JPH0834862A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

熱収縮性フィルム

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JPH0834862A
JPH0834862A JP16952094A JP16952094A JPH0834862A JP H0834862 A JPH0834862 A JP H0834862A JP 16952094 A JP16952094 A JP 16952094A JP 16952094 A JP16952094 A JP 16952094A JP H0834862 A JPH0834862 A JP H0834862A
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JP
Japan
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weight
resin
polypropylene resin
film
heat
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JP16952094A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kusu
隆之 久須
Kozaburo Toshima
耕三郎 戸島
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム表面に可塑剤のにじみ(浸出)、汗
をかいたような現象(発汗)、透明性がなくなる現象
(失透)、白濁などが発生しない熱収縮性フィルムを提
供すること。 【構成】 重量平均分子量が80,000〜500,0
00の範囲内にあるポリプロピレン系樹脂であり、クロ
ス分別法による0℃以上20℃以下での樹脂溶出量が全
ポリプロピレン系樹脂量の5重量%未満であり、20超
70℃以下での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量
の8〜30重量%であり、そして70超110℃以下で
の樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量の70〜95
重量%である範囲内の組成を有するポリプロピレン系樹
脂100重量部に、可塑剤5〜60重量部を含有させて
なる樹脂組成物より成形される、熱収縮性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可塑剤を含む熱収縮性
フィルムに関し、詳しくは、フィルム表面に可塑剤のに
じみ(浸出)、汗をかいたような現象(発汗)、透明性
がなくなる現象(失透)、白濁などが発生しない熱収縮
性フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、80
℃付近で20%以上の熱収縮が可能で、85℃以上での
殺菌が可能な熱収縮性フィルムに関する。本発明はま
た、比重が小さく、容器の収縮包装材として用いた場合
に、容器との分別回収も容易でかつ環境上の問題がなく
安全な熱収縮性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、飲料用などの容器を収縮包装する
ための収縮ラベルとして、ポリ塩化ビニルフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリエステル系フィルムなどが用
いられている。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂は、可塑剤との相溶性
がよいため熱成形加工性がよく、またポリ塩化ビニルか
ら得られるフィルムは、透明性および光沢が優れてい
る。ポリ塩化ビニルフィルムは容器の収縮包装には好適
であるが、焼却時に有毒性ガスを発生するなどの環境上
の問題がある。さらにポリ塩化ビニルフィルムは、比重
が大きいため、容器との分別回収がしにくいなどの欠点
がある。
【0004】ポリスチレンフィルムは容器の収縮包装に
は好適であるが、耐熱性が80℃以下であるため、85
℃以上の熱水による殺菌やレトルト食品の製造時におけ
る殺菌には不適である。
【0005】ポリエステル系フィルムは容器の収縮包装
に用いることはできるが、比重が大きいため、ポリ塩化
ビニルと同様に容器との分別回収がしにくいという欠点
がある。
【0006】ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィンは、通常、可塑剤との相溶性が悪く、例えば
ポリエチレン樹脂100重量部に対して可塑剤(例え
ば、クエン酸トリ−n−ブチル)を5〜10重量部程度
の少量添加した場合、両者は相溶性がないため、これを
用いて成形されたフィルムでは、可塑剤が全部フィルム
表面に移行してしまい、フィルム表面が可塑剤で覆われ
た、べたついたものとなる。
【0007】実際、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−プロピレンブロックコポリマー、エ
チレン−プロピレンランダムコポリマー単独またはこれ
ら樹脂のブレンド物100重量部に、各種可塑剤を5〜
60重量部添加したものでフィルムを成形したが、押出
時に変動してフィルムが成形できなかったり、可塑剤の
フィルム表面への浸出、白濁などが発生したりして、満
足するフィルムは得られなかった。
【0008】ポリプロピレン系樹脂フィルムは、透明
性、光沢、耐熱性、剛性、低比重などに優れているた
め、包装材料として用いるのに好適である。しかし、ポ
リプロピレン系樹脂フィルムは100℃以上の温度では
熱収縮するが、70〜80℃の低温領域ではほとんど収
縮しないため、収縮包装材料としては不適である。そこ
で、ポリプロピレン系樹脂フィルムを、低温熱収縮性
(80℃における熱収縮率が延伸方向で20%以上)を
有する収縮包装材料として用いるために、種々の研究が
なされている。低温熱収縮性を達成するためには、60
〜70℃の延伸領域でフィルムが白化せずに3〜4倍程
度の延伸が安定して行われ得るということが必要とな
る。そのため、2〜10重量%の割合でプロピレン−エ
チレンランダム共重合体を用いたり、エチレン−α−オ
レフィン共重合体や石油樹脂をプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体に添加したりする試みが行われている。
それら手段によって通常、110〜120℃のポリプロ
ピレン系樹脂フィルムの延伸温度が80〜90℃程度ま
では引き下げられたが未だ不十分である。
【0009】ところで、従来のポリプロピレン系樹脂1
00重量部に、可塑剤を10〜60重量部、好ましくは
20〜30重量部添加することにより、60〜70℃の
延伸領域でも白化することなく、得られるフィルムを良
好に延伸することができるが、可塑剤のブリードアウ
ト、可塑化、光沢の低下などが起こり、実用的ではなか
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の欠
点を克服するものであり、特定のポリプロピレン系樹脂
を用いることによって、フィルム表面に可塑剤のにじみ
(浸出)、汗をかいたような現象(発汗)、透明性がな
くなる現象(失透)、白濁などが発生しない熱収縮性フ
ィルムを提供することを目的とする。本発明はまた、8
0℃付近で20%以上の熱収縮が可能で、85℃以上で
の殺菌が可能な熱収縮性フィルムを提供することを目的
とする。さらに本発明は、比重が小さく、容器の収縮包
装材として用いた場合に、容器との分別回収も容易でか
つ環境上の問題がなく安全な熱収縮性フィルムを提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、樹脂成分として、特定の重量平均分子量を有
し、かつ特定温度における樹脂溶出量が一定の範囲にあ
るポリプロピレン系樹脂をフィルムに成形し、これを該
熱収縮性フィルムに利用することにより、上記目的を達
成できることを見いだし、その知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0012】本発明の熱収縮性フィルムは、重量平均分
子量が80,000〜500,000の範囲内にあるポ
リプロピレン系樹脂であり、クロス分別法による0℃以
上20℃以下での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂
量の5重量%未満であり、20超70℃以下での樹脂溶
出量が全ポリプロピレン系樹脂量の8〜30重量%であ
り、そして70超110℃以下での樹脂溶出量が全ポリ
プロピレン系樹脂量の70〜95重量%である範囲内の
組成を有するポリプロピレン系樹脂100重量部に、可
塑剤5〜60重量部を含有させてなる樹脂組成物より成
形される。
【0013】好ましい実施態様においては、上記可塑剤
は、クエン酸トリ−n−ブチル、フタル酸ジイソデシ
ル、アジピン酸ジイソデシル、セバチン酸ジオクチル、
リン酸トリオクチル、オレイン酸−n−ブチルおよびア
ジピン酸ジイソブチルからなる群より選択される。
【0014】好ましい実施態様においては、上記熱収縮
性フィルムは、80℃以下の温度にて少なくとも一方向
に2倍以上延伸されてなる。
【0015】好適な実施態様では、上記ポリプロピレン
系樹脂は、プロピレン−エチレン共重合体またはプロピ
レン−α−オレフィン共重合体である。これらの樹脂
は、チタン化合物触媒およびアルミニウム化合物触媒の
存在下で、まず第一のプロピレン系樹脂を第一段階目で
重合し、次いで第二段階目以降において、生成したチタ
ン含有プロピレン系樹脂と上記化合物触媒存在下で、プ
ロピレンとエチレン、あるいはプロピレンとα−オレフ
ィンとを共重合させ、さらにこれらの共重合体を架橋さ
せることにより得られる。
【0016】さらに好適な実施態様では、第一段階目で
生成したチタン含有プロピレン系樹脂が、プロピレン単
独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、またはプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂
の重量平均分子量は、例えば、WATERS社製高温G
PC(150CV)で測定され得る。本発明に使用され
るポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量は80,00
0〜500,000であり、好ましくは80,000〜
450,000であり、さらに好ましくは、100,0
00〜400,000である。重量平均分子量が80,
000未満ではフィルムの延伸が困難となり、500,
000を超えると十分な柔軟性が得られない。本発明で
用いたクロス分別法による樹脂の溶出量の測定は以下の
ように行われる。ポリプロピレン系樹脂をまず140℃
あるいはポリプロピレン系樹脂が完全に溶解する温度の
o−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で冷却し、予
め用意した不活性担体表面に薄いポリマー層を結晶性の
高い順および分子量の大きい順に生成させる。次に、こ
の生成したポリマー層を連続または段階的に昇温し、順
次溶出した成分の濃度を検出し、その組成分布(結晶性
分布)を測定する<温度上昇溶離分別>。同時に、その
成分について高温型GPCにより分子量および分子量分
布を測定する。例えば、上記の温度上昇溶離分別(TR
EF=TemperatureRising Elution Fractionation)部
分と高温GPC(SEC=Size Exclution Chromatogra
ph)部分とをシステムとして備えているクロス分別クロ
マトグラフ装置<CFC−T150A型:三菱油化社製
>が使用され得る。
【0019】本発明で用いるポリプロピレン系樹脂は、
上記クロス分別法による0℃以上20℃以下での樹脂溶
出量が全ポリプロピレン系樹脂量の5重量%未満であ
り、好ましくは2〜3重量%である。この溶出量が、5
重量%を超えるとフィルムの透明性および光沢が低下す
る。
【0020】この樹脂は、上記クロス分別法による20
℃超70℃以下での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹
脂量の8〜30重量%であり、好ましくは10〜20重
量%である。8重量%未満ではフィルムの柔軟性に欠
け、30重量%を超えるとフィルムの透明性および光沢
が低下し、延伸性が悪くなる。
【0021】最後に、上記クロス分別法による70℃超
110℃以下での樹脂溶出量は全ポリプロピレン系樹脂
量の70〜95重量%であり、好ましくは80〜90重
量%である。70重量%未満ではフィルムの剛性がなく
なり、95重量%を超えると可塑剤との相溶性が低下
し、またフィルムが裂け易くなる。
【0022】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
は、上記クロス分別法による0℃以上20℃以下、20
℃超70℃以下、70℃超110℃以下でのそれぞれの
溶出樹脂の重量平均分子量が25,000〜30,00
0、30,000〜90,000、100,000〜4
00,000の範囲内にあることが好ましい。
【0023】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
において、各温度域での溶出量および重量平均分子量が
上記範囲内にあることは、フィルムの弾性率、強度、延
性、熱収縮性、耐熱性などの物性を制御する上で非常に
重要である。
【0024】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
は、例えば以下のような多段重合法により製造される。
まず、第一段階として、チタン化合物触媒およびアルミ
ニウム化合物触媒の存在下においてプロピレンモノマー
および必要に応じてプロピレン以外のα−オレフィンモ
ノマーを用いて重合を行い、第一のポリプロピレン系樹
脂を得る。このポリプロピレン系樹脂はプロピレン単独
重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−
α−オレフィン共重合体などであり得る。第二段階とし
て、前記のチタン化合物触媒およびアルミニウム化合物
触媒を含有したままの上記第一のポリプロピレン系樹脂
と、オレフィンモノマー(例えば、エチレン、プロピレ
ン、またはα−オレフィン)とを共重合させて、第2の
ポリプロピレン系樹脂を得る。この二段階反応により得
られる第二のポリプロピレン系樹脂は、プロピレン−エ
チレン共重合体またはプロピレン−α−オレフィン共重
合体であり得る。以下同様に目的に応じて多段階の共重
合反応を行い得る。この製造方法の特徴は、重合を一段
階で終了するのではなく、二段階以上の多段重合を行う
ことにある。このことにより、複数の種類のポリマーを
続けて作り上げることが可能であり、通常のポリマーブ
レンドとは全く異なる、分子レベルでのブレンドタイプ
の共重合体が生成される。
【0025】通常、ポリマーブレンドの場合、適度の柔
軟性と伸縮性を向上させるには、ブレンドするゴム成分
の分子量を上げるのが一つの方法である。本発明に用い
られるポリプロピレン系樹脂の場合、このゴム成分にあ
たるのは上記の二段階以降の反応で生成する成分(α−
オレフィン−プロピレン、エチレン−プロピレン)であ
り、この成分は分子量が高いため、溶融粘度が高い。こ
のゴム成分は上記の多段重合法を用いることにより、ポ
リプロピレン系樹脂中に微分散させることができる。し
かし、通常の押出機などを用いたブレンド法では、この
ように分子量の高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高
いため、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂のよ
うな微分散モルフォロジーを有する樹脂は作製し得な
い。そのため、前述のような可塑剤を混入しても相溶性
がないため、適用できないというのが実態であった。本
発明で用いるポリプロピレン系樹脂の微分散モルフォロ
ジーを有するものでは、PVCと同様に可塑剤を含有さ
せることが可能なポリプロピレン系樹脂が得られる。
【0026】このような製造方法としては例えば、特開
平4−224809号公報に記載の方法がある。この方
法ではチタン化合物としては、例えば三塩化チタンと塩
化マグネシウムとを共粉砕し、これをオルトチタン酸n
−ブチル、2−エチル−1−ヘキサノール、p−トルイ
ル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチルなど
で処理して得られる、平均粒子径15μmの球状固体チ
タン触媒が用いられている。この方法ではさらに重合槽
に電子供与体としてケイ素化合物、特にジフェニルジメ
トキシシランを添加し、さらにヨウ化エチルも添加して
いる。さらに、特開平3−97747号公報にはチタン
化合物として、塩化マグネシウムとアルコールの付加物
を四塩化チタンおよび電子供与体で処理したものを用い
ることが記載されている。これらの方法の他にも、例え
ば、特開平4−96912号公報、同4−96907号
公報、同3−174410号公報、同2−170803
号公報、同2−170802号公報、同3−20543
9号公報、同4−153203号公報、および特開昭6
1−42553号公報などに、このような製造方法の記
載がある。本発明の熱収縮性フィルムを形成するポリプ
ロピレン系樹脂を製造する際には、上記のような、公知
の任意の方法が使用し得る。このような製造方法により
得られる実際の樹脂としては徳山曹達社の「PER」お
よびハイモント社の「キャタロイ」などが挙げられる。
これらはいずれも本発明に用いられ得る。
【0027】本発明の熱収縮性フィルムを成形するため
に用いられる樹脂組成物は、上記ポリプロピレン系樹脂
100重量部に、可塑剤5〜60重量部、好ましくは2
0〜30重量部を含有させることにより得られる。
【0028】上記可塑剤としては、クエン酸トリ−n−
ブチル(ATBC)、フタル酸ジイソデシル(DID
P)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバチン
酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリオクチル(TO
P)、オレイン酸−n−ブチル(Bu−OL)、アジピ
ン酸ジイソブチル(DIBA)などが挙げられる。
【0029】上記ポリプロピレン系樹脂100重量部に
対し、上記可塑剤の含有量が5重量部未満の場合には、
60〜70℃の延伸領域で安定した延伸が得られず、逆
に60重量部を越える場合には、得られるフィルムの光
沢が低下して商品価値を損なう。
【0030】本発明において、上記樹脂組成物には、さ
らに、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、沈降性
硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸化
チタンなどの充填剤、着色剤などを添加することができ
る。
【0031】本発明の熱収縮性フィルムは、例えば、上
記樹脂組成物を、通常のTダイ法、インフレーション
法、カレンダー法などにより、所定の厚みに成形する方
法により得られ得る。
【0032】本発明の熱収縮性フィルムの厚みは、30
〜70μmが適用できる。
【0033】本発明の熱収縮性フィルムは、80℃以下
の温度で、少なくとも1方向に2倍以上延伸して用いら
れ得る。低温延伸することにより、得られる熱収縮性フ
ィルムの低温収縮率がさらに良好になると考えられる。
【0034】このフィルムは、無色透明のもの、着色さ
れた透明のもの、着色されて透明性のないものなどいず
れであってもよい。
【0035】
【作用】本発明の熱収縮性フィルムにおいては、特定の
ポリプロピレン系樹脂が用いられていることにより、フ
ィルム表面に可塑剤のにじみ(浸出)、汗をかいたよう
な現象(発汗)、透明性がなくなる現象(失透)、白濁
などが発生しない熱収縮性フィルムを提供することがで
きる。本発明の熱収縮性フィルムはまた、80℃付近で
20%以上の熱収縮が可能で、85℃以上での殺菌が可
能である。さらに本発明の熱収縮性フィルムは比重が比
較的小さいので、容器の収縮包装材として用いた場合
に、容器との分別回収も容易でかつ環境上の問題がな
い。
【0036】本発明の熱収縮性フィルムが、浸出、発
汗、失透、白濁などが発生しないという優れた特徴を有
する理由は、以下のように推定される。本発明に用いら
れるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体などに代表される非晶性ポ
リマーが重合中に大量に導入されてアロイされたように
なっていると考えられる。非常に活性が高く、寿命が長
いチタン系触媒の使用により、この種の樹脂の製造が一
部のメーカーで可能になっているようである。このよう
な重合によるポリマー中には、分子構造の異なる共重合
体が数種存在し、そのためポリプロピレンなどの通常樹
脂部とこれら共重合体部のアロイにおいて特徴あるモル
フォロジーが発現していると考えられる。この結果、本
発明の熱収縮性フィルムは、可塑剤を含有することがで
きると考えられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
具体的に説明する。
【0038】<実施例1>重量平均分子量260,00
0、クロス分別法による各温度での溶出量が0℃以上2
0℃以下で2.5重量%、20℃超70℃以下で11重
量%、70℃超110℃以下で86.5重量%である、
ポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、キャタロイK
T−011P、MFR5.0、密度0.900g/cm
3)100重量部に、可塑剤としてアジピン酸ジイソブ
チル(三建化工社製D14A)20重量部を加えて樹脂
組成物を得、その後、この樹脂組成物を用いて50mm
インフレーション押出設備にて厚み50μmのフィルム
を作成した。
【0039】得られた樹脂組成物またはフィルムについ
て、下記の方法により、可塑剤の白濁現象および発汗現
象の有無、透明度、引張強度、伸度および引裂強度を評
価した。
【0040】(白濁現象)得られたフィルムの外観を目
視にて評価した。
【0041】(発汗現象)得られたフィルムの外観を目
視にて評価した。
【0042】(透明度)積分球式光線透過率測定装置を
用いて、JIS K 7105に準拠し、ヘイズ(曇
価)を評価した。
【0043】(引張強度および伸度)JIS Z 17
02に準拠して測定した。
【0044】(引裂強度)JIS P 8116に準拠
して測定した。
【0045】得られた結果を表1に示す。以下の実施例
2および比較例1〜4の結果についてもあわせて表1に
示す。
【0046】<実施例2>アジピン酸ジイソブチルの添
加量を40重量部に変更したこと以外は、実施例1と同
様の方法で厚み50μmのフィルムを作製し、実施例1
と同様の試験を行った。
【0047】<比較例1>アジピン酸ジイソブチルを全
く添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で
厚み50μmのフィルムを作製し、実施例1と同様の試
験を行った。
【0048】<比較例2>ポリプロピレン系樹脂を低密
度ポリエチレン(三菱油化社製ユカロンZE41、MF
R0.5、密度0.922g/cm3)に変更したこと
以外は、実施例1と同様の方法で厚み50μmのフィル
ムを作製し、同様の試験を行った。
【0049】<比較例3>ポリプロピレン系樹脂をエチ
レン6%含有のランダムコポリマーポリプロピレン樹脂
(昭和電工社製ショウアロマFD332 MFR5.
0、密度0.90g/cm3)に変更したこと以外は、
実施例1と同様の方法で厚み50μmのフィルムを作製
し、実施例1と同様の試験を行った。
【0050】<比較例4>ポリプロピレン系樹脂を、ポ
リプロピレン樹脂(昭和電工社製ショウアロマFD33
2)100重量部にエチレン−α−オレフィン共重合体
(三井石油化学社製タフマーP−0280、MFR2.
9、密度0.87g/cm3)20重量部をブレンドし
たものに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で
厚み50μmのフィルムを作製し、実施例1と同様の試
験を行った。
【0051】
【表1】
【0052】表1によれば、実施例1および2で得られ
たフィルムでは、浸出現象、白濁現象および発汗現象は
みられず、物性上も大きな変化はなく、可塑剤が樹脂中
に溶け込んでいることは明らかである。比較例2および
3で得られたフィルムは、白濁現象および発汗現象が見
られ、実用的ではなかった。
【0053】<実施例3>実施例1で用いたポリプロピ
レン系樹脂100重量部に、可塑剤としてアジピン酸ジ
イソブチル(三建化工社製 D14A)20重量部を加
え、二軸混練機により混練し、ペレット状の混合物を得
た。この混合物を220℃に保ったTダイにてシート状
に押出し、冷却ロールで30℃まで冷却した。厚み16
0μmのこの未延伸シートを65℃に加熱したロール延
伸機にて縦方向に4倍延伸した。次いで、この延伸フィ
ルムを60℃の熱ロールを通して、5秒間アニールして
厚み43μmのフィルムを作製した。
【0054】得られたフィルムを用いて以下の方法によ
りラベリングを行い、得られた包装体について、外観密
着性、冷却後の収縮戻り、ボイル特性およびレトルト特
性を評価した。
【0055】(ラベリング方法)フィルムを縦(延伸方
向と直角方向)117mm、横(延伸方向)223mm
に切除後、縦方向に平行な端同士をインパルスシールに
より端同士が5mm重なり合うようにして、円筒状物を
作製した。この円筒状物を高さ140mm、胴部の直径
68.5mm、底からの高さ117mmの肩の位置の直
径が約55mmの300ml容量のガラス瓶の瓶肩部か
ら底部まで保護されるように瓶に装着した後、200℃
のオーブン中に10秒間放置し、当該延伸フィルムを熱
収縮させてラベリングしたガラス瓶包装体を得た。
【0056】(外観密着性)得られた包装体の外観を目
視にて評価した。その評価基準は、次のとおりである。 ○ ・・・ 瓶に完全に密着していた。 × ・・・ 瓶に完全には密着せず収縮が不十分であった。
【0057】(冷却後の収縮戻り)得られた包装体を室
温で24時間放置した後、その包装体の外観を目視にて
評価した。その評価基準は、次のとおりである。 ○ ・・・ 収縮包装後冷却された状態でも、瓶肩からフィ
ルムが離れなかった。 × ・・・ 収縮包装後冷却されることにより瓶肩の部分で
フィルムが瓶から離れた。
【0058】(ボイル特性)得られた包装体を、90℃
の熱水中に20分間浸漬処理後、取出した時の外観を評
価した。その評価基準は次のとおりである。 ○ ・・・ 処理前とまったく変化がなかった。 × ・・・ 部分的なゆるみ、白濁などが発生した。
【0059】(レトルト特性)得られた包装体を、12
0℃、40分間スチーム処理後、取出した時の外観を評
価した。 ○ ・・・ 処理前とまったく変化がなかった。 × ・・・ 部分的なゆるみ、白濁などが発生した。
【0060】得られた結果を表2に示す。以下の実施例
4および比較例5〜7の結果についてもあわせて表2に
示す。
【0061】<実施例4>可塑剤の添加量を40重量部
としたこと以外は、実施例3と同様にしてフィルムを作
製し、実施例3と同様の試験を行った。
【0062】<比較例5>可塑剤を全く添加せず延伸倍
率を2倍としたこと以外は、実施例3と同様にしてフィ
ルムを作製し、実施例3と同様の試験を行った。
【0063】<比較例6>可塑剤を全く添加せず延伸温
度を90℃としたこと以外は、実施例3と同様にしてフ
ィルムを作製し、実施例3と同様の試験を行った。
【0064】<比較例7>延伸温度を80℃としたこと
以外は、実施例3と同様にしてフィルムを作製し、実施
例3と同様の試験を行った。
【0065】
【表2】
【0066】表2によれば、実施例3および4で得られ
た熱収縮性フィルムは、65℃という低温延伸温度にお
いても十分に熱収縮し、得られた熱収縮性フィルムの外
観密着性、冷却後の収縮戻り、ボイル特性およびレトル
ト特性は優れていることがわかる。比較例5〜7で得ら
れた熱収縮性フィルムは、熱収縮率、外観密着性、冷却
後の収縮戻り、ボイル特性およびレトルト特性が不十分
であり、実用に適さない。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、フィルム表面に可塑剤
のにじみ(浸出)、汗をかいたような現象(発汗)、透
明性がなくなる現象(失透)、白濁などが発生しない熱
収縮性フィルムを得ることができる。本発明によればま
た、80℃付近で20%以上の熱収縮が可能で、85℃
以上での殺菌が可能な熱収縮性フィルムを得ることがで
きる。本発明の熱収縮性フィルムは、比重が小さく、容
器の収縮包装材として用いた場合に、容器との分別回収
も容易でかつ環境上の問題がなく安全である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が、80,000〜50
    0,000の範囲内にあるポリプロピレン系樹脂であ
    り、クロス分別法による0℃以上20℃以下での樹脂溶
    出量が全ポリプロピレン系樹脂量の5重量%未満であ
    り、20超70℃以下での樹脂溶出量が全ポリプロピレ
    ン系樹脂量の8〜30重量%であり、そして70超11
    0℃以下での樹脂溶出量が全ポリプロピレン系樹脂量の
    70〜95重量%である範囲内の組成を有するポリプロ
    ピレン系樹脂100重量部に、可塑剤5〜60重量部を
    含有させてなる樹脂組成物より成形される、熱収縮性フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 前記可塑剤が、クエン酸トリ−n−ブチ
    ル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソデシル、
    セバチン酸ジオクチル、リン酸トリオクチル、オレイン
    酸−n−ブチルおよびアジピン酸ジイソブチルからなる
    群より選択される、請求項1に記載の熱収縮性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 80℃以下の温度にて少なくとも一方向
    に2倍以上延伸されてなる請求項1または2に記載の熱
    収縮性フィルム。
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