JPH0844701A - 構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法 - Google Patents
構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法Info
- Publication number
- JPH0844701A JPH0844701A JP18166794A JP18166794A JPH0844701A JP H0844701 A JPH0844701 A JP H0844701A JP 18166794 A JP18166794 A JP 18166794A JP 18166794 A JP18166794 A JP 18166794A JP H0844701 A JPH0844701 A JP H0844701A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electronic state
- compound
- structural defect
- molecular orbital
- predicting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を
短時間で精度よく求める。 【構成】 先ず,対象となる物質を選択し(S10
1),対象となる化合物の結晶構造を仮定する(S10
2)。次に,S102で仮定した結晶構造を反映するク
ラスターモデルを数十原子で構成し(S103),構成
したクラスターモデル以外の部分を結晶の単位格子内で
のマーデルングポテンシャルを満足する点電荷で置き換
えて仮想分子を作成する(S104)。S104で作成
した仮想分子において,配置された各点電荷が生成する
マーデルングポテンシャル内での仮想分子の電子状態を
分子軌道法を用いて計算する(S105)。
短時間で精度よく求める。 【構成】 先ず,対象となる物質を選択し(S10
1),対象となる化合物の結晶構造を仮定する(S10
2)。次に,S102で仮定した結晶構造を反映するク
ラスターモデルを数十原子で構成し(S103),構成
したクラスターモデル以外の部分を結晶の単位格子内で
のマーデルングポテンシャルを満足する点電荷で置き換
えて仮想分子を作成する(S104)。S104で作成
した仮想分子において,配置された各点電荷が生成する
マーデルングポテンシャル内での仮想分子の電子状態を
分子軌道法を用いて計算する(S105)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,複数種類の元素で構
成され,かつ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,
分子軌道法を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を
有した化合物の電子状態予測方法に関する。
成され,かつ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,
分子軌道法を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を
有した化合物の電子状態予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,複数種類の元素で構成され,か
つ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法
を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を有した化合
物の電子状態予測方法では,X線光電子分光法(XP
S)や,真空紫外光電分光法(UPS)等の光電子分光
法を用いて電子状態を計測するのが一般的である。ま
た,電子状態を計算によって求める方法として,第一原
理量子化学的計算手法により計算する方法がある。
つ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法
を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を有した化合
物の電子状態予測方法では,X線光電子分光法(XP
S)や,真空紫外光電分光法(UPS)等の光電子分光
法を用いて電子状態を計測するのが一般的である。ま
た,電子状態を計算によって求める方法として,第一原
理量子化学的計算手法により計算する方法がある。
【0003】物質(化合物)を構成している電子の電子
状態が分かると,物質の有するかなりの物性(例えば,
化学反応,電気伝導性,磁性等)が分かるため,物質の
電子状態を理解することが重要あり,特に未知物質の物
性を予測する上で有益な手法である。
状態が分かると,物質の有するかなりの物性(例えば,
化学反応,電気伝導性,磁性等)が分かるため,物質の
電子状態を理解することが重要あり,特に未知物質の物
性を予測する上で有益な手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の光電子分光法を用いて電子状態を計測する方法によ
れば,未知物質や複雑な結晶構造に関するデータ解釈に
おいて曖昧な部分が多いため,これら未知物質や複雑な
結晶構造を有する化合物の電子状態を評価することが困
難であるという問題点があった。
来の光電子分光法を用いて電子状態を計測する方法によ
れば,未知物質や複雑な結晶構造に関するデータ解釈に
おいて曖昧な部分が多いため,これら未知物質や複雑な
結晶構造を有する化合物の電子状態を評価することが困
難であるという問題点があった。
【0005】また,上記従来の第一原理量子化学的計算
手法により計算する方法によれば,計算量が膨大である
ため,単純な結晶モデルの場合には有用であるが,複雑
な結晶構造の場合には,計算に時間がかかるという問題
点や,十分な解釈ができないという問題点があった。
手法により計算する方法によれば,計算量が膨大である
ため,単純な結晶モデルの場合には有用であるが,複雑
な結晶構造の場合には,計算に時間がかかるという問題
点や,十分な解釈ができないという問題点があった。
【0006】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短
時間で精度よく求めることを目的とする。
あって,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短
時間で精度よく求めることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る構造欠陥を有した化合物の電子状
態予測方法は,複数種類の元素で構成され,かつ,構造
欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法を用いた
クラスター計算で求める構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法において,前記化合物の構造欠陥部を電荷
に置き換えて配置した仮定電荷と前記仮定電荷によって
変化する他の構成原子の電荷との両方によって形成され
る静電場を取り入れた分子軌道法を用いて電子状態を計
算するものである。
めに,請求項1に係る構造欠陥を有した化合物の電子状
態予測方法は,複数種類の元素で構成され,かつ,構造
欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法を用いた
クラスター計算で求める構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法において,前記化合物の構造欠陥部を電荷
に置き換えて配置した仮定電荷と前記仮定電荷によって
変化する他の構成原子の電荷との両方によって形成され
る静電場を取り入れた分子軌道法を用いて電子状態を計
算するものである。
【0008】また,請求項2に係る構造欠陥を有した化
合物の電子状態予測方法は,複数種類の元素で構成さ
れ,かつ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,分子
軌道法を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を有し
た化合物の電子状態予測方法において,対象となる化合
物の結晶構造を仮定する第1の工程と,前記仮定した結
晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子で構成す
る第2の工程と,前記クラスターモデル以外の部分を結
晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを満足す
る点電荷で置き換えて仮想分子を作成する第3の工程
と,前記第3の工程で作成した仮想分子において,配置
された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル内
での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算する
第4の工程とを有するものである。
合物の電子状態予測方法は,複数種類の元素で構成さ
れ,かつ,構造欠陥を有した化合物の電子状態を,分子
軌道法を用いたクラスター計算で求める構造欠陥を有し
た化合物の電子状態予測方法において,対象となる化合
物の結晶構造を仮定する第1の工程と,前記仮定した結
晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子で構成す
る第2の工程と,前記クラスターモデル以外の部分を結
晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを満足す
る点電荷で置き換えて仮想分子を作成する第3の工程
と,前記第3の工程で作成した仮想分子において,配置
された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル内
での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算する
第4の工程とを有するものである。
【0009】また,請求項3に係る構造欠陥を有した化
合物の電子状態予測方法は,前記分子軌道法が,離散変
分局所密度近似法を用いたものである。
合物の電子状態予測方法は,前記分子軌道法が,離散変
分局所密度近似法を用いたものである。
【0010】
【作用】この発明に係る構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法(請求項1)は,化合物の構造欠陥部を電
荷に置き換えて配置した仮定電荷と前記仮定電荷によっ
て変化する他の構成原子の電荷との両方によって形成さ
れる静電場を取り入れた分子軌道法を用いて電子状態を
計算することにより,化合物の電子状態が予測される。
状態予測方法(請求項1)は,化合物の構造欠陥部を電
荷に置き換えて配置した仮定電荷と前記仮定電荷によっ
て変化する他の構成原子の電荷との両方によって形成さ
れる静電場を取り入れた分子軌道法を用いて電子状態を
計算することにより,化合物の電子状態が予測される。
【0011】また,この発明の構造欠陥を有した化合物
の電子状態予測方法(請求項2)は,第1の工程で対象
となる化合物の結晶構造を仮定し,第2の工程で前記仮
定した結晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子
で構成し,第3の工程で前記クラスターモデル以外の部
分を結晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを
満足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成し,第4の
工程で前記第3の工程で作成した仮想分子において,配
置された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル
内での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算す
ることにより,化合物の電子状態が予測される。
の電子状態予測方法(請求項2)は,第1の工程で対象
となる化合物の結晶構造を仮定し,第2の工程で前記仮
定した結晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子
で構成し,第3の工程で前記クラスターモデル以外の部
分を結晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを
満足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成し,第4の
工程で前記第3の工程で作成した仮想分子において,配
置された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル
内での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算す
ることにより,化合物の電子状態が予測される。
【0012】また,この発明の構造欠陥を有した化合物
の電子状態予測方法(請求項3)は,離散変分局所密度
近似法を用いた分子軌道法で電子状態を計算することに
より,短時間で精度良く電子状態が予測される。
の電子状態予測方法(請求項3)は,離散変分局所密度
近似法を用いた分子軌道法で電子状態を計算することに
より,短時間で精度良く電子状態が予測される。
【0013】
【実施例】以下,本発明の構造欠陥を有した化合物の電
子状態予測方法について,図面を参照して詳細に説明す
る。
子状態予測方法について,図面を参照して詳細に説明す
る。
【0014】本発明の構造欠陥を有した化合物の電子状
態予測方法は,化合物の構造欠陥部を電荷に置き換えて
配置した仮定電荷と前記仮定電荷によって変化する他の
構成原子の電荷との両方によって形成される静電場を取
り入れた分子軌道法を用いて電子状態を計算することに
より,化合物の電子状態を予測するものである。
態予測方法は,化合物の構造欠陥部を電荷に置き換えて
配置した仮定電荷と前記仮定電荷によって変化する他の
構成原子の電荷との両方によって形成される静電場を取
り入れた分子軌道法を用いて電子状態を計算することに
より,化合物の電子状態を予測するものである。
【0015】図1は,本発明の構造欠陥を有した化合物
の電子状態予測方法の基本的なアルゴリズムの一例を示
すフローチャートである。先ず,対象となる物質を選択
する(S101)。ここで,対象となる物質としては,
例えば,ペロブスカイト型酸化物等のように,複数種類
の元素で構成され,かつ,構造欠陥を有した化合物を選
択することができる。
の電子状態予測方法の基本的なアルゴリズムの一例を示
すフローチャートである。先ず,対象となる物質を選択
する(S101)。ここで,対象となる物質としては,
例えば,ペロブスカイト型酸化物等のように,複数種類
の元素で構成され,かつ,構造欠陥を有した化合物を選
択することができる。
【0016】次に,対象となる化合物の結晶構造を仮定
する(S102)。
する(S102)。
【0017】続いて,S102で仮定した結晶構造を反
映するクラスターモデルを数十原子で構成する(S10
3)。
映するクラスターモデルを数十原子で構成する(S10
3)。
【0018】次に,S103で構成したクラスターモデ
ル以外の部分を結晶の単位格子内でのマーデルングポテ
ンシャルを満足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成
する(S104)。
ル以外の部分を結晶の単位格子内でのマーデルングポテ
ンシャルを満足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成
する(S104)。
【0019】その後,S104で作成した仮想分子にお
いて,配置された各点電荷が生成するマーデルングポテ
ンシャル内での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用い
て計算する(S105)。このとき分子軌道法は,離散
変分局所密度近似法(別名,DV−Xα法と言われる方
法)を用いる。これによって化合物の電子状態が予測さ
れる。
いて,配置された各点電荷が生成するマーデルングポテ
ンシャル内での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用い
て計算する(S105)。このとき分子軌道法は,離散
変分局所密度近似法(別名,DV−Xα法と言われる方
法)を用いる。これによって化合物の電子状態が予測さ
れる。
【0020】そして,得られた電子状態から電子構造を
決定し,その化合物の化学状態を評価する(S10
6)。
決定し,その化合物の化学状態を評価する(S10
6)。
【0021】上記のアルゴリズムにしたがって電子状態
を予測することにより,複雑な結晶構造を有する化合物
の電子状態を短時間で精度よく求めることが可能とな
る。
を予測することにより,複雑な結晶構造を有する化合物
の電子状態を短時間で精度よく求めることが可能とな
る。
【0022】次に,〔実施例1〕,〔実施例2〕,〔実
施例3〕に基づいて,さらに具体的に説明する。
施例3〕に基づいて,さらに具体的に説明する。
【0023】〔実施例1〕実施例1では,対象となる物
質としてペロブスカイト型酸化物の化合物を選択する。
ペロブスカイト型酸化物は,触媒,誘電体,センサー,
電極材料等に有望な材料であり,例えば,La1-x Sr
x CoO3 は触媒活性に優れている。La 1-x Srx C
oO3 は,図2に示すペロブスカイト型結晶構造ABO
3 において,A=LaまたはSr,B=Coが配置され
た構成であり,特に,xを増加させて,Laの代わりに
Srを置換させる割合を増加させるにつれて,その触媒
活性が急激に向上する。
質としてペロブスカイト型酸化物の化合物を選択する。
ペロブスカイト型酸化物は,触媒,誘電体,センサー,
電極材料等に有望な材料であり,例えば,La1-x Sr
x CoO3 は触媒活性に優れている。La 1-x Srx C
oO3 は,図2に示すペロブスカイト型結晶構造ABO
3 において,A=LaまたはSr,B=Coが配置され
た構成であり,特に,xを増加させて,Laの代わりに
Srを置換させる割合を増加させるにつれて,その触媒
活性が急激に向上する。
【0024】また,La1-x Srx CoO3 の電子状態
をXPSで測定した例では,図3に示すように,xの値
を0.0→0.2→0.4→1.0と増加させてLaを
Srに置換するに連れて酸素の電子状態が二分裂して,
強度(Intensity)のピークが2つとなる。従
来,この現象の要因はいろいろと考えられているが推測
の域をでなかった。ただ,触媒活性の観点から見ると,
Srの割合を増加させる方が酸素欠損が多くなり,酸素
欠損を介して格子中の酸素が表面に移動しやすくなり,
この酸素によって触媒作用が発現していると考えられ
る。この触媒作用発現機構が酸素の電子状態の二分裂に
関連すると推察できる。
をXPSで測定した例では,図3に示すように,xの値
を0.0→0.2→0.4→1.0と増加させてLaを
Srに置換するに連れて酸素の電子状態が二分裂して,
強度(Intensity)のピークが2つとなる。従
来,この現象の要因はいろいろと考えられているが推測
の域をでなかった。ただ,触媒活性の観点から見ると,
Srの割合を増加させる方が酸素欠損が多くなり,酸素
欠損を介して格子中の酸素が表面に移動しやすくなり,
この酸素によって触媒作用が発現していると考えられ
る。この触媒作用発現機構が酸素の電子状態の二分裂に
関連すると推察できる。
【0025】そこで,本発明の構造欠陥を有した化合物
の電子状態予測方法を用いて,酸素原子の欠損構造を計
算から考察する。ここでは,ブラウンミュラーライト型
酸素欠損を表現したSrCoO3-σモデルにおいて,S
rCoO5/2 モデル(図4参照),酸素欠損をより少な
くしたSrCoO8/3 モデル(図5参照),およびSr
CoO17/6モデル(図示せず)を例として説明する。
の電子状態予測方法を用いて,酸素原子の欠損構造を計
算から考察する。ここでは,ブラウンミュラーライト型
酸素欠損を表現したSrCoO3-σモデルにおいて,S
rCoO5/2 モデル(図4参照),酸素欠損をより少な
くしたSrCoO8/3 モデル(図5参照),およびSr
CoO17/6モデル(図示せず)を例として説明する。
【0026】上記のモデルは,酸素欠損状態を再現でき
るようにするために,各々,Sr原子5個,Co原子約
30個,O原子約70個の全部で80個前後の原子から
なるクラスターモデルとする。なお,クラスターモデル
をここまで大きくとらないと,酸素欠損状態は再現でき
ない。
るようにするために,各々,Sr原子5個,Co原子約
30個,O原子約70個の全部で80個前後の原子から
なるクラスターモデルとする。なお,クラスターモデル
をここまで大きくとらないと,酸素欠損状態は再現でき
ない。
【0027】また,酸素欠損部は,0価,酸素は−2
価,Srは+2価として,電気的中性条件を保つように
Coの価数を調整し,これらの電荷をモデル周囲に数千
点置き,結晶内の静電場ポテンシャルを計算に導入す
る。具体的には,Coの価数は,SrCoO5/2 モデル
で+3価,SrCoO8/3 モデルで+10/3価,Sr
CoO17/6モデルで+11/3価とする。
価,Srは+2価として,電気的中性条件を保つように
Coの価数を調整し,これらの電荷をモデル周囲に数千
点置き,結晶内の静電場ポテンシャルを計算に導入す
る。具体的には,Coの価数は,SrCoO5/2 モデル
で+3価,SrCoO8/3 モデルで+10/3価,Sr
CoO17/6モデルで+11/3価とする。
【0028】ここで,Coの電荷を調整することが重要
であり,これによって妥当な計算結果,すなわち,HO
MOが0eV前後になるようなエネルギー準位を得るこ
とができる。
であり,これによって妥当な計算結果,すなわち,HO
MOが0eV前後になるようなエネルギー準位を得るこ
とができる。
【0029】以上の各モデルの電子状態を分子軌道法の
一つであるDV−Xα法で計算すると,計算の結果,図
6に示すように,酸素1sエネルギー準位が基底状態で
2eV程度分裂した。すなわち,酸素欠損が入ることで
酸素の電子状態が分裂することが示唆された。なお,D
V−Xα法による具体的な計算は一般的に良く知られて
いるため,ここでは詳細な説明を省略する。
一つであるDV−Xα法で計算すると,計算の結果,図
6に示すように,酸素1sエネルギー準位が基底状態で
2eV程度分裂した。すなわち,酸素欠損が入ることで
酸素の電子状態が分裂することが示唆された。なお,D
V−Xα法による具体的な計算は一般的に良く知られて
いるため,ここでは詳細な説明を省略する。
【0030】前述したように実施例1によれば,複雑な
結晶構造を有する化合物の電子状態を短時間で精度よく
求めることができる。
結晶構造を有する化合物の電子状態を短時間で精度よく
求めることができる。
【0031】〔実施例2〕実施例2は,実施例1のSr
CoO3-σモデルに代えて,La1-x Srx Fe 0.5 M
n0.5 O3-σの電子状態を求めた例である。
CoO3-σモデルに代えて,La1-x Srx Fe 0.5 M
n0.5 O3-σの電子状態を求めた例である。
【0032】La1-x Srx Fe0.5 Mn0.5 O3 をP
dの助触媒担体として用いた自動車用触媒において実機
ガス雰囲気下での評価を行うと,図7(a),(b)に
示すように,Freshの状態(耐久前の未使用状態)
では活性があるが,850℃30時間の実機ガス中耐久
の後,活性が極端に低下した。
dの助触媒担体として用いた自動車用触媒において実機
ガス雰囲気下での評価を行うと,図7(a),(b)に
示すように,Freshの状態(耐久前の未使用状態)
では活性があるが,850℃30時間の実機ガス中耐久
の後,活性が極端に低下した。
【0033】一方,XPSを用いてFreshの状態お
よび850℃30時間耐久後の電子状態を測定すると,
図8に示すようになった。すなわち,La1-x Srx F
e0. 5 Mn0.5 O3 の触媒活性の劣化現象はXPSのデ
ータと対応しており,酸素1sエネルギー準位は耐久前
は二山に分裂していたが,耐久後は一山化した。
よび850℃30時間耐久後の電子状態を測定すると,
図8に示すようになった。すなわち,La1-x Srx F
e0. 5 Mn0.5 O3 の触媒活性の劣化現象はXPSのデ
ータと対応しており,酸素1sエネルギー準位は耐久前
は二山に分裂していたが,耐久後は一山化した。
【0034】そこで,実施例1のSrCoO3-σモデル
において,酸素欠損の入れ方は同様であるが,SrをL
aで半々に置き換え,CoをFeとMnで半々に置き換
えたLa1-x Srx Fe0.5 Mn0.5 O3-σのクラスタ
ーモデル(図9参照)の電子状態を実施例1と同様の方
法で計算し,予測した。
において,酸素欠損の入れ方は同様であるが,SrをL
aで半々に置き換え,CoをFeとMnで半々に置き換
えたLa1-x Srx Fe0.5 Mn0.5 O3-σのクラスタ
ーモデル(図9参照)の電子状態を実施例1と同様の方
法で計算し,予測した。
【0035】図10は,実施例2のLa1-x Srx Fe
0.5 Mn0.5 O3-σ(σの値は0,1/2,1/3,1
/6)の電子状態の計算結果を示す。図示の如く,酸素
1sエネルギー準位はσの値によって二山から一山に変
化している。
0.5 Mn0.5 O3-σ(σの値は0,1/2,1/3,1
/6)の電子状態の計算結果を示す。図示の如く,酸素
1sエネルギー準位はσの値によって二山から一山に変
化している。
【0036】以上のことから,耐久後に酸素1sエネル
ギー準位が一山化し,触媒活性が低下したのは,酸素欠
損が十分に働かなくなったためと考えられる。したがっ
て,これを阻止するように設計すれば良いという方針が
得られる。換言すれば,本発明の構造欠陥を有した化合
物の電子状態予測方法を用いて電子状態を予測すること
により,有効な設計指針を得ることができる。
ギー準位が一山化し,触媒活性が低下したのは,酸素欠
損が十分に働かなくなったためと考えられる。したがっ
て,これを阻止するように設計すれば良いという方針が
得られる。換言すれば,本発明の構造欠陥を有した化合
物の電子状態予測方法を用いて電子状態を予測すること
により,有効な設計指針を得ることができる。
【0037】〔実施例3〕実施例3は,実施例1のSr
CoO8/3 モデルにおいて,結晶内の静電場ポテンシャ
ルを計算に導入する場合に,イオン状態を想定して,酸
素欠損部は−2価,酸素は−2価,Srは+2価とし,
Coは+4価として設定した。計算要領は実施例1と同
様である。この場合でも,HOMOがOeV前後になる
ようにエネルギー準位を得ることができた。計算の結
果,酸素1sエネルギー準位が基底状態で1eV程度分
裂した。これは,実施例1の1/2倍であるがイオン状
態でも実験結果を再現している。
CoO8/3 モデルにおいて,結晶内の静電場ポテンシャ
ルを計算に導入する場合に,イオン状態を想定して,酸
素欠損部は−2価,酸素は−2価,Srは+2価とし,
Coは+4価として設定した。計算要領は実施例1と同
様である。この場合でも,HOMOがOeV前後になる
ようにエネルギー準位を得ることができた。計算の結
果,酸素1sエネルギー準位が基底状態で1eV程度分
裂した。これは,実施例1の1/2倍であるがイオン状
態でも実験結果を再現している。
【0038】上記実施例1〜実施例3で明らかなよう
に,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短時間
で精度よく評価でき,さらには,目的とする化学結合状
態をもった物質の探索指針を得ることができる。
に,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短時間
で精度よく評価でき,さらには,目的とする化学結合状
態をもった物質の探索指針を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の構造欠陥
を有した化合物の電子状態予測方法(請求項1)は,化
合物の構造欠陥部を電荷に置き換えて配置した仮定電荷
と前記仮定電荷によって変化する他の構成原子の電荷と
の両方によって形成される静電場を取り入れた分子軌道
法を用いて電子状態を計算するため,複雑な結晶構造を
有する化合物の電子状態を短時間で精度よく評価でき,
さらには,目的とする化学結合状態をもった物質の探索
指針を得ることができる。
を有した化合物の電子状態予測方法(請求項1)は,化
合物の構造欠陥部を電荷に置き換えて配置した仮定電荷
と前記仮定電荷によって変化する他の構成原子の電荷と
の両方によって形成される静電場を取り入れた分子軌道
法を用いて電子状態を計算するため,複雑な結晶構造を
有する化合物の電子状態を短時間で精度よく評価でき,
さらには,目的とする化学結合状態をもった物質の探索
指針を得ることができる。
【0040】また,本発明の構造欠陥を有した化合物の
電子状態予測方法(請求項2)は,第1の工程で対象と
なる化合物の結晶構造を仮定し,第2の工程で前記仮定
した結晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子で
構成し,第3の工程で前記クラスターモデル以外の部分
を結晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを満
足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成し,第4の工
程で前記第3の工程で作成した仮想分子において,配置
された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル内
での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算する
ため,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短時
間で精度よく評価でき,さらには,目的とする化学結合
状態をもった物質の探索指針を得ることができる。
電子状態予測方法(請求項2)は,第1の工程で対象と
なる化合物の結晶構造を仮定し,第2の工程で前記仮定
した結晶構造を反映するクラスターモデルを数十原子で
構成し,第3の工程で前記クラスターモデル以外の部分
を結晶の単位格子内でのマーデルングポテンシャルを満
足する点電荷で置き換えて仮想分子を作成し,第4の工
程で前記第3の工程で作成した仮想分子において,配置
された各点電荷が生成するマーデルングポテンシャル内
での仮想分子の電子状態を分子軌道法を用いて計算する
ため,複雑な結晶構造を有する化合物の電子状態を短時
間で精度よく評価でき,さらには,目的とする化学結合
状態をもった物質の探索指針を得ることができる。
【0041】また,この発明の構造欠陥を有した化合物
の電子状態予測方法(請求項3)は,離散変分局所密度
近似法を用いた分子軌道法で電子状態を計算するため,
短時間で精度良く電子状態を予測することができる。
の電子状態予測方法(請求項3)は,離散変分局所密度
近似法を用いた分子軌道法で電子状態を計算するため,
短時間で精度良く電子状態を予測することができる。
【図1】本発明の構造欠陥を有した化合物の電子状態予
測方法の基本的なアルゴリズムの一例を示すフローチャ
ートである。
測方法の基本的なアルゴリズムの一例を示すフローチャ
ートである。
【図2】実施例1で用いたABO3 型のペロブスカイト
型酸化物の結晶構造を示す説明図である。
型酸化物の結晶構造を示す説明図である。
【図3】La1-x Srx CoO3 の電子状態をXPSで
測定した例を示す説明図である。
測定した例を示す説明図である。
【図4】ブラウンミュラーライト型酸素欠損を表現した
SrCoO5/2 モデルを示す説明図である。
SrCoO5/2 モデルを示す説明図である。
【図5】酸素欠損をより少なくしたSrCoO8/3 モデ
ルを示す説明図である。
ルを示す説明図である。
【図6】実施例1の各モデルの電子状態を分子軌道法の
一つであるDV−Xα法で計算した結果(光電子分光曲
線)を示す説明図である。
一つであるDV−Xα法で計算した結果(光電子分光曲
線)を示す説明図である。
【図7】実施例2の活性評価実験を示す説明図である。
【図8】実施例2で光電子分光によって得られたスペク
トルデータである。
トルデータである。
【図9】実施例2で用いたクラスターモデルを示す説明
図である。
図である。
【図10】実施例2のモデルの電子状態を分子軌道法の
一つであるDV−Xα法で計算した結果(光電子分光曲
線)を示す説明図である。
一つであるDV−Xα法で計算した結果(光電子分光曲
線)を示す説明図である。
S101〜S106 アルゴリズムのステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 浩一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山中 貢 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 宗像 又男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 複数種類の元素で構成され,かつ,構造
欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法を用いた
クラスター計算で求める構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法において,前記化合物の構造欠陥部を電荷
に置き換えて配置した仮定電荷と前記仮定電荷によって
変化する他の構成原子の電荷との両方によって形成され
る静電場を取り入れた分子軌道法を用いて電子状態を計
算することを特徴とする構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法。 - 【請求項2】 複数種類の元素で構成され,かつ,構造
欠陥を有した化合物の電子状態を,分子軌道法を用いた
クラスター計算で求める構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法において,対象となる化合物の結晶構造を
仮定する第1の工程と,前記仮定した結晶構造を反映す
るクラスターモデルを数十原子で構成する第2の工程
と,前記クラスターモデル以外の部分を結晶の単位格子
内でのマーデルングポテンシャルを満足する点電荷で置
き換えて仮想分子を作成する第3の工程と,前記第3の
工程で作成した仮想分子において,配置された各点電荷
が生成するマーデルングポテンシャル内での仮想分子の
電子状態を分子軌道法を用いて計算する第4の工程とを
有することを特徴とする構造欠陥を有した化合物の電子
状態予測方法。 - 【請求項3】 前記分子軌道法は,離散変分局所密度近
似法を用いたものであることを特徴とする請求項1また
は2記載の構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18166794A JPH0844701A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18166794A JPH0844701A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0844701A true JPH0844701A (ja) | 1996-02-16 |
Family
ID=16104764
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18166794A Pending JPH0844701A (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0844701A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003071297A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-11 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 金属酸化物触媒の活性予測方法 |
| CN103339810A (zh) * | 2011-02-02 | 2013-10-02 | 日本特殊陶业株式会社 | 火花塞 |
| CN112927760A (zh) * | 2019-12-05 | 2021-06-08 | 有研工程技术研究院有限公司 | 一种3d打印纳米铜粉熔融状态的模拟方法 |
| CN113160905A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-07-23 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种计算缺陷团簇基态构型的方法 |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP18166794A patent/JPH0844701A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003071297A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-11 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 金属酸化物触媒の活性予測方法 |
| CN103339810A (zh) * | 2011-02-02 | 2013-10-02 | 日本特殊陶业株式会社 | 火花塞 |
| CN112927760A (zh) * | 2019-12-05 | 2021-06-08 | 有研工程技术研究院有限公司 | 一种3d打印纳米铜粉熔融状态的模拟方法 |
| CN113160905A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-07-23 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种计算缺陷团簇基态构型的方法 |
| CN113160905B (zh) * | 2021-04-19 | 2024-02-09 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种计算缺陷团簇基态构型的方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Liang et al. | Accurate X-ray spectral predictions: an advanced self-consistent-field approach inspired by many-body perturbation theory | |
| He et al. | Low-spin state of Fe in Fe-doped NiOOH electrocatalysts | |
| Magnussen et al. | Toward an atomic-scale understanding of electrochemical interface structure and dynamics | |
| Gamba et al. | The role of surface defects in the adsorption of methanol on Fe3O4 (001) | |
| Tokarz-Sobieraj et al. | Properties of oxygen sites at the MoO3 (0 1 0) surface: density functional theory cluster studies and photoemission experiments | |
| Nishihata et al. | Self-regeneration of a Pd-perovskite catalyst for automotive emissions control | |
| Hercules | Electron spectroscopy: X-ray and electron excitation | |
| Turner et al. | Surface analysis: X-ray photoelectron spectroscopy and auger electron spectroscopy | |
| Lefebvre-Devos et al. | Lithium insertion mechanism in SnS 2 | |
| Nattino et al. | Operando XANES from first-principles and its application to iridium oxide | |
| Kodera et al. | An automatic robot system for machine learning–assisted high-throughput screening of composite electrocatalysts | |
| Andreu et al. | New investigations on the surface reactivity of layered lithium oxides | |
| JPH0844701A (ja) | 構造欠陥を有した化合物の電子状態予測方法 | |
| Guevarra et al. | High throughput discovery of complex metal oxide electrocatalysts for the oxygen reduction reaction | |
| Huang et al. | Multimodal in situ X-ray mechanistic studies of a bimetallic oxide electrocatalyst in alkaline media | |
| Jiang et al. | X-ray absorption near edge structures in cobalt oxides | |
| Wong | Extended x-ray absorption fine structure: a modern structural tool in materials science | |
| CN119911123A (zh) | 纯电动车辆剩余续驶里程预测方法 | |
| Fujimaki et al. | Operando Evaluation of the Electrochemically Active Area in a Solid Oxide Fuel Cell Porous Electrode by Micro X-ray Absorption Spectroscopy | |
| Howard et al. | First-principles simulations of the porous layered calcogenides Li 2+ x SnO 3 and Li 2+ x SnS 3 | |
| Baraldi et al. | Oxygen adsorption and ordering on Ru (101¯ 0) | |
| Bozorgchenani et al. | Electrocatalytic oxygen reduction and oxygen evolution in Mg‐free and Mg–containing ionic liquid 1‐butyl‐1‐methylpyrrolidinium bis (trifluoromethanesulfonyl) imide | |
| Gaultois et al. | Coordination-Induced Shifts of Absorption and Binding Energies in the SrFe1− x Zn x O3− δ System | |
| Ghosh et al. | Choosing tight-binding models for accurate optoelectronic responses | |
| Shakouri et al. | Glovebox-integrated XES and XAS station for in situ studies in tender x-ray region |