JPH0837471A - 信号処理方法と装置 - Google Patents

信号処理方法と装置

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JPH0837471A
JPH0837471A JP6290211A JP29021194A JPH0837471A JP H0837471 A JPH0837471 A JP H0837471A JP 6290211 A JP6290211 A JP 6290211A JP 29021194 A JP29021194 A JP 29021194A JP H0837471 A JPH0837471 A JP H0837471A
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calculating
peak
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JP6290211A
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Hee Richard D J Van
リチャード・ディー・ジェイ・ヴァン・ヒー
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Novatel Communications Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01SRADIO DIRECTION-FINDING; RADIO NAVIGATION; DETERMINING DISTANCE OR VELOCITY BY USE OF RADIO WAVES; LOCATING OR PRESENCE-DETECTING BY USE OF THE REFLECTION OR RERADIATION OF RADIO WAVES; ANALOGOUS ARRANGEMENTS USING OTHER WAVES
    • G01S19/00Satellite radio beacon positioning systems; Determining position, velocity or attitude using signals transmitted by such systems
    • G01S19/01Satellite radio beacon positioning systems transmitting time-stamped messages, e.g. GPS [Global Positioning System], GLONASS [Global Orbiting Navigation Satellite System] or GALILEO
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マルチパスに起因する誤りを排除する。 【構成】 復調された航法信号に対するマルチパスによ
る寄与分の推定を計算し、復調された航法信号から差し
引いてその復調された航法信号に対する見通し線の推定
された寄与分を求め、復調された航法信号に対するその
計算された見通し線の寄与分から伝播時間τ0が計算さ
れる。それにより航法信号の極めて正確な伝播時間を計
算することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば通信システムあ
るいは衛星航法システムにおいて使用する、信号を処理
する方法と装置とに関する。特に、本発明は、マルチパ
スに起因した誤りを除去するか、あるいは少なくとも低
減させることを特徴とする信号を処理する方法と装置と
に関する。一特定実施例においては、本発明は航法シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】原則として、送信機から受信機への通信
は、例えばAMあるいはFMにより、情報信号により符
号化された搬送波信号を送信機で送信し、符号化された
信号を受信機によって受信することからなる。受信機に
おいて、受信された信号はその中の情報を取得すべく復
号化される。信号の伝播時間、すなわち送信の瞬間と受
信の瞬間の間を経過する時間は、送信機と受信機との間
の距離と、搬送波信号の伝播速度とによって変わること
は周知の通りである。
【0003】実際には、搬送波信号は、直接的、すなわ
ち見通し線(見通し内)(lineof sight)
を経由するのみならず、例えば建物、山、雲、大気層等
のような物体からの1回以上の反射を経て受信機に到達
する。反射を経由する伝播軌道は常に見通し線より長い
ので、反射を経由する信号の伝播時間は見通し線を経由
する信号の伝播時間より長い、すなわち反射信号は直接
信号と比較して常に遅れを生じている。受号機は、直接
信号と反射信号の区分けができず、受信機によって受信
された直接信号と受信機によって受信された反射信号と
の組合せがあたかも歪みのない信号のごとくに処理され
る。しかしながら、前記の組合せは、送信された信号に
対して誤りを含んでいることは明白である。この問題は
一般に「マルチパス」として知られている。マルチパス
はまた回折によっても起因しうる。
【0004】前述の種類の通信は、一般に多くの用途に
用いられ、殆んどの用途においてマルチパスに起因する
誤りを低減することが一般的に望まれている。しかしな
がら、そのような誤りを低減することが極めて重要な一
用途は、例えば衛星航法のような航法であり、本発明は
そのような用途に限定されないのは明白であるものの航
法システムに関して説明する。
【0005】本発明の説明において、航法は通信信号に
より対象物と基準位置との間の距離を決定するという原
理に基いている。例えば衛星のような基準ステーション
は信号を発し、当該信号は前記対象物と関連した受信機
によって受信される。信号の伝播時間を測定することに
より、基準ステーションまでの対象物の距離を計算する
ことができる。同様に、第2の、ありうる別の基準ステ
ーションに対する対象物の距離が計算される。静止した
基準ステーションの場合、基準ステーションの位置は、
一定であり、受信機に一定値として組み込まれている。
例えば衛星のような非静止基準ステーションの場合、信
号は基準ステーションの位置に関する情報を含みうる。
従って、基準ステーションの位置は、受信機により「既
知」であるので、対象物の正確な位置を計算することが
できる。
【0006】前述の形式の航法システムの例はGPSお
よびLORAN−Cの名称で知られている。これらのシ
ステムは、例えば海上の船により、そして空港に近づき
つつある航空機によって使用される。前記システムの詳
細説明については下記の刊行物を参照されたい。
【0007】1977年ニュージャージー州プレンティ
スホール(Prentice Hall,New Je
rsey)におけるジェイ・ジェイ・スピルカー(J.
J.Spilker)による「衛星によるデジタル通
信」(“Digital Communication
s by Satellite”) 1990年ロンドン,ロイズ・オブ・ロンドンプレス
(Lloyd’s ofLondon Press,L
ondon)におけるエヌ・アクロイドとアール・ロリ
マー(N.Ackroyd and R.Lorime
r)による「グローバル航法:GPS ユーザ ガイ
ド」(“Global Navigation:A G
PS user’s Guide”) 1991年プレンティスホール(Prentice H
all)におけるビィー・フオアセル(B.Forse
ll)による「無線航法システム」(“Radio N
avigation Systems”)。
【0008】前述した用途においては精度が最重要で、
マルチパスによるいかなる誤りも排除するか、少なくと
も最小とする必要のあることが明らかである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の全体的な目的
はマルチパスに起因する誤りを排除することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前述およびその
他の目的は、受信した信号を処理する方法と装置であっ
て、マルチパスの存在を検出でき、見通し線信号の寄与
分とマルチパス信号の寄与分とを決定できる方法と装置
とを提供することにより本発明によって達成される。次
に本発明による方法と装置とは、受信した信号からマル
チパス信号の寄与分を除去し、損なわれていない見通し
線信号を残す。そのため損なわれていない見通し線信号
を利用して信号源から受信機までの正確な伝播時間を決
定することができる。
【0011】本発明を添付図面を参照して好適実施例を
説明することにより以下詳細に説明する。
【0012】
【実施例】図1は、海上の船舶1と、信号4を発してい
る衛星2とを概略図示する。前記信号を発生させ、送信
する衛星設備を全体的に3で示す。衛星設備3の構成は
本発明の一部を形成しないので、この構成を知ることは
本発明の理解に必要ではない。従って、衛星2とその衛
星設備3とはこれ以上説明しない。衛星2は例えばGP
S衛星のような現在使用されているような衛星でよいと
云えば十分である。
【0013】本発明の説明のために、信号4が、情報メ
ッセージを運ぶデータを含んでいることは無視し、信号
4の搬送波上に変調された航法信号(navigati
onsignal)5のみを検討する。図2は、前記設
備3から発せられた航法信号5の形状を概略図示してい
る。図2において、縦座標は任意の単位の信号の強度I
であり、横座標は時間tである。航法信号5はLORA
N−Cシステム(曲線A)に採用されているような単一
パルスの形態でよく、あるいは航法信号5はGPSシス
テムに採用されているような一連のパルス(曲線B)の
形態でよい。図2は航法信号5が周期的に発せられ、周
期Pは前述のシステムにおいて1msであることを示し
ている。各信号の周期の開始は、システムクロックの制
御により極めて正確に規定される時間の瞬間t0におい
て発せられることが注目される。
【0014】図3の曲線Aは、時間の大きい尺度におい
てGPS航法信号5を示し、信号の最初の部分のみが示
されている。GPS航法信号5は、所定数のコードビッ
トを含む疑似ランダムノイズコードを構成している。コ
ードビットをデータビットから区別するために、コード
ビットは通常「チップ」と称される。各チップは2つの
とりうる値、すなわち+1または−1を有することが可
能である。GPSシステムにおいては前記の所定の数は
1023である。以下の説明において、個々のチップは
C(1),C(2),……,C(1023)と称する。
各衛星2は、C(1),C(2),……,C(102
3)の値の組によって規定される独自の特性コードを有
している。
【0015】船舶1上の受信機10は、特定の衛星2の
特性コードに対応する基準信号を発生させるように設定
しうる少なくとも1つのコード発生器を含む。一般に、
受信機10にはメモリが設けられ、当該メモリにおいて
複数の衛星の特性コードに関する情報が記憶され、その
ためオペレータは関心のある衛星を指示するのみでよ
く、受信機10のコード発生器は、(コード発生器をチ
ューニングすることにより)関心のある特定の衛星の特
定コードに対応する基準信号を自動的に発生する。
【0016】図3と図4とは、遅延時間t0と称される
信号4の伝播時間を検出する原理を示す。前述のよう
に、図3の曲線Aは、衛星2が発した航法信号5を示
し、すなわち、C(1)の始まりが周期の始まりt0
一致する。従って、図3の曲線Aはまた、受信機10の
コード発生器によって発生した基準信号を表わすものと
考えることができる。曲線Bは、(ノイズおよびマルチ
パスの存在しない場合の)受信機10の入力11におい
て受信された航法信号5′を示し、すなわちC(1)の
始まりはt0に対して遅延時間τ0だけ遅れている。図3
においては、搬送波とデータとは示されていないことが
注目される。
【0017】時間の遅れτ0を決定するために、受信機
10に関連した制御装置(図示せず)が、基準信号5と
同一であるが、ある程度のシフト時間τにわたってシフ
トしている局部基準信号6を提供する。この局部基準信
号6は図3の曲線Cにおいて示されている。
【0018】(既知の)シフト時間τが(未知の)遅延
時間τ0と等しいかどうかを決定するために、前記制御
装置は、前記局部基準信号6を受信機10の入力11で
受信された航法信号5′と比較する。詳しくは、前記制
御装置は、局部基準信号6と受信された航法信号5′の
乗算演算を実行する。すなわち、局部基準信号6が、受
信された航法信号5′に対して一点と一点で乗算され
る。その後、図3の曲線Dに示し、乗算された信号7と
称される得られた信号が、平均化される。すなわち、乗
算された信号7は、十分長い時間にわたって積分され、
乗算された信号7の平均値M(τ)を提供する。
【0019】乗算された信号7は、信号6および信号
5′の値が相互に同一であるか否かによって+1あるい
は−1の値のみをとることができる。従って、乗算され
た信号7の平均値M(τ)も+1と−1の間の値であ
る。乗算された信号7の形状はシフト時間τによって変
わるので、M(τ)の正確な値はシフト時間τの選定値
に依存する。航法信号5は疑似ランダムコードであるの
で、前記平均値M(τ)はシフト時間τの殆んどの値に
対して実際には零であり、シフト時間τが遅延時間τ0
に近づいた場合のみ零から著しく相違する。理想的な場
合、もしシフト時間τが遅延時間τ0と等しい場合、前
記平均値M(τ)は1と等しい。図3の曲線Eは、シフ
ト時間τの関数として前記平均値M(τ)のこの特性を
示し、この関数は相関関数8と称される。
【0020】相関関数8の正確な形状は事前に判ってお
り、当該衛星の特性コードによって変わる。図3の曲線
Eにおいて、この形状は理想的な三角形として示されて
いる。三角形の幅Wは、既知の一定値であり、実用的に
はチップの持続時間の2倍に等しい。従って、相関関数
8は最大の座標(τ0,M(τ0))によって完全に決定
される。ここで、τ0は、時間周期の始まりに対して相
関関数8の位置を決定する関連パラメータである。
【0021】実際には、相関関数8は、図3の曲線Eで
示すように理想的な三角形ではないが、送信機の特性に
応じて、図11に示すように多少湾曲していることが注
目される。
【0022】さらに、各周期において、所定の形状を有
する唯一の航法信号のパルスが疑似ランダムコードの代
りに発せられる、LORAN−Cのようなシステムにお
いては、航法信号のパルス自体を前述のように相関関数
8に代えることができることが注目される。
【0023】以下の説明において、伝播時間τ0を決定
するために従来の受信機に採用されている従来の方法
を、相関関数を拡大尺度で示す図4を参照して説明す
る。まず、局部基準信号6がシフト時間τの第1の値t
1に対して発生され、乗算された信号7の対応する平均
値M(t1)が計算される。第2に、局部基準信号6が
シフト時間の第2の値t1+Δtに対して発生され、乗
算された信号7の対応する平均値M(t1+Δt)が計
算される。ここで、Δtで示すサンプリング間隔は一定
値である。
【0024】それぞれの値M(t1)およびM(t1+Δ
t)から誤差信号ε1=M(t1)−M(t1+Δt)が
計算される。この誤差信号は、局部基準信号6のシフト
時間を制御するために用いられ、平均値M(τ)がその
後2つの値t2およびt2+Δtに対して計算されると、
誤差信号ε2=M(t2)−M(t2+Δt)はε1より小
さくなる。遅延ロックド・ループ(DLL)として知ら
れるこの手法が継続して実行され、そのため実際にはい
ずれの特定の時間においてもε≒0であり、相関関数8
のピークが対称形であるとの推定に基き、伝播時間τ0
は式τ0=t1+(1/2)Δtによって計算しうる。
【0025】この従来技術の方法の重大な欠点は、計算
された伝播時間τ0が十分正確でないことであって、こ
のことは、見通し線を経由して受信された航法信号5′
の相関関数24と、反射して受信された航法信号5′の
2つの相関関数25,26との組み合わせである相関関
数23の形状を示す図5を参照すれば示されている。反
射ピーク25および26のそれぞれの伝播時間τ1およ
びτ2は見通し線ピーク24の伝播時間より長く、それ
ぞれの最大値A1およびA2は見通し線ピーク24の最大
値A0より小さい。反射ピーク25および26のそれぞ
れの幅W1およびW2は見通し線ピーク24の幅W0と概
ね等しい。
【0026】従来の方法においては、相関関数23はあ
たかもマルチパスが存在しないかのように処理される。
すなわち、相関関数23は、それが歪みのない相関関数
であるとの想定に基いて処理される。次に、従来の方法
は、例えば、誤差信号εに対する停止基準をI(tx
およびI(tx+Δtx)が満足するようにさせ、伝播時
間τxはτx=tx+(1/2)Δtxとして計算される
が、これは見通し線ピーク24の伝播時間τ0と等しく
ないことは明らかである。
【0027】実際に、従来の方法によって計算された時
間τxは、ピーク23がマルチパスの存在する場合対称
的でないためピーク23の最大位置の正確な推定値です
らない。従来の方法は、この点、ピークのより高い位置
におけるピーク23をサンプリングするためにΔtを減
少することによってのみ改良できる。このことは、例え
ば、I(ty)およびI(ty+Δty)が誤差信号εの
ための停止基準を満足させ、伝播時間τyはτy=ty
(1/2)Δtyとして計算され、これはピーク23の
最大位置のより近い推定値であるものの依然としてτ0
に等しくない。
【0028】実際に、たとえピーク23の最高の点が正
確に計算されるように従来の方法が修正されたとして
も、図5から明らかに判るよう、組合わされたピーク2
3の最大値は見通し線ピーク24の最大値に対してシフ
トしているので、従来の方法が図5に示す状況において
τ0の正しい値を出すことは本質的に不可能である。
【0029】図5において、ピークは理想的な形、すな
わち鋭い先端を備えた形で示されていることが注目され
る。しかしながら、前述のように実際には先端は曲形で
あり、これがτ0に対する伝播時間の計算された値のず
れをさらに大きくする。
【0030】本発明は、航法信号5′の実際の形状を数
学的に洞察すること、およびマルチパスの存在するとき
の相関関数23とに基いている。従って、本発明の一局
面によれば、受信された航法信号5′の相関関数23の
完全な形状を測定し、前記相関関数に対するマルチパス
の寄与分(contribution)と見通し線の寄
与分の推定を計算し、前記相関関数に対する計算された
見通し線の寄与分から伝播時間τ0を計算することによ
りマルチパスによる影響が排除されるか、あるいは少な
くとも最小化とされる。
【0031】このことは以下の説明において述べるが、
p(t)は受信機10のメモリに記憶されている基準信
号に対応する航法信号を表わす関数である。受信された
航法信号5′の相関関数23に寄与するMac反射信号
(マルチパス)があり、前記Mac反射信号の各々が関数
【数17】 によって表わすことができるものと想定する。ここで、
iはインデックスiを備えた信号の振幅であり、τi
インデックスiを備えた信号の遅延時間であり、θi
インデックスiを備えた信号の位相であり、ωは航法信
号の搬送波信号の角周波数である。
【0032】次に、マルチパス伝播がある場合、受信機
が受信した実際に受信の航法信号5′は以下のように書
き表わすことができる。
【0033】
【数18】 ここで、インデックスi=0は見通し線信号を示し、イ
ンデックスi=1,2,……,Macはマルチパス信号を
示す。さらに、n(t)は雑音成分を示す。実際には、
信号xi(t)もデータ信号によって乗算される。そし
て、当該データ信号は従来のコヒーレント(coher
ent)遅延ロックループシステムにおいても除去する
必要があるため当該技術分野の専門家には明らかなよう
に、データ信号は、前記信号xi(t)を推定されたデ
ータ信号で乗算することにより除去することができる。
表記を簡略化するために式(1)からデータ信号は外し
てある。
【0034】ai,τiおよびθiはインデックスiを備
えた信号を表し、時間と共に変動しうる未知の変数であ
ることが認められる。最尤見積もり理論(maximu
mlikelihood estimation th
eory)によれば、未知パラメータai,τiおよびθ
iの最良推定値ai^,τi^およびθi^は以下のように
定義されるL[s(t)]を最小化する変数である。
(なお、記号の後に^を記す記載は、本明細書において
はその記号の上に^を付したものを表すものとする。)
【数19】 ここで、s(t)は以下のように定義される。
【0035】
【数20】 実際には、信号がサンプリングされる場合、前述の積分
演算はある時間間隔における全てのサンプルの和と置換
することができる。
【0036】前述に対して均等である基準はL(s
(t))の全ての偏導関数が零であるということであ
る。この基準は次式で満足されることを示すことができ
る。
【0037】
【数21】 ここで、
【数22】 は、X(τ)がその大域最大値(global max
imum)を有しているτの値として定義される。
【0038】
【数23】 は、前述の例で述べた組合せ相関関数23に対応する同
相(実数部)および直角位相(虚数部)の下方変換され
た(downconverted)相関関数であり、R
(τ)は、実際に受信機において起るように相関関数と
して定義され、かつ図11で示すようにピークにおいて
最大値が1で位相が零となるように正規化された、前例
で説明した相関関数8に対応する同相(実数部)および
直角位相(虚数部)の基準相関関数である。本発明によ
れば、基準相関関数は信号シミュレータを用いて雑音お
よびマルチパスの存在しない状態において測定され、こ
の形状を、例えば表の形態あるいは前記形状を表わす関
数の形で基準相関関数として受信機のメモリに記憶して
おくことが好ましい。
【0039】本発明の目的は、式(4)が解かれれば直
ちに達成されることが明らかで、その理由は、そうすれ
は見通し線信号の遅延時間τ0がτ0^によって正確に計
算されたと考えることができるためである。しかしなが
ら、式(4)は、Macの特定の値に対する最適パラメー
タτ0^,a0^,θ0,τ1^,a1^,θ1^,……,τ
Mac^,aMac^,θMac^の間の再帰関係を表わす。理
想的には、反復マトリックス計算を用いて直接式(3)
を解くことができるが、この方法は計算時間がかかりす
ぎるので、仮に行っても、リアルタイムの実行は極めて
高速で、従って大型かつ高価なコンピュータシステムを
用いて始めて可能である。
【0040】本発明によるより実用的な手法において
は、式(4)は、図6を参照して以下説明するように反
復計算される。
【0041】最初のステップ101において、第1のピ
ーク相関関数R0(τ)は式R0(τ)=RX(τ)によ
ってRX(τ)と等しいように近似化される。
【0042】第2のステップ102において、パラメー
タτ0^,a0^,θ0^が、後述する要領で、R0(τ)
における最大のピークのための最適値として計算され
る。
【0043】第3のステップ103において、前記の計
算されたパラメータτ0^,a0^,θ0^の寄与分が、
X(τ)から、式
【数24】 に従って差し引かれ、第2のピーク相関関数R1(τ)
を生じる。
【0044】第4のステップ104において、τ1^,
1^,θ1^が、R1(τ)における最大のピークに対
する最適値として計算される。
【0045】第5のステップ105において、前記の計
算されたパラメータτ1^,a1^,θ1^の寄与分が、
X(τ)から、式
【数25】 に従って差し引かれ、第1のピーク相関関数R0(τ)
の新しい近似値を生じる。
【0046】第6のステップ106において、第5のス
テップにおいて計算された新しい近似値R0(τ)にお
ける最大のピークのための最適値として新しいパラメー
タτ0^,a0^,θ0^が計算される。
【0047】次いで、第3,第4,第5および第6のス
テップは、適当な停止基準201が満足されるまで繰り
返される。そのような適当な停止基準201の一例とし
て、前記ステップは所定回数、例えば10回繰り返せば
よい。しかしながら、当該技術分野の専門家には明らか
になるように、パラメータτ0^,a0^,θ0^および
τ1^,a1^,θ1^が所定の収れん基準に従って収れ
んするまで前記ステップを繰り返すことも可能である。
良好な結果をもたらすことが判明している収れん基準
は、推定した遅れτ0^またはτ1^あるいはこれら双方
が2つの連続した繰返しステップ間で0.1ns以下で
変動するか否かを検出することである。
【0048】この点において、2つの信号に対してx0
^(t)およびx1^(t)の受信された航法信号5′
に対する推定された寄与分は
【数26】 および
【数27】 として提供され、R0(τ)およびR1(τ)の同相/直
角位相の下方変換された相関関数RX(τ)に対する寄
与分は
【数28】 および
【数29】 として提供される。
【0049】第3の信号に対する推定された寄与分を計
算すべき場合、前記の計算されたパラメータτ0^,a0
^,θ0^およびτ1^,a1^,θ1^の寄与分が、第7
のステップ107において、RX(t)から、式
【数30】 に従って差し引かれ、第3のピーク相関関数R2(τ)
を生じる。
【0050】第8のステップ108において、パラメー
タτ2^,a2^,θ2^がR2(τ)における最大のピー
クの最適値として計算される。
【0051】第9のステップ109において、新しいパ
ラメータτ0^,a0^,θ0^が、
【数31】 における最大のピークに対する最適値として計算され
る。
【0052】第10のステップ110において、第9の
ステップにおいて計算されたパラメータτ0^,a0^,
θ0^を用いて、新しいパラメータτ1^,a1^,θ1
が、
【数32】 における最大のピークに対する最適値として計算され
る。
【0053】第11のステップ111において、第9の
ステップにおいて計算されたパラメータτ0^,a0^,
θ0^並びに第10のステップにおいて計算されたパラ
メータτ1^,a1^,θ1^を用いて、新しいパラメー
タτ2^,a2^,θ2^が、
【数33】 における最大のピークに対する最適値として計算され
る。
【0054】次に、停止基準201と同等でよい停止基
準202が満足されるまで第9,第10および第11の
ステップが繰り返される。
【0055】同様にして、第4のピークの寄与分と、最
初の3つのピークに対する新しい値とを反復して計算す
ることができ、次に、第5のピーク寄与分と、最初の4
つのピークに対する新しい値とを、当該技術分野の専門
家には明らかなように反復して計算することができる。
【0056】別の言い方をすれば、全ての信号の寄与分
は最初から同時に計算するのでなくて、まず、1つのみ
の信号の寄与分を計算し、次に第2の信号の寄与分が加
えられ、双方の信号の寄与分が最適化され、次に第3の
信号の寄与分が加えられ、3つ全ての信号の寄与分が最
適化されるという風に行われる。全てのMac+1個の信
号の寄与分が計算されるまでこの手法を続けることがで
きる。しかしながら、実際には、実際に発生しているマ
ルチパス信号の数Macは事前に知られておらず、必らず
しも一定でもない。従って、前述の手順の各サイクルの
後、M+1個の信号の寄与分が計算され、Mがマルチパ
ス信号の寄与分の検討された数である場合、MがMac
下であればマルチパスに起因する誤り(以下「マルチパ
ス誤り」という。)は十分に排除されず、一方MがMac
より大きければ雑音に起因する誤り(以下「雑音誤り」
という。)の増加が誘発される。従って、この問題を排
除するために、本発明によれば、前述のようにM=0,
1,2……,Mmaxに対して順次式(4)を解き、適当
な停止基準が満足されると直ちに、または、M=Mmax
がいずれにせよ生じたとき(なお、Mmaxは、計算時間
が膨大にならないように反復手順に対する上限として作
用する所定の固定値である。)、上記の反復手順を停止
することが好ましい。適当な値は例えばMmax=3また
はMmax=4である。
【0057】前述した手順において、計算すべき最初の
ピークはインデックス0を付して言及し、一方、先には
インデックス0は見通し線ピークを言及するために用い
たが、最初に計算したピークと必らずしも対応していな
いことが注目される。以下の説明において見通し線ピー
クを言及するためにインデックス0を再び使用すること
とする。前述の手順が完了した後、見通し線ピークに対
応する一組のパラメータは、τi^の最小値を有する組
であるので容易に認識しうる。
【0058】前記反復プロセスは、下記の式(5)の適
当な停止基準により表わされるように誤りの増加が検出
されるや直ちに停止しうる。
【0059】
【数34】 次に、M−1に対して得られたパラメータの値が最適値
として選定される。
【0060】式(5)において、SRR(M)は式
(6)により信号対残差比(Signal−to−Re
sidual−Ratio)として定義される。
【0061】
【数35】 ここで、V(M)は、式(7)による全てのパラメータ
の推定の後、残差の分散として定義される。
【0062】
【数36】 ここで、Dは遅延ウィンドウ、すなわち見通し線相関ピ
ークと、干渉しているマルチパスの信号のピークとを含
む遅延間隔である。実際には、Dに対する適当な長さは
チップの持続時間の2倍であり、Dに対する適当な位置
は、推定された見通し線相関ピークが概ねDの中心ある
いはDの最初の半分内に概ね位置するようなものであ
る。それは、マルチパスの寄与分は見通し線相関ピーク
の遅延値より大きい遅延値においてのみ予測されるから
である。
【0063】実際には同相/直角位相の下方変換された
相関関数RX(τ)がサンプリングされ、そのため式
(7)の積分演算は加算演算に置換することができる。
【0064】代替的な停止基準として、式(5)の代り
に式(8)を用いることができる。
【数37】 ここで、δは適当なスレショルド値で、例えば、正に許
容しうる誤りを導く特定の信号雑音比SNRと等しいよ
うに選定しうる。
【0065】別の代替的な停止基準は式(9)によって
表わされる。
【0066】
【数38】 ここで、max(|res|)は間隔Dにおける残余関
数resの最大絶対値と定義され、resは以下のよう
に定義される。
【0067】
【数39】 殆んどの実用環境における十分に良好な結果をもたらす
ことが判明している本発明の単純な実行において、M
maxは1に等しい固定された数字として選択されてい
る。その場合、2つの最強のピークに対する近似のパラ
メータ値、すなわち、見通し線ピークと最強の反射ピー
クとが計算される。概ね同一の強度の2つ以上の反射ピ
ークが存在している場合、残りの誤りは実用的に顕著な
ものである。
【0068】以下の説明において、例えばステップ10
2を参照して説明した相関関数R(τ)における最大
のピークに対する最適値としてパラメータτ^,a^,
θ^を計算するための最も好ましい手順について説明す
る。
【0069】まず、前記相関関数の複素数のサンプルの
中のいずれのサンプルが、
【数40】 に対する最大の値を提供するかが決定される。対応する
遅れはτmaxと称される。すなわち、
【数41】 前記の一サンプルから位相θ^が式(2)により推定さ
れる。
【0070】
【数42】 一旦位相が判ると、当該位相は、式(13)によりコヒ
ーレントに復調された信号を得るために入力信号に対し
て位相回転を実行するために使用される。
【0071】
【数43】 このようにして得た位相復調信号は、遅れと振幅とを推
定するために使用される。
【0072】ピークの遅れτ^は、種々の方法で推定で
きる。以下の説明において、基本的に二種類の方法を説
明する。
【0073】まず、ピークの全てのサンプルを使用し
て、ピークの形状を多少連続的に表示するためにサンプ
ルに対する補間値を計算することができる。その後、最
大値の位置をニュートン−ラフソン法(Newton−
Raphson method)のような周知の分析法
を用いて計算することができる。この方法は、サンプリ
ングの間隔がナイキスト基準を満足するのであれば雑音
分散に対する最適遅れを推定する。
【0074】第2の方法は少数のピークのサンプルのみ
を用いることができる。この方法はピークの形状が事前
に判っているという事実に基いており、前述の方法より
はるかに高速であるため本発明の方法が好ましい。前記
のサンプルの数は図7及び図8を参照して以下説明する
ように2程度に小さくできる。
【0075】図7は、図4に示す相関関数8と対比しう
る相関関数を示す。ピークの遅れをτ0で示す。この関
数のサンプルAとBとは、サンプリング間隔Δτで間隔
を開けられている2種類の遅れt1およびt2において取
られたものとして示されており、t2=t1+Δτであ
る。測定された相関の大きさR′i(t1)とR′
i(t2)とはそれぞれR1およびR2として示されてい
る。
【0076】以下の説明において、t1とt2の中間に正
確に位置している遅れはτCとして示され、t1=τC
(1/2)Δτで、t2=τC+(1/2)Δτである。
【0077】さらにτCからτ0までの距離はτxとして
示され、そのためt1=τ0−τx(1/2)Δτおよび
2=τ0−τx(1/2)Δτである。測定された相関
の大きさR′i(τC−(1/2)Δτ)およびR′
i(τC+(1/2)Δτ)は、τ0およびΔτが一定で
あるのでτxの関数と見做しうることは明らかである。
【0078】前記の測定された相関の大きさR′i(τC
−(1/2)Δτ)およびR′i(τC+(1/2)Δ
τ)を用いて、形状パラメータfが計算され、当該パラ
メータは下記の式(14)によって定義される。
【0079】
【数44】 従って、fもτxの関数である。図8において、f
(τx)のグラフが示されており、縦軸の単位は任意で
ある。fは最大値の周りのある領域においては継続して
下降している関数であり、これはτxの各値とfの各値
との間に1対1の関係が存在することを意味する。関数
f(τ)の形状は、相関関数の形状、受信機の特性およ
びΔτの大きさによって変わる。前述のように、相関関
数の形状は各受信機に対して事前に確定しうるので、f
(τ)の関数を事前に計算し、逆関数f-1を計算し、こ
の逆関数を例えば表あるいは多項式として受信機のメモ
リに記憶しておくことができる。
【0080】演算の間、ピークの2つのサンプル値R′
i(τC−(1/2)Δτ)およびR′i(τC+(1/
2)Δτ)を用いて式(14)によりfを計算する。次
に、記憶された逆関数f-1を用いてτxが計算される。
次にτ0
【数45】 として推定される。
【0081】最も正確な結果をもたらすので、t1とt1
+Δτとは出来るだけピーク近くで選択され、より好ま
しくはピークの両側で選択されることが好ましい。
【0082】代案として、fを次式によって定義しても
よい。
【0083】
【数46】 別の代替実施例においては4つのサンプリングされた値
が使用され、fは次式により定義しうる。
【0084】
【数47】 または
【数48】 ここで、Nは数個の測定された絶対値の和に等しい正規
化パラメータである。例えばN=|R(τ0)|または
【数49】 である。
【0085】理論的には差分演算はデコンボリューショ
ン(deconvolution)のように作用しパル
スの幅を減少させ、重なったパルスをより分離するよう
にさせるので、前述のような三次差分法(third
order difference method)は
マルチパスにより影響されにくいという利点を提供す
る。他方、受信機における、特に局部基準信号における
不正確さが、得られた結果の精度により重大に影響す
る。
【0086】式(13)に対する代案として、例えば、
式(13a)または(13b)により非コヒーレントに
復調された信号を用いることができる。
【0087】
【数50】 ある信号の最大ピークの振幅a^を推定する最も速い方
法は最大のサンプル値を振幅の推定値として単純に選定
することである。その結果の誤りは、例えばΔτを任意
的に小さく選択することにより許容可能に小さくするこ
とができる。また、前述のように計算された遅れτ^を
用いてサンプリング手段を制御することが可能で、それ
によりピークのサンプリングが、ピークの計算された頂
部において、(あるいは当該頂部に極めて近接して、)
正確に発生する。
【0088】振幅を推定するためには、遅れに関して前
述したのと類似の技術を用いることも可能である。正規
化されたピーク形状関数gは次式のように定義しうる。
【0089】
【数51】 1つの測定された振幅サンプルxと前述の方法で計算し
た推定遅れτ^とを用いて、振幅は次式により推定でき
る。
【0090】
【数52】 代案として、ピークの二次導関数を次式により用い、
【数53】 式(15)に関して前述したのと同様に進行すればよ
い。
【0091】本発明の有利な効果を図9を参照して一例
を説明することにより以下示す。
【0092】標準的なGPSアンテナを大きな建物の基
礎部の任意の位置に位置させ、GPS航法信号をある時
間中に受信した。この信号は同時に2つの受信機で処理
された。第1の受信機は、図4について説明した原理に
より動作する標準的なGPS受信機で、他方の受信機
は、本発明の原理により動作するように設置した。Mma
xを1に等しいものとして選択した。2つの連続した反
復ステップの間でτ0^が0.1ns以下に変動したと
き、あるいは10回の反復ステップの後かいずれか早い
方が起ったとき反復を停止した。(複素数の)サンプル
の数は20であった。サンプル間の距離は最初の10個
のサンプルに対して1つのチップの持続時間の1/20
で、次の10個のサンプルに対する1つのチップの持続
時間の1/10であった。fに対して式(14)を用い
た。積分時間は1sであった。
【0093】図9は、双方の受信機によって計算され、
式δL=cδτによって距離測定値δLに変換し、時間
tに対してプロットした見通し線ピークの遅延時間τ0
の変動δτを示す。時間t=0において、計算された値
を基準値として用い零にセットした。t>0に対して図
9にプロットした値は、計算されかつ前記基準値から差
し引かれた値である。
【0094】実線は、標準的なGPS受信機の計算にお
いて発生した変動を示す。マルチパスのため、計算され
た距離測定値は約60m離れた極端な値の間で変動し、
計算された距離測定値の標準偏差は10m以上である。
【0095】点線は、本発明の原理により動作するよう
に設置された第2の受信機において発生する変動を示
す。雑音によるものと思われるが、計算された距離測定
値は、依然として変動するものの極端な値でも間隔は約
5メートルであり、誤りの標準偏差は1.1mに減少さ
れ、すなわち10の係数分改善されている。
【0096】以下に、本発明による処理装置30の実施
例を図10を参照して詳細に説明する。
【0097】前述のように、受信機10は、航法信号4
を受信するための入力(アンテナ)11を含む。受信さ
れた信号4は、処理装置30の入力31まで導かれ、当
該入力31は乗算器34の第1の入力35に結合されて
いる。所望ならば、当該技術分野の専門家に明らかなよ
うに、受信された信号4は、増幅され、または所定の中
間周波数まで周波数逓降変換され、あるいはこれら双方
が行われ、次に乗算器34の第1の入力35まで導かれ
る前にデジタル化しうることが注目される。説明を簡単
にするために、増幅手段、周波数逓降変換手段およびデ
ジタル化手段は図10に示されていない。
【0098】処理装置30は、周波数ωの信号を発生す
る発生器32を含む。発生器32の出力33は乗算器3
4の第2の入力36に結合されている。乗算器34にお
いて、受信された信号4は復調され、当該受信され復調
された航法信号5′が乗算器34の出力37に提供され
る。
【0099】処理すべき信号は、複素数の信号(以下
「複素数信号」という。)として取り扱われるべきで、
そのため発生器32は実際には少なくとも2つの出力を
有し、一方の出力はcos(ωt)と称しうる信号を提
供し、他方の出力は第1の信号に対してπ/2の位相差
があり、sin(ωt)と称しうる信号を提供する。c
os(ωt)信号は、受信された信号の実数(同相)部
分を処理するために用いられ、sin(ωt)信号は、
受信された信号の虚数(直角位相)部分を処理するため
に使用される。双方の処理をするための動作は原理的に
同一である。従って説明を簡単にするために、図10に
おいては、発生器32の一方の出力33のみを示してお
り前記出力信号の組合せは、当該技術分野の専門家には
明らかなように以下の説明においてexp(jωt)と
称される。
【0100】処理装置30は、以下乗算器40kと称す
る複数のN個の乗算器401,402,403,……,4
Nを含み、kは間隔が1からNまでの整数で、Nは受
信された航法信号5′から採集したサンプルの数に対応
する。各乗算器40kは第1の入力41k,第2の入力4
k、および出力43kを有している。乗算器40kの各
々第1の入力41kは、乗算器34の出力37に結合さ
れ、受信され復調された航法信号5′r(t)・exp
(jωt)を受け取る。
【0101】処理装置30は、複数のN個の積分手段4
kを含む。各積分手段45kの入力46kは、関連の乗
算器40kの出力43kに結合され、当該各積分手段45
kの出力47kは、当該技術分野の専門家には明らかなよ
うにコンピュータでよいデジタル信号処理装置50の入
力51kに結合されている。積分手段45kは、所定周期
T中に入力46kで受け取られたサンプルの加算をし、
出力47kにこの加算演算の結果を送り、次に零から新
しく加算演算を再開するように構成されている。
【0102】デジタル信号処理装置50は、正確なクロ
ック手段54の出力53に結合されたクロック入力52
を有している。さらにデジタル信号処理装置50は、局
部基準信号発生器60を制御可能に駆動するための制御
出力55を有しており、前記局部基準信号発生器60
は、局部基準信号6を提供する出力63を有している。
局部基準信号発生器60の基準入力61はメモリ62に
結合されており、当該メモリ62においては前述のよう
に航法信号5の特性コードに関する情報が記憶されてい
る。図10には示していないものの、メモリ62は種々
の衛星の複数の特性コードに関する情報を含むことがで
き、一方、局部基準信号発生器60は、当該技術分野の
専門家には明らかなように、例えば所定の衛星の航法信
号に選択的にチューニングするために前記のコードの中
の1つのみの情報を選択的に受け取ることができる。
【0103】処理装置30は、以下遅延手段70nと称
する複数のN−1個の遅延手段701,702,703
……,70N-1を含み、nは間隔が1からN−1までの
整数である。各遅延手段70nは入力71nと出力72n
とを有し、出力72nにおいて、入力71nにおいて受信
された信号のコピイであって遅延時間Dτn遅れた当該
受信された信号のコピイを提供する。一実施例において
は、全ての遅延手段70nは同じ遅延時間Dτを提供す
る。遅延手段が直列に結合されることによって、遅延手
段70nの入力71nは先の遅延手段70n-1の出力72
n-1に結合されている。第1の遅延手段701の入力71
1は局部基準信号発生器60の出力63に結合され、当
該局部基準信号発生器60は第1の乗算器401の第2
の入力421に結合されている。各遅延手段70nの出力
72nは、関連の乗算器40n+1の第2の入力42n+1
結合されている。
【0104】デジタル信号処理装置50は、クロック手
段54によって規定される時間周期と正確に同期して局
部基準信号発生器60を駆動するようにプログラム化さ
れている。しかしながら、デジタル信号処理装置50
は、後述のように、あるバイアスシフトτbにわたる時
間周期の始まりt0に対して局部基準信号6の第1のチ
ップC(1)の始まりをシフトさせうる。次に、各乗算
器40kが、第2の入力42kにおいて、式
【数54】 により、シフト時間τkにわたる時間の始まりt0に対し
てシフトした局部基準信号6を受け取る。このシフトさ
れた局部基準信号6はpk(t)=p(t−τk)と表現
しうる。
【0105】各乗算器40kは、その出力43kにおい
て、r(t)・exp(jωt)・p(t−τk)と表
現しうる乗算された信号7を提供する。
【0106】従って、各積分手段45kは、その出力4
kにおいて、
【数55】 と表現できかつ同相/直角位相の下方変換された相関関
数RX(τ)のτ=τkにおけるサンプルを構成する信号
を提供する。
【0107】前記サンプルは、各積分周期Tの後「更新
され」、入力51kにおいてデジタル信号処理装置50
によって読み取られる。デジタル信号処理装置50は、
好ましくは、入力51kで読み取られた前記サンプルが
利用される図6を参照して前述した反復ステップを利用
して、式(4)の組を計算するようにプログラム化され
ている。GPSシステムの場合、適正なデータ推定値を
得るために積分周期Tは10msを上回らないように選
定されることが好ましい。しかしながら、このことは、
デジタル信号処理装置50が10ms毎に1回式(4)
の全体の組を計算することが絶対的に必要であることを
意味するものでない。電離層変化のみが重要な役割りを
果す場合、毎秒1回あるいはそれ以下の頻度で式(4)
の組を計算することで十分である。
【0108】特に、GPSシステムの場合、10ms毎
に1回搬送波の位相を従来の方法で推定することが可能
である。この推定された位相から、局部発生器のデータ
や周波数のずれを決定することができる。このように決
定された周波数のずれは、信号発生器とコード発生器の
周波数を制御するために使用され、そのためそれらの周
波数誤差は概ね零のままである。位相ジャンプの形態で
存在している計算されたデータは、相関サンプルを推定
されたデータビットで乗算することにより相関サンプル
からデータを除去するために使用され、その後、このよ
うに乗算された相関サンプルは1秒以上にわたって平均
化できる。位相および遅れを正確に推定するためには、
毎秒1回あるいはそれより低い頻度で式(4)の組を計
算することで十分である。
【0109】計算された位相と遅れの推定値に基いて、
デジタル信号処理装置50は、数値制御された発振器か
らなることが好ましい発生器32および局部基準信号発
生器60を制御する。詳しくは、発生器32は、θ0
が概ね零となるように制御される。バイアスシフトτb
を修正することにより、局部基準信号発生器60は、ピ
ークが遅延ウィンドウD内に保たれるように制御され
る。代替的に、受信された信号の相関関数の最大値の位
相が零となるように局部基準信号発生器60を制御する
ことができる。さらに詳しくは、サンプルの中の1つが
推定された見通し線ピークの頂部と概ね一致し、かつ他
の2つのサンプルが前記ピークの周りで対称的に位置す
ることを確実に行うよう設計されたトラッキングループ
と遅延ロックループとを述べているスピルカ(Spil
ker)の論文を参照されたい。
【0110】デジタル信号処理装置50はさらに、計算
された推定結果を例えばプロッタ、プリンタあるいはC
RTのような適当なディスプレィ手段に、または当該技
術分野において周知のようにコンピュータメモリのよう
な適当な記憶手段に、あるいはこれら全部に送るための
データ出力59を有している。実際に、結果はコンピュ
ータに送られ、当該コンピュータはまた、受信機の正確
な位置を計算しうるように数個のその他の送信機のため
の推定結果を受け取る。この計算は、既存の受信機にお
いて実行される計算と同一である。
【0111】説明を完全にするために、実際には2つの
乗算器34が存在しており、第1の乗算器は前記信号c
os(ωt)を、第2の乗算器は前記信号sin(ω
t)をそれぞれ第2の入力で受け取り、それぞれの出力
37が同相の航法信号5′と直角位相の航法信号5′と
をそれぞれ提供することが注目される。さらに、前記手
段40,45,および70の回路は、前記同相の航法信
号5′と前記直角位相の航法信号5′とをそれぞれ処理
するために二重式であることが注目される。
【0112】本発明の前述した実施例は、本発明の範囲
や、あるいは特許請求の範囲から逸脱することなく当該
技術分野の専門家によって修正しうることは明らかであ
る。例えば、受信された信号の実数(同相)部分を処理
するだけで十分な場合、式(4)は式(4A)に簡略化
される。
【0113】
【数56】 さらに、fに対して使用した関数が連続的に上昇あるい
は下降する関数である限り、前述した形状パラメータf
およびgに対してその他の適当な関数を用いることが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した状態を示す概略図。
【図2】航法信号の歪みのない形状を示す概略図。
【図3】相関演算を示す図。
【図4】相関関数の理想的形状を概略図示し、かつ航法
信号を処理する従来の方法を示す図。
【図5】マルチパス信号の3つの相関関数ピークの組合
わせを示し、従来の方法の欠点を示す図。
【図6】本発明の好適方法によりとられるステップを示
す図。
【図7】相関関数の理想的な形状を示し、航法信号を処
理する本発明の方法を示す概略図。
【図8】補助関数の形状を示す概略図。
【図9】本発明の効果を示す図。
【図10】本発明による装置の一例を示す図。
【図11】実際の相関関数の形状を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・ディー・ジェイ・ヴァン・ヒ ー オランダ国 2628 エスエックス デルフ ト,フレデリク・ヘンドリクストラート 23

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信機と受信機とを含む信号伝送システ
    ムにおける前記受信機内で信号を処理する方法におい
    て、 信号を受信するステップと、 当該受信した信号を復調するステップと、 複数の時間τにおいて前記の受信され復調された信号の
    サンプルRX(τ)を取得するステップと、 前記の受信され復調された信号に対するマルチパスに起
    因する寄与分の推定を計算し、前記のマルチパスに起因
    する推定された寄与分を前記の受信され復調された信号
    から差し引き前記の受信され復調された信号に対する見
    通し線の推定された寄与分を取得し、前記送信機と前記
    受信機との間で前記信号が伝播する伝播時間を計算し、
    前記伝播時間τ0が前記の受信され復調された信号に対
    する前記の計算された見通し線の寄与分から計算される
    ステップとを備える方法。
  2. 【請求項2】 送信機と受信機とを含む信号伝送システ
    ムにおける前記受信機内で信号を処理する方法におい
    て、 信号を受信するステップと、 当該受信した信号を復調するステップと、 基準信号を提供するステップと、 相関関数を得るために前記受信した信号に前記基準信号
    で相関演算を実行するステップと、 複数の時間τにおいて前記相関関数のサンプルR
    X(τ)を取得するステップと、 前記相関関数に対するマルチパスに起因する寄与分の推
    定を計算するステップと、 前記相関関数から前記のマルチパスに起因する推定され
    た寄与分を差し引いて前記相関関数に対する見通し線の
    推定された寄与分を得るステップと、 前記送信機と前記受信機との間を前記信号が伝播する伝
    播時間τ0を計算し、前記伝播時間τ0が前記相関関数に
    対する見通し線の前記の計算された寄与分から計算され
    るステップとを備える方法。
  3. 【請求項3】 前記推定を計算するステップがさらに、
    以下のようにパラメータai^,τ^iおよびθi^を計
    算するステップを含む請求項2記載の方法。 【数1】 但し、 【数2】 であり、R(τ)は基準相関関数であり、ai^,τi
    およびθi^はそれぞれai,τiおよびθiに対する推定
    値である。
  4. 【請求項4】 前記推定を計算するステップがさらに、
    以下のようにai^,τi^およびθi^を計算するステ
    ップを含む請求項2記載の方法。 【数3】 但し、 【数4】 であり、R(τ)は基準相関関数であり、ai^,τi
    およびθi^はそれぞれai,τiおよびθiに対する推定
    値である。
  5. 【請求項5】 基準相関関数が、信号シミュレータを用
    いて雑音およびマルチパスの存在しないところで測定さ
    れ、当該測定された基準相関関数の形状が、例えば表あ
    るいは前記形状を表わす関数の形で前記受信機のメモリ
    に記憶される請求項3記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記推定を計算するステップがさらに、 (a) RX(τ)における最大のピークに対する最適
    値としてパラメータτ0^,a0^,θ0^を計算するス
    テップと、 (b) 前記の計算されたパラメータτ0^,a0^,θ
    0^の寄与分をRX(τ)から、式 【数5】 に従って差し引き、R1(τ)を生じるステップと、 (c) R1(τ)における最大のピークに対する最適
    値としてパラメータτ1^,a1^,θ1^を計算するス
    テップと、 (d) 前記の計算されたパラメータτ1^,a1^,θ
    1^の寄与分をRX(τ)から、式 【数6】 に従って差し引き、R0(τ)の新しい近似値を生じる
    ステップと、 (e) ステップ(d)において計算された新しい近似
    値R0(τ)における最大のピークに対する最適値とし
    て新しいパラメータτ0^,a0^,θ0^を計算するス
    テップと、 (f) 適当な停止基準が満足されるまでステップ
    (b),(c),(d)および(e)を繰り返すステッ
    プと を実行することを含む請求項2記載の方法。
  7. 【請求項7】 ステップ(b),(c),(d)および
    (e)が所定回数繰り返される請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 ステップ(b),(c),(d)および
    (e)が、パラメータτ0^,a0^,θ0^およびτ
    1^,a1^,θ1^の中の少なくとも1つが所定の収れ
    ん基準に従って収れんされるまで繰り返される請求項6
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 第3の信号に対する推定された寄与分を
    計算するために、 (g) 前記の計算されたパラメータτ0^,a0^,θ
    0^およびτ1^,a1^,θ1^の寄与分をRX(τ)か
    ら、式 【数7】 に従って差し引き、R2(τ)を生じるステップと、 (h) R2(τ)における最大のピークに対する最適
    値としてパラメータτ2^,a2^,θ2^を計算するス
    テップと、(i) 【数8】 における最大のピークに対する最適値として新しいパラ
    メータτ0^,a0^,θ0^を計算するステップと、 (j) ステップ(i)で計算されたパラメータτ
    0^,a0^,θ0^を用いて、 【数9】 における最大のピークに値する最適値として新しいパラ
    メータτ1^,a1^,θ1^を計算するステップと、 (k) ステップ(i)において計算されたパラメータ
    τ0^,a0^,θ0^と、ステップ(j)において計算
    されたパラメータτ1^,a1^,θ1^とを用いて、 【数10】 における最大のピークに対する最適値として新しいパラ
    メータτ2^,a2^,θ2^を計算するステップと、 (l) 停止基準が満足されるまで、ステップ(i),
    (j)および(k)を繰り返すステップ とが実行される請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 ピークの位相θ^が、好ましくは但し
    必然的でないが前記ピークの頂部あるいはそれに近接し
    て採取された前記ピークの1つのサンプルRi(τmax
    から、 【数11】 に従って推定される請求項2記載の方法。
  11. 【請求項11】 事前に関数f(τx)を計算するステ
    ップをさらに含み、逆関数f-1が、計算され、前記受信
    機のメモリに記憶される請求項2記載の方法。
  12. 【請求項12】 関数f(τx)が以下の通り定義され
    る請求項11記載の方法。 【数12】
  13. 【請求項13】 関数fが以下の通り定義される請求項
    11記載の方法。 【数13】
  14. 【請求項14】 関数fが以下の通り定義される請求項
    11記載の方法。 【数14】 但し、Nは正規化パラメータである。
  15. 【請求項15】 関数fが以下の通り定義される請求項
    11記載の方法。 【数15】 但し、Nは正規化パラメータである。
  16. 【請求項16】 Nが、例えば、 N=│R(τ0)│あるいは 【数16】 のように数個の測定された絶対値の和に等しい請求項1
    4記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記サンプルRX(τ)が同時に得ら
    れる請求項2記載の方法。
  18. 【請求項18】 デジタル信号処理装置と、 周波数ωを有し、exp(−jωt)として表現しうる
    信号を発生する発生器であって、前記デジタル信号処理
    装置によって制御される発生器と、 第1の入力が航法信号を受信するように結合され、第2
    の入力が前記発生器の出力に結合されている第1の乗算
    器と、 複数のN個の第2の乗算器であって、各々の第1の入力
    が前記第1の乗算器の出力に結合されている複数のN個
    の第2の乗算器と、 複数のN個の積分手段であって、各々の入力が関連の第
    2の乗算器の出力に結合され、出力が前記デジタル信号
    処理装置の入力に結合されている複数のN個の積分手段
    と、 前記デジタル信号処理装置の制御出力に結合され、かつ
    局部基準信号を提供する少なくとも1つの出力を有する
    局部基準信号発生器と、 複数のN−1個の遅延手段であって、各々が入力と出力
    とを有し、各出力が関連の第2の乗算器の第2の入力に
    結合されている複数のN−1個の遅延手段とを備え、 前記複数の遅延手段の中の最初の遅延手段の入力が、前
    記局部基準信号発生器の出力と、前記複数の第2の乗算
    器の中の最初の乗算器の第2の入力とに結合されてお
    り、別の遅延手段の入力が、先の遅延手段の出力に結合
    されている、信号を処理する装置。
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