JPH08330611A - シリコン太陽電池セルとその製造方法 - Google Patents
シリコン太陽電池セルとその製造方法Info
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- JPH08330611A JPH08330611A JP8013891A JP1389196A JPH08330611A JP H08330611 A JPH08330611 A JP H08330611A JP 8013891 A JP8013891 A JP 8013891A JP 1389196 A JP1389196 A JP 1389196A JP H08330611 A JPH08330611 A JP H08330611A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐放射線性が改善された宇宙用Si太陽電池
セルを提供する。 【解決手段】 p型シリコン基板(1)と、その基板の
第1主面側に形成されたn型拡散層(2)と、基板
(1)の第2主面側でSi原子より大きな原子半径を有
するIII族元素のイオン注入によって形成された高ド
ーピング濃度のp+ 層(3a)とを含むことを特徴とし
ている。III族元素として、Alを用いることが好ま
しい。
セルを提供する。 【解決手段】 p型シリコン基板(1)と、その基板の
第1主面側に形成されたn型拡散層(2)と、基板
(1)の第2主面側でSi原子より大きな原子半径を有
するIII族元素のイオン注入によって形成された高ド
ーピング濃度のp+ 層(3a)とを含むことを特徴とし
ている。III族元素として、Alを用いることが好ま
しい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池セルに関
し、特に、放射線や紫外線の照射強度の強い宇宙空間で
使用される人工衛星の電源として好ましく使用され得る
宇宙用シリコン太陽電池セルに関するものである。
し、特に、放射線や紫外線の照射強度の強い宇宙空間で
使用される人工衛星の電源として好ましく使用され得る
宇宙用シリコン太陽電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、人工衛星の電源として使用される
宇宙用太陽電池の最も一般的なものは、単結晶シリコン
(Si)を母材として用いたSi太陽電池セルである。
近年、人工衛星の大型化、多機能化、および長寿命化の
傾向に伴って、宇宙用Si太陽電池セルに対しても高出
力化および耐放射線性の改善の要請が高まりつつある。
ここで、最近の宇宙用Si太陽電池セルにおいて用いら
れている高出力化および耐放射線性の改善のための手段
について説明する。
宇宙用太陽電池の最も一般的なものは、単結晶シリコン
(Si)を母材として用いたSi太陽電池セルである。
近年、人工衛星の大型化、多機能化、および長寿命化の
傾向に伴って、宇宙用Si太陽電池セルに対しても高出
力化および耐放射線性の改善の要請が高まりつつある。
ここで、最近の宇宙用Si太陽電池セルにおいて用いら
れている高出力化および耐放射線性の改善のための手段
について説明する。
【0003】図8は、現在実用化されているBSFR
(Back Surface Field and Reflctor)型太陽電池セル
の基本構造を概略的な断面図で示している。図8の太陽
電池セルにおいては、p型Si基板1の受光面側である
前面にn型拡散層2が熱拡散によって形成され、その基
板1の背面にp+ 型層(BSF層)3が同様に熱拡散に
よって形成されている。さらに、n型拡散層2上には前
面電極4が形成され、p + 型層3上には背面電極5が形
成されている。図8におけるp+ 型層3はキャリアの収
集効率を向上させるように作用し、太陽電池セルの出力
を高めるように働く。図8において示されていないが、
p+ 型層3と背面電極5との間に赤外光を反射させるた
めの背面反射層、前面上に入射光を効率よく受光するた
めの反射防止膜を設け、さらに、実際の使用に際しては
カバーガラスが貼付けられる。
(Back Surface Field and Reflctor)型太陽電池セル
の基本構造を概略的な断面図で示している。図8の太陽
電池セルにおいては、p型Si基板1の受光面側である
前面にn型拡散層2が熱拡散によって形成され、その基
板1の背面にp+ 型層(BSF層)3が同様に熱拡散に
よって形成されている。さらに、n型拡散層2上には前
面電極4が形成され、p + 型層3上には背面電極5が形
成されている。図8におけるp+ 型層3はキャリアの収
集効率を向上させるように作用し、太陽電池セルの出力
を高めるように働く。図8において示されていないが、
p+ 型層3と背面電極5との間に赤外光を反射させるた
めの背面反射層、前面上に入射光を効率よく受光するた
めの反射防止膜を設け、さらに、実際の使用に際しては
カバーガラスが貼付けられる。
【0004】図9は、図8の太陽電池セルの出力をさら
に高めるために開発された太陽電池セルを示している。
図9の太陽電池セルにおいて、図8のセルの部分と対応
する部分には同一の参照番号が付されている。すなわ
ち、図9の太陽電池セルの基本的構造は図8のものに類
似しているが、図9の太陽電池セルにおいては基板1の
背面側と前面側のそれぞれに背面酸化膜6と前面酸化膜
7が設けられている。背面酸化膜6はパッシベーション
膜として働き、光吸収によってp型基板1内で発生した
少数キャリア(電子)がセルの背面において多数キャリ
ア(正孔)と再結合することを防止する作用を生じる。
同様に、前面酸化膜7は基板1の前面側におけるパッシ
ベーション膜として働き、光吸収によってn型拡散層2
内で発生した少数キャリア(正孔)がセル前面において
多数キャリア(電子)と再結合することを防止する。す
なわち、図9の太陽電池セルにおいては、光吸収によっ
て発生したキャリアの再結合を防止することによって、
図8のセルに比べてさらに高い出力を得ることができ
る。
に高めるために開発された太陽電池セルを示している。
図9の太陽電池セルにおいて、図8のセルの部分と対応
する部分には同一の参照番号が付されている。すなわ
ち、図9の太陽電池セルの基本的構造は図8のものに類
似しているが、図9の太陽電池セルにおいては基板1の
背面側と前面側のそれぞれに背面酸化膜6と前面酸化膜
7が設けられている。背面酸化膜6はパッシベーション
膜として働き、光吸収によってp型基板1内で発生した
少数キャリア(電子)がセルの背面において多数キャリ
ア(正孔)と再結合することを防止する作用を生じる。
同様に、前面酸化膜7は基板1の前面側におけるパッシ
ベーション膜として働き、光吸収によってn型拡散層2
内で発生した少数キャリア(正孔)がセル前面において
多数キャリア(電子)と再結合することを防止する。す
なわち、図9の太陽電池セルにおいては、光吸収によっ
て発生したキャリアの再結合を防止することによって、
図8のセルに比べてさらに高い出力を得ることができ
る。
【0005】図10は、高効率化を図るために開発され
たさらに他の太陽電池セルの構造を示している。図10
の太陽電池セルは図9のものに類似しているが、図10
の太陽電池セルにおいては、p+ 層3は基板1が背面酸
化膜6の開口を介して背面電極5と接触する領域の近傍
のみに形成されている。
たさらに他の太陽電池セルの構造を示している。図10
の太陽電池セルは図9のものに類似しているが、図10
の太陽電池セルにおいては、p+ 層3は基板1が背面酸
化膜6の開口を介して背面電極5と接触する領域の近傍
のみに形成されている。
【0006】
【表1】
【0007】表1中の太陽電池セル(a)と(b)は、
それぞれ図8と図10の太陽電池セルに対応する初期出
力特性と1MeVのエネルギの電子を1×1015e/c
m2照射した後の出力特性とを示している。すなわち、
図10の太陽電池セル(b)は、図8のセル(a)に比
較して、電子線照射の前後の双方において開放電圧V OC
および短絡電流ISCが高く、曲線因子FFが若干低いに
もかかわらず、初期特性の最大出力Pmax が約10%向
上していることがわかる。
それぞれ図8と図10の太陽電池セルに対応する初期出
力特性と1MeVのエネルギの電子を1×1015e/c
m2照射した後の出力特性とを示している。すなわち、
図10の太陽電池セル(b)は、図8のセル(a)に比
較して、電子線照射の前後の双方において開放電圧V OC
および短絡電流ISCが高く、曲線因子FFが若干低いに
もかかわらず、初期特性の最大出力Pmax が約10%向
上していることがわかる。
【0008】なお、表1における出力特性はAM0(大
気圏外の太陽光)に相当する光を用いて測定され、ま
た、動作温度Topにおける最大出力を表わすPmax ・T
op(mW)以外は28℃の温度の下で測定された。さら
に、電子線照射後の出力特性においてかっこ書で表わさ
れた%の数値は電子線照射前の出力特性に対する保存率
を表わし、符号αS は太陽光吸収率を表わしている。
気圏外の太陽光)に相当する光を用いて測定され、ま
た、動作温度Topにおける最大出力を表わすPmax ・T
op(mW)以外は28℃の温度の下で測定された。さら
に、電子線照射後の出力特性においてかっこ書で表わさ
れた%の数値は電子線照射前の出力特性に対する保存率
を表わし、符号αS は太陽光吸収率を表わしている。
【0009】次に、宇宙用Si太陽電池セルの耐放射線
性について説明する。宇宙用太陽電池セルは、一般に、
宇宙環境において高エネルギを有する高密度の電子線、
陽子線、中性子線、α粒子線、X線、紫外線等の照射を
受け、太陽電池セルの半導体基板結晶中に空格子点、空
格子点と格子間不純物原子が結合した複合中心、および
これらの欠陥のクラスタ等が形成される。これらの照射
欠陥は、電気的にはキャリアの再結合中心として働き、
少数キャリアのライムタイムや拡散距離を短くし、太陽
電池セルの性能を劣化させるように作用する。このよう
な照射欠陥による作用を抑制するために、宇宙用Si太
陽電池セルには、従来から以下のような対策(A1)〜
(A3)が施されている。
性について説明する。宇宙用太陽電池セルは、一般に、
宇宙環境において高エネルギを有する高密度の電子線、
陽子線、中性子線、α粒子線、X線、紫外線等の照射を
受け、太陽電池セルの半導体基板結晶中に空格子点、空
格子点と格子間不純物原子が結合した複合中心、および
これらの欠陥のクラスタ等が形成される。これらの照射
欠陥は、電気的にはキャリアの再結合中心として働き、
少数キャリアのライムタイムや拡散距離を短くし、太陽
電池セルの性能を劣化させるように作用する。このよう
な照射欠陥による作用を抑制するために、宇宙用Si太
陽電池セルには、従来から以下のような対策(A1)〜
(A3)が施されている。
【0010】(A1) 太陽電池セルがn−on−p型
にされる。すなわち、本来的に電子の方が正孔よりもラ
イムタイムや拡散距離が長いので、太陽電池セルをp−
on−n型ではなくてn−on−p型にすることによっ
て、照射欠陥による影響を比較的小さくすることができ
る。
にされる。すなわち、本来的に電子の方が正孔よりもラ
イムタイムや拡散距離が長いので、太陽電池セルをp−
on−n型ではなくてn−on−p型にすることによっ
て、照射欠陥による影響を比較的小さくすることができ
る。
【0011】(A2) 太陽電池セルにおける半導体基
板の厚さが薄くされる。すなわち、半導体基板の厚さが
薄くされれば、それに含まれる照射欠陥の絶対数が少な
くなるので、それらの欠陥に捕獲される少数キャリアの
数をも減少させることができる。
板の厚さが薄くされる。すなわち、半導体基板の厚さが
薄くされれば、それに含まれる照射欠陥の絶対数が少な
くなるので、それらの欠陥に捕獲される少数キャリアの
数をも減少させることができる。
【0012】(A3) 太陽電池セルにおけるpn接合
が、半導体基板の前面から浅い位置に形成される。すな
わち、薄くされた拡散層の内部で生成された少数キャリ
アの収集効率が高められる。
が、半導体基板の前面から浅い位置に形成される。すな
わち、薄くされた拡散層の内部で生成された少数キャリ
アの収集効率が高められる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9または図
10に示されているような高出力の太陽電池セルにおい
て、上述のような耐放射線性を向上させる対策(A1)
〜(A3)を施しても、十分満足し得る耐放射線性が得
られない。たとえば、表1において、耐放射線性の評価
の目安となる1MeVの電子線が1×1015e/cm2
照射された後の太陽電池セルの出力特性が示されてい
る。すなわち、図8に対応する従来型の太陽電池セル
(a)では初期出力特性を100%として電子線照射後
の最大出力Pma x の保存率は括弧書きで示されているよ
うに69.5%であるが、図10に対応する太陽電池セ
ル(b)においては電子線照射後の最大出力Pmax の保
存率は67.0%である。表1には示されていないが、
図9に対応する太陽電池セルにおいても、これとほぼ同
様の電子線照射後の最大出力Pmax の保存率である。
10に示されているような高出力の太陽電池セルにおい
て、上述のような耐放射線性を向上させる対策(A1)
〜(A3)を施しても、十分満足し得る耐放射線性が得
られない。たとえば、表1において、耐放射線性の評価
の目安となる1MeVの電子線が1×1015e/cm2
照射された後の太陽電池セルの出力特性が示されてい
る。すなわち、図8に対応する従来型の太陽電池セル
(a)では初期出力特性を100%として電子線照射後
の最大出力Pma x の保存率は括弧書きで示されているよ
うに69.5%であるが、図10に対応する太陽電池セ
ル(b)においては電子線照射後の最大出力Pmax の保
存率は67.0%である。表1には示されていないが、
図9に対応する太陽電池セルにおいても、これとほぼ同
様の電子線照射後の最大出力Pmax の保存率である。
【0014】このような先行技術における課題に鑑み、
本発明は、耐放射線性が十分に改善された高出力の宇宙
用Si太陽電池セルを提供することを目的としている。
本発明は、耐放射線性が十分に改善された高出力の宇宙
用Si太陽電池セルを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの態様によ
れば、シリコン太陽電池セルは、p型シリコン基板と、
その基板内において第1の主面側に形成されたn型拡散
層と、基板内において第2主面側でアルミニウム(A
l)のイオン注入によって形成された高ドーピング濃度
のp+ 層とを含むことを特徴としている。このようなシ
リコン太陽電池セルにおいては、後で詳述するように、
イオン注入によって形成されたp+ 層中のAlが酸素と
容易に結合するので、このp+ 層によってp型シリコン
基板内の酸素が有効にゲッタリングされて耐放射線性が
向上する。
れば、シリコン太陽電池セルは、p型シリコン基板と、
その基板内において第1の主面側に形成されたn型拡散
層と、基板内において第2主面側でアルミニウム(A
l)のイオン注入によって形成された高ドーピング濃度
のp+ 層とを含むことを特徴としている。このようなシ
リコン太陽電池セルにおいては、後で詳述するように、
イオン注入によって形成されたp+ 層中のAlが酸素と
容易に結合するので、このp+ 層によってp型シリコン
基板内の酸素が有効にゲッタリングされて耐放射線性が
向上する。
【0016】本発明のもう1つの態様によれば、シリコ
ン太陽電池セルは、p型シリコン基板と、その基板内に
おいて第1の主面側に形成されたn型拡散層と、Si原
子より大きな原子半径を有するIII族元素のイオン注
入によって基板内の第2の主面側で少なくとも部分的に
形成された高ドーピング濃度のp+ 層と、基板の第2主
面上に形成されていて開口部を含む酸化膜と、その酸化
膜の開口部を介してp + 層と電気的に接続されている電
極とを含むことを特徴としている。このような酸化膜を
有するシリコン太陽電池セルにおいては、従来では、紫
外線照射などによってn型拡散層内などで発生したホッ
トキャリアがSiと酸化膜との界面に到達してその界面
に損傷を与えることに起因すると考えられるキャリアの
再結合の増加という問題があった。しかし、本発明のこ
の態様によるシリコン太陽電池セルにおいては、後で詳
述するように、p型基板領域からイオン注入によって形
成されたp+ 型領域への境界近傍において、ドーピング
濃度が急峻に変化しているとともに原子レベルの歪みが
形成され、ホットキャリアは、そこを通過する際にその
エネルギが著しく減少させられるので、界面に与えられ
る損傷が抑制され、その結果、キャリアの再結合が防止
され、紫外線照射などによる太陽電池セルの出力低下を
回避することができる。
ン太陽電池セルは、p型シリコン基板と、その基板内に
おいて第1の主面側に形成されたn型拡散層と、Si原
子より大きな原子半径を有するIII族元素のイオン注
入によって基板内の第2の主面側で少なくとも部分的に
形成された高ドーピング濃度のp+ 層と、基板の第2主
面上に形成されていて開口部を含む酸化膜と、その酸化
膜の開口部を介してp + 層と電気的に接続されている電
極とを含むことを特徴としている。このような酸化膜を
有するシリコン太陽電池セルにおいては、従来では、紫
外線照射などによってn型拡散層内などで発生したホッ
トキャリアがSiと酸化膜との界面に到達してその界面
に損傷を与えることに起因すると考えられるキャリアの
再結合の増加という問題があった。しかし、本発明のこ
の態様によるシリコン太陽電池セルにおいては、後で詳
述するように、p型基板領域からイオン注入によって形
成されたp+ 型領域への境界近傍において、ドーピング
濃度が急峻に変化しているとともに原子レベルの歪みが
形成され、ホットキャリアは、そこを通過する際にその
エネルギが著しく減少させられるので、界面に与えられ
る損傷が抑制され、その結果、キャリアの再結合が防止
され、紫外線照射などによる太陽電池セルの出力低下を
回避することができる。
【0017】本発明のさらに他の態様によれば、シリコ
ン太陽電池セルはp型シリコン基板の背面の全域にわた
ってAlのイオン注入によってp+ 層が形成されてい
る。したがって、Alによる酸素のゲッタリングが基板
背面の全域において行なわれ、太陽電池セルの耐放射線
性が基板背面の全域にわたって改善されることになる。
ン太陽電池セルはp型シリコン基板の背面の全域にわた
ってAlのイオン注入によってp+ 層が形成されてい
る。したがって、Alによる酸素のゲッタリングが基板
背面の全域において行なわれ、太陽電池セルの耐放射線
性が基板背面の全域にわたって改善されることになる。
【0018】本発明のさらに他の態様によれば、シリコ
ン太陽電池セルの製造方法は、p型シリコン基板内にお
いてその第1の主面側にn型拡散層を形成し、p型基板
の第2の主面を覆うように酸化膜を形成し、Si原子よ
り大きな原子半径を有するIII族元素を酸化膜を介し
てイオン注入することによってp型基板内において第2
主面側に高ドーピング濃度のp+ 層を形成し、酸化膜に
開口を形成し、そしてその開口を介してp+ 層と電気的
に接続された電極を形成する工程を含んでいることを特
徴としている。このシリコン太陽電池セルの製造方法に
おいては、p+層の形成のためのイオンは酸化膜を形成
した後にその酸化膜を通してp型基板内へ注入されるの
で、p型基板と酸化膜との間の界面はイオン注入前の比
較的良好な状態を維持することができる。
ン太陽電池セルの製造方法は、p型シリコン基板内にお
いてその第1の主面側にn型拡散層を形成し、p型基板
の第2の主面を覆うように酸化膜を形成し、Si原子よ
り大きな原子半径を有するIII族元素を酸化膜を介し
てイオン注入することによってp型基板内において第2
主面側に高ドーピング濃度のp+ 層を形成し、酸化膜に
開口を形成し、そしてその開口を介してp+ 層と電気的
に接続された電極を形成する工程を含んでいることを特
徴としている。このシリコン太陽電池セルの製造方法に
おいては、p+層の形成のためのイオンは酸化膜を形成
した後にその酸化膜を通してp型基板内へ注入されるの
で、p型基板と酸化膜との間の界面はイオン注入前の比
較的良好な状態を維持することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の最も重要な特徴は、高効
率の宇宙用Si太陽電池において、シリコン基板の背面
側にAlなどのIII族元素をイオン注入することによ
って、次の2つの効果(B1)および(B2)を得るこ
とにある。
率の宇宙用Si太陽電池において、シリコン基板の背面
側にAlなどのIII族元素をイオン注入することによ
って、次の2つの効果(B1)および(B2)を得るこ
とにある。
【0020】(B1) AlなどのIII族元素によっ
て、Si基板から酸素をゲッタリングすることができ、
これによってシリコン太陽電池セルの耐放射線性を向上
させることができる。
て、Si基板から酸素をゲッタリングすることができ、
これによってシリコン太陽電池セルの耐放射線性を向上
させることができる。
【0021】(B2) キャリアの効率的な収集のため
に設けられるp+ 領域とp型基板との界面近傍におい
て、イオン注入によってドーピング濃度を急峻に変化さ
せるとともに、原子レベルの歪みが形成される。この原
子レベルの歪みはホットキャリアのエネルギを著しく減
少させるように作用するので、紫外線照射などによるシ
リコン太陽電池セルの出力低下を回避させることができ
る。
に設けられるp+ 領域とp型基板との界面近傍におい
て、イオン注入によってドーピング濃度を急峻に変化さ
せるとともに、原子レベルの歪みが形成される。この原
子レベルの歪みはホットキャリアのエネルギを著しく減
少させるように作用するので、紫外線照射などによるシ
リコン太陽電池セルの出力低下を回避させることができ
る。
【0022】すなわち、本発明によれば、耐紫外線性や
耐放射線性に優れた宇宙用Si太陽電池セルを提供する
ことができる。
耐放射線性に優れた宇宙用Si太陽電池セルを提供する
ことができる。
【0023】図1は、本発明の実施の形態の一例による
BSFR型の宇宙用Si太陽電池セルを概略的な断面図
で示している。図1の太陽電池セルにおいては、p型S
i基板1の受光面側である前面にn型拡散層2が形成さ
れ、基板1の背面にp+ 型層(BSF層)3aが形成さ
れている。そして、p+ 型層3a上に背面酸化膜6が設
けられ、n型拡散層2上に前面酸化膜7が設けられてい
る。さらに、基板の前面側と背面側に、それぞれ前面電
極4と背面電極5が形成されている。ここで、p+ 型層
3aとp型Si基板1との界面8の近傍において、ドー
ピング濃度が急峻に変化させられている。さらに、p+
型層3aとp型Si基板1との界面8の近傍およびp+
型層3a内では、原子レベルの歪みが形成されている。
このようなp+ 型層3aとp型Si基板1との界面8近
傍における急峻なドーピング濃度変化と原子レベルの歪
みは、後でさらに詳しく述べられるように、Siより大
きな原子半径を有するイオン(たとえば、Al)をp型
Si基板1内へイオン注入してp+ 型層3aを形成する
ことによって実現され得る。なお、Siの原子半径は
1.17Åであるのに対して、Alの原子半径は1.4
1Åである。
BSFR型の宇宙用Si太陽電池セルを概略的な断面図
で示している。図1の太陽電池セルにおいては、p型S
i基板1の受光面側である前面にn型拡散層2が形成さ
れ、基板1の背面にp+ 型層(BSF層)3aが形成さ
れている。そして、p+ 型層3a上に背面酸化膜6が設
けられ、n型拡散層2上に前面酸化膜7が設けられてい
る。さらに、基板の前面側と背面側に、それぞれ前面電
極4と背面電極5が形成されている。ここで、p+ 型層
3aとp型Si基板1との界面8の近傍において、ドー
ピング濃度が急峻に変化させられている。さらに、p+
型層3aとp型Si基板1との界面8の近傍およびp+
型層3a内では、原子レベルの歪みが形成されている。
このようなp+ 型層3aとp型Si基板1との界面8近
傍における急峻なドーピング濃度変化と原子レベルの歪
みは、後でさらに詳しく述べられるように、Siより大
きな原子半径を有するイオン(たとえば、Al)をp型
Si基板1内へイオン注入してp+ 型層3aを形成する
ことによって実現され得る。なお、Siの原子半径は
1.17Åであるのに対して、Alの原子半径は1.4
1Åである。
【0024】次に、図1の太陽電池セルにおいて耐放射
線性が著しく改善される理由について説明する。
線性が著しく改善される理由について説明する。
【0025】まず、放射線等の照射によって太陽電池セ
ルの出力が低下する原因として、主に2つの理由が考え
られる。すなわち、その1つは高エネルギ粒子である電
子線等による太陽電池セルへの直接的影響であり、もう
1つは光子である紫外線等によるセルへの間接的影響で
ある。
ルの出力が低下する原因として、主に2つの理由が考え
られる。すなわち、その1つは高エネルギ粒子である電
子線等による太陽電池セルへの直接的影響であり、もう
1つは光子である紫外線等によるセルへの間接的影響で
ある。
【0026】太陽電池セルへの直接的影響とは、従来技
術の説明でも述べられたように、太陽電池セルが電子線
等で照射されることによって、セル母材の半導体結晶中
に空格子点、空格子点と格子間不純物原子とが結合した
複合中心、さらにはこれらの欠陥のクラスタ等が形成さ
れ、これらの格子欠陥がキャリアの再結合中心として働
くために太陽電池出力を有効に取出せなくなることをい
う。
術の説明でも述べられたように、太陽電池セルが電子線
等で照射されることによって、セル母材の半導体結晶中
に空格子点、空格子点と格子間不純物原子とが結合した
複合中心、さらにはこれらの欠陥のクラスタ等が形成さ
れ、これらの格子欠陥がキャリアの再結合中心として働
くために太陽電池出力を有効に取出せなくなることをい
う。
【0027】また、紫外線による間接的影響としては、
Applied Physics Letters 52(17), 25, April 1988
で, P. E. Gruenbaum らによって述べられているよう
に、太陽電池セルに比較的高いエネルギを有する紫外線
等が照射された場合に、シリコン基板内にホットキャリ
アが発生し、このホットキャリアがSi/SiO2 界面
の結合に損傷を与えるという現象がある。そして、この
Si/SiO2 界面の損傷部がキャリアの再結合中心と
なるので、SiO2 膜のパッシベーション効果が低下
し、太陽電池セルの出力が低下する。
Applied Physics Letters 52(17), 25, April 1988
で, P. E. Gruenbaum らによって述べられているよう
に、太陽電池セルに比較的高いエネルギを有する紫外線
等が照射された場合に、シリコン基板内にホットキャリ
アが発生し、このホットキャリアがSi/SiO2 界面
の結合に損傷を与えるという現象がある。そして、この
Si/SiO2 界面の損傷部がキャリアの再結合中心と
なるので、SiO2 膜のパッシベーション効果が低下
し、太陽電池セルの出力が低下する。
【0028】図6は、紫外線等による間接的影響を説明
するためのエネルギバンド構造図である。図6のエネル
ギバンド構造は、図10の太陽電池セルにおいて半導体
基板1と背面酸化膜6とが直接接触している位置におけ
る断面のバンド構造とホットキャリアの流れとを示して
いる。符号EC は伝導体の下端レベルを表わし、EVは
価電子体の上端レベルを表わし、そしてEF はフェルミ
レベルを表わしている。また、半導体基板1と背面酸化
膜6との界面における“−”印は、界面準位を表わして
いる。一般に、Si/SiO2 界面には、空乏領域が形
成される。図6に示されているようなバンド構造を有す
る太陽電池セルが紫外線(UV)の照射を受ければ、主
に前面近傍でホットキャリア(電子eおよび空孔h)が
発生する。これらのホットキャリアは、高いエネルギを
維持しつつSi基板1を通ってSi/SiO2 界面に達
し、その界面の結合に損傷を与える。そして、この界面
における損傷はキャリアの再結合中心として働く。すな
わち、太陽光を吸収して発生した少数キャリアの電子が
Si/SiO2 界面の再結合中心を介して多数キャリア
の正孔と再結合する確率が増大することになり、光電変
換によって生じてた少数キャリアを出力として太陽電池
セルの外部へ有効に取出すことが困難となる。すなわ
ち、背面パッシベーションの効果がホットキャリアによ
って損なわれることになる。
するためのエネルギバンド構造図である。図6のエネル
ギバンド構造は、図10の太陽電池セルにおいて半導体
基板1と背面酸化膜6とが直接接触している位置におけ
る断面のバンド構造とホットキャリアの流れとを示して
いる。符号EC は伝導体の下端レベルを表わし、EVは
価電子体の上端レベルを表わし、そしてEF はフェルミ
レベルを表わしている。また、半導体基板1と背面酸化
膜6との界面における“−”印は、界面準位を表わして
いる。一般に、Si/SiO2 界面には、空乏領域が形
成される。図6に示されているようなバンド構造を有す
る太陽電池セルが紫外線(UV)の照射を受ければ、主
に前面近傍でホットキャリア(電子eおよび空孔h)が
発生する。これらのホットキャリアは、高いエネルギを
維持しつつSi基板1を通ってSi/SiO2 界面に達
し、その界面の結合に損傷を与える。そして、この界面
における損傷はキャリアの再結合中心として働く。すな
わち、太陽光を吸収して発生した少数キャリアの電子が
Si/SiO2 界面の再結合中心を介して多数キャリア
の正孔と再結合する確率が増大することになり、光電変
換によって生じてた少数キャリアを出力として太陽電池
セルの外部へ有効に取出すことが困難となる。すなわ
ち、背面パッシベーションの効果がホットキャリアによ
って損なわれることになる。
【0029】本発明者は、上述の高エネルギ粒子による
セルへの直接的影響と光子による間接的影響に着目し、
電子線等のエネルギ粒子による出力低下を回避し得ると
ともに、紫外線等の光子によって発生させられたホット
キャリアがSi/SiO2 界面に到達するまでにそのエ
ネルギを減少させることによって界面においてキャリア
の再結合中心を形成させない太陽電池セルを実現すべく
種々の検討を行ない、図1の構造を有するシリコン太陽
電池セルに想到した。すなわち、基板1の背面側にSi
原子より大きな原子半径を有するAl等のIII族元素
をイオン注入することによって、以下の2つの効果を得
て上述のセルへの直接的影響と間接的影響の問題を解決
することができる。
セルへの直接的影響と光子による間接的影響に着目し、
電子線等のエネルギ粒子による出力低下を回避し得ると
ともに、紫外線等の光子によって発生させられたホット
キャリアがSi/SiO2 界面に到達するまでにそのエ
ネルギを減少させることによって界面においてキャリア
の再結合中心を形成させない太陽電池セルを実現すべく
種々の検討を行ない、図1の構造を有するシリコン太陽
電池セルに想到した。すなわち、基板1の背面側にSi
原子より大きな原子半径を有するAl等のIII族元素
をイオン注入することによって、以下の2つの効果を得
て上述のセルへの直接的影響と間接的影響の問題を解決
することができる。
【0030】それらの効果の1つとして、Al等のII
I族元素のイオン注入によって形成されたp+ 層3aが
Si基板1から酸素をゲッタリングすることによって、
太陽電池セルの耐放射線性を改善することができる。こ
の根拠として、たとえば Semiconductors and Semimeta
ls, vol.11, Solar Cells ;Academic Press, pp. 154-
157 に、Si基板中の酸素が照射欠陥に関与し、酸素含
有量が少なければ太陽電池セルの耐放射線性に優れるこ
とを示す記載が存在している。そこで、本発明者は、A
lが酸素と結合しやすいことを利用するためにSi基板
1内にAlを高濃度ドープさせることにより、Si基板
1中の酸素が有効にゲッタリングされて太陽電池セルの
耐放射線性が改善されるであろうと推定した。実際に、
図8の太陽電池セルと同様の構造ではあるがp+ 層3が
Al−Si合金層からなるセルを作製して実験したとこ
ろ、表1中の(c)に示すように耐放射線性の評価の目
安となる1MeVの電子線を1×1015e/cm2 照射
した後の最大出力Pmax の保存率として73.3%とい
う値を得た。これは、従来の太陽電池セルにおける最大
出力Pmax の保存率が67.0%〜69.5%であるこ
とから明らかなように、耐放射線性が向上したことを示
している。
I族元素のイオン注入によって形成されたp+ 層3aが
Si基板1から酸素をゲッタリングすることによって、
太陽電池セルの耐放射線性を改善することができる。こ
の根拠として、たとえば Semiconductors and Semimeta
ls, vol.11, Solar Cells ;Academic Press, pp. 154-
157 に、Si基板中の酸素が照射欠陥に関与し、酸素含
有量が少なければ太陽電池セルの耐放射線性に優れるこ
とを示す記載が存在している。そこで、本発明者は、A
lが酸素と結合しやすいことを利用するためにSi基板
1内にAlを高濃度ドープさせることにより、Si基板
1中の酸素が有効にゲッタリングされて太陽電池セルの
耐放射線性が改善されるであろうと推定した。実際に、
図8の太陽電池セルと同様の構造ではあるがp+ 層3が
Al−Si合金層からなるセルを作製して実験したとこ
ろ、表1中の(c)に示すように耐放射線性の評価の目
安となる1MeVの電子線を1×1015e/cm2 照射
した後の最大出力Pmax の保存率として73.3%とい
う値を得た。これは、従来の太陽電池セルにおける最大
出力Pmax の保存率が67.0%〜69.5%であるこ
とから明らかなように、耐放射線性が向上したことを示
している。
【0031】ここで、太陽電池セル(a)は高温(約1
000℃)の炉の中でボロンを含むガス雰囲気中でp型
Si基板1内へボロンを拡散させることによってp+ 層
3が形成されるのに対して、この太陽電池セル(c)で
はAlの粉末を含んだペーストをSi基板1に塗布して
約400℃の炉の中で短時間焼成することによって厚い
Si−Al合金層からなるp+ 層3が形成される。この
結果、太陽電池セル(c)においては太陽光吸収率αS
がセル(a)および(b)に比べて上昇し、セル温度が
高くなるという問題を生じる。したがって、動作温度に
おける太陽電池セル(c)の最大出力Pmax ・Topは7
5.1mWであって、セル(a)および(b)に比べて
劣っている。他方、本発明の実施の形態の一例による図
1の太陽電池セルにおいては、Al原子がイオン注入さ
れるので、表1中のセル(c)におけるような分厚いS
i−Al合金層からなるp+ 層3が形成されることはな
く、セルの温度上昇の問題も生じない。
000℃)の炉の中でボロンを含むガス雰囲気中でp型
Si基板1内へボロンを拡散させることによってp+ 層
3が形成されるのに対して、この太陽電池セル(c)で
はAlの粉末を含んだペーストをSi基板1に塗布して
約400℃の炉の中で短時間焼成することによって厚い
Si−Al合金層からなるp+ 層3が形成される。この
結果、太陽電池セル(c)においては太陽光吸収率αS
がセル(a)および(b)に比べて上昇し、セル温度が
高くなるという問題を生じる。したがって、動作温度に
おける太陽電池セル(c)の最大出力Pmax ・Topは7
5.1mWであって、セル(a)および(b)に比べて
劣っている。他方、本発明の実施の形態の一例による図
1の太陽電池セルにおいては、Al原子がイオン注入さ
れるので、表1中のセル(c)におけるような分厚いS
i−Al合金層からなるp+ 層3が形成されることはな
く、セルの温度上昇の問題も生じない。
【0032】イオン注入によるもう1つの効果は、前に
も述べたようにキャリアの効率的な収集のために設けら
れるp+ 層3aとp型基板1との界面8近傍において、
p型基板1からp+ 層3にかけてドーピング濃度が急峻
に変化する構造にされ得るとともに、原子レベルの歪み
が形成され得ることにある。これによって、紫外線照射
などによってn型拡散層2内などで発生したホットキャ
リアは、p型基板1からp+ 層3aへの界面8近傍を通
過する際にエネルギを失う。すなわち、p+ 層3aと酸
化膜6との界面9がホットキャリアから保護されること
になる。その結果、界面9中の損傷部でキャリアの再結
合が生じるという問題が解消され、紫外線照射等による
出力低下を回避することができる。
も述べたようにキャリアの効率的な収集のために設けら
れるp+ 層3aとp型基板1との界面8近傍において、
p型基板1からp+ 層3にかけてドーピング濃度が急峻
に変化する構造にされ得るとともに、原子レベルの歪み
が形成され得ることにある。これによって、紫外線照射
などによってn型拡散層2内などで発生したホットキャ
リアは、p型基板1からp+ 層3aへの界面8近傍を通
過する際にエネルギを失う。すなわち、p+ 層3aと酸
化膜6との界面9がホットキャリアから保護されること
になる。その結果、界面9中の損傷部でキャリアの再結
合が生じるという問題が解消され、紫外線照射等による
出力低下を回避することができる。
【0033】図7は、このイオン注入の効果を説明する
ための、図1の太陽電池セルにおけるエネルギバンド構
造とホットキャリアの流れとを示した図である。図7は
図6に類似しているが、図7のエネルギバンド構造にお
いてはイオン注入によって形成されたp+ 層3aのバン
ド構造が含まれている。図7において、n型Si基板1
とp+ 層3aとの界面8は“+”印で表わされている。
ための、図1の太陽電池セルにおけるエネルギバンド構
造とホットキャリアの流れとを示した図である。図7は
図6に類似しているが、図7のエネルギバンド構造にお
いてはイオン注入によって形成されたp+ 層3aのバン
ド構造が含まれている。図7において、n型Si基板1
とp+ 層3aとの界面8は“+”印で表わされている。
【0034】なお、図6と図7の説明文において、ホッ
トキャリアの振る舞いと本発明の効果をわかりやすく説
明するために、紫外線(UV)によって生成されたホッ
トキャリア(電子e,正孔h)自身がSiと酸化膜との
界面において損傷を与えるがごとき表現を行なった。し
かし、実際には太陽電池セルが動作しているときにはS
i基板内に多数の電子eと正孔hが存在しているので、
必ずしも発光したホットキャリアそれ自身が損傷を与え
るのではなくてホットキャリアからエネルギを受取った
同種の別のキャリアが損傷を与えることが生じ得ること
を付け加えておく。
トキャリアの振る舞いと本発明の効果をわかりやすく説
明するために、紫外線(UV)によって生成されたホッ
トキャリア(電子e,正孔h)自身がSiと酸化膜との
界面において損傷を与えるがごとき表現を行なった。し
かし、実際には太陽電池セルが動作しているときにはS
i基板内に多数の電子eと正孔hが存在しているので、
必ずしも発光したホットキャリアそれ自身が損傷を与え
るのではなくてホットキャリアからエネルギを受取った
同種の別のキャリアが損傷を与えることが生じ得ること
を付け加えておく。
【0035】なお、図1の太陽電池セルは本発明の実施
の形態の一例にすぎず、本発明は他の種々の太陽電池セ
ルにも適用し得ることは言うまでもない。たとえば、図
2に示されているように、図1の太陽電池セルの受光面
側にテクスチャー構造が導入されてもよい。次に、本発
明による図2の太陽電池セルの製造方法について、その
実施の形態の一例を図4および図5を参照して工程順に
説明する。
の形態の一例にすぎず、本発明は他の種々の太陽電池セ
ルにも適用し得ることは言うまでもない。たとえば、図
2に示されているように、図1の太陽電池セルの受光面
側にテクスチャー構造が導入されてもよい。次に、本発
明による図2の太陽電池セルの製造方法について、その
実施の形態の一例を図4および図5を参照して工程順に
説明する。
【0036】まず、図4(A)に示されているように、
p型シリコン基板1(1×1015/cm3 〜1×1016
/cm3 のキャリア濃度と1〜3Ωcmの抵抗率を有す
る)を所定の厚さ(約50〜200μm)になるように
エッチングする。
p型シリコン基板1(1×1015/cm3 〜1×1016
/cm3 のキャリア濃度と1〜3Ωcmの抵抗率を有す
る)を所定の厚さ(約50〜200μm)になるように
エッチングする。
【0037】図4(B)においては、基板1の前面に無
反射表面形状10が形成される。この形状10は、たと
えば基板1の表面にCVDによって堆積されたSiO2
膜を周知のフォトリソグラフ法で加工して、そしてアル
カリ系のエッチャントでエッチング加工することによっ
て実現され得る。
反射表面形状10が形成される。この形状10は、たと
えば基板1の表面にCVDによって堆積されたSiO2
膜を周知のフォトリソグラフ法で加工して、そしてアル
カリ系のエッチャントでエッチング加工することによっ
て実現され得る。
【0038】図4(C)においては、基板1の前面から
V族不純物(リン等)を熱拡散させることによってn層
2が形成される。この場合、基板1の背面は、たとえば
乾燥酸素中における熱酸化によって形成された厚い酸化
膜6によって保護される。
V族不純物(リン等)を熱拡散させることによってn層
2が形成される。この場合、基板1の背面は、たとえば
乾燥酸素中における熱酸化によって形成された厚い酸化
膜6によって保護される。
【0039】図4(D)においては、Siより大きな原
子半径を有するIII族不純物(ここではAl)が酸化
膜6を通して基板1の背面側にイオン注入される。この
イオン注入が本発明における最も重要な特徴である。こ
のとき、p+ 層3aの厚さは1〜数μm程度にされ、そ
こにおけるキャリア濃度は1×1018/cm3 以上にさ
れる。このようにSiより大きな原子半径を有するII
I族不純物を基板1の背面側にイオン注入することによ
って、p+ 層3aとp型基板1との界面8近傍において
ドーピング濃度が急峻に変化するとともに原子レベルの
歪みが形成される。紫外線照射等によりn型拡散層2内
等でホットキャリアが発生しても、そのホットキャリア
は界面8近傍を通過する際にエネルギを失うので、酸化
膜6とp + 層3aとの間の界面9における結合がホット
キャリアによって損傷を受けることがなく、太陽電池セ
ルの出力低下を回避することができる。
子半径を有するIII族不純物(ここではAl)が酸化
膜6を通して基板1の背面側にイオン注入される。この
イオン注入が本発明における最も重要な特徴である。こ
のとき、p+ 層3aの厚さは1〜数μm程度にされ、そ
こにおけるキャリア濃度は1×1018/cm3 以上にさ
れる。このようにSiより大きな原子半径を有するII
I族不純物を基板1の背面側にイオン注入することによ
って、p+ 層3aとp型基板1との界面8近傍において
ドーピング濃度が急峻に変化するとともに原子レベルの
歪みが形成される。紫外線照射等によりn型拡散層2内
等でホットキャリアが発生しても、そのホットキャリア
は界面8近傍を通過する際にエネルギを失うので、酸化
膜6とp + 層3aとの間の界面9における結合がホット
キャリアによって損傷を受けることがなく、太陽電池セ
ルの出力低下を回避することができる。
【0040】また、p型基板1内へのAl原子のイオン
注入は酸化膜6が形成された後にその酸化膜6を通して
行なわれるので、p型基板1と酸化膜6との界面9はイ
オン注入前の比較的良好な状態を維持することができ
る。すなわち、イオン注入は酸化膜6の形成前に行なう
ことも可能であるが、その場合には高い不純物濃度を有
するp+ 層3a上に酸化膜6が形成されることになる。
一般に、酸化膜を形成しようとする基板は不純物濃度が
低いほど、界面準位が少ない良好な界面特性を有する酸
化膜6の形成が期待できるが、高い不純物濃度を有する
p+ 層3a上に酸化膜を形成する場合には、理想的な酸
化膜6の形成が困難となる。したがって、図4(D)に
示されているように、p型基板1上に酸化膜6が形成さ
れた後にAlをイオン注入することが好ましい。
注入は酸化膜6が形成された後にその酸化膜6を通して
行なわれるので、p型基板1と酸化膜6との界面9はイ
オン注入前の比較的良好な状態を維持することができ
る。すなわち、イオン注入は酸化膜6の形成前に行なう
ことも可能であるが、その場合には高い不純物濃度を有
するp+ 層3a上に酸化膜6が形成されることになる。
一般に、酸化膜を形成しようとする基板は不純物濃度が
低いほど、界面準位が少ない良好な界面特性を有する酸
化膜6の形成が期待できるが、高い不純物濃度を有する
p+ 層3a上に酸化膜を形成する場合には、理想的な酸
化膜6の形成が困難となる。したがって、図4(D)に
示されているように、p型基板1上に酸化膜6が形成さ
れた後にAlをイオン注入することが好ましい。
【0041】なお、上述のようなイオン注入法を用いる
場合には、従来の熱拡散法を用いる場合のようにp+ 層
3における高いキャリア濃度(たとえば、5×1019〜
1×1020/cm3 )を必要としない。なぜならば、図
4(D)の工程ではキャリアの再結合準位として働く界
面準位が少ないSi/SiO2 界面9が形成されるの
で、十分な背面パッシベーション効果が期待でき、キャ
リア濃度を従来の場合ほどに高める必要がないからであ
る。なお、図4(D)に示されているようなイオン注入
によってもセルの背面にイオン照射損傷が生じ得るの
で、次の工程においてこの損傷の回復が行なわれる。
場合には、従来の熱拡散法を用いる場合のようにp+ 層
3における高いキャリア濃度(たとえば、5×1019〜
1×1020/cm3 )を必要としない。なぜならば、図
4(D)の工程ではキャリアの再結合準位として働く界
面準位が少ないSi/SiO2 界面9が形成されるの
で、十分な背面パッシベーション効果が期待でき、キャ
リア濃度を従来の場合ほどに高める必要がないからであ
る。なお、図4(D)に示されているようなイオン注入
によってもセルの背面にイオン照射損傷が生じ得るの
で、次の工程においてこの損傷の回復が行なわれる。
【0042】すなわち、図5(A)に示されているよう
に、たとえば600℃で数分間のRTA(ラピッド・サ
ーマル・アニール)法によってイオン注入による損傷の
回復が行なわれる。ここで、この程度の熱処理が行なわ
れても、p型基板1とn型層2との間のpn接合や基板
1とp+ 層3aとの界面8には影響が生じない。このR
TA法と同時に所定濃度の乾燥酸素を炉内に導入するこ
とによって、同一ステップで前面酸化膜7を形成するこ
とができる。この前面酸化膜7の厚さは、たとえば10
0〜200Åにされる。
に、たとえば600℃で数分間のRTA(ラピッド・サ
ーマル・アニール)法によってイオン注入による損傷の
回復が行なわれる。ここで、この程度の熱処理が行なわ
れても、p型基板1とn型層2との間のpn接合や基板
1とp+ 層3aとの界面8には影響が生じない。このR
TA法と同時に所定濃度の乾燥酸素を炉内に導入するこ
とによって、同一ステップで前面酸化膜7を形成するこ
とができる。この前面酸化膜7の厚さは、たとえば10
0〜200Åにされる。
【0043】図5(B)においては、周知のフォトリソ
グラフ法を用いて、前面酸化膜7と背面酸化膜6のそれ
ぞれの所定の位置に開口11と12が形成される。これ
らのエッチングは、ウエットエッチング,ドライエッチ
ングのいずれをも用いることができる。
グラフ法を用いて、前面酸化膜7と背面酸化膜6のそれ
ぞれの所定の位置に開口11と12が形成される。これ
らのエッチングは、ウエットエッチング,ドライエッチ
ングのいずれをも用いることができる。
【0044】図5(C)においては、周知のフォトリソ
グラフィ法を用いて前面電極4が形成される。
グラフィ法を用いて前面電極4が形成される。
【0045】そして、図5(D)において、背面酸化膜
6および開口12を覆うように背面電極5が形成され
る。
6および開口12を覆うように背面電極5が形成され
る。
【0046】この後に、図示されていないが、基板の前
面側に反射防止膜を形成した後に熱処理が加えられ、そ
して所定の寸法に切り出されることによってベア・セル
(裸のセル)が完成する。このベア・セルの受光面側に
樹脂を介してカバーガラスを貼りつけることによって、
カバーガラス付き太陽電池セルが得られる。
面側に反射防止膜を形成した後に熱処理が加えられ、そ
して所定の寸法に切り出されることによってベア・セル
(裸のセル)が完成する。このベア・セルの受光面側に
樹脂を介してカバーガラスを貼りつけることによって、
カバーガラス付き太陽電池セルが得られる。
【0047】なお、以上の説明ではAl原子がイオン注
入されたが、III族元素の他のイオン、たとえばGa
(Siの原子半径の1.17Åより大きな1.25Åの
原子半径を有する)等を用いることもできる。
入されたが、III族元素の他のイオン、たとえばGa
(Siの原子半径の1.17Åより大きな1.25Åの
原子半径を有する)等を用いることもできる。
【0048】図3は、本発明の実施の形態によるさらに
他の例の太陽電池セルを示している。図3の太陽電池セ
ルは図1におけるような酸化膜6および7を含んでおら
ず、見かけ上は図5の従来のものに類似している。すな
わち、図3の太陽電池セルにおいてはSi/SiO2 界
面がホットキャリアによって損傷されるという前述の問
題(B2)を生じることはないが、放射線照射によって
出力劣化が生じるという前述の問題(B1)は存在す
る。したがって、図3の太陽電池セルにおいても、酸素
と結合力の大きいAl等をイオン注入してp+ 層3aを
形成することによって、耐放射線性の改善を図ることが
できる。なお、図3の実施の形態においてもイオン注入
によって打込まれる原子としてAlが用いられたが、S
i原子よりも大きな原子半径を有しかつ酸素との結合性
が比較的高いIII族元素のたとえばGaを使用するこ
ともできる。
他の例の太陽電池セルを示している。図3の太陽電池セ
ルは図1におけるような酸化膜6および7を含んでおら
ず、見かけ上は図5の従来のものに類似している。すな
わち、図3の太陽電池セルにおいてはSi/SiO2 界
面がホットキャリアによって損傷されるという前述の問
題(B2)を生じることはないが、放射線照射によって
出力劣化が生じるという前述の問題(B1)は存在す
る。したがって、図3の太陽電池セルにおいても、酸素
と結合力の大きいAl等をイオン注入してp+ 層3aを
形成することによって、耐放射線性の改善を図ることが
できる。なお、図3の実施の形態においてもイオン注入
によって打込まれる原子としてAlが用いられたが、S
i原子よりも大きな原子半径を有しかつ酸素との結合性
が比較的高いIII族元素のたとえばGaを使用するこ
ともできる。
【0049】表1中の(d)は発明者が最近試作した図
1の太陽電池セルの特性を表わしている。表1からわか
るように、この太陽電池セル(d)の初期最大出力P
max は従来の高効率セル(b)と同等であり、電子線照
射後の保存率はAlペーストを利用したセル(c)と比
べても優れたものとなっている。また、太陽電池セル
(d)においてはセル(c)における場合のように厚い
Si−Al合金層3が形成されないので、太陽吸収率α
S をセル(c)に比べて下げることができ、電子線照射
後の動作温度における最大出力Pmax ・Topを向上させ
ることができる。さらに、紫外線照射の影響について
は、太陽電池セル(d)においては700sun・ho
urs(1sunは通常の太陽光の強度を表わす)の経
過後の段階で出力特性の劣化がみられず、本発明の優れ
た効果が確認されている。
1の太陽電池セルの特性を表わしている。表1からわか
るように、この太陽電池セル(d)の初期最大出力P
max は従来の高効率セル(b)と同等であり、電子線照
射後の保存率はAlペーストを利用したセル(c)と比
べても優れたものとなっている。また、太陽電池セル
(d)においてはセル(c)における場合のように厚い
Si−Al合金層3が形成されないので、太陽吸収率α
S をセル(c)に比べて下げることができ、電子線照射
後の動作温度における最大出力Pmax ・Topを向上させ
ることができる。さらに、紫外線照射の影響について
は、太陽電池セル(d)においては700sun・ho
urs(1sunは通常の太陽光の強度を表わす)の経
過後の段階で出力特性の劣化がみられず、本発明の優れ
た効果が確認されている。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の1つの態様によ
れば、p型シリコン基板の背面側に形成されるp+ 層は
Alのイオン注入によって形成される。したがって、A
lは酸素と容易に結合するので、このp+ 層によってp
型基板内の酸素が有効にゲッタリングされて、シリコン
太陽電池セルの耐放射線性が改善される。
れば、p型シリコン基板の背面側に形成されるp+ 層は
Alのイオン注入によって形成される。したがって、A
lは酸素と容易に結合するので、このp+ 層によってp
型基板内の酸素が有効にゲッタリングされて、シリコン
太陽電池セルの耐放射線性が改善される。
【0051】本発明の他の態様によれば、Si原子より
大きな原子半径を有するIII族元素のイオン注入によ
って形成されたp+ 層とp型基板との界面近傍において
ドーピング濃度が急峻に変化するとともに原子レベルの
歪みが形成される。したがって、紫外線照射等によって
n型拡散層内等で発生したホットキャリアはこのp+層
とp型基板との界面を通過する際にエネルギを失い、p
+ 層と酸化膜との界面がホットキャリアから保護される
ことになる。その結果、従来のp+ 領域と酸化膜との界
面におけるホットキャリアによる損傷部で生じていたキ
ャリアの再結合が防止され、シリコン太陽電池セルにお
ける紫外線照射等による出力低下が回避され得る。
大きな原子半径を有するIII族元素のイオン注入によ
って形成されたp+ 層とp型基板との界面近傍において
ドーピング濃度が急峻に変化するとともに原子レベルの
歪みが形成される。したがって、紫外線照射等によって
n型拡散層内等で発生したホットキャリアはこのp+層
とp型基板との界面を通過する際にエネルギを失い、p
+ 層と酸化膜との界面がホットキャリアから保護される
ことになる。その結果、従来のp+ 領域と酸化膜との界
面におけるホットキャリアによる損傷部で生じていたキ
ャリアの再結合が防止され、シリコン太陽電池セルにお
ける紫外線照射等による出力低下が回避され得る。
【0052】本発明のさらに他の態様によれば、p+ 層
がp型シリコン基板の背面の全領域に形成されているの
で、Alによる酸素のゲッタリングが基板背面の全域に
わたって行なわれ、シリコン太陽電池セルの耐放射線性
が十分に改善される。さらに、基板の背面全域がホット
キャリアから保護されることになるので、太陽電池セル
における紫外線照射等による出力低下を十分に回避する
ことができる。
がp型シリコン基板の背面の全領域に形成されているの
で、Alによる酸素のゲッタリングが基板背面の全域に
わたって行なわれ、シリコン太陽電池セルの耐放射線性
が十分に改善される。さらに、基板の背面全域がホット
キャリアから保護されることになるので、太陽電池セル
における紫外線照射等による出力低下を十分に回避する
ことができる。
【0053】本発明のさらに他の態様によれば、p+ 型
シリコン基板の背面に酸化膜を形成した後にその酸化膜
を通してイオン注入することによってp+ 層が形成され
るので、基板と酸化膜との間の界面はイオン注入前の比
較的良好な状態を維持することができる。
シリコン基板の背面に酸化膜を形成した後にその酸化膜
を通してイオン注入することによってp+ 層が形成され
るので、基板と酸化膜との間の界面はイオン注入前の比
較的良好な状態を維持することができる。
【図1】本発明の実施の形態の一例によるシリコン太陽
電池セルを示す概略的な断面図である。
電池セルを示す概略的な断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例による太陽電池セ
ルを示す断面図である。
ルを示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるさらに他の例によ
る太陽電池セルを示す断面図である。
る太陽電池セルを示す断面図である。
【図4】図2の太陽電池セルの製造工程を説明するため
の概略的な断面図である。
の概略的な断面図である。
【図5】図4に続く製造工程を示す断面図である。
【図6】図9の太陽電池セルにおいて背面酸化膜が存在
する位置における断面に沿ったエネルギバンド構造を示
す図である。
する位置における断面に沿ったエネルギバンド構造を示
す図である。
【図7】図1の太陽電池セルの断面に沿ったエネルギバ
ンド構造を示す図である。
ンド構造を示す図である。
【図8】従来の太陽電池セルの一例を示す概略的な断面
図である。
図である。
【図9】従来の太陽電池セルの他の例を示す断面図であ
る。
る。
【図10】従来の太陽電池セルのさらに他の例を示す断
面図である。
面図である。
1 p型半導体基板 2 n型拡散層 3 拡散によって形成されたp+ 層 3a イオン注入によって形成されたp+ 層 4 前面電極 5 背面電極 6 背面酸化膜 7 前面酸化膜 8 p型基板とp+ 層との界面 9 p+ 層と背面酸化膜との界面 11,12 開口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】図3は、本発明の実施の形態によるさらに
他の例の太陽電池セルを示している。図3の太陽電池セ
ルは図1におけるような酸化膜6および7を含んでおら
ず、見かけ上は図8の従来のものに類似している。すな
わち、図3の太陽電池セルにおいてはSi/SiO2界
面がホットキャリアによって損傷されるという前述の問
題(B2)を生じることはないが、放射線照射によって
出力劣化が生じるという前述の問題(B1)は存在す
る。したがって、図3の太陽電池セルにおいても、酸素
と結合力の大きいA1等をイオン注入してp+層3aを
形成することによって、耐放射線性の改善を図ることが
できる。なお、図3の実施の形態においてもイオン注入
によって打込まれる原子としてA1が用いられたが、S
i原子よりも大きな原子半径を有しかつ酸素との結合性
が比較的高いIII族元素のたとえばGaを使用するこ
ともできる。 ─────────────────────────────────────────────────────
他の例の太陽電池セルを示している。図3の太陽電池セ
ルは図1におけるような酸化膜6および7を含んでおら
ず、見かけ上は図8の従来のものに類似している。すな
わち、図3の太陽電池セルにおいてはSi/SiO2界
面がホットキャリアによって損傷されるという前述の問
題(B2)を生じることはないが、放射線照射によって
出力劣化が生じるという前述の問題(B1)は存在す
る。したがって、図3の太陽電池セルにおいても、酸素
と結合力の大きいA1等をイオン注入してp+層3aを
形成することによって、耐放射線性の改善を図ることが
できる。なお、図3の実施の形態においてもイオン注入
によって打込まれる原子としてA1が用いられたが、S
i原子よりも大きな原子半径を有しかつ酸素との結合性
が比較的高いIII族元素のたとえばGaを使用するこ
ともできる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、宇宙用Si太陽電池セルの耐放射線
性について説明する。宇宙用太陽電池セルは、一般に、
宇宙環境において高エネルギを有する高密度の電子線、
陽子線、中性子線、α粒子線、X線、紫外線等の照射を
受け、太陽電池セルの半導体基板結晶中に空格子点、空
格子点と格子間不純物原子が結合した複合中心、および
これらの欠陥のクラスタ等が形成される。これらの照射
欠陥は、電気的にはキャリアの再結合中心として働き、
少数キャリアのライフタイムや拡散距離を短くし、太陽
電池セルの性能を劣化させるように作用する。このよう
な照射欠陥による作用を抑制するために、宇宙用Si太
陽電池セルには、従来から以下のような対策(A1)〜
(A3)が施されている。
性について説明する。宇宙用太陽電池セルは、一般に、
宇宙環境において高エネルギを有する高密度の電子線、
陽子線、中性子線、α粒子線、X線、紫外線等の照射を
受け、太陽電池セルの半導体基板結晶中に空格子点、空
格子点と格子間不純物原子が結合した複合中心、および
これらの欠陥のクラスタ等が形成される。これらの照射
欠陥は、電気的にはキャリアの再結合中心として働き、
少数キャリアのライフタイムや拡散距離を短くし、太陽
電池セルの性能を劣化させるように作用する。このよう
な照射欠陥による作用を抑制するために、宇宙用Si太
陽電池セルには、従来から以下のような対策(A1)〜
(A3)が施されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】なお、図6と図7の説明文において、ホッ
トキャリアの振る舞いと本発明の効果をわかりやすく説
明するために、紫外線(UV)によって生成されたホッ
トキャリア(電子e,正孔h)自身がSiと酸化膜との
界面において損傷を与えるがごとき表現を行なった。し
かし、実際には太陽電池セルが動作しているときにはS
i基板内に多数の電子eと正孔hが存在しているので、
必ずしも発生したホットキャリアそれ自身が損傷を与え
るのではなくてホットキャリアからエネルギを受取った
同種の別のキャリアが損傷を与えることが生じ得ること
を付け加えておく。
トキャリアの振る舞いと本発明の効果をわかりやすく説
明するために、紫外線(UV)によって生成されたホッ
トキャリア(電子e,正孔h)自身がSiと酸化膜との
界面において損傷を与えるがごとき表現を行なった。し
かし、実際には太陽電池セルが動作しているときにはS
i基板内に多数の電子eと正孔hが存在しているので、
必ずしも発生したホットキャリアそれ自身が損傷を与え
るのではなくてホットキャリアからエネルギを受取った
同種の別のキャリアが損傷を与えることが生じ得ること
を付け加えておく。
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】(A1) 太陽電池セルがn−on−p型
にされる。すなわち、本来的に電子の方が正孔よりもラ
イフタイムや拡散距離が長いので、太陽電池セルをp−
on−n型ではなくてn−on−p型にすることによっ
て、照射欠陥による影響を比較的小さくすることができ
る。
にされる。すなわち、本来的に電子の方が正孔よりもラ
イフタイムや拡散距離が長いので、太陽電池セルをp−
on−n型ではなくてn−on−p型にすることによっ
て、照射欠陥による影響を比較的小さくすることができ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】図6は、紫外線等による間接的影響を説明
するためのエネルギバンド構造図である。図6のエネル
ギバンド構造は、図10の太陽電池セルにおいて半導体
基板1と背面酸化膜6とが直接接触している位置におけ
る断面のバンド構造とホットキャリアの流れとを示して
いる。符号Ecは伝導帯の下端レベルを表わし、Evは
価電子帯の上端レベルを表わし、そしてEFはフェルミ
レベルを表わしている。また、半導体基板1と背面酸化
膜6との界面における“−”印は、界面準位を表わして
いる。一般に、Si/SiO2界面には、空乏領域が形
成される。図6に示されているようなバンド構造を有す
る太陽電池セルが紫外線(UV)の照射を受ければ、主
に前面近傍でホットキャリア(電子eおよび空孔h)が
発生する。これらのホットキャリアは、高いエネルギを
維持しつつSi基板1を通ってSi/SiO2界面に達
し、その界面の結合に損傷を与える。そして、この界面
における損傷はキャリアの再結合中心として働く。すな
わち、太陽光を吸収して発生した少数キャリアの電子が
Si/SiO2界面の再結合中心を介して多数キャリア
の正孔と再結合する確率が増大することになり、光電変
換によって生じてた少数キャリアを出力として太陽電池
セルの外部へ有効に取出すことが困難となる。すなわ
ち、背面パッシベーションの効果がホットキャリアによ
って損なわれることになる。
するためのエネルギバンド構造図である。図6のエネル
ギバンド構造は、図10の太陽電池セルにおいて半導体
基板1と背面酸化膜6とが直接接触している位置におけ
る断面のバンド構造とホットキャリアの流れとを示して
いる。符号Ecは伝導帯の下端レベルを表わし、Evは
価電子帯の上端レベルを表わし、そしてEFはフェルミ
レベルを表わしている。また、半導体基板1と背面酸化
膜6との界面における“−”印は、界面準位を表わして
いる。一般に、Si/SiO2界面には、空乏領域が形
成される。図6に示されているようなバンド構造を有す
る太陽電池セルが紫外線(UV)の照射を受ければ、主
に前面近傍でホットキャリア(電子eおよび空孔h)が
発生する。これらのホットキャリアは、高いエネルギを
維持しつつSi基板1を通ってSi/SiO2界面に達
し、その界面の結合に損傷を与える。そして、この界面
における損傷はキャリアの再結合中心として働く。すな
わち、太陽光を吸収して発生した少数キャリアの電子が
Si/SiO2界面の再結合中心を介して多数キャリア
の正孔と再結合する確率が増大することになり、光電変
換によって生じてた少数キャリアを出力として太陽電池
セルの外部へ有効に取出すことが困難となる。すなわ
ち、背面パッシベーションの効果がホットキャリアによ
って損なわれることになる。
Claims (6)
- 【請求項1】 p型シリコン基板と、 前記p型基板内においてその第1の主面側に形成された
n型拡散層と、 前記p型基板内においてその第2の主面側でAlのイオ
ン注入によって形成された高ドーピング濃度のp+ 層と
を含むことを特徴とするシリコン太陽電池セル。 - 【請求項2】 p型シリコン基板と、 前記p型基板内においてその第1の主面側に形成された
n型拡散層と、 Si原子より原子半径が大きなIII族元素のイオン注
入によって前記p型基板内の第2の主面側で少なくとも
部分的に形成された高ドーピング濃度のp+ 層と、 前記第2主面上に形成されていて開口部を含む酸化膜
と、 前記酸化膜上に形成されていて前記開口部を介して前記
p+ 層と電気的に接続されている電極とを含むことを特
徴とするシリコン太陽電池セル。 - 【請求項3】 前記高ドーピング濃度のp+ 層は前記第
2主面の全域に形成されていることを特徴とする請求項
1または2に記載のシリコン太陽電池セル。 - 【請求項4】 前記III族元素はAlであることを特
徴とする請求項2に記載のシリコン太陽電池セル。 - 【請求項5】 p型シリコン基板内においてその第1の
主面側にn型拡散層を形成し、 前記p型基板の第2の主面を覆うように酸化膜を形成
し、 Si原子より大きな原子半径を有するIII族元素を前
記酸化膜を介してイオン注入することによって、前記p
型基板内において前記第2主面側に高ドーピング濃度の
p+ 層を形成し、 前記酸化膜に開口を形成し、 前記開口を介して前記p+ 層と電気的に接続された電極
を形成する工程を含むことを特徴とするシリコン太陽電
池セルの製造方法。 - 【請求項6】 前記III族元素はAlであることを特
徴とする請求項5に記載のシリコン太陽電池セルの製造
方法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8013891A JPH08330611A (ja) | 1995-03-30 | 1996-01-30 | シリコン太陽電池セルとその製造方法 |
| DE69619149T DE69619149T2 (de) | 1995-03-30 | 1996-03-29 | Solarzelle aus Silizium und Herstellungsverfahren |
| EP96105098A EP0735597B1 (en) | 1995-03-30 | 1996-03-29 | Silicon solar cell and fabrication method thereof |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7288095 | 1995-03-30 | ||
| JP7-72880 | 1995-03-30 | ||
| JP8013891A JPH08330611A (ja) | 1995-03-30 | 1996-01-30 | シリコン太陽電池セルとその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08330611A true JPH08330611A (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=26349750
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8013891A Pending JPH08330611A (ja) | 1995-03-30 | 1996-01-30 | シリコン太陽電池セルとその製造方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0735597B1 (ja) |
| JP (1) | JPH08330611A (ja) |
| DE (1) | DE69619149T2 (ja) |
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| US6815605B1 (en) | 1999-05-28 | 2004-11-09 | Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. | Silicon single crystal and wafer doped with gallium and method for producing them |
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| CN109560145A (zh) * | 2018-12-30 | 2019-04-02 | 无锡赛晶太阳能有限公司 | 一种太阳电池铝背场结构 |
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| DE102007012277A1 (de) * | 2007-03-08 | 2008-09-11 | Gebr. Schmid Gmbh & Co. | Verfahren zur Herstellung einer Solarzelle sowie damit hergestellte Solarzelle |
| KR100974226B1 (ko) * | 2007-03-23 | 2010-08-06 | 엘지전자 주식회사 | 유전체를 이용한 태양전지의 후면 반사막 및 패시베이션층형성 |
| US8241945B2 (en) * | 2010-02-08 | 2012-08-14 | Suniva, Inc. | Solar cells and methods of fabrication thereof |
| KR101871273B1 (ko) | 2012-05-11 | 2018-08-02 | 엘지전자 주식회사 | 태양 전지 및 이의 제조 방법 |
| CN102779903A (zh) * | 2012-08-13 | 2012-11-14 | 苏州盛康光伏科技有限公司 | 太阳能电池的制备方法 |
Family Cites Families (3)
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| US4395583A (en) * | 1980-04-30 | 1983-07-26 | Communications Satellite Corporation | Optimized back contact for solar cells |
| JPS5976419A (ja) * | 1982-10-26 | 1984-05-01 | Agency Of Ind Science & Technol | p型シリコン膜の製造方法 |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP8013891A patent/JPH08330611A/ja active Pending
- 1996-03-29 DE DE69619149T patent/DE69619149T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1996-03-29 EP EP96105098A patent/EP0735597B1/en not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
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| DE69619149D1 (de) | 2002-03-21 |
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