JPH0833620A - 生体内グルタミン酸の連続計測法 - Google Patents

生体内グルタミン酸の連続計測法

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JPH0833620A
JPH0833620A JP6172893A JP17289394A JPH0833620A JP H0833620 A JPH0833620 A JP H0833620A JP 6172893 A JP6172893 A JP 6172893A JP 17289394 A JP17289394 A JP 17289394A JP H0833620 A JPH0833620 A JP H0833620A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一方が塞がれた透析膜管11と、透析膜管11の
中を通る2本の細管12と、送液管に連結される太管13と
を備えるとともに、細管12と太管13とを接続する接続手
段を備えた透析膜プローブ1において、前記接続手段
は、間隙が生じないように細管12と太管13とを接続した
ことを特徴とする透析膜プローブ1。 【効果】 ノイズ(脈流)の発生を抑制し、高感度で安
定な連続計測を可能にならしめる透析膜プローブ及び連
結管が安価で容易に得られ、脳内や血中のグルタミン酸
測定、アミノ酸類、神経伝達物質、神経伝達修飾物質等
の細胞外に存在する物質の計測を行う実験生物学や、臨
床検査技術、あるいは無機又は有機化学の反応過程の研
究や、環境状態のモニター等種々の分野に適用すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計測対象物から経時的
に回収される物質を連続計測することのできる透析膜プ
ローブ及び連結管に関し、特にノイズがなく、安定かつ
高感度な分析を可能にせしめる連続計測用の透析膜プロ
ーブ及び連結管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の反応を利用して生体内
の物質を計測する方法が行われている。このような計測
法としては、例えば、微少透析法、バイオセンサー法、
ボルタメトリー法等がある。これらの計測法のうち、バ
イオセンサー法は、電気的な計測系に変換しなくてはな
らないため、計測物質が限定され、ボルタメトリー法
は、物質の酸化還元電位を直接計測するため、酸化還元
電位を有さない物質には応用できなく、従って汎用さの
点では、微少透析法が優れている。
【0003】これらの計測方法においては、通常は計測
対象物を一定時間回収し、回収した物質について分析す
るという方法が取られており、当該計測に使用するプロ
ーブや連結管も、そのような使用方法を前提として設計
されている。しかしながら、物質の計測をリアルタイム
で行うことができれば、上記方法では見出せなかった事
実を発見する可能性が高いことは容易に想像できる。そ
こで、このような連続計測を行うことが提案されたが
(Analytica Chimica Acta,205(1988)53-59 , Brain Re
search,475(1988)58-63 参照)、ノイズ(脈流)の発生
により、安定して感度の高い分析を行うことができなか
った。これは、前述したプローブや連結管が、連続計測
を考慮して設計されておらず、ノイズ源となる空気が溜
まり得る部分(空気滞留部)が存在するからである。
【0004】図4は、従来の透析プローブを示す断面図
である。この透析プローブ4は、管状の本体部41と、本
体部41の一端に設けられ、先端が塞がれた透析膜管42
と、透析膜管42及び本体部41の中を通る細管43aと、本
体部の途中まで達している細管43bと、細管の外径を大
きくするためにそれぞれの細管43a,43bに継がれたス
テンレス管44a,44bと、本体部41、ステンレス管44
a,44b及び細管43a,43bを保持する保持部材45とを
有する。
【0005】この透析プローブ4における細管43a(43
b)とステンレス管44a(44b)との接続部を、図5に
示す。接続部は、ステンレス管44a(44b)と、ステン
レス管44a(44b)に挿入された細管43a(43b)との
境界部分を表面上接着部材46aで固着してなり、細管43
a(43b)とステンレス管44a(44b)との間には間隙
(空気滞留部)Dが存在する。
【0006】このような空気滞留部Dは、細管43a(43
b)とステンレス管44a(44b)との接続部のみなら
ず、本体部41において透析膜管42を固定している接着部
材46bの後端部にも存在する。上記のように空気滞留部
を有する透析プローブでは、計測時に当該空気滞留部に
空気が溜まり、微少な水圧変化にも計測系が応答して流
速の変化が増強され、正確な分析ができない。また、空
気滞留部に溜まっていた空気自体が流れ出してノイズと
なることもある。
【0007】ノイズを抑制するために、流速を高めると
いう手段もあるが、高流速であるために引き起こされ
る、生体の冷却効果、透析膜での検体回収率低下という
新たな問題が発生し、汎用性、特異性、安定性を保持し
ながら高感度な分析を行うことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、計測
対象物質の回収率が高く、かつノイズ(脈流)の発生率
が低く、高感度で安定な分析を行うことができる安価で
汎用な透析膜プローブを提供することである。また、本
発明の別の課題は、ノイズの発生率が低く、高感度で安
定な分析を行うことができる連結管を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、細管と太管との間に間隙がない透
析膜プローブ又は連結管を作製し、これらを用いて計測
すれば、ノイズの発生率が低く、高感度で安定な分析を
行うことができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、一方が塞がれた透析
膜管と、前記透析膜管の中を通る2本の細管と、送液管
に連結される太管とを備えるとともに、前記細管と前記
太管とを接続する接続手段を備えた透析膜プローブであ
って、前記接続手段は、間隙が生じないように前記細管
と前記太管とを接続したことを特徴とする透析膜プロー
ブである。
【0011】また、本発明は、少なくとも2以上の整数
であるn本の送液管を流れる液体の流れを、1本の送液
管を流れる液体の流れに、又は1本の送液管を流れる液
体の流れを、少なくとも2以上の整数であるn本の送液
管を流れる液体の流れに変換する連結管であって、n本
の細管と、前記n本の細管のそれぞれに接続されたn本
の太管と、前記n本の細管の束に接続された太管とを有
し、前記n本の細管と前記(n+1)本の太管とは、間
隙がない状態で接続されていることを特徴とする連結管
である。
【0012】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。 〔1〕透析膜プローブ 図1は、本発明の透析膜プローブの一例を示す概略図で
ある。本発明の透析膜プローブ1は、封着材14bによっ
て一方が塞がれた透析膜管11と、透析膜管11の中を通る
2本の細管12と、送液管に連結できるようにそれぞれの
細管12に外嵌された太管13とを有する。それぞれの細管
12と太管13との間には封着材14aが充填され、間隙がな
い。このように、細管12と太管13との間の間隙をなくし
たことにより、空気が溜まり得る部分(空気滞留部)が
全くなくなっている。
【0013】また、本実施例では、透析膜管11の開口部
が封着材14bによって、透析膜管11側の太管13の端部及
び透析膜管11と太管13との間における細管12が封着材14
cによって封着されており、2本の細管12のうち、一方
の細管12aは、透析膜管11のほぼ先端まで達しており、
他方の細管12bは、透析膜管11の途中まで達している。
【0014】なお、本発明において「封着」とは、樹脂
等によって、隙間のないように各々の部材を接着・固定
することをいう。従って、透析膜管11における上端部〜
細管12bのほぼ下端部分まで(図中A)も、封着材14c
によって充填されている。本発明の透析膜プローブ1に
おける透析膜管11の太さ及び長さは、対象物によって幅
広く変化するが、通常太さは0.1〜0.5mm程度であるのが
好ましく、長さは2〜10mm程度であるのが好ましい。
【0015】また、透析膜管11を形成する透析膜の材質
は、通常使用されるものであればいかなるものを用いて
もよく、例えば、セルロース系膜、各種濾過膜(ポリス
ルホン、ポリカーボネート等)、焼結フィルター等を用
いることができる。また、透析膜の厚さ及び孔の大きさ
は、計測対象物の種類によって適宜設定すればよく、通
常厚さは、5〜20μm程度であり、孔の大きさ(直径)
は0.1〜20μm程度である。
【0016】透析膜管11の先端を塞ぐ封着材14bは、い
かなるものからなってもよく、例えば、エポキシ樹脂等
の接着剤、テフロン等の合成樹脂等を用いることができ
る。本発明における細管12aの下端部は、図1では透析
膜管11のほぼ先端まで達しているが、他方の細管12bと
の距離をある程度保持して、灌流液に計測対象物を十分
溶出させることができれば、下端部の位置は特に限定さ
れない。
【0017】同様に、上記細管12aとの距離をある程度
保持して、灌流液に計測対象物を十分溶出させることが
できれば、もう一方の細管12bの下端部の位置は特に限
定されないが、気泡の滞留を回避するために、封着材14
cの下端部に合わせるのが好ましい。細管12a,12b
は、配管を容易にするために、透析膜管11の上方におい
て相反する方向へ曲がって、全体としてY字状になって
いるのが好ましい。
【0018】細管12の太さ(内径)は、一般的に0.05〜
0.2mm程度である。また、細管12の材質は、通常使用さ
れるものであればいかなるものを用いてもよく、例え
ば、テフロン、塩化ビニル、ポリイミド樹脂コーティン
グ石英管(P.F.S.)、フューズドシリカ等を用いること
ができる。太管13の上端面は、図1においては、細管12
の上端面と同一平面上にあるが、細管12と太管13との間
に間隙がなく、空気滞留部ができなければ、太管13のみ
が上方に突出していてもよい。通常使用される送液管を
連結させやすいように、太管13の太さ(外径)は、0.2
〜0.8mm程度であるのが好ましく、封着材14aの外側に
出ている太管13の長さは、3〜10mm程度であるのが好ま
しい。
【0019】太管13の材質は、送液管とジョイントでき
れば特に限定されないが、耐久性、密着性等を考慮して
ステンレス、テフロン等の合成樹脂等を用いるのが好ま
しい。封着材14cが透析膜管11を封着する長さAは、透
析膜管11と細管12とを十分固定できれば特に限定されな
く、0.5〜5mm程度が好ましい。封着材14cの材質は、
隙間のないように各々の部材を接着・固定することがで
きれば、いかなるものを用いてもよく、例えば、エポキ
シ樹脂、デンタルセメント、各種接着剤等を用いること
ができ、また、それらを併用することもできる。
【0020】本実施例の透析膜プローブ1では、太管13
と細管12との間隙を埋めるために封着材14aを使用して
いるが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、
細管の外径と同一の内径を有する太管を用いれば、封着
材を使用する必要はない。また、本実施例の透析膜プロ
ーブ1では、透析膜管11の開口部、透析膜管11側の太管
13の端部及び透析膜管11と太管13との間における細管12
を、封着材14cにより後から封着しているが、本発明は
これに限定されることなく、例えば、透析膜管以外の部
材を一体的に同時に成形し、これと透析膜管とを接着し
てもよい。
【0021】本発明の透析膜プローブ1を例えば生体に
使用するには、まずそれぞれ太管13に送液管を連結
し、透析膜部(透析膜管の先端部〜封着材の下端部分ま
で;図中B)を生体に刺入する。次いで、一方の送液管
から細管12aに灌流液を流入させ、透析膜管11の中を
灌流液で満たす。この灌流液中に、透析膜を通って計測
対象物が溶出し、当該灌流液とともにもう一方の細管12
bから流出する。
【0022】このとき、上記のような構造を有する本発
明の透析膜プローブには、空気が溜まり得る部分(空気
滞留部)が全くないため、当該透析膜プローブを使用す
れば、空気滞留部に起因するノイズの発生率が非常に低
く、高感度で安定な連続計測を行うことができる。ま
た、本発明の透析膜プローブは、構造が単純なため、安
価で容易に製造することができる。さらには、灌流液及
び計測対象物は、不活性化された空間を通過し、金属等
と接触することがないため、それら自身の変性のおそれ
がない。
【0023】本発明の透析膜プローブを用いることによ
り、上記のように生体中の化学物質の連続計測をするこ
とができる。例えば、脳内のグルタミン酸測定、その他
各種のアミノ酸、神経伝達物質、神経伝達修飾物質、糖
代謝関連物質等の細胞外へ漏出される物質の計測を行う
ことができる。また、生体を対象とした実験生物学や、
臨床検査技術に限定されることなく、無機又は有機化学
の反応過程の研究や、環境状態のモニター等種々の分野
に適用することができる。 〔2〕連結管 本発明の連結管は、複数の送液管を流れる液体の流れ
を、1本の送液管を流れる液体の流れに、又は1本の送
液管を流れる液体の流れを、複数の送液管を流れる液体
の流れに変換するための連結管であるが、説明の簡単の
ために、2本の流れの場合を例にとって以下説明する。
【0024】図2は、本発明の連結管の一例を示す概略
図である。本発明の連結管2は、2本の細管21a,21b
と、2本の細管21a,21bが枝分かれしている方におい
て、細管21aに外嵌された太管22a及び細管21bに外嵌
された太管22bと、2本の細管21a,21bが束状になっ
ている方において、2本の細管21a,21bの束に外嵌さ
れた太管22cとを有し、細管21aと太管22a、細管21b
と太管22b、及び細管21a,21bと太管22cとの間には
封着材23aが充填され、間隙がない。
【0025】このように、それぞれの細管と太管との間
の間隙をなくしたことにより、空気が溜まり得る部分
(空気滞留部)が全くなくなり、従って、空気滞留部に
起因するノイズの発生率が非常に低く、高感度で安定な
連続計測を行うことができる。本実施例の連結管では、
それぞれの太管22a,22b,22cの端部同士を連結する
細管21a,21bと、太管22a,22b,22cの端部とが封
着材23bによって封着されており、それぞれの細管及び
太管が固定されている。
【0026】細管21a,21bの太さ(内径)は、一般的
に0.05〜0.2 mm程度であるのが好ましい。また、細管21
a,21bの材質は、通常使用されるものであればいかな
るものを用いてもよく、例えば、テフロン、塩化ビニ
ル、フューズドシリカ、P.F.S.等を用いることができ
る。太管22a,22b,22cの端面は、図2においては、
細管21a,21bの端面と同一平面上にあるが、細管と太
管との間に間隙がなく、空気滞留部ができなければ、太
管のみが突出していてもよい。通常使用される送液管を
連結させやすいように、太管の太さ(外径)は、0.2〜
0.8mm程度であるのが好ましく、封着材の外側に出てい
る太管の長さは、3〜10mm程度であるのが好ましい。
【0027】太管22a,22b,22cの材質は、送液管と
連結できれば特に限定されないが、耐久性、密着性等を
考慮してステンレス、テフロン等の合成樹脂等を用いる
のが好ましい。封着材23a,23bの材質は、各々の部材
を接着・固定することができれば、いかなるものを用い
てもよく、例えば、エポキシ樹脂、デンタルセメント、
各種接着剤等を用いることができ、また、それらを併用
することもできる。
【0028】本実施例の連結管2では、太管と細管との
間隙を埋めるために封着材23aを使用しているが、本発
明はこれに限定されることなく、例えば、細管の外径と
同一の内径を有する太管を用いれば、封着材を使用する
必要はない。また、本実施例の連結管では、太管と太管
の間における細管とを、封着材によっで後から封着して
いるが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、
太管と細管とを一体的に同時に成形してもよい。 〔3〕透析膜プローブ及び連結管を使用した実験方法 本発明の透析膜プローブ及び連結管を使用した実験方法
の一例を以下説明する。図3は、脳内微少透析法によっ
てラットの脳内におけるグルタミン酸量を連続計測する
方法を示す概略図である。
【0029】本実験方法では、リンガー溶液及び酵素溶
液を流出させるシリンジポンプ31と、シリンジポンプ31
に設置され、一定速度でリンガー溶液及び酵素溶液を流
出させる注入器32a,32bと、注入器32aに接続され、
リンガー溶液が中を流れる送液管33aと、注入器32bに
接続され、酵素溶液が中を流れる送液管33bと、送液管
33aの途中に設けられたループインジェクター34と、ラ
ットに刺入される透析膜プローブ1と、透析膜プローブ
1との間でリンガー溶液を往復させるデュアルシーベル
35と、デュアルシーベル35からの送液管33a及び注入器
32bからの送液管33bを1本の管にまとめる連結管2
と、連結管2によってまとめられた送液管33cと、送液
管33cの先に接続されたフローセル付蛍光検出器36とを
用いる。
【0030】具体的には、まず脳地図を参照して透析膜
プローブ1をラットの内側前頭葉皮質に刺入して固定す
る。術後回復約1日後、ラットの自由行動下、注入器32
aから透析膜プローブ1にリンガー液を灌流させる。通
常使用するリンガー液は、(日本)薬局法に準ずるもの
であるが、他の生物系の緩衝液でもよく、流速は0.5〜
2.5μl /分程度が好ましい。
【0031】リンガー液は、ループインジェクター34を
通り、デュアルシーベル35を介して透析膜プローブ1に
達する。このループインジェクター34を用いることによ
り、ノイズ源となる圧変化を減少させることができる。
透析膜を通って溶出したグルタミン酸は、リンガー液と
ともに透析膜プローブ1から流出し、デュアルシーベル
35を介して連結管2へ向かう。一方、これと同時に注入
器32bから酵素溶液を連結管2に流し込み、グルタミン
酸を含有するリンガー液と合流させ、一定時間反応させ
る。ここで使用する酵素は、グルタミン酸脱水素酵素で
あり、他に、グルタミン酸酸化酵素を用いることも可能
である。酵素溶液の流速は、リンガー液の流速と同様の
速さとすればよく、0.5〜2.5μl/分程度が好ましい。
【0032】グルタミン酸と酵素との反応は送液管33c
中で行い、反応時間は、1〜5分程度が好ましい。この
グルタミン酸脱水素反応により、蛍光物質である還元型
β・ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
H)が生成されるため、このNADHの量をフローセル
付蛍光検出器36を用いて連続的に計測することにより、
脳内のグルタミン酸量を測定・分析することができる。
蛍光検出器36における励起波長は、340nm前後が好まし
く、計測波長は、450〜460nm程度が好ましい。また、フ
ローセルの容量は、5μl 以下が好ましい。
【0033】以上の実験方法において、本発明の透析膜
プローブ及び連結管を使用することにより、ノイズ(脈
流)の発生を防止し、送液(リンガー液,酵素溶液)の
流速を一定に保つことができるため、灌流液の流速の変
化による計測対象物の回収率の変化を抑制するととも
に、反応溶液(計測対象物含有灌流液・酵素溶液)の流
速の変化による各液の混合比の変化を抑制することがで
き、連続計測において信頼性の高い分析を行うことがで
きる。また、ノイズ(脈流)の発生がほとんどないた
め、流速を高める必要がなく、従って感度が高く、特異
性に優れた分析を行うことができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、これらの実施例は本発明の範囲を何等限定す
るものではない。 (実施例1)本実施例では、図1に示すような透析膜プ
ローブを作製した。
【0035】全長7mm、外径0.23mmの再生セルロースか
らなる透析膜管(アサヒ化成社製、分子量カット:5
万)の一端を、エポキシ系接着剤(セメダイン社製、ハ
イスーパー5)により塞いだ。透析膜管の他端から内径
0.1 mm、全長20mm及び17mmのフューズドシリカからなる
2本の細管(エイコム社製)を挿入し、図1に示すAの
部分を、上記エポキシ系接着剤からなる封着材により封
着した。Aの長さは4mmであった。
【0036】透析膜管から出ている2本の細管を、それ
ぞれ全長10mm、外径0.55mmのステンレス管(テルモ社
製)に通し、両者の間を上記エポキシ系接着剤により充
填し、はみ出した部分を切り取った。2本の細管及び透
析膜管を、Y字型になるように、上記エポキシ系接着剤
からなる封着材により封着し、その上からデンタルセメ
ント(GC歯科社製、ユニファスト)により固定した。
封着材から出ているステンレス管の長さは、いずれも約
5mmであった。
【0037】(実施例2)本実施例では、図2に示すよ
うな連結管を作製した。内径0.1mm、全長25mmのフュー
ズドシリカからなる2本の細管(エイコム社製)を、全
長10mm、外径0.55mmのステンレス管(テルモ社製)に通
し、細管とステンレス管との間をエポキシ系接着剤(セ
メダイン社製、ハイスーパー5)により充填し、はみ出
した部分を切り取った。
【0038】同様に、ステンレス管から出ている2本の
細管を、それぞれ全長10mm、外径0.55mmのステンレス管
に通し、両者の間を上記エポキシ系接着剤により充填
し、はみ出した部分を切り取った。以上の細管及びステ
ンレス管を、Y字型になるように、上記エポキシ系接着
剤からなる封着材により封着し、その上からデンタルセ
メント(GC歯科社製、ユニファスト)により固定し
た。封着材から出ているステンレス管の長さは、いずれ
も約5mmであった。
【0039】(実験例1)本実験例は、図3に示すよう
な構成で行った。実際に実験を始める前に、以下のよう
にして本測定系の検量線を作成した。実施例1で得られ
た透析膜プローブの透析膜管部分を、所定の濃度のグル
タミン酸溶液中に設置し、高速液体クロマトグラフィー
用の注入器(レオダイン社製、モデルNo.9125 )から透
析膜プローブにリンガー液(大塚薬品社製、リンゲル
液)を2.5μl /分の流速で灌流させた。なお、シリン
ジポンプとしては、B.A.S社製のCMA102マイクロイ
ンジェクションポンプ、送液管としては、エイコム社製
のテフロンチューブ(内径0.1mm)、デュアルシーベル
としては、インステック社製の375/D/22QEを使用した。
【0040】一方、グルタミン酸脱水素酵素溶液(ベー
リンガーマンハイム社製、127086)を2.5μl /分の流
速で送液し、上記リンガー液(グルタミン酸含有)と合
流させて3分間反応させ、5μl フローセル付蛍光検出
器(日本分光社製、821FP )を通過させた。このとき、
励起波長は340nmとし、計測波長は450nmとして行った。
【0041】溶液中のグルタミン酸の含有量を、1μM
、2μM 、3μM 、4μM 、5μM、3μM 、3μM 、
3μM 、3μM 及び3μM と経時的に10回変化させ、蛍
光検出器で検出した電圧を、蛍光検出器に連結したレコ
ーダによりプリントアウトした。結果を図6に示す。図
6のグラフから明らかなように、3μM グルタミン酸に
ついての測定を複数回行っても、ほとんど同様の結果が
出ており、従って本測定系は非常に精度が高いというこ
とができる。図6のグラフから作成される検量線を、図
7に示す。
【0042】(実験例2)透析膜プローブを、ラットの
内側前頭葉皮質に刺入して頭蓋部と連結固定した。術後
回復1日後、ラットの自由行動下、リンガー液を2.5μl
/分の流速で灌流させるとともに、グルタミン酸脱水
素酵素溶液を2.5μl /分の流速で上記リンガー液(脳
内からのグルタミン酸含有)と合流させて3分間反応さ
せた。
【0043】計測開始60分後に、ラットに興奮剤の1種
であるベラトリジン(VER)(シグマ社製)を12.5μ
l 注射し、計測開始80分後に、神経伝達効率を変化させ
る試薬であるソディウムニトロプルシッド(SNP)
(和光社製)及びVER12.5μl を注射し、計測開始10
0分後に、再度VERのみ12.5μl を注射した。ラット
の脳内で分泌されたグルタミン酸量の経時変化を図8に
示す。
【0044】(実験例3)実験例2において、2回目の
注射物をSNP12.5μl のみとする以外、同様にして連
続計測を行った。結果を図8に示す。 (実験例4)実験例2において、2回目の注射物を、煮
沸したSNP及びVER12.5μl とする以外、同様にし
て連続計測を行った。結果を図8に示す。
【0045】図8のグラフから明らかなように、本発明
の透析膜プローブ及び連結管を用いた連続計測系では、
ノイズ(脈流)の発生がなく、高感度で安定な分析を行
うことができた。 (実験例5)実験例2と同様にして連続計測を行い、電
圧の経時変化を測定した。時間と検出した電圧との関係
を示すグラフを図9に示す。
【0046】(比較例1)実験例5において、図4に示
す従来の透析プローブを使用する以外、同様にして連続
計測を行った。時間と検出した電圧との関係を示すグラ
フを図10に示す。図9及び図10のグラフから明らかなよ
うに、従来の透析プローブを使用するとノイズ(脈流)
が発生し、正確な測定ができないのに対し、本発明の透
析膜プローブを使用すると、ノイズがほとんどなく、高
感度で安定な分析を行うことができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ノイズ(脈流)の発生
を抑制し、高感度で安定な連続計測を可能にならしめる
透析膜プローブ及び連結管が安価で容易に得られる。本
発明の透析膜プローブ及び連結管は、脳内や血中のグル
タミン酸測定、アミノ酸類、神経伝達物質、神経伝達修
飾物質等の細胞外に存在する物質の計測を行う実験生物
学や、臨床検査技術、あるいは無機又は有機化学の反応
過程の研究や、環境状態のモニター等種々の分野に適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透析膜プローブを示す概略図であ
る。
【図2】 本発明の連結管を示す概略図である。
【図3】 本発明の透析膜プローブ及び連結管を用いた
連続計測系を示す概略図である。
【図4】 従来の透析プローブを示す断面図である。
【図5】 従来の透析プローブにおける細管とステンレ
ス管との接続部分を示す概略図である。
【図6】 実験例1におけるグルタミン酸量と検出電圧
(経時変化)との関係を示すグラフである。
【図7】 実験例1におけるグルタミン酸量と検出電圧
との関係を示す検量線である。
【図8】 実験例2〜4におけるグルタミン酸量の経時
変化を示すグラフである。
【図9】 実験例5における検出電圧の経時変化を示す
グラフである。
【図10】 比較例1における検出電圧の経時変化を示す
グラフである。
【符号の説明】
1・・・透析膜プローブ 11,42・・・透析膜管 12,12a,12b,21a,21b,43a,43b・・・細管 13,22a,22b,22c・・・太管 14a,14b,14c,23a,23b,23c・・・封着材 2・・・連結管 31・・・シリンジポンプ 32a,32b・・・注入器 33a,33b,33c・・・送液管 34・・・ループインジェクター 35・・・デュアルシーベル 36・・・蛍光検出器 4・・・透析プローブ 41・・・本体部 44a,44b・・・ステンレス管 45・・・保持部材 46a,46b・・・接着部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 生体内グルタミン酸の連続計測法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内のグルタミン酸
を連続計測する方法に関し、特にノイズがなく、安定か
つ高感度な分折が可能な生体内グルタミン酸の連続計測
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の反応を利用して生体内
の物質を計測する方法が行われている。このような計測
法としては、例えば、微少透析法、バイオセンサー法、
ボルタメトリー法等がある。これらの計測法のうち、バ
イオセンサー法は、電気的な計測系に変換しなくてはな
らないため、計測物質が限定され、ボルタメトリー法
は、物質の酸化還元電位を直接計測するため、酸化還元
電位を有さない物質には応用できなく、従って汎用さの
点では、微少透析法が優れている。
【0003】これらの計測方法においては、通常は計測
対象物を一定時間回収し、回収した物質について分析す
るという方法が取られており、当該計測に使用するプロ
ーブや連結管も、そのような使用方法を前提として設計
されている。しかしながら、物質の計測をリアルタイム
で行うことができれば、上記方法では見出せなかった事
実を発見する可能性が高いことは容易に想像できる。そ
こで、このような連続計測を行うことが提案されたが
(Analytica Chimica Acta,2
05(1988)53−59,Brain Resea
rch,475(1988)58−63参照)、ノイズ
(脈流)の発生により、安定して感度の高い分析を行う
ことができなかった。これは、前述したプローブや連結
管が、連続計測を考慮して設計されておらず、ノイズ源
となる空気が溜まり得る部分(空気滞留部)が存在する
からである。
【0004】図4は、従来の透析プローブを示す断面図
である。この透析プローブ4は、管状の本体部41と、
本体部41の一端に設けられ、先端が塞がれた透析膜管
42と、透析膜管42及び本体部41の中を通る細管4
3aと、本体部の途中まで達している細管43bと、細
管の外径を大きくするためにそれぞれの細管43a,4
3bに継がれたステンレス管44a,44bと、本体部
41、ステンレス管44a,44b及び細管43a,4
3bを保持する保持部材45とを有する。
【0005】この透析プローブ4における細管43a
(43b)とステンレス管44a(44b)との接続部
を、図5に示す。接続部は、ステンレス管44a(44
b)と、ステンレス管44a(44b)に挿入された細
管43a(43b)との境界部分を表面上接着部材46
aで固着してなり、細管43a(43b)とステンレス
管44a(44b)との間には間隙(空気滞留部)Dが
存在する。
【0006】このような空気滞留部Dは、細管43a
(43b)とステンレス管44a(44b)との接続部
のみならず、本体部41において透析膜管42を固定し
ている接着部材46bの後端部にも存在する。上記のよ
うに空気滞留部を有する透析プローブでは、計測時に当
該空気滞留部に空気が溜まり、微少な水圧変化にも計測
系が応答して流速の変化が増強され、正確な分析ができ
ない。また、空気滞留部に溜まっていた空気自体が流れ
出してノイズとなることもある。
【0007】ノイズを抑制するために、流速を高めると
いう手段もあるが、高流速であるために引き起こされ
る、生体の冷却効果、透析膜での検体回収率低下という
新たな問題が発生し、汎用性、特異性、安定性を保持し
ながら高感度な分析を行うことができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ノイ
ズ(脈流)の発生率が低く、高感度で安定な分析を行う
ことのできる生体内グルタミン酸の連続計測法を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、細管と太管との間に間隙がない透
析膜プローブ及び連結管を作製し、これらを用いて計測
すれば、ノイズの発生率が低く、高感度で安定な生体内
グルタミン酸の分析を行うことができることを見出し、
本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、リンガー溶液及び酵
素溶液を流出させる装置と、前記装置に設置され、一定
速度でリンガー溶液及び酵素溶液を流出させる第1の注
入器及び第2の注入器と、生体に刺入される透析膜プロ
ーブと、前記第1の注入器及び前記透析膜プローブに接
続され、リンガー溶液が中を流れる第1の送液管と、前
記第2の注入器に接続され、酵素溶液が中を流れる第2
の送液管と、前記透析膜プローブを通じて生体内から得
られたグルタミン酸を含むリンガー液が中を流れる第3
の送液管と、前記第2の送液管及び前記第3の送液管を
1本の管にまとめる連結管と、前記連結管によってまと
められた第4の送液管と、前記第4の送液管の先に接続
された検出器とを用いて生体内のグルタミン酸を連続的
に計測する方法において、前記透析膜プローブが、一方
が塞がれた透析膜管と、前記透析膜管の中を通る2本の
細管と、送液管に連結される太管とを備え、前記細管と
前記太管とが間隙の生じないように接続されている透析
膜プローブであり、前記連結管が、2本の細管と、前記
2本の細管のそれぞれに接続された2本の太管と、前記
2本の細管の束に接続された太管とを有し、前記2本の
細管と前記3本の太管とが、間隙がない状態で接続され
ている連結管であることを特徴とする、生体内グルタミ
ン酸の連続計測法である。
【0011】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。 〔1〕透析膜プローブ 図1は、本発明で使用することのできる透析膜プローブ
の一例を示す概略図である。本発明における透析膜プロ
ーブ1は、封着材14bによって一方が塞がれた透析膜
管11と、透析膜管11の中を通る2本の細管12と、
送液管に連結できるようにそれぞれの細管12に外嵌さ
れた太管13とを有する。それぞれの細管12と太管1
3との間には封着材14aが充填され、間隙がない。こ
のように、細管12と太管13との間の間隙をなくした
ことにより、空気が溜まり得る部分(空気滞留部)が全
くなくなっている。
【0012】また、本実施例では、透析膜管11の開口
部が封着材14bによって、透析膜管11側の太管13
の端部及び透析膜管11と太管13との間における細管
12が封着材14cによって封着されており、2本の細
管12のうち、一方の細管12aは、透析膜管11のほ
ぼ先端まで達しており、他方の細管12bは、透析膜管
11の途中まで達している。
【0013】なお、本発明において「封着」とは、樹脂
等によって、隙間のないように各々の部材を接着・固定
することをいう。従って、透析膜管11における上端部
〜細管12bのほぼ下端部分まで(図中A)も、封着材
14cによって充填されている。本発明で使用する透析
膜プローブ1における透析膜管11の太さ及び長さは、
対象物によって幅広く変化するが、通常太さは0.1〜
0.5mm程度であるのが好ましく、長さは2〜10m
m程度であるのが好ましい。
【0014】また、透析膜管11を形成する透析膜の材
質は、通常使用されるものであればいかなるものを用い
てもよく、例えば、セルロース系膜、各種濾過膜(ポリ
スルホン、ポリカーボネート等)、焼結フィルター等を
用いることができる。また、透析膜の厚さ及び孔の大き
さは、計測対象物の種類によって適宜設定すればよく、
通常厚さは、5〜20μm程度であり、孔の大きさ(直
径)は0.1〜20μm程度である。
【0015】透析膜管11の先端を塞ぐ封着材14b
は、いかなるものからなってもよく、例えば、エポキシ
樹脂等の接着剤、テフロン等の合成樹脂等を用いること
ができる。本発明における細管12aの下端部は、図1
では透析膜管11のほぼ先端まで達しているが、他方の
細管12bとの距離をある程度保持して、灌流液に計測
対象物を十分溶出させることができれば、下端部の位置
は特に限定されない。
【0016】同様に、上記細管12aとの距離をある程
度保持して、灌流液に計測対象物を十分溶出させること
ができれば、もう一方の細管12bの下端部の位置は特
に限定されないが、気泡の滞留を回避するために、封着
材14cの下端部に合わせるのが好ましい。細管12
a,12bは、配管を容易にするために、透析膜管11
の上方において相反する方向へ曲がって、全体としてY
字状になっているのが好ましい。
【0017】細管12の太さ(内径)は、一般的に0.
05〜0.2mm程度である。また、細管12の材質
は、通常使用されるものであればいかなるものを用いて
もよく、例えば、テフロン、塩化ビニル、ポリイミド樹
脂コーティング石英管(P.F.S.)、フューズドシ
リカ等を用いることができる。太管13の上端面は、図
1においては、細管12の上端面と同一平面上にある
が、細管12と太管13との間に間隙がなく、空気滞留
部ができなければ、太管13のみが上方に突出していて
もよい。通常使用される送液管を連結させやすいよう
に、太管13の太さ(外径)は、0.2〜0.8mm程
度であるのが好ましく、封着材14aの外側に出ている
太管13の長さは、3〜10mm程度であるのが好まし
い。
【0018】太管13の材質は、送液管とジョイントで
きれば特に限定されないが、耐久性、密着性等を考慮し
てステンレス、テフロン等の合成樹脂等を用いるのが好
ましい。封着材14cが透析膜管11を封着する長さA
は、透析膜管11と細管12とを十分固定できれば特に
限定されなく、0.5〜5mm程度が好ましい。封着材
14cの材質は、隙間のないように各々の部材を接着・
固定することができれば、いかなるものを用いてもよ
く、例えば、エポキシ樹脂、デンタルセメント、各種接
着剤等を用いることができ、また、それらを併用するこ
ともできる。
【0019】本実施例の透析膜プローブ1では、太管1
3と細管12との間隙を埋めるために封着材14aを使
用しているが、本発明はこれに限定されることなく、例
えば、細管の外径と同一の内径を有する太管を用いれ
ば、封着材を使用する必要はない。また、本実施例の透
析膜プローブ1では、透析膜管11の開口部、透析膜管
11側の太管13の端部及び透析膜管11と太管13と
の間における細管12を、封着材14cにより後から封
着しているが、本発明はこれに限定されることなく、例
えば、透析膜管以外の部材を一体的に同時に成形し、こ
れと透析膜管とを接着してもよい。
【0020】上記透析膜プローブ1を生体に使用するに
は、まずそれぞれ太管13に送液管を連結し、透析膜部
(透析膜管の先端部〜封着材の下端部分まで;図中B)
を生体に刺入する。次いで、一方の送液管から細管12
aに灌流液を流入させ、透析膜管11の中を灌流液で満
たす。この灌流液中に、透析膜を通って計測対象物が溶
出し、当該灌流液とともにもう一方の細管12bから流
出する。
【0021】このとき、上記のような構造を有する透析
膜プローブには、空気が溜まり得る部分(空気滞留部)
が全くないため、当該透析膜プローブを使用すれば、空
気滞留部に起因するノイズの発生率が非常に低く、高感
度で安定な連続計測を行うことができる。また、本発明
で使用する透析膜プローブは、構造が単純なため、安価
で容易に製造することができる。さらには、灌流液及び
計測対象物は、不活性化された空間を通過し、金属等と
接触することがないため、それら自身の変性のおそれが
ない。
【0022】以上説明した透析膜プローブを用いること
により、生体内グルタミン酸の連続計測を高感度で安定
に行うことができる。また、グルタミン酸のみならず、
その他各種のアミノ酸、神経伝達物質、神経伝達修飾物
質、糖代謝関連物質等の細胞外へ漏出される物質の計測
を行うことができ、さらには、生体を対象とした実験生
物学や、臨床検査技術に限定されることなく、無機又は
有機化学の反応過程の研究や、環境状態のモニター等種
々の分野に適用することができる。
【0023】〔2〕連結管 本発明で使用する連結管は、透析膜プローブ1を通じて
生体内から得られたグルタミン酸を含むリンガー液が中
を流れる送液管と、酵素溶液が中を流れる送液管を1本
の管にまとめるものである。
【0024】図2は、本発明で使用することのできる連
結管の一例を示す概略図である。本発明における連結管
2は、2本の細管21a,21bと、2本の細管21
a,21bが枝分かれしている方において、細管21a
に外嵌された太管22a及び細管21bに外嵌された太
管22bと、2本の細管21a,21bが束状になって
いる方において、2本の細管21a,21bの束に外嵌
された太管22cとを有し、細管21aと太管22a、
細管21bと太管22b、及び細管21a,21bと太
管22cとの間には封着材23aが充填され、間隙がな
い。
【0025】このように、それぞれの細管と太管との間
の間隙をなくしたことにより、空気が溜まり得る部分
(空気滞留部)が全くなくなり、従って、空気滞留部に
起因するノイズの発生率が非常に低く、高感度で安定な
連続計測を行うことができる。本実施例の連結管では、
それぞれの太管22a,22b,22cの端部同士を連
結する細管21a,21bと、太管22a,22b,2
2cの端部とが封着材23bによって封着されており、
それぞれの細管及び太管が固定されている。
【0026】細管21a,21bの太さ(内径)は、一
般的に0.05〜0.2mm程度であるのが好ましい。
また、細管21a,21bの材質は、通常使用されるも
のであればいかなるものを用いてもよく、例えば、テフ
ロン、塩化ビニル、フューズドシリカ、P.F.S.等
を用いることができる。
【0027】太管22a,22b,22cの端面は、図
2においては、細管21a,21bの端面と同一平面上
にあるが、細管と太管との間に間隙がなく、空気滞留部
ができなければ、太管のみが突出していてもよい。通常
使用される送液管を連結させやすいように、太管の太さ
(外径)は、0.2〜0.8mm程度であるのが好まし
く、封着材の外側に出ている太管の長さは、3〜10m
m程度であるのが好ましい。
【0028】太管22a,22b,22cの材質は、送
液管と連結できれば特に限定されないが、耐久性、密着
性等を考慮してステンレス、テフロン等の合成樹脂等を
用いるのが好ましい。封着材23a,23bの材質は、
各々の部材を接着・固定することができれば、いかなる
ものを用いてもよく、例えば、エポキシ樹脂、デンタル
セメント、各種接着剤等を用いることができ、また、そ
れらを併用することもできる。
【0029】本実施例の連結管2では、太管と細管との
間隙を埋めるために封着材23aを使用しているが、本
発明はこれに限定されることなく、例えば、細管の外径
と同一の内径を有する太管を用いれば、封着材を使用す
る必要はない。また、本実施例の連結管では、太管と太
管の間における細管とを、封着材によっで後から封着し
ているが、本発明はこれに限定されることなく、例え
ば、太管と細管とを一体的に同時に成形してもよい。
【0030】以上説明した連結管を用いることにより、
生体内グルタミン酸の連続計測を高感度で安定に行うこ
とができる。また、グルタミン酸のみならず、その他各
種のアミノ酸、神経伝達物質、神経伝達修飾物質、糖代
謝関連物質等の細胞外へ漏出される物質の計測を行うこ
とができ、さらには、生体を対象とした実験生物学や、
臨床検査技術に限定されることなく、無機又は有機化学
の反応過程の研究や、環境状態のモニター等種々の分野
に適用することができる。
【0031】〔3〕生体内グルタミン酸の連続計測法 本発明の生体内グルタミン酸の連続計測法の一例を以下
説明する。図3は、脳内微少透析法によってラットの脳
内におけるグルタミン酸量を連続計測する方法を示す概
略図である。
【0032】本実験方法では、リンガー溶液及び酵素溶
液を流出させるシリンジポンプ31と、シリンジポンプ
31に設置され、一定速度でリンガー溶液及び酵素溶液
を流出させる注入器32a,32bと、注入器32aに
接続され、リンガー溶液が中を流れる送液管33aと、
注入器32bに接続され、酵素溶液が中を流れる送液管
33bと、送液管33aの途中に設けられたループイン
ジェクター34と、ラットに刺入される透析膜プローブ
1と、透析膜プローブ1との間でリンガー溶液を往復さ
せるデュアルシーベル35と、デュアルシーベル35か
らの送液管33a及び注入器32bからの送液管33b
を1本の管にまとめる連結管2と、連結管2によってま
とめられた送液管33cと、送液管33cの先に接続さ
れたフローセル付蛍光検出器36とを用いる。
【0033】具体的には、まず脳地図を参照して透析膜
プローブ1をラットの内側前頭葉皮質に刺入して固定す
る。術後回復約1日後、ラットの自由行動下、注入器3
2aから透析膜プローブ1にリンガー液を灌流させる。
通常使用するリンガー液は、(日本)薬局法に準ずるも
のであるが、他の生物系の緩衝液でもよく、流速は0.
5〜2.5μl/分程度が好ましい。
【0034】リンガー液は、ループインジェクター34
を通り、デュアルシーベル35を介して透析膜プローブ
1に達する。このループインジェクター34を用いるこ
とにより、ノイズ源となる圧変化を減少させることがで
きる。透析膜を通って溶出したグルタミン酸は、リンガ
ー液とともに透析膜プローブ1から流出し、デュアルシ
ーベル35を介して連結管2へ向かう。一方、これと同
時に注入器32bから酵素溶液を連結管2に流し込み、
グルタミン酸を含有するリンガー液と合流させ、一定時
間反応させる。ここで使用する酵素は、グルタミン酸脱
水素酵素であり、他に、グルタミン酸酸化酵素を用いる
ことも可能である。酵素溶液の流速は、リンガー液の流
速と同様の速さとすればよく、0.5〜2.5μl/分
程度が好ましい。
【0035】グルタミン酸と酵素との反応は送液管33
c中で行い、反応時間は、1〜5分程度が好ましい。こ
のグルタミン酸脱水素反応により、蛍光物質である還元
型β・ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
H)が生成されるため、このNADHの量をフローセル
付蛍光検出器36を用いて連続的に計測することによ
り、脳内のグルタミン酸量を測定・分析することができ
る。蛍光検出器36における励起波長は、340nm前
後が好ましく、計測波長は、450〜460nm程度が
好ましい。また、フローセルの容量は、5μl以下が好
ましい。
【0036】本発明の連続計測法において、前述した透
析膜プローブ及び連結管を使用することにより、ノイズ
(脈流)の発生を防止し、送液(リンガー液,酵素溶
液)の流速を一定に保つことができるため、灌流液の流
速の変化による計測対象物の回収率の変化を抑制すると
ともに、反応溶液(計測対象物含有灌流液・酵素溶液)
の流速の変化による各液の混合比の変化を抑制すること
ができ、連続計測において信頼性の高い分析を行うこと
ができる。また、ノイズ(脈流)の発生がほとんどない
ため、流速を高める必要がなく、従って感度が高く、特
異性に優れた分析を行うことができる。
【0037】
【実施例】以下、製造例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、これらの製造例及び実施例は本発
明の範囲を何等限定するものではない。
【0038】(製造例1)本製造例では、図1に示すよ
うな透析膜プローブを作製した。全長7mm、外径0.
23mmの再生セルロースからなる透析膜管(アサヒ化
成社製、分子量カット:5万)の一端を、エポキシ系接
着剤(セメダイン社製、ハイスーパー5)により塞い
だ。透析膜管の他端から内径0.1mm、全長20mm
及び17mmのフューズドシリカからなる2本の細管
(エイコム社製)を挿入し、図1に示すAの部分を、上
記エポキシ系接着剤からなる封着材により封着した。A
の長さは4mmであった。
【0039】透析膜管から出ている2本の細管を、それ
ぞれ全長10mm、外径0.55mmのステンレス管
(テルモ社製)に通し、両者の間を上記エポキシ系接着
剤により充填し、はみ出した部分を切り取った。2本の
細管及び透析膜管を、Y字型になるように、上記エポキ
シ系接着剤からなる封着材により封着し、その上からデ
ンタルセメント(GC歯科社製、ユニファスト)により
固定した。封着材から出ているステンレス管の長さは、
いずれも約5mmであった。
【0040】(製造例2)本製造例では、図2に示すよ
うな連結管を作製した。内径0.1mm、全長25mm
のフューズドシリカからなる2本の細管(エイコム社
製)を、全長10mm、外径0.55mmのステンレス
管(テルモ社製)に通し、細管とステンレス管との間を
エポキシ系接着剤(セメダイン社製、ハイスーパー5)
により充填し、はみ出した部分を切り取った。
【0041】同様に、ステンレス管から出ている2本の
細管を、それぞれ全長10mm、外径0.55mmのス
テンレス管に通し、両者の間を上記エポキシ系接着剤に
より充填し、はみ出した部分を切り取った。以上の細管
及びステンレス管を、Y字型になるように、上記エポキ
シ系接着剤からなる封着材により封着し、その上からデ
ンタルセメント(GC歯科社製、ユニファスト)により
固定した。封着材から出ているステンレス管の長さは、
いずれも約5mmであった。
【0042】(実施例1)本実施例は、図3に示すよう
な構成で行った。実際に実験を始める前に、以下のよう
にして本測定系の検量線を作成した。製造例1で得られ
た透析膜プローブの透析膜管部分を、所定の濃度のグル
タミン酸溶液中に設置し、高速液体クロマトグラフィー
用の注入器(レオダイン社製、モデルNo.9125)
から透析膜プローブにリンガー液(大塚薬品社製、リン
ゲル液)を2.5μl/分の流速で灌流させた。なお、
シリンジポンプとしては、B.A.S社製のCMA10
2マイクロインジェクションポンプ、送液管としては、
エイコム社製のテフロンチューブ(内径0.1mm)、
デュアルシーベルとしては、インステック社製の375
/D/22QEを使用した。
【0043】一方、グルタミン酸脱水素酵素溶液(ベー
リンガーマンハイム社製、127086)を2.5μl
/分の流速で送液し、上記リンガー液(グルタミン酸含
有)と合流させて3分間反応させ、5μlフローセル付
蛍光検出器(日本分光社製、821FP)を通過させ
た。このとき、励起波長は340nmとし、計測波長は
450nmとして行った。溶液中のグルタミン酸の含有
量を、1μM、2μM、3μM、4μM、5μM、3μ
M、3μM、3μM、3μM及び3μMと経時的に10
回変化させ、蛍光検出器で検出した電圧を、蛍光検出器
に連結したレコーダによりプリントアウトした。結果を
図6に示す。
【0044】図6のグラフから明らかなように、3μM
グルタミン酸についての測定を複数回行っても、ほとん
ど同様の結果が出ており、従って本測定系は非常に精度
が高いということができる。図6のグラフから作成され
る検量線を、図7に示す。
【0045】(実施例2)製造例1で得られた透析膜プ
ローブを、ラットの内側前頭葉皮質に刺入して頭蓋部と
連結固定した。術後回復1日後、ラットの自由行動下、
リンガー液を2.5μl/分の流速で灌流させるととも
に、グルタミン酸脱水素酵素溶液を2.5μl/分の流
速で上記リンガー液(脳内からのグルタミン酸含有)と
合流させて3分間反応させた。
【0046】計測開始60分後に、ラットに興奮剤の1
種であるベラトリジン(VER)(シグマ社製)を1
2.5μl注射し、計測開始80分後に、神経伝達効率
を変化させる試薬であるソディウムニトロプルシッド
(SNP)(和光社製)及びVER12.5μlを注射
し、計測開始100分後に、再度VERのみ12.5μ
lを注射した。ラットの脳内で分泌されたグルタミン酸
量の経時変化を図8に示す。
【0047】(実施例3)実施例2において、2回目の
注射物をSNP12.5μlのみとする以外、同様にし
て連続計測を行った。結果を図8に示す。
【0048】(実施例4)実施例2において、2回目の
注射物を、煮沸したSNP及びVER12.5μlとす
る以外、同様にして連続計測を行った。結果を図8に示
す。図8のグラフから明らかなように、製造例1及び2
で得られた透析膜プローブ及び連結管を用いた連続計測
系では、ノイズ(脈流)の発生がなく、高感度で安定な
分析を行うことができた。
【0049】(実施例5)実施例2と同様にして連続計
測を行い、電圧の経時変化を測定した。時間と検出した
電圧との関係を示すグラフを図9に示す。
【0050】(比較例1)実施例5において、図4に示
す従来の透析プローブを使用する以外、同様にして連続
計測を行った。時間と検出した電圧との関係を示すグラ
フを図10に示す。図9及び図10のグラフから明らか
なように、従来の透析プローブを使用するとノイズ(脈
流)が発生し、正確な測定ができないのに対し、製造例
1で得られた透析膜プローブを使用すると、ノイズがほ
とんどなく、高感度で安定な分析を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ノイズ(脈流)の発生
を抑制し、高感度で安定な生体内グルタミン酸の連続計
測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用することのできる透析膜プロー
ブを示す概略図である。
【図2】 本発明で使用することのできる連結管を示す
概略図である。
【図3】 本発明の生体内グルタミン酸の連続計測法を
示す概略図である。
【図4】 従来の透析プローブを示す断面図である。
【図5】 従来の透析プローブにおける細管とステンレ
ス管との接続部分を示す概略図である。
【図6】 実施例1におけるグルタミン酸量と検出電圧
(経時変化)との関係を示すグラフである。
【図7】 実施例1におけるグルタミン酸量と検出電圧
との関係を示す検量線である。
【図8】 実施例2〜4におけるグルタミン酸量の経時
変化を示すグラフである。
【図9】 実施例5における検出電圧の経時変化を示す
グラフである。
【図10】 比較例1における検出電圧の経時変化を示
すグラフである。
【符号の説明】 1・・・透析膜プローブ 11,42・・・透析膜管 12,12a,12b,21a,21b,43a,43
b・・・細管 13,22a,22b,22c・・・太管 14a,14b,14c,23a,23b,23c・・
・封着材 2・・・連結管 31・・・シリンジポンプ 32a,32b・・・注入器 33a,33b,33c・・・送液管 34・・・ループインジェクター 35・・・デュアルシーベル 36・・・蛍光検出器 4・・・透折プローブ 41・・・本体部 44a,44b・・・ステンレス管 45・・・保持部材 46a,46b・・・接着部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方が塞がれた透析膜管と、前記透析膜
    管の中を通る2本の細管と、送液管に連結される太管と
    を備えるとともに、前記細管と前記太管とを接続する接
    続手段を備えた透析膜プローブにおいて、前記接続手段
    は、間隙が生じないように前記細管と前記太管とを接続
    したことを特徴とする透析膜プローブ。
  2. 【請求項2】 前記透析膜管の開口部、前記透析膜管側
    の前記太管の端部及び前記透析膜管と前記太管との間に
    おける前記細管が封着されていることを特徴とする請求
    項1記載の透析膜プローブ。
  3. 【請求項3】 前記一方の細管が、前記透析膜管のほぼ
    先端まで達しており、かつ、前記他方の細管が、前記透
    析膜管の途中まで達していることを特徴とする請求項1
    記載の透析膜プローブ。
  4. 【請求項4】 少なくとも2以上の整数であるn本の送
    液管を流れる液体の流れを、1本の送液管を流れる液体
    の流れに、又は1本の送液管を流れる液体の流れを、少
    なくとも2以上の整数であるn本の送液管を流れる液体
    の流れに変換する連結管において、n本の細管と、前記
    n本の細管のそれぞれに接続されたn本の太管と、前記
    n本の細管の束に接続された太管とを有した連結管であ
    って、前記n本の細管と前記(n+1)本の太管とは、
    間隙がない状態で接続されていることを特徴とする連結
    管。
  5. 【請求項5】 前記太管の端部同士を連結する前記細管
    と、前記太管の端部とが封着されていることを特徴とす
    る請求項4記載の連結管。
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