JPH0835658A - 点火器用触媒部材およびその製造方法 - Google Patents

点火器用触媒部材およびその製造方法

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JPH0835658A
JPH0835658A JP6195233A JP19523394A JPH0835658A JP H0835658 A JPH0835658 A JP H0835658A JP 6195233 A JP6195233 A JP 6195233A JP 19523394 A JP19523394 A JP 19523394A JP H0835658 A JPH0835658 A JP H0835658A
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Jun Kashiwagi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価な触媒金属の使用量を低減するとともに
炎燃焼が可能で熱容量も小さく良好な再着火機能を有す
る触媒部材を得る。 【構成】 線状基材2の表面に、粉体金属またはガラス
質溶融材による融着材3によって金属酸化物による微粉
触媒担体4を固着し、この微粉触媒担体4の表面に触媒
体5を付着させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、喫煙具用ガスライタ
ー、点火バーナー等の点火器に使用される点火器用触媒
部材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガスライター等の点火器にお
いて、火口近傍に触媒部材を配設し、風により炎が立ち
消えた場合、再度の着火操作を行わないでも、それまで
の燃焼に伴って温度が着火温度以上に上昇している触媒
により再着火を行うようにした技術が、例えば特開昭60
−101419号公報に見られるように公知である。
【0003】また、上記触媒として白金線をコイル状そ
の他の形状に設け、この白金線を炎に接触させ、風など
で炎が吹き消えても、昇温している白金線に燃料ガスが
接触して反応し、再着火させるようにした触媒ガスライ
ターも知られている。
【0004】さらに、燃焼触媒としては、多孔質のセラ
ミックまたは繊維状セラミックを紙状或いは板状に成型
したものを、塩化白金酸等の触媒溶液に浸漬して塗布し
た後に、熱分解し白金粒を析出させてなる平板状の触媒
部材を設け、これを燃焼筒に介装するようにした構造も
考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の再着火可
能なガスライター等に使用される触媒部材としては、一
般に用いられる白金線は非常に高価であり、これを単体
の線材として使用したのでは、ガスライター全体の価格
が高価になるという難点がある。このため例えば使い捨
てガスライターのような廉価なガスライターに、高価な
白金線を使用することは困難である。
【0006】具体的には、上記白金線は、その直径が
0.1mm、長さが35mm程度必要とされ、その重量は約 5.9m
gとなり、材料費だけでも高価となる。また、この白金
線による触媒の場合、白金線のガス炎流に接触する表面
部分のみが触媒反応を示すものであり、白金線の内部は
触媒として寄与することはなく、その点からも白金使用
量が増大するものである。
【0007】一方、平板状セラミック或いはセラミック
繊維よりなる担体による触媒部材では、ガス流れはこの
触媒部分で燃焼して、燃焼筒の上部では炎が得られず点
火器としての機能としては不十分となる問題を有してい
る。
【0008】すなわち、点火器における触媒の作用は、
燃焼炎が風により吹き消された時に、触媒が燃料ガスの
接触燃焼反応温度以上に加熱されていて、後続のガス流
に再着火させることにあり、また、煙草その他の点火器
としては、その着火を容易とするために燃焼筒の先端に
おいて、燃料ガスが炎燃焼することが好ましい。
【0009】しかして、上記のような炎燃焼であると、
炎が風により吹き消されることが起き、これを前述のよ
うに触媒により自動的に再着火が行われるようにするも
のであるが、前述の平板状触媒のように燃焼筒先端部に
設置する触媒の体積が大きく、この触媒にガス流の大部
分が接触すると、ガスは触媒部で触媒の反応温度での触
媒燃焼となり、該触媒の赤熱による燃焼が進行して燃焼
筒先端での炎燃焼が得られなくなる。
【0010】炎燃焼とするためには触媒の接触面積をガ
ス流に対して小さく取り、ガス流の大部分は触媒に接触
せずに触媒部を通過し、火口先端上部で燃焼させると炎
燃焼となるものであり、その際、ガス流の一部は触媒と
接触して触媒燃焼し、触媒部の温度が触媒反応温度以上
に保持されれば、炎燃焼部の炎が風で吹き消されても、
触媒により再着火することができる。この点からも前記
白金線による線状触媒が一般的に使用され、燃焼筒中の
ガス通気面積に対し適切に小さい面積で存在させる構造
が採用されるものである。例えば、一般のガスライター
における白金または白金合金触媒の場合、直径 0.1mm〜
0.2mmの素線をコイル状に巻き、コイル径 2.5mm、コイ
ル長さ3〜5mm程度のものが利用されている。
【0011】さらに、前述のような多孔平板状の触媒部
材では、その熱容量が大きくなって消火後の触媒温度の
低下が遅くなり、漏れたガスに着火する恐れがある。つ
まり、触媒部材の熱容量が大きくなると、消火した後に
触媒部材の温度が燃料ガスの酸化反応開始温度以下に降
下するのに時間を要し、ガス漏れ、残留ガス、あるいは
ポケット収納時のガスレバーの誤作動によるガス漏れな
どによる燃料ガスが接触して再着火する可能性がある。
【0012】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、高価な触媒金属の使用量を低減するとともに炎燃
焼が可能で熱容量も小さくでき廉価な使い捨てガスライ
ターにも使用可能な点火器用触媒部材およびその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の点火器用触媒部材は、線状基材の表面に粉体金
属またはガラス質溶融材による融着材によって金属酸化
物による微粉触媒担体を固着し、この微粉触媒担体表面
に触媒体を付着させてなることを特徴とするものであ
る。
【0014】前記線状基材はニッケル・クロム合金線で
構成するのが好適であり、前記融着材の粉体金属はニッ
ケル粉とクロム粉の混合粉体或いはこれに希土類金属ま
たは金属シリコーンを添加した混合粉体で、ガラス質溶
融材は溶融粉末ガラスで構成するのが好適である。さら
に、前記微粉触媒担体としてはアルミナ粉末、または、
アルミナ粉末に酸化チタンを混合したもので構成するこ
とが好適であり、特に、アルミナ粉末に対し酸化チタン
を10〜45重量%の範囲混合するのが好ましい。
【0015】また、ニッケル・クロム合金線による線状
基材の場合、その表面に酸化ニッケル、酸化クロム或い
はこれらの混合粉を、ニッケル・クロム混合粉或いはこ
れに金属シリコンまたは希土類金属を添加した融着材に
よって融着し、該酸化ニッケル、酸化クロム或いはこれ
らの混合融体を触媒担体に構成してもよい。
【0016】さらに、線状基材の表面に、粉体金属が融
着された金属粉体による触媒担体を設け、該触媒担体表
面に触媒体を付着して構成してもよい。この場合に、線
状基材がニッケル・クロム合金線であり、この表面に融
着する金属粉体がニッケル・クロム混合粉またはニッケ
ル・クロム混合粉に金属シリコン或いは希土類金属を添
加した混合粉体で設けることが可能である。
【0017】一方、本発明の点火器用触媒部材の製造方
法は、線状基材の表面に金属酸化物による微粉触媒担体
を、粉体金属またはガラス質溶融材による融着材で融着
し、この微粉触媒担体表面に触媒溶液を塗布し熱分解し
て触媒体を析出付着させることを特徴とするものであ
る。
【0018】上記触媒溶液は、塩化白金酸水溶液が使用
可能である。さらに、触媒体としては、白金のほかパラ
ジウム、ロジウム等の公知の触媒材料が使用可能であ
る。
【0019】
【作用】本発明の点火器用触媒部材は、線状基材をベー
スとしてその表面に融着材で融着した微粉触媒担体を設
け、この微粉触媒担体表面に白金等の触媒体を付着させ
てなるものであって、点火器の燃焼火口近傍に配設する
ことで、その表面の触媒によって白金線と同様の触媒作
用を持ち、火炎が風で吹き消えても自動的に再着火させ
ることができる。また、全体として線状に形成されてい
ることで、コイル状またはその他の形状に加工して適用
する点火器のガス流量等に対応したガス接触を得て炎燃
焼が可能で点火器として好適であり、さらに、その熱容
量も小さく形成することができ消火後の温度低下が遅く
なり過ぎることがなく漏れた燃料ガスを着火させる恐れ
もないとともに、白金等の触媒の使用量が低減し、触媒
部材を備えた点火器の原価低減に寄与することができ
る。
【0020】つまり、白金線に代えてこれと同様の作用
効果を有する触媒部材を得るためには、ガス炎流に接触
する表面における触媒量を白金線に相当する再着火性能
を満たす量だけ担持する一方、所望の熱容量および熱伝
導特性に設定できることが望ましいものであり、これに
より、消火した場合には速やかに触媒温度が降下すると
ともに、着火時の風による燃焼炎の立ち消えに対しては
所定期間再着火が行える適切な熱容量を有するものであ
って、本発明による触媒部材ではこの要件を満たして点
火器の再着火用の線状の触媒部材として好適である。
【0021】なお、微粉触媒担体上に付着してなる触媒
量および全体としての熱容量は、適用する点火器に対応
して適切な値に設計する必要があるが、通常の喫煙用ガ
スライター、その他の点火器で要求される値に簡易に設
定し得る特性を有するものである。
【0022】前記微粉触媒担体としてアルミナ粉末に酸
化チタンを混合したものを使用した場合には、酸化チタ
ンの介在によりアルミナ粉末の線状基材に対する接着強
度、アルミナによる触媒担体の強度、白金粒の保持強度
が増大し、落下衝撃による剥離防止、急熱急冷の繰り返
しによる熱衝撃等に対する寿命強度が改善される。特
に、その改善効果は、アルミナ粉末に対し酸化チタンを
10〜45重量%の範囲で良好であり、好ましくは15
〜45重量%の範囲、さらに好ましくは20〜45重量
%の範囲である。
【0023】また本発明の製造方法によれば、前記線状
の点火器用触媒部材が簡易に製造できるものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の点火器用触媒部材およびその
製造方法についての実施例を図面に沿って説明する。図
1は一実施例の触媒部材の断面拡大図である。
【0025】触媒部材1は、ニッケル・クロム合金線
(以下ニクロム線)などの耐熱性材料による線状基材2
の外表面に、ガラス質溶融材または粉体金属による融着
材3によって微粉触媒担体4が融着固定され、この微粉
触媒担体4はアルミナ粉末等の金属酸化物で構成され、
この微粉触媒担体4の表面に白金粒等の触媒体5が付着
されてなり、触媒線に構成されている。
【0026】また、上記触媒部材1の製造方法は、線状
基材2の表面に、金属酸化物による微粉触媒担体4を、
粉体金属またはガラス質溶融材による融着材3で融着
し、該微粉触媒担体4の表面に白金化合物水溶液などの
触媒溶液を塗布し、熱分解して微粉触媒担体4の表面に
白金粒等の触媒体5を析出させるものである。
【0027】上記微粉触媒担体4としては、アルミナ粉
末の他、酸化ジルコニウム粉末、酸化チタン粉末、シリ
カ粉末、または、アルミナ・酸化チタン混合粉末、アル
ミナ・酸化ジルコニウム混合粉末などの金属酸化物およ
びそれらの混合物によって構成される。
【0028】上記触媒部材1の触媒体5としては、白金
の代わりに、より安価なパラジウム或いは触媒効率のよ
いロジウム等を使用してもよく、その場合の触媒溶液と
してはそれぞれの塩基性水溶液等が使用される。また、
複数種の触媒体を混合使用してもよい。
【0029】次に、ニッケル・クロム合金線を線状基材
2とした場合に、この線状基材2の表面にニッケル・ク
ロムの混合粉体を融着し、この融着した金属ニッケル・
金属クロム混合粉体の表面を触媒担体4として、触媒体
5を担持させるように構成してもよい。この場合、上記
触媒担体4が空気中で高温に加熱されると、その表面は
酸化し、酸化膜層が生成される。そして、実際の使用状
態では着火が繰り返され、線状基材表面および触媒担体
金属粉表面の酸化膜層が密着よく下地金属に形成させる
ために、金属シリコン、希土類金属等を添加すると良好
な結果が得られることがある。また、ニッケル・クロム
混合粉の配合比を変えることにより、急熱急冷の繰返し
に対する寿命改善に効果が得られることがある。
【0030】一方、これと同様に、ニッケル・クロム合
金線による線状基材2の表面に、酸化ニッケル粉、酸化
クロム粉或いはこれらの混合粉体を、ニッケル・クロム
混合粉体を融着剤3として融着し、この酸化ニッケル、
酸化クロム或いはこれらの混合融体を触媒担体4とする
ことも可能である。この場合、さらに、融着材3に使用
するニッケル・クロム混合粉に金属シリコンまたは希土
類金属を添加することにより、急熱急冷の繰返しに対し
て寿命を改善することができる。
【0031】<実施例1>本例の触媒部材1は、全体と
して図2に示すようにコイル状に形成された線状基材2
を使用する。線状基材2としてはニクロム線(ニッケル
80に対しクロム20)を使用し、直径が0.15mmの
ニクロム線(長さ約31mm)を、内径が約2mmのコイル
状に等間隔(例えばピッチが1.25mm)に5周巻いて
コイル部2aとし、このコイル部2aの両端にそれぞれ直線
状に1〜2mm延長した取付部2bが設けられている。前記
コイル部2aの長さは約6〜7mmに形成されている。
【0032】本例では、前記融着材3として、ニッケル
粉(粒径10μm以下)とクロム粉(粒径5〜10μ
m)を、80:20の割合で混合した粉体金属を使用す
る。そして、前記線状基材2のコイル部2aの表面に、こ
の粉体金属融着材3を全体として0.3〜0.5mg塗布
接着する。さらに、上記融着材3の上に、前記微粉触媒
担体4として高純度(99.9%)のアルミナ粉(粒径
0.3μm)を全体として3mg均一に塗布接着する。
【0033】続いて、上記微粉触媒担体4を接着した線
状基材2を高温炉中に入れ、1200℃の温度で10分
間加熱する。これにより、ニクロム線による線状基材2
の表面に、アルミナ粉による微粉触媒担体4をニッケル
とクロムの混合粉体金属による融着材3で融着してな
る。
【0034】加熱融着後のコイル部2aに、触媒溶液とし
て0.1%の塩化白金酸水溶液を全体として約0.00
2cc程度塗布し、これを加熱して600℃まで昇温さ
せ、塩化白金酸を熱分解し、微粉触媒担体4としてのア
ルミナ粉体粒の表面に触媒体5として白金粒を析出させ
てコイル線状の触媒部材1を得るものである。
【0035】この触媒部材1を後述の図3に示すような
ガスライター10の燃焼筒18内部の上端近くに設置し、内
燃状態の炎中に位置させるものである。
【0036】ここで、前記線状基材2のニクロム線コイ
ル部2aの表面に融着材3としての粉体金属を担持させる
方法としては、上記コイル部2aの表面に、スプレーで糊
剤を塗着するか、糊剤の稀薄溶液を塗布後、その溶剤を
揮発させて線状基材2の表面を粘着性とし、この上に前
記ニッケル・クロム混合粉末による融着材3を散布して
付着させた後、これを乾燥し固着させる。そして、上記
ニッケル・クロム混合粉末を糊付けしたニクロム線を1
200℃の高温で加熱処理することにより、糊材を熱分
解除去するとともに、ニッケル・クロム混合粉末(融着
材3)を線状基材2の必要箇所に融着させるものであ
る。
【0037】同様に微粉触媒担体4としてのアルミナ粉
末の担持は、上記融着材3の融着部分の必要箇所に、再
度、糊剤溶液をスプレーするか塗布して粘着性を付与
し、この上に微粉触媒担体4としてのアルミナ粉末を散
布して所定量付着させ、乾燥し糊付けするものである。
そして、これを1200℃に加熱すると、糊剤は熱分解
除去され、アルミナ粉末は線状基材2上にニッケル・ク
ロム合金による融着材3で融着される。
【0038】<実施例2>本例における線状基材2は、
前記実施例1と同様にニクロム線が図2に示すようなコ
イル形状に構成されたものを使用する。
【0039】上記線状基材2のコイル部2aの表面に、ア
ルミナ粉末40gに対して低溶融粉末ガラス(フリッ
ト)を1gすなわち2.4%の割合で混合し、この混合
粉末にバインダーとしてポリビニール・アルコールの5
%水溶液を40:60の重量比で加え、粘液状にしたも
のを塗布する。
【0040】塗布したアルミナ混合体を120℃で乾燥
し、水分を除去した後、1240℃で10分程度加熱
し、線状基材2となるニクロム線の表面に、微粉触媒担
体4としてのアルミナ粉を、融着材3としての低溶融粉
末ガラスで融着してなるものである。
【0041】その後には、前記実施例1と同様に、塩化
白金水溶液による触媒溶液を塗布し、乾燥した後、熱分
解し、白金粒による触媒体5を微粉触媒担体4の表面上
に析出させて触媒部材1を得るものである。
【0042】<実施例3>本例における線状基材2は、
前記実施例1と同様にニクロム線が図2に示すようなコ
イル形状に構成されたものを使用する。
【0043】上記線状基材2のコイル部2aの表面に、ア
ルミナ粉末40gに対してニッケルとクロムの混合粉体
金属(ニッケル80:クロム20)を1gすなわち2.
4%の割合で混合し、この混合粉末にバインダーとして
ポリビニール・アルコールの5%水溶液を40:60の
重量比で加え、粘液状にしたものを塗布する。
【0044】塗布したアルミナ混合体を120℃で乾燥
し、水分を除去した後、1200℃で10分程度加熱
し、線状基材2となるニクロム線の表面に、微粉触媒担
体4としてのアルミナ粉を、融着材3としての粉体金属
で融着してなるものである。
【0045】その後には、前記実施例1と同様に、塩化
白金水溶液による触媒溶液を塗布し、乾燥した後、熱分
解し、白金粒による触媒体5を微粉触媒担体4の表面上
に析出させて触媒部材1を得るものである。
【0046】<実施例4>本例における線状基材2は、
前記実施例1と同様にニクロム線が図2に示すようなコ
イル形状に構成されたものを使用する。
【0047】上記線状基材2のコイル部2aの表面に、ア
ルミナ粉末(粒径0.3μm)と酸化チタン(粒径0.
6〜0.8μm)を重量比で80:20の割合で混合
し、この微粉触媒担体4に融着材3としての低溶融粉末
ガラスを2.4%の割合で加えて混合し、この混合粉末
にバインダーとしてポリビニル・アルコールの5%水溶
液を40:60の重量比で加え、粘液状にしたものを
0.3mg〜0.5mg塗布する。
【0048】塗布したアルミナ−酸化チタン混合体を1
20℃で乾燥し、水分を除去した後、1240℃で10
分程度加熱焼成し、触媒担体とする。この触媒担体に、
触媒溶液として0.1%の塩化白金酸水溶液を全体とし
て約0.002cc程度浸漬塗布し、これを600℃で加
熱して塩化白金酸を熱分解し、白金粒を析出させてコイ
ル線状の触媒部材1を得るものである。
【0049】なお、本実施例における触媒部材1は、酸
化チタンをアルミナ粉に混合することにより、触媒担体
4としての強度がアルミナ粉だけによるものより増大
し、それと同時に析出した白金の担持力が増し、落下衝
撃や急熱急冷のヒートショックに対して、触媒担体4の
割れおよび欠損の防止、触媒担体4からの白金粒の欠落
の防止が図れ、白金量を確保して長期間触媒能を維持す
ることができるものである。
【0050】ただし、後述の実験例3に示すように、酸
化チタンの配合率が10重量%未満の範囲では、強度上
昇の効果が少ないものであり、また、配合率が50重量
%以上になると、酸化チタンの混合量が多くなり過ぎて
直接触媒を担持する触媒担体としてのアルミナ粉の量が
低下するのに伴って初期の触媒担持量が低減し、十分な
触媒能が得られないものであり、その配合率としては1
0〜45重量%、好ましくは15〜45重量%、最適に
は20〜45重量%の範囲である。
【0051】<適用例>ここで、図3は前記実施例1な
いし実施例4によるコイル状の触媒部材1を有する点火
器としてのガスライターの例を示す縦断面図、図4は燃
焼筒部分の断面拡大図である。
【0052】ガスライター10(点火器)は、燃料ガスが
貯蔵されたタンク本体11を下部に有している。このタン
ク本体11は合成樹脂で成形され、底部に底蓋11a が結合
されて内部にイソブタンガス等の高圧燃料ガスが貯蔵さ
れ、該タンク本体11の上部周面には側壁部11b が一体に
成形されている。上記タンク本体11の上端には、燃料ガ
スを噴出するノズル13を有するバルブ機構12が、バルブ
ハウジング32に収容されて装着される。上記ノズル13の
上方には、該ノズル13から噴出された燃料ガスの燃焼を
行う燃焼筒18が設置され、この燃焼筒18によるガス燃焼
方式としては1次空気を吸入混合した1次空気混合内燃
式になっている。
【0053】さらに、上記バルブ機構12の側方には圧電
ユニット14が配設され、該圧電ユニット14の上端に、前
記バルブ機構12を操作して燃料ガスを噴出させるととも
に圧電ユニット14を操作して点火を行う操作部材15が配
設されている。なお、上記圧電ユニット14、操作部材15
および前記燃焼筒18は、内部ハウジング16に保持されて
タンク本体11に組み付けられる。また、上記燃焼筒18お
よび操作部材15の上部を開閉する起倒式の蓋17が配設さ
れている。この蓋17には支点部材17a が固着され、該支
点部材17a がピン21によってタンク本体11に枢支される
とともに、蓋17の開位置と閉位置とを保持するべく支点
部材17a の2面に当接する押上部材22が上方に付勢され
て設置されている。
【0054】前記バルブ機構12は、ノズル13の上方移動
によって通路が開かれ先端からのガスの噴出を行うもの
であり、該ノズル13に一端部が係合するL字状の作動レ
バー19が配設され、該作動レバー19は中間の支点で回動
自在に枢支され、他端の操作部が前記操作部材15に設け
られたレバー押し15a と接触して回動操作され、上記ノ
ズル13によるガスの噴出を開閉する。上記ノズル13の先
端部には所定径(例えば50μm)の穴のあいたノズル
板20(図4参照)が設置され、燃焼筒18の底部に嵌挿さ
れ、高速でガスは燃焼筒18内へ噴出する。
【0055】さらに、前記バルブ機構12は、燃料ガスの
噴出量を温度変化に対して略一定量に調整するガス流量
調節フィルタ23を備えている。このガス流量調節フィル
タ23は、バルブ機構12の底部に釘状固定子24によって圧
縮状態で設置されている。タンクから多孔性芯33を通っ
て移動した液化燃料ガスは、このフィルタ23を外周から
中心に半径方向に流通して気化するもので、このフィル
タ23の微細構造は、接点が微細孔にて連通するガス流路
となる気泡と、温度変化により膨張または収縮してガス
流路を圧縮または拡大する独立気泡とを有するマイクロ
セルポリマー発泡体で形成され、ガス流量を温度変化に
対して自動調節する作用を有している。
【0056】一方、前記燃焼筒18は図4にも示すよう
に、基部のベース部材25と、該ベース部材25に固着され
た上方に延びる燃焼管26とで構成されている。上記ベー
ス部材25は中心部にガス通路が貫通し、その下端にはノ
ズル13の先端が嵌挿され、その下端部より上方の両側に
は半径方向に貫通する1次空気穴25a が開口されてい
る。
【0057】さらに、前記ベース部材25の上端部には、
渦流板27と金属メッシュ部材28とが載置されている。渦
流板27は、金属円板に開口が形成されてガス流に乱流を
生成し、燃料ガスと一次空気とのミキシングを向上する
ものである。また、金属メッシュ部材28は、円形状の金
網で構成され、火炎の逆行を阻止するものである。
【0058】操作部材15は圧電ユニット14との組付けに
より下方に向けて摺動可能に保持され、該操作部材15の
側方には前記圧電ユニット14に接続された放電電極29
が、前記燃焼筒18の燃焼管26の側面を貫通して配設され
た電極ホルダー30によって内部に臨んで配設されてい
る。
【0059】前記燃焼筒18のベース部材25は、1次空気
穴25a の上方外周部分が前記内部ハウジング16に係合支
持され、燃焼管26とともに保持され、電極29、電極ホル
ダー30が組み付けられ、その外側にカバー31が配設され
て燃焼筒18が固定され、これらが前記内部ハウジング16
によって圧電ユニット14、操作部材15とともに組立体と
され、タンク本体11に組み付けられるものであり、組み
立て工程の簡略化が図られる。
【0060】そして、前記燃焼筒18の燃焼管26の上端部
近傍には、コイル状の前記触媒部材1が配設されてい
る。この触媒部材1は、コイル部2aの両端に延びた取付
部2bが燃焼管26と同形の環体6に固着され、半径方向に
架設されている。そして、上記環体6が燃焼管26の上端
に設置され、外周にキャップ34が装着されて、触媒部材
1が燃焼管26の上端火口開口部に配設されている。
【0061】上記のようなガスライター10の構造におい
て、操作部材15を押し下げると、そのレバー押し15a が
作動レバー19を回動させてノズル13を持ち上げて燃料ガ
スを噴出させる。ノズル13からのガス流出の流速と流量
により生じる負圧で側面に開口している1次空気穴25a
から1次空気が吸入され、噴出ガスと混合し、逆火防止
用のメッシュ部材28を通った後、渦流板27にてガスと1
次空気が撹拌、混合されて燃焼管26内を上昇する。
【0062】続いて、前記操作部材15のさらなる押し下
げによって、圧電ユニット14を作動させて放電用の高電
圧が前記電極29に印加放電され、混合ガスへの点火が行
われ炎の一部が燃焼筒18の上端内部で燃焼するものであ
る。この燃焼における火炎Fの高温部の位置は、1次空
気とガスの混合比、混合ガス流速により決まり、その高
温部に前記触媒部材1が配設されるのが良好である。
【0063】燃焼炎Fは、触媒部材1を通過して炎燃焼
する。燃焼筒18の上端部に配設された触媒部材1は、燃
焼火炎Fの高温部に接触することになって、その触媒体
5は早期に反応温度以上に加熱され、赤熱状態となる。
風により炎Fが立ち消えた場合には、再度着火操作を行
わないでも触媒部材1は混合ガスの酸化燃焼に対する触
媒反応温度(600 ℃程度)以上に加熱されているので、
混合ガスは触媒部材1により再着火され、燃焼が継続さ
れる。通常の使用状態においては、点火中は操作部材15
を操作し続けているため、燃料ガスは常に触媒部材1に
吹き付けられており、火炎Fはほぼ連続的に形成され
る。
【0064】さらに、操作部材15から手を離して燃料ガ
スの噴出を停止して消火した場合には、触媒部材1の熱
容量はそれほど大きくないことからその温度が速やかに
低下し、その後の漏れた燃料ガスへの着火が行われるこ
とはない。
【0065】なお、上記触媒部材1の触媒体5として、
白金の代わりにパラジウムを使用した場合、白金より再
着火可能温度は高くなるが、燃料ガスの噴出が連続して
いる状態では再着火可能である。また再着火可能温度の
異なる白金とパラジウムとを所定の割合で配合したもの
を微粉触媒担体4に担持させた触媒部材1によれば、そ
の配合割合に応じて再着火可能温度が変化するものであ
る。
【0066】また、本発明の触媒部材1は、前記実施例
のように1次空気混入燃焼方式の点火器にのみ使用され
るものに限るものではなく、通常の燃料ガス噴射ノズル
から噴射される燃料ガスに着火し2次空気のみで燃焼す
る方式のガスライターなどに使用することもできる。
【0067】なお、前記実施例においては、線状基材2
はコイル状に形成した例を示しているが、その他、棒状
のものを必要本数並設したもの、炎に接触する部分を波
形状に成形したもの等に適宜設計変更可能である。
【0068】<実験例1>前記実施例1によるコイル形
状触媒部材1の微粉触媒担体4(アルミナ粉末)の融着
量および触媒溶液(塩化白金酸水溶液、濃度0.1%)
の塗布回数と再着火率との関係を求めた実験結果を図5
に示す。さらに、触媒溶液(塩化白金酸水溶液)の濃度
と微粉触媒担体4(アルミナ粉末)の粒径と再着火率と
の関係を求めた実験結果を図6に示す。
【0069】実験に使用した線状基材2は、直径が0.
15mmのニクロム線をピッチが1.25mmで内径が2.
0mmの螺旋状に5回巻いた図2に示すもので、図5の曲
線Aが0.1%塩化白金酸を1回塗布した場合で、曲線
Bが2回塗布した場合で、それぞれアルミナ融着量を変
更して再着火率を測定している。
【0070】この再着火率の測定方法は、それぞれの触
媒部材を燃焼筒に装着したガスライターにおいて、 1.着火後、約1秒間燃焼を継続して触媒部材を加熱す
る 2.消火後、約1秒後にガスのみをノズルから噴出させ
る 3.ガス噴出後、3秒以内の再着火の確認を行う 4.再度消火し、約1秒後に再びガスを噴出させる 動作を順に行い、以上の動作を10サイクル繰返し、再
着火の比率を%で表したのが、再着火率である。
【0071】図5の結果から、ニクロム線へのアルミナ
融着量が増加するのに応じて触媒担持量が増大すること
から、再着火率が向上している。また、アルミナ融着量
が同じでも、触媒溶液への浸漬塗布回数を2回にする
と、同様に触媒担持量が増大することから再着火率が向
上するのが判明した。
【0072】また、図6は、粒径が0.05μm、0.
3μm、1.0μmの3種類のアルミナ粉末を用意し、
これを粒径に関係なく一定量(3mg)を前記コイル形状
のニクロム線の表面に低溶融溶ガラスによって融着し、
これを濃度を変更した塩化白金酸水溶液に浸漬塗布して
表面に触媒白金粒を付着させて、前記同様に再着火率を
測定したものである。曲線Aが粒径0.05μmと細か
く、曲線Bが粒径0.3μmの中間で、曲線Cが粒径
1.0μmと粗い場合であり、ニクロム線へのアルミナ
融着量が同じで、融着したアルミナ粉末の粒径が細かく
なるほど、触媒担持面積およびガス接触面積が拡大して
いることで、触媒溶液濃度が薄い領域でも再着火率が向
上する結果が得られた。
【0073】<実験例2>次に、本発明による触媒部材
1(触媒線)と白金線との再着火率の比較を求めた実験
例の結果を表1に示す。触媒部材1はニクロム線の表面
にアルミナ粉末もしくは酸化ジルコン粉末の微粉触媒担
体を、Ni・Cr混合粉末もしくは低溶融粉末ガラスに
よる融着材で融着し、塩化白金酸0.1%水溶液に浸漬
塗布して線状に形成している。前記微粉触媒担体は粒径
は0.3μmで、微粉触媒担体と融着材との比率は4
0:1であり、微粉触媒担体の担持量を変更して全体と
しての線径を調整して触媒体の付着量をそれぞれ3段階
に変更した試料を得る。
【0074】そして、それぞれの触媒部材1(触媒線)
を図7に示すように、燃焼筒18の上部に1本から6本平
行に配設して、前記実験例1と同様に再着火率を測定し
た結果を示している。また径の異なる白金線を同様に燃
焼筒18に配設して、再着火率を求めた結果を比較例とし
て同様に示している。
【0075】
【表1】
【0076】表1の結果より、再着火性が高いのは、試
料番号が2-3 および1-3 であり、微粉触媒担体がアルミ
ナ粉末で、融着材に低溶融粉末ガラスまたはNi・Cr
混合粉末を使用し、触媒線径が0.5mm程度になるよう
に担持量を増大したものを3本以上並設することで10
0%の再着火率が得られている。
【0077】これに対して、白金線によるものでは、試
料番号の4-3 の線径が0.3mmのものでも再着火率は
0%で、燃料ガスとの接触率が不足し触媒反応が少ない
か、熱容量が小さく温度低下が急激で再着火が行われな
いものと考えられる。
【0078】<実験例3>前記実施例3による酸化チタ
ンを配合した触媒部材1において、アルミナ粉に対する
酸化チタンの配合率の変化と、それに対応する落下衝撃
試験の結果を図8に、急熱急冷の繰り返しによる着火試
験の結果を図9に示す。
【0079】落下試験においては、落下した時の衝撃に
よる触媒部材の欠損、表面に析出した白金の欠落状況を
見ることができ、着火試験においては、急熱急冷による
ヒートショックでの触媒部材の割れなどの劣化、表面の
白金が落ちて触媒能が低下していく様子を把握すること
ができる。
【0080】試験に使用した実験サンプルは、ニクロム
線(線径0.15mm)に触媒担体を直線状(直径1.0
mm、長さ8.0mm)に担持させたものであり、担持重量
は5mgである。そして、触媒担体におけるアルミナ粉に
対する酸化チタンの配合率を0〜60重量%に変えて混
合し、それに低溶融ガラスを2%混合してニクロム線に
塗り付け、1240℃で10分間焼き付けを行った。そ
れに、塩化白金酸0.2%水溶液に浸漬塗布し乾燥した
後600℃で熱分解させている。
【0081】落下試験は、前記実験サンプルを前記図3
の環体6と同様のサンプルホルダーに固定し、このサン
プルホルダーによって図3の構造のガスライター10(ガ
ス流量40cc/min)の燃焼筒18の上部に取り付ける。そ
して、ガスを噴出して着火させ、その燃焼炎によって実
験サンプルを加熱後、ガスの噴出を止めて炎を消し、そ
の直後に再度ガスのみを噴射させて触媒反応で再着火し
て燃焼を継続させる。また、別途ニクロム線の標準サン
プル(線径0.15mm、コイル状)に直流電源より電流
を流して赤熱させ、燃焼状態にある実験サンプルと同様
の明るさになるように標準サンプルに流す電流値を調節
し、その時の標準サンプルの温度を付設した熱電対によ
って測定する。この温度を触媒燃焼加熱温度として記録
する。
【0082】その後、実験サンプルをサンプルホルダー
ごと筒状の落下試験用治具(重量27g)に取り付け、
1.5mの高さより、サンプル側を下向きにコンクリー
トブロック上に落下させる。
【0083】上記落下衝撃を加えた後、治具より実験サ
ンプル(サンプルホルダー)を取り外してガスライター
に付け替え、前記と同様に着火、消火、再着火を行って
触媒燃焼加熱温度を測定する。以上のサイクルを10回
繰返して、それぞれの配合率での落下回数に対応した触
媒燃焼加熱温度を測定した。
【0084】図8の(A)は、各酸化チタン配合率での
落下回数に対する触媒燃焼加熱温度の変化を示し、
(B)はこの測定結果に基づき酸化チタンの配合率に対
する耐久落下回数の変化を示したものである。なお、酸
化チタンの配合率が70重量%以上のものでは、アルミ
ナ粉の量が少なく白金の担持量が不足して初期段階で触
媒反応を示さないので、グラフでは省略している。
【0085】前記触媒燃焼加熱温度は、触媒部材の触媒
能を判定するためのものであり、着火後に消火し、触媒
部材の温度が下がらないうちにガスだけ流出させると、
温度の上昇した触媒にガスが触れて着火燃焼し、この燃
焼熱により触媒の温度は上昇し、触媒の温度がガスの燃
焼熱と平衡し、一定温度で燃焼が継続されるものであ
り、この状態の温度を示すものであって、この温度は触
媒担体上に分散担持される白金粒の量により変化する。
すなわち、ガス流の白金との接触部分は燃焼し、その燃
焼熱で触媒部材を加熱することから、白金量が少なくな
ると燃焼熱も低下し触媒部材の温度すなわち前記触媒燃
焼加熱温度が低下することになる。そして、触媒部材の
触媒能がなくなれば、消火後にガスを噴出させても再着
火は行われず、触媒部材の温度は全く上昇しないことに
なる。
【0086】上記のことから、図8の(A)を見ると、
酸化チタンの配合率が60,0,50,10および15
重量%のものでは、落下回数が10回となる前に触媒燃
焼加熱温度が急に低下して再着火不能となり、落下衝撃
によって白金粒の欠落が発生していることが判明した。
その他の酸化チタンの配合率が20〜45重量%のもの
では10回の落下の後でも良好な触媒燃焼加熱温度を維
持し、白金の欠落が少なく異常なく触媒能力を発揮して
いる。
【0087】そして、ガスライターの国内安全基準SG
によれば、耐衝撃については、1.5mの高さよりガス
ライターを上・下・水平の状態で1回ずつ計3回のコン
クトブロック上に落下させたときに変化のないことと規
定され、前記のような落下試験で、少なくとも耐久落下
回数が6回以上の合格判定で比較的高い品質が保証でき
る。
【0088】従って、図8の(B)の耐久落下回数の結
果から、耐久落下回数が少なくとも10回である酸化チ
タンの配合率が20〜45重量%の範囲が最適で、耐久
落下回数が9回および6回の酸化チタンの配合率が15
重量%および10重量%のものも合格であり、10〜4
5重量%の範囲で良好な結果が得られている。
【0089】一方、着火試験は、前記落下試験と同様に
実験サンプルを作製し、これをサンプルホルダーに固定
してガスライターに取り付けて、まず、前記と同様に着
火、消火、再着火を行って初期の触媒燃焼加熱温度を測
定する。
【0090】次に、サンプルをガスライターに取り付け
たまま2秒間着火、2秒間消火の急熱急冷を100回繰
り返した時点で、着火、消火、再着火を行って触媒燃焼
加熱温度を測定する。以後、急熱急冷を100回繰り返
す毎に同じように触媒燃焼加熱温度の測定を行い、10
00回までの測定を行って着火試験を終了した。
【0091】図9の(A)は、各酸化チタン配合率での
着火回数に対する触媒燃焼加熱温度の変化を示し、
(B)はこの測定結果に基づき酸化チタンの配合率に対
する触媒燃焼加熱温度保持率の変化を示したものであ
る。この触媒燃焼加熱温度保持率とは、初期の触媒燃焼
加熱温度に対する1000回後の触媒燃焼加熱温度の比
率を示すものであり、小さな値ほど温度低下が大きくな
っている。
【0092】上記図9の(A)を見ると初期温度は酸化
チタンの配合率が増すほど低くなる傾向にあり、これは
アルミナ粉の減少による白金担持量の低減に基づくもの
であるが、配合率が0〜15重量%と低いものでは着火
回数の増大に対して触媒燃焼加熱温度の低下が大きくな
っている。配合率が50重量%のものでは、800回の
着火回数で急激に触媒燃焼加熱温度が低下して再着火不
能となっている。
【0093】また、図9の(B)からは着火回数が10
00回後に初期の触媒燃焼加熱温度をどれくらい保持で
きているかが読み取れ、配合率が20〜45重量%の範
囲のものでは、1000回の着火回数でも触媒燃焼加熱
温度に変化がなく、触媒能が損なわれていないことが確
認できる。それに対し、配合率が0〜15重量%のもの
では、触媒能の低下が見られ、配合率が50重量%では
触媒反応を示さなくなっている。
【0094】しかし、配合率が10〜15重量%のもの
でも、1000回後に加熱温度が低下していても、温度
保持率は90%以上と十分な反応温度を維持しているも
のであり、普通の使い捨てガスライターでは約600回
程度でガス切れとなるので、1000回の着火回数が維
持できるものでは十分な特性を有していると判定でき
る。すなわち、配合率が10重量%〜45重量%の範囲
において良好な急熱急冷に対する耐久性を有している。
【0095】前記落下衝撃試験および着火試験の結果、
酸化チタンの配合率の範囲としては、10〜45重量%
の範囲で良好な結果が得られ、15〜45重量%でそれ
より良い結果が、20〜45重量%の範囲でさらに良い
結果が得られた。
【0096】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、線状基材
の表面に融着材によって微粉触媒担体を融着し、この微
粉触媒担体表面に触媒体を付着させたことにより、白金
または白金合金線を用いた場合とほぼ同様の燃焼筒中の
触媒部材とガス流との接触面積が得られて炎燃焼が得ら
れ、熱伝導も良好であり、熱容量も小さく取れ加熱後の
温度低下も速やかに行われ、触媒ガスライターとしての
炎の吹き消えに対する再着火機能を十分満足するととも
に、高価な白金の使用が微量になり、コスト面で有利と
なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の点火器用触媒部材の基本構造を示す要
部拡大断面図
【図2】触媒部材の線状基材の構成例を示す正面図
【図3】本発明の触媒部材を有する点火器としてのガス
ライターを示す縦断面図
【図4】図3に示したガスライターの要部拡大断面図
【図5ないし図6】実験例1の結果を示すグラフ
【図7】実験例2で使用した触媒線の配置例を示す説明
【図8】実験例3の落下試験の結果を示すグラフ
【図9】実験例3の繰り返し着火試験の結果を示すグラ
【符号の説明】 1 触媒部材 2 線状基材 3 融着材 4 微粉触媒担体 5 触媒体 6 環体 10 ガスライター(点火器) 12 バルブ機構 13 ノズル 18 燃焼筒 25a 1次空気穴 F 火炎
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】前記実験サンプルを前記図4の環体6と同
様のサンプルホルダーに固定し、このサンプルホルダー
によって図3の構造のガスライター10(ガス流量40cc
/min)の燃焼筒18の上部に取り付ける。そして、ガスを
噴出して着火させ、その燃焼炎によって実験サンプルを
加熱後、ガスの噴出を止めて炎を消し、その直後に再度
ガスのみを噴射させて触媒反応で再着火して燃焼を継続
させる。また、別途ニクロム線の標準サンプル(線径
0.15mm、コイル状)に直流電源より電流を流して赤
熱させ、燃焼状態にある実験サンプルと同様の明るさに
なるように標準サンプルに流す電流値を調節し、その時
の標準サンプルの温度を付設した熱電対によって測定す
る。この温度を触媒燃焼加熱温度として記録する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】その後、ガスライター10の燃焼筒18から実
験サンプルを固定したサンプルホルダーごと取り外し落
下試験に供する。この落下試験としては、サンプルホル
ダーを筒状の落下試験用治具(重量27g)に取り付
け、1.5mの高さより、サンプル側を下向きにコンク
リートブロック上に落下させる。
フロントページの続き (72)発明者 大川 慎一 静岡県駿東郡小山町須走下原3−4 株式 会社東海本部工場内 (72)発明者 柏木 順 静岡県駿東郡小山町須走下原3−4 株式 会社東海本部工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状基材の表面に、粉体金属またはガラ
    ス質溶融材による融着材によって金属酸化物による微粉
    触媒担体が固着され、該微粉触媒担体表面に触媒体が付
    着されてなることを特徴とする点火器用触媒部材。
  2. 【請求項2】 前記線状基材が、ニッケル・クロム合金
    線であることを特徴とする請求項1記載の点火器用触媒
    部材。
  3. 【請求項3】 前記融着材の粉体金属が、ニッケル粉と
    クロム粉の混合粉体或いはこれに希土類金属または金属
    シリコンを添加した混合粉体であることを特徴とする請
    求項1記載の点火器用触媒部材。
  4. 【請求項4】 前記融着材のガラス質溶融材が、溶融粉
    末ガラスであることを特徴とする請求項1記載の点火器
    用触媒部材。
  5. 【請求項5】 前記微粉触媒担体が、アルミナ粉末であ
    ることを特徴とする請求項1記載の点火器用触媒部材。
  6. 【請求項6】 前記微粉触媒担体が、アルミナ粉末に酸
    化チタンを混合した混合粉体であることを特徴とする請
    求項1記載の点火器用触媒部材。
  7. 【請求項7】 前記アルミナ粉末に対し、酸化チタンを
    10〜45重量%混合したことを特徴とする請求項6記
    載の点火器用触媒部材。
  8. 【請求項8】 ニッケル・クロム合金線による線状基材
    の表面に、酸化ニッケル、酸化クロム或いはこれらの混
    合粉が、ニッケル・クロム混合粉或いはこれに金属シリ
    コンまたは希土類金属を添加した融着材によって融着さ
    れ、該酸化ニッケル、酸化クロム或いはこれらの混合融
    体が触媒担体に構成されたことを特徴とする請求項1記
    載の点火器用触媒部材。
  9. 【請求項9】 線状基材の表面に、粉体金属が融着され
    た金属粉体による触媒担体が設けられ、該触媒担体表面
    に触媒体が付着されてなることを特徴とする点火器用触
    媒部材。
  10. 【請求項10】 前記線状基材がニッケル・クロム合金
    線であり、この表面に融着する金属粉体がニッケル・ク
    ロム混合粉またはニッケル・クロム混合粉に金属シリコ
    ン或いは希土類金属を添加した混合粉体であることを特
    徴とする請求項9記載の点火器用触媒部材。
  11. 【請求項11】 線状基材の表面に、金属酸化物による
    微粉触媒担体を、粉体金属またはガラス質溶融材による
    融着材で融着し、該微粉触媒担体表面に触媒溶液を塗布
    し熱分解して触媒体を析出付着させることを特徴とする
    点火器用触媒部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記触媒溶液が、塩化白金酸水溶液で
    あることを特徴とする請求項11記載の点火器用触媒部
    材の製造方法。
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