JPH08329882A - 平行イオンビーム形成装置及び方法 - Google Patents

平行イオンビーム形成装置及び方法

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JPH08329882A
JPH08329882A JP8143493A JP14349396A JPH08329882A JP H08329882 A JPH08329882 A JP H08329882A JP 8143493 A JP8143493 A JP 8143493A JP 14349396 A JP14349396 A JP 14349396A JP H08329882 A JPH08329882 A JP H08329882A
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voltage
ion
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electrode
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JP8143493A
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Jr Sidney E Buttrill
シドニー・イー・バットリル・ジュニア
Alex V Mordehai
アレックス・ブイ・モーデハイ
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/424Three-dimensional ion traps, i.e. comprising end-cap and ring electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers

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  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平行化したイオンビームを形成するための新規
で,改良した方法と装置を提供する。 【解決手段】飛行時間質量分析計は,四重極イオントラ
ップを有するイオンビーム源を含む。平行イオンビーム
を形成するために,異なった極性の電圧パルスを同時に
トラップの前方と後方のエンドキャップ電極に加えるこ
とにより,イオンをトラップの前方のエンドキャップ電
極にある開口部を通してトラップの相互作用領域から同
時に吸引し,パルス化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的には飛行時間
質量分析計と共に使用するのに特に適している平行イオ
ンビームを形成する装置及び方法に関し,特に,分析す
べき分子及び/又はイオンが第一及び第二のエンドキャ
ップ電極を有するイオントラップの領域内に圧縮され,
異なった極性の電圧が同時にエンドキャップ電極に加え
られることによって,イオンが相互作用領域に同時に吸
引され,押し出される装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポール
等による米国特許第2,950,389号及び2,93
9,952号は三次元四重極トラップの使用法とそれに
ついての理論を開示する。イオントラップを質量分析計
のイオン源として使用することは知られている。この中
でのRFイオントラップとは,ポール等の教示に従った
四重極型の装置を意味するものとして理解されるもので
ある。RFイオントラップ質量分析計は,ガスの分子及
び/又はイオンを分析し,検出できる。イオンは相互作
用領域に集められるが,相互作用領域は,典型的に双曲
面形状を有するトロイダル電極と,これも通常双曲面の
表面を含む一対のエンドキャップ電極によって画成され
る。DC電圧パルスがエンドキャップ電極の一方のみに
加えられるとき,RF電圧とDC電圧がトロイダル電極
に加えられる。もう一方のエンドキャップ電極はアース
電位である。分子と相互作用する電子を相互作用領域に
供給することによって,イオンは相互作用領域内で形成
される。
【0003】イオンは許容S/N比の質量スペクトルを
生じさせるために,トラップ相互領域内に蓄積される。
イオンはまた,イオントラップの相互作用領域内で中性
の緩衝ガスとの相互作用によって物理的スペースに圧縮
され,その速度は減少する。捕獲されたイオンと中性の
緩衝ガス間の多重衝突で,緩衝ガスはイオンのエネルギ
ーを減少させ,小さく,より冷えたイオン雲がイオント
ラップの中央相互作用領域内に局在化させられる。空間
的に圧縮されたイオン雲は比較的低速度のイオンを有
し,はるかに大きな体積に分散したイオンビームよりも
ずっと,質量分析に適している。
【0004】従来技術の装置の一つに,反射型の質量分
析計に入るイオンビームを形成するためにトラップ内に
位置するイオンをやや効率的に除去し移すものがある
が,この型の質量分析計は,マミリン等が,Sovieto Ph
ysics JETPの第37巻(1973)の頁45〜48に
“高分解能を有する,質量反射系と新しい無磁気の飛行
時間質量分析計”というタイトルの記事で開示してい
る。
【0005】従来技術において,イオンはイオンビーム
を形成するために,一方のエンドキャップ電極の開口を
通して相互作用領域に“吸収される”か又は“パルス化
にして出される”,つまり“押し出される”。ボンナー
等は,International Journal of Mass Spectrometry a
nd Ion Physicsの第10巻(1972/73)の頁19
7〜203に“四重極イオン蓄積トラップとイオンー分
子反応の研究”というタイトルの記事で,イオンビーム
を通して伝える開口部を有する前方のエンドキャップ電
極に低電圧パルスを加えるパルス化モードを使用して,
陽イオンをイオントラップから四重極質量分析解析計へ
移すイオントラップを開示している。フルフォード等
は,Journal of Vacuum Space and Technologyの第17
巻(1980)の頁829〜835に“三次元四重極イ
オントラップにおけるイオンの無線周波数質量選択励起
と共鳴放出”というタイトルの記事で,ボンナー等によ
って開示されたものと同様の装置を開示しているが,フ
ルフォード等の装置は,正電圧パルスが前方のエンドキ
ャップ電極とは逆に,後方のエンドキャップ電極に加え
られている吸引モードによって駆動されている。マザー
等は,InternationalJournal of Mass Spectrometry an
d Ion Physicsの第28巻(1978)の頁347〜3
64に“磁気セクター質量分析計のための低圧化学的イ
オン化源としての四重極イオン蓄積トラップ(QUIS
TOR)”というタイトルの記事で,磁気セクター質量
分析計のためのイオン源として,パルス化モードで動作
するイオントラップを開示している。
【0006】さらに最近では,イオントラップが飛行時
間質量分析計の集積イオン源として使用されてきてい
る。イオンはイオントラップから,吸引モード又はパル
ス化モードの一つを使っている飛行時間質量分析計の中
へと放出されるが,これはチェン等によるRapid Commun
ications in Mass Spectrometryの第7巻(1993)
の頁837〜843“イオントラップ蓄積/反射飛行時
間質量分析計を使用した,マトリクス補助レーザー離脱
における分解能の強化”,またファウンテン等によるRa
pid Communications in Mass Spectrometryの第7巻
(1994)の頁487〜494“イオントラップ蓄積
装置を使用した飛行時間質量分析計によるイオンの質量
選択的分析”によって開示されている。 従来技術にお
いて,格子付電極(RFイオントラップではない)の装
置が,電子ビーム内に捕獲された陽イオンの局部密度を
高める静電場形状の生成のために使用された。静電場
と,電極に加えられた適切なパルスの組み合わせによ
り,これらのイオンは効率的に飛行時間分析計へと抽出
された。この装置は,M.H.スタディアがThe Review
ofScientific Instrumentsの34巻12号(1963
年12月)の頁1367〜1370に説明している。
【0007】イオントラップ飛行時間質量分析計におい
て,飛行時間質量分析計に入る際に,異なったエネルギ
ーによって平行軌道を有するイオンビーム,つまり平行
化したイオンビームによって成し遂げられるように,同
じ空間的位置で,同時に異なったエネルギーを有するす
べてのイオンをイオンビームが有することは重要であ
る。これは特に,マミリン等(前記した文献)の開示の
ように,反射系と検出回路を含む飛行時間質量分析計に
おいて真実である。
【0008】本発明者の研究より,従来技術のパルス化
して出すこと,つまり押し出しモードと,吸引モード
は,平行化イオンを生成しないことが明らかになった。
代わりに,押し出しモードはイオントラップのエンドキ
ャップ電極の前方の開口部を通して部分的にのみ伝えら
れる,分散したイオンビームを生成する。従って,分析
計に結合するビーム中のイオンの数がかなり減少するた
め,イオンをイオントラップから飛行時間質量分析計に
移す効率は,著しく下がる。
【0009】吸引の場合は,前方のエンドキャップ開口
に加えられた抽出電圧の増加は,イオンビームの大きな
分散と,それに伴う効率の減少を引き起こすことが明ら
かになった。
【0010】本発明者の調査より,従来技術の吸引法は
強度に収束した軌道を有し,前方のエンドキャップ電極
のやや下流に交差点をもつイオンビームを生成すること
が明らかになった。イオンビーム中のイオンで前方のエ
ンドキャップ電極に衝突するものはないので,生成され
たイオンビームは,イオンの飛行時間内に分散を誘導す
る強力なイオン光学系なしでは,収束させて平行ビーム
に戻すことのできなほどに,交差点の下流で分散する。
【0011】本発明者は,吸引モードと押し出しモード
の両方を使用し,イオントラップ内にイオンビームが形
成されるところである領域内でエンドキャップに加えら
れた電圧によって生じた電場がかなり湾曲しており,ま
た,実質的な勾配があることを見い出した。加えて,電
場勾配は非対称であり,勾配は分極したエンドキャップ
電極と,ビームが最初に形成されるイオントラップ内の
点又は領域との間のイオンビームの側方上でのみ生じ
る。従って,従来技術の吸引法も引き起こし法も,それ
のみでは,マミリン等の開示した反射系型の飛行時間質
量分析計を通して効果的に伝わるのに適した平行イオン
ビームを生成することはできない。
【0012】従って,本発明の目的は,平行化したイオ
ンビームを形成するための新規で,改良した方法と装置
を提供することである。
【0013】本発明のもう一つの目的は,平行イオンビ
ームを形成するための新規で,改良したイオントラップ
で,特に飛行時間質量分析計に有用であり,異なったエ
ネルギーをもつ事実上すべてのイオンが実質的に同時に
分析計に入るイオントラップを提供することである。
【0014】本発明のもう一つの目的は,イオントラッ
プにより,平行化したイオンビームを形成するための新
規で,改良した方法と装置を提供することであり,その
イオントラップはRF源によって励起される三重電極と
一対のエンドキャップ電極を有し,エンドキャップ電極
の一方はそこを通して平行イオンビームが流れる開口部
を含み,イオンビームがエンドキャップの開口上に入射
しないように構成されているものである。
【0015】本発明のもう一つの目的は,イオントラッ
プの使用より平行イオンビームを形成するための新規
で,改良した方法と装置を提供することであり,そのイ
オントラップはRF源によって励起されるトロイダル電
極と一対のエンドキャップ電極を有し,エンドキャップ
電極の一方は開口しており,イオンビームが開口エンド
キャップの下流の一点で収束せず,またその後分散しな
いようにイオンビームを形成するものである。
【0016】本発明の更なる目的は,新規で,改良した
イオントラップの方法と装置を提供することであり,イ
オンビームが最初に形成されるところのイオントラップ
内の場所は,実質上イオントラップ内で曲線をもたな
い,比較的直線状の電場線に沿って広がる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に従い,
平行化したイオンビームが第一及び第二のエンドキャッ
プ電極を有するイオントラップの領域内にイオンを圧縮
することによって形成され,その時にイオンは異なった
極性の電圧を両方の電極に同時に加えることにより,電
極の一方にある開口部を通して領域から同時に吸引さ
れ,引き出される。
【0018】好適な使用法として,ビーム内の異なった
エネルギーをもつイオンが,同時に入口領域を横断する
ように配置された飛行時間質量分析計入口領域にビーム
が入射される。飛行時間質量分析計は好適にはビームを
分析計内の検出回路領域に反射する。
【0019】好適実施例において,第一及び第二の電極
に加えられた電圧は,実質上同時に立ち上がる前縁を有
し,電圧は,異なってもよいのだが,ほぼ同じ大きさで
ある。
【0020】上記の,そしてまた更なる本発明の目的と
特徴と優位性は,後述の特定の実施例についての詳細な
説明の考察により,特に添付した図面と関連させたとき
に明らかになるだろう。
【0021】
【発明の実施の形態】図面の図1を参照する。ここで
は,真空室10が,イオントラップ12を含んで図示さ
れており,イオントラップ12は,電子ビーム源14か
らの電子ビームに応答し,平行イオンビームを導出する
ためのもので,飛行時間質量分析計16に接続されてお
り,この分析計16は好適にはマミリン等(前記の文
献)によって説明された型の反射電子光学系と検出回路
を含む。分析されるガス源が,サンプル源18によって
イオントラップ12に供給される。サンプル源18から
のサンプルは,分子及び/又はイオンである。
【0022】イオントラップ12は,典型的な四重極イ
オントラップとして形成され,理想的には双曲面によっ
て画成された表面形状を有するトロイダル電極20を含
む。エンドキャップ電極22及び24も理想的には双曲
面状の表面を有し,開口部26及び28をそれぞれ含
む。開口部26は電子ビーム源14から導出された電子
ビームに応答し,開口部28を通して平行イオンビーム
を飛行時間質量分析計16に伝える。トロイダル電極2
0は,比較的高電圧(好適実施例においては-1600ボル
ト)のDC電源30と,コンデンサ34を通ってRF源
32に接続されている。RF源32は,イオントラップ
12内のイオンのトラッピング場を形成する。イオント
ラップ内でイオンを小体積に圧縮し,サンプル源18か
らのサンプルと共にイオントラップ内に導入され得る中
性ガスとの相互作用によりイオンの速度を減少すること
によって,そのイオンはイオントラップ12内に捕獲さ
れる。イオンの捕獲は,許容S/N比をもつ質量スペク
トルを生成するために十分な数のイオンがイオントラッ
プ12内に蓄積されるまで続く。
【0023】電極20,22,24の間のイオントラッ
プ12の内部相互作用領域に十分な数のイオンが捕獲さ
れると,イオンは同時にその相互作用領域から吸引さ
れ,その領域から押し出される。最後には,低電圧トリ
ガ源40によって駆動されている高電圧DCパルス源3
6,38により,反対の極性の高電圧DCパルスが同時
にエンドキャップ電極22,24にそれぞれ供給され
る。高電圧DCパルス源36,38は,それぞれ正と負
のDCパルスを,後方と前方のエンドキャップ電極2
2,24に供給する。パルスは好適に,ナノ秒又はそれ
以下のオーダーの急勾配前縁を有し,エンドキャップ電
極22,24に加えられる高電圧DCパルス源36,3
8からの電圧パルスが5〜10マイクロ秒の幅を有する
結果,イオントラップ12内の蓄積されたイオンの大部
分をトラップから除去するのに十分な持続時間を有す
る。適切なパルスの幅は,トラップの大きさとパルス振
幅と抽出されるイオン質量に依存する。高電圧DCパル
ス源38によって前方のエンドキャップ電極24に加え
られた負電圧により,陽イオンが開口部28を通ってイ
オントラップ12の相互作用領域から吸引される一方
で,後方のエンドキャップ電極22に加えられた高電圧
DCパルス源36の正電圧により,イオンが開口部28
を通って飛行時間質量分析計16内へとイオントラップ
12の相互作用領域から押し出され,またはパルス化さ
れる。
【0024】好適実施例において,高電圧DCパルス源
36,38からのパルスの前縁は同時に立ち上がるが,
これは不可欠なことではない。高電圧DCパルス源3
6,38から導出さたパルスの前縁の立ち上がり時間
は,数ナノ秒の差はあり得る。一つの好適実施例におい
て,高電圧DCパルス源36,38の電圧の大きさは相
互に等しく,200〜550ボルトの範囲内である。一
定の状況下では,高電圧DCパルス源36,38によっ
てエンドキャップ電極22,24に加えられる電圧は,
好適にはお互いに多少異なるが,一例において,高電圧
DCパルス源36からエンドキャップ電極22に供給さ
れる正電圧は+500ボルト,高電圧DCパルス源38
からエンドキャップ電極24に加えられる正電圧は-4
20ボルトが望ましいことが分かっている。一般的に,
エンドキャップ電極22と24との間の電圧の差は,で
きるだけ速くイオントラップからイオンを放出できるよ
うに,できるだけ高い方がよい。
【0025】イオントラップ12に吸引されて,押し出
されたイオンは,飛行時間質量分析計16に入る平行イ
オンビームを形成する。このイオンビームは,飛行時間
質量分析計16の入口に実質上のイオン源を形成し,ビ
ーム内の実質上すべてのイオンは,それらが異なったエ
ネルギーを有するが,同時に入口に到着する。イオン源
の実質上の位置は,飛行時間質量分析計16内の反射イ
オン光学系の調整と一致する。特に,高電圧DCパルス
源36,38から導出されたパルスの大きさは,飛行時
間質量分析計16への入力点において,イオンを実質上
のイオン源に空間的に収束させるようになっている。反
射イオン光学系と検出回路を有する飛行時間質量分析計
16は,マミリン等に開示されているように,実質上の
イオン源に応答し,質量の異なるイオンを非常に効果的
に分離する。イオンがイオントラップ12の内部相互作
用領域から同時に押し出されて,吸引されるため,イオ
ンビームは平行とみなされる。つまりビーム内のすべて
のイオンは平行な軌道を有する。
【0026】ここで,図面の図2を参照する。ここで
は,図1の装置によって形成されたイオンビームのパラ
メーターと,この装置の電場線が図示されている。イオ
ンビーム40が電極20,22,24の間のイオントラ
ップ12の相互作用領域内に形成され,高電圧DCパル
ス源36,38によってエンドキャップ電極22,24
に加えられる電圧から定電位電場線41〜46が生じ
る。イオントラップ12の幾何学形状とエンドキャップ
電極22,24に加えられる電圧値は,イオンビーム1
0が開始するイオントラップ12の中間面を完全に横切
って伸びているゼロ電位電場線43が直線になるように
されている。
【0027】曲線状の正電位電場線41,42は,ゼロ
電位電場線43とエンドキャップ電極22の間にあり,
主にエンドキャップ電極22に加えられている高電圧D
Cパルス源36の正電圧から生じる。負電位電場線44
〜46は,エンドキャップ電極24とゼロ電位電場線4
3との間にあり,高電圧DCパルス源38の負電圧から
生じ,電場線41,42から逆方向に曲がっている。直
線上で,中性又はゼロ電位電場線43は,エンドキャッ
プ電極22及び24に加えられる電圧パルスの反対の極
性と,相対的に大きさが等しいことから生じる。
【0028】イオンビーム40は直線で,ゼロ電位電場
線43で始まるので,イオンビーム40内のイオンの軌
道は互いに平行であり,ビームは平行であるとみなすこ
とができる。図2に示されているように,イオンビーム
40は電極24のどの部分にも衝突することなく開口2
8を通り抜ける。イオンビームは平行ビームとして開口
28を通って伝わり,入力点の状態を維持したまま飛行
時間質量分析計16へ入る。
【0029】ビームの長さに沿った,異なった空間的位
置にあって,イオンビーム40内の異なったエネルギー
を有する異なったイオンの相対的な時間位置がビーム軌
道を図示した暗点によって示されている。例えば,ビー
ム40内の暗点はビームが開口28を通過すると,顕著
なV字形又はノッチ形になる。これは,ビームの中心の
エネルギーのより少ないイオンは,ビームの外部分のエ
ネルギーのより多いイオンより前に開口に到達すること
を意味する。ビーム40が開口28の下流に伝わり続け
ると,V字形又はノッチ形はますます顕著になり,次に
顕著でなくなっていく。ビーム40の伝達方向に対して
直角の暗線によって示されるように,ビーム内のすべて
のイオンは同時に領域50に到達する。領域50は,飛
行時間質量分析計16において,実質上のイオン源とみ
なされている。
【0030】本発明に従った図2の電場とイオンビーム
の軌道は,図3,4に図示されているような従来技術の
押し出し,吸引法と比較されるべきである。図3,4に
図示されたイオンビームの軌道は,図2に図示されたの
と同じイオントラップ及び飛行時間質量分析計16に対
するものである。図2に図示された構造において,高電
圧DCパルス源36,38は,それぞれ+400ボル
ト,-400ボルトである。図3に図示された状態にお
いて,+400ボルトのDCパルスは後方のエンドキャ
ップ電極22に加えられ,前方のエンドキャップ電極2
4はアースされる。図4に図示された状態において,-
400ボルトのDCパルスは前方のエンドキャップ電極
22に加えられ,後方のエンドキャップ電極24はアー
スされる。
【0031】図3において,高電圧DCパルス源からエ
ンドキャップ電極22へ正電圧を加えることで生じた電
場線51,52は,かなり湾曲している。電場線52は
イオントラップ12の相互作用領域の中央に伸びてお
り,そこでイオンビーム53が形成される。電場線52
がエンドキャップ電極22から離れて湾曲しているた
め,イオンビーム53は著しく発散し,前方のエンドキ
ャップ24の一部分を遮り,ビーム内のかなりの数のイ
オンが前方のエンドキャップに入射される。従って,イ
オンがトラップから質量分析計へ移動する際の効率にお
いて,かなりの減少がある。イオンビーム53の発散点
から,ビーム中で異なったエネルギーをもつイオンが同
時に同位置に在るような点はないということも分かる。
言い換えれば,ビーム53内で,図2の点50に対応す
る点はない。従って,ビーム内のすべてのイオンが同時
に飛行時間質量分析計に入る実質上のイオン源がないた
め,反射イオン光学系を有する飛行時間質量分析計はビ
ーム53内のイオンを正確に分析することはできない。
図3の発散したビームが単イオンレンズの働きによって
ほぼ平行なビームに戻されるが,こういったレンズとそ
の関連部品のコストは,電力が供給される際,本発明で
使用する付加的高電圧DCパルス源のコストよりもかな
り超過する。
【0032】図4において,イオンビーム60はイオン
トラップ12の相互作用領域の中央に形成される。電場
線61,62,63はどれもかなり湾曲しており,これ
らは前方のエンドキャップ電極24に加えられている高
電圧DCパルス源38の負電圧に応答して相互作用領域
で形成されるが,このとき後方のエンドキャップ電極2
2はアースされる。イオンビーム60が最初に形成され
るところの電場線61が前方のエンドキャップ電極24
に向かってかなり湾曲しているため,イオンビーム60
は初めに開口28の下流の点64で収束する。イオンビ
ーム60は,収束点64から,イオンの飛行時間内でか
なりの分散を誘導する強力なイオン光学系なしでは,収
束させて平行ビームに戻すことのできない範囲にまで分
散する。従って,イオンビーム40内の領域50に対応
するイオンビーム60内の領域を与えることは,非常に
困難であり,おそらく不可能である。このため,高電圧
パルスが同時に後方のエンドキャップ電極22に加えら
れることなく,前方のエンドキャップ電極24へ負の高
電圧パルスを加えることよってイオンビームが形成され
るなら,反射イオン光学系を有する飛行時間質量分析計
は特に正確な結果をもたらさない。
【0033】本発明の一つの特定の実施例を説明し,図
示してきたが,特定して図示し,説明した実施例の詳細
の変更が,添加された請求項の範囲によって画成された
本発明の真の思想と範囲から逸脱することなく行うこと
ができるのは明白である。例えば,必ずしも必要なこと
ではないが,前に示されているように,高電圧DCパル
ス源36,38の電圧は正確に同じ強さをもつことであ
る。もし高電圧DCパルス源36の正電圧が高電圧DC
パルス源38の負電圧よりわずかに高ければ,イオント
ラップ12内に存在するイオンビームの分散はほんのわ
ずかである。これは,連続するイオン加速の領域がわず
かに収束レンズ作用を引き起こすような,あるイオン光
学系の設計において有用である。二つの収束作用の正味
の成果は,高い効率で飛行時間質量分析計を通して効果
的に伝えられる,完全に平行又は平行化したイオンビー
ムである。わずかな収束作用は,高電圧DCパルス源3
8によって加えられる負の吸引パルスが,高電圧DCパ
ルス源36の正電圧よりもわずかに高い場合に得ること
ができる。これはあるイオン光学系の設計において有用
であり,またはイオントラップ12を含む真空システム
内の非常に小さい開口を通して伝わるイオンの数を増加
させるのに使用できる。高電圧DCパルス源36,38
は,同時に立ち上がる前縁を有する必要もない。もしイ
オントラップ12にイオンが存在し始めるより前に高電
圧DCパルス源36,38の電圧が両方とも完全に電極
22,24に加えられると,収束作用は質量に依存し,
イオントラップから分析計16間で特定の質量範囲を有
するイオンの結合に使用するのに有利である。更なる変
更としては,パルスが非常に急勾配の前縁を有する単な
る矩形のパルスである必要はない。本発明の態様は,イ
オンが同時にイオントラップ12に吸収され,押し出さ
れる間,漸次的に立ち上がる時間を有するパルス,又は
振幅が変化するパルスを使用することによっても実施で
きる。こういった形状のパルスは,質量分析を制限する
トラップ12から放出されたイオンの初期熱エネルギー
の効果を補うのに有効である。トラップは,異なったエ
ネルギーを有するイオンが,同時に同位置で飛行時間質
量分析計に入るような平行ビームを供給することができ
るので,こういった分析計は本発明のイオントラップと
の組み合わせにおいて特に有効であるが,イオントラッ
プを飛行時間質量分析計と共に使用することも,必ずし
も必要ではない。加えて,イオントラップ12は,双曲
線形の電極は有効であるが,必ずしもこういった電極を
含む必要はない。本発明の原理は,双曲線形の電極を有
するイオントラップと異なる幾何学形状の電極を使用す
るイオントラップと共に使用することができる。これら
のイオントラップのいくつかにおいては,イオンビーム
の収束の向上のために,幾何学形状が設計される。さら
に,この中で特定化したバイアスとパルスに対して適切
な極性を使用することによって,本発明は陽イオン同
様,陰イオンにも等しく適用することができる。さらに
また,本発明の効用は,イオンの形成された場所と方法
に影響されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に従った,イオントラップ
を有する飛行時間質量分析計の概略図である。
【図2】図1の装置によって生成された電場とイオンビ
ームの図である。
【図3】図2と同様の図であるが,正電圧パルスが後方
のエンドキャップ電極に加えられている従来技術状況の
図である。
【図4】図2,3と同様の線図であるが,負電圧パルス
が前方のエンドキャップ電極に加えられている従来技術
状況の図である。

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行イオンビームを形成する方法であっ
    て,開口部を有する第一のエンドキャップ電極及び第二
    のエンドキャップ電極を有するRFイオントラップの領
    域内にビームを形成するためにイオンを圧縮すること
    と,第一及び第二のエンドキャップ電極に異なった極性
    の電圧を同時に加えることによって,開口部を通して領
    域からイオンを同時に吸引し,押し出すことと,を含
    み,イオンが領域から流れ,ビームが形成される,とこ
    ろの平行イオンビームを形成する方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法であって,さらに,ビーム
    を飛行時間質量分析計の入口領域に,ビーム内の異なっ
    たエネルギーをもつイオンが実質上同時に入口領域に到
    達するように入射することを含む,ところの方法。
  3. 【請求項3】請求項2の方法であって,さらに,分析計
    内のビームを分析計内の検出回路領域へと反射すること
    を含む,ところの方法。
  4. 【請求項4】請求項2の方法であって,電圧は,実質上
    同時に立ち上がる前縁を有するパルスを導出する,とこ
    ろの方法。
  5. 【請求項5】請求項4の方法であって,電圧の強さはほ
    ぼ同じである,ところの方法。
  6. 【請求項6】請求項4の方法であって,電圧の強さはや
    や異なる,ところの方法。
  7. 【請求項7】請求項2の方法であって,電圧はやや異な
    った時間に立ち上がる前縁を有するパルスを導出する,
    ところの方法。
  8. 【請求項8】請求項1の方法であって,電圧は実質上同
    時に立ち上がる前縁を有するパルスを導出する,ところ
    の方法。
  9. 【請求項9】請求項8の方法であって,電圧の強さはほ
    ぼ同じである,ところの方法。
  10. 【請求項10】請求項8の方法であって,電圧の強さは
    やや異なる,ところの方法。
  11. 【請求項11】請求項1の方法であって,電圧の強さは
    ほぼ同じである,ところの方法。
  12. 【請求項12】請求項1の方法であって,電圧の強さは
    やや異なる,ところの方法。
  13. 【請求項13】(1)第一及び第二のエンドキャップ電極
    と,(2)トロイダル電極と,(3)ビーム内のイオンを形成
    するための,エンドキャップとトロイダル電極との間
    で,電子源からの電子と分析すべき分子とに応答するよ
    うに位置した相互作用領域と,を含み,第一の電極がビ
    ーム内のイオンを通して流す開口部を含む,ところの四
    重極イオンラップを使用することにより平行イオンビー
    ムを形成する方法であって,分析すべき分子と電子源か
    らの電子を相互作用領域に,かつRFエネルギーを三重
    電極に同時に供給することと,第一及び第二の電極に異
    なった極性の電圧を同時に加えることによって,開口部
    を通して領域からイオンを同時に吸引し,パルス化する
    こと,を含むところの方法。
  14. 【請求項14】請求項13の方法であって,さらに,ビ
    ームを飛行時間質量分析計の入口領域に,ビーム内の異
    なったエネルギーをもつイオンが実質上同時に入口領域
    に到達するように入射すること,を含むところの方法。
  15. 【請求項15】請求項14の方法であって,電圧は,実
    質上同時に立ち上がる前縁を有するパルスを導出する,
    ところの方法。
  16. 【請求項16】請求項13の方法であって,電圧は,実
    質上同時に立ち上がる前縁を有するパルスを導出する,
    ところの方法。
  17. 【請求項17】請求項13の方法であって,電圧の強さ
    はほぼ同じである,ところの方法。
  18. 【請求項18】請求項13の方法であって,電圧の強さ
    はやや異なる,ところの方法。
  19. 【請求項19】請求項13の方法であって,電圧はやや
    異なった時間に立ち上がる前縁を有するパルスを導出す
    る,ところの方法。
  20. 【請求項20】平行イオンビーム源であって,(a)第一
    及び第二のエンドキャップ電極と該エンドキャップ電極
    の間の相互作用領域を有する,イオンを相互作用領域内
    でビームとして形成するためのトラップであって,第一
    の電極がビーム内のイオンをそこを通して流す開口部を
    含むところのイオントラップと,(b)第一及び第二の電
    極に異なった極性の電圧を同時に加えることによって開
    口部を通して,領域からイオンを同時に吸引し,押し出
    すためのパルス手段と,を含む,ところの平行イオンビ
    ーム源。
  21. 【請求項21】請求項20の平行イオンビーム源であっ
    て,イオントラップは,RF源によって励起されるトロ
    イダル電極と,エンドキャップとトロイダル電極との間
    の相互作用領域と,を含む,ところの平行イオンビーム
    源。
  22. 【請求項22】請求項20の平行イオンビーム源であっ
    て,さらに,ビームに応答する飛行時間質量分析計を含
    み,質量分析計が有する入口が,ビーム内の異なったエ
    ネルギーをもつイオンが実質上同時にその入口に到達す
    るように位置する,ところの平行イオンビーム源。
  23. 【請求項23】請求項20の平行イオンビーム源であっ
    て,電圧は,実質上同時に立ち上がる前縁を有するパル
    スを導出する,ところの方法。
  24. 【請求項24】請求項20の方法であって,電圧の強さ
    はほぼ同じである,ところの方法。
  25. 【請求項25】請求項20の方法であって,電圧の強さ
    はやや異なる,ところの方法。
  26. 【請求項26】請求項20の方法であって,電圧はやや
    異なった時間に立ち上がる前縁を有するパルスを導出す
    る,ところの方法。
  27. 【請求項27】請求項20の方法であって,イオントラ
    ップの幾何学形状及び電圧の振幅は,完全に相互作用領
    域を横断する直線状の電場線が存在し,ビームがその直
    線状の電場線に沿って開始するようなものとなってい
    る,ところの方法。
  28. 【請求項28】イオンの平行ビームに応答する入口領域
    と,ビーム内のイオンを検出回路領域に向かって方向付
    けるための反射領域を含む飛行時間質量分析計と,分析
    計によって分析すべき分子及び/又はイオンに応答する
    イオンの平行ビーム源と,の組合わせから成り, (a)平行ビーム源が,(1)第一及び第二のエンドキャップ
    電極と,(2)RF源によって励起されるトロイダル電極
    と,(3)イオンビームを形成するための,エンドキャッ
    プとトロイダル電極の間で電子源からの電子と分析すべ
    き分子及び/又はイオンに応答するように位置した相互
    作用領域と,を含む四重極イオントラップであって,第
    一の電極がビーム内のイオンをそこを通して分析計へと
    流す開口部を含む,ところのイオントラップと, (b)第一及び第二の電極に異なった極性の電圧を加える
    ことによって開口部を通して,領域からビーム内のイオ
    ンを同時に吸引し,押し出すためのパルス化手段と,を
    含む,ところの組合わせ。
  29. 【請求項29】請求項28の組合わせであって,第一及
    び第二の電極に加えられた電圧は,パルスが実質上同時
    に立ち上がる前縁を有するようにする,ところの組合わ
    せ。
  30. 【請求項30】請求項29の組合わせであって,電圧の
    強さはほぼ同じである,ところの組合わせ。
  31. 【請求項31】請求項29の方法であって,電圧の強さ
    は異なる,ところの組合わせ。
  32. 【請求項32】請求項28の組合わせであって,電圧の
    強さはほぼ同じである,ところの組合わせ。
  33. 【請求項33】請求項28の方法であって,電圧の強さ
    は異なる,ところの組合わせ。
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