JPH08338005A - コンクリート橋梁の補強方法 - Google Patents
コンクリート橋梁の補強方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 コンクリート橋梁床版1の下面に固定具6に
よって補強用網鉄筋5を固定した後、同網鉄筋5を被覆
する被覆層9を形成するコンクリート橋梁の補強におい
て、網鉄筋5を既設コンクリート橋梁床版1下面に固定
するに際し、網鉄筋5を固定具6によって面方向に緊張
力を与える。 【効果】 網鉄筋にプレストレスが導入された状態とな
り、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合にも、網鉄筋が
この橋梁の変位に追従し、固定具との間に隙間が生じる
ことがなくなる。このため、網鉄筋と既設橋梁とのより
一層の一体化が図れ、長期にわたって効果を維持するこ
とができる。
よって補強用網鉄筋5を固定した後、同網鉄筋5を被覆
する被覆層9を形成するコンクリート橋梁の補強におい
て、網鉄筋5を既設コンクリート橋梁床版1下面に固定
するに際し、網鉄筋5を固定具6によって面方向に緊張
力を与える。 【効果】 網鉄筋にプレストレスが導入された状態とな
り、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合にも、網鉄筋が
この橋梁の変位に追従し、固定具との間に隙間が生じる
ことがなくなる。このため、網鉄筋と既設橋梁とのより
一層の一体化が図れ、長期にわたって効果を維持するこ
とができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート橋梁の桁
や床版(以下床版等という)下面に新たに鉄筋を付加し
て補強するコンクリート橋梁の補強方法に関する。
や床版(以下床版等という)下面に新たに鉄筋を付加し
て補強するコンクリート橋梁の補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート橋梁床版等は、自動車の輪
荷重が直接しかも繰り返し加わり、道路橋の主要部材の
中でも最も過酷な荷重・応力を受ける。このため、特に
床版等下面において、一方向のクラックから縦横のクラ
ックが発生し、さらにはこれらのクラックが成長して細
網化し、最終的にはコンクリートの剥落などの原因とな
る。
荷重が直接しかも繰り返し加わり、道路橋の主要部材の
中でも最も過酷な荷重・応力を受ける。このため、特に
床版等下面において、一方向のクラックから縦横のクラ
ックが発生し、さらにはこれらのクラックが成長して細
網化し、最終的にはコンクリートの剥落などの原因とな
る。
【0003】このような損傷は放置しておくと、クラッ
クがさらに進み鉄筋の腐食へと進展し、最終的には橋梁
の破壊にまで至る。このため、従来よりこのような事態
を避ける方法として、初期のクラックが発生した段階
で、コンクリート橋梁床版下面の適当な補修が行われて
いる。
クがさらに進み鉄筋の腐食へと進展し、最終的には橋梁
の破壊にまで至る。このため、従来よりこのような事態
を避ける方法として、初期のクラックが発生した段階
で、コンクリート橋梁床版下面の適当な補修が行われて
いる。
【0004】例えば、この補修方法として、床版等のク
ラック内にエポキシ樹脂を注入し、コンクリートとの一
体化を図る樹脂注入工法、床版等への雨水等の浸入を防
止するため、シートや塗布膜等の防止層を形成する防水
工法、床版コンクリート等の引っ張り縁にFRP(fi
ber reinforced plastics)を
接着するFRP接着工法、また床版等の豆板、空洞、剥
離等をセメントモルタルや樹脂モルタルによって埋める
断面補修工法等が採用されている。
ラック内にエポキシ樹脂を注入し、コンクリートとの一
体化を図る樹脂注入工法、床版等への雨水等の浸入を防
止するため、シートや塗布膜等の防止層を形成する防水
工法、床版コンクリート等の引っ張り縁にFRP(fi
ber reinforced plastics)を
接着するFRP接着工法、また床版等の豆板、空洞、剥
離等をセメントモルタルや樹脂モルタルによって埋める
断面補修工法等が採用されている。
【0005】これらの工法によって、ある程度はコンク
リート橋梁床版等の劣化防止や鉄筋の防錆効果が期待で
きるものの、あくまで既設橋梁床版等の補修に留まり、
橋梁床版等自体の強度をアップさせるまでには至ってい
ない。
リート橋梁床版等の劣化防止や鉄筋の防錆効果が期待で
きるものの、あくまで既設橋梁床版等の補修に留まり、
橋梁床版等自体の強度をアップさせるまでには至ってい
ない。
【0006】このような問題点を解消するために、本出
願人は、特開昭61−146904号公報において、洗
浄した既設橋梁床版裏面に、表面塗布材を塗布し、その
上に金網を取付け、さらにこの金網上に表面塗布材を塗
布する橋梁床版等の補修補強工法を開示した。
願人は、特開昭61−146904号公報において、洗
浄した既設橋梁床版裏面に、表面塗布材を塗布し、その
上に金網を取付け、さらにこの金網上に表面塗布材を塗
布する橋梁床版等の補修補強工法を開示した。
【0007】図7は同公報に開示した補修工法を示す断
面図で、21は既設コンクリート床版、22は第1次含
浸層、23は第二次含浸層を示す。さらに第二次含浸層
23の表面に金網24をホールインアンカ25によって
固定し、この表面に第一次塗布層26および第二次塗布
層27をそれぞれ形成している。
面図で、21は既設コンクリート床版、22は第1次含
浸層、23は第二次含浸層を示す。さらに第二次含浸層
23の表面に金網24をホールインアンカ25によって
固定し、この表面に第一次塗布層26および第二次塗布
層27をそれぞれ形成している。
【0008】ここで、第二次含浸層23の表面に設けた
金網24が、補強材として充分に機能するためには、ホ
ールインアンカ25で金網24が既設床版21に確実に
固定され、金網24と既設床版21とが一体化されてい
ることが必要である。これによって、当初から金網24
に相当する分の鉄筋を入れたコンクリート橋梁床版と同
程度の強度を持つものとすることができる。
金網24が、補強材として充分に機能するためには、ホ
ールインアンカ25で金網24が既設床版21に確実に
固定され、金網24と既設床版21とが一体化されてい
ることが必要である。これによって、当初から金網24
に相当する分の鉄筋を入れたコンクリート橋梁床版と同
程度の強度を持つものとすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
て開示された工法においては、金網24を固定するホー
ルインアンカ25は、いわゆるボルト状のものであり、
このホールインアンカ25の頭部25aと螺子部25b
との間に金網24の交差部を挟持した状態で固定してい
る。このため、金網24の落下に対しては安全であるも
のの、既設床版21と金網24の一体化は充分とは言え
ない。
て開示された工法においては、金網24を固定するホー
ルインアンカ25は、いわゆるボルト状のものであり、
このホールインアンカ25の頭部25aと螺子部25b
との間に金網24の交差部を挟持した状態で固定してい
る。このため、金網24の落下に対しては安全であるも
のの、既設床版21と金網24の一体化は充分とは言え
ない。
【0010】すなわち、橋梁のコンクリート床版等にお
いては、上記したように通過車両により繰り返し活荷重
が作用し、これによって、コンクリート床版はスパン中
心部を最大として、上下に絶えず撓みを繰り返してい
る。したがって、上記したような、ボルト状のホールイ
ンアンカ25では、時間の経過と共にホールインアンカ
25と金網24との間に次第に隙間が生じ、その結果、
既設床版21の荷重を金網24に充分に伝達できなくな
る。
いては、上記したように通過車両により繰り返し活荷重
が作用し、これによって、コンクリート床版はスパン中
心部を最大として、上下に絶えず撓みを繰り返してい
る。したがって、上記したような、ボルト状のホールイ
ンアンカ25では、時間の経過と共にホールインアンカ
25と金網24との間に次第に隙間が生じ、その結果、
既設床版21の荷重を金網24に充分に伝達できなくな
る。
【0011】そこで、本発明が解決すべき課題は、かか
る補強用部材の固定をより確実なものとし、先に開示し
た工法のさらなる普及発展を図ることにある。
る補強用部材の固定をより確実なものとし、先に開示し
た工法のさらなる普及発展を図ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、コンクリート橋梁下面に固定具によって補
強用網鉄筋を固定した後、同網鉄筋を被覆する被覆層を
形成するコンクリート橋梁の補強方法において、前記網
鉄筋を既設コンクリート橋梁下面に固定するに際し、同
網鉄筋を前記固定具によって面方向に緊張力を与えるこ
とを特徴とする。
するために、コンクリート橋梁下面に固定具によって補
強用網鉄筋を固定した後、同網鉄筋を被覆する被覆層を
形成するコンクリート橋梁の補強方法において、前記網
鉄筋を既設コンクリート橋梁下面に固定するに際し、同
網鉄筋を前記固定具によって面方向に緊張力を与えるこ
とを特徴とする。
【0013】ここで、前記コンクリート橋梁下面に前記
補強用網鉄筋を仮配設した状態でコンクリート橋梁下面
に固定具挿入穴を穿設し、しかる後に前記固定具挿入穴
に固定具を打ち込むことができる。
補強用網鉄筋を仮配設した状態でコンクリート橋梁下面
に固定具挿入穴を穿設し、しかる後に前記固定具挿入穴
に固定具を打ち込むことができる。
【0014】使用する固定具として、既設コンクリート
橋梁に形成された穴に挿入する棒状の挿入部と、この挿
入部に連設された皿状の頭部とを備え、挿入部の頭部寄
り側に、挿入部から頭部側に向かって断面が拡大するテ
ーパ部を形成したものを採用することができる。網鉄筋
の交差部に沿ってこの固定具をコンクリート橋梁内に打
ち込むと、テーパ部の面に沿って網鉄筋の接触部が外側
に移動し、これによって、網鉄筋に面方向の緊張力が付
与されることとなる。
橋梁に形成された穴に挿入する棒状の挿入部と、この挿
入部に連設された皿状の頭部とを備え、挿入部の頭部寄
り側に、挿入部から頭部側に向かって断面が拡大するテ
ーパ部を形成したものを採用することができる。網鉄筋
の交差部に沿ってこの固定具をコンクリート橋梁内に打
ち込むと、テーパ部の面に沿って網鉄筋の接触部が外側
に移動し、これによって、網鉄筋に面方向の緊張力が付
与されることとなる。
【0015】また、被覆層を形成する被覆材は、鉄筋の
露出を無くして錆の発生を予防し、既設構造物との一体
化を図るために設けるもので、例えば、既設コンクリー
ト表面への接着力に優れたポリマーセメントモルタルを
使用することができ、コテ塗りや、また型枠を設置して
その中へポリマーセメントモルタルを流し込む方法、さ
らには吹き付け等によって形成することができる。
露出を無くして錆の発生を予防し、既設構造物との一体
化を図るために設けるもので、例えば、既設コンクリー
ト表面への接着力に優れたポリマーセメントモルタルを
使用することができ、コテ塗りや、また型枠を設置して
その中へポリマーセメントモルタルを流し込む方法、さ
らには吹き付け等によって形成することができる。
【0016】この被覆層は、コンクリート橋梁下面を強
化させ、既設鉄筋の防錆効果及び接着力を向上させるた
めの塗布層、塗布層の表面に網鉄筋を覆うように形成さ
れ、網鉄筋の防錆効果及び塩害抑制効果等を有する中塗
層、さらに、中塗層の表面に形成され、中性化防止効
果,塩害抑制効果,アルカリ骨材反応抑制効果、低透水
効果を有する上塗層によって形成することができる。
化させ、既設鉄筋の防錆効果及び接着力を向上させるた
めの塗布層、塗布層の表面に網鉄筋を覆うように形成さ
れ、網鉄筋の防錆効果及び塩害抑制効果等を有する中塗
層、さらに、中塗層の表面に形成され、中性化防止効
果,塩害抑制効果,アルカリ骨材反応抑制効果、低透水
効果を有する上塗層によって形成することができる。
【0017】具体的には、塗布層用としては橋梁保繕株
式会社製のFK−A(塗布)、中塗層用としては同じく
FK−A(中塗)、また上塗層用としてはFK−A(上
塗)が好適に使用可能である。
式会社製のFK−A(塗布)、中塗層用としては同じく
FK−A(中塗)、また上塗層用としてはFK−A(上
塗)が好適に使用可能である。
【0018】
【作用】鉄筋網に面方向の均等力を与えた状態で固定す
ることによって、鉄筋網にいわゆるプレストレスが導入
された状態となり、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合
にも、鉄筋網がこの橋梁の変移に追従して移動し、固定
具との間に隙間が生じることがなくなる。
ることによって、鉄筋網にいわゆるプレストレスが導入
された状態となり、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合
にも、鉄筋網がこの橋梁の変移に追従して移動し、固定
具との間に隙間が生じることがなくなる。
【0019】また、実際に網鉄筋を仮配置した状態で固
定具挿入穴を穿設することにより、予め固定具挿入穴を
穿設する場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可
能となり、固定具の打ち込みによって確実に網鉄筋にプ
レストレスが導入されるようになる。
定具挿入穴を穿設することにより、予め固定具挿入穴を
穿設する場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可
能となり、固定具の打ち込みによって確実に網鉄筋にプ
レストレスが導入されるようになる。
【0020】
【実施例】以下本発明の特徴を図面に示す実施例に基づ
いて具体的に説明する。
いて具体的に説明する。
【0021】図1は本発明を適用したコンクリート橋梁
の全体図を示し、1は鉄筋コンクリート床版で、床版1
の両端には地覆2が形成され、床版1の下面には3列の
橋桁3が設けられている。そして床版1の下面全面に本
実施例による補強用被覆層9が形成されている。
の全体図を示し、1は鉄筋コンクリート床版で、床版1
の両端には地覆2が形成され、床版1の下面には3列の
橋桁3が設けられている。そして床版1の下面全面に本
実施例による補強用被覆層9が形成されている。
【0022】次いで図2,図3を参照して、上記被覆層
9の形成方法について説明する。図2(a)に示す通
り、まず、ウォータサンドブラスト等によってコンクリ
ート床版1表面の劣化物を除去し、さらに200kgf
/cm2 以上のジェット水による高圧水洗ケレンによっ
て全面を洗浄する。
9の形成方法について説明する。図2(a)に示す通
り、まず、ウォータサンドブラスト等によってコンクリ
ート床版1表面の劣化物を除去し、さらに200kgf
/cm2 以上のジェット水による高圧水洗ケレンによっ
て全面を洗浄する。
【0023】次いで、図2(b)に示すように、床版1
の下面に、φ6〜10mmの鉄筋を1.8×3〜4mの
餅網状に形成しその交差部を溶接にて固定した網鉄筋5
を、コンクリート床版1の下面にサーポート20によっ
て支持し仮配置する。
の下面に、φ6〜10mmの鉄筋を1.8×3〜4mの
餅網状に形成しその交差部を溶接にて固定した網鉄筋5
を、コンクリート床版1の下面にサーポート20によっ
て支持し仮配置する。
【0024】この状態で、図2(c)に示すように、網
鉄筋5の交差部に沿ってコンクリート床版1の下面に、
後述する固定具挿入用の穴1aを穿設する。このよう
に、実際に網鉄筋5を仮配置した状態で固定具挿入穴1
aを穿設することにより、予め固定具挿入穴を穿設する
場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可能とな
る。
鉄筋5の交差部に沿ってコンクリート床版1の下面に、
後述する固定具挿入用の穴1aを穿設する。このよう
に、実際に網鉄筋5を仮配置した状態で固定具挿入穴1
aを穿設することにより、予め固定具挿入穴を穿設する
場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可能とな
る。
【0025】次いで、図2(d)に示すように、この固
定具挿入穴1aに固定具6を挿入し、バイブレーション
ハンマによって打ち込むことにより網鉄筋5をコンクリ
ート床版1下面に固定する。
定具挿入穴1aに固定具6を挿入し、バイブレーション
ハンマによって打ち込むことにより網鉄筋5をコンクリ
ート床版1下面に固定する。
【0026】図4はこの固定具6を示し、先端に割り溝
7aを形成し床版1内に挿入する棒状の挿入部7bと、
この挿入部7bに連設された皿状の頭部7cとを備え、
挿入部7bの頭部側寄りに頭部7c側に向かって断面が
拡大するテーパ部7dを備えたアンカー本体7と、アン
カー本体7の軸線方向に形成された貫通孔(図示せず)
に挿入される固定用の打ち込みピン8とからなる。この
ようにアンカー本体7の頭部を皿状とすることにより、
床版1表面からの固定具6の突出量が少なくなり、従来
の六角ボルト状のものと比べ、後述する被覆材の塗布量
を約40%程度軽減することができる。
7aを形成し床版1内に挿入する棒状の挿入部7bと、
この挿入部7bに連設された皿状の頭部7cとを備え、
挿入部7bの頭部側寄りに頭部7c側に向かって断面が
拡大するテーパ部7dを備えたアンカー本体7と、アン
カー本体7の軸線方向に形成された貫通孔(図示せず)
に挿入される固定用の打ち込みピン8とからなる。この
ようにアンカー本体7の頭部を皿状とすることにより、
床版1表面からの固定具6の突出量が少なくなり、従来
の六角ボルト状のものと比べ、後述する被覆材の塗布量
を約40%程度軽減することができる。
【0027】この固定具6の大きさは、網鉄筋5に使用
される鉄筋の径にもよるが、挿入部7bが6〜8mm,
テーパ部7dが2〜3mmのものが適当である。
される鉄筋の径にもよるが、挿入部7bが6〜8mm,
テーパ部7dが2〜3mmのものが適当である。
【0028】固定具6を打ち込みむことにより、頭部7
cに向かって断面が拡大するテーパ部7dによって、図
5の矢印に示す方向、すなわち、面方向に網鉄筋5全体
に面的に緊張力が付加された状態となる。また、このテ
ーパ部7dの存在によって、予め形成された固定具6の
挿入穴1aが正規の位置から多少ずれたり、また網鉄筋
5の交差部が多少ずれた場合にも確実に固定することが
できるようになる。本実施例においては、床版1のスパ
ン中央、すなわち、撓みの最も大きい部分から外側に向
かって緊張力を与えている。
cに向かって断面が拡大するテーパ部7dによって、図
5の矢印に示す方向、すなわち、面方向に網鉄筋5全体
に面的に緊張力が付加された状態となる。また、このテ
ーパ部7dの存在によって、予め形成された固定具6の
挿入穴1aが正規の位置から多少ずれたり、また網鉄筋
5の交差部が多少ずれた場合にも確実に固定することが
できるようになる。本実施例においては、床版1のスパ
ン中央、すなわち、撓みの最も大きい部分から外側に向
かって緊張力を与えている。
【0029】さらにこの状態から、図3に示すように、
コンクリート橋梁下面を強化させ、既設鉄筋の防錆効果
及び接着力を向上させるための塗布層9a(図3
(a))、塗布層9aの表面に網鉄筋5を覆うように形
成され、網鉄筋5の防錆効果及び塩害抑制効果等を有す
る中塗層9b(図3(b))、さらに、中塗層9bの表
面に形成され、中性化防止効果,塩害抑制効果,アルカ
リ骨材反応抑制効果,低透水効果を有する上塗層9cに
(図3(b))からなる被覆層9を形成する。ここで、
塗布層9aは吹き付けにより、また中塗層9bおよび上
塗層9cはコテ塗りで施工する。
コンクリート橋梁下面を強化させ、既設鉄筋の防錆効果
及び接着力を向上させるための塗布層9a(図3
(a))、塗布層9aの表面に網鉄筋5を覆うように形
成され、網鉄筋5の防錆効果及び塩害抑制効果等を有す
る中塗層9b(図3(b))、さらに、中塗層9bの表
面に形成され、中性化防止効果,塩害抑制効果,アルカ
リ骨材反応抑制効果,低透水効果を有する上塗層9cに
(図3(b))からなる被覆層9を形成する。ここで、
塗布層9aは吹き付けにより、また中塗層9bおよび上
塗層9cはコテ塗りで施工する。
【0030】図6は、補修完了後、床版1の撓みによる
網鉄筋5及び固定具6の挙動を示す説明図で、同図に示
すように、網鉄筋5の交差部に固定具6によって、矢印
方向の緊張力Fが付与され、これによって網鉄筋5に
は、それぞれFx ,Fy のプレストレスが導入されたこ
ととなる。したがって、一点鎖線に示す通り、床版1の
撓みによって固定具6が移動した場合も、これに追従し
て網鉄筋5も一点鎖線に示すように移動し、網鉄筋5と
固定具6との間に従来のような隙間が生じることもなく
なる。
網鉄筋5及び固定具6の挙動を示す説明図で、同図に示
すように、網鉄筋5の交差部に固定具6によって、矢印
方向の緊張力Fが付与され、これによって網鉄筋5に
は、それぞれFx ,Fy のプレストレスが導入されたこ
ととなる。したがって、一点鎖線に示す通り、床版1の
撓みによって固定具6が移動した場合も、これに追従し
て網鉄筋5も一点鎖線に示すように移動し、網鉄筋5と
固定具6との間に従来のような隙間が生じることもなく
なる。
【0031】本実施例に示す要領で試験施行を行った結
果、既設床版鉄筋の引っ張り応力度は20t荷重に対
し、補強後は補強前の0.3倍程度の発生応力度で70
%応力の減少がみられ、付加鉄筋による補強効果が確認
された。このように、本実施例の補強方法によれば、床
版ひびわれを防ぎ、コンクリートの有効断面を保つこと
により、曲げのみならず、剪断、疲労破壊による床版劣
化の進行を防止する効果が得られる。
果、既設床版鉄筋の引っ張り応力度は20t荷重に対
し、補強後は補強前の0.3倍程度の発生応力度で70
%応力の減少がみられ、付加鉄筋による補強効果が確認
された。このように、本実施例の補強方法によれば、床
版ひびわれを防ぎ、コンクリートの有効断面を保つこと
により、曲げのみならず、剪断、疲労破壊による床版劣
化の進行を防止する効果が得られる。
【0032】なお、本実施例の方法は、損傷したコンク
リート構造物の補修に止まらず、例えば、T20で設計
された橋梁をT25に増強する場合にも適用できること
は勿論である。また、床版のみならず桁下面の補強にも
同様に適用できる。特に施工中においても通過交通によ
って絶えず撓みが繰り返される床版や桁において最も効
果を発揮するものである。
リート構造物の補修に止まらず、例えば、T20で設計
された橋梁をT25に増強する場合にも適用できること
は勿論である。また、床版のみならず桁下面の補強にも
同様に適用できる。特に施工中においても通過交通によ
って絶えず撓みが繰り返される床版や桁において最も効
果を発揮するものである。
【0033】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
ができる。
【0034】(a)網鉄筋にプレストレスが導入された
状態となり、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合にも、
網鉄筋がこの橋梁の変位に追従し、固定具との間に隙間
が生じることがなくなる。このため、網鉄筋と既設橋梁
とのより一層の一体化が図れ、長期にわたって効果を維
持することができる。
状態となり、取付けられた既設橋梁が撓んだ場合にも、
網鉄筋がこの橋梁の変位に追従し、固定具との間に隙間
が生じることがなくなる。このため、網鉄筋と既設橋梁
とのより一層の一体化が図れ、長期にわたって効果を維
持することができる。
【0035】(b)特に施工中に撓みが生じる橋梁の床
版においても、床版と網鉄筋とを確実に一体化できる。
版においても、床版と網鉄筋とを確実に一体化できる。
【0036】(c)実際に網鉄筋を仮配置した状態で固
定具挿入穴を穿設することにより、予め固定具挿入穴を
穿設する場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可
能となり、固定具の打ち込みによって確実に網鉄筋にプ
レストレスを導入することができる。
定具挿入穴を穿設することにより、予め固定具挿入穴を
穿設する場合に比べ、より精度の良い位置への穿設が可
能となり、固定具の打ち込みによって確実に網鉄筋にプ
レストレスを導入することができる。
【図1】 本発明を適用した橋梁の全体図である。
【図2】 本発明の施工手順を示す説明図である。
【図3】 本発明の施工手順を示す説明図である。
【図4】 固定具の正面図である。
【図5】 図1のA−A線矢視図である。
【図6】 床版の撓みによる網鉄筋及び固定具の挙動を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図7】 従来の補強構造を示す断面図である。
1 床版 2 地覆 3 橋桁 5 網鉄筋 6 固定具 7 アンカー本体 7a 割り溝 7b 挿入部 7c 頭部 7d テーパ部 8 打ち込みピン 9 被覆層 9a 塗布層 9b 中塗層 9c 上塗層
Claims (5)
- 【請求項1】 コンクリート橋梁下面に固定具によって
補強用網鉄筋を固定した後、同網鉄筋を被覆する被覆層
を形成するコンクリート橋梁の補強方法において、前記
網鉄筋を既設コンクリート橋梁下面に固定するに際し、
同網鉄筋を前記固定具によって面方向に緊張力を与える
ことを特徴とするコンクリート橋梁の補強方法。 - 【請求項2】 前記コンクリート橋梁下面に前記補強用
網鉄筋を仮配設した状態でコンクリート橋梁下面に固定
具挿入穴を穿設し、しかる後に前記固定具挿入穴に固定
具を打ち込むことを特徴とする請求項1記載のコンクリ
ート橋梁の補強方法。 - 【請求項3】 前記固定具が、既設コンクリート橋梁に
形成された穴に挿入する棒状の挿入部と、この挿入部に
連設された皿状の頭部とを備え、挿入部の頭部寄り側
に、挿入部から頭部側に向かって断面が拡大するテーパ
部を形成したものであることを特徴とする請求項1,2
記載のコンクリート橋梁の補強方法。 - 【請求項4】 前記被覆層の形成を、被覆材のコテ塗り
または型枠内への被覆材の注入、あるいは吹き付けの何
れかにより行うことを特徴とする請求項1,2,3記載
のコンクリート橋梁の補強方法。 - 【請求項5】 前記コンクリート橋梁下面を、高圧水洗
ケレンまたはサンドブラストにより表面処理した後、前
記網鉄筋を固定することを特徴とする請求項1乃至4記
載のコンクリート橋梁の補強方法。
Priority Applications (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7172810A JPH08338005A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | コンクリート橋梁の補強方法 |
| CA002178285A CA2178285A1 (en) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | Method of reinforcing concrete made construction and fixture used therefor |
| KR1019960019923A KR970001748A (ko) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | 콘크리트 구조물의 보강 방법 및 그것에 이용되는 기재(器材) |
| US08/658,567 US5678374A (en) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | Method of reinforcing concrete made construction and fixture used therefor |
| US08/658,570 US5749200A (en) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | Method of reinforcing concrete made construction and fixture used therefor |
| CA002178286A CA2178286A1 (en) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | Method of reinforcing concrete made construction and fixture used therefor |
| KR1019960019924A KR970001749A (ko) | 1995-06-14 | 1996-06-05 | 콘크리트 구조물의 보강방법 및 그것에 이용하는 고정구 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7172810A JPH08338005A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | コンクリート橋梁の補強方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08338005A true JPH08338005A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15948801
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7172810A Pending JPH08338005A (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | コンクリート橋梁の補強方法 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5749200A (ja) |
| JP (1) | JPH08338005A (ja) |
| KR (1) | KR970001749A (ja) |
| CA (1) | CA2178286A1 (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JPH11217943A (ja) * | 1998-02-02 | 1999-08-10 | Ohbayashi Corp | コンクリートの補修装置 |
| WO2003027414A1 (fr) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Structural Quality Assurance, Inc. | Construction et procede de consolidation de structure, construction et procede d'isolation de base et materiau de consolidation |
| JP2003293324A (ja) * | 2002-04-03 | 2003-10-15 | Aatekku:Kk | コンクリート構造物の補強工法 |
| JP2008133612A (ja) * | 2006-11-27 | 2008-06-12 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | プレストレストコンクリート構造物の補修工法 |
| JP2015178720A (ja) * | 2014-03-19 | 2015-10-08 | 株式会社栗本鐵工所 | 河川構造物のライニングユニット及びライニング構造 |
| CN107642250A (zh) * | 2017-08-10 | 2018-01-30 | 新奥泛能网络科技股份有限公司 | 设备基础所安置的屋面的加固方法以及加固结构 |
| JP2019126991A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | 株式会社大林組 | 超高強度繊維補強コンクリート複合プレキャストpc床版 |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2383392B (en) * | 2001-12-18 | 2004-09-15 | Titus Int Plc | Improvements in fastening devices |
| DE10201800A1 (de) * | 2002-01-17 | 2003-08-14 | Helmut Oetinger | Verfahren zur Sanierung eines Abwasserbauwerkes aus Beton und Mittel zur Durchführung des Verfahrens |
| KR100552725B1 (ko) * | 2002-10-04 | 2006-02-20 | 현대자동차주식회사 | 쉬프트 레버를 이용한 와이어 스티어링 장치용 차량 도난 방지 장치 |
| FR2865490B1 (fr) * | 2004-01-23 | 2006-04-28 | Lefevre Sa M | Procede et dispositif de renforcement de structure. |
| RU2476655C2 (ru) * | 2010-07-13 | 2013-02-27 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Сибирский государственный университет путей сообщения" (СГУПС) | Способ усиления железобетонных элементов и их сопряжений |
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| CN105714700B (zh) * | 2016-04-29 | 2018-03-02 | 长安大学 | 混凝土桥面板体外加固系统及加固方法 |
| KR102300812B1 (ko) * | 2020-12-14 | 2021-09-13 | 한국건설기술연구원 | 그리드 보강재와 무수축 그라우트를 이용하여 보강되는 콘크리트 구조물 및 그 보강 방법 |
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| US3456549A (en) * | 1967-10-10 | 1969-07-22 | Herbert C Horton | Hexagonal t-nuts |
| DE1954473A1 (de) * | 1969-02-11 | 1970-09-03 | E G Engineering Ltd | Befestigungsmittel,insbesondere fuer Holzteile |
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| FR2431060A1 (fr) * | 1978-07-13 | 1980-02-08 | Itw De France | Piece de fixation imperdable et reutilisable |
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-
1995
- 1995-06-14 JP JP7172810A patent/JPH08338005A/ja active Pending
-
1996
- 1996-06-05 CA CA002178286A patent/CA2178286A1/en not_active Abandoned
- 1996-06-05 US US08/658,570 patent/US5749200A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-06-05 KR KR1019960019924A patent/KR970001749A/ko not_active Withdrawn
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5749200A (en) | 1998-05-12 |
| CA2178286A1 (en) | 1996-12-15 |
| KR970001749A (ko) | 1997-01-24 |
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