JPH083582B2 - 強誘電性液晶セルの駆動方法 - Google Patents
強誘電性液晶セルの駆動方法Info
- Publication number
- JPH083582B2 JPH083582B2 JP26991286A JP26991286A JPH083582B2 JP H083582 B2 JPH083582 B2 JP H083582B2 JP 26991286 A JP26991286 A JP 26991286A JP 26991286 A JP26991286 A JP 26991286A JP H083582 B2 JPH083582 B2 JP H083582B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- electric field
- cell
- ferroelectric liquid
- crystal cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はディスプレイ等に応用される強誘電性液晶セ
ルの駆動方法に関し、更に詳しくは、長時間放置後の閾
値の差や双安定性の低下の問題が生じない強誘電性液晶
セルの駆動方法に関する。
ルの駆動方法に関し、更に詳しくは、長時間放置後の閾
値の差や双安定性の低下の問題が生じない強誘電性液晶
セルの駆動方法に関する。
(従来の技術) 従来、液晶を一対の対向電極間に挟持させてなる種々
の液晶セルが提案されているが、DSM(Dynamic Scatter
ing Mode)型の液晶セル以外については、液晶層中のナ
トリウムイオン等のプラスイオンや塩素イオン等のマイ
ナスイオン等の荷電体をコントロールする必要はあまり
認められていない。
の液晶セルが提案されているが、DSM(Dynamic Scatter
ing Mode)型の液晶セル以外については、液晶層中のナ
トリウムイオン等のプラスイオンや塩素イオン等のマイ
ナスイオン等の荷電体をコントロールする必要はあまり
認められていない。
その理由は、現在普及しているTN(Twisted Nemati
c)型液晶セル〔例えば、M.SchadtとW.Helfrich著、“A
pplied Physics Letters"、Vol.18,No.4(1971.2.1
5)、P.127〜128の“Voltage Dependent Optical Activ
ity of a Twisted Nematic Liquid Crystal"参照〕にお
いては、 (1)過度のイオン流が液晶分子の配列を乱す。
c)型液晶セル〔例えば、M.SchadtとW.Helfrich著、“A
pplied Physics Letters"、Vol.18,No.4(1971.2.1
5)、P.127〜128の“Voltage Dependent Optical Activ
ity of a Twisted Nematic Liquid Crystal"参照〕にお
いては、 (1)過度のイオン流が液晶分子の配列を乱す。
(2)液晶材料の耐久性を低下させる。
(3)液晶層にかかる電圧の時定数が短くなる。
等の影響がイオン等の導電性物質によって引き起される
ことが考えられたが、実際には液晶を適当に精製するこ
とによって液晶の体積抵抗を109Ωcm以上に上げたり、
セルの構成過程で液晶の汚染防止を効果的にする等の手
段により前述の(1)および(2)の問題は十分対応可
能であり、一方駆動方式においては、交流駆動体、リフ
レッシュ、蓄積型が基本となるため、前記(3)の点も
深刻な問題とはならなかったことによる。
ことが考えられたが、実際には液晶を適当に精製するこ
とによって液晶の体積抵抗を109Ωcm以上に上げたり、
セルの構成過程で液晶の汚染防止を効果的にする等の手
段により前述の(1)および(2)の問題は十分対応可
能であり、一方駆動方式においては、交流駆動体、リフ
レッシュ、蓄積型が基本となるため、前記(3)の点も
深刻な問題とはならなかったことによる。
これに対して、近年世界的に開発が進んでいる強誘電
性液晶セルの場合には、液晶層中のイオン等の荷電粒子
の挙動が、強誘電性液晶セルの特性に重大な影響を与え
ることが明らかにされている。
性液晶セルの場合には、液晶層中のイオン等の荷電粒子
の挙動が、強誘電性液晶セルの特性に重大な影響を与え
ることが明らかにされている。
例えば、クラークとラガヴァル等の提案した強誘電性
液晶セルの構成においては、第4図に示されるように液
晶層内で各液晶分子の双極子の方向が揃い、液晶の自発
分極が生じている。
液晶セルの構成においては、第4図に示されるように液
晶層内で各液晶分子の双極子の方向が揃い、液晶の自発
分極が生じている。
この自発分極の存在は、強誘電性液晶セルのスイッチ
ング特性の条件であるため、この自発分極による電荷の
片寄りは、SSFLCD(Surface Stabilized Ferroelectric
Liquid Crystal Display)においては不可避なもので
ある。
ング特性の条件であるため、この自発分極による電荷の
片寄りは、SSFLCD(Surface Stabilized Ferroelectric
Liquid Crystal Display)においては不可避なもので
ある。
(発明が解決使用としている問題) 以上の如き強誘電性液晶セルにおける液晶分子の自発
分極は必然的なものであるが、この分極電荷の影響によ
って、セルの非駆動時(すなわち、メモリー状態)にお
いて液晶層の双安定性を損なうような変化が生じるとい
う問題があることが判明した。
分極は必然的なものであるが、この分極電荷の影響によ
って、セルの非駆動時(すなわち、メモリー状態)にお
いて液晶層の双安定性を損なうような変化が生じるとい
う問題があることが判明した。
すなわち、セル内にはITO電極等の透明電極が存在
し、その上に誘電体および配向膜を介して液晶層に接す
る構成が一般的であるが、その場合にメモリー状態(印
加電圧=0)でも、液晶層内には液晶分子の分極電荷に
よって生じる電界が存在して、この電界によって液晶層
内に存在しているイオン性不純物が泳動して、イオンの
不均一な偏在が生じる。このイオンの偏在によって、逆
に液晶分子が拘束を受けるため、液晶分子のスイッチン
グ状態での双安定が乱され、更にはセルのメモリー性自
体の消滅をも誘引するという重大な問題が生じ、現在の
強誘電性液晶セルをディスプレイとして考えた場合大き
な障害となっている。
し、その上に誘電体および配向膜を介して液晶層に接す
る構成が一般的であるが、その場合にメモリー状態(印
加電圧=0)でも、液晶層内には液晶分子の分極電荷に
よって生じる電界が存在して、この電界によって液晶層
内に存在しているイオン性不純物が泳動して、イオンの
不均一な偏在が生じる。このイオンの偏在によって、逆
に液晶分子が拘束を受けるため、液晶分子のスイッチン
グ状態での双安定が乱され、更にはセルのメモリー性自
体の消滅をも誘引するという重大な問題が生じ、現在の
強誘電性液晶セルをディスプレイとして考えた場合大き
な障害となっている。
従って、強誘電性液晶セルにおいては液晶層内に存在
するイオンによる問題を解決することが要望されてい
る。
するイオンによる問題を解決することが要望されてい
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は上記の如き従来技術の問題点を解決すべく
鋭意研究の結果、本発明を完成した。
鋭意研究の結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、電極および配向膜を有する2枚
の対向した電極基板間に、電界に対して双安定性を有す
る強誘電性液晶層を挟持してなる強誘電性液晶セルにお
いて、該セルの非表示時に液晶分子の自発分極Psによる
反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電界を外部
から印加することを特徴とする強誘電性液晶セルの駆動
方法である。
の対向した電極基板間に、電界に対して双安定性を有す
る強誘電性液晶層を挟持してなる強誘電性液晶セルにお
いて、該セルの非表示時に液晶分子の自発分極Psによる
反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電界を外部
から印加することを特徴とする強誘電性液晶セルの駆動
方法である。
次に本発明を更に詳しく説明する。
本発明で使用する強誘電性液晶セルは、従来公知のい
ずれの強誘電性液晶セルでもよく、いずれのセルにも本
発明を適用できるものである。
ずれの強誘電性液晶セルでもよく、いずれのセルにも本
発明を適用できるものである。
すなわち、従来技術で使用される強誘電性液晶は、加
えられる電界に応じて第一の光学的安定状態と第二の光
学的安定状態とのいずれかを取るもの、すなわち、電界
に対して双安定性を有する液晶物質である。
えられる電界に応じて第一の光学的安定状態と第二の光
学的安定状態とのいずれかを取るもの、すなわち、電界
に対して双安定性を有する液晶物質である。
以上の如き双安定性を有する強誘電性液晶としては、
強誘電性を有するカイラルスメクティック液晶が好まし
く、そのうちでは特にカイラルスメクティックC相(Sm
C*)またはH相(SmH*)の液晶が適している。これら
の強誘電性液晶は、“LE JOURNAL DE PHYSIOUE LETTER
S"36(L−69)1975、「Ferroelectric Liquid Crystal
s」;Applied Physics Letters"36(11)1980、「Submic
ro Second Bistable Electrooptic Switching in Liqui
d Crystals」;“固体物理"16(141)1981「液晶」等に
記載されており、より具体的には、例えば、デシロキシ
ベンジリデン−P′−アミノ−2−メチルブチルシンナ
メート(DOBAMBC)、ヘキシルオキシベンジリデン−
P′−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート(HOBA
CPC)および4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシ
リデン−4′−オクチルアニリン(MBRA8)等が挙げら
れる。
強誘電性を有するカイラルスメクティック液晶が好まし
く、そのうちでは特にカイラルスメクティックC相(Sm
C*)またはH相(SmH*)の液晶が適している。これら
の強誘電性液晶は、“LE JOURNAL DE PHYSIOUE LETTER
S"36(L−69)1975、「Ferroelectric Liquid Crystal
s」;Applied Physics Letters"36(11)1980、「Submic
ro Second Bistable Electrooptic Switching in Liqui
d Crystals」;“固体物理"16(141)1981「液晶」等に
記載されており、より具体的には、例えば、デシロキシ
ベンジリデン−P′−アミノ−2−メチルブチルシンナ
メート(DOBAMBC)、ヘキシルオキシベンジリデン−
P′−アミノ−2−クロロプロピルシンナメート(HOBA
CPC)および4−o−(2−メチル)−ブチルレゾルシ
リデン−4′−オクチルアニリン(MBRA8)等が挙げら
れる。
第5図示の例は、従来技術の強誘電性液晶セルの1例
を模式的に示すものであり、図中の1と1′はIn2O3、S
nO2あるいはITO(Indium−Tin Oxide)等の透明電極が
コートされた基板(例えばガラス板)であり、これらの
一対の基板の少なくとも一方には配向膜(図示なし)が
設けられ、これらの配向膜の間に前記の如き液晶からな
る液晶層2が、基板面に垂直になるように配向したSmC
*相の液晶として封入されている。
を模式的に示すものであり、図中の1と1′はIn2O3、S
nO2あるいはITO(Indium−Tin Oxide)等の透明電極が
コートされた基板(例えばガラス板)であり、これらの
一対の基板の少なくとも一方には配向膜(図示なし)が
設けられ、これらの配向膜の間に前記の如き液晶からな
る液晶層2が、基板面に垂直になるように配向したSmC
*相の液晶として封入されている。
太線で示した線3が液晶分子を表わしており、この液
晶分子3はその分子に直交した方向に双極子モーメント
(P⊥)4を有している。
晶分子3はその分子に直交した方向に双極子モーメント
(P⊥)4を有している。
このような強誘電性液晶セルの基板1と1′上の電極
間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子3の
らせん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)4がす
べて電界方向に向くように液晶分子3の配向方向を変え
ることができる。
間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子3の
らせん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)4がす
べて電界方向に向くように液晶分子3の配向方向を変え
ることができる。
液晶分子3は細長い形状を有しており、その長軸方向
と短軸方向で屈折率の異方性を示し、従って、例えば、
基板面の上下に互いにクロスニコルの位置関係に配置し
た偏光子を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変
化する液晶光学変調セルとなることは容易に理解され
る。
と短軸方向で屈折率の異方性を示し、従って、例えば、
基板面の上下に互いにクロスニコルの位置関係に配置し
た偏光子を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変
化する液晶光学変調セルとなることは容易に理解され
る。
更に液晶セルの厚さを充分に薄くした場合(例えば1
μm)には、第6図に示すように電界を印加していない
状態でも液晶分子のらせん構造はほどけ(非らせん構
造)、その双極子モーメントPまたはP′は上向き(4
a)または下向き(4b)のいずれかの状態をとる。この
ようなセルに第6図に示す如く一定の閾値以上の極性の
異なる電界EまたはE′を所定時間付与すると、双極子
モーメントは電界EまたはE′の電界ベクトルに対応し
て上向き4aまたは下向き4bと向きを変え、それに応じて
液晶分子は第1の配向状態5かあるいは第二の配向状態
5′の何れか一方に配向する。このような強誘電性液晶
セルを光学変調セルとして用いることの利点は2つあ
る。
μm)には、第6図に示すように電界を印加していない
状態でも液晶分子のらせん構造はほどけ(非らせん構
造)、その双極子モーメントPまたはP′は上向き(4
a)または下向き(4b)のいずれかの状態をとる。この
ようなセルに第6図に示す如く一定の閾値以上の極性の
異なる電界EまたはE′を所定時間付与すると、双極子
モーメントは電界EまたはE′の電界ベクトルに対応し
て上向き4aまたは下向き4bと向きを変え、それに応じて
液晶分子は第1の配向状態5かあるいは第二の配向状態
5′の何れか一方に配向する。このような強誘電性液晶
セルを光学変調セルとして用いることの利点は2つあ
る。
第1には、応答速度が極めて速いこと、第2に液晶分
子の配向が双安定性状態を有することである。第2の点
を例えば第6図によって説明すると、電界Eを印加する
と液晶分子は第1の配向状態5に配向するが、この状態
では電界を切っても安定である。また、逆向きの電界
E′を印加すると、液晶分子は第2の配向状態5′に配
向してその分子の向きを変えるが、やはり電界を切って
もこの状態に留まっている。また、与える電界Eが一定
の閾値を越えない限り、それぞれの配向状態にやはり維
持されている。このような応答速度の速さと、双安定性
が有効に実現されるには、セルとしてできるだけ薄い方
が好ましく、一般的には0.5〜20μm、特に1〜5μm
が適している。この種の強誘電性液晶を用いるマトリッ
クス電極構造を有する強誘電性液晶セルは、例えば、ク
ラークとラガバルにより、米国特許第4367924号明細書
に提案されている。
子の配向が双安定性状態を有することである。第2の点
を例えば第6図によって説明すると、電界Eを印加する
と液晶分子は第1の配向状態5に配向するが、この状態
では電界を切っても安定である。また、逆向きの電界
E′を印加すると、液晶分子は第2の配向状態5′に配
向してその分子の向きを変えるが、やはり電界を切って
もこの状態に留まっている。また、与える電界Eが一定
の閾値を越えない限り、それぞれの配向状態にやはり維
持されている。このような応答速度の速さと、双安定性
が有効に実現されるには、セルとしてできるだけ薄い方
が好ましく、一般的には0.5〜20μm、特に1〜5μm
が適している。この種の強誘電性液晶を用いるマトリッ
クス電極構造を有する強誘電性液晶セルは、例えば、ク
ラークとラガバルにより、米国特許第4367924号明細書
に提案されている。
以上は従来公知の強誘電性液晶セルの構成の1例であ
るが、これらの従来の強誘電性液晶セルは前述の如く、
液晶層内に存在するイオンによって種々の問題を生じる
ものであった。
るが、これらの従来の強誘電性液晶セルは前述の如く、
液晶層内に存在するイオンによって種々の問題を生じる
ものであった。
本発明者はこのような問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、セルの非表示時に液晶層内の液晶分子の自発分極
Psによる反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電
界を印加することによって、イオンの偏在およびそれに
よる液晶分子への悪影響がなくなり、セルを長時間放置
後の閾値の差や液晶分子の双安定性の低下といった従来
技術の問題点が解決されることを知見したものである。
結果、セルの非表示時に液晶層内の液晶分子の自発分極
Psによる反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電
界を印加することによって、イオンの偏在およびそれに
よる液晶分子への悪影響がなくなり、セルを長時間放置
後の閾値の差や液晶分子の双安定性の低下といった従来
技術の問題点が解決されることを知見したものである。
次に本発明を本発明の実施例を示す添付図面を参照し
て更に具体的に説明する。
て更に具体的に説明する。
第1図は、本発明の実施例を図解的に示す図である。
本発明の駆動方法は、電極12および配向膜13を有する
基板11を上下対向させ、電界印加時の分子軸方向が無電
界時の分子軸方向と略等しい強誘電性液晶層14を挟持し
てなるセルにおいて、外部から電圧V0をセルに印加し
て、液晶分子の自発分極Ps15による反電界16を打ち消す
ことを特徴とする強誘電性液晶セルの駆動方法である。
基板11を上下対向させ、電界印加時の分子軸方向が無電
界時の分子軸方向と略等しい強誘電性液晶層14を挟持し
てなるセルにおいて、外部から電圧V0をセルに印加し
て、液晶分子の自発分極Ps15による反電界16を打ち消す
ことを特徴とする強誘電性液晶セルの駆動方法である。
以下、外部から電圧V0を印加したときの各層12〜14の
電界について説明する。
電界について説明する。
今、第2図のように各層の比誘電率を∈1、∈2およ
び層厚をd1、d2および電界をE1、E2、E3および電束密度
をD1、D2、D3と仮定する。また、自発分極Psの方向は正
電荷が移動した方向と決め、ここでは第2図のように下
から上へとする。この時、Psによる反電界は、上から下
に発生している。また、14の液晶層の誘電率は、自発分
極Psを除き、その他の誘電分極による効果を含むものと
した。このとき、各層の電束密度は次のように表現され
る。
び層厚をd1、d2および電界をE1、E2、E3および電束密度
をD1、D2、D3と仮定する。また、自発分極Psの方向は正
電荷が移動した方向と決め、ここでは第2図のように下
から上へとする。この時、Psによる反電界は、上から下
に発生している。また、14の液晶層の誘電率は、自発分
極Psを除き、その他の誘電分極による効果を含むものと
した。このとき、各層の電束密度は次のように表現され
る。
D1=∈0∈1E1 (1) D2=∈0∈2E2+Ps (2) D3=∈0∈1E3 (3) ここで∈0は真空の誘電率である。
電束密度の垂直成分の連続、すなわち、D1=D2=D3よ
り、式(1)〜(3)は次のようになる。
り、式(1)〜(3)は次のようになる。
∈0∈1E1=∈0∈2E2+Ps (4) E1=E3 (5) 一方、外部から電圧V0を印加したことより、次式が成
り立つ。
り立つ。
E3d1+E2d2+E1d1=V0 (6) 但し、V0は上電極から下電極への電位差で、第2図に
示したV0の方向を正とした。
示したV0の方向を正とした。
(4)〜(6)式より各層の電界は次式のようにな
る。
る。
従って、(8)式により、外部より なる電圧を印加することによって、自発分極Psによる反
電界は打ち消される。この時、電圧は高電位側から低電
位側への方向がPsの方向と一致するように印加する。
今、例えば とすると V0=0.45 [V] の電圧を印加すればよい。
電界は打ち消される。この時、電圧は高電位側から低電
位側への方向がPsの方向と一致するように印加する。
今、例えば とすると V0=0.45 [V] の電圧を印加すればよい。
これに対して上電極と下電極を短絡した場合の液晶層
の電界E2は、(8)式においてV0=0とすれば、 となる。今、例えば、(9)式の条件の他に、 d2=1×10-6[m] ∈2=5 とすれば、 E2=−3.4×105[V/m] (11) の電界が自発分極に起因して液晶層内部に存在する。
の電界E2は、(8)式においてV0=0とすれば、 となる。今、例えば、(9)式の条件の他に、 d2=1×10-6[m] ∈2=5 とすれば、 E2=−3.4×105[V/m] (11) の電界が自発分極に起因して液晶層内部に存在する。
上述のように液晶層内部に電界があると、様々な問題
を引き起こす。特に、長時間放置した場合に常に同じ方
向に電界があるために、イオンの動きが無視できない。
同方向の電界によって液晶層中に含まれるプラスイオン
とマイナスイオンとは、電界によってそれぞれ反対の境
界方向へ移動し分離する。このプラスイオンとマイナス
イオンとの分離によって発生する電界によって、Psによ
る反電界は次第に打ち消されるが、このようなイオンの
分離は、液晶層中のイオンがすべて液晶配向膜境界に移
動するか、Psによる反電界が完全に打ち消されるまで続
く。従って長時間放置すると境界面にプラスまたはマイ
ナスのイオンが貼りついた状態になる。
を引き起こす。特に、長時間放置した場合に常に同じ方
向に電界があるために、イオンの動きが無視できない。
同方向の電界によって液晶層中に含まれるプラスイオン
とマイナスイオンとは、電界によってそれぞれ反対の境
界方向へ移動し分離する。このプラスイオンとマイナス
イオンとの分離によって発生する電界によって、Psによ
る反電界は次第に打ち消されるが、このようなイオンの
分離は、液晶層中のイオンがすべて液晶配向膜境界に移
動するか、Psによる反電界が完全に打ち消されるまで続
く。従って長時間放置すると境界面にプラスまたはマイ
ナスのイオンが貼りついた状態になる。
このため、長時間放置した後に液晶分子の第一の安定
状態と第二の安定状態との間でスイッチングをする時に
閾値に差がでる。境界面に貼りついたイオンによって内
部に生じる電界をEion、外部電圧による電圧をEexとす
ると、同じ電圧を印加したとしても、印加方向によって
一方はEex+Eion、他方はEex−Eionなる電界となる。つ
まり、2Eion分の電界に相当する外部電圧が閾値の差と
なって現れる。このように第一の安定状態から第二の安
定状態への液晶分子の反転と、第二の安定状態から第一
の安定状態への液晶分子の反転に関して閾値に差が生
じ、しかもその差が放置時間によって変化すると、強誘
電性液晶セルの駆動にとって大きな障害となる。なぜな
ら、液晶層の閾値は本来パルス幅ΔTと電圧Vに依存
し、クロストークによる画素の反転を防ぐために、その
閾値Vthと関係した大きさの適当な駆動法をとる必要が
あるからである。また、特にEionが大きな時には液晶分
子の双安定は実現できなくなる。
状態と第二の安定状態との間でスイッチングをする時に
閾値に差がでる。境界面に貼りついたイオンによって内
部に生じる電界をEion、外部電圧による電圧をEexとす
ると、同じ電圧を印加したとしても、印加方向によって
一方はEex+Eion、他方はEex−Eionなる電界となる。つ
まり、2Eion分の電界に相当する外部電圧が閾値の差と
なって現れる。このように第一の安定状態から第二の安
定状態への液晶分子の反転と、第二の安定状態から第一
の安定状態への液晶分子の反転に関して閾値に差が生
じ、しかもその差が放置時間によって変化すると、強誘
電性液晶セルの駆動にとって大きな障害となる。なぜな
ら、液晶層の閾値は本来パルス幅ΔTと電圧Vに依存
し、クロストークによる画素の反転を防ぐために、その
閾値Vthと関係した大きさの適当な駆動法をとる必要が
あるからである。また、特にEionが大きな時には液晶分
子の双安定は実現できなくなる。
以上説明したように、セルに対する電気的対処には、
大別して(1)上下電極の開放、(2)上下電極の短絡
(V0=0)、(3)上下電極への電圧印加(V0≠0)の
3種類があるが、(1)および(2)では、Psによる反
電界のために液晶層の内部に電界が生じ問題が生じる。
ここで(1)および(2)は従来それほど意識せずに実
施されている。一方(3)は本発明に該当する。特にV0
=2d1Ps/∈0∈1程度の電圧をPsによる反電界を打ち消
すように印加することによって、セルの長時間放置後の
閾値の差や双安定性の低下の問題を改善することができ
た。
大別して(1)上下電極の開放、(2)上下電極の短絡
(V0=0)、(3)上下電極への電圧印加(V0≠0)の
3種類があるが、(1)および(2)では、Psによる反
電界のために液晶層の内部に電界が生じ問題が生じる。
ここで(1)および(2)は従来それほど意識せずに実
施されている。一方(3)は本発明に該当する。特にV0
=2d1Ps/∈0∈1程度の電圧をPsによる反電界を打ち消
すように印加することによって、セルの長時間放置後の
閾値の差や双安定性の低下の問題を改善することができ
た。
ここまでは、基板上にSiO2膜等の絶縁層がなく、対称
的な配向膜を有するセルについて示した。しかし、実際
には電極間の短絡を防ぐためにSiO2等の絶縁膜を電極12
と配向膜13との間に設ける場合が多い。また、配向状態
を良くするために非対称な配向膜を設けることもある。
的な配向膜を有するセルについて示した。しかし、実際
には電極間の短絡を防ぐためにSiO2等の絶縁膜を電極12
と配向膜13との間に設ける場合が多い。また、配向状態
を良くするために非対称な配向膜を設けることもある。
しかし、このような場合にも一般に電極間に電界印加
時の分子幅方向が無電界時の分子軸方向と略等しい強誘
電性液晶を挟持したセルにおいて、外部から適当な電圧
をセルに印加して、自発分極Psによる反電界を打ち消す
ことによって、長時間放置後の閾値の差や双安定性の低
下の問題を改善できる。
時の分子幅方向が無電界時の分子軸方向と略等しい強誘
電性液晶を挟持したセルにおいて、外部から適当な電圧
をセルに印加して、自発分極Psによる反電界を打ち消す
ことによって、長時間放置後の閾値の差や双安定性の低
下の問題を改善できる。
第3図は、電極間の誘電率がそれぞれ∈1′、
∈2′、∈3′、∈4′、∈5′、厚さがd1′、d2′、
d3′、d4′、d5′なる媒質を挟持したセルに、外部電圧
V0を印加した場合を示す。各媒質の電界をE1′、E2′、
E3′、E4′、E5′とし、電束密度をD1′、D2′、D3′、
D4′、D5′とすると、前と同様にして強誘電性液晶層に
おける電界E3′を次のように表現できる。
∈2′、∈3′、∈4′、∈5′、厚さがd1′、d2′、
d3′、d4′、d5′なる媒質を挟持したセルに、外部電圧
V0を印加した場合を示す。各媒質の電界をE1′、E2′、
E3′、E4′、E5′とし、電束密度をD1′、D2′、D3′、
D4′、D5′とすると、前と同様にして強誘電性液晶層に
おける電界E3′を次のように表現できる。
従って、(16)式より なる外部電圧をセルに印加して自発分極Psによる反電界
を打ち消すことによって、長時間放置後の閾値の差や双
安定性の低下の問題を改善できる。
を打ち消すことによって、長時間放置後の閾値の差や双
安定性の低下の問題を改善できる。
また、以上から、もし必要があれば、自発分極Psによ
る反電界を打ち消すための適当な外部電圧V0は、更に一
般的な場合についても同様に示すことができるのは明ら
かである。
る反電界を打ち消すための適当な外部電圧V0は、更に一
般的な場合についても同様に示すことができるのは明ら
かである。
(作用・効果) 以上の如き本発明によれば、従来の強誘電性液晶セル
において、セルの非表示時に、液晶分子の自発分極Psに
よる反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電界を
外部から印加することによって、セルを長時間放置して
も、閾値の差や双安定性の低下がなく、セルを有効に駆
動することができる。
において、セルの非表示時に、液晶分子の自発分極Psに
よる反電界に大きさが略等しく且つ方向が反対の電界を
外部から印加することによって、セルを長時間放置して
も、閾値の差や双安定性の低下がなく、セルを有効に駆
動することができる。
【図面の簡単な説明】 第1〜3図は本発明の強誘電性液晶セルの駆動方法を図
解的に示す図であり、第4図は強誘電性液晶セルの液晶
分子の分極の二つの状態を図解的に示す図であり、第5
図および第6図は、従来公知の強誘電性液晶セルの例を
図解的に示す図である。 1、1′、11……基板 2、14……液晶層 3……液晶分子 4……双極子モーメント 5、5′……配向状態 12……電極 13……配向膜 15……自発分極Ps 16……Psによる反電界 V0……外部電圧
解的に示す図であり、第4図は強誘電性液晶セルの液晶
分子の分極の二つの状態を図解的に示す図であり、第5
図および第6図は、従来公知の強誘電性液晶セルの例を
図解的に示す図である。 1、1′、11……基板 2、14……液晶層 3……液晶分子 4……双極子モーメント 5、5′……配向状態 12……電極 13……配向膜 15……自発分極Ps 16……Psによる反電界 V0……外部電圧
Claims (1)
- 【請求項1】電極および配向膜を有する2枚の対向した
電極基板間に、電界に対して双安定性を有する強誘電性
液晶層を挟持してなる強誘電性液晶セルにおいて、該セ
ルの非表示時に液晶分子の自発分極Psによる反電界に大
きさが略等しく且つ方向が反対の電界を外部から印加す
ることを特徴とする強誘電性液晶セルの駆動方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26991286A JPH083582B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 強誘電性液晶セルの駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26991286A JPH083582B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 強誘電性液晶セルの駆動方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63124036A JPS63124036A (ja) | 1988-05-27 |
| JPH083582B2 true JPH083582B2 (ja) | 1996-01-17 |
Family
ID=17478951
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26991286A Expired - Fee Related JPH083582B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 強誘電性液晶セルの駆動方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH083582B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0468312A (ja) * | 1990-07-10 | 1992-03-04 | Canon Inc | 強誘電性液晶装置の駆動装置および駆動方法 |
| US5490000A (en) * | 1992-12-07 | 1996-02-06 | Casio Computer Co., Ltd. | Deformed helix ferroelectric liquid crystal display device and method of driving |
-
1986
- 1986-11-14 JP JP26991286A patent/JPH083582B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63124036A (ja) | 1988-05-27 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR940008528B1 (ko) | 액정 디스플레이 장치 | |
| JPH05265016A (ja) | 液晶装置 | |
| US5838410A (en) | Optical modulation element | |
| US4846560A (en) | Liquid crystal device with ferroelectric liquid crystal oriented at non-pixel portions | |
| JPS63121020A (ja) | 強誘電性液晶素子 | |
| EP0389211B1 (en) | Liquid crystal display device | |
| JP2769879B2 (ja) | カイラルスメクチック液晶素子 | |
| JPH083582B2 (ja) | 強誘電性液晶セルの駆動方法 | |
| US4601542A (en) | Nematic liquid crystal storage display device | |
| JPH0448368B2 (ja) | ||
| US5539553A (en) | Liquid crystal device with an electrically neutral interface between the liquid crystal and orientation layer | |
| JPH0711632B2 (ja) | カイラルスメクチック液晶素子の電圧印加方法 | |
| JP2707074B2 (ja) | 液晶素子 | |
| JPH0557568B2 (ja) | ||
| KR100412489B1 (ko) | 강유전성 액정 표시장치 및 그 구동방법 | |
| JPH0833560B2 (ja) | 液晶素子 | |
| JP2851500B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
| JP2775494B2 (ja) | 強誘電性液晶素子 | |
| CA1210481A (en) | Liquid crystal display cells and methods of switching same | |
| JPS62121424A (ja) | 液晶セル | |
| JP3176079B2 (ja) | 光学変調素子 | |
| JPH11125843A (ja) | 液晶素子及び液晶表示装置 | |
| JPH06118418A (ja) | 光学変調素子 | |
| JPS63123017A (ja) | 液晶素子 | |
| JPS62125321A (ja) | 液晶表示装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |