JPH0834801A - 硫酸化多糖類及びその製造法 - Google Patents

硫酸化多糖類及びその製造法

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JPH0834801A
JPH0834801A JP17120894A JP17120894A JPH0834801A JP H0834801 A JPH0834801 A JP H0834801A JP 17120894 A JP17120894 A JP 17120894A JP 17120894 A JP17120894 A JP 17120894A JP H0834801 A JPH0834801 A JP H0834801A
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JP
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hgf
affinity
heparin
sulfated polysaccharide
fraction
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Application number
JP17120894A
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English (en)
Inventor
Tomoko Ashikari
智子 芦刈
Hiroko Hanebuchi
弘子 羽渕
Hiroharu Kimata
弘治 木全
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Mitsubishi Chemical Corp
Seikagaku Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Seikagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 肝実質細胞増殖因子に親和性を有する少なく
とも8糖以上の構造単位部分を含有する硫酸化多糖類お
よびその製造法。 【効果】 本発明の硫酸化多糖類は、HGFに対して特
異的に結合する性質を有することから、HGFを安定化
させたり、その増殖活性を向上させることができる。ま
た既知の硫酸化多糖類は、HGF等のヘパリン結合性増
殖因子の分解を抑制することが知られているので、本発
明の硫酸化多糖類にも同様の効果が期待でき、例えば組
換えDNA技術によりヘパリン結合性増殖因子を生産す
る際の培養液中に本発明の硫酸化多糖類を添加すること
により、その培養上清からかかるヘパリン結合性増殖因
子を効率良く高生産できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肝実質細胞増殖因子
(以下、「HGF」と略記する)に対して特異的に親和
性を有する硫酸化多糖類に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】HG
Fは、肝臓の特異的機能をつかさどる肝実質細胞に対
し、わずか数ng/mlの濃度で増殖促進作用を示す蛋
白性増殖因子である。このHGFは肝実質細胞の増殖の
みならず、血清アルブミンなど肝で特異的に生産される
蛋白質の合成を亢進する作用を有している。さらにHG
Fは生体の発生や分化・組織構築に重要な働きを示すこ
とが明らかとなっている。興味深いことに、HGFは癌
細胞に対して傷害活性を有する因子(Tumor Cy
totoxic Factor:TCF)と同一分子で
あることが明らかとなっている。これらのことは、HG
Fが生体内で様々なサイトカインとして作用することを
示している。
【0003】近年、HGFを使用してin vivoに
おける薬理効果が検証されている。その結果、HGFを
使用することにより、切除された肝組織の再生率が向上
すること、さらに各種肝機能および腎機能障害の改善等
が報告されている。ところでHGFはヘパリンカラムで
精製されることから、ヘパリンに親和性を有する増殖因
子として知られている。一方、細胞表層上にはヘパリン
と構造が類似したヘパラン硫酸が多数存在し、HGFに
対する一種の低親和性レセプターとして、HGFを細胞
表層上に捕捉している。さらにこれらのレセプターに結
合したHGFは急速に細胞内へ移行し、分解されて細胞
外へ放出される。このためin vivoにおけるHG
Fの血中半減期はきわめて短く、HGFの薬理効果が充
分に得られないのが現状であった。
【0004】そこで、細胞表層に存在するヘパラン硫酸
に対し、構造が類似している各種硫酸化多糖類(ヘパリ
ン、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸等)をHG
Fと混合する試みがなされた。添加した硫酸化多糖類
は、HGFと結合することにより、細胞表層に存在する
ヘパラン硫酸とHGFとの結合を抑制する。この結果、
HGFの分解が顕著に抑制され、in vitroにお
けるHGFの活性およびin vivoにおける薬理効
果が向上することが判明している(特開平5−3018
24号公報)。
【0005】一方、生体内の硫酸化多糖類の内、最も構
造的多様性を有し、様々な細胞活動に大きな影響を与え
る物質の一つがグリコサミノグリカンである。例えばこ
の分子として、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチ
ン硫酸、デルマタン硫酸等が挙げられる。ヘパリンおよ
びヘパラン硫酸は、ウロン酸残基とグルコサミン残基を
含んだ、二糖単位の繰り返し構造によって出来ている。
ウロン酸はC−5の立体配置により、α−D−グルクロ
ン酸(GlcUA)とβ−L−イズロン酸(IdoA)
とに区別され、IdoAの一部は2−O−硫酸基(Id
oA(2S))を有する。グルコサミン残基は、N−ア
セチル基(GlcNAc)あるいはN−硫酸基(Glc
NS)を有する。グルコサミン残基は、C−6に硫酸基
を有しているものもある。これらに比較して、含量は低
いが2−O−硫酸化 α−D−グルクロン酸(GlcU
A(2S))および3−O−硫酸化GlcNS(Glc
NS(3S))あるいは3−O,6−O−ジ硫酸化Gl
cNS(GlcNS(3,6S)が存在する。これらの
残基から構成される数十から数百からを越える二糖の繰
り返し構造を、ヘパリンおよびヘパラン硫酸は有してい
る。従って、上記の様々な二糖単位の組合せにより、ヘ
パリンおよびヘパラン硫酸の構造的多様性が形成されて
いる。
【0006】グリコサミノグリカンは、細胞外マトリッ
クスの物理的・化学的環境に強い影響を及ぼすことが知
られている。例えば、グリコサミノグリカンはその特異
的な構造を利用して、細胞基底膜へのさまざまな分子の
浸透性を調節したり、増殖因子、ホルモン、あるいは神
経伝達物質のような重要な調節因子の細胞表面への接近
を制御することができる。さらに、ヘパリンを始めとす
るグリコサミノグリカンは、HGFに対して親和性を有
することが知られている。しかしながら、HGFと親和
性を示すグリコサミノグリカンの特異的構造は、現在ま
で全く判っていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HGFア
フィニテイーカラムを用いることにより、HGFとヘパ
リンもしくはヘパラン硫酸の結合を解析した。すなわ
ち、ヘパリンもしくはヘパラン硫酸を断片化したオリゴ
糖とHGFアフィニテイーカラムの結合を解析した結
果、各オリゴ糖はサイズ依存的にHGFアフィニテイー
カラムへ結合すること、さらに、HGFアフィニテイー
カラムに対する各オリゴ糖の結合率は、8糖から構成さ
れるオリゴ糖から急激に増加すること、またそのような
オリゴ糖は糖の特定位置が硫酸化されたものであること
を初めて見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明の要旨は、肝実質細胞増殖
因子に親和性を有し、少なくとも8糖以上の構成糖から
なる硫酸化多糖類に存する。以下、本発明につき詳細に
説明する。本発明で使用するHGFは、ヒトを始めとす
る哺乳動物由来で、肝実質細胞の増殖を促進する活性を
有する蛋白性因子である限りにおいては特に制限されな
い。例えばHGFは、血漿等から精製して得たもの、お
よび遺伝子組換え法によりそのcDNAを発現させて得
られたもののいずれのものでも使用し得る。具体的に
は、特開昭63−22526号公報に記載された方法に
従い、劇症肝炎患者血漿から蛋白化学的に分離精製する
ことによって、あるいは特開平3−285693号公報
に記載された方法に従い、ヒト胎盤由来のcDNAライ
ブラリーから得たHGFをコードするcDNAを含む発
現ベクターを構築し、CHO細胞等の宿主中で発現させ
ることによっても得られる。
【0009】ヒト由来のHGFは、非還元下でのSDS
−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動)によって分子量約76,000−9
2,000にバンドを与える。また、還元下でのSDS
−PAGEによって、分子量約56,000−65,0
00のバンドを与えるラージサブユニットと、分子量約
32,000−35,000のバンドを与えるスモール
サブユニットに分離される。そして、このHGFは80
℃、10分の熱処理によって、あるいはトリプシンやキ
モトリプシン消化によって肝実質細胞の増殖を促進する
活性が失われる性質を有する。また、該HGFはヘパリ
ンに強い親和性を有する。一般に、本発明で使用するH
GFは、約0.5−2ng/mlの濃度で肝実質細胞の
増殖活性を示し始め、約5−10ng/mlの濃度で良
好な増殖活性を示す。
【0010】本発明において「多糖類」とは、狭義の多
糖のほか、単糖が数個からなる「オリゴ糖」も包含する
ものとして定義される。本発明の硫酸化多糖類は、例え
ば以下のようにして得ることができる。まず、ヘパリ
ン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫
酸等の既知の硫酸化多糖類を酵素、亜硝酸等を用いて分
解し、各種分子量のオリゴ糖(部分分解物または限定分
解物)とする。一方、ヘパリン等の存在下でHGFを接
触させた後、該HGFを担体と結合させ、次いで該ヘパ
リン等を除いてHGFアフィニティーカラムを調製す
る。このカラムに、前記した各種のオリゴ糖を添加す
る。そして同カラムと各オリゴ糖との結合率の高いも
の、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上の
結合率のものを選別することにより、HGFとの親和性
が高い構造単位部分を含有する本発明の硫酸化多糖類を
得ることができる。
【0011】本発明の硫酸化多糖類は、このような構造
単位部分を含み、HGFに親和性を示す限り、上記分解
物だけでなく、分解前の硫酸化多糖類で該構造単位部分
を多く含有するものをも包含する。さらに、HGFアフ
ィニテイーカラムに結合可能なオリゴ糖を陰イオン交換
カラムクロマトグラフィーで精製し、各オリゴ糖に特異
的な酵素(例えば、ヘパリチナーゼI、II、III
等)で分解して二糖単位とし、その二糖組成をポリアミ
ンカラム等で分画して各画分の硫酸基結合位置および結
合数を解析することにより、HGFアフィニテイーカラ
ムに対して特異的に結合するオリゴ糖、すなわち硫酸化
多糖類を構成する糖構造を求めることができる。その結
果、得られた硫酸化多糖類が、ヘキスロン酸とヘキソサ
ミンとの二糖単位構造の4単位からなり、該二糖単位構
造のうち、2−O−硫酸化ヘキスロン酸と6−O,2−
N−ジ硫酸化ヘキソサミンとの二糖単位構造が前記4単
位中、約1.5〜2.5単位であり、肝実質細胞増殖因
子に親和性を有する構造単位部分を含有する、本発明の
硫酸化多糖類であることを確認することができる。
【0012】本発明の硫酸化多糖類は、前記したHGF
と組み合わせて使用することが出来る。例えば、HGF
1モルに対して、本発明の硫酸化多糖類を0.1〜10
5 モルの範囲で添加することにより、かかる硫酸化多糖
類は効果的にHGFへ結合する。その結果、細胞表層に
存在するヘパラン硫酸とHGFの結合が抑制され、HG
Fの分解が顕著に抑制される。さらにin vitro
におけるHGFの活性およびin vivoにおける薬
理効果が向上する。
【0013】
【発明の効果】本発明の硫酸化多糖類は、HGFに対し
て特異的に結合する性質を有することから、HGFを安
定化させたり、その増殖活性を向上させることができ
る。また既知の硫酸化多糖類は、HGF等のヘパリン結
合性増殖因子の分解を抑制することが知られているの
で、本発明の硫酸化多糖類にも同様の効果が期待でき、
例えば組換えDNA技術によりヘパリン結合性増殖因子
を生産する際の培養液中に本発明の硫酸化多糖類を添加
することにより、その培養上清からかかるヘパリン結合
性増殖因子を効率良く高生産できる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。なお以下の実施例において、
HGFは特開平3−285693号公報に記載の方法に
従い、遺伝子組換え法により調製した「組換えヒトHG
F」を使用した。 実施例1 HGFへ結合可能なヘパリンオリゴ糖サイズ ヘパリン(生化学工業(株))に対して亜硝酸分解を行
い、ヘパリンの限定分解を行った。得られたヘパリンオ
リゴ糖0.5mgを[ 3H]NaBH4 によりトリチウ
ム標識した。この放射標識したヘパリンオリゴ糖を、S
ephadexG−50(ファルマシア社)カラム
(1.2cm×127cm)に添加後0.2M 酢酸ア
ンモニウムで溶出し、溶出液について放射活性測定とウ
ロン酸測定とからオリゴ糖のピーク位置を求め、それぞ
れのピークを分画した。一番最初に溶出したピークを2
糖サイズのオリゴ糖のピークと仮定し、さらに順次溶出
されるピークを4、6、8、10、12糖サイズのオリ
ゴ糖のピークと仮定した。分画した各オリゴ糖の大きさ
とそのおおよその分子量とを、表1に示す。
【0015】
【表1】 表1 ──────────────────── ヘパリンオリゴ糖に おおよそ おける構成糖の数 の分子量 ──────────────────── 4(Hep 4) 1300 6(Hep 6) 2000 8(Hep 8) 2600 10(Hep10) 3300 12(Hep12) 4000 ────────────────────
【0016】一方、CNBr−activated s
epharose 4B(ファルマシア社)1.2ml
をカップリング緩衝液(0.4M NaClを含む0.
1MNaHCO3 (pH8.3))に懸濁し、アセチル
化したヘパリンと接触させた組換えヒトHGF(1mg
/ml)溶液を加え、4℃で一夜穏やかに振とうした。
得られたゲルをカップリング緩衝液で十分洗浄後、0.
1M トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁し、4
℃で一夜穏やかに振とうした。このゲルをカラムにつ
め、2M NaClを含む10mM トリス−塩酸緩衝
液(pH7.2)で洗浄し、さらにアフィニティークロ
マトグラフィーで使用する緩衝液で洗浄することでHG
Fアフィニテイーカラムを作成した。
【0017】このカラムに対し、放射標識した各サイズ
(4糖、6糖、8糖、10糖および12糖)のヘパリン
オリゴ糖4nmolを含む緩衝液(0.15M NaC
l、0.9mM CaCl2 および0.2mg/ml
コンドロイチン硫酸(CSA)を含む、10mM トリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.2))を添加し、4℃下で1
時間反応させた。この後、0.15M NaCl、0.
9mM CaCl2 、および0.2mg/ml CSA
を含む10mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で
洗浄を行い、さらにHGFアフィニテイーカラムに結合
したヘパリンオリゴ糖を、2.0M NaClを含む1
0mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で溶出し
た。この溶出されたヘパリンオリゴ糖の放射活性を測定
することにより、各ヘパリンオリゴ糖とHGFアフィニ
テイーカラムの結合率を算出した。図1に、ヘパリンオ
リゴ糖のHGFアフィニテイーカラムへの結合率を示
す。図1が示すように、HGFとヘパリンオリゴ糖の結
合には、ヘパリンオリゴ糖のサイズが8糖以上必要なこ
とが判った。
【0018】実施例2 HGFへ結合可能なヘパラン硫
酸オリゴ糖サイズ ウシ肝臓由来の低硫酸化ヘパラン硫酸(CLHS)50
0mgを水5mlに溶解し、コンドロイチナーゼABC
25m unitを使用して、混入しているコンドロ
イチン硫酸およびデルマタン硫酸を消化した。さらにこ
の画分に対してエタノール沈澱を行った。このウロン酸
を定量した結果、処理したCLHSの約50%がコンド
ロイチナーゼABC抵抗性画分に存在することが判っ
た。この画分をDEAE−セファクリルカラムにかけた
後、0.2M NaCl,0.02M トリス−塩酸緩
衝液(pH7.2)から1.0M NaCl,0.02
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)の直線濃度勾配に
より溶出を行い、CLHSI、CLHS IIおよびC
LHS IIIの画分に分画した。得られた低硫酸含量
画分であるCLHS I画分に対してヘパチリナーゼI
を加え、37℃1時間の酵素反応を行った後、3分間の
煮沸により反応を停止させた。得られたヘパラン硫酸オ
リゴ糖0.5mgを[ 3H]NaBH4 によりトリチウ
ム標識した。この放射標識したヘパラン硫酸オリゴ糖
を、Sephadex G−50カラム(1.2cm×
127cm)に添加後0.2M 酢酸アンモニウムで溶
出し、そのおおよその分子量(800、1300、17
00、2100、2600、3000)に従って分画し
た。分子量と溶出位置との関係は、既知の分子量スタン
ダードとなるオリゴ糖(ΔDi−6S(不飽和GAG二
糖キット(HPLC用)、生化学工業(株))、放射性
同位元素標識した、コンドロイチンの4、6および8糖
(いずれもコンドロイチンをヒアルロニダーゼで消化
し、ゲルろ過で分離精製後、[ 3H]NaBH4 で還元
して得た))を同じ条件で溶出して、予め求めておいた
(Biochem.J.,285,805−813(1
992))。また得られた分画のおおよその分子量と、
イズロン酸および2−N−硫酸化グルコサミンからなる
二糖単位構造の分子量とから、各オリゴ糖の大きさを仮
定した。各オリゴ糖の分画パターンを図2に、また分画
した各オリゴ糖の大きさ(前記により仮定された構成糖
の数)とそのおおよその分子量とを、表2に示す。
【0019】
【表2】 表2 ───────────────────── ヘパラン硫酸オリゴ糖 おおよそ における構成糖の数 の分子量 ───────────────────── 4(CLHS 4) 800 6(CLHS 6) 1300 8(CLHS 8) 1700 10(CLHS10) 2100 12(CLHS12) 2600 14(CLHS14) 3000 ─────────────────────
【0020】さらに、実施例1で調製したHGFアフィ
ニテイーカラムに対して、放射性同位元素標識した各サ
イズのオリゴ糖4nmolを含む緩衝液(0.15M
NaCl、0.9mM CaCl2 および0.2mg/
ml CSAを含む、10mM トリス−塩酸緩衝液
(pH7.2))を添加し、4℃下で1時間反応させ
た。この後、0.15M NaCl、0.9mM Ca
Cl2 、および0.2mg/ml CSAを含む10m
M トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で洗浄を行い、
さらにHGFアフィテイーカラムに結合したヘパラン硫
酸オリゴ糖を、2.0M NaClを含む10mM ト
リス−塩酸緩衝液(pH7.2)で溶出した。この溶出
されたヘパラン硫酸オリゴ糖の放射活性を測定すること
により、各ヘパラン硫酸オリゴ糖とHGFアフィニテイ
ーカラムの結合率を算出した。図3に、ヘパラン硫酸オ
リゴ糖のHGFアフィニテイーカラムへの結合率を示
す。図3が示すように、HGFとヘパラン硫酸オリゴ糖
の結合には、ヘパラン硫酸オリゴ糖のサイズが8糖以
上、より好ましくは10糖以上必要なことが判った。
【0021】実施例3 HGFへ結合可能なヘパラン硫
酸オリゴ糖およびHGFへ結合不可能なヘパラン硫酸オ
リゴ糖の構造 実施例2で調製した、CLHS I由来でヘパラン硫酸
オリゴ糖が10糖のサイズのもの(CLHS10)もし
くは12糖のもの(CLHS12)を、それぞれ実施例
1で示した方法でHGFアフィニテイーカラムに添加し
て4℃下で1時間反応させた後、このカラムに結合した
画分および非結合画分を分離した。すなわち、0.15
M NaCl、0.9mM CaCl2 、および0.2
mg/ml CSAを含む10mM トリス−塩酸緩衝
液(pH7.2)で洗浄を行い(非結合画分)、さらに
2.0M NaClを含む10mM トリス−塩酸緩衝
液(pH7.2)で溶出を行った(結合画分)。
【0022】HGFアフィニテイーカラムに対するCL
HS10の吸着画分、非吸着画分をそれぞれMonoQ
カラム(ファルマシア社)に添加し、0M NaCl,
0.05M トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)から
1.0M NaCl,0.05M トリス−塩酸緩衝液
(pH7.2)の直線濃度勾配により溶出操作を行っ
た。この後、さらに2M NaCl,0.05M トリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.2)で溶出を行った。
【0023】その結果を図4に示す。図4(A)にはC
LHS10のHGFアフィニテイーカラム吸着画分を添
加した場合のクロマトグラフィーを示しており、図4
(A)に示したB−III画分を回収した。一方、図4
(B)にはCLHS10のHGFアフィニテイーカラム
非吸着画分を添加した場合のクロマトグラフィーを示し
ており、図4(B)に示したUB−I、UB−IIおよ
びUB−III画分を回収した。
【0024】次に、得られたB−III、UB−I、U
B−IIおよびUB−III画分に対して、ヘパリチナ
ーゼI、II、IIIで酵素消化して不飽和二糖に分解
し、各画分の不飽和二糖組成をポリアミンカラムで分析
した(新生化学実験講座3,糖質II,p49−62
(東京化学同人社))。不飽和二糖の表記について、図
5に示す。
【0025】図6に分析した不飽和二糖組成を%で示
す。B−IIIの硫酸化度(二糖単位構造に存在する硫
酸基の数)から、このオリゴ糖は8つの構成糖からなる
ことが判った。ここで、構成糖の数を求めた方法を以下
に示す。図6のCLHS(10)−B−IIIの硫酸化
度、すなわちSO4 /Δ二量体の値、2.41は、B−
IIIを上記酵素消化して得られた不飽和二糖の硫酸化
度の平均値である。得られた硫酸化度の値が平均値であ
るので、実際には、確率論から、硫酸化度2の不飽和二
糖が60%、硫酸化度3の不飽和二糖が40%存在して
いる。上記酵素消化する前の、硫酸化度2の二糖単位構
造は、2−O−硫酸化イズロン酸と2−N−硫酸化グル
コサミンまたはイズロン酸と6−O,2−N−ジ硫酸化
グルコサミンであり、硫酸化度3の二糖単位構造は、2
−O−硫酸化イズロン酸と6−O,2−N−ジ硫酸化グ
ルコサミンであり、それぞれの分子量は、529と62
5である。ゆえに、上記存在割合にそれぞれの分子量を
乗じた値、567が上記硫酸化度2.41の二糖単位構
造の分子量となる。上記の表2より、CLHS10のお
およその分子量は2100なので、これを567で除し
て、CLHS10には二糖単位構造が3.7単位存在す
ることがわかる。二糖単位構造が3.7単位存在するこ
とから、CLHS10は7.4糖であることになるが、
実際には6−8糖であると考えられ、また先にHGFと
ヘパラン硫酸オリゴ糖の結合には、該オリゴ糖のサイズ
が8糖以上必要であることがわかったので、CLHS1
0は8つの構成糖からなるとした。従って、図6の()
内には該構成糖(2糖の繰り返し構造を1ユニットとし
た場合、4ユニット)に対する、硫酸化の位置および硫
酸化度の異なる各種不飽和二糖単位のユニット数を示し
た。
【0026】HGFに吸着可能なB−III画分と、H
GFに対して非吸着画分であるUB−I、UB−IIお
よびUB−III画分の不飽和二糖組成を比較すると、
HGF吸着画分であるB−IIIの不飽和二糖組成にお
いて、ΔDi−triS、ΔDi−di(N,6)Sの
割合が高いことが判った。特に、HGFに対して結合可
能なB−III画分では、オリゴ糖4ユニットの内ほぼ
2ユニットがΔDi−triSで占められることが判っ
た。これらの結果から、2ユニットのIdoA(2S)
−GlcNS(6S)がHGFの結合に重要であること
が判った(ΔDi−triSは、IdoA(2S)−G
lcNS(6S)を酵素消化して得られる不飽和二糖で
ある)。
【0027】同様に、CLHS I由来で12糖の構成
糖よりなるヘパラン硫酸オリゴ糖(CLHS12)をH
GFアフィニテイーカラムに添加し、その結合画分およ
び非結合画分を回収した。さらに、CLHS12のHG
Fアフィニテイーカラムに対する吸着画分、非吸着画分
をそれぞれMonoQカラム(ファルマシア社)に添加
し、0M NaCl,0.05M トリス−塩酸緩衝液
(pH7.2)から1.0M NaCl,0.05M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)の直線濃度勾配によ
り溶出を行い、さらに2.0M NaCl,0.05M
トリス−塩酸緩衝液(pH7.2)で溶出を行った。
【0028】結果を図7に示す。図7(A)にはCLH
S12のHGFアフィニテイーカラム吸着画分を添加し
た場合のクロマトグラフィーを示しており、図7(A)
に示すB−I画分を回収した。一方、図7(B)にはC
LHS12のHGFアフィニテイーカラム非吸着画分を
添加した場合のクロマトグラフィーを示しており、図7
(B)に示すUB−IおよびUB−II画分を回収し
た。
【0029】次に、得られたB−I、UB−IおよびU
B−II画分に対して、ヘパリチナーゼI、II、II
Iで酵素消化して不飽和二糖に分解し、各画分の不飽和
二糖組成をポリアミンカラムで分析した。図8に分析し
た不飽和二糖組成を%で示す。B−Iの硫酸化度から、
このオリゴ糖は8〜10の構成糖からなることが判っ
た。図8の()内には、該構成糖(2糖の繰り返し構造
を1ユニットとした場合、4ユニット)に対する、硫酸
化の位置および硫酸化度の異なる各種不飽和二糖単位の
ユニット数を示した。
【0030】その結果、HGF吸着画分であるB−Iの
不飽和二糖組成において、オリゴ糖4ユニットの内ほぼ
2ユニットがΔDi−triSで占められることが判っ
た。これらの結果から、2ユニットのIdoA(2S)
−GlcNS(6S)がHGFの結合に重要であること
が確認された(ΔDi−triSは、IdoA(2S)
−GlcNS(6S)を酵素消化して得られる不飽和二
糖である)。
【0031】実施例4 ラットプロテオグリカンに結合
したHGFのヘパラン硫酸オリゴ糖による遊離活性 ラット肝臓から調製したヘパラン硫酸プロテオグリカン
でコートしたウェルへ、ジゴキシゲニン−HGF 20
ng/ウェルを0.2mg/ml CSAおよび0.9
mM CaCl2 を含むブロッキングバッファーで結合
させた後、1ng〜10μg/mlのヘパラン硫酸オリ
ゴ糖を含むPBSに交換し、プレートにう結合したHG
Fを遊離させた。遊離活性は、プレートにコートしたヘ
パラン硫酸プロテオグリカンに結合したHGFを50%
遊離させた濃度として求めた。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】 表3 ────────────────────────── ヘパラン硫酸オリゴ糖 遊離活性(ng/ml) ────────────────────────── CLHS 8 3360 CLHS10 350 CLHS12 100 CLHS12−B 3.5 CLHS12−UB 4230 ─────────────────────── ヘパリン 1.0 ──────────────────────────
【0033】上記の結果から明らかなように、ヘパラン
硫酸オリゴ糖はサイズ依存的に遊離活性が高くなった。
また非結合性のヘパラン硫酸12糖画分(CLHS12
−UB)の遊離活性は4230ng/mlであるのに対
し、結合性ヘパラン硫酸12糖画分(CLHS12−
B)の遊離活性は3.5ng/mlと、活性に1000
倍以上の開きが認められた。またCLHS12−Bの活
性は、ヘパリンと比較しても約1/3程度であり、強い
活性を有していることがわかる。
【0034】従って、HGF結合性ヘパラン硫酸は細胞
表層に存在するヘパラン硫酸プロテオグリカンへのHG
Fの結合を強く阻害し、その分解を抑制することが期待
され、その結果としてHGFの薬理作用の向上を引き起
こすことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘパリンオリゴ糖とHGFアフィニテイーカラ
ムとの結合率を表す図面である。
【図2】ヘパラン硫酸オリゴ糖をSephadex G
−50カラムに添加し、そのオリゴ糖サイズで分画した
結果を表す図面である。
【図3】CLHS I由来のヘパラン硫酸オリゴ糖とH
GFアフィニテイーカラムとの結合率を表す図面であ
る。
【図4】CLHS10のHGFアフィニテイーカラム吸
着・非吸着画分をMonoQカラムへ添加した場合のク
ロマトグラフィーを表す図面である。図中、(A)はH
GFアフィニテイーカラム吸着画分を、(B)はHGF
アフィニテイーカラム非吸着画分をそれぞれ表す。
【図5】硫酸化多糖類を酵素消化することによって生成
する各種不飽和二糖の構造とその略称との関係を示した
ものである。
【図6】CLHS10と、そのHGFアフィニティーカ
ラムによる分画物であるB−III、UB−I、UB−
IIおよびUB−III画分の不飽和二糖組成を示した
表である。
【図7】CLHS12のHGFアフィニテイーカラム吸
着・非吸着画分をMonoQカラムへ添加した場合のク
ロマトグラフィーを表す図面である。図中、(A)はH
GFアフィニテイーカラム吸着画分を、(B)はHGF
アフィニテイーカラム非吸着画分をそれぞれ表す。
【図8】CLHS12、B−I、UB−IおよびUB−
II画分の不飽和二糖組成を示した表である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肝実質細胞増殖因子に親和性を有する少
    なくとも8糖以上の構造単位部分を含有する硫酸化多糖
    類。
  2. 【請求項2】 構造単位部分が、ヘキスロン酸およびヘ
    キソサミンまたはそのN−アセチル置換体とからなり、
    硫酸基を含む二糖単位構造を4単位以上含有するもので
    あることを特徴とする請求項1記載の硫酸化多糖類。
  3. 【請求項3】 ヘキスロン酸がL−イズロン酸またはD
    −グルクロン酸であり、ヘキソサミンがD−グルコサミ
    ンまたはD−ガラクトサミンあるいはそのN−アセチル
    置換体であることを特徴とする請求項2記載の硫酸化多
    糖類。
  4. 【請求項4】 ヘパリンまたはヘパラン硫酸の部分分解
    物または限定分解物であることを特徴とする請求項1〜
    3に記載の硫酸化多糖類。
  5. 【請求項5】 ヘキスロン酸とヘキソサミンとの二糖単
    位構造の4単位からなり、該二糖単位構造のうち、2−
    O−硫酸化ヘキスロン酸と6−O,2−N−ジ硫酸化ヘ
    キソサミンとの二糖単位構造が前記4単位中、約1.5
    〜2.5単位であり、肝実質細胞増殖因子に親和性を有
    する構造単位部分を含有する硫酸化多糖類。
  6. 【請求項6】 ヘパリンもしくはヘパラン硫酸、または
    これらの部分分解物もしくは限定分解物の混合物を、リ
    ガンドとして肝実質細胞増殖因子を結合したアフィニテ
    ィー担体と接触させ、肝実質細胞増殖因子に親和性を有
    する画分と該因子に親和性を有さない画分に分別するこ
    とを特徴とする硫酸化多糖類の製造法。
  7. 【請求項7】 アフィニティー担体との接触をコンドロ
    イチン硫酸共存下で行い、分画後、必要に応じて肝実質
    細胞増殖因子に親和性を有する画分からコンドロイチン
    硫酸を分離除去することを特徴とする請求項6記載の方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002003384A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Seikagaku Kogyo Co Ltd 成長因子誘導剤
JP2002327002A (ja) * 2000-08-07 2002-11-15 Seikagaku Kogyo Co Ltd 硫酸基を有するオリゴ糖
WO2005092348A1 (ja) * 2004-03-29 2005-10-06 Kringle Pharma Inc. ヘパリン様オリゴ糖含有hgf産生促進薬剤

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