JPH08337874A - 基材表面被覆層及びその形成方法並びに熱交換器用フィン及びその製造方法。 - Google Patents
基材表面被覆層及びその形成方法並びに熱交換器用フィン及びその製造方法。Info
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- JPH08337874A JPH08337874A JP7146046A JP14604695A JPH08337874A JP H08337874 A JPH08337874 A JP H08337874A JP 7146046 A JP7146046 A JP 7146046A JP 14604695 A JP14604695 A JP 14604695A JP H08337874 A JPH08337874 A JP H08337874A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】優れた撥水性能が長期間維持される撥水性(耐
久性)と,高機械的強度とを有する基材表面被覆層を提
供する。 【構成】表面4に微小な凹凸を有する基板1の前記表面
4にDLC層2を形成し、このDLC層2の表面にフッ
素を含有するプラズマを照射して、その最表面における
フッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55
以上であるフッ素含有カーボン層3を形成する
久性)と,高機械的強度とを有する基材表面被覆層を提
供する。 【構成】表面4に微小な凹凸を有する基板1の前記表面
4にDLC層2を形成し、このDLC層2の表面にフッ
素を含有するプラズマを照射して、その最表面における
フッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55
以上であるフッ素含有カーボン層3を形成する
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた撥水性能及び耐久
性を有する基材表面被覆層及びその形成方法,並びに、
熱交換器用フィン及びその製造方法に関するものであ
る。
性を有する基材表面被覆層及びその形成方法,並びに、
熱交換器用フィン及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フライパンやホットプレートを始めとす
る調理器具の表面に撥水処理が成されると、水や油がは
じかれ、よごれが落ちやすくなる。また、化学プラント
に膨大に使用されるパイプ類の内面に撥水性機能が付加
されると、パイプの中を流れる流体の抵抗や無駄が少な
くなり、コストの低減が図られ、効率の大幅な向上が望
まれる。
る調理器具の表面に撥水処理が成されると、水や油がは
じかれ、よごれが落ちやすくなる。また、化学プラント
に膨大に使用されるパイプ類の内面に撥水性機能が付加
されると、パイプの中を流れる流体の抵抗や無駄が少な
くなり、コストの低減が図られ、効率の大幅な向上が望
まれる。
【0003】また、エアコンや冷蔵庫に用いられる熱交
換器のフィンも撥水処理が望まれるよい例である。すな
わち、外部の熱を奪い、冷媒ガスを温める機能を持つフ
ィンには露が着きやすい。そして、この露が霜が変わ
り,着霜すると、霜が空気の流れを遮断し、熱交換が円
滑にできなくなり、冷暖房の能力は急激に落ち込む。従
って、かかる着霜を防止するために、熱交換器のフィン
の表面にも撥水処理が施されている。このように、基材
表面に撥水処理を施す、即ち、基材表面を撥水性表面と
することに対するニーズには大きなものがある。
換器のフィンも撥水処理が望まれるよい例である。すな
わち、外部の熱を奪い、冷媒ガスを温める機能を持つフ
ィンには露が着きやすい。そして、この露が霜が変わ
り,着霜すると、霜が空気の流れを遮断し、熱交換が円
滑にできなくなり、冷暖房の能力は急激に落ち込む。従
って、かかる着霜を防止するために、熱交換器のフィン
の表面にも撥水処理が施されている。このように、基材
表面に撥水処理を施す、即ち、基材表面を撥水性表面と
することに対するニーズには大きなものがある。
【0004】従来、表面を撥水性に処理する方法とし
て、テフロン処理(デュポン商品名)がよく知られてい
る。ポリテトラフルオロエチレンを含む溶液を物体の表
面に塗布して約350 ℃で熱処理して表面をコーティング
する方法であり、その優れた撥水性や潤滑性によりフラ
イパンの内面のコーティング等に広く応用されている。
て、テフロン処理(デュポン商品名)がよく知られてい
る。ポリテトラフルオロエチレンを含む溶液を物体の表
面に塗布して約350 ℃で熱処理して表面をコーティング
する方法であり、その優れた撥水性や潤滑性によりフラ
イパンの内面のコーティング等に広く応用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】テフロン処理をフライ
パンの内面やホットプレートの加熱板のコーティングに
適用する場合、得られるコーティング層(被覆層)はそ
の強度が弱いため、金属製のヘラやシャクシを用いた調
理にこれを使用することができない。つまり、強い接触
や摩擦により傷ついたり剥離したりするためで、木製あ
るいはプラスチック製のヘラやシャクシしか用いること
ができない。また、コーティング層(被覆層)の形成に
当たり、高温処理が必要なため、適用できる基材の構成
材料が大きく制限されるという課題もある。
パンの内面やホットプレートの加熱板のコーティングに
適用する場合、得られるコーティング層(被覆層)はそ
の強度が弱いため、金属製のヘラやシャクシを用いた調
理にこれを使用することができない。つまり、強い接触
や摩擦により傷ついたり剥離したりするためで、木製あ
るいはプラスチック製のヘラやシャクシしか用いること
ができない。また、コーティング層(被覆層)の形成に
当たり、高温処理が必要なため、適用できる基材の構成
材料が大きく制限されるという課題もある。
【0006】また、熱交換器用のフィンは板厚が0.1mm
程度のアルミ薄板で構成されている。このため、変形、
変質しやすく、前記テフロン処理のための高温プロセス
を経ると、変形、変質が顕著となる。したがって、フィ
ンの撥水処理のため、前述の高温処理の必要なテフロン
処理(加工)を適用することは困難である。また、たと
え、テフロン処理を行えたとしても、テフロン層は熱伝
導率が低いため、フィン本来の熱伝達機能が損なわれて
しまう課題もある。
程度のアルミ薄板で構成されている。このため、変形、
変質しやすく、前記テフロン処理のための高温プロセス
を経ると、変形、変質が顕著となる。したがって、フィ
ンの撥水処理のため、前述の高温処理の必要なテフロン
処理(加工)を適用することは困難である。また、たと
え、テフロン処理を行えたとしても、テフロン層は熱伝
導率が低いため、フィン本来の熱伝達機能が損なわれて
しまう課題もある。
【0007】そこで最近、より低温で処理ができる方式
としてカーボン層をフッ素プラズマ処理する方法が報告
され、その改質表面の評価がよく行われている。しかし
ながら、フッ素プラズマ処理により改質されたカーボン
層表面は、フッ素のカーボン層表面への進入が強固でな
いため、撥水性能に経時的な変化がみられ、耐久性に問
題がある。さらに、強度も足りないため強い摩擦により
表面の撥水性能が損なわれてしまう課題もある。
としてカーボン層をフッ素プラズマ処理する方法が報告
され、その改質表面の評価がよく行われている。しかし
ながら、フッ素プラズマ処理により改質されたカーボン
層表面は、フッ素のカーボン層表面への進入が強固でな
いため、撥水性能に経時的な変化がみられ、耐久性に問
題がある。さらに、強度も足りないため強い摩擦により
表面の撥水性能が損なわれてしまう課題もある。
【0008】このように従来の基材表面の撥水化処理で
は、基材表面を機械的強度と撥水性能の両者が優れたも
のとなるように改質する、即ち、基材表面に機械的強度
と撥水性能の両者が優れた被覆層を形成することは困難
であり、また、その際の処理温度も高温であるため、基
材の構成材料が大きく制限されてしまうという問題点を
有している。
は、基材表面を機械的強度と撥水性能の両者が優れたも
のとなるように改質する、即ち、基材表面に機械的強度
と撥水性能の両者が優れた被覆層を形成することは困難
であり、また、その際の処理温度も高温であるため、基
材の構成材料が大きく制限されてしまうという問題点を
有している。
【0009】本発明は上記のような従来の問題点を解消
するためになされたものであり、優れた撥水性能が長期
間維持される撥水性(耐久性)と,高機械的強度とを有
する基材表面被覆層及びその形成方法を提供することを
目的とする。
するためになされたものであり、優れた撥水性能が長期
間維持される撥水性(耐久性)と,高機械的強度とを有
する基材表面被覆層及びその形成方法を提供することを
目的とする。
【0010】更に本発明の他の目的は、優れた撥水性能
が長期間維持される撥水性(耐久性)と,高機械的強度
とを有し、しかもこの高機械的強度が長期間維持される
基材表面被覆層及びその形成方法を提供することを目的
とする。
が長期間維持される撥水性(耐久性)と,高機械的強度
とを有し、しかもこの高機械的強度が長期間維持される
基材表面被覆層及びその形成方法を提供することを目的
とする。
【0011】更に本発明の他の目的は、長期間熱交換が
円滑に行われ、冷却及び昇温能力が急激に落ち込むこと
のない熱交換器用フィルタ及びその製造方法を提供する
ことにある。
円滑に行われ、冷却及び昇温能力が急激に落ち込むこと
のない熱交換器用フィルタ及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる基材表面
被覆層は、基材表面に形成されたダイヤモンド状カーボ
ン層と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成された
その最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上である,C−F結合を有するフ
ッ素含有カーボン層とからなるものである。
被覆層は、基材表面に形成されたダイヤモンド状カーボ
ン層と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成された
その最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上である,C−F結合を有するフ
ッ素含有カーボン層とからなるものである。
【0013】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数とカーボ
ン原子数の比(F/C値)が0.9 以下であることが好ま
しい。
カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数とカーボ
ン原子数の比(F/C値)が0.9 以下であることが好ま
しい。
【0014】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボン層との
界面からその前記最表面に向かってフッ素原子数とカー
ボン原子数の比(F/C値)が順次増加したものである
ことが好ましい。
カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボン層との
界面からその前記最表面に向かってフッ素原子数とカー
ボン原子数の比(F/C値)が順次増加したものである
ことが好ましい。
【0015】また前記構成においては、前記基材表面は
微小な凹凸を有するものであり、前記フッ素含有カーボ
ン層の前記最表面にはこの基材表面の微小な凹凸に対応
した微小な凹凸が形成されていることが好ましい。
微小な凹凸を有するものであり、前記フッ素含有カーボ
ン層の前記最表面にはこの基材表面の微小な凹凸に対応
した微小な凹凸が形成されていることが好ましい。
【0016】また前記構成においては、前記基材がステ
ンレス,アルミニウム,チタン,ニッケル及び銅から選
ばれる少なくとも1つを主成分として構成された金属製
基板であることが好ましい。
ンレス,アルミニウム,チタン,ニッケル及び銅から選
ばれる少なくとも1つを主成分として構成された金属製
基板であることが好ましい。
【0017】また前記構成においては前記ダイヤモンド
状カーボン層の厚みが100〜5000nmの範囲にあ
り、前記フッ素含有カーボン層の厚みが5〜200nm
の範囲にあることが好ましい。
状カーボン層の厚みが100〜5000nmの範囲にあ
り、前記フッ素含有カーボン層の厚みが5〜200nm
の範囲にあることが好ましい。
【0018】次に、本発明にかかる基材表面被覆層の形
成方法は、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,基
材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成した後、
前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範囲にある
RFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ素含有ガ
スのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層の表面に
照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上層部をC
−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質するもの
である。
成方法は、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,基
材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成した後、
前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範囲にある
RFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ素含有ガ
スのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層の表面に
照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上層部をC
−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質するもの
である。
【0019】また前記構成においては、前記炭化水素系
ガスのプラズマを、前記基材が配置され、前記基材表面
への前記ダイヤモンド状カーボン層の形成が行われる反
応チャンバ内に、前記炭化水素系ガスと,プラズマ発生
室内にて発生させた不活性元素ガスのプラズマとを導入
することにより発生させることが好ましい。
ガスのプラズマを、前記基材が配置され、前記基材表面
への前記ダイヤモンド状カーボン層の形成が行われる反
応チャンバ内に、前記炭化水素系ガスと,プラズマ発生
室内にて発生させた不活性元素ガスのプラズマとを導入
することにより発生させることが好ましい。
【0020】更に、本発明にかかる基材表面被覆層の形
成方法は、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,基
材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成した後、
前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範囲にある
RFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化水素系ガ
スのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原料にし
て,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−F結合を
有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するものであ
る。
成方法は、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,基
材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成した後、
前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範囲にある
RFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化水素系ガ
スのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原料にし
て,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−F結合を
有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するものであ
る。
【0021】また前記構成においては、減圧状態に維持
された反応チャンバ内で、前記ダイヤモンド状カーボン
層及びフッ素含有カーボン層の形成を連続的に行うこと
が好ましい。
された反応チャンバ内で、前記ダイヤモンド状カーボン
層及びフッ素含有カーボン層の形成を連続的に行うこと
が好ましい。
【0022】また前記構成においては、反応チャンバ内
における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの分圧比率
(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分圧)を順
次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成を行うこ
とが好ましい。
における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの分圧比率
(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分圧)を順
次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成を行うこ
とが好ましい。
【0023】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内をフッ素
含有ガスのみとすることが好ましい。また前記構成にお
いては、前記基材表面が微小な凹凸を有するものである
ことが好ましい。
カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内をフッ素
含有ガスのみとすることが好ましい。また前記構成にお
いては、前記基材表面が微小な凹凸を有するものである
ことが好ましい。
【0024】次に、本発明にかかる熱交換器用フィン
は、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数の貫
通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置にあ
る貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接する2
つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成され
てなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板第1及
び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成され、
このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面における
フッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55
以上である,C−F結合を有するフッ素含有カーボン層
が形成されていることを特徴とする。
は、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数の貫
通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置にあ
る貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接する2
つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成され
てなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板第1及
び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成され、
このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面における
フッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55
以上である,C−F結合を有するフッ素含有カーボン層
が形成されていることを特徴とする。
【0025】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数とカーボ
ン原子数の比(F/C値)が0.9 以下であることが好ま
しい。
カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数とカーボ
ン原子数の比(F/C値)が0.9 以下であることが好ま
しい。
【0026】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボン層との
界面からその前記最表面に向かってフッ素原子数とカー
ボン原子数の比(F/C値)が順次増加したものである
ことが好ましい。
カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボン層との
界面からその前記最表面に向かってフッ素原子数とカー
ボン原子数の比(F/C値)が順次増加したものである
ことが好ましい。
【0027】また前記構成においては、前記金属薄板の
第1及び第2の主面は微小な凹凸を有するものであり、
前記フッ素含有カーボン層の前記最表面にはこの金属薄
板の第1及び第2の主面の微小な凹凸に対応した微小な
凹凸が形成されていることが好ましい。
第1及び第2の主面は微小な凹凸を有するものであり、
前記フッ素含有カーボン層の前記最表面にはこの金属薄
板の第1及び第2の主面の微小な凹凸に対応した微小な
凹凸が形成されていることが好ましい。
【0028】次に、本発明にかかる熱交換器用フィンの
製造方法は、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水素系ガスの
プラズマを原料にして,ダイヤモンド状カーボン層を堆
積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧値が−150
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモン
ド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイヤモンド状
カーボン層の上層部を、C−F結合を有するフッ素含有
カーボン層に改質する工程を含むことを特徴とする。
製造方法は、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水素系ガスの
プラズマを原料にして,ダイヤモンド状カーボン層を堆
積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧値が−150
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモン
ド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイヤモンド状
カーボン層の上層部を、C−F結合を有するフッ素含有
カーボン層に改質する工程を含むことを特徴とする。
【0029】更に、本発明にかかる熱交換器用フィンの
製造方法は、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、炭化
水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金属薄板の第
1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形
成した後、前記金属薄板にその電圧値が−240 V〜−60
Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態
で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプ
ラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上
にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成
する工程を含むことを特徴とする。
製造方法は、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、炭化
水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金属薄板の第
1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形
成した後、前記金属薄板にその電圧値が−240 V〜−60
Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態
で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプ
ラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上
にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成
する工程を含むことを特徴とする。
【0030】また前記構成においては、前記反応チャン
バ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの分圧比
率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分圧)を
順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成を行う
ことが好ましい。
バ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの分圧比
率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分圧)を
順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成を行う
ことが好ましい。
【0031】また前記構成においては、前記フッ素含有
カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内をフッ素
含有ガスのみとすることが好ましい。また前記構成にお
いては、その表面に微小な凹凸が形成された金型により
前記金属薄板をプレス加工して、前記金属薄板の第1及
び第2の主面に微小な凹凸を転写形成した後、前記ダイ
ヤモンド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層の形成
を行うことが好ましい。
カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内をフッ素
含有ガスのみとすることが好ましい。また前記構成にお
いては、その表面に微小な凹凸が形成された金型により
前記金属薄板をプレス加工して、前記金属薄板の第1及
び第2の主面に微小な凹凸を転写形成した後、前記ダイ
ヤモンド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層の形成
を行うことが好ましい。
【0032】また前記構成においては、前記金型は前記
プレス加工時に前記金属薄板に貫通穴を形成するための
打ち抜き加工部を有するものであることが好ましい。ま
た前記構成においては、相対向する第1及び第2の側壁
にその内部にプラズマを導入するための第1の開口部及
び第2の開口部がそれぞれ形成された反応チャンバ内の
中間部に前記金属薄板を配置し、前記第1の開口部及び
第2の開口部から導入される前記炭化水素系ガスのプラ
ズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原料にして、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に同時に前記ダイヤモン
ド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層を形成するこ
とが好ましい。
プレス加工時に前記金属薄板に貫通穴を形成するための
打ち抜き加工部を有するものであることが好ましい。ま
た前記構成においては、相対向する第1及び第2の側壁
にその内部にプラズマを導入するための第1の開口部及
び第2の開口部がそれぞれ形成された反応チャンバ内の
中間部に前記金属薄板を配置し、前記第1の開口部及び
第2の開口部から導入される前記炭化水素系ガスのプラ
ズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原料にして、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に同時に前記ダイヤモン
ド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層を形成するこ
とが好ましい。
【0033】また前記構成においては、前記基材が加熱
調理用器具のその表面にて調理が行われる金属製加熱板
であることが好ましい。前記において、「ダイヤモンド
状カーボン層(Daiamond Like Carbon層:DLC層)」
は、sp3 混成軌道により炭素原子間が共有結合した結
晶構造、すなわち、ダイヤモンド型構造を部分的に含む
アモルファス状の硬質カーボン層を意味し、「フッ素含
有カーボン層」は、ダイヤモンド状カーボン層内にフッ
素原子をC−F結合により導入したものを意味する。
調理用器具のその表面にて調理が行われる金属製加熱板
であることが好ましい。前記において、「ダイヤモンド
状カーボン層(Daiamond Like Carbon層:DLC層)」
は、sp3 混成軌道により炭素原子間が共有結合した結
晶構造、すなわち、ダイヤモンド型構造を部分的に含む
アモルファス状の硬質カーボン層を意味し、「フッ素含
有カーボン層」は、ダイヤモンド状カーボン層内にフッ
素原子をC−F結合により導入したものを意味する。
【0034】
【作用】前記した本発明の基材表面被覆層の構成によれ
ば、基材表面に形成されたダイヤモンド状カーボン層
と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成されたその
最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F
/C値)が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素
含有カーボン層とからなるものであることにより、前記
ダイヤモンド状カーボン層はその硬度が3000(マイクロ
ビッカース硬度)以上と極めて硬質であり、この極めて
硬質のダイヤモンド状カーボン層の表面に、フッ素をC
−F結合化することにより含有させた,低表面エネルギ
を有するフッ素含有カーボン層が形成されていることか
ら、優れた撥水性能と高機械的強度を有する基材表面被
覆層を得ることができる。特に、フッ素含有カーボン層
の最表面においてフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上であることにより、優れた撥水
性能が長期にわたって維持される,耐久性のあるに撥水
性表面となる。
ば、基材表面に形成されたダイヤモンド状カーボン層
と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成されたその
最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F
/C値)が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素
含有カーボン層とからなるものであることにより、前記
ダイヤモンド状カーボン層はその硬度が3000(マイクロ
ビッカース硬度)以上と極めて硬質であり、この極めて
硬質のダイヤモンド状カーボン層の表面に、フッ素をC
−F結合化することにより含有させた,低表面エネルギ
を有するフッ素含有カーボン層が形成されていることか
ら、優れた撥水性能と高機械的強度を有する基材表面被
覆層を得ることができる。特に、フッ素含有カーボン層
の最表面においてフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上であることにより、優れた撥水
性能が長期にわたって維持される,耐久性のあるに撥水
性表面となる。
【0035】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.9 以下である
と、フッ素含有カーボン層の最表面を高硬度に維持でき
る。
ッ素含有カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.9 以下である
と、フッ素含有カーボン層の最表面を高硬度に維持でき
る。
【0036】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層が、その前記ダイヤモンド状カーボ
ン層との界面からその前記最表面に向かってフッ素原子
数とカーボン原子数の比(F/C値)が順次増加したも
のであると、フッ素含有カーボン層とダイヤモンド状カ
ーボン層間の熱膨脹係数の差及び内部応力の相違を緩和
することができ、撥水性能と高機械的強度をより一層向
上させることができる。
ッ素含有カーボン層が、その前記ダイヤモンド状カーボ
ン層との界面からその前記最表面に向かってフッ素原子
数とカーボン原子数の比(F/C値)が順次増加したも
のであると、フッ素含有カーボン層とダイヤモンド状カ
ーボン層間の熱膨脹係数の差及び内部応力の相違を緩和
することができ、撥水性能と高機械的強度をより一層向
上させることができる。
【0037】また前記構成の好ましい例として、前記基
材表面が微小な凹凸を有するものであり、前記フッ素含
有カーボン層の前記最表面にこの基材表面の微小な凹凸
に対応した微小な凹凸が形成されていると、基材表面と
水滴間の付着張力をより減少させることができ、撥水性
能をより一層向上させることができる。
材表面が微小な凹凸を有するものであり、前記フッ素含
有カーボン層の前記最表面にこの基材表面の微小な凹凸
に対応した微小な凹凸が形成されていると、基材表面と
水滴間の付着張力をより減少させることができ、撥水性
能をより一層向上させることができる。
【0038】また前記構成の好ましい例として、前記基
材がステンレス,アルミニウム,チタン,ニッケル及び
銅から選ばれる少なくとも1つを主成分として構成され
た金属製基板であると、表面が優れた撥水性能と高機械
的強度を有し、かつ熱伝導性に優れた基材となり、種々
の機器の構成材料として有用なものとなる。
材がステンレス,アルミニウム,チタン,ニッケル及び
銅から選ばれる少なくとも1つを主成分として構成され
た金属製基板であると、表面が優れた撥水性能と高機械
的強度を有し、かつ熱伝導性に優れた基材となり、種々
の機器の構成材料として有用なものとなる。
【0039】また前記構成の好ましい例として、前記ダ
イヤモンド状カーボン層の厚みが100〜5000nm
の範囲にあり、前記フッ素含有カーボン層の厚みが5〜
200nmの範囲にあると、基材,ダイヤモンド状カー
ボン層,及びフッ素含有カーボン層における重なる2つ
の層間の密着力を安定にでき、好ましい。
イヤモンド状カーボン層の厚みが100〜5000nm
の範囲にあり、前記フッ素含有カーボン層の厚みが5〜
200nmの範囲にあると、基材,ダイヤモンド状カー
ボン層,及びフッ素含有カーボン層における重なる2つ
の層間の密着力を安定にでき、好ましい。
【0040】次に、前記した本発明の基材表面被覆層の
形成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料に
して,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成
した後、前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範
囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ
素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層
の表面に照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上
層部をC−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質
することにより、前記の優れた撥水性能と高機械的強度
を有し、これが長期にわたって維持される基材表面被覆
層を再現性よく形成することができる。
形成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料に
して,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成
した後、前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範
囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ
素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層
の表面に照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上
層部をC−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質
することにより、前記の優れた撥水性能と高機械的強度
を有し、これが長期にわたって維持される基材表面被覆
層を再現性よく形成することができる。
【0041】また前記構成の好ましい例として、前記炭
化水素系ガスのプラズマを、前記基材が配置され、前記
基材表面への前記ダイヤモンド状カーボン層の形成が行
われる反応チャンバ内に、前記炭化水素系ガスと,プラ
ズマ発生室内にて発生させた不活性元素ガスのプラズマ
とを導入することにより発生させると、プラズマ発生室
内に炭素の膜が付着せず、装置を安定稼働させる点で好
ましい。
化水素系ガスのプラズマを、前記基材が配置され、前記
基材表面への前記ダイヤモンド状カーボン層の形成が行
われる反応チャンバ内に、前記炭化水素系ガスと,プラ
ズマ発生室内にて発生させた不活性元素ガスのプラズマ
とを導入することにより発生させると、プラズマ発生室
内に炭素の膜が付着せず、装置を安定稼働させる点で好
ましい。
【0042】更に、前記した本発明の基材表面被覆層の
形成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料に
して,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成
した後、前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範
囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化
水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを
原料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−
F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するこ
とにより、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有
し、これが長期にわたって維持される基材表面被覆層を
再現性よく、しかも高効率に形成することができる。
形成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料に
して,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成
した後、前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範
囲にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化
水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを
原料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−
F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するこ
とにより、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有
し、これが長期にわたって維持される基材表面被覆層を
再現性よく、しかも高効率に形成することができる。
【0043】また、前記構成の好ましい例として、減圧
状態に維持された反応反応チャンバ内で、前記ダイヤモ
ンド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層の形成を連
続的に行うと、ダイヤモンド状カーボン層とフッ素含有
カーボン層間に酸素を含む仲介層が形成されることがな
く、高機械的強度の基材表面被覆層を安定に形成するこ
とができる。
状態に維持された反応反応チャンバ内で、前記ダイヤモ
ンド状カーボン層及びフッ素含有カーボン層の形成を連
続的に行うと、ダイヤモンド状カーボン層とフッ素含有
カーボン層間に酸素を含む仲介層が形成されることがな
く、高機械的強度の基材表面被覆層を安定に形成するこ
とができる。
【0044】また、前記構成の好ましい例として、反応
チャンバ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの
分圧比率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分
圧)を順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成
を行うと、前記のフッ素含有カーボン層とダイヤモンド
状カーボン層間の熱膨脹係数の差及び内部応力の相違が
緩和され、撥水性能と高機械的強度がより一層向上した
基材表面被覆層を合理的に形成することができる。
チャンバ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガスの
分圧比率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの分
圧)を順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形成
を行うと、前記のフッ素含有カーボン層とダイヤモンド
状カーボン層間の熱膨脹係数の差及び内部応力の相違が
緩和され、撥水性能と高機械的強度がより一層向上した
基材表面被覆層を合理的に形成することができる。
【0045】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内
をフッ素含有ガスのみとすると、フッ素含有カーボン層
の最表面にフッ素が効率良く取り込まれ、確実に、基材
表面被覆層を優れた撥水性能を有するものに改質でき
る。
ッ素含有カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内
をフッ素含有ガスのみとすると、フッ素含有カーボン層
の最表面にフッ素が効率良く取り込まれ、確実に、基材
表面被覆層を優れた撥水性能を有するものに改質でき
る。
【0046】また前記構成の好ましい例として、前記基
材表面が微小な凹凸を有するものであると、フッ素含有
カーボン層の最表面にこの基材表面の微小な凹凸に対応
した微小な凹凸が発現し、前記の撥水性能がより一層向
上した基材表面被覆層を形成できる。
材表面が微小な凹凸を有するものであると、フッ素含有
カーボン層の最表面にこの基材表面の微小な凹凸に対応
した微小な凹凸が発現し、前記の撥水性能がより一層向
上した基材表面被覆層を形成できる。
【0047】次に、本発明の熱交換器用フィンの構成に
よれば、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数
の貫通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置
にある貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接す
る2つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成
されてなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板の
第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成
され、このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面に
おけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)
が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素含有カー
ボン層が形成されていることにより、前記金属薄板が前
記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、これが長期
にわたって維持される表面被覆層を有するものとなり、
着霜することなく、空気が円滑に流動する熱交換器用フ
ィンが得られる。また、前記表面被覆層が高熱伝導率を
有するので、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンが
得られる。
よれば、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数
の貫通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置
にある貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接す
る2つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成
されてなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板の
第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成
され、このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面に
おけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)
が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素含有カー
ボン層が形成されていることにより、前記金属薄板が前
記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、これが長期
にわたって維持される表面被覆層を有するものとなり、
着霜することなく、空気が円滑に流動する熱交換器用フ
ィンが得られる。また、前記表面被覆層が高熱伝導率を
有するので、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンが
得られる。
【0048】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.9 以下である
と、フッ素含有カーボン層の最表面が高硬度に維持さ
れ、極めて高い機械的強度を有するものとなる。
ッ素含有カーボン層の前記最表面におけるフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.9 以下である
と、フッ素含有カーボン層の最表面が高硬度に維持さ
れ、極めて高い機械的強度を有するものとなる。
【0049】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボ
ン層との界面からその前記最表面に向かってフッ素原子
数とカーボン原子数の比(F/C値)が順次増加したも
のであると、前記表面被覆層の撥水性能と機械的強度を
より一層向上させることができ、より高性能の熱交換器
用フィンを得ることができる。
ッ素含有カーボン層は、その前記ダイヤモンド状カーボ
ン層との界面からその前記最表面に向かってフッ素原子
数とカーボン原子数の比(F/C値)が順次増加したも
のであると、前記表面被覆層の撥水性能と機械的強度を
より一層向上させることができ、より高性能の熱交換器
用フィンを得ることができる。
【0050】また前記構成の好ましい例として、前記金
属薄板の第1及び第2の主面は微小な凹凸を有するもの
であり、前記フッ素含有カーボン層の前記最表面にはこ
の金属薄板の第1及び第2の主面の微小な凹凸に対応し
た微小な凹凸が形成されていると、金属薄板はより優れ
た撥水性能を有するものとなり、より高性能の熱交換器
用フィンを得ることができる。
属薄板の第1及び第2の主面は微小な凹凸を有するもの
であり、前記フッ素含有カーボン層の前記最表面にはこ
の金属薄板の第1及び第2の主面の微小な凹凸に対応し
た微小な凹凸が形成されていると、金属薄板はより優れ
た撥水性能を有するものとなり、より高性能の熱交換器
用フィンを得ることができる。
【0051】次に、本発明の熱交換器用フィンの製造方
法によれば、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水素系ガスの
プラズマを原料にして,ダイヤモンド状カーボン層を堆
積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧値が−150
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモン
ド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイヤモンド状
カーボン層の上層部を、C−F結合を有するフッ素含有
カーボン層に改質する工程を含むことにより、前記の着
霜することなく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝
達機能を有する熱交換器用フィンを合理的に製造するこ
とができる。
法によれば、前記の熱交換器用フィンを製造する方法で
あって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置し、前記
金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水素系ガスの
プラズマを原料にして,ダイヤモンド状カーボン層を堆
積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧値が−150
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記ダイヤモン
ド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイヤモンド状
カーボン層の上層部を、C−F結合を有するフッ素含有
カーボン層に改質する工程を含むことにより、前記の着
霜することなく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝
達機能を有する熱交換器用フィンを合理的に製造するこ
とができる。
【0052】更に、本発明にかかる熱交換器用フィンの
製造方法によれば、前記の熱交換器用フィンを製造する
方法であって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置
し、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金属
薄板の第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層
を堆積形成した後、前記金属薄板にその電圧値が−240
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガ
スのプラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カーボ
ン層上にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆
積形成する工程を含むことにより、前記の着霜すること
なく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝達機能を有
する熱交換器用フィンを合理的に製造することができ
る。
製造方法によれば、前記の熱交換器用フィンを製造する
方法であって、反応チャンバ内に前記金属薄板を配置
し、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金属
薄板の第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層
を堆積形成した後、前記金属薄板にその電圧値が−240
V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、こ
の状態で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガ
スのプラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カーボ
ン層上にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を堆
積形成する工程を含むことにより、前記の着霜すること
なく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝達機能を有
する熱交換器用フィンを合理的に製造することができ
る。
【0053】また前記構成の好ましい例として、前記反
応チャンバ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガス
の分圧比率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの
分圧)を順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形
成を行うと、前記の金属薄板の表面被覆層の撥水性能と
機械的強度がより一層向上した,より高性能の熱交換器
用フィンを合理的に製造することができる。
応チャンバ内における炭化水素系ガスとフッ素含有ガス
の分圧比率(フッ素含有ガスの分圧/炭化水素系ガスの
分圧)を順次増加させて前記フッ素含有カーボン層の形
成を行うと、前記の金属薄板の表面被覆層の撥水性能と
機械的強度がより一層向上した,より高性能の熱交換器
用フィンを合理的に製造することができる。
【0054】また前記構成の好ましい例として、前記フ
ッ素含有カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内
をフッ素含有ガスのみとすると、フッ素含有カーボン層
の最表面にフッ素が効率良く取り込まれ、確実に、前記
の表面被覆層が優れた撥水性能を有するものとなり、前
記の着霜することなく、空気が円滑に流動し、しかも、
高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンを合理的かつ効
率良く製造することができる。
ッ素含有カーボン層の形成終了時は前記反応チャンバ内
をフッ素含有ガスのみとすると、フッ素含有カーボン層
の最表面にフッ素が効率良く取り込まれ、確実に、前記
の表面被覆層が優れた撥水性能を有するものとなり、前
記の着霜することなく、空気が円滑に流動し、しかも、
高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンを合理的かつ効
率良く製造することができる。
【0055】また前記構成の好ましい例として、その表
面に微小な凹凸が形成された金型により前記金属薄板を
プレス加工して、前記金属薄板の第1及び第2の主面に
微小な凹凸を転写形成した後、前記ダイヤモンド状カー
ボン層及びフッ素含有カーボン層の形成を行うと、金属
薄板の第1及び第2の主面の微小な凹凸を効率よく形成
でき、前記のフッ素含有カーボン層の最表面に微小な凹
凸が形成された,より優れた撥水性能を有する熱交換器
用フィンを、効率良く製造することができる。
面に微小な凹凸が形成された金型により前記金属薄板を
プレス加工して、前記金属薄板の第1及び第2の主面に
微小な凹凸を転写形成した後、前記ダイヤモンド状カー
ボン層及びフッ素含有カーボン層の形成を行うと、金属
薄板の第1及び第2の主面の微小な凹凸を効率よく形成
でき、前記のフッ素含有カーボン層の最表面に微小な凹
凸が形成された,より優れた撥水性能を有する熱交換器
用フィンを、効率良く製造することができる。
【0056】また前記構成の好ましい例として、前記金
型が前記プレス加工時に前記金属薄板に貫通穴を形成す
るための打ち抜き加工部を有するものであると、金属薄
板に前記伝熱管を挿入するため貫通穴を、前記プレス加
工時に形成できるので、より一層製造効率を向上でき
る。
型が前記プレス加工時に前記金属薄板に貫通穴を形成す
るための打ち抜き加工部を有するものであると、金属薄
板に前記伝熱管を挿入するため貫通穴を、前記プレス加
工時に形成できるので、より一層製造効率を向上でき
る。
【0057】また前記構成の好ましい例として、相対向
する第1及び第2の側壁にその内部にプラズマを導入す
るための第1の開口部及び第2の開口部がそれぞれ形成
された反応チャンバ内の中間部に前記金属薄板を配置
し、前記第1の開口部及び第2の開口部から導入される
前記炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプ
ラズマを原料にして、前記金属薄板の第1及び第2の主
面に同時に前記ダイヤモンド状カーボン層及びフッ素含
有カーボン層を形成すると、短時間で金属薄板の第1及
び第2の主面に前記の優れた撥水性能を有する表面被覆
層を形成することができ、製造効率を向上できる。
する第1及び第2の側壁にその内部にプラズマを導入す
るための第1の開口部及び第2の開口部がそれぞれ形成
された反応チャンバ内の中間部に前記金属薄板を配置
し、前記第1の開口部及び第2の開口部から導入される
前記炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプ
ラズマを原料にして、前記金属薄板の第1及び第2の主
面に同時に前記ダイヤモンド状カーボン層及びフッ素含
有カーボン層を形成すると、短時間で金属薄板の第1及
び第2の主面に前記の優れた撥水性能を有する表面被覆
層を形成することができ、製造効率を向上できる。
【0058】また前記構成の好ましい例として、前記基
材が加熱調理用器具のその表面にて調理が行われる金属
製加熱板であると、金属製のヘラやシャクシを使用でき
る金属製加熱板を備えた加熱調理用器具を得ることがで
きる。
材が加熱調理用器具のその表面にて調理が行われる金属
製加熱板であると、金属製のヘラやシャクシを使用でき
る金属製加熱板を備えた加熱調理用器具を得ることがで
きる。
【0059】
【実施例】以下に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。 (実施例1)図1は本発明の実施例1による基板表面を
被覆する表面被覆層の構成を示す断面図である。表面4
に微小な凹凸を有する基板1表面に、ダイヤモンド状カ
ーボン層(以下、DLC層と称す。)2と,C−F結合
を有するフッ素含有カーボン層3とがこの順に積層さ
れ、フッ素含有カーボン層3の最表面5においてフッ素
原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上に
なっている。
る。 (実施例1)図1は本発明の実施例1による基板表面を
被覆する表面被覆層の構成を示す断面図である。表面4
に微小な凹凸を有する基板1表面に、ダイヤモンド状カ
ーボン層(以下、DLC層と称す。)2と,C−F結合
を有するフッ素含有カーボン層3とがこの順に積層さ
れ、フッ素含有カーボン層3の最表面5においてフッ素
原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上に
なっている。
【0060】図1の表面被覆層を形成する第1の形成方
法を以下に説明する。図3はこの第1の形成方法に適用
される処理装置の概略構成を示す図である。排気系21を
接続した処理チャンバ(反応チャンバ)22には、プラズ
マ発生室23が付帯している。プラズマ発生室23には第1
ガス導入系24からガスが供給されるとともにマイクロ波
電力発生器25から2.45GHzのマイクロ波が供給される。
また、プラズマ発生室23 の周囲に設置したソレノイド
コイル26からの磁場とマイクロ波との相互作用により電
子サイクロトロン共鳴(ECR)により、プラズマ発生室
23にプラズマ27が発生する。処理チャンバ22には基板1
が設置され、プラズマ発生室23からのプラズマ27が照射
される。なお、基板1にはRF電源28からRFバイアス
電圧が供給されるようになっている。
法を以下に説明する。図3はこの第1の形成方法に適用
される処理装置の概略構成を示す図である。排気系21を
接続した処理チャンバ(反応チャンバ)22には、プラズ
マ発生室23が付帯している。プラズマ発生室23には第1
ガス導入系24からガスが供給されるとともにマイクロ波
電力発生器25から2.45GHzのマイクロ波が供給される。
また、プラズマ発生室23 の周囲に設置したソレノイド
コイル26からの磁場とマイクロ波との相互作用により電
子サイクロトロン共鳴(ECR)により、プラズマ発生室
23にプラズマ27が発生する。処理チャンバ22には基板1
が設置され、プラズマ発生室23からのプラズマ27が照射
される。なお、基板1にはRF電源28からRFバイアス
電圧が供給されるようになっている。
【0061】基板1にステンレス鋼を用い、アルミナ粉
体の吹き付け加工により、表面には中心線平均表面粗さ
が2μmの微小な凹凸を形成している。第1ガス導入系24
からArガスを導入し、基板1の上部には第2ガス導入系
29を配置し、DLC層2の原料となるCH4ガスを導入す
る。Arガスは10sccm、CH4ガスは20sccmの流量で供給
し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torrとした。マイク
ロ波電力発生器25から 200Wのマイクロ波電力を投入
し、ArのECRプラズマを発生させ、原料ガスの CH4ガ
スを分解合成して基板1上にDLC層2を形成する。
体の吹き付け加工により、表面には中心線平均表面粗さ
が2μmの微小な凹凸を形成している。第1ガス導入系24
からArガスを導入し、基板1の上部には第2ガス導入系
29を配置し、DLC層2の原料となるCH4ガスを導入す
る。Arガスは10sccm、CH4ガスは20sccmの流量で供給
し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torrとした。マイク
ロ波電力発生器25から 200Wのマイクロ波電力を投入
し、ArのECRプラズマを発生させ、原料ガスの CH4ガ
スを分解合成して基板1上にDLC層2を形成する。
【0062】なお、基板1にはRF電源28からRFバイ
アス電圧を供給している。図4は基板1の電位を示して
おり、RF電圧の印加により基板1には負の自己バイア
ス電圧が発生する。この際の平均の電位とアース電位の
間の電圧Va をRFバイアス電圧と呼んでいる。ここで
はRFバイアス電圧を-120VとしてDLC層2の成膜を
行った。膜厚は500 nmとしている。DLC層2の硬度を
マイクロビッカース硬度計で測定したところ3300であ
り、高硬度の薄膜であることを確認した。なお、前記に
おいては、第2ガス導入系24からCH4ガスを 導入して、
Arガスのプラズマ発生によるエネルギーを受けて、処理
チャンバ22内にてCH4 ガスのプラズマを発生させるよう
にしたが、第1ガス導入系24から直接CH4 ガスを導入し
て、プラズマ発生室23内にてCH4 ガスのプラズマを発生
させ、これを処理チャンバ(反応チャンバ)22内に導入
するようにしても、同様の硬質DLC層2を得ることが
できる。ただし、この場合はプラズマ発生室23中に炭素
膜が付着することとなり、これが装置の稼働効率を低下
させる原因となる。
アス電圧を供給している。図4は基板1の電位を示して
おり、RF電圧の印加により基板1には負の自己バイア
ス電圧が発生する。この際の平均の電位とアース電位の
間の電圧Va をRFバイアス電圧と呼んでいる。ここで
はRFバイアス電圧を-120VとしてDLC層2の成膜を
行った。膜厚は500 nmとしている。DLC層2の硬度を
マイクロビッカース硬度計で測定したところ3300であ
り、高硬度の薄膜であることを確認した。なお、前記に
おいては、第2ガス導入系24からCH4ガスを 導入して、
Arガスのプラズマ発生によるエネルギーを受けて、処理
チャンバ22内にてCH4 ガスのプラズマを発生させるよう
にしたが、第1ガス導入系24から直接CH4 ガスを導入し
て、プラズマ発生室23内にてCH4 ガスのプラズマを発生
させ、これを処理チャンバ(反応チャンバ)22内に導入
するようにしても、同様の硬質DLC層2を得ることが
できる。ただし、この場合はプラズマ発生室23中に炭素
膜が付着することとなり、これが装置の稼働効率を低下
させる原因となる。
【0063】DLC層2を形成した後、第1ガス導入系
24からCH4 ガスのみを導入し、処理チャンバ22の圧力を
4x10-4Torrとしてフッ素を含有するプラズマを発生さ
せ、DLC層2の表面に照射する。この際、第2ガス導
入系29からのガス導入は行わない。基板1にRFバイア
ス電圧を-100V印加し、プラズマを高エネルギ化して、
これを基板上のDLC層2表面に照射し、その上層部を
厚み20nmのフッ素含有カーボン層3に改質した。図5
はこの様にしてプラズマ処理した改質表面(5)の撥水
性能を水の接触角で評価した結果である。改質前のDL
C層2のみでは接触角は約70゜と低いが、上述のプラズ
マ処理を行うことにより速やかに接触角は上昇し、約 1
25゜で飽和し、撥水性の高い表面に改質されている。こ
こではRFバイアス電圧を-100Vとしているが、他の種
々のRFバイアス電圧を印加して同様のプラズマ照射を
行っても改質表面の撥水特性は図5とよく似た結果が得
られている。
24からCH4 ガスのみを導入し、処理チャンバ22の圧力を
4x10-4Torrとしてフッ素を含有するプラズマを発生さ
せ、DLC層2の表面に照射する。この際、第2ガス導
入系29からのガス導入は行わない。基板1にRFバイア
ス電圧を-100V印加し、プラズマを高エネルギ化して、
これを基板上のDLC層2表面に照射し、その上層部を
厚み20nmのフッ素含有カーボン層3に改質した。図5
はこの様にしてプラズマ処理した改質表面(5)の撥水
性能を水の接触角で評価した結果である。改質前のDL
C層2のみでは接触角は約70゜と低いが、上述のプラズ
マ処理を行うことにより速やかに接触角は上昇し、約 1
25゜で飽和し、撥水性の高い表面に改質されている。こ
こではRFバイアス電圧を-100Vとしているが、他の種
々のRFバイアス電圧を印加して同様のプラズマ照射を
行っても改質表面の撥水特性は図5とよく似た結果が得
られている。
【0064】図6は前記接触角が経時的にどのように変
化するかを調べてみた結果を示したもので、温度25℃、
湿度45%の通常の環境下で1000時間以上の経時特性を調
べた結果である。特性に次のような有意差が見られた。
負のRFバイアス電圧が0V、40Vでは接触角の低下が
見られているが、60V以上に増すことにより(RFバイ
アス電圧が0V、-40Vでは接触角の低下が見られてい
るが、-60V以下にすることにより)、接触角の経時変
化はほとんど見られず、耐久性の高い撥水性表面となっ
ている。このような撥水性表面をX線光電子分光法(X
PS)で観察し、スペクトルを分析した結果が図7であ
る。スペクトルにCF、CF2、CF3のピークが現れて
おり、改質層にC−F結合が形成されていることが確認
された。
化するかを調べてみた結果を示したもので、温度25℃、
湿度45%の通常の環境下で1000時間以上の経時特性を調
べた結果である。特性に次のような有意差が見られた。
負のRFバイアス電圧が0V、40Vでは接触角の低下が
見られているが、60V以上に増すことにより(RFバイ
アス電圧が0V、-40Vでは接触角の低下が見られてい
るが、-60V以下にすることにより)、接触角の経時変
化はほとんど見られず、耐久性の高い撥水性表面となっ
ている。このような撥水性表面をX線光電子分光法(X
PS)で観察し、スペクトルを分析した結果が図7であ
る。スペクトルにCF、CF2、CF3のピークが現れて
おり、改質層にC−F結合が形成されていることが確認
された。
【0065】図8はRFバイアス電圧をパラメータとし
てDLC層2をプラズマ処理した改質表面(5)におけ
る組成をX線光電子分光法(XPS)で分析した結果で
ある。縦軸に組成としてフッ素原子数とカーボン原子数
の比F/C値を示している。RFバイアス電圧を増加す
るに従い、F/C値が上昇し、DLC層のフッ素化を促
進している。図6の接触角の経時特性で、負のRFバイ
アス電圧を60V以上印加することにより(-60 V以下の
RFバイアス電圧を印加することにより)経時変化のな
い撥水性表面が得られているが、図8の組成では、負の
RFバイアス電圧が60V(RFバイアス電圧が-60V)
でF/C値は0.55 を示している。すなわち、改質表面
の組成としてF/C値が0.55以上で耐久性に優れた撥水
性表面が提供されることがここで判明した。
てDLC層2をプラズマ処理した改質表面(5)におけ
る組成をX線光電子分光法(XPS)で分析した結果で
ある。縦軸に組成としてフッ素原子数とカーボン原子数
の比F/C値を示している。RFバイアス電圧を増加す
るに従い、F/C値が上昇し、DLC層のフッ素化を促
進している。図6の接触角の経時特性で、負のRFバイ
アス電圧を60V以上印加することにより(-60 V以下の
RFバイアス電圧を印加することにより)経時変化のな
い撥水性表面が得られているが、図8の組成では、負の
RFバイアス電圧が60V(RFバイアス電圧が-60V)
でF/C値は0.55 を示している。すなわち、改質表面
の組成としてF/C値が0.55以上で耐久性に優れた撥水
性表面が提供されることがここで判明した。
【0066】図9はRFバイアス電圧をパラメータとし
て前記プラズマ処理した改質表面の硬度をマイクロビッ
カース硬度計で測定した結果である。プラズマ処理前、
すなわちDLC層2の硬度は前述のごとく3300であり、
負のRFバイアス電圧が150V以下(RFバイアス電圧
が-150V以上)ではフッ素化処理を行っても硬度は変わ
っていないが、150Vを超えること(RFバイアス電圧
が-150 Vより小さくなること)により硬度の低下が見
られている。バイアス電圧−150 Vで処理したときの最
表面での組成は図7より0.9 であることより、改質面に
フッ素が多く入り込むことにより、DLC層2における
強固なC同士の結合(C−C結合)を阻害したことに基
づくものと考えられる。図10はRFバイアス電圧をパ
ラメータとしてプラズマ処理した際のDLC層2におけ
るエッチング深さを測定した結果である。負のRFバイ
アス電圧の増加により、高エネルギ化されたイオンの影
響でエッチング量が徐々に増しているが、負のRFバイ
アス電圧を150 Vよりも大きくすると(RFバイアス電
圧を-150Vより小さくすると)、そのエネルギによりD
LC層2のエッチング量が急激に増加し、硬質層として
のDLC層2の薄膜化を招き、適当でない。このため、
RFバイアス電圧は-60Vから-150 Vの範囲内にあるこ
とが重要である。なお、このRFバイアス電圧-150Vは
図9に示す改質表面の硬度の低下の見られる電圧と合致
しており、改質表面へのフッ素の多量の含有が、硬度の
低下とエッチング量の増大を招いたものと考えられる。 (実施例2)図2は本願発明の実施例2による基板表面
を被覆する表面被覆層の構成を示す断面図であり、図1
と同一符号は同一または相当する部分を示し、3aはC
−F結合を有するフッ素含有カーボン層である。このフ
ッ素含有カーボン層3aはDLC層2の表面上に堆積形
成されたもので、最表面5ではフッ素原子数とカーボン
原子数の比(F/C値)が0.55以上になっている。
て前記プラズマ処理した改質表面の硬度をマイクロビッ
カース硬度計で測定した結果である。プラズマ処理前、
すなわちDLC層2の硬度は前述のごとく3300であり、
負のRFバイアス電圧が150V以下(RFバイアス電圧
が-150V以上)ではフッ素化処理を行っても硬度は変わ
っていないが、150Vを超えること(RFバイアス電圧
が-150 Vより小さくなること)により硬度の低下が見
られている。バイアス電圧−150 Vで処理したときの最
表面での組成は図7より0.9 であることより、改質面に
フッ素が多く入り込むことにより、DLC層2における
強固なC同士の結合(C−C結合)を阻害したことに基
づくものと考えられる。図10はRFバイアス電圧をパ
ラメータとしてプラズマ処理した際のDLC層2におけ
るエッチング深さを測定した結果である。負のRFバイ
アス電圧の増加により、高エネルギ化されたイオンの影
響でエッチング量が徐々に増しているが、負のRFバイ
アス電圧を150 Vよりも大きくすると(RFバイアス電
圧を-150Vより小さくすると)、そのエネルギによりD
LC層2のエッチング量が急激に増加し、硬質層として
のDLC層2の薄膜化を招き、適当でない。このため、
RFバイアス電圧は-60Vから-150 Vの範囲内にあるこ
とが重要である。なお、このRFバイアス電圧-150Vは
図9に示す改質表面の硬度の低下の見られる電圧と合致
しており、改質表面へのフッ素の多量の含有が、硬度の
低下とエッチング量の増大を招いたものと考えられる。 (実施例2)図2は本願発明の実施例2による基板表面
を被覆する表面被覆層の構成を示す断面図であり、図1
と同一符号は同一または相当する部分を示し、3aはC
−F結合を有するフッ素含有カーボン層である。このフ
ッ素含有カーボン層3aはDLC層2の表面上に堆積形
成されたもので、最表面5ではフッ素原子数とカーボン
原子数の比(F/C値)が0.55以上になっている。
【0067】次に、この図2に示す本実施例の表面被覆
層の形成方法を以下に説明する。前記実施例1による形
成方法と同じ図2の装置を用い、実施例1の形成方法と
同様に処理チャンバ22内に、CH4 ガスのプラズマをプラ
ズマ発生室23にてArガスのプラズマを発生させることに
より発生させ、厚み500nmのDLC層2を基板1の微
小な凹凸を有する表面4上に形成する。そしてこの後、
第2ガス導入系29からCH4 ガスとCF4ガスの混合ガスを
処理チャンバ22内に導入し、これらCH4 ガスとCF4 ガス
のプラズマを発生させ、厚み50nmのフッ素含有カーボ
ン層3をDLC層2の上に堆積形成する。この際、第1
ガス導入系24からArガスを10sccm、第2ガス導入系29か
らCH4 ガスを20sccm、CF4 ガスを10sccmの流量で供給
し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torrとした。また、
マイクロ波電力発生器25から200 Wのマイクロ波電力を
投入し、ArのECRプラズマを発生させ、原料ガスのCH
4 ガスとCF4 ガスを分解合成して、これらガスのプラズ
マを発生させる。なお、第1ガス導入系24からプラズマ
発生室23に直接CH4ガスとCF4ガスを導入し、これらガス
のプラズマを発生させてフッ素含有カーボン層3を形成
しても良い。
層の形成方法を以下に説明する。前記実施例1による形
成方法と同じ図2の装置を用い、実施例1の形成方法と
同様に処理チャンバ22内に、CH4 ガスのプラズマをプラ
ズマ発生室23にてArガスのプラズマを発生させることに
より発生させ、厚み500nmのDLC層2を基板1の微
小な凹凸を有する表面4上に形成する。そしてこの後、
第2ガス導入系29からCH4 ガスとCF4ガスの混合ガスを
処理チャンバ22内に導入し、これらCH4 ガスとCF4 ガス
のプラズマを発生させ、厚み50nmのフッ素含有カーボ
ン層3をDLC層2の上に堆積形成する。この際、第1
ガス導入系24からArガスを10sccm、第2ガス導入系29か
らCH4 ガスを20sccm、CF4 ガスを10sccmの流量で供給
し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torrとした。また、
マイクロ波電力発生器25から200 Wのマイクロ波電力を
投入し、ArのECRプラズマを発生させ、原料ガスのCH
4 ガスとCF4 ガスを分解合成して、これらガスのプラズ
マを発生させる。なお、第1ガス導入系24からプラズマ
発生室23に直接CH4ガスとCF4ガスを導入し、これらガス
のプラズマを発生させてフッ素含有カーボン層3を形成
しても良い。
【0068】前記実施例1と同様に、本実施例において
もフッ素含有カーボン層3aの形成の際、基板1には負
のRFバイアス電圧を印加しているが、この負のRFバ
イアス電圧の増加に伴い、フッ素含有カーボン層3(3
a)はバイアス電圧によって高エネルギ化されたイオン
の効果によってその硬度が増すこととなる。そして、フ
ッ素含有カーボン層3表面の撥水性能は負のRFバイア
ス電圧を60V以上(RFバイアス電圧を-60V 以下)に
することにより、その撥水性能の経時変化がほとんどな
いものとなり、耐久性のある撥水性表面を提供できる。
本実施例の方法では、前記実施例1の方法のように、D
LC層2の表面にプラズマを照射して、DLC層2の表
面、すなわち、その上層部をフッ素含有カーボン層3に
改質するのとは異なり、DLC層2の表面上にフッ素含
有カーボン層3aを堆積形成するものである。従って、
前記実施例1の方法で見られたDLC層2のエッチング
浸食は基本的には起こらない。しかし、負のRFバイア
ス電圧を240 Vより大きくすると(RFバイアス電圧を
を-240Vより小さくすると)、イオンの高エネルギ化に
より、膜形成能と,既に得られた膜の被エッチング能が
バランスしてしまい、フッ素含有カーボン層3aの膜の
堆積速度(成膜速度)が極めて小さくなってしまうの
で、適当でない。以上より、本実施例方法ではフッ素含
有カーボン層3aの形成において、RFバイアス電圧は
-60Vから-240 Vの範囲にあることが好ましい。
もフッ素含有カーボン層3aの形成の際、基板1には負
のRFバイアス電圧を印加しているが、この負のRFバ
イアス電圧の増加に伴い、フッ素含有カーボン層3(3
a)はバイアス電圧によって高エネルギ化されたイオン
の効果によってその硬度が増すこととなる。そして、フ
ッ素含有カーボン層3表面の撥水性能は負のRFバイア
ス電圧を60V以上(RFバイアス電圧を-60V 以下)に
することにより、その撥水性能の経時変化がほとんどな
いものとなり、耐久性のある撥水性表面を提供できる。
本実施例の方法では、前記実施例1の方法のように、D
LC層2の表面にプラズマを照射して、DLC層2の表
面、すなわち、その上層部をフッ素含有カーボン層3に
改質するのとは異なり、DLC層2の表面上にフッ素含
有カーボン層3aを堆積形成するものである。従って、
前記実施例1の方法で見られたDLC層2のエッチング
浸食は基本的には起こらない。しかし、負のRFバイア
ス電圧を240 Vより大きくすると(RFバイアス電圧を
を-240Vより小さくすると)、イオンの高エネルギ化に
より、膜形成能と,既に得られた膜の被エッチング能が
バランスしてしまい、フッ素含有カーボン層3aの膜の
堆積速度(成膜速度)が極めて小さくなってしまうの
で、適当でない。以上より、本実施例方法ではフッ素含
有カーボン層3aの形成において、RFバイアス電圧は
-60Vから-240 Vの範囲にあることが好ましい。
【0069】なお、本実施例において、DLC層2の形
成の後、基板1を大気中に戻し、再び減圧状態にしてフ
ッ素含有カーボン層3aを形成すると、両層の界面に酸
素を僅かに含む仲介層が形成され、この仲介層が形成さ
れるとDLC層2とフッ素含有カーボン層3aとの付着
性が悪くなり、表面被覆層の強度が低下する傾向とな
る。したがって、DLC層2の形成工程とフッ素含有カ
ーボン層3aの形成工程の間で基板1を大気状態に戻す
ことなく、減圧状態にされた処理チャンバ22でDLC層
2とフッ素含有カーボン層3aを連続的に形成するのが
好ましい。 (実施例3)本発明の実施例3による基板表面を被覆す
る表面被覆層について説明する。本実施例3の表面被覆
層の構成は基本的には前記実施例2の表面被覆層のそれ
と同じであるが(図2参照)、C−F結合を有するフッ
素含有カーボン層3aが、そのDLC層2との界面6か
らその最表面5に向かってF/C値が次第に増加し、最
表面5においてF/C値が0.55以上になっているもので
ある。このように、フッ素含有カーボン層3aにそのD
LC層2との界面6からその最表面5に向かって含有さ
れるフッ素原子の割合を増加させることにより、下層で
あるDLC層2との間の熱膨張係数の差や内部応力の相
違が緩和され、表面被覆層の機械的強度がより一層向上
する。
成の後、基板1を大気中に戻し、再び減圧状態にしてフ
ッ素含有カーボン層3aを形成すると、両層の界面に酸
素を僅かに含む仲介層が形成され、この仲介層が形成さ
れるとDLC層2とフッ素含有カーボン層3aとの付着
性が悪くなり、表面被覆層の強度が低下する傾向とな
る。したがって、DLC層2の形成工程とフッ素含有カ
ーボン層3aの形成工程の間で基板1を大気状態に戻す
ことなく、減圧状態にされた処理チャンバ22でDLC層
2とフッ素含有カーボン層3aを連続的に形成するのが
好ましい。 (実施例3)本発明の実施例3による基板表面を被覆す
る表面被覆層について説明する。本実施例3の表面被覆
層の構成は基本的には前記実施例2の表面被覆層のそれ
と同じであるが(図2参照)、C−F結合を有するフッ
素含有カーボン層3aが、そのDLC層2との界面6か
らその最表面5に向かってF/C値が次第に増加し、最
表面5においてF/C値が0.55以上になっているもので
ある。このように、フッ素含有カーボン層3aにそのD
LC層2との界面6からその最表面5に向かって含有さ
れるフッ素原子の割合を増加させることにより、下層で
あるDLC層2との間の熱膨張係数の差や内部応力の相
違が緩和され、表面被覆層の機械的強度がより一層向上
する。
【0070】本実施例の表面被覆層の形成方法を以下に
示す。前記実施例2のそれと同様にして、処理チャンバ
22内に表面に微小な凹凸4を有する基板1を設置し、第
1ガス導入系24からCH4ガスとCF4ガスを供給する。図11
(a)のA期間に示すように、成膜当初は原料ガスをCH4
ガスのみとしてそのプラズマを発生させ、基板1上にD
LC層2を堆積形成する。この際、CH4 ガスの流量を20
sccmとして供給し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torr
にし、200Wのマイクロ波電力を投入し、基板1には負
のRFバイアス電圧を120 V印加してECRプラズマを
発生させ、DLC層2を500nm の膜厚で形成した。この
後、CH4 ガスにCF4ガスを添加し、図11(a) のB期間に
示すように、その分圧比率(分圧(CF4)/分圧(CH4) )
を順次増加させてフッ素含有カーボン層3aを200nm の
膜厚で形成する。このフッ素含有カーボン層3aの形成
の際、DLC層2の形成と同様に基板1には負のRFバ
イアス電圧を印加するが、負のRFバイアス電圧の増加
に伴い、フッ素含有カーボン層3aはバイアス電圧によ
って高エネルギ化されたイオンの効果によりその硬度が
増す。フッ素含有カーボン層3aに基づく表面の撥水性
能は負のRFバイアス電圧が60V以上で経時変化のほと
んどない耐久性のある撥水性能となる。しかし、負のR
Fバイアス電圧を240 Vより大きくすると、前述のごと
く、イオンの高エネルギ化により、膜形成能と、膜の被
エッチング能がバランスするため、フッ素含有カーボン
層3aの堆積速度は極めて小さくなってしまう。以上よ
り、分圧比率(分圧(CF4)/分圧(CH4))を順次変化させ
て、そのDLC層2との界面6からその最表面5に向か
って含有されるフッ素原子の割合が増加したフッ素含有
カーボン層3aを形成する場合においても、RFバイア
ス電圧を-60Vから-240 Vの範囲にするのが好ましい。
示す。前記実施例2のそれと同様にして、処理チャンバ
22内に表面に微小な凹凸4を有する基板1を設置し、第
1ガス導入系24からCH4ガスとCF4ガスを供給する。図11
(a)のA期間に示すように、成膜当初は原料ガスをCH4
ガスのみとしてそのプラズマを発生させ、基板1上にD
LC層2を堆積形成する。この際、CH4 ガスの流量を20
sccmとして供給し、処理チャンバ22の圧力を4x10-4Torr
にし、200Wのマイクロ波電力を投入し、基板1には負
のRFバイアス電圧を120 V印加してECRプラズマを
発生させ、DLC層2を500nm の膜厚で形成した。この
後、CH4 ガスにCF4ガスを添加し、図11(a) のB期間に
示すように、その分圧比率(分圧(CF4)/分圧(CH4) )
を順次増加させてフッ素含有カーボン層3aを200nm の
膜厚で形成する。このフッ素含有カーボン層3aの形成
の際、DLC層2の形成と同様に基板1には負のRFバ
イアス電圧を印加するが、負のRFバイアス電圧の増加
に伴い、フッ素含有カーボン層3aはバイアス電圧によ
って高エネルギ化されたイオンの効果によりその硬度が
増す。フッ素含有カーボン層3aに基づく表面の撥水性
能は負のRFバイアス電圧が60V以上で経時変化のほと
んどない耐久性のある撥水性能となる。しかし、負のR
Fバイアス電圧を240 Vより大きくすると、前述のごと
く、イオンの高エネルギ化により、膜形成能と、膜の被
エッチング能がバランスするため、フッ素含有カーボン
層3aの堆積速度は極めて小さくなってしまう。以上よ
り、分圧比率(分圧(CF4)/分圧(CH4))を順次変化させ
て、そのDLC層2との界面6からその最表面5に向か
って含有されるフッ素原子の割合が増加したフッ素含有
カーボン層3aを形成する場合においても、RFバイア
ス電圧を-60Vから-240 Vの範囲にするのが好ましい。
【0071】なお、フッ素含有カーボン層3aの形成に
当たり、図11(b) のB期間に示すように分圧比率(分圧
(CF4)/分圧(CH4))を順次増加させ、層形成の終了時の
C期間にはCF4 ガスのみとしてその最表面を改質するこ
とによっても、撥水性能の耐久性に優れたフッ素含有カ
ーボン層3aを形成することができる。なお、このよう
に、フッ素含有カーボン層形成の最終工程で原料ガスを
CF4 ガスのみとした場合は、RFバイアス電圧を-60V
から-240Vの範囲から-60Vから-150Vの範囲に変更す
ることが適当である。なぜなら、CF4 のみのプラズマを
照射する場合、-150Vを超えるとエッチング量が急激に
増えるため、それまでに形成してきたフッ素含有カーボ
ン層を浸食してしまう恐れがあるからである。 (実施例4)図12は本発明の実施例4による熱交換器用
フィンの構成を示す図であり、図12(a)は熱交換器用フ
ィンの組立構成を示す斜視図、図12(b)はフィン用金属
薄板の構成を示す図である。熱交換器用フィンは、冷媒
を流す複数の伝熱管46が複数のホール部47が形成された
複数のフィン用金属薄板41のホール部47に挿入されて組
み立てられている。金属薄板41の両表面44には微小な凹
凸が形成され、この両表面44上にDLC層42とC−F結
合を有するフッ素含有カーボン層43が積層されている。
ここで、フッ素含有カーボン層43の最表面45ではフッ素
原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上と
なっている。
当たり、図11(b) のB期間に示すように分圧比率(分圧
(CF4)/分圧(CH4))を順次増加させ、層形成の終了時の
C期間にはCF4 ガスのみとしてその最表面を改質するこ
とによっても、撥水性能の耐久性に優れたフッ素含有カ
ーボン層3aを形成することができる。なお、このよう
に、フッ素含有カーボン層形成の最終工程で原料ガスを
CF4 ガスのみとした場合は、RFバイアス電圧を-60V
から-240Vの範囲から-60Vから-150Vの範囲に変更す
ることが適当である。なぜなら、CF4 のみのプラズマを
照射する場合、-150Vを超えるとエッチング量が急激に
増えるため、それまでに形成してきたフッ素含有カーボ
ン層を浸食してしまう恐れがあるからである。 (実施例4)図12は本発明の実施例4による熱交換器用
フィンの構成を示す図であり、図12(a)は熱交換器用フ
ィンの組立構成を示す斜視図、図12(b)はフィン用金属
薄板の構成を示す図である。熱交換器用フィンは、冷媒
を流す複数の伝熱管46が複数のホール部47が形成された
複数のフィン用金属薄板41のホール部47に挿入されて組
み立てられている。金属薄板41の両表面44には微小な凹
凸が形成され、この両表面44上にDLC層42とC−F結
合を有するフッ素含有カーボン層43が積層されている。
ここで、フッ素含有カーボン層43の最表面45ではフッ素
原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上と
なっている。
【0072】本実施例の熱交換器用フィンの製造方法を
以下に示す。図13に示すように、プレス用金型49,50 で
アルミより成る金属薄板41をプレス加工し、金属薄板41
の表面に微小な凹凸を形成するとともに、複数の伝熱管
46を挿入するためのホール部47を形成する。ここで、プ
レス用金型49,50 はその表面に微小な凹凸を有するとと
もに、ホール部47を形成するための打ち抜き部48を有し
ている。かかる金属薄板41のプレス加工により、その表
面に微小な凹凸を有するフィン用金属薄板41を安価で大
量に製作することができる。この後、複数の金属薄板41
の複数のホール部47の各々に伝熱管46を挿入して、熱交
換器用フィンを組み立てる。
以下に示す。図13に示すように、プレス用金型49,50 で
アルミより成る金属薄板41をプレス加工し、金属薄板41
の表面に微小な凹凸を形成するとともに、複数の伝熱管
46を挿入するためのホール部47を形成する。ここで、プ
レス用金型49,50 はその表面に微小な凹凸を有するとと
もに、ホール部47を形成するための打ち抜き部48を有し
ている。かかる金属薄板41のプレス加工により、その表
面に微小な凹凸を有するフィン用金属薄板41を安価で大
量に製作することができる。この後、複数の金属薄板41
の複数のホール部47の各々に伝熱管46を挿入して、熱交
換器用フィンを組み立てる。
【0073】以上が熱交換器用フィンの基本的な組み立
て工程であるが、本実施例では、組み立て前に、図3に
示した処理装置を用いて、実施例1または実施例2の製
造方法と同様にして、このアルミより成る金属薄板41の
表面にDLC層42を形成し、この上にC−F結合を有す
るフッ素含有カーボン層43をDLC層42表面の改質によ
って、あるいはプラズマの堆積によって形成する。CF4
ガス のプラズマによりDLC層42表面を改質してフッ
素含有カーボン層43を形成する場合はRFバイアス電圧
を-60Vから-150Vの範囲で印加することが望ましい。
また、CH4ガス とCF4ガスのプラズマによりフッ素含有
カーボン層43を堆積形成する場合は、RFバイアス電圧
を-60Vから-240 Vの範囲で印加するとよい。これによ
り、最表面45におけるフッ素原子数とカーボン原子数の
比(F/C値)を0.55以上にして耐久性のある撥水性能
を有し、かつ高硬度の撥水性表面を形成できる。
て工程であるが、本実施例では、組み立て前に、図3に
示した処理装置を用いて、実施例1または実施例2の製
造方法と同様にして、このアルミより成る金属薄板41の
表面にDLC層42を形成し、この上にC−F結合を有す
るフッ素含有カーボン層43をDLC層42表面の改質によ
って、あるいはプラズマの堆積によって形成する。CF4
ガス のプラズマによりDLC層42表面を改質してフッ
素含有カーボン層43を形成する場合はRFバイアス電圧
を-60Vから-150Vの範囲で印加することが望ましい。
また、CH4ガス とCF4ガスのプラズマによりフッ素含有
カーボン層43を堆積形成する場合は、RFバイアス電圧
を-60Vから-240 Vの範囲で印加するとよい。これによ
り、最表面45におけるフッ素原子数とカーボン原子数の
比(F/C値)を0.55以上にして耐久性のある撥水性能
を有し、かつ高硬度の撥水性表面を形成できる。
【0074】図14は図3に示されたものとは別の基材表
面に表面被覆層を形成するための装置であり、処理チャ
ンバ22に、これを挟んで対向配置した2つのプラズマ発
生室23を接続し、各プラズマ発生室23におけるマイクロ
波と磁場の相互作用によりECRプラズマが同時に発生
するよう構成されたもので、処理チャンバ22の中央に配
置されたフィン用金属薄板41の両表面にプラズマが同時
に照射されるようになっている。フィン用金属薄板41に
はRF電源28を接続させ、RFバイアス電圧を印加す
る。かかる装置を用いれば、フィン用金属薄板41の両面
に同時にDLC層42及びフッ素含有カーボン層43を形成
できるので、熱交換器用フィン量産時における製造時間
を短縮することができる。 (実施例5)図15は本発明の実施例5による熱交換器用
フィンのフィン用金属薄板の構成を示す断面図であり、
図において、図12(a)と同一符号は同一または相当す
る部分を示し、43a はC−F結合を有するフッ素含有カ
ーボン層である。このC−F結合を有するフッ素含有カ
ーボン層3aは、そのDLC層42との界面51からその最
表面45に向かってF/C値が次第に増加し、最表面45に
おいてF/C値が0.55以上になっているものである。こ
のC−F結合を有するフッ素含有カーボン層3aの形成
方法は、実施例4と同様にしてフィン用金属薄板41を作
製し、その表面に実施例3と同様の処理方法でDLC層
42とフッ素含有カーボン層43a を形成する。また、この
DLC層42とフッ素含有カーボン層43a の形成時、図14
に示すような、プラズマ発生室23を2つ有する処理装置
を用いることによりフィン用金属薄板41の両面にDLC
層42とフッ素含有カーボン層43a を同時に形成できるの
で、製造効率を向上できる。 (実施例6)本実施例6は本発明を調理用ホットプレー
トに適用した例である。図16は本実施例6による調理用
ホットプレートの構成を示す断面図であり、ヒータ66の
上に本体67の支持部68を介してステンレス製加熱板61が
配置されて、温度コントローラ部69によって加熱板61の
温度制御がなされる。加熱板61の表面64には微小な凹凸
が形成され、この表面上にDLC層62とC−F結合を有
するフッ素含有カーボン層63がこの順に積層されてい
る。フッ素含有カーボン層63の最表面65はフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上になって
いる。ここで、加熱板61の表面にDLC層62とフッ素含
有カーボン層63をこの順に積層して形成する方法は、前
記実施例のそれと同様にして行われる。
面に表面被覆層を形成するための装置であり、処理チャ
ンバ22に、これを挟んで対向配置した2つのプラズマ発
生室23を接続し、各プラズマ発生室23におけるマイクロ
波と磁場の相互作用によりECRプラズマが同時に発生
するよう構成されたもので、処理チャンバ22の中央に配
置されたフィン用金属薄板41の両表面にプラズマが同時
に照射されるようになっている。フィン用金属薄板41に
はRF電源28を接続させ、RFバイアス電圧を印加す
る。かかる装置を用いれば、フィン用金属薄板41の両面
に同時にDLC層42及びフッ素含有カーボン層43を形成
できるので、熱交換器用フィン量産時における製造時間
を短縮することができる。 (実施例5)図15は本発明の実施例5による熱交換器用
フィンのフィン用金属薄板の構成を示す断面図であり、
図において、図12(a)と同一符号は同一または相当す
る部分を示し、43a はC−F結合を有するフッ素含有カ
ーボン層である。このC−F結合を有するフッ素含有カ
ーボン層3aは、そのDLC層42との界面51からその最
表面45に向かってF/C値が次第に増加し、最表面45に
おいてF/C値が0.55以上になっているものである。こ
のC−F結合を有するフッ素含有カーボン層3aの形成
方法は、実施例4と同様にしてフィン用金属薄板41を作
製し、その表面に実施例3と同様の処理方法でDLC層
42とフッ素含有カーボン層43a を形成する。また、この
DLC層42とフッ素含有カーボン層43a の形成時、図14
に示すような、プラズマ発生室23を2つ有する処理装置
を用いることによりフィン用金属薄板41の両面にDLC
層42とフッ素含有カーボン層43a を同時に形成できるの
で、製造効率を向上できる。 (実施例6)本実施例6は本発明を調理用ホットプレー
トに適用した例である。図16は本実施例6による調理用
ホットプレートの構成を示す断面図であり、ヒータ66の
上に本体67の支持部68を介してステンレス製加熱板61が
配置されて、温度コントローラ部69によって加熱板61の
温度制御がなされる。加熱板61の表面64には微小な凹凸
が形成され、この表面上にDLC層62とC−F結合を有
するフッ素含有カーボン層63がこの順に積層されてい
る。フッ素含有カーボン層63の最表面65はフッ素原子数
とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以上になって
いる。ここで、加熱板61の表面にDLC層62とフッ素含
有カーボン層63をこの順に積層して形成する方法は、前
記実施例のそれと同様にして行われる。
【0075】このような本実施例のホットプレート用の
加熱板61では、その表面にDLC層62と,最表面65のフ
ッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以
上であるC−F結合を有するフッ素含有カーボン層63と
がこの順に積層され、撥水性のみならず、撥油性も備え
ているため、水や油をよくはじくことができ、よごれが
落ちやすくなる。また、DLC層62とフッ素含有カーボ
ン層63は高硬度であるので、従来のその表面がテフロン
処理されたものでは使用できなかった、金製のヘラやシ
ャクシを使用して調理を行うことができ、極めて便利な
ものとなる。
加熱板61では、その表面にDLC層62と,最表面65のフ
ッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)が0.55以
上であるC−F結合を有するフッ素含有カーボン層63と
がこの順に積層され、撥水性のみならず、撥油性も備え
ているため、水や油をよくはじくことができ、よごれが
落ちやすくなる。また、DLC層62とフッ素含有カーボ
ン層63は高硬度であるので、従来のその表面がテフロン
処理されたものでは使用できなかった、金製のヘラやシ
ャクシを使用して調理を行うことができ、極めて便利な
ものとなる。
【0076】なお、前記実施例1〜6では基板表面にア
ルミナ粉体を吹き付けて、表面に中心線平均表面粗さ
(Ra)が2μmの微小な凹凸を形成したが、本発明では
表面が平坦な基板を用いても、この表面にDLC層と,
その最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上であるC−F結合を有するフッ
素含有カーボン層をこの順に積層した表面被覆層を形成
することにより、優れた撥水性能が長期にわたって維持
されるとともに、高機械的強度を有する表面を得ること
ができる。ただし、基板表面を中心線平均粗さ(Ra)
が0.1μm 〜5.0μm の範囲にある微小な凹凸を有するも
のとすることにより、得られる基板表面被覆層の表面に
もこの中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm 〜5.0μm の範
囲にある微小な凹凸に対応した微小な凹凸が形成される
ので、基板表面が平坦である場合、すなわち、基板表面
被覆層の表面が平坦である場合に比して、基板表面被覆
層の表面と水滴間の付着張力がより一層減少し、撥水性
能がより一層向上したものとなる。
ルミナ粉体を吹き付けて、表面に中心線平均表面粗さ
(Ra)が2μmの微小な凹凸を形成したが、本発明では
表面が平坦な基板を用いても、この表面にDLC層と,
その最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上であるC−F結合を有するフッ
素含有カーボン層をこの順に積層した表面被覆層を形成
することにより、優れた撥水性能が長期にわたって維持
されるとともに、高機械的強度を有する表面を得ること
ができる。ただし、基板表面を中心線平均粗さ(Ra)
が0.1μm 〜5.0μm の範囲にある微小な凹凸を有するも
のとすることにより、得られる基板表面被覆層の表面に
もこの中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm 〜5.0μm の範
囲にある微小な凹凸に対応した微小な凹凸が形成される
ので、基板表面が平坦である場合、すなわち、基板表面
被覆層の表面が平坦である場合に比して、基板表面被覆
層の表面と水滴間の付着張力がより一層減少し、撥水性
能がより一層向上したものとなる。
【0077】また、前記実施例1〜6では炭素を含む原
料ガスとしてCH4 ガスを用いたが、本発明ではこれに限
定されず、C2H6ガス,C3H8ガス等の他の脂肪族炭化水素
ガスや、C6H6(ベンゼン)ガス等の芳香族炭化水素ガス
を原料ガスとして用いてもよい。
料ガスとしてCH4 ガスを用いたが、本発明ではこれに限
定されず、C2H6ガス,C3H8ガス等の他の脂肪族炭化水素
ガスや、C6H6(ベンゼン)ガス等の芳香族炭化水素ガス
を原料ガスとして用いてもよい。
【0078】また、前記実施例1〜6ではフッ素を含む
ガスとしてCF4 ガスを用いたが、CHF3ガス等の他の炭素
系ガスや、SF6ガスあるいはNF3ガス等のフッ素を含むイ
オウ系ガスや窒素系ガスを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
ガスとしてCF4 ガスを用いたが、CHF3ガス等の他の炭素
系ガスや、SF6ガスあるいはNF3ガス等のフッ素を含むイ
オウ系ガスや窒素系ガスを用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0079】また、前記実施例1〜6ではステンレス製
基板を用いる場合を説明したが、本発明はアルミニウ
ム,チタン,ニッケル及び銅等のステンレス以外の他の
金属をその主成分として構成された基板、または、プラ
スチック,ガラス等の金属以外の他の材料からなる基板
を用いる場合にも適用することができる。
基板を用いる場合を説明したが、本発明はアルミニウ
ム,チタン,ニッケル及び銅等のステンレス以外の他の
金属をその主成分として構成された基板、または、プラ
スチック,ガラス等の金属以外の他の材料からなる基板
を用いる場合にも適用することができる。
【0080】また、前記実施例1〜6では表面被覆層を
形成する基材として基板を用いる場合を説明したが、本
発明は板状材だけでなく、棒状材,ブロック状材等の他
の形状の基材を用いる場合にも適用することができる。
形成する基材として基板を用いる場合を説明したが、本
発明は板状材だけでなく、棒状材,ブロック状材等の他
の形状の基材を用いる場合にも適用することができる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる基材表面
被覆層によれば、基材表面に形成されたダイヤモンド状
カーボン層と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成
されたその最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子
数の比(F/C値)が0.55以上である,C−F結合を有
するフッ素含有カーボン層とからなるものとしたので、
前記ダイヤモンド状カーボン層はその硬度が3000(マイ
クロビッカース硬度)以上と極めて硬質であり、この極
めて硬質のダイヤモンド状カーボン層の表面に、フッ素
をC−F結合化することにより含有させた,低表面エネ
ルギを有するフッ素含有カーボン層が形成されているこ
とから、優れた撥水性能と高機械的強度を有する基材表
面被覆層を得ることができ、特に、フッ素含有カーボン
層の最表面においてフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上にしているので、優れた撥水性
能を長期にわたって維持することができる。
被覆層によれば、基材表面に形成されたダイヤモンド状
カーボン層と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成
されたその最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子
数の比(F/C値)が0.55以上である,C−F結合を有
するフッ素含有カーボン層とからなるものとしたので、
前記ダイヤモンド状カーボン層はその硬度が3000(マイ
クロビッカース硬度)以上と極めて硬質であり、この極
めて硬質のダイヤモンド状カーボン層の表面に、フッ素
をC−F結合化することにより含有させた,低表面エネ
ルギを有するフッ素含有カーボン層が形成されているこ
とから、優れた撥水性能と高機械的強度を有する基材表
面被覆層を得ることができ、特に、フッ素含有カーボン
層の最表面においてフッ素原子数とカーボン原子数の比
(F/C値)が0.55以上にしているので、優れた撥水性
能を長期にわたって維持することができる。
【0082】次に、本発明にかかる基材表面被覆層の形
成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ素
含有ガスのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層の
表面に照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上層
部をC−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質す
るので、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、
これが長期にわたって維持される基材表面被覆層を再現
性よく、いかも高効率に形成することができる。
成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ素
含有ガスのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層の
表面に照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上層
部をC−F結合を有するフッ素含有カーボン層に改質す
るので、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、
これが長期にわたって維持される基材表面被覆層を再現
性よく、いかも高効率に形成することができる。
【0083】更に、本発明にかかる基材表面被覆層の形
成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化水
素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原
料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−F
結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するの
で、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、これ
が長期にわたって維持される基材表面被覆層を再現性よ
く、しかも高効率に形成することができる。
成方法によれば、炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で,炭化水
素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原
料にして,前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−F
結合を有するフッ素含有カーボン層を堆積形成するの
で、前記の優れた撥水性能と高機械的強度を有し、これ
が長期にわたって維持される基材表面被覆層を再現性よ
く、しかも高効率に形成することができる。
【0084】次に、本発明にかかる熱交換器用フィンに
よれば、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数
の貫通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置
にある貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接す
る2つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成
されてなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板の
第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成
され、このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面に
おけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)
が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素含有カー
ボン層が形成されているので、前記金属薄板が前記の優
れた撥水性能と高機械的強度を有し、これが長期にわた
って維持される表面被覆層を有するものとなり、着霜す
ることなく、空気が円滑に流動する熱交換器用フィンを
得ることができる。また、前記表面被覆層が高熱伝導率
を有するので、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィン
を得ることができる。
よれば、その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各々が複数
の貫通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応する位置
にある貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板の隣接す
る2つの金属薄板間に空気が流動するための隙間が形成
されてなる熱交換器用フィンにおいて、前記金属薄板の
第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層が形成
され、このダイヤモンド状カーボン層上にその最表面に
おけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C値)
が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素含有カー
ボン層が形成されているので、前記金属薄板が前記の優
れた撥水性能と高機械的強度を有し、これが長期にわた
って維持される表面被覆層を有するものとなり、着霜す
ることなく、空気が円滑に流動する熱交換器用フィンを
得ることができる。また、前記表面被覆層が高熱伝導率
を有するので、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィン
を得ることができる。
【0085】次に、本発明にかかる熱交換器用フィンの
製造方法によれば、反応チャンバ内に前記金属薄板を配
置し、前記金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水
素系ガスのプラズマを原料にして,ダイヤモンド状カー
ボン層を堆積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧
値が−150 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を
印加し、この状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記
ダイヤモンド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイ
ヤモンド状カーボン層の上層部を、C−F結合を有する
フッ素含有カーボン層に改質する工程を含むものとした
ので、前記の着霜することなく、空気が円滑に流動し、
しかも、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンを合理
的に製造することができる。
製造方法によれば、反応チャンバ内に前記金属薄板を配
置し、前記金属薄板の第1及び第2の主面に前記炭化水
素系ガスのプラズマを原料にして,ダイヤモンド状カー
ボン層を堆積形成した後、前記金属薄板基材にその電圧
値が−150 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を
印加し、この状態で,フッ素含有ガスのプラズマを前記
ダイヤモンド状カーボン層の表面に照射して、前記ダイ
ヤモンド状カーボン層の上層部を、C−F結合を有する
フッ素含有カーボン層に改質する工程を含むものとした
ので、前記の着霜することなく、空気が円滑に流動し、
しかも、高熱伝達機能を有する熱交換器用フィンを合理
的に製造することができる。
【0086】更に、本発明にかかる熱交換器用フィンの
製造方法によれば、反応チャンバ内に前記金属薄板を配
置し、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金
属薄板の第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン
層を堆積形成した後、前記金属薄板にその電圧値が−24
0 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、
この状態で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有
ガスのプラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カー
ボン層上にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を
堆積形成する工程を含むものとしたので、前記の着霜す
ることなく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝達機
能を有する熱交換器用フィンを合理的に製造することが
できる。
製造方法によれば、反応チャンバ内に前記金属薄板を配
置し、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,前記金
属薄板の第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン
層を堆積形成した後、前記金属薄板にその電圧値が−24
0 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印加し、
この状態で,炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ素含有
ガスのプラズマを原料にして,前記ダイヤモンド状カー
ボン層上にC−F結合を有するフッ素含有カーボン層を
堆積形成する工程を含むものとしたので、前記の着霜す
ることなく、空気が円滑に流動し、しかも、高熱伝達機
能を有する熱交換器用フィンを合理的に製造することが
できる。
【図1】本発明の実施例1による基板表面を被覆する表
面被覆層の構成を示す断面図である。
面被覆層の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例1による基板表面を被覆する表
面被覆層の構成を示す断面図である。
面被覆層の構成を示す断面図である。
【図3】図1の表面被覆層の形成方法に適用される処理
装置の概略構成図である。
装置の概略構成図である。
【図4】図1の表面被覆層の形成時の基板電位(電圧)
を示した図である。
を示した図である。
【図5】図1の表面被覆層のプラズマ処理により表面改
質されたフッ素含有カーボン層表面の撥水性能を水の接
触角で評価した図である。
質されたフッ素含有カーボン層表面の撥水性能を水の接
触角で評価した図である。
【図6】 図1の表面被覆層のプラズマ処理により表面
改質されたフッ素含有カーボン層表面の撥水性能の経時
的変化を示した図である。
改質されたフッ素含有カーボン層表面の撥水性能の経時
的変化を示した図である。
【図7】 図1の表面被覆層のプラズマ処理により表面
改質されたフッ素含有カーボン層表面をX線光電子分光
法(XPS)で観察し、スペクトルを分析した結果を示
した図である。
改質されたフッ素含有カーボン層表面をX線光電子分光
法(XPS)で観察し、スペクトルを分析した結果を示
した図である。
【図8】 図1の表面被覆層のRFバイアス電圧をパラ
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、フッ素原
子数とカーボン原子数の比(F/C値)との関係を示し
た図である。
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、フッ素原
子数とカーボン原子数の比(F/C値)との関係を示し
た図である。
【図9】 図1の表面被覆層のRFバイアス電圧をパラ
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、硬度との
関係を示した図である。
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、硬度との
関係を示した図である。
【図10】 図1の表面被覆層のRFバイアス電圧をパラ
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、エッチン
グ深さとの関係を示した図である。
メータとしてプラズマ処理されたDLC層表面(フッ素
含有カーボン層表面)のRFバイアス電圧と、エッチン
グ深さとの関係を示した図である。
【図11】 本発明の実施例3による基板表面を被覆する
表面被覆層の形成工程における形成開始から形成終了ま
でのCH4 ガスとCF4 ガスの供給量変化を示した図であ
る。
表面被覆層の形成工程における形成開始から形成終了ま
でのCH4 ガスとCF4 ガスの供給量変化を示した図であ
る。
【図12】 本発明の実施例4による熱交換器用フィンの
構成を示す図で、図12(a)は熱交換器用フィンの組立構
成を示す斜視図、図12(b)はフィン用金属薄板の構成を
示す図である。
構成を示す図で、図12(a)は熱交換器用フィンの組立構
成を示す斜視図、図12(b)はフィン用金属薄板の構成を
示す図である。
【図13】 本発明の実施例4による熱交換器用フィンの
製造工程を示す図である。
製造工程を示す図である。
【図14】 図3の処理装置とは異なる構成からなる本発
明の表面被覆層の形成方法に適用される処理装置の概略
構成図である。
明の表面被覆層の形成方法に適用される処理装置の概略
構成図である。
【図15】 本発明の実施例5による熱交換器用フィンの
フィン用金属薄板の構成を示す断面図である。
フィン用金属薄板の構成を示す断面図である。
【図16】 本発明の実施例6による調理用ホットプレー
トの構成を示す断面図である。
トの構成を示す断面図である。
1 基板 2 DLC層 3 C−F結合を有するフッ素含有カーボン層 3a C−F結合を有するフッ素含有カーボン層 4 基板表面 5 フッ素含有カーボン層の最表面 21 排気系 22 処理チャンバ(反応チャンバ) 23 プラズマ発生室 24 第1ガス導入系 25 マイクロ波電力発生器 26 ソレノイドコイル 27 プラズマ 28 RF電源 41 フィン用金属薄板 42 DLC層 43,43a C−F結合を有するフッ素含有カーボン層 44 金属薄板の表面 45 フッ素含有カーボン層の最表面 48 打ち抜き部 49,50 プレス用金型 61 ステンレス製加熱板 62 DLC層 63 C−F結合を有するフッ素含有カーボン層 64 ステンレス製加熱板表面 65 フッ素含有カーボン層の最表面 66 ヒータ 67 本体 68 本体に形成されたステンレス製加熱板の支持部 69 温度コントローラ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F28F 19/04 F28F 19/04 A (72)発明者 塩川 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (25)
- 【請求項1】 基材表面に形成されたダイヤモンド状カ
ーボン層と、前記ダイヤモンド状カーボン層上に形成さ
れたその最表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数
の比(F/C値)が0.55以上である,C−F結合を有す
るフッ素含有カーボン層とからなる基材表面被覆層。 - 【請求項2】 前記フッ素含有カーボン層の前記最表面
におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C
値)が0.9 以下である請求項1に記載の基材表面被覆
層。 - 【請求項3】 前記フッ素含有カーボン層は、その前記
ダイヤモンド状カーボン層との界面からその前記最表面
に向かってフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C
値)が順次を増加したものである請求項1に記載の基材
表面被覆層。 - 【請求項4】 前記基材表面は微小な凹凸を有するもの
であり、前記フッ素含有カーボン層の前記最表面にはこ
の基材表面の微小な凹凸に対応した微小な凹凸が形成さ
れている請求項1に記載の基材表面被覆層。 - 【請求項5】 前記基材はステンレス,アルミニウム,
チタン,ニッケル及び銅から選ばれる少なくとも1つを
主成分として構成された金属製基板である請求項1に記
載の基材表面被覆層。 - 【請求項6】 前記ダイヤモンド状カーボン層の厚みが
100〜5000nmの範囲にあり、前記フッ素含有カ
ーボン層の厚みが5〜200nmの範囲にある請求項1
に記載の基材表面被覆層。 - 【請求項7】 炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−150 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、フッ素
含有ガスのプラズマを前記ダイヤモンド状カーボン層の
表面に照射して、前記ダイヤモンド状カーボン層の上層
部を、C−F結合を有する,フッ素含有カーボン層に改
質する基材表面被覆層の形成方法。 - 【請求項8】 前記炭化水素系ガスのプラズマを、前記
基材が配置され、前記基材表面への前記ダイヤモンド状
カーボン層の形成が行われる反応チャンバ内に、前記炭
化水素系ガスと,プラズマ発生室内にて発生させた不活
性元素ガスのプラズマとを導入することにより発生させ
る請求項7に記載の基材表面被覆層の形成方法。 - 【請求項9】 炭化水素系ガスのプラズマを原料にし
て,基材表面にダイヤモンド状カーボン層を堆積形成し
た後、前記基材にその電圧値が−240 V〜−60Vの範囲
にあるRFバイアス電圧を印加し、この状態で、炭化水
素系ガスのプラズマ及びフッ素含有ガスのプラズマを原
料にして、前記ダイヤモンド状カーボン層上に、C−F
結合を有する,フッ素含有カーボン層を堆積形成する基
材表面被覆層の形成方法。 - 【請求項10】 減圧状態に維持された反応チャンバ内
で、前記ダイヤモンド状カーボン層及びフッ素含有カー
ボン層の形成を連続的に行う請求項9に記載の基材表面
被覆層の形成方法。 - 【請求項11】 反応チャンバ内における炭化水素系ガ
スとフッ素含有ガスの分圧比率(フッ素含有ガスの分圧
/炭化水素系ガスの分圧)を順次増加させて前記フッ素
含有カーボン層の形成を行う請求項9に記載の基材表面
被覆層の形成方法。 - 【請求項12】 前記フッ素含有カーボン層の形成終了
時は前記反応チャンバ内をフッ素含有ガスのみとする請
求項11に記載の基材表面被覆層の形成方法。 - 【請求項13】 前記基材表面が微小な凹凸を有するも
のである請求項7または9に記載の基材表面被覆層の形
成方法。 - 【請求項14】 その内部に冷媒が流れる伝熱管が、各
々が複数の貫通穴を有する複数の金属薄板の互いに対応
する位置にある貫通穴に挿入され、前記複数の金属薄板
の隣接する2つの金属薄板間に空気が流動するための隙
間が形成されてなる熱交換器用フィンにおいて、前記金
属薄板第1及び第2の主面にダイヤモンド状カーボン層
が形成され、このダイヤモンド状カーボン層上にその最
表面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/
C値)が0.55以上である,C−F結合を有するフッ素含
有カーボン層が形成されていることを特徴とする熱交換
器用フィン。 - 【請求項15】 前記フッ素含有カーボン層の前記最表
面におけるフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/C
値)が0.9 以下である請求項14に記載の熱交換器用フ
ィン。 - 【請求項16】 前記フッ素含有カーボン層は、その前
記ダイヤモンド状カーボン層との界面からその前記最表
面に向かってフッ素原子数とカーボン原子数の比(F/
C値)が順次増加したものである請求項14に記載の熱
交換器用フィン。 - 【請求項17】 前記金属薄板の第1及び第2の主面は
微小な凹凸を有するものであり、前記フッ素含有カーボ
ン層の前記最表面にはこの金属薄板の第1及び第2の主
面の微小な凹凸に対応した微小な凹凸が形成されている
請求項14に記載の熱交換器用フィン。 - 【請求項18】 請求項14に記載の熱交換器用フィン
を製造する方法であって、反応チャンバ内に前記金属薄
板を配置し、前記金属薄板の第1及び第2の主面に前記
炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,ダイヤモンド
状カーボン層を堆積形成した後、前記金属薄板基材にそ
の電圧値が−150 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス
電圧を印加し、この状態で、フッ素含有ガスのプラズマ
を前記ダイヤモンド状カーボン層の表面に照射して、前
記ダイヤモンド状カーボン層の上層部を、C−F結合を
有する,フッ素含有カーボン層に改質する工程を含むこ
とを特徴とする熱交換器用フィンの製造方法。 - 【請求項19】 請求項14に記載の熱交換器用フィン
を製造する方法であって、反応チャンバ内に前記金属薄
板を配置し、炭化水素系ガスのプラズマを原料にして,
前記金属薄板の第1及び第2の主面にダイヤモンド状カ
ーボン層を堆積形成した後、前記金属薄板にその電圧値
が−240 V〜−60Vの範囲にあるRFバイアス電圧を印
加し、この状態で、炭化水素系ガスのプラズマ及びフッ
素含有ガスのプラズマを原料にして、前記ダイヤモンド
状カーボン層上に、C−F結合を有する,フッ素含有カ
ーボン層を堆積形成する工程を含むことを特徴とする熱
交換器用フィンの製造方法。 - 【請求項20】 前記反応チャンバ内における炭化水素
系ガスとフッ素含有ガスの分圧比率(フッ素含有ガスの
分圧/炭化水素系ガスの分圧)を順次増加させて前記フ
ッ素含有カーボン層の形成を行う請求項19に記載の熱
交換器用フィンの製造方法。 - 【請求項21】 前記フッ素含有カーボン層の形成終了
時は前記反応チャンバ内をフッ素含有ガスのみとする請
求項20に記載の表面被覆層の形成方法。 - 【請求項22】 その表面に微小な凹凸が形成された金
型により前記金属薄板をプレス加工して、前記金属薄板
の第1及び第2の主面に微小な凹凸を転写形成した後、
前記ダイヤモンド状カーボン層及びフッ素含有カーボン
層の形成を行う請求項19または20に記載の熱交換器
用フィンの製造方法。 - 【請求項23】 前記金型は前記プレス加工時に前記金
属薄板に貫通穴を形成するための打ち抜き加工部を有す
るものである請求項22に記載の熱交換器用フィンの製
造方法。 - 【請求項24】 相対向する第1及び第2の側壁にその
内部にプラズマを導入するための第1の開口部及び第2
の開口部がそれぞれ形成された反応チャンバ内の中間部
に前記金属薄板を配置し、前記第1の開口部及び第2の
開口部から導入される前記炭化水素系ガスのプラズマ及
びフッ素含有ガスのプラズマを原料にして、前記金属薄
板の第1及び第2の主面に同時に前記ダイヤモンド状カ
ーボン層及びフッ素含有カーボン層を形成する請求項1
9または20に記載の熱交換器用フィンの製造方法。 - 【請求項25】 前記基材が加熱調理用器具のその表面
にて調理が行われる金属製加熱板である請求項1〜6の
いずれかに記載の基材表面被覆層。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7146046A JPH08337874A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 基材表面被覆層及びその形成方法並びに熱交換器用フィン及びその製造方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7146046A JPH08337874A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 基材表面被覆層及びその形成方法並びに熱交換器用フィン及びその製造方法。 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08337874A true JPH08337874A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15398884
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7146046A Pending JPH08337874A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 基材表面被覆層及びその形成方法並びに熱交換器用フィン及びその製造方法。 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08337874A (ja) |
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