JPH0842469A - 横型スクロール圧縮機 - Google Patents

横型スクロール圧縮機

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JPH0842469A
JPH0842469A JP17917394A JP17917394A JPH0842469A JP H0842469 A JPH0842469 A JP H0842469A JP 17917394 A JP17917394 A JP 17917394A JP 17917394 A JP17917394 A JP 17917394A JP H0842469 A JPH0842469 A JP H0842469A
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gas
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low pressure
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Jisuke Saito
治助 斎藤
Kazuya Sato
里  和哉
Michio Yasuzuka
三千雄 安塚
Masatake Tsuchiya
勝毅 土屋
Yoshinori Nobori
義典 登
Toshiyuki Ebara
俊行 江原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横置スクロール圧縮機の密閉容器1の底部の
潤滑油23が、給油機構21により十分な量を吸い上げ
られ、摺動部分に供給されるようにする。 【構成】 圧縮ガス12に混じる潤滑油23を分離する
油分離要素51を設ける(図1)。また、高圧室13を
油溜まりとして使用し、高圧室から低圧室15へ潤滑油
を供給しつつフロート式機構63により低圧室の油面を
一定に維持する(図2乃至5)。また、高圧室から摺動
部分へ差圧により潤滑油の供給を行う(図6乃至9)。
また、給油機構が設けられる部屋97へ、スクロール圧
縮要素1のガス吸い込み部分49からの低圧を導く(図
12及び13)。あるいは駆動軸3の羽111により生
じる低圧を導く(図14及び15)。あるいはガスの吸
入口17の段差部に生じるガス渦流131から低圧を導
く。低圧を導くことで、前記部屋97の油面を高く保
ち、潤滑油が供給されやすいようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は例えば空調機や冷凍機
などに使用されるスクロール圧縮機に関し、特に、スク
ロール圧縮機の密閉容器内で摺動部分に潤滑油を供給す
るための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の横型スクロール圧縮機の構造を図
16に示す。この横型スクロール圧縮機は、密閉容器1
内に駆動軸3が横置状態で支持される。この駆動軸3は
電動要素5により回転駆動される。つまり電動要素5
は、駆動軸3の回りに設けられたロータ7に対し、密閉
容器1側に設けられたステータ9との間で電磁力が働
き、ロータ7及び駆動軸3を回転駆動させる。この回転
により、スクロール圧縮要素11が働きガス12を圧縮
する。即ち、スクロール圧縮要素11は、前記密閉容器
1を高圧室13と低圧室15とに区画する。そして吸入
口17から低圧室15に吸入されたガス12を圧縮し
て、高圧室13を通して吐出口19から外部に吐出す
る。駆動軸3の図中右端には給油機構21が設けられ、
密閉容器1の底部に溜まった潤滑油23を吸い上げ、駆
動軸3の回りなどに存在する摺動部分に潤滑油23を供
給する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、横型ス
クロール圧縮機は密閉容器1内に横置状態で支持される
駆動軸3に沿って電動要素5、スクロール圧縮要素11
などが設けられ、回転駆動される。潤滑油23は、これ
ら回転駆動部分の高さまでは溜める事ができない。さも
なければ、回転駆動部分によってかき混ぜられた潤滑油
23が大量にガス12に混じってしまい、潤滑油23が
吐出されてしまうという不具合を生じるからである。更
に、摺動部分に供給された潤滑油23は、ある程度はガ
ス12中に混じってしまい、吐出口19からガス12と
共に吐出されてしまう。これらのことから潤滑油23の
量を十分に確保できず、油面を高く保てないため、給油
機構21による潤滑油23の供給が不十分となり、甚だ
しい場合には摺動部の損傷が発生する。この発明は、以
上の問題点を解決するために成されたもので、潤滑油の
十分な量を確保し、油面を高く保って、給油機構による
潤滑油の供給が十分に行える横型スクロール圧縮機を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、密閉容器内に横置状態で支持
される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回転によ
り、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロ
ール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮
して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部
の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部分に供給
される横型スクロール圧縮機において、前記電動要素を
構成するロータおよび前記スクロール圧縮要素に対し圧
縮ガス吐出側に、前記密閉容器を区切る状態で、ガスか
ら潤滑油を分離する油分離要素を設けた横型スクロール
圧縮機である。
【0005】請求項2の発明は、密閉容器内に横置状態
で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回
転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画する
スクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガス
を圧縮して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容器
の底部の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部分
に供給される横型スクロール圧縮機において、高圧室は
回転駆動部分を設けず油溜まりとして使用し、低圧室に
前記給油機構を設け、潤滑油が高圧室から低圧室へ通る
油通路をスクロール圧縮要素の下方に設け、高圧室の油
面を低圧室の油面より高く維持し且つ低圧室の油面位置
を概略一定に維持するフロート式油流量制御機構を油通
路に設けた横型スクロール圧縮機である。
【0006】請求項3の発明は、フロート式油流量制御
機構は、低圧室側の油面が所定位置より低下した際に下
降するフロートと、このフロートの下降動作により油通
路の低圧室側の出口を開く弁と、を有し、高圧室には上
部の吐出口を取り囲んで油分離要素が設けられ、油分離
要素の下方には分離された潤滑油を通すための孔を有す
る仕切り板が高圧室を水平に区切って設けられている請
求項2記載の横型スクロール圧縮機である。
【0007】請求項4の発明は、密閉容器内に横置状態
で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回
転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画する
スクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガス
を圧縮して高圧室を通して外部に吐出する横型スクロー
ル圧縮機において、高圧室は回転駆動部分を設けず油溜
まりとして使用し、潤滑油を高圧室から前記摺動部分へ
差圧により供給する第一の供給通路を設け、摺動部分か
ら落下した潤滑油を受ける低圧室の底部からスクロール
圧縮要素のガス吸い込み部分へ潤滑油を差圧により供給
する第二の供給通路を設けた横型スクロール圧縮機であ
る。
【0008】請求項5の発明は、第一の供給通路は、密
閉容器の外側に設けられ途中に供給通路を開閉する電磁
弁を有する請求項4記載の横型スクロール圧縮機であ
る。
【0009】請求項6の発明は、密閉容器内に横置状態
で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回
転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画する
スクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガス
を圧縮して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容器
の底部の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部分
に供給される横型スクロール圧縮機において、高圧室
を、ガスの流れに圧力降下を生じさせる複数の孔が形成
された仕切り板により仕切り、仕切り板のガス流下流側
の部屋に前記給油機構を設け、仕切り板の下方には摺動
部分から落下した潤滑油が戻る油戻通路を形成し、前記
複数の孔のうちいくつかの孔には仕切り板の両側の差圧
が一定以上になると開くバルブを取り付けた横型スクロ
ール圧縮機である。
【0010】請求項7の発明は、密閉容器内に横置状態
で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回
転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画する
スクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガス
を圧縮して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容器
の底部の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部分
に供給される横型スクロール圧縮機において、前記給油
機構は他の部分と仕切られた部屋に設け、この部屋に
は、摺動部分から落下した潤滑油が戻る下方の油戻通路
と、スクロール圧縮要素のガス吸い込み部分の低圧を導
く導圧路と、を開口させた横型スクロール圧縮機であ
る。
【0011】請求項8の発明は、給油機構が設けられた
部屋は、油戻通路と導圧路以外の部分は密閉されている
請求項7記載の横型スクロール圧縮機である。
【0012】請求項9の発明は、密閉容器内に横置状態
で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この回
転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画する
スクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガス
を圧縮して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容器
の底部の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部分
に供給される横型スクロール圧縮機において、前記給油
機構は他の部分と仕切られた部屋に設け、この部屋に隣
接する位置で前記駆動軸には羽を設け、駆動軸の回転に
伴って羽により生じる低圧部分から低圧を導く導圧路
と、摺動部分から落下した潤滑油が戻る下方の油戻通路
と、を前記部屋に開口した横型スクロール圧縮機であ
る。
【0013】請求項10の発明は、密閉容器内に横置状
態で支持される駆動軸を電動要素が回転駆動させ、この
回転により、前記密閉容器を高圧室と低圧室とに区画す
るスクロール圧縮要素を働かせ、低圧室に吸入されたガ
スを圧縮して高圧室を通して外部に吐出し、前記密閉容
器の底部の潤滑油が給油機構により吸い上げられ摺動部
分に供給される横型スクロール圧縮機において、前記給
油機構は他の部分と仕切られた部屋に設け、この部屋に
隣接する位置にあるガスの吸入口付近にフィルターを取
り付け、このフィルターを挟んでガス流路の断面が下流
側に向かって拡大する段差部を設け、段差部に生じるガ
ス渦流の低圧部分から低圧を導く導圧路と、摺動部分か
ら落下した潤滑油が戻る下方の油戻通路と、を前記部屋
に開口した横型スクロール圧縮機である。
【0014】請求項11の発明は、吸入口からのガス本
流に対しフィルターは直角に取り付け、目詰まりしたフ
ィルターに沿って生じるガス傍流が通るガス通路を、前
記ガス傍流に沿って設けた請求項10記載の横型スクロ
ール圧縮機である。
【0015】
【作用】請求項1の発明では、電動要素のロータやスク
ロール圧縮要素の回転駆動によりかき混ぜられガスに混
じった潤滑油は、吐出口から外部に吐出する前に油分離
要素にとらえられ分離される。
【0016】請求項2または3の発明では、ガスに混じ
った潤滑油は、密閉容器から吐出される前に高圧室で自
然に分離され、落下し高圧室に溜められる。溜められた
潤滑油は、高圧室の圧力により押されて、油通路を通り
低圧室へ戻る。低圧室に戻った潤滑油は、給油機構によ
り吸い上げられ、摺動部に供給される。この時、低圧室
の油面位置は、フロート式油流量制御機構により概略一
定に維持されるので、低圧室における油面を高く保つこ
とができる。
【0017】請求項3の発明では、前記作用に加え更
に、ガスに混じった潤滑油は、吐出口から外部に吐出さ
れてしまう前に、高圧室の油分離要素にとらえられ分離
され落下する。落下した潤滑油は、更に仕切り板の孔を
通り、油溜まりとしての高圧室に溜められる。その後、
高圧室の圧力により低圧室に戻った潤滑油の油面が低下
すると、フロート式油流量制御機構のフロートが下降
し、この下降動作により油通路の弁が開き、高圧室側の
潤滑油が低圧室へ戻され、低圧室の油面を高く保つこと
ができる。
【0018】請求項4または5の発明では、ガスに混じ
った潤滑油は、高圧室で自然に分離され落下し溜められ
る。そして、溜められた潤滑油は、高圧室から第1の供
給通路を通って摺動部分へ差圧により供給される。この
摺動部分から落下した潤滑油は、低圧室の底部に受けら
れ、第2の供給通路を通ってスクロール圧縮要素のガス
吸い込み部分へ差圧により供給される。スクロール圧縮
要素へ供給された潤滑油は、ガスに混じって、高圧室に
吐出される。
【0019】請求項5の発明では、前記作用に加え更
に、外側から必要に応じて電磁弁を開閉することで、高
圧室から摺動部分への潤滑油の供給量を任意に調整でき
る。これにより最適量の潤滑油の供給を行える。
【0020】請求項6の発明では、圧縮されたガスは仕
切り板の孔を通る際に通路抵抗により圧力降下を生じ、
よって仕切り板のガス流下流側の部屋は圧力が低くな
る。これにより、この部屋の潤滑油の油面を高く保つこ
とができる。そして、ガス流量が小さいと、前記圧力降
下は小さく仕切り板の両側の差圧が小さいので、バルブ
は閉じたままであり、よって、バルブがない場合に比べ
仕切り板の両側の差圧を大きくでき、差圧を大きくでき
る分だけ油面を高く保てる。ガス流量が大きいと、仕切
り板の両側の差圧が大きくなるのでバルブが開く。これ
により、開口している孔の数が多くなり、前記差圧を小
さくできる。換言すれば、この差圧を小さくすること
は、仕切り板の孔の通路抵抗が必要以上に大きいことに
なるのを防止することであり、大きな通路抵抗により圧
縮機としての性能に支障をきたすのを防止する。
【0021】請求項7または8の発明では、給油機構が
設けられた部屋には、スクロール圧縮要素のガス吸い込
み部分の低圧が導かれ、部屋の圧力を低くできる。これ
により、油戻通路により戻ってきた潤滑油の油面が、高
く保たれる。
【0022】請求項8の発明では、前記作用に加え更
に、給油機構が設けられた部屋が密閉されているので、
この部屋の油面をより高く保つことができる。
【0023】請求項9の発明では、駆動軸の回転に伴っ
て羽により生じる低圧部分からの低圧が、給油機構が設
けられた部屋に導かれ、この部屋の圧力を低くし、この
部屋の潤滑油の油面を高く保つ。
【0024】請求項10または11の発明では、フィル
ターの段差部に生じるガス渦流の低圧部分から低圧が、
給油機構が設けられた部屋に導かれ、この部屋の圧力を
低くし、この部屋へ油戻通路から戻る潤滑油の油面を高
く保つ。
【0025】請求項11の発明では、前記作用に加え更
に、フイルターが目詰まりするとフィルターに沿ってガ
ス傍流が生じ密閉容器内へ流入するので、すべてのガス
流が目詰まりしたフィルターを通らずに済む。同時に、
鉄粉などのような有害なごみは、比重が重いのでガス本
流に乗るためフィルターにより十分に補足される。
【0026】
【実施例】以下、まず請求項1の発明に係る実施例を図
1において説明する。密閉容器1の概略中央には、駆動
軸3が横置状態で支持される。この支持は、駆動軸3の
左右両端において、密閉容器1の内周面に固定される支
持フレーム25、及び軸支要素27により行われる。こ
の駆動軸3は電動要素5により回転駆動される。電動要
素5は、駆動軸3の回りに固定されたロータ7と、密閉
容器1の内周面側に固定されたステータ9との間で電磁
力が働いて、駆動力を発生させる。駆動軸3の一端に
は、スクロール圧縮要素11が設けられ、駆動軸3の回
転によりガスを圧縮する。
【0027】このスクロール圧縮要素11は、密閉容器
1を高圧室13と低圧室15とに区画する。また、この
スクロール圧縮要素11は、固定スクロール29と揺動
スクロール31とで構成される。そして、固定スクロー
ル29の鏡板33に突設された渦巻き状のラップ35に
対し、揺動スクロール31の鏡板37に突設された渦巻
き状のラップ39が互いに噛み合わされている。この噛
み合いにより、渦巻き状の外側から内側に向かって次第
に縮小する複数の圧縮空間41からなる圧縮室が形成さ
れる。また、オルダム継手43の働きにより、揺動スク
ロール31は固定スクロール29に対し自転しないよう
に円軌道上を公転するようになっている。 駆動軸3の
他端には、給油機構21が設けられ、吸い上げ管45を
介して底部の潤滑油23を吸い上る。吸い上げられた潤
滑油23は、駆動軸3内に形成された油供給路47を介
して各摺動部分、即ち駆動軸3と軸支要素27との間、
駆動軸3とオルダム継手43との間、更には駆動軸3と
支持フレーム25との間などに供給される。
【0028】また、密閉容器1の右端の上部には吐出口
19が設けられる。また、左端の上部には吸入口17が
設けられ、スクロール圧縮要素11の外周に存在するガ
ス吸い込み部分49へガス12を導いている。なお、こ
の実施例において圧縮されるガス12は冷媒ガスであ
る。
【0029】さて、密閉容器1の内部には、電動要素5
のロータ7と軸支要素27との間に、油分離要素51が
設けられている。この油分離要素51は、多数の小孔を
持った邪魔板もしくは繊維状の金属線で編んだ細かいネ
ット(デミスタ)などである。この油分離要素51によ
り密閉容器1の内部を区切り、圧縮されたガス12はこ
の油分離要素51を必ず通過して吐出されるようになっ
ている。なお、図1(B)中の53はガス通路であり、
55は六角孔付きボルトである。
【0030】以下、この実施例の作用について説明す
る。外部からのガス12は、吸入口17を通りスクロー
ル圧縮要素11の外周のガス吸い込み部分49へ導か
れ、圧縮される。圧縮されたガス12は、電動要素5な
どが収納されている密閉容器1の内部を通る。この時、
電動要素5のロータ7によりかき混ぜられた潤滑油23
がガス12に混じる。また、前記固定スクロール29と
揺動スクロール31との摺動部分に供給され圧縮空間4
1をシールするための潤滑油23もガス12に混じる。
しかし、このガス12に混じった潤滑油23は、前記油
分離要素51にとらえられ、分離され、密閉容器1の底
部に落下する。このようにして潤滑油23が分離された
圧縮ガス12は、吐出口19から外部に吐出される。
【0031】従って、外部へ吐出される潤滑油23の量
が減り、給油機構21付近の潤滑油23の油面を高く保
つことができる。よって、給油機構21は容易に潤滑油
23を吸い上げることができ、摺動部分に潤滑油を十分
供給できる。これにより摺動部分の損傷が発生すること
を防止でき、また固定スクロール29と揺動スクロール
31との間を十分にシールできる。
【0032】更に、ガス12に混じって潤滑油23が吐
出されないので、ガス12である冷媒ガスに混じって潤
滑油23が凝縮器や蒸発器(図示せず)に持ち込まれ、
これらの伝熱表面を汚し、伝熱効率を阻害することを少
なくできる。
【0033】また、油分離要素51を密閉容器1内に設
けることで、改めて吐出口12の下流側に別の油分離器
(図示せず)を設ける必要がなくなる。従ってこの別の
油分離器のスペース分だけ装置の小形化を図れる。
【0034】また、油分離要素51を設けることで、こ
の油分離要素51を通過するガス流に圧力降下を生じ、
給油機構21付近の圧力を低くできるので、給油機構2
1下方の潤滑油23の油面をより高く保つことができ
る。
【0035】次に、請求項2の発明に係る実施例を図2
及び図3に示す。なお、図1の実施例と同一の部分につ
いては同一の番号を付す。この図において、スクロール
圧縮要素11の左側が高圧室13であり右側が低圧室1
5であり、図1とは逆になっている。
【0036】そして、吸入口17から吸入されたガス
は、密閉容器1内を通って、スクロール圧縮要素11の
外周のガス吸い込み部分49から吸い込まれて、圧縮さ
れ、吐出ポート57から高圧室13へ吐出されるように
なっている。高圧室13は、潤滑油23を溜める油溜ま
りとして使用される。この高圧室13は、電動要素5や
スクロール圧縮要素11などの回転駆動部分が設けられ
ておらず、大量の潤滑油23を溜めても、回転駆動によ
りかき混ぜられガス12に混じってしまうということが
ない。
【0037】また、スクロール圧縮要素11及び支持フ
レーム25の下方には油通路59、61が設けられ、高
圧室13と低圧室15が連通されている。高圧室13の
圧力により、この油通路59、61を通って潤滑油23
は低圧室15へ送られる。この油通路59の高圧室13
側の出口には、フロート式油流量制御機構63が設けら
れている。このフロート式油流量制御機構63は、フロ
ート65と、このフロート65の動きに伴って前記油通
路59の出口を開閉するニードル弁67とを有する。即
ち、フロート65が設けられたアーム69はピン71回
りに回動し、アーム69に連続するフィンガー73の先
端に設けられたニードル弁67が、油通路59の出口を
開閉する。
【0038】また、高圧室13の上部には吐出口19が
設けられているが、この吐出口19を取り囲む油分離要
素75が、高圧室13内部側に設けられている。この油
分離要素75は、多数の細かい小孔を持った邪魔板、も
しくは繊維状の金属線で編んだ細かいネット(デミス
タ)などである。油分離要素75の下方には、仕切り板
77が設けられている。この仕切り板77は、潤滑油2
3を通すための孔79を有し、高圧室13を水平に区切
るようにして設けられている。
【0039】吐出ポート57の高圧室13側にはカバー
81が設けられている。このカバー81により、たとえ
吐出ポート57の上下位置よりも高いところに潤滑油2
3の油面がきても、吐出ポート57から吐出されるガス
12は、このカバー81の上方を通って高圧室13側へ
吐出される。
【0040】以下、この実施例の作用を説明する。駆動
軸3の回転により、給油機構21は吸い上げ管45を介
して、低圧室15の底部に溜まっている潤滑油23を吸
い上げ、摺動部に供給する。また、固定スクロール29
と揺動スクロール31との間にも供給する。この供給さ
れた潤滑油23はガス12に混じって、スクロール圧縮
要素11へ吸い込まれ吐出ポート57から高圧室13へ
吐出される。吐出されたガス12に混じっている潤滑油
23は、油分離要素75にとらえられ、分離されて落下
する。落下した潤滑油23は仕切り板77の孔79を通
って高圧室13の底部に受けられ溜められる。
【0041】そして、低圧室15においてガス12に混
じる潤滑油23の量が多くなると、低圧室15の潤滑油
23の油面が低下する。これに伴い、高圧室13で油分
離要素75にとらえられる潤滑油23の量は増えるの
で、高圧室13の潤滑油23の油面は上昇する。この油
面が上昇した際に、フロート65も上昇し、アーム69
及びフィンガー73がピン71周りに回転し、フィンガ
ー7の先端のニードル弁67が、油通路59を開く。こ
れにより、高圧室13の潤滑油23は油通路59、61
を通り、高圧室13と低圧室15との差圧により押さ
れ、低圧室15側へ送られる。このように差圧によって
潤滑油23が送られて来るので、低圧室15の潤滑油2
3の油面は上昇する。これにより低圧室15の油面は高
く保たれ、給油機構21は潤滑油23を十分に吸い上げ
供給できることになる。
【0042】また、高圧室13に大量の潤滑油23を溜
めても、この高圧室13には回転駆動部分が設けられて
いないので、高圧室13においては潤滑油23がかき混
ぜられることがなく、潤滑油23がガス12に混じって
しまうということも無い。請求項3の発明に係る実施例
を図4及び図5に示す。なお、図2及び図3と同一の部
分については同一の番号を付す。
【0043】この実施例では、前記図2及び図3に示し
た実施例に比べ、フロート式油流量制御機構63が低圧
室15側に設けられている。そして、フロート式油流量
制御機構63のフロート65のアーム69の下端がピン
71周りに回転可能に設けられ、このアーム69の途中
にニードル弁67が設けられて油通路59を開閉するよ
うになっている。
【0044】以下、この実施例の作用を説明する。この
実施例においては低圧室15側の油面が所定位置より低
下した際にフロート65が下降すると、このフロート6
5の下降動作により、ニードル弁67は油通路59の出
口を開く。従って、低圧室15の油面が一定に保たれ
る。即ち、低圧室15の油面が所定位置よりも高けれ
ば、油通路59は閉じられ、高圧室13には大量の潤滑
油23が溜められ油面は低圧室15側より高く保たれ
る。しかし、低圧室15の油面が低下すると、前記フロ
ート65の働きにより、ニードル弁67が油通路59を
開くので、この油通路59を通って潤滑油23が低圧室
15側に送られ、低圧室15の油面は所定位置の高さに
保たれる。このため、低圧室15の油面が高くなり過ぎ
て、ロータ7などによりかき混ぜられてしまうという不
具合をなくすと共に、給油機構21が吸い上げるのに必
要な十分な油面の高さを保つことができる。これにより
前記実施例と同等の効果を得ることができる。
【0045】請求項4に係る実施例を図6及び図7に示
す。なお、前記実施例と同一の部分については同一の番
号を付す。前記実施例と同様に高圧室13は、回転駆動
部分が設けられず、大量の潤滑油23を溜めることがで
きる油溜まりとして使用する。この高圧室13から摺動
部分へ潤滑油23を供給する第一の供給通路83を、ス
クロール圧縮要素11及び支持フレーム25の内部に設
ける。この第一の供給通路83は、駆動軸3の内部に形
成された給油路47と摺動面を介して連通する。この第
一の供給通路83にはしぼり85が設けられ、高圧室1
3と低圧室15との差圧にも拘らず、高圧室13の油面
が低圧室15の油面よりも高く保たれ、高圧室13に大
量の潤滑油が溜められ得るようにしている。また低圧室
15の底部から、スクロール圧縮要素11のガス吸い込
み部分49へ潤滑油23を供給する第二の供給通路87
が、支持フレーム25に設けられる。
【0046】以下、この実施例の作用を説明する。高圧
室13の圧力は高く、この圧力により潤滑油23は第一
の供給通路83を通って、摺動面を介して、駆動軸3の
給油路47へ送られる。給油路47から各摺動部分へ潤
滑油23が供給される。即ち、潤滑油は高圧室13と摺
動面との差圧により供給される。各摺動部分から落下し
た潤滑油23は、低圧室15の底部に受けられる。低圧
室15の圧力よりも、スクロール圧縮要素11のガス吸
い込み部分49の圧力は更に低いので、両者15、49
の差圧により潤滑油23は、低圧室15の底部から第二
の供給通路87を通ってスクロール圧縮要素11のガス
吸い込み部分49へ送られる。そして、スクロール圧縮
要素11の固定スクロール29と揺動スクロール31と
のシールを行う。その後、圧縮されたガス12と共に吐
出ポート57から高圧室13へ吐出される。高圧室13
では、ガス12に混じった潤滑油23が自然に分離し、
落下して、高圧室13内に溜められる。
【0047】このように本実施例によれば、高圧室13
と摺動部分との差圧、および低圧室15とスクロール圧
縮要素11のガス吸い込み部分49の差圧を利用して、
潤滑油23を摺動部分へ供給し潤滑させることができ
る。このため、前記実施例のような給油機構21(図
2、図4など参照)を別途設けずに、潤滑油23を循環
させられる。そして、この給油機構21が潤滑油23の
十分な供給を行うため油面を高く所定位置の高さに保た
なければならないという必要もなくなる。換言すれば、
給油機構21がなくても摺動部分へ十分な潤滑油23の
供給ができ、摺動部分の損傷の発生を防止できる。
【0048】請求項5の発明に係る実施例を図8及び図
9に示す。なお、前記図6及び図7の実施例と同一の部
分については同一の番号を付す。図8の実施例におい
て、前記実施例と異なる点は、高圧室12から潤滑油2
3を摺動部分へ供給する第一の供給通路83の一部が、
密閉容器1の外側に、キャピラリーチューブ89として
設けられるという事である。このキャピラリーチューブ
89は、一端が支持フレーム25の部分で供給通路83
の他の部分に接続され、他端が電磁弁91を介してパイ
プ93に接続されている。パイプ93は密閉容器1を貫
通して高圧室13に接続されている。
【0049】この実施例によれば、電磁弁91により第
一の供給通路83を、密閉容器1の外側から必要な任意
の時に、開閉することができる。このため、この第一の
供給通路83を通って摺動部分へ供給される潤滑油の供
給量を、最適なものに調整できる。その他、前記実施例
(図6、図7)と同等の作用効果を有する。
【0050】また、図9の実施例は、第一の供給通路8
3が支持フレーム25とスクロール圧縮要素11の下方
を連通して形成されている。その他の点は前記図8の実
施例と同様であり、作用効果もほぼ同等であるる。
【0051】次に、請求項6の発明に係る実施例を図1
0及び図11に示す。なお、前記実施例と同一の部分に
ついては同一の番号を付す。この実施例において吐出口
19は密閉容器1の右端に設けられ、吸入口は密閉容器
1の左端(図示せず)に設けられている。そして電動要
素5などは密閉容器1の高圧室13内に位置する。ま
た、駆動軸3の右端を支える軸支要素27は、仕切り板
95を兼ね、高圧室13の図中右端を仕切っている。こ
の仕切られた部屋97、即ち仕切り板95のガス流下流
側の部屋97に給油機構21が設けられている。
【0052】前記仕切り板95には、複数の孔が形成さ
れている。この複数の孔のうちいくつかの孔99には、
バルブ101が取り付けられている。バルブ101が取
り付けられていない孔(図示せず)は、この孔をガス1
2が流れることによりガス12の流れに圧力降下を生じ
させる働きを持つ。この圧力降下により、仕切り板95
の両側に生じた差圧が、例えば0.1kg/平方cm近
くなると前記バルブ101が開くように、調整されてい
る。このバルブ101は、ボルト103によって固定さ
れた板バネであり、この板バネの先端が通常は前記孔9
9をふさいでいる。なお、仕切り板95の下方には油戻
通路105が形成されている。
【0053】以下、この実施例の作用を説明する。図示
しない吸入口から吸入されたガス12は、低圧室15を
通ってスクロール圧縮要素11に吸入され、高圧室13
側へ吐出される。高圧室13内を流れるガスの流れは、
仕切り板95の孔(図示せず)を通る際に、孔の通路抵
抗により圧力降下を生じる。圧力降下により、仕切り板
95のガス流下流側の部屋97は、電動要素5が位置す
る部屋よりも、圧力が低くなる。このため、摺動部分か
ら落下した潤滑油23が、油戻通路105を通って部屋
97に戻ると、その油面は高く保たれる。これにより部
屋97に設けられている給油機構21による潤滑油23
の吸い上げが十分に行われ、摺動部分への潤滑油23の
十分な供給ができ、摺動部分の損傷の発生を防止でき
る。
【0054】さて、孔(図示せず)を通るガス流量が小
さい時は、前記バルブ101は閉じ、バルブがない場合
に比べ、十分な通路抵抗を得て、仕切り板95を挟んだ
両側の差圧を大きくでき、部屋97の油面を十分に高く
保つ。逆に、孔を通るガス流量が大きくなると、通路抵
抗が必要以上に大きくなり、仕切り板95両側の差圧が
一定以上になるので、バルブ101が開く。バルブ10
1が開くと、開口している孔の数が多くなり、通路抵抗
は小さくなるので、前記差圧は低くなる。結局、ガス流
量に影響されにくくなり、差圧は一定範囲に保たれる。
これにより、部屋の油面は適度な一定範囲の高さに保た
れる。また、このようにガス流量が大きい時にバルブ1
01が開くことで、通路抵抗を必要以上に大きくせずに
すみ、圧縮機の性能に支障をきたさないようにできる。
なお、この孔(図示せず)の大きさは、ガス流量が小さ
い場合に合わせて設定される。
【0055】次に、請求項7及び請求項8に係る実施例
を図12及び図13に示す。なお、前記実施例と同一の
部分については同一の番号を付す。密閉容器1の右側に
吸入口17が設けられ、密閉容器1の左端面に吐出口1
9が設けられ、電動要素5が位置するのは低圧室15で
ある。駆動軸3の右端を軸支する軸支要素27は仕切り
板95を兼ねている。この仕切り板95によって、他の
部分と仕切られた右端の部屋97には給油機構21が設
けられている。仕切り板95の下方には、摺動部分から
落下した潤滑油23が戻る油戻通路105が形成され、
部屋97に開口している。また駆動軸3には、潤滑油2
3を摺動部分へ供給するための給油路47のみではな
く、この給油路47に平行に導圧路107が形成されて
いる。この導圧路107は、スクロール圧縮要素11の
ガス吸い込み部分49の低圧を、部屋97へ導くもので
ある。この導圧路107は、更に、支持フレーム25の
導圧路109と連通している。後者の導圧路109は、
スクロール圧縮要素11の外周に存在するガス吸い込み
部分49に開口する。
【0056】以下、この実施例の作用を説明する。駆動
軸3の回転に伴い給油機構21は潤滑油23を吸い上
げ、駆動軸3内部の給油路47を通して、摺動部分に潤
滑油23を供給する。摺動部分から落下した潤滑油23
は、低圧室15の底部に溜まり、仕切り板95の油戻通
路105を通って、仕切り板95に仕切られた部屋97
に戻る。また、スクロール圧縮要素11のガス吸い込み
部分49の低圧は、導圧路109、107によって前記
部屋97に導かれる。従って、部屋97の圧力は低圧室
15の圧力よりも更に低くなる。よって、部屋97の潤
滑油23の油面は、低圧室15の油面よりも高く保たれ
る。従って、給油機構21は潤滑油23を十分に吸い上
げることができ、摺動部分への供給を十分に行える。よ
って、摺動部分の損傷の発生を防止できる。
【0057】請求項9、請求項10、および請求項11
に係る実施例を図14及び図15に示す。なお、前記実
施例と同一の部分については同一の番号を付す。駆動軸
3の右端に設けられる給油機構21は、他の部分と仕切
り板95により仕切られた部屋97に設けられる。この
仕切り板95は、駆動軸3の右端を軸支する軸支要素2
7が兼ねる。この部屋97に隣接する位置で、駆動軸3
には羽111が設けられる。即ち、駆動軸3に固定され
ているロータ7の右のエンドリング112の右端に設け
られている。この羽111は図14(B)に示すよう
に、時計回りに回転することで、羽111の中心から外
方向へ流れるガス12の流れを生じる。この羽111の
中心部分は低圧部分となる。この低圧部分の低圧を前記
部屋97に導くための導圧路113、115(図15)
を設ける。即ち、軸支要素27のベアリング部分117
を利用して、このベアリング部分117の一方に第一の
導圧路113を設け、前記羽111の中心部分に開口さ
せる。また、ベアリング部分117の他方に第二の導圧
路115を設け、前記部屋97側に開口させる。これら
2つの導圧路113、115が羽による低圧を導く。ま
た、この仕切り板95には下方に油戻通路105が形成
される。即ち、駆動軸3の摺動部分などから低圧室15
へ落下した潤滑油が、この油戻通路105を通って、前
記部屋97に戻るようになっている。
【0058】また、前記部屋97隣接する位置には、ガ
スの吸入口17が設けられる。この吸入口17に連続し
てサクションフィルター室119が形成されている。サ
クションフィルター室119には、吸入されるガス12
から不純物を取り除くフィルター121が取り付けられ
ている。このフィルター121のガスが流れる流路12
3断面よりも、このフィルター121の下面を支える取
り付けフランジ125の流路127断面が大きくなって
いる。即ち、フィルター121を挟んでガス流路の断面
がガス流れの下流側に向かって拡大する段差部が形成さ
れることになり、ガス流に渦が発生するようになる。ま
た、取り付けフランジ125には導圧路129が形成さ
れている。この導圧路129は、前記段差部に生じるガ
ス渦流131の低圧部分から低圧を前記部屋97に導く
ためのものである。ガス渦流131は極所に発生するた
め、導圧路129の径は例えば5mm以下にする必要が
ある。 更に、前記フィルター121は吸入口17から
下方に直進するガス本流12Aに対し、直角に取り付け
られる。そして、このフィルター121に沿って別のガ
ス通路133が設けられ、前記ガス本流12Aに直角な
ガス傍流12Bが通るようになっている。即ち,このガ
ス通路133は、前記サクションフィルター室119の
側面に形成された孔135と、この孔135に連続する
密閉容器1内周面のリブに形成された切欠部137によ
って構成される。
【0059】以下、この実施例の作用を説明する。駆動
軸3が回転すると、給油機構21が働き、同時に羽11
1は中心から外側へ向かうガス流を生じる。このガス流
により、羽111の中心部分は低圧部分となる。給油機
構21により各摺動部分に供給された潤滑油23は、こ
の摺動部分から落下し低圧室15の底部に受けられる。
受けられた潤滑油23は、仕切り板95の油戻通路10
5を通って、仕切り板95によって仕切られた部屋97
に戻る。この部屋97には導圧路113,115によっ
て、羽111の回転により生じる低圧部分から低圧が導
かれている。また、吸入口17からガス12が吸入され
ると、フィルター121の段差部でガス流路の断面が急
に拡大するので(図15中123、127参照)、渦流
131を形成する。このガス渦流131は低圧となる。
そして、別の導圧路129により、段差部に生じるガス
渦流131の低圧部分から低圧が、部屋97に導かれて
いる。従って、部屋97の圧力は、隣接する低圧室15
の圧力よりも更に低いものになる。このため、前記潤滑
油23の部屋97における油面は高く維持される。従っ
て、給油機構21は潤滑油23を十分に供給でき,摺動
部分の損傷の発生を防止できる。
【0060】また、従来は吐出ガスの圧力を利用して油
面を制御することがあったが、吐出ガスの圧力は、圧力
条件や過熱度により変化するため、油面の安定度が悪か
った。これに対し本実施例は吸入ガスによって生じるガ
ス渦流131の低圧を利用し、あるいは回転する駆動軸
3に設けられた羽111によって生じる低圧を利用する
ものであり、これらの低圧は一定しているので、従来例
のような不安定さはない。フィルター121に目詰まり
がない場合は、吸入口17から真下へ流れるガス本流1
2Aは、すべてフィルター121を通過する。この時フ
ィルター121には目詰まりがないので、ガス本流12
Aの圧力損失は小さい。次に、フィルター121に目詰
まりがすると、ガス本流12Aはフィルター121にぶ
つかり、ガス傍流12Bを生じる。このガス傍流12B
はフィルター121に沿って生じ、前記ガス本流12A
に直角である。このガス傍流12Bは、フィルター12
1に沿ってガス通路133を流れ密閉容器1の内部に流
入する。このため、目詰まりしたフィルター121をす
べてのガス流が通らずに済み、大きな圧力損失が生じる
ことを防止できる。吸入されるガス12に含まれる鉄粉
などの有害なごみは、比重が重いので、ガス本流にのっ
てフィルター121で十分に補足できる。従って、ガス
傍流12Bを生じることによる不具合は小さい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、これらの発明によ
れば、以下のような効果を有する。まず、請求項1の発
明によれば、ガスに混じった潤滑油は密閉容器から吐出
される前に、油分離要素にとらえられ分離されるので、
密閉容器から吐出されてしまう潤滑油の量を減らすこと
ができる。これにより、密閉容器内に十分な潤滑油の量
を確保し、ひいては油面を高く保つことができるので、
摺動部への潤滑油の供給を十分なものとし、摺動部分の
損傷を防止できる。
【0062】請求項2または3の発明によれば、高圧室
に溜められ高圧室の圧力により低圧室に戻ってきた潤滑
油は、その油面がフロート式油流量制御機構により概略
一定に維持されるので、油面を高く保つことができ、給
油機構による摺動部分への供給が十分なものとになり、
摺動部分の損傷を防止できる。
【0063】請求項3の発明によれば、前記効果に加え
更に、ガスに混じった潤滑油は、吐出されてしまう前に
油分離要素にとらえられ分離され高圧室内に落下するの
で、潤滑油の量を確保でき油面をより高く保つことがで
き、給油機構による摺動部分への供給が十分なものとに
なり、摺動部分の損傷を防止できる。
【0064】請求項4または5の発明によれば、高圧室
と摺動部分の差圧を利用して油溜まりとしての高圧室か
ら潤滑油を摺動部分へ供給でき、摺動部分から落下した
潤滑油を受ける低圧室とスクロール圧縮要素のガス吸い
込み部分との差圧を利用して、潤滑油をスクロール圧縮
要素に供給すると共に、再び高圧室へ循環させ溜めるこ
とができるので、従来のような給油機構に頼らず潤滑油
の供給ができる。従って給油機構が、油面の低くなった
潤滑油を吸い上げられずに摺動部分の損傷を発生してし
まうということを防止できる。
【0065】請求項5の発明によれば、前記効果に加え
更に、摺動部分へ供給される潤滑油の量を最適のものに
できる。
【0066】請求項6の発明によれば、仕切り板の孔の
働きによりガス流に対し圧力降下を生じ、仕切り板のガ
ス流下流側の部屋の圧力を低くすることで、この部屋の
潤滑油の油面を高く保つことができ、この部屋に設けら
れた給油機構による潤滑油の供給を十分なものとし、摺
動部分の損傷を防止できる。同時に、ガス流量が大きく
なった時には、前記複数の孔のいくつかに取り付けられ
たバルブが開くことで、孔による必要以上に大きな通路
抵抗をなくし、圧縮機としての性能に支障が生じるのを
防止できる。
【0067】請求項7または8の発明によれば、スクロ
ール圧縮要素のガス吸い込み部分の低圧が、給油機構の
設けらけた部屋に導かれることで、この部屋の圧力を低
くし潤滑油の油面を高く保つことができるので、給油機
構による潤滑油の供給を十分なものとでき摺動部分の損
傷を防止できる。
【0068】請求項8の発明によれば、前記効果に加え
更に、給油機構の設けられた部屋の密閉度を高められ、
よって油面をより高められる。
【0069】請求項9の発明によれば、駆動軸の羽によ
り生じる低圧が導かれることで、給油機構が設けられる
部屋の油面は高く保たれ、十分な潤滑油が供給されるの
で、摺動部分の損傷を防止できる。
【0070】請求項10または11の発明によれば、ガ
ス渦流の低圧により生じる低圧が導かれることで、給油
機構が設けられる部屋の油面は高く保たれ、十分な潤滑
油が供給されるので、摺動部分の損傷を防止できる。
【0071】請求項11の発明によれば、前記効果に加
え更に、目詰まりしたフィルターによって圧力損失が増
大するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明に係る実施例を示す図であり (A)は全体を示す縦断面図 (B)は(A)のB−B断面図である。
【図2】請求項2の発明に係る実施例を示す全体縦断面
図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】請求項3の発明に係る実施例を示す全体縦断面
図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】請求項4の発明に係る実施例を示す全体縦断面
図である。
【図7】(A)は図6の要部拡大図 (B)は(A)の別の断面を示す図である。
【図8】請求項5の発明に係る実施例を示す部分拡大図
である。
【図9】請求項5の発明に係る他の実施例を示す部分拡
大図である。
【図10】請求項6の発明に係る実施例を示す全体縦断
面図である。
【図11】(A)は図10の要部を示す拡大図である。 (B)は(A)の正面図である。
【図12】請求項7または請求項8の発明に係る実施例
を示す全体縦断面図である。
【図13】(A)は図12の要部を示す拡大図である。
【図14】請求項9、請求項10、または請求項11の
発明に係る実施例を示す図であり (A)は全体縦断面図 (B)は(A)のB−B断面図である。
【図15】図14(A)の要部拡大図である。
【図16】従来例を示す全体縦断面図である。
【符号の簡単な説明】
1 密閉容器 3 駆動軸 5 電動要素 7 ロータ 9 ステータ 11 スクロール
圧縮要素 12 ガス 13 高圧室 15 低圧室 17 吸入口 19 吐出口 21 給油機構 23 潤滑油 25 支持フレー
ム 27 軸支要素 29 固定スクロ
ール 31 揺動スクロール 33、37 鏡板 35、39 ラップ 41 圧縮空間 43 オルダム継手 45 吸い上げ管 47 油供給路 49 ガス吸い込
み部分 51 油分離要素 53 ガス通路 55 六角孔付きナット 57 吐出ポート 59、61 油通路 63 フロート式
油流量制御機構 65 フロート 67 ニードル弁 69 アーム 71 ピン 73 フィンガー 75 油分離要素 79 孔 77 仕切り板 79 孔 81 カバー 83 第一の供給通路 85 しぼり 87 第二の供給通路 89 キャピラリ
ーチューブ 91 電磁弁 93 パイプ 95 仕切り板 97 部屋 99 孔 101 バルブ 103 ボルト 105 油戻通路 107、109 導圧路 111 羽 112 エンドリング 113、115導
圧路 117 ベアリング部分 119 サクショ
ンフィルター室 121 フィルター 123、127
流路 125 取り付けフランジ 129 導圧路 131 ガス渦流 133 ガス通路 135 孔 137 切欠部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】 図12の要部を示す拡大図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/02 361 A (72)発明者 土屋 勝毅 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 登 義典 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 江原 俊行 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が給
    油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型ス
    クロール圧縮機において、 前記電動要素を構成するロータおよび前記スクロール圧
    縮要素に対し圧縮ガス吐出側に、前記密閉容器を区切る
    状態で、ガスから潤滑油を分離する油分離要素を設けた
    横型スクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が給
    油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型ス
    クロール圧縮機において、 高圧室は回転駆動部分を設けず油溜まりとして使用し、
    低圧室に前記給油機構を設け、潤滑油が高圧室から低圧
    室へ通る油通路をスクロール圧縮要素の下方に設け、高
    圧室の油面を低圧室の油面より高く維持し且つ低圧室の
    油面位置を概略一定に維持するフロート式油流量制御機
    構を油通路に設けた横型スクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】フロート式油流量制御機構は、低圧室側の
    油面が所定位置より低下した際に下降するフロートと、
    このフロートの下降動作により油通路の低圧室側の出口
    を開く弁と、を有し、高圧室には上部の吐出口を取り囲
    んで油分離要素が設けられ、油分離要素の下方には分離
    された潤滑油を通すための孔を有する仕切り板が高圧室
    を水平に区切って設けられている請求項2記載の横型ス
    クロール圧縮機。
  4. 【請求項4】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出する横型スクロール圧縮機において、 高圧室は回転駆動部分を設けず油溜まりとして使用し、
    潤滑油を高圧室から前記摺動部分へ差圧により供給する
    第一の供給通路を設け、摺動部分から落下した潤滑油を
    受ける低圧室の底部からスクロール圧縮要素のガス吸い
    込み部分へ潤滑油を差圧により供給する第二の供給通路
    を設けた横型スクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】第一の供給通路は、密閉容器の外側に設け
    られ途中に供給通路を開閉する電磁弁を有する請求項4
    記載の横型スクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が給
    油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型ス
    クロール圧縮機において、 高圧室を、ガスの流れに圧力降下を生じさせる複数の孔
    が形成された仕切り板により仕切り、仕切り板のガス流
    下流側の部屋に前記給油機構を設け、仕切り板の下方に
    は摺動部分から落下した潤滑油が戻る油戻通路を形成
    し、前記複数の孔のうちいくつかの孔には仕切り板の両
    側の差圧が一定以上になると開くバルブを取り付けた横
    型スクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が給
    油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型ス
    クロール圧縮機において、前記給油機構は他の部分と仕
    切られた部屋に設け、この部屋には、摺動部分から落下
    した潤滑油が戻る下方の油戻通路と、スクロール圧縮要
    素のガス吸い込み部分の低圧を導く導圧路と、を開口さ
    せた横型スクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】給油機構が設けられた部屋は、油戻通路と
    導圧路以外の部分は密閉されている請求項7記載の横型
    スクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】密閉容器内に横置状態で支持される駆動軸
    を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密閉
    容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要素
    を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室を
    通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が給
    油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型ス
    クロール圧縮機において、 前記給油機構は他の部分と仕切られた部屋に設け、この
    部屋に隣接する位置で前記駆動軸には羽を設け、駆動軸
    の回転に伴って羽により生じる低圧部分から低圧を導く
    導圧路と、摺動部分から落下した潤滑油が戻る下方の油
    戻通路と、を前記部屋に開口した横型スクロール圧縮
    機。
  10. 【請求項10】密閉容器内に横置状態で支持される駆動
    軸を電動要素が回転駆動させ、この回転により、前記密
    閉容器を高圧室と低圧室とに区画するスクロール圧縮要
    素を働かせ、低圧室に吸入されたガスを圧縮して高圧室
    を通して外部に吐出し、前記密閉容器の底部の潤滑油が
    給油機構により吸い上げられ摺動部分に供給される横型
    スクロール圧縮機において、 前記給油機構は他の部分と仕切られた部屋に設け、この
    部屋に隣接する位置にあるガスの吸入口付近にフィルタ
    ーを取り付け、このフィルターを挟んでガス流路の断面
    が下流側に向かって拡大する段差部を設け、段差部に生
    じるガス渦流の低圧部分から低圧を導く導圧路と、摺動
    部分から落下した潤滑油が戻る下方の油戻通路と、を前
    記部屋に開口した横型スクロール圧縮機。
  11. 【請求項11】吸入口からのガス本流に対しフィルター
    は直角に取り付け、目詰まりしたフィルターに沿って生
    じるガス傍流が通るガス通路を、前記ガス傍流に沿って
    設けた請求項10記載の横型スクロール圧縮機。
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