JPH0841484A - 摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動部材 - Google Patents

摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動部材

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JPH0841484A
JPH0841484A JP7142564A JP14256495A JPH0841484A JP H0841484 A JPH0841484 A JP H0841484A JP 7142564 A JP7142564 A JP 7142564A JP 14256495 A JP14256495 A JP 14256495A JP H0841484 A JPH0841484 A JP H0841484A
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隆 中丸
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澄英 柳瀬
Akihiko Okimura
明彦 沖村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乾燥条件または油中ないし油潤滑条件などの多
くの異なった使用条件下において、摩擦摩耗特性および
耐久性に優れた摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用
した摺動部材を提供する。 【構成】リン酸塩および硫酸バリウムから成る群から選
択される成分Aを1〜25重量%、珪酸マグネシウム及
びマイカから成る群から選択される成分Bを1〜15重
量%、鉛、錫、鉛錫合金およびこれらの混合物から成る
群から選択される成分Cを5〜50重量%含有し、残部
がポリテトラフルオロエチレンである摺動部材用樹脂組
成物。鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層の孔隙お
よび表面に上記の樹脂組成物を含浸被覆して成る摺動部
材、または、金属網状体の網目および表面に上記の樹脂
組成物を充填被覆して成る摺動部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦摩耗特性に優れた
摺動部材用樹脂組成物およびこれを使用した摺動部材に
関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、ポリテトラフルオロエチレン
(以下「PTFE樹脂」と略称する)は、自己潤滑性に
優れ、摩擦係数が低く、更には、耐薬品性および耐熱性
を具有することから、軸受などの摺動部材に広く使用さ
れている。
【0003】しかしながら、PTFE樹脂単独から成る
摺動部材は、耐摩耗性および耐クリープ性に劣るため、
摺動部材の使用用途に応じ、(a)黒鉛、二硫化モリブ
デン等の固体潤滑剤および/またはガラス繊維、炭素繊
維などの補強材をPTFE樹脂に添加したり、(b)鋼
裏金に裏打ちされた多孔質金属焼結層の孔隙および表面
にPTFE樹脂を含浸被覆したり、(c)金属網状体の
網目および表面にPTFE樹脂を充填被覆したりして上
記欠点を補っている。
【0004】上記(b)の態様から成る摺動部材は、所
謂複層摺動部材と称されるものであり、例えば、特公昭
31−2452号公報、特公昭39−16950号公
報、特公昭41−1868号公報などにおいて公知であ
る。これら公報には、鋼裏金に裏打ちされた多孔質金属
焼結層の孔隙および表面にPTFE樹脂または鉛もしく
は鉛化合物から成る充填材が添加されたPTFE樹脂を
含浸被覆した複層摺動部材が開示されている。
【0005】また、上記(c)の態様から成る摺動部材
は、例えば特公昭55−23740号公報などにおいて
公知である。この公報には金属織物、フルオロプラスチ
ックならびに無機繊維の強化材を含む材料から成り、自
己潤滑性を有するライニングフォイルが開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した各種の摺動部
材は、多くの異なった使用条件、例えば、乾燥条件また
は油中ないし油潤滑条件下においては、摩擦係数が低
く、満足する性能を発揮するが、摺動部材の耐久性が十
分とは言い難い。
【0007】また、摺動部材用PTFE樹脂組成物にお
いては、多くのエンジニアリングプラスチック用充填
材、特に、黒鉛や二硫化モリブデン若しくは他の金属硫
化物、金属酸化物、または、ガラス繊維や炭素繊維など
の無機繊維が使用されている。しかしながら、これらの
充填剤は、樹脂層の耐摩耗性の向上に寄与することもあ
るが、往々にしてPTFE樹脂固有の低摩擦性を阻害す
るという問題を惹起する。本発明は、上記実情に鑑みな
されたものであり、その目的は、乾燥条件または油中な
いし油潤滑条件などの多くの異なった使用条件下におい
て、摩擦摩耗特性および耐久性に優れた摺動部材用樹脂
組成物およびこれを使用した摺動部材を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、鋼裏金上に形成
された多孔質金属焼結層の孔隙および表面に樹脂組成物
を含浸被覆して成るか、または、金属網状体の網目およ
び表面に樹脂組成物を充填被覆して成る摺動部材におい
て、樹脂組成物として、PTFE樹脂にリン酸塩および
硫酸バリウムから成る群から選択される成分Aと、珪酸
マグネシウム及びマイカから成る群から選択される成分
Bと、鉛、錫、鉛錫合金およびこれらの混合物から成る
群から選択される成分Cとを特定量添加したものを使用
した摺動部材は、乾燥条件または油中ないし油潤滑条件
などの多くの異なった使用条件下において、優れた摩擦
摩耗特性および耐久性を発揮し得るとの知見を得た。本
発明は、斯かる知見に基づき完成されたものであり、各
発明の要旨は、次の通りである。
【0009】本発明の第1の要旨は、リン酸塩および硫
酸バリウムから成る群から選択される成分Aを1〜25
重量%、珪酸マグネシウム及びマイカから成る群から選
択される成分Bを1〜15重量%、鉛、錫、鉛錫合金お
よびこれらの混合物から成る群から選択される成分Cを
5〜50重量%含有し、残部がポリテトラフルオロエチ
レンであることを特徴とする摺動部材用樹脂組成物に存
する。
【0010】そして、本発明の第2の要旨は、鋼裏金上
に形成された多孔質金属焼結層とその孔隙および表面に
含浸被覆して成る樹脂組成物層、または、金属網状体の
網目および表面に充填被覆して成る樹脂組成物層からな
り、該樹脂組成物層が、リン酸塩および硫酸バリウムか
ら成る群から選択される成分Aを1〜25重量%、珪酸
マグネシウム及びマイカから成る群から選択される成分
Bを1〜15重量%、鉛、錫、鉛錫合金およびこれらの
混合物から成る群から選択される成分Cを5〜50重量
%含有し、残部がポリテトラフルオロエチレンからなる
摺動部材に存する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明の摺動部材用樹脂組成物について説明する。本発明
において、樹脂組成物の主成分をなすPTFE樹脂とし
ては、主として、ファインパウダー、例えば、三井デュ
ポンフロロケミカル社製の「テフロン6CJ(商品
名)」、ダイキン工業社製の「ポリフロンF201(商
品名)」、旭硝子社製の「フルオンCD−076(商品
名)」、「フルオンCD−123(商品名)」、「フル
オンCD−4(商品名)」が使用される。
【0012】また、上記のファインパウダーにモールデ
ィグパウダー、例えば、三井デュポンフロロケミカル社
製の「テフロン7AJ(商品名)」を樹脂組成物に対し
て20重量%以下の範囲で添加したものも使用できる。
樹脂組成物中のPTFE樹脂の量は、樹脂組成物量から
充填材の量を差引いた残りの量であり、好ましくは40
〜93重量%、更に好ましくは50〜70重量%であ
る。
【0013】A成分は、リン酸塩および硫酸バリウムか
ら成る群から選択される。リン酸塩および硫酸バリウム
それ自体は、例えば、黒鉛や二硫化モリブデンの様な潤
滑性を示す物質ではないが、PTFE樹脂に配合される
ことにより、相手材との摺動において、相手材表面(摺
動面)へのPTFE樹脂の潤滑被膜の造膜性を助長する
効果を発揮する。
【0014】本発明において、リン酸塩としては、第二
リン酸塩、ピロリン酸塩などの金属塩が挙げられる。塩
を形成する金属としてはアルカリ土類金属が好ましい。
具体的には、リン酸水素カルシウム(CaHPO4 (2
2 O))、ピロリン酸カルシウム(Ca2 2 7
が最も好ましい。リン酸塩の平均粒径は、通常20μm
以下、好ましくは1〜10μmとされる。
【0015】硫酸バリウム(BaSO4 )としては、沈
降性または簸性硫酸バリウムの何れでもよい。斯かる硫
酸バリウムは、例えば、堺化学工業(株)から市販され
ており、容易に入手することが出来る。硫酸バリウムの
平均粒径は、通常10μm以下、好ましくは1〜5μm
とされる。
【0016】A成分は、PTFE樹脂に対して少量(例
えば1重量%)配合することにより、前述した潤滑被膜
の造膜性を助長する効果が現れ始め、25重量%まで当
該効果は維持される。しかしながら、25重量%を超え
る場合は、相手材表面への潤滑被膜の造膜量が多くなり
過ぎて却って耐摩耗性を低下させることがある。従っ
て、A成分の配合量は、1〜25重量%、好ましくは5
〜20重量%、更に好ましくは10〜20重量%とされ
る。
【0017】B成分は、珪酸マグネシウム及びマイカか
ら成る群から選択される。珪酸マグネシウム及びマイカ
は、PTFE樹脂に配合されてPTFE樹脂固有の低摩
擦性を十分に発揮させると共に耐摩耗性を向上させる作
用を有する。
【0018】本発明において、珪酸マグネシウムとして
は、二酸化珪素(SiO2 )を40.0重量%以上、酸
化マグネシウム(MgO)を10.0重量%以上含有
し、且つ、MgOに対するSiO2 の重量比が2.1〜
5.0の範囲のものが好適に使用される。具体的には、
2MgO・3SiO2 ・nH2 O、2MgO・6SiO
2 ・nH2 Oなどが例示される。MgOに対するSiO
2 の重量比が2.1未満または5.0を超える珪酸マグ
ネシウムは、PTFE樹脂の摩擦特性および耐摩耗性を
悪化する。一方、マイカとしては、セリサイト(絹雲
母)、マスコバイト(白雲母)、バイオタイト(黒雲
母)等が挙げられる。
【0019】B成分の配合割合は、1〜15重量%、好
ましくは5〜12重量%、更に好ましくは8〜10重量
%である。配合割合が1重量%未満の場合はB成分の充
填材の前記の効果が十分発揮されず、また、15重量%
を超える場合はA成分の充填材の前述した効果を損なう
ことになる。
【0020】C成分は、鉛、錫、鉛錫合金およびこれら
の混合物から成る群から選択される。C成分は、特に、
耐摩耗性を向上させる効果を発揮する。そして、鉛と錫
は、乾燥条件下の使用に適し、鉛錫合金は、油中ないし
油潤滑条件下の使用に適している。鉛錫合金としては、
錫を5〜30重量%含有する鉛錫合金が好適に使用され
る。C成分の配合割合は、5〜50重量%、好ましくは
20〜40重量%、更に好ましくは25〜30重量%で
ある。配合割合が5重量%未満の場合は耐摩耗性の向上
に効果が認められず、また、50重量%を超える場合は
却って耐摩耗性を低下させることになる。
【0021】本発明においては、上述の摺動部材用樹脂
組成物にD成分として、(i)油中ないし油潤滑条件下
の使用において摩擦特性と耐摩耗性をより一層向上させ
るために二硫化モリブデン、(ii) 乾燥条件下の使用に
おいて耐摩耗性をより一層向上させるためにグラファイ
ト、または、(iii)帯電防止効果を向上させるために導
電性カーボンブラックを添加することが出来る。二硫化
モリブデンの添加量は、通常5重量%以下、好ましくは
0.1〜5重量%であり、グラファイトの添加量は、通
常4重量%以下、好ましくは0.1〜3重量%であり、
導電性カーボンブラックの添加量は、通常5重量%以
下、好ましくは0.1〜4重量%である。
【0022】また、D成分として、グラファイトと導電
性カーボンブラックの混合物を使用することも出来、こ
の場合、摺動部材用樹脂組成物中の含有量として、グラ
ファイトは通常4重量%以下、好ましくは0.1〜3重
量%、導電性カーボンブラックは、通常5重量%以下、
好ましくは0.1〜4重量%とされる。
【0023】次に、本発明の摺動部材およびその製造方
法について説明する。先ず、鋼薄板から成る鋼裏金とこ
れに裏打ちされた多孔質金属焼結層とから成る基材を使
用した摺動部材(I)及びその製造方法について説明す
る。基材をなす鋼裏金としては、一般構造用圧延鋼薄板
が使用されるが、摺動部材の用途によっては他の圧延鋼
薄板も使用することが出来る。鋼薄板は、特に、コイル
状に巻いてフープ材として提供される連続条片を使用す
ることが好ましいが、必ずしも連続条片に限られず、適
当な長さに切断した条片を使用することも出来る。これ
らの条片は、必要に応じて銅メッキ等を施して耐蝕性を
向上させたものであってもよい。
【0024】多孔質金属焼結層は、青銅、鉛青銅、リン
青銅などの摩擦摩耗特性に優れた銅合金から形成される
が、目的、用途に応じ、銅合金以外、例えば、アルミニ
ウム合金、鉄などから形成してもよい。多孔質金属焼結
層を形成する金属粉末は、球状の他、粒状などの不規則
形状のものでもよく、その粒度は、80メッシュの篩を
通過するが、350メッシュの篩を通過しない程度が好
ましい。
【0025】本発明の摺動部材(I)において、多孔質
金属焼結層は、合金粉末同志および合金粉末と鋼裏金と
が強固に結合されている。そして、多孔質金属焼結層の
厚さは、約0.10〜0.40mm、特には0.20〜
0.30mmであることが好ましく、多孔度は、約10
容量%以上、特には15〜40容量%であることが好ま
しい。
【0026】樹脂組成物は、PTFE樹脂粉末と前述の
必要な各充填材とを混合した後、得られた混合物に石油
系溶剤を加えて攪拌混合する方法により、湿潤性が付与
された樹脂組成物として得ることが出来る。PTFE樹
脂と充填材との混合は、PTFE樹脂の室温転移点(1
9℃)以下、好ましくは10〜18℃の温度で行われ、
また、得られた混合物と石油系溶剤との攪拌混合も上記
と同様の温度で行われる。斯かる温度条件の採用によ
り、PTFE樹脂の繊維状化が妨げられ、均一な混合物
を得ることが出来る。
【0027】石油系溶剤としては、ナフサ、トルエン、
キシレンの他、脂肪族系溶剤または脂肪族系溶剤とナフ
テン系溶剤との混合溶剤が使用される。石油系溶剤の使
用割合は、PTFE樹脂粉末と充填材との混合物100
重量部に対し15〜30重量部とされる。石油系溶剤の
使用割合が15重量部未満の場合は、後述する多孔質金
属焼結層への含浸被覆工程において、湿潤性が付与され
た樹脂組成物の展延性が悪く、その結果、焼結層への含
浸被覆にムラを生じ易くなる。一方、石油系溶剤の使用
割合が30重量部を超える場合は、含浸被覆作業が困難
となるばかりでなく、樹脂組成物の被覆厚さの均一性が
損なわれたり、樹脂組成物と焼結層との密着強度が悪く
なる。本発明の摺動部材(I)は、以下の(a)〜
(d)の工程を経て製造される。
【0028】(a)鋼薄板から成る裏金上に形成された
多孔質焼結層上に湿潤性が付与された樹脂組成物を散布
し、ローラで圧延して焼結層に樹脂組成物を含浸させる
と共に焼結層の表面に一様な厚さの樹脂組成物から成る
被覆層を形成する。この工程において、被覆層の厚さ
は、樹脂組成物が最終製品に必要とされる被覆厚さの2
〜2.5倍の厚さとされる。多孔質焼結層の孔隙中への
樹脂組成物の含浸は、当該工程でその大部分が進行す
る。
【0029】(b)上記(a)工程で処理された裏金を
200〜250℃の温度に加熱された乾燥炉内に数分間
保持することにより、石油系溶剤を除去し、その後、乾
燥した樹脂組成物をローラによって所定の厚さになる様
に300〜600kgf/cm2 の加圧下で加圧ローラ
処理する。
【0030】(c)上記(b)工程で処理された裏金を
加熱炉に導入して360〜380℃の温度で数分ないし
10数分間加熱して焼成を行なった後、炉から取り出
し、再度、ローラ処理によって寸法のバラツキを調整す
る。
【0031】(d)上記(c)工程で寸法調整された裏
金を冷却し(空冷ないし自然冷却)、その後、必要に応
じて裏金のうねりなどを矯正するため矯正ローラ処理を
行い、所望の摺動部材とする。
【0032】上記(a)〜(d)の工程を経て得られた
摺動部材において、多孔質金属焼結層の厚さは0.10
〜0.40mm、樹脂組成物から形成された被覆層の厚
さは0.02〜0.15mmとされる。この様にして得
られた摺動部材は、適宜の大きさに切断されて平板状態
で滑り板として使用され、また、丸曲げされて円筒状の
巻きブッシュとして使用される。
【0033】次に、金属網状体から成る基材を使用した
本発明の摺動部材(II)及びその製造方法について説明
する。基材をなす金属網状体としては、(i)直線状の
刃を有する固定下型と、波形状、台形状、三角形状等の
刃を有する可動上型との間に金属薄板を固定型に対し直
角方向にまたは固定下型の刃に対し斜方向に送入し、可
動上型を上下方向に往復させて金属薄板に切り込みを入
れると同時に切り込みを拡開して規則正しい網目列を形
成したエキスパンドメタル、(ii)縦糸および横糸とし
て金属細線を織ることにより形成される織組ワイヤメッ
シュ、(iii)金属細線を編むことによって形成される編
組ワイヤメッシュ等が使用される。
【0034】エキスパンドメタルとしては、厚さ0.3
〜2mmの金属薄板にエキスパンド加工を施し、各辺
(ストランド)の長さが0.1〜1.5mm、厚さが
0.1〜1.0mmに形成されたものが好適である。織
組ワイヤメッシュ又は編組ワイヤメッシュとしては、線
径が0.1〜0.5mmの金属細線を10〜200メッ
シュの網目に織ったり、編んだりして形成されたものが
好適である。
【0035】エキスパンドメタル、織組または編組ワイ
ヤメッシュを形成する金属材料としては、ステンレス
鋼、銅、リン青銅合金、青銅合金、鉄などの薄板または
細線が好適である。
【0036】本発明の摺動部材(II)は、以下の(a)
〜(c)の工程を経て製造され、樹脂組成物としては、
前述の摺動部材(I)の製造方法において記載したと同
様の樹脂組成物が使用される。
【0037】(a)エキスパンドメタル、織組または編
組ワイヤメッシュから成る金属網状体上に樹脂組成物を
散布し、ローラで圧延して金属網状体の網目を樹脂組成
物で充填すると共に金属網状体の表面に一様な厚さの樹
脂組成物から成る被覆層を形成する。この工程におい
て、被覆層の厚さは、樹脂組成物が最終製品に必要とさ
れる被覆厚さの2〜2.5倍とされる。
【0038】(b)上記(a)工程で処理された金属網
状体を200〜250℃の温度に加熱させた乾燥炉内に
数分間保持することにより、石油系溶剤を除去し、その
後、乾燥した樹脂組成物をローラによって所定の厚さに
なる様に300〜600kgf/cm2 の加圧下で加圧
ローラ処理する。
【0039】(c)上記(b)工程で処理された金属網
状体を加熱炉に導入して360〜380℃の温度で数分
ないし10数分間加熱して樹脂組成物の焼成を行なった
後、炉から取り出し、再度、ローラ処理によって寸法の
バラツキを調整し、所望の摺動部材とする。
【0040】上記(a)〜(c)の工程を経て得られた
摺動部材において、金属網状体の表面に形成された樹脂
組成物から成る被覆層の厚さは、通常、0.05〜1.
0mmとされる。この様にして得られた摺動部材は、適
宜の大きさに切断されて平板状態で滑り材として使用さ
れ、また、丸曲げされて円筒状の巻きブッシュとして使
用される。
【0041】本発明の摺動部材(I)は、滑り速度10
m/min、荷重120kgf/cm2 、試験時間8時
間の無潤滑スラスト試験において、摩擦係数が0.06
〜0.12、摩耗量が30μm以下であり、高荷重下で
優れた摺動特性を示す。
【0042】また、本発明の摺動部材(I)は、滑り速
度5m/min、荷重200kgf/cm2 、試験時間
8時間の油塗布往復動試験において、摩擦係数が0.0
12〜0.062、摩耗量が30μm以下であり、高荷
重下で優れた摺動特性を示す。
【0043】一方、本発明の摺動部材(II)は、滑り速
度5m/min、荷重100kgf/cm2 、試験時間
8時間の無潤滑スラスト試験において、摩擦係数が0.
06〜0.12、摩耗量が20μm以下であり、高荷重
下で優れた摺動特性を示す。
【0044】本発明のグラファイトを含有する摺動部材
(I)及び摺動部材(II)は、滑り速度10m/mi
n、荷重120kgf/cm2 、試験時間8時間の無潤
滑スラスト試験において、摩擦係数が0.06〜0.1
2、摩耗量が25μm以下であり、高荷重下で優れた摺
動特性を示す。
【0045】更に、本発明の二硫化モリブデンを含有す
る摺動部材(I)及び摺動部材(II)は、滑り速度5m
/min、荷重200kgf/cm2 、試験時間8時間
の油塗布往復動試験において、摩擦係数が0.011〜
0.030、摩耗量が25μm以下であり、高荷重下で
優れた摺動特性を示す。
【0046】また、本発明の導電性カーボンブラックを
含有する摺動部材(I)及び摺動部材(II)は、滑り速
度10m/min、荷重120kgf/cm2 、試験時
間8時間の無潤滑スラスト試験において、摩擦係数が
0.07〜0.15、摩耗量が30μm以下であり、体
積抵抗率で1×108 Ω.cm以下の導電性と高荷重下
で優れた摺動特性を示す。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
て、摺動部材(I)の摺動特性は、次の(1)及び
(2)の試験方法により、また、摺動部材(II)の摺動
特性は、(3)の試験方法により評価した。
【0048】スラスト試験(1):表1に記載の条件下
で摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数
については、試験を開始してから1時間経過以降試験終
了までの摩擦係数の変動値を示し、また、摩耗量につい
ては、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示し
た。
【0049】
【表1】滑り速度 10m/min 荷重 120kgf/cm2 試験時間 8時間 潤滑 無潤滑 相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
【0050】スラスト試験(2):表2に記載の条件で
摩擦係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数に
ついては、試験を開始してから1時間経過以降試験終了
までの摩擦係数の変動値を示し、また、摩耗量について
は、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
【0051】
【表2】滑り速度 5m/min 荷重 100kgf/cm2 試験時間 8時間 潤滑 無潤滑 相手材 機械構造用炭素鋼(S45C)
【0052】往復動摺動試験:表3に記載の条件で摩擦
係数および摩耗量を測定した。そして、摩擦係数につい
ては、試験を開始してから1時間経過以降試験終了まで
の摩擦係数の変動値を示し、また、摩耗量については、
試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
【0053】
【表3】滑り速度 5m/min 荷重 200kgf/cm2 試験時間 8時間 潤滑 試験前に摺動面に油(出光興産製ATF
ーDII)塗布 相手材 クロムメッキ被覆機械構造用炭素鋼(S
45C)
【0054】体積抵抗率:摺動部材表面に垂直な方向の
体積抵抗率を四探針法:試料表面にプローブ間隔5mm
の測定子を置いて三菱化学(株)製の抵抗率計 LOREST
A-AP, MCP-T400で測定した。
【0055】実施例1〜24及び比較例1〜3 以下の諸例において、PTFE樹脂として、「テフロン
6CJ」(三井デュポンフロロケミカル社製)、石油系
溶剤として、脂肪族溶剤とナフテン系溶剤との混合溶剤
(エクソン化学社製の商品名「エクソール」)を使用し
た。
【0056】先ず、PTFE樹脂と表4〜表9に示され
る充填材とをヘンシェルミキサー内に供給して攪拌混合
し、得られた混合物100重量部に対して石油系溶剤2
0重量部を配合し、PTFE樹脂の室温転移点以下の温
度(15℃)で混合し、樹脂組成物を得た。
【0057】得られた樹脂組成物を金属薄板から成る鋼
裏金(厚さ0.70mm)上に形成された多孔質金属焼
結層(厚さ0.25mm)上に散布し、樹脂組成物の厚
さが0.25mmとなる様にローラで圧延して焼結層の
孔隙および表面に樹脂組成物が含浸被覆された複層板を
得た。得られた複層板を200℃の温度に加熱した熱風
乾燥炉中に5分間保持して溶剤を除去した後、乾燥した
樹脂組成物層をローラによって加圧力400kgf/c
2 にて圧延し、焼結層上に被覆された樹脂組成物層の
厚さを0.10mmとした。
【0058】次に、加圧処理した複層板を加熱炉で37
0℃、10分間加熱焼成した後、再度、ローラで加圧処
理し、寸法調整およびうねり等の矯正を行なって複層摺
動部材を作成した。矯正の終了した複層板を切断し、一
辺が30mmの複層摺動部材試験片を得た。図1は、こ
の様にして得られた複層摺動部材を示す断面図であり、
図中、符号(1)は鋼裏金、(2)は鋼裏金上に裏打ち
された多孔質金属焼結層、(3)は金属焼結層の孔隙お
よび表面に充填被覆された樹脂組成物から成る被覆層で
ある。
【0059】各複層摺動部材のスラスト試験(1)の結
果を表4〜表9に示す。なお、表中の「SiO2 /Mg
O」はMgOに対するSiO2 の重量比を示し、配合割
合は重量%で示す。
【0060】
【表4】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 PTFE 80 70 65 60 60 <A成分> リン酸水素カルシウム 5 10 15 15 10 ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム − − − − − 硫酸バリウム(種類) − − − − − <B成分> 珪酸マグネシウム 5 10 10 15 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 2.2 2.2 マイカ − − − − − マイカ(種類) − − − − − <C成分> 鉛 − 10 10 10 − 錫 10 − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − 20 スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 8〜12 8〜10 7〜9 7〜10 6〜9 摩耗量(μm) 30 22 13 15 13 ────────────────────────────────────
【0061】
【表5】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 6 7 8 9 10 PTFE 55 55 50 55 50 <A成分> リン酸水素カルシウム 15 − − − − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム − 15 15 10 15 硫酸バリウム(種類) − 簸 性 簸 性 沈降性 沈降性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 10 15 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 4.5 4.5 マイカ − − − − − マイカ(種類) − − − − − <C成分> 鉛 20 20 20 25 25 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 6〜8 7〜9 7〜9 7〜9 7〜9 摩耗量(μm) 12 8 8 7 6 ────────────────────────────────────
【0062】
【表6】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 11 12 13 14 15 PTFE 45 40 40 55 55 <A成分> リン酸水素カルシウム − − − − − ピロリン酸カルシウム − − − 5 10 硫酸バリウム 20 25 15 − − 硫酸バリウム(種類) 沈降性 簸 性 簸 性 − − <B成分> 珪酸マグネシウム 10 10 15 10 5 SiO2 /MgO 2.2 2.2 4.5 2.2 2.2 マイカ − − − − − マイカ(種類) − − − − − <C成分> 鉛 25 − 30 30 30 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − 25 − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 7〜9 7〜8 7〜9 7〜10 7〜10 摩耗量(μm) 10 12 7 8 8 ────────────────────────────────────
【0063】
【表7】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 16 17 18 19 20 PTFE 50 50 45 45 45 <A成分> リン酸水素カルシウム 5 − − − − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム − 10 10 15 15 硫酸バリウム(種類) 簸 性 簸 性 簸 性 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 15 − − − − SiO2 /MgO 2.2 − − − − マイカ − 10 15 10 10 マイカ(種類) − 白雲母 白雲母 白雲母 黒雲母 <C成分> 鉛 30 − − 30 30 錫 − 30 − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − 30 − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 7〜9 7〜9 7〜9 6〜9 7〜10 摩耗量(μm) 9 15 15 12 20 ────────────────────────────────────
【0064】
【表8】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 21 22 23 24 PTFE 40 45 35 35 <A成分> リン酸水素カルシウム 5 10 10 10 ピロリン酸カルシウム − − − − 硫酸バリウム − − − − 硫酸バリウム(種類) − − − − <B成分> 珪酸マグネシウム 15 5 15 5 SiO2 /MgO 4.5 4.5 2.2 2.2 マイカ − − − − マイカ(種類) − − − − <C成分> 鉛 − 40 40 50 錫 − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) 40 − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 7〜8 6〜9 6〜8 8〜11 摩耗量(μm) 25 18 19 20 ────────────────────────────────────
【0065】
【表9】 ──────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 PTFE 80 70 70 <A成分> リン酸水素カルシウム − 10 − ピロリン酸カルシウム − − − 硫酸バリウム − − 10 硫酸バリウム(種類) − − 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム − − − SiO2 /MgO − − − マイカ − − − マイカ(種類) − − − <C成分> 鉛 20 20 20 錫 − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 12〜17 12〜15 11〜14 摩耗量(μm) 70 53 47 ────────────────────────────
【0066】上述の試験結果から、本発明の実施例の複
層摺動部材は、低い摩擦係数で試験時間を通して安定し
た性能を発揮し、摩耗量も30μm以下と極めて少な
く、優れた摺動特性を有しているものであった。一方、
比較例の複層摺動部材は摩擦係数は比較的安定している
ものの摩耗量が多く、摺動特性の劣ったものであった。
【0067】次に、上述した実施例3、6、8、10、
13、14、18及び21と比較例1及び3の複層板を
切断した後、曲げ加工を施し、半径10.0mm、長さ
20.0mm、肉厚1.05mmの半円筒状の複層摺動
部材試験片を得た。各複層摺動部材の往復動試験(2)
の結果を表10及び表11に示す。
【0068】
【表10】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 3 6 8 10 13 摩擦係数(×10-3) 16〜53 12〜62 12〜50 12〜44 13〜38 摩耗量(μm) 28 28 21 23 20 ────────────────────────────────────
【0069】
【表11】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 比較例 14 18 21 1 3 摩擦係数(×10-3) 14〜46 13〜50 14〜40 12* 13〜130 摩耗量(μm) 22 28 26 90 83 ──────────────────────────────────── (*)比較例1の試験片は、試験開始後1時間で摩擦係数が急激に上昇したため 、試験を中止した。摩耗量は、試験を中止した時点の値を示す。
【0070】上述の試験結果から、本発明の複層摺動部
材は、試験時間を通して低い摩擦係数で安定した性能を
発揮し、試験後の複層摺動部材の摩耗量も少ないもので
あった。
【0071】実施例25〜34及び比較例4〜5 以下の諸例において、PTFE樹脂として、「テフロン
6CJ」(三井デュポンフロロケミカル社製)、石油系
溶剤として、脂肪族溶剤とナフテン系溶剤との混合溶剤
(エクソン化学社製の商品名「エクソール」)を使用し
た。
【0072】先ず、PTFE樹脂と表12〜表14に示
される充填材とをヘンシェルミキサー内に供給して攪拌
混合し、得られた混合物100重量部に対して石油系溶
剤20重量部を配合し、PTFE樹脂の室温転移点以下
の温度(15℃)で混合し、樹脂組成物を得た。
【0073】板厚0.30mmのリン青銅合金板にエキ
スパンド加工を施し、各辺(ストランド)が0.60m
mの方形状の規則正しい網目を備えた厚さ0.43mm
のエキスパンドメタルを形成した。これを基材Aとし
た。横糸および縦糸に線径0.3mmのリン青銅合金細
線を使用して50メッシュの網目を有する織組ワイヤメ
ッシュを形成した。これを基材Bとした。
【0074】上記樹脂組成物をエキスパンドメタルから
成る基材および織組ワイヤメッシュから成る基材上にそ
れぞれ散布供給し、ローラで圧延して基材の網目を樹脂
組成物で充填すると共に基材の表面に樹脂組成物の被覆
層を形成した後、220℃の温度に加熱した熱風乾燥炉
中に5分間保持し、樹脂組成物中の溶剤を除去した。次
いで、網目および表面が樹脂組成物で充填被覆された基
材を加熱炉で360℃、10分間加熱焼成した後、ロー
ラで加圧処理し、寸法調整およびうねり等の矯正を行な
い、表面に0.13mmの厚さの被覆層が形成された基
材を得た。矯正の終了した基材を切断し、一辺が30m
mの摺動板試験片を得た。
【0075】図2は、エキスパンドメタルを示す平面
図、図3は、図2に示すエキスパンドメタルを基材とし
た摺動部材を示す断面図であり、図中、符号(4)はエ
キスパンドメタル、(5)は辺(ストランド)、(6)
は網目、(7)はエキスパンドメタルの網目および表面
に充填被覆された樹脂組成物から成る被覆層である。ま
た、図4は、織組ワイヤメッシュを基材とした摺動部材
を示す断面図であり、図中、符号(8)は織組ワイヤメ
ッシュ、(9)はメッシュの網目および表面に充填被覆
された樹脂組成物から成る被覆層である。
【0076】各摺動部材のスラスト試験(2)の結果を
表12〜表14に示す。なお、表中の「SiO2 /Mg
O」は、MgOに対するSiO2 の重量比を示し、配合
割合は重量%で示す。
【0077】
【表12】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 25 26 27 28 29 PTFE 65 60 55 50 50 <A成分> リン酸水素カルシウム 15 15 − − − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム − − 15 15 15 硫酸バリウム(種類) − − 簸 性 簸 性 沈降性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 15 10 15 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 4.5 4.5 4.5 マイカ − − − − − マイカ(種類) − − − − − <C成分> 鉛 10 10 20 20 25 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − 基材種類 A A A A A スラスト試験(2) 摩擦係数(×10-2) 6〜9 6〜8 5〜7 5〜7 5〜8 摩耗量(μm) 18 15 6 6 5 ────────────────────────────────────
【0078】
【表13】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 30 31 32 33 34 PTFE 40 55 40 45 35 <A成分> リン酸水素カルシウム − − − 10 10 ピロリン酸カルシウム − 10 − − − 硫酸バリウム 15 − 15 − − 硫酸バリウム(種類) 簸 性 − 簸 性 − − <B成分> 珪酸マグネシウム 15 5 − 5 15 SiO2 /MgO 4.5 4.5 − 2.2 2.2 マイカ − − 15 − − マイカ(種類) − − 白雲母 − − <C成分> 鉛 30 30 30 40 40 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − 基材種類 B B B A A スラスト試験(2) 摩擦係数(×10-2) 4〜7 5〜7 6〜9 6〜8 6〜9 摩耗量(μm) 4 5 12 14 15 ────────────────────────────────────
【0079】
【表14】 ──────────────────────────────── 実施例 比較例 35 4 5 PTFE 35 80 80 <A成分> リン酸水素カルシウム 10 − − ピロリン酸カルシウム − − − 硫酸バリウム − − 20 硫酸バリウム(種類) − − 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 5 − − SiO2 /MgO 2.2 − − マイカ − − − マイカ(種類) − − − <C成分> 鉛 50 20 − 錫 − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − 基材種類 A A A スラスト試験(2) 摩擦係数(×10-2) 8〜10 10〜15 11〜17 摩耗量(μm) 18 60 65 ────────────────────────────────
【0080】上述の試験結果から、本発明の実施例の摺
動部材は、低い摩擦係数で試験時間を通して安定した性
能を発揮し、摩耗量も20μm以下と極めて少なく、優
れた摺動特性を有しているものであった。一方、比較例
の摺動部材は、摩擦係数が高く、摩耗量も多く、摺動特
性の劣ったものであった。
【0081】実施例36〜59 表15〜20に示される充填材をPTFE樹脂と混合し
た以外は、実施例1と同様の方法で混合して樹脂組成物
を得、次いで鋼裏金上に裏打ちされた多孔質金属焼結層
の上に樹脂組成物層を形成して摺動部材を作成した。ス
ラスト試験(1)、往復動摺動試験および体積抵抗率の
測定の結果を表15〜表20に示す。なお、表中の「S
iO2 /MgO」はMgOに対するSiO2の重量比を
示し、配合割合は重量%で示す。
【0082】
【表15】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 36 37 38 39 40 PTFE 58 63 53 44 44 <A成分> リン酸水素カルシウム 10 − − − − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム − 5 10 20 20 硫酸バリウム(種類) − 簸 性 簸 性 簸 性 沈降性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 5 10 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 2.2 2.2 <C成分> 鉛 20 25 25 25 25 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − <D成分> 二硫化モリブデン 2 2 2 1 1 グラファイト − − − − − 導電性カーボンブラック − − − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 6〜8 9〜10 6〜8 7〜9 7〜9 摩耗量(μm) 9 20 6 11 10 往復動摺動試験 摩擦係数(×10-3) 11〜22 13〜23 12〜21 13〜30 − 摩耗量(μm) 12 15 12 18 − ────────────────────────────────────
【0083】
【表16】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 41 42 43 44 45 PTFE 43 54 58 52 48 <A成分> リン酸水素カルシウム − 10 5 10 − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム 20 − − − 10 硫酸バリウム(種類) 沈降性 − − − 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 10 10 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 2.2 2.2 <C成分> 鉛 25 25 25 25 30 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − <D成分> 二硫化モリブデン 2 1 2 3 2 グラファイト − − − − − 導電性カーボンブラック − − − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 6〜8 6〜 8 7〜9 7〜 8 8〜9 摩耗量(μm) 8 6 9 7 6 往復動摺動試験 摩擦係数(×10-3) − 12〜25 11〜22 − − 摩耗量(μm) − 16 16 − − ────────────────────────────────────
【0084】
【表17】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 46 47 48 49 50 PTFE 45 43 54 51 49.5 <A成分> リン酸水素カルシウム − − 10 − − ピロリン酸カルシウム − − − − − 硫酸バリウム 10 15 − 10 10 硫酸バリウム(種類) 簸 性 簸 性 − 簸 性 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 10 10 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 2.2 2.2 <C成分> 鉛 30 30 25 25 30 錫 − − − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − − − <D成分> 二硫化モリブデン 5 2 − − − グラファイト − − 1 4 0.5 導電性カーボンブラック − − − − − スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 8〜10 7〜9 7〜9 8〜10 6〜8 摩耗量(μm) 28 6 5 25 4 往復動摺動試験 摩擦係数(×10-3) − − − − 14〜46 摩耗量(μm) − − − − 24 ────────────────────────────────────
【0085】
【表18】
【0086】
【表19】 ─────────────────────────────── 実 施 例 53 54 55 PTFE 59 58 57 <A成分> リン酸水素カルシウム − − − ピロリン酸カルシウム − − − 硫酸バリウム 10 10 10 硫酸バリウム(種類) 簸 性 簸 性 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 10 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 <C成分> 鉛 20 20 20 錫 − − − 鉛錫合金(錫25重量%) − − − <D成分> 二硫化モリブデン − − − グラファイト − − − 導電性カーボンブラック 1 2 3 スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 7〜9 7〜9 7〜10 摩耗量(μm) 9 11 11 体積抵抗率Ω.cm 8.5×106 2.0×103 2.9×102 ───────────────────────────────
【0087】
【表20】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 56 57 58 59 PTFE 52 51 50 57 <A成分> リン酸水素カルシウム − − − − ピロリン酸カルシウム − − − − 硫酸バリウム 10 10 10 10 硫酸バリウム(種類) 簸 性 簸 性 簸 性 簸 性 <B成分> 珪酸マグネシウム 15 10 10 10 SiO2 /MgO 2.2 2.2 2.2 2.2 <C成分> 鉛 20 25 25 20 錫 − − − − 鉛錫合金(錫25重量% − − − − <D成分> 二硫化モリブデン − − − − グラファイト − − − 1 導電性カーボンブラッ 3 4 5 2 スラスト試験(1) 摩擦係数(×10-2) 8〜9 8〜9 9〜12 7〜9 摩耗量(μm) 10 14 22 10 体積抵抗率Ω.cm 3.5×102 1.1×102 3.2×101 1.2×103 ────────────────────────────────────
【0088】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、乾燥条件
または油中ないし油潤滑条件などの多くの異なった使用
条件下において安定した低い摩擦係数を示すと共に摩耗
量の極めて少ない優れた摺動特性を発揮する摺動部材が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の摺動部材の一例を示す断面図
である。
【図2】第2図は基材としてのエキスパンドメタルを示
す平面図である。
【図3】第3図はエキスパンドメタルを使用した本発明
の摺動部材の一例を示す断面図である。
【図4】第4図は基材として織組ワイヤメッシュを使用
した本発明の摺動部材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:鋼裏金 2:多孔質金属焼結層 3:樹脂被覆層 4:エキスパンドメタル 6:網目 7:樹脂被覆層 8:織組ワイヤメッシュ 9:樹脂被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:24 125:04 125:26 125:22) C10N 10:04 10:08 10:12 30:06 40:02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸塩および硫酸バリウムから成る群
    から選択される成分Aを1〜25重量%、珪酸マグネシ
    ウム及びマイカから成る群から選択される成分Bを1〜
    15重量%、鉛、錫、鉛錫合金およびこれらの混合物か
    ら成る群から選択される成分Cを5〜50重量%含有
    し、残部がポリテトラフルオロエチレンであることを特
    徴とする摺動部材用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 珪酸マグネシウムが、二酸化珪素を4
    0.0重量%以上、酸化マグネシウムを10.0重量%
    以上含有し、且つ、酸化マグネシウムに対する二酸化珪
    素の重量比が2.1〜5.0の範囲の珪酸マグネシウム
    である請求項1に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に二硫化モリブデンを5重量%以下、
    グラファイトを4重量%以下または導電性カーボンブッ
    ラクを5重量%以下の割合で含有する請求項1に記載の
    摺動部材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 更にグラファイトを4重量%以下および
    導電性カーボンブッラクを5重量%以下の割合で含有す
    る請求項1に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 鋼裏金上に形成された多孔質金属焼結層
    の孔隙および表面に樹脂組成物を含浸被覆して成る摺動
    部材、または、金属網状体の網目および表面に樹脂組成
    物を充填被覆して成る摺動部材であって、樹脂組成物
    が、リン酸塩および硫酸バリウムから成る群から選択さ
    れる成分Aを1〜25重量%、珪酸マグネシウム及びマ
    イカから成る群から選択される成分Bを1〜15重量
    %、鉛、錫、鉛錫合金およびこれらの混合物から成る群
    から選択される成分Cを5〜50重量%含有し、残部が
    ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする樹
    脂組成物であることを特徴とする摺動部材。
  6. 【請求項6】 珪酸マグネシウムが、二酸化珪素を4
    0.0重量%以上、酸化マグネシウムを10.0重量%
    以上含有し、且つ、酸化マグネシウムに対する二酸化珪
    素の重量比が2.1〜5.0の範囲の珪酸マグネシウム
    である請求項5に記載の摺動部材。
  7. 【請求項7】 樹脂組成物が、更に二硫化モリブデンを
    5重量%以下、グラファイトを4重量%以下または導電
    性カーボンブッラクを5重量%以下含有する請求項5に
    記載の摺動部材。
  8. 【請求項8】 樹脂組成物が、更にグラファイトを4重
    量%以下および導電性カーボンブッラクを5重量%以下
    含有する請求項5に記載の摺動部材。
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