような化
学強化ガラス基板は、耐熱性に優れ、加熱に際しNaの
析出がないとともに平坦性を維持し、ヌープ硬度にも優
れる。
【0061】上記ガラス基板を基板ホルダ(パレット)
に装着し、図2に示すインライン型DCマグネトロンス
パッタ装置10の仕込室11にパレット18を導入した
後、仕込室内11を大気状態からスパッタ室(真空チャ
ンバー)12の真空度と同等になるまで真空排気する。
その後、仕切板14を開放してパレット18を第一真空
チャンバー12a内に導入する。
【0062】この第一真空チャンバー12a内では、パ
レット18に装着したガラス基板をランプヒータ19に
よって375℃、2分間の加熱条件で加熱した後、パレ
ット18を50cm/minの搬送速度で移動させ、対
向して配置された放電状態にあるターゲット15a、1
5b間を通過させる。ターゲットはパレットの搬送方向
に対しAl、Crの順で配置されており、この配置され
たターゲットの順番通りにガラス基板の両面にAl下地
膜2a(膜厚50オングストローム)、Cr下地膜2b
1(膜厚300オングストローム)の順で積層される。
【0063】次に、パレット18をポート21を介して
第二真空チャンバー12bに移動し、この第二真空チャ
ンバー12b内に配置されたヒータ20で基板を再び加
熱する。加熱条件は350℃、1分間とする。
【0064】その後、Crターゲット15c、CrMo
ターゲット15d、CoPtCrターゲット15e、C
rMoターゲット15f、CoPtCrターゲット15
g、Crターゲット15hの順で配置され、放電状態に
あるターゲット15c〜15h間を、50cm/min
の搬送速度でパレット18を通過させる。そして、この
配置されたターゲットの順番通りにCr下地膜2b
2(膜厚300オングストローム)、CrMo下地膜2
c(膜厚100オングストローム)、CoPtCr第一
磁性膜3(膜厚120オングストローム)、CrMo非
磁性膜4(膜厚50オングストローム)、CoPtCr
第二磁性膜5(膜厚120オングストローム)、Cr第
一保護層6a(膜厚50オングストローム)の順で各膜
が積層される。
【0065】なお、CrMoターゲット15dの組成比
はCr98at%、Mo2at%とし、CrMoターゲ
ット15fの組成比はCr95at%、Mo5at%と
した。また、CrMoターゲット15d及び15fにお
いてはいずれも500Wの低い投入電力でスパッタを行
なった。
【0066】CoPtCrターゲット15e及び15g
の組成比はいずれもCo72at%、Pt14at%、
Cr14at%とした。さらに、真空チャンバー内の到
達圧力(真空度)は5×10-6torrとし、Arガス
を導入して2mtorr(2×10-3torr)でスパ
ッタを行った。
【0067】上記スパッタによる成膜終了後、基板を、
シリカ微粒子(平均粒経120オングストローム)を分
散した有機ケイ素化合物溶液(水とIPAとテトラエト
キシシランとの混合液)に浸し(シリカ微粒子:水:I
PA:テトラエトキシシランの重量比は10:0.3:
3:500)、300℃で30分間熱処理することによ
って、シリコン酸化物(ポリケイ酸)膜(厚さ100オ
ングストローム)中にシリカ微粒子を含む第二保護層6
bを形成した。
【0068】最後に、この第二保護層6b上をパーフロ
ロポリエーテルからなる潤滑剤(モンテジソン社製AM
2001)でディップ処理して厚さ20オングストロー
ムの潤滑層7を形成した。
【0069】このようにして得た磁気ディスクの保磁力
(Hc)、残留磁化膜厚積(Mr・δ)、再生出力(μ
V)、ノイズ(μVrms)、S/N比についての評価
を行った。この結果を表1に示す。
【0070】実施例2〜3 保護層形成後の熱処理温度を、250℃(実施例2)、
380℃(実施例3)としたこと以外は実施例1と同様
にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0071】実施例4〜7 下地層形成前のガラス基板の熱処理温度、及び保護層形
成後の熱処理温度を、前者の温度が後者の温度より高温
となるように表1に示す値に変化させたこと以外は実施
例1と同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を
行った。この結果を表1に示す。
【0072】比較例1〜2 保護層形成後の熱処理温度を、150℃(比較例1)、
480℃(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様
にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0073】比較例3〜5 下地層形成前のガラス基板の熱処理温度、及び保護層形
成後の熱処理温度を、表1に示す値に変化させ、前者の
温度より後者の温度を高温としたこと以外は実施例1と
同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0074】比較例6 ガラス基板の熱処理、及び保護層形成後の熱処理を行わ
なかったこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスク
を作製し、同様の評価を行った。この結果を表1に示
す。
【0075】比較例7〜9 実施例1において、それぞれ、Al下地膜2aを形成し
なかったこと(比較例7)、Cr下地膜2b1、2b2
形成しなかったこと(比較例8)、CrMo下地膜2c
を形成しなかったこと(比較例9)、以外は実施例1と
同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0076】比較例10 保護層をカーボン単層膜としたこと以外は実施例1と同
様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。
この結果を表1に示す。
【0077】比較例11 保護層をカーボン単層膜とし、保護層形成後の熱処理を
行わなかったこと以外は実施例1と同様にして磁気ディ
スクを作製し、同様の評価を行った。この結果を表1に
示す。
【0078】実施例8〜11 CoPtCrターゲット15eと15gの組成比を、表
1に示す値に変化させたこと以外は実施例1と同様にし
て磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。この結
果を表1に示す。
【0079】比較例12〜15 CoPtCrターゲット15eと15gの組成比を、表
1に示す値に変化させたこと以外は実施例1と同様にし
て磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。この結
果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】表1から明らかなように、ガラス基板の熱
処理温度、及び保護層形成後の熱処理温度の両者が好ま
しい範囲にある場合に限り全ての要求特性を満たすこと
ができることがわかる。また、磁性層の組成や、下地層
や保護層の構成が異なると熱処理の効果が異なり、特定
構成の下地層や保護層を用いると、要求特性の向上に効
果的であることがわかる。
【0082】例えば、図3に示すように、実施例1〜1
1及び比較例1〜15における再生出力とS/N比との
関係は、実施例1〜11の場合、S/N比が30以上、
かつ、再生出力が450μV以上であり、高いS/N比
(低ノイズ)と高い再生出力を同時に満たしていること
がわかる。一方、比較例1〜15の場合、S/N比が3
0以上、かつ、再生出力が450μV以上であるものは
なく、いずれか一方あるいは両方の値が悪く、全体的に
データがばらついており、高いS/N比(低ノイズ)と
高い再生出力を同時に満足することが困難であることが
わかる。
【0083】実施例12〜16 ターゲット15f及び15gを使用せず(電力不投
入)、CoPtCr単独磁性膜(膜厚500オングスト
ローム)で磁性層を構成したことと、CoPtCrター
ゲット15eの組成比を表2に示す値に変化させたこ
と、及び、下地層形成前のガラス基板の熱処理温度及び
保護層形成後の熱処理温度を変化させ、前者の温度を後
者の温度より50℃高温とし、後者の温度を表2に示す
値に変化させたこと以外は実施例1と同様にして薄膜ヘ
ッド用磁気ディスクを作製し、保磁力、ノイズ、再生出
力(分解能、残留磁化膜厚積の減少率)についての評価
を行った。この結果を表2に示す。なお、残留磁化膜厚
積の減少率は,[(加熱処理前の残留磁化膜厚積)−
(加熱処理前の残留磁化膜厚積)]/(加熱処理前の残
留磁化膜厚積)から求めた。
【0084】実施例17〜21 保護層形成後の熱処理温度を、250℃(実施例1
7)、300℃(実施例18)、350℃(実施例1
9)、400℃(実施例20)、450℃(実施例2
1)とし、下地層形成前のガラス基板の熱処理温度を保
護層形成後の熱処理温より度50℃高温とし、磁性層の
組成を表2に示す値にしたこと以外は実施例12〜16
と同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行っ
た。この結果を表2に示す。
【0085】比較例16〜20 CoPtCrターゲット15eの組成比を表2に示す値
に変化させたこと以外は実施例12〜16と同様にして
磁気ディスクを作製し、同様の評価を行った。この結果
を表2に示す。
【0086】比較例21〜22 保護層形成後の熱処理温度を、200℃(比較例2
1)、500℃(比較例22)としたこと以外は実施例
17〜21と同様にして磁気ディスクを作製し、同様の
評価を行った。この結果を表2に示す。
【0087】比較例23 ガラス基板の熱処理温度を、375℃とし、保護層形成
後の熱処理温度を400℃(前者の温度より高温)とし
たこと以外は実施例13と同様にして磁気ディスクを作
製し、同様の評価を行った。この結果を表2に示す。
【0088】比較例24 ガラス基板の熱処理、及び保護層形成後の熱処理を行わ
なかったこと以外は実施例13と同様にして磁気ディス
クを作製し、同様の評価を行った。この結果を表2に示
す。
【0089】比較例25〜27 実施例13において、それぞれ、Al下地膜2aを形成
しなかったこと(比較例25)、Cr下地膜2b1、2
2を形成しなかったこと(比較例26)、CrMo下
地膜2cを形成しなかったこと(比較例27)、以外は
実施例13と同様にして磁気ディスクを作製し、同様の
評価を行った。この結果を表2に示す。
【0090】比較例28 保護層をカーボン単層膜としたこと以外は実施例13と
同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価を行っ
た。この結果を表2に示す。
【0091】比較例29 保護層をカーボン単層膜とし、保護層形成後の熱処理を
行わなかったこと以外は実施例13と同様にして磁気デ
ィスクを作製し、同様の評価を行った。この結果を表2
に示す。
【0092】比較例30 ガラス基板/Al下地層の代わりに、アルミ合金基板に
Ni−Pメッキを施したものを使用したこと以外は実施
例13と同様にして磁気ディスクを作製し、同様の評価
を行った。この結果を表2に示す。なお、アルミ合金基
板にNi−Pメッキを施したものは、約250℃を超え
るとNi−Pが磁化し、磁化曲線において軟磁性膜の磁
化曲線成分の影響を受け磁化曲線が多段状になる。この
結果、見かけ上保磁力は低下しないが、分解能が低下し
ノイズが増加する。
【0093】
【表2】
【0094】表2から明らかなように、磁性膜の組成、
ガラス基板の熱処理温度、及び保護層形成後の熱処理温
度のいずれか一が好ましい範囲にあっても、保磁力、再
生出力及びノイズの全ての要求特性を満たすことは困難
であり、すべてが好ましい範囲にある場合に限り全ての
要求特性を満たすことができることがわかる。すなわ
ち、組成が異なると熱処理効果が異なり、特定組成と特
定熱処理の組あわせによって、はじめて全ての要求特性
を顕著に改善できることがわかる。また、下地層や保護
層の構成が異なると熱処理の効果が異なり、特定構成の
下地層や保護層を用いると、要求特性の向上に効果的で
あることがわかる。
【0095】実施例22〜25 磁性層等の製膜時におけるガス圧を、表3に示す値に変
化させたこと以外は実施例1と同様にして磁気ディスク
を作製し、同様の評価を行った。この結果を表3に示
す。また、図4に、再生出力とS/N比との関係を示
す。
【0096】
【表3】
【0097】表3及び図4から明らかなように、磁性層
等の製膜時におけるガス圧を制御することで、磁気ディ
スクの保磁力(Hc)、再生出力(μV)、ノイズ(μ
Vrms)、S/N比の各要求特性を制御できることが
わかる。すなわち、本発明の条件と磁性層等の製膜時に
おけるガス圧条件とを組み合わせることで、全ての要求
特性の最適化が図られることがわかる。また、図4から
明らかなように、高いS/N比(低ノイズ)と高い再生
出力をより高いレベルで同時に満たすことができること
がわかる。
【0098】なお、上述した実施例及び比較例におい
て、保磁力(Hc)の測定は、製造した磁気ディスクか
ら8mmφの試料を切り出して、膜面方向に磁場を印加
し、振動試料型磁力計により最大外部印加磁場10kO
eで測定した。
【0099】また、記録再生特性(再生出力及び媒体ノ
イズ)の測定は、次のようにして行った。すなわち、表
1及び表3に示すMRヘッド用磁気ディスク(実施例1
〜11及び比較例1〜15、実施例22〜25)に関し
ては、得られたMRヘッド用磁気ディスクを用い、磁気
ヘッドの浮上量が0.055μmのMRヘッドを用い
て、MRヘッドと磁気ディスクの相対速度を6m/sと
し、線記録密度80kfci(1インチあたり8000
0ビットの線記録密度)における記録再生出力を測定し
た。また、キャリア周波数10MHzで、測定帯域を1
8MHzとして、スペクトロアナライザーにより信号記
録再生時のノイズスペクトラムを測定した。MRヘッド
としては、コイルターン数30、書き込み/読み取り側
でそれぞれトラック幅4.8/3.5μm、磁気ヘッド
ギャップ長0.43/0.31μmのMRヘッドを用い
た。
【0100】また、表2に示す薄膜ヘッド用磁気ディス
ク(実施例12〜21及び比較例16〜30)に関して
は、得られた薄膜ヘッド用磁気ディスクを用い、磁気ヘ
ッドの浮上量が0.055μmの薄膜ヘッドを用いて、
MRヘッドと磁気ディスクの相対速度を6m/sとし、
線記録密度70kfci(1インチあたり70000ビ
ットの線記録密度)における記録再生出力を測定した。
また、キャリア周波数8.5MHzで、測定帯域を15
MHzとして、スペクトロアナライザーにより信号記録
再生時のノイズスペクトラムを測定した。薄膜ヘッドと
しては、コイルターン数50、トラック幅6μm、磁気
ヘッドギャップ長0.25μmの薄膜ヘッドを用いた。
【0101】以上好ましい実施例をあげて本発明を説明
したが、本発明は必ずしも上記実施例に限定されるもの
ではない。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気記録媒
体の製造方法によれば、高い保磁力と高い再生出力を有
するとともに、再生時のノイズが小さい磁気記録媒体を
得ることができる。
【0103】特に、高い再生出力と高いS/N比を同時
に満たす磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造する磁気記録媒体の一例を示す概
略断面図である。
【図2】実施例で使用した磁気ディスク用インライン型
スパッタ装置を示す平面図である。
【図3】再生出力とS/N比との関係を示す図である。
【図4】再生出力とS/N比との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 下地層 3 第一磁性膜 4 非磁性膜 5 第二磁性膜 6 保護層 7 潤滑層 10 インライン型スパッタ装置 15 ターゲット 16 シールド板 18 パレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 潔 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 河合 久雄 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に、少なくとも、下地層、
    CoPtCr系磁性層、保護層を順次形成する磁気記録
    媒体の製造方法であって、 下地層を形成する前のガラス基板を300〜450℃の
    温度で加熱する第一熱処理工程と、 保護層形成過程中又は保護層形成後に250〜400℃
    の温度であって前記第一熱処理温度よりも低い温度で基
    板を加熱する第二熱処理工程と、を含むことを特徴とす
    る磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 CoPtCr系磁性層が、Co100-a-b
    PtaCrb(但し、a,bは原子%を示し、5≦a≦1
    8、8≦b≦25である)の組成を有する磁性層であること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 磁性層が、CoPt系磁性膜/Cr合金
    系非磁性膜/CoPt系磁性膜の多層化磁性層であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 保護層が、磁性層側からCr又はCr合
    金層/酸化ケイ素を主成分とする層からなることを特徴
    とする請求項1ないし3に記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 下地層が、ガラス基板側からAl/Cr
    /CrMoの構成の下地層であることを特徴とする請求
    項1ないし4に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ガラス基板が、SiO2、Al23、L
    2O、Na2O、ZrO2を主成分として含むアルミノ
    シリケイトガラスを化学強化したガラス基板であること
    を特徴とする請求項1ないし5に記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 非金属基板上に、少なくとも、下地層、
    CoPtCr系磁性層、保護層を順次形成する磁気記録
    媒体の製造方法であって、 下地層を形成する前の非金属基板を300〜450℃の
    温度で加熱する第一熱処理工程と、 保護層形成過程中又は保護層形成後に250〜400℃
    の温度であって前記第一熱処理温度よりも低い温度で基
    板を加熱する第二熱処理工程と、を含み、S/N比と再
    生出力とを同時に向上させることを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
JP10441296A 1995-03-31 1996-03-30 磁気記録媒体の製造方法 Expired - Lifetime JP3657344B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10441296A JP3657344B2 (ja) 1995-03-31 1996-03-30 磁気記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10026495 1995-03-31
JP7-100264 1995-03-31
JP10441296A JP3657344B2 (ja) 1995-03-31 1996-03-30 磁気記録媒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08329458A true JPH08329458A (ja) 1996-12-13
JP3657344B2 JP3657344B2 (ja) 2005-06-08

Family

ID=26441324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10441296A Expired - Lifetime JP3657344B2 (ja) 1995-03-31 1996-03-30 磁気記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3657344B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6753102B2 (en) 2001-12-27 2004-06-22 Fujitsu Limited Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
JP2010262731A (ja) * 2009-05-01 2010-11-18 Headway Technologies Inc ハードバイアス構造の形成方法
JP2013064171A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Ulvac Japan Ltd スパッタリング装置、成膜方法
JP5664814B1 (ja) * 2014-06-24 2015-02-04 三菱マテリアル株式会社 コーティング膜付き切削工具の成膜装置、切削工具用コーティング膜の成膜方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6753102B2 (en) 2001-12-27 2004-06-22 Fujitsu Limited Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
JP2010262731A (ja) * 2009-05-01 2010-11-18 Headway Technologies Inc ハードバイアス構造の形成方法
US9034149B2 (en) * 2009-05-01 2015-05-19 Headway Technologies, Inc. Method for fabricating a high coercivity hard bias structure for magnetoresistive sensor
JP2013064171A (ja) * 2011-09-15 2013-04-11 Ulvac Japan Ltd スパッタリング装置、成膜方法
JP5664814B1 (ja) * 2014-06-24 2015-02-04 三菱マテリアル株式会社 コーティング膜付き切削工具の成膜装置、切削工具用コーティング膜の成膜方法
WO2015198458A1 (ja) * 2014-06-24 2015-12-30 三菱マテリアル株式会社 コーティング膜付き切削工具の成膜装置、切削工具用コーティング膜の成膜方法
CN106460166A (zh) * 2014-06-24 2017-02-22 三菱综合材料株式会社 带涂膜切削工具的成膜装置及切削工具用涂膜的成膜方法
KR20170021224A (ko) * 2014-06-24 2017-02-27 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 코팅막이 형성된 절삭 공구의 성막 장치, 절삭 공구용 코팅막의 성막 방법
US10781514B2 (en) 2014-06-24 2020-09-22 Mitsubishi Materials Corporation Film formation device for cutting tool provided with with coating film, and film formation method for cutting tool provided with coating film
US11512386B2 (en) 2014-06-24 2022-11-29 Mitsubishi Materials Corporation Film formation device for cutting tool provided with coating film, and film formation method for cutting tool provided with coating film

Also Published As

Publication number Publication date
JP3657344B2 (ja) 2005-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2973409B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2004247010A (ja) 磁気ディスク
JPWO2007116813A1 (ja) 垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスク
JPWO2006003922A1 (ja) 垂直磁気記録ディスク及びその製造方法
US6372367B1 (en) Magnetic recording medium, method for producing the same and magnetic recording apparatus using the same
JP2911782B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
CN102779532B (zh) 垂直磁记录介质
JPH08329458A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2004227618A (ja) 垂直磁気記録媒体用ディスク基板、垂直磁気記録ディスク、並びにそれらの製造方法
JP4123806B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
WO2003083842A1 (en) Vertical magnetic recording medium, magnetic recorder having same, vertical magnetic recording medium manufacturing method, and vertical magnetic recording medium manufacturing apparatus
US6045931A (en) Magnetic recording medium comprising a cobalt-samarium magnetic alloy layer and method
JPH08273966A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2008257759A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2911797B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH10162336A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録媒体の製造方法
JP4681262B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法及び垂直磁気記録媒体の製造システム
JP3195898B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2989820B2 (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP3962415B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP2967698B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
CN100414611C (zh) 磁记录介质
JPH08273139A (ja) 磁気記録媒体
JP2000123345A (ja) 磁気記録媒体及び磁気ディスク装置
JPH08273160A (ja) 磁気記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050309

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080318

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130318

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130318

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140318

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term