JPH0846246A - 太陽熱発電装置 - Google Patents

太陽熱発電装置

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JPH0846246A
JPH0846246A JP6176421A JP17642194A JPH0846246A JP H0846246 A JPH0846246 A JP H0846246A JP 6176421 A JP6176421 A JP 6176421A JP 17642194 A JP17642194 A JP 17642194A JP H0846246 A JPH0846246 A JP H0846246A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱源として太陽熱を用いた熱電変換方式の発
電装置において装置の小型化・軽量化に著しく適合し且
つ発電効率の極めて高い太陽熱発電装置の提供。 【構成】 太陽光を集光する集光手段と、集光手段によ
り集光された太陽光を熱源として熱発電する発電手段と
から成り、発電手段が所定の空隙に磁場を発生する磁場
発生手段と、空隙の間に配設され磁場と公叉する方向か
らみて一側が集光手段により加熱される熱電変換部材
と、熱電変換部材の他側を冷却する冷却手段とを備え、
温度勾配と磁場の方向に互いに垂直な方向に熱電変換部
材の両端から電圧を取り出す。発電手段は、窓部を設け
た真空パイプを備え、磁場発生手段は磁極が空隙と対向
するリング形態に形成され、冷却手段として冷却パイプ
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽光を集光、集熱して
発電を行なう太陽熱発電装置に関し、より詳細には、太
陽光を熱源として熱電変化素子により熱発電を行なう太
陽熱発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、太陽熱を利用して発電を行なう太
陽熱発電装置は、エネルギー利用の効率化、更には石油
代替エネルギー源の開発の点からもその重要性、実用化
が注目されるに至っている。
【0003】従来の太陽熱発電装置として、例えば、電
気学会技術報告(II部)第187号(53頁)「太陽エ
ネルギー利用技術の進展」(電気学会、昭和60年4月
刊)には、図12に示すような発電装置が開示されてい
る。この発電装置は、太陽光を集光して水、フロン等を
加熱し、過熱蒸気により、タービンを回して発電するも
のである。
【0004】図12において、太陽光は曲面又は平面型
鏡面を有する集光装置により集光され、集熱部にて集熱
される。集熱部は、蒸発器と過熱器から成り、蒸発器で
発生した飽和蒸気は気水分離器を介して過熱器に送出さ
れ、過熱器出口からは、一例として370℃、29kg
/cm2 の温度、圧力の過熱蒸気が出力される。また、
高い方では、430℃の温度の過熱蒸気が出力される。
この過熱蒸気は潜熱型溶融塩蓄熱器を過熱した後、蓄熱
槽に蓄えられる。
【0005】蓄熱槽から取り出された飽和蒸気は潜熱型
溶融塩蓄熱器で過熱され、14気圧、346℃の過熱蒸
気となってタービンに送出され定格出力1000kWの
発電を行う。
【0006】また、動作媒体として、例えばフロン等の
低沸点媒体を用いる低沸点媒体タービンを用いて発電装
置を構成した場合、低沸点媒体を集熱器の中で直接蒸発
させることができ、集光系と集熱器の構成が簡易とな
る。そして、低沸点媒体タービンを用いた発電装置の動
作温度は、約120〜180℃程度とされる。
【0007】さらに、太陽熱をエネルギー源とする発電
装置として、ソーラー・セル(太陽電池セル)のように
光電変換方式により特別な集光装置を有しない太陽熱発
電装置がある。ソーラー・セルは、半導体に内部電界発
生原因を設け、半導体に光を当てると、光励起により発
生した電子・正孔が内部電界により分極され、内部電界
方向の半導体両端部に起電力を生じることを利用したも
のである。
【0008】ソーラー・セルの典型的な構成の一例とし
てP型Si(シリコン)を基板とした例を図11に示
す。図において、受光面には、通常くし型の電極が設け
られ、更に受光面の表面には反射防止膜処理が施されて
いる。なお、ソーラー・セルには、Si単結晶やアモル
ファスSiの他、理論変換効率が高く、高集光動作が可
能なGaAs、InP等の化合物半導体も用いられてい
る。
【0009】そして、太陽電池電源においては、複数の
ソーラー・セルがアレイ状に配置され、日照時にはソー
ラー・セル出力が負荷に供給されると共に蓄電池を充電
し、日陰時には2次電池側から電力が供給されるように
構成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図12に示した上記従
来の太陽熱発電装置は、過熱蒸気を供給してタービンを
回す発電装置であり、高出力を達成するためには必然的
に装置は大型化し、また集光装置自体も大型化の一途を
辿る。因みに、上記従来例において出力1000kWの
出力を得る場合、3m×1.5mの寸法の平面鏡が実に
2480台、長さ3.6m×開口幅3.8mの曲面鏡は
124台用いられている。
【0011】従って、上記従来の太陽熱発電装置をコン
パクト化、即ち、小型軽量化することは、低電力化に直
結し、実用上困難であり、更には装置の最適設計値から
のズレによる熱効率の劣悪化に繋り、このため、この種
の発電装置を小型化すると同時に発電効率の向上を達成
することは困難であった。これは、太陽エネルギーは、
そのエネルギー密度が低いため、効率を改善しない限
り、発電装置のコンパクト化は原理的に困難であること
に由る。因みに、太陽エネルギーのエネルギー密度は、
原子炉、火力発電所のバーナー等のエネルギー密度と比
べ約2桁程低い。
【0012】また、上記ソーラー・セルを用いた光電変
換発電装置においては、これを熱機関と見做して、その
効率をカルノー・サイクルの効率、即ち、η=(Th
1 )/Th で評価することができる。ここに、Th
高温側の温度、T1 は低温側の温度(ともに絶対温度)
をそれぞれ表わしている。上記カルノー・サイクルの効
率ηは、熱機関の効率(efficiency)に対し
て、最大率を与える。
【0013】この場合、低温側の温度T1 を室温(=3
00K、摂氏27℃)とし、高温側の温度Th を例えば
333K(摂氏60℃)とすると、効率ηは高々10%
程度となり、この値がアモルファスSiから成る太陽電
池の熱効率の最大値とされている。
【0014】従って、本発明は、前記従来の問題点を解
消し、熱源として太陽熱を用いた熱電変換方式の発電装
置において、装置の小型化に著しく適合し、且つ発電効
率の極めて高い、全く新規な太陽熱発電装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、太陽光を集光する集光手段と、該集光手
段により集光された太陽光を熱源として熱発電する発電
手段と、を有し、該発電手段が、所定の空隙に磁場を発
生する磁場発生手段と、該空隙の間に配設され、前記磁
場と交叉する方向からみて一側が前記集光手段により加
熱される熱電変換部材と、該熱電変換部材の他側を冷却
する冷却手段と、を備え、前記熱電変換部材内に生じる
温度勾配の方向と前記磁場の方向に互いに垂直な方向に
沿って前記熱電変換部材の両端から電圧を取り出すよう
にした太陽熱発電装置を提供する。
【0016】また、本発明においては、発電手段が筒状
の真空パイプを備え、磁場発生手段は、真空パイプの内
側に設けられた永久磁石を有し、互いに異なる磁極が空
隙と対向するリング形態に形成され、冷却手段は磁場発
生手段の中空部に配設された冷却パイプを具備する。本
発明においては、真空パイプにおいて、少なくとも熱電
変換部材が配設される部位に対応して窓部が設けられ、
磁場発生手段の外周面と前記真空パイプの内周面との間
には真空の間隙が設けられる。
【0017】そして、本発明においては、熱電変換部材
の断面は、熱電変換部材を形成する熱電変換素子の特性
に応じて、加熱側端を長辺とし冷却側端を短辺とする略
台形型の形状とされるている。
【0018】さらに、本発明においては、集光手段は放
物型曲線の集光面を有し、発電手段を集光手段の集光面
に並行して配設し、窓部に集光面の焦線が一致するよう
に配置されている。
【0019】また、本発明は、集光手段が、磁場と交叉
する方法からみて熱電変換部材の一側に設けられ、互い
に対向し且つ前記熱電変換部材から離間するに従い拡開
するミラーと、一側が熱電変換部材に接続された熱吸収
体と、を有し、冷却手段を熱電変換部材の他側に付設
し、熱電変換部材は磁場発生手段の磁極間の空隙の間に
配設され、温度勾配と磁場の方向の両方に垂直な方向に
電圧を取り出すようにした太陽熱発電装置を提供する。
【0020】そして、本発明における熱電変換部材は、
好ましくは、熱電変換素子と絶縁層とを交互に複数層堆
積して成る積層体として形成される。
【0021】さらに、本発明は、一側を受光面とする集
熱導体と、一端が共に該導体の他側に接続された、互い
に異種の熱電変換素子から成るΠ型熱電変換部材と、前
記Π型熱電変換部材の他端を冷却するための冷却手段
と、を備え、更に、前記Π型熱電変換部材に対し所定の
方向に磁場を印加し、太陽光により前記電極が過熱され
前記Π型熱電変換部材の他端に設けられた電極から電圧
を取り出すように構成された太陽熱発電装置を提供す
る。
【0022】
【発明の概要】本発明に係る太陽熱発電装置は、太陽熱
を熱源としネルンスト効果(Nernst Effec
t)等の熱磁気効果により熱発電を行なうもので、集光
された太陽光の熱エネルギーにより熱電変換部材の一側
端は加熱され、他側端は冷却手段により冷却されるた
め、熱電変換部材内には高温側から低温側に熱流が流
れ、この向きに温度勾配が生じ、磁場発生手段により温
度勾配の方向に直交する方向に磁場が印加されるため、
熱電変換部材内にはネルンスト効果により温度勾配の方
向と磁場の方向の両方に垂直な方向に電場が発生する。
電位(ポテンシャル)は電場を距離について積分したも
のであり、熱電変換部材において電場の方向の両端部に
起電力が発生し、両端部に電極を設けることにより、該
電極から電圧を取り出すことができる。
【0023】また、本発明においては、発電手段は、好
ましくは、集光された太陽光を透過させる窓部を設けた
筒形状の発電パイプとして構成され、発電パイプは真空
パイプから形成される。熱電変換部材は発電パイプ内部
において、窓部に対応する位置に、磁場発生手段の磁極
間の空隙の間において発電パイプの長手方向に延在して
配設され、該熱電変換部材の長手方向両端間の長さに比
例した起電力が発生する。そして、発電パイプは、その
窓部がパラボラ型の集光装置の焦線に合致するように位
置合わせされて配置される。
【0024】本発明においては、磁場発生手段の空隙の
間に配設される熱電変換部材の断面形状は、好ましく
は、該熱電変換部材を形成する熱電変換素子の電機伝導
率及び熱伝導率等の素子特性に応じて、最適に形状・寸
法が設計される。熱電変換部材の断面は一般に略台形型
の形状とされ、加熱側は幅を大とし、冷却側は幅を小と
し、例えば高温側と低温側の電流の均一化を達成し、熱
電変換部材内における温度勾配の一様化を実現してい
る。
【0025】さらに、本発明においては、発電パイプ内
部に設けられる磁場発生手段の永久磁石として、好まし
くは、磁束密度が1.5テスラ以上にも及ぶ希土類磁石
を用いた場合、磁場発生手段の小型化が達成され、発電
パイプの径寸法が大幅に縮減されると共に、装置の低コ
スト化も達成できる。特に、永久磁石を熱電変換部材か
ら所定距離離間させ、空隙と永久磁石との間にヨークか
ら成る磁気回路を設けた構成により、永久磁石の磁気特
性の温度安定性が確保される。
【0026】本発明においては、集熱手段として、熱電
変換部材の高温側端に互いに対向する翼状のミラーと、
該ミラーからの反射光を受光して集熱する熱吸収体を設
け、磁極間の空隙の長さを短く保ちながら集光量を特段
に増大している。
【0027】そして、本発明においては、ネルンスト効
果により熱電発電を行なう熱電変換部材は、半導体等か
ら成る熱電変換素子と電気的絶縁層(但し、熱伝導率は
大きい)とが交互に複数層堆積された積層構造から形成
され、複数の熱電変換素子に設けられた電極を互いに直
列形態に接続した場合、高い出力電圧を取り出せる。こ
のような積層構造によれば、単層構造(積層構造と同程
度の厚さとする)に比べ、熱電変換部材内における温度
勾配の安定性が増大する他、出力電圧が向上し、合理的
な電源システムが実現される。
【0028】また、本発明は、ゼーベック効果による熱
電発電装置の構成において、熱源として、集光された太
陽光の熱エネルギーを用いると共に、Π型熱電変換部材
に対して所定の方向に磁場を印加する構成の太陽熱発電
装置を提案する。本発明において、高温側から熱電変換
素子を伝達した熱は、冷却用のラジエターを介して放熱
され、簡易な構成により変換効率を高めると共に、小
型、軽量化を達成し、特に衛星等の電源として適してい
る。なお、Π型熱電変換部材には、例えばN型半導体、
P型半導体のように互いに異種の熱電変換素子が用いら
れる。
【0029】
【実施例】図面を参照して、本発明の実施例を以下に説
明する。
【0030】[実施例1]図1は、本発明における発電
装置の一実施例の構成を説明するための断面図である。
図2は、図1の発電装置を集光装置に装着した構成を示
す説明図である。
【0031】本実施例において発電装置は、筒状の発電
パイプ10として構成されている(図2参照)。より詳
細には、図1に示すように、発電パイプ10には、リン
グ形態の永久磁石2を囲繞して真空パイプ4が設けら
れ、永久磁石4の磁極間の空隙(ギャップ)の間には熱
電変換部材1が配設されている。なお、永久磁石2の互
いに対向する磁極端には、例えば磁束を絞り込み且つ空
隙内の磁場を均一化するため不図示の磁極片(ポールピ
ース)が付設されている。磁極片は高透磁率の軟磁性材
料から成る。
【0032】また、リング形態の永久磁石2の内周側中
空部には、熱電変換部材1の内周側端を冷却するため
に、発電パイプ10の長手方向に並行して冷却パイプ3
が配設されている。冷却パイプ3には、例えば、水等の
冷却用媒体が流れる。なお、図1には冷却パイプ3は1
本のみの構成が図示されているが、冷却パイプ3を複数
本設けてもよいことは勿論である。
【0033】熱電変換部材1の外周側端は、窓部5を介
して太陽光6が透過集光され、集光された太陽光6は熱
電変換部材1の外周側端を加熱する。このため、熱電変
換部材1の内部には、高温に加熱される外周側端から冷
却パイプ3により冷却される内周側端の向きに温度勾配
が生成される。
【0034】窓部5と永久磁石2の磁極端の間には、互
いに対向する反射板19が介設され、集光、集熱効率を
高めている。なお、発電パイプにおいて、窓部5は太陽
光を透過する透明ガラス等で形成されるが、更に集光能
力を高めるために窓部5を集光レンズで形成してもよ
い。
【0035】ところで、熱電変換部材1は永久磁石2の
空隙の間に設けられているため、熱電変換部材1におい
て受光表面の面積は永久磁石2の空隙の長さ(「ギャッ
プ長」という)に制限されることになる。
【0036】すなわち、着磁されたリング型の永久磁石
の空隙における磁場の強さHg を漏洩磁束がないものと
して求めると、ギャップ長をLg とし、永久磁石内部の
磁場(「減磁界」ともいう)を空隙の磁場Hg と逆向き
にとり、これをHm とし、リング磁石の平均径に基づく
長さをLm として、電流はないのでアンペアの法則(A
mpere' s Law)により、次式(1)が成り立
つ。
【0037】 Hg ・Lg =Hm ・Lm …(1) 従って、Hg =Hm ・Lm /Lg となり、空隙の磁場H
g はギャップ長で決まり、ギャップ長が小さい程空隙の
磁場の値は大きくなる。
【0038】磁場の強さが大きい程、ネルンスト効果に
よる熱電変換の変換効率は高くなるため、ギャップ長は
短い方が好ましい。ところで、ギャップ長を短くするこ
とは、熱電変換部材1の寸法形状の縮小化に対応し、結
果として装置の低コスト化が達成される。なお、ギャッ
プ長の縮小化に応じて、集光性の良い光学系を用いるこ
とが必要とされる。
【0039】図1に示すように、熱電変換部材1の断面
形状は、熱電変換部材1を形成する熱電変換素子の特性
に応じて、加熱側端を長辺とし、冷却側端を短辺とする
略台形の形状とされる。そして、このような断面形状に
より、熱電変換部材1は、外周側端の受光面の面積は内
周側(冷却側)端の面積よりも大とされている。
【0040】なお、真空パイプ4の内周面と永久磁石2
の外周面との間には支持棒7を介して環状の間隙が形成
されている。そして、この間隙は真空とされ、対流によ
る熱伝達を抑止し、断熱、即ち熱絶縁作用をなしてい
る。また、真空パイプ4の内壁は、断熱性を向上させる
ため、Al(アルミニウム)蒸着膜による表面処理が施
されている。
【0041】さらに、空隙を介して熱電変換部材1に対
向する磁極端面にも、Al蒸着膜等による表面処理を施
し、断熱性を高めている。即ち、Al蒸着膜は反射膜と
して作用し、熱電変換部材1において図示左右両側から
の放熱を回避し、高温側から低温側への温度勾配を一様
化すると共に、永久磁石2の加熱を回避している。
【0042】また、冷却パイプ3は、熱電変換部材1の
一側端を冷却する作用を有するが、永久磁石2の磁気特
性の熱安定性を確保すべく、例えば永久磁石2の内周側
中空部に更に1または複数本の冷却パイプを別途配設
し、永久磁石2を冷却してもよい。
【0043】図2に示すように、本実施例において、集
光装置は、好ましくは、パラボラ型(即ち、放物曲線
型)の反射鏡11として構成され、発電パイプ10の窓
部5(図2では図示されない)にその焦線が一致するよ
うに配置される。なお、反射鏡11は太陽を自動追尾す
るように、傾斜角等が自動制御され、太陽光の集光量を
高める構成とされている。
【0044】次に、本実施例における熱電発電の動作原
理を説明する。
【0045】前記の通り、図1において、熱電変換部材
1の内部には、外周側端から内周側端の向きに熱流が流
れ、この向きに温度勾配を生じ、且つ、永久磁石2の空
隙には、温度勾配と直交する図示横方向に磁場が印加さ
れ、このためネルンスト効果により磁場方向と温度勾配
の両者に垂直な向きに次式(2)で表わされる電場Eが
生じる(図9参照)。
【0046】 E=N・H×gradT …(2) ここに、Nはネルンスト係数を、Hは磁場を、grad
Tは温度Tの勾配(gradient)をそれぞれ表わ
している。
【0047】また上式(2)において、電場E、磁場
H、温度勾配gradTはいずれも向きと大きさを有す
るベクトルであり、演算子×はベクトル積を、又演算子
・はスカラー積をそれぞれ表わしている。ネルンスト係
数Nは物質固有の物理量であり正負いずれかの符号をと
る。
【0048】図1において、電場Eの方向は、熱電変換
部材1において、磁場の方向(図示横方向)と、磁場と
直交する温度勾配の方向(図示下向き)の両方に垂直な
方向、即ち紙面に垂直な方向とされる。熱電変換部材1
はこの電場の方向に延在されて配設されており、熱電変
換部材1の長手方向の両端部に起電力が生じ、該両端部
に設けられた電極(不図示)から所定の電圧が取り出せ
ることになる。
【0049】次に、熱電変換部材1について説明する。
【0050】ネルンスト効果を用いた熱電変換部材1
は、金属又は半導体から形成されるが、性能指数を大き
くするには金属よりも半導体の方が好ましい。
【0051】ネルンスト効果による熱電変換素子材料の
性能指数Zは、次式(3)で与えられる。
【0052】 Z=(1/κ)σ・N2 ・H2 …(3) ここに、κは熱電変換素子材料の熱伝導率、σは電気伝
導率、Nはネルンスト係数、Hは磁場の強さをそれぞれ
表わしている。なお、N・Hは熱電変換素子材料の熱電
能に対応する。
【0053】従って、熱電変換部材1を構成する素子材
料としては、動作温度領域において、ネルンスト係数N
の値が大きく、且つ電気伝導率σが高く、熱伝導率κの
小さなものが好ましい。また、熱電変換部材1に用いら
れる素子材料の融点は、太陽熱による過熱に十分に耐え
るものでなければならない。
【0054】そして、キャリア移動度として電子の方が
正孔よりも大きいのでN型不純物半導体がP型不純物半
導体よりも好ましい。ネルンスト効果による熱電変換素
子材料としては、動作温度領域において性能指数Zの理
論値が極めて高いものとして、例えばInSb、HgS
e、HgTe、Cd3 As2 等の半導体材料がある。
【0055】熱電変換部材1の受光表面は、反射率を低
減し、集光効率を高めるためブラックセル等の反射防止
膜処理が施されている。
【0056】前記の通り、熱電変換部材1の断面は、好
ましくは、加熱側端を長辺とし、冷却側端を短辺とする
略台形型の形状とされる。図1において、半導体素子等
から形成される熱電変換部材1内には、図において紙面
に垂直な方向に電場が生成され、この方向の両端に設け
られた電極(不図示)を介して負荷を接続すると、該電
場の向きに沿って電流が流れる。
【0057】ところで、半導体素子等において、電流は
低温側で流れ易く、高温側で流れ難い。即ち、高温側で
は電気抵抗率が上昇し、また熱伝導率は低下する。この
ため、熱電変換部材1の高温側の幅を大とし、低温側の
幅を小として、熱電変換部材1の内部において、高温側
と低温側、即ち図示縦方向の電流値を均一化し、温度勾
配の一様化を図っている。
【0058】熱電変換部材1の断面の形状・寸法は、詳
細設計において、高温側と低温側の所与の温度につい
て、熱電変換部材1を形成する熱電変換素子の、例え
ば、電気伝導率、及び熱伝導率等の温度特性等に対応し
て変換効率を最大とする最適値が適宜定められることに
なる。但し、このように最適設計した場合にも、熱電変
換部材1の断面の形状は概ね台形型の形状とされる。
【0059】次に、本実施例における永久磁石について
説明する。
【0060】上式(3)から、永久磁石2の磁場Hの強
さが大きい程、従って磁束密度が大きい程、性能指数Z
が向上する。ネルンスト効果を用いた熱発電において
は、磁場Hの強さとして少なくとも1テスラ(=1×1
4 ガウス)程度が望まれる。好ましい永久磁石とし
て、例えば、ネオジム、鉄、及びホウ素(ボロン)の所
定の組成から成る希土類磁石Nd2 Fe14B等が用いら
れる。Nd−Fe−B系希土類磁石は焼結体磁石として
形成され、1.5テスラ以上、更には2テスラ前後もの
磁束密度を達成している。なお、上記希土類磁石は、例
えば商標「NEOMAX」のもと販売されている。
【0061】永久磁石として最大エネルギー積(BH)
MAX が特段に大きなNd−Fe−B系希土類磁石を用い
た場合、磁場発生手段は、リング磁石の代わりに、図4
に示すように、空隙に対し互いに逆の磁極を対向させて
永久磁石2を配設し、該永久磁石2には高透磁率の軟磁
性材料、例えば軟鉄等から成るヨーク8を接続し、これ
により磁気帰還路が形成される磁気回路として構成され
る。
【0062】永久磁石2の磁極端には、軟鉄あるいはソ
フトフェライト等から成る磁極片9が付設され、磁束の
絞り込みや空隙内の磁場を均一化を行なう。なお、図4
は、真空パイプ4内に設けられる磁場発生手段の構成を
説明するための図であり、図1に示した真空パイプ4、
窓部5、支持棒7等は省略されている。また、図4のヨ
ーク8の形態がリング形態と磁気回路上等価であること
は云うまでもない。
【0063】磁場発生手段の更に別の構成として、図5
に示すように、永久磁石2を、熱電変換部材1に対して
冷却パイプ3を介して離間した位置に配設し、永久磁石
2のS極、N極からそれぞれヨーク8を延在させ、熱電
変換部材1が配設される空隙に対向するヨーク端部には
磁極片9が設けられている。この場合、永久磁石2は熱
電変換部材1から離間して配置されているため、永久磁
石2の磁気特性の熱安定性の点で好ましい。希土類磁石
Nd2 Fe14B自体のキュリー温度は略600K程度で
あるが、Co(コバルト)を所定重量%添加することに
より、キュリー温度は800乃至略900Kとなる。ま
た、ヨーク8を冷却してもよいことは勿論である。
【0064】図5において、永久磁石2から発せられた
磁束は高透磁率のヨーク8内をほぼ漏洩なく導かれ一方
の磁極片9に達し、空隙内に設けられた熱電変換部材1
を介して、他方の磁極片9に入り、ヨーク8内を磁気帰
還路として永久磁石2の他の磁極に到達する。なお、図
5には、図4と同様に、磁場発生手段の構成のみが示さ
れている。図4、5の磁極片9の熱電変換部材1と対向
する端面はAl被覆等による反射膜処理が施され、断熱
性を高めている。
【0065】永久磁石2の材料の選定自体は、本発明の
主題に直接係わるものではないが、上記希土類磁石は、
耐食性等の向上のためにCo(コバルト)等の添加物を
所定重量%含んでもよい。
【0066】なお、本実施例では、発電パイプ10は円
筒状に形成されているが、断面は円形状にのみ限定され
ず、他の形状、例えば矩形等であってもよい。
【0067】また、図3に示すように、本実施例におい
て、熱電変換部材1の冷却側端を延在させて真空パイプ
4に接合した構成としてもよい。加熱側は断熱して温度
を上げることが必要とされるが、冷却側は真空パイプを
介して空間に放熱することにより放熱効率が高められ
る。
【0068】[実施例2]次に図6を参照して、本発明
の別の実施例を説明する。図6に示すように、本実施例
において、集光手段は、熱電変換部材1の一側に設けら
れ、互いに鏡面が対向し熱電変換部材1から遠くなるに
従い拡開するように設けられた翼状にミラー(鏡)13
と、一側が前記熱電変換部材1に接続された熱吸収体1
4と、を有する。また、冷却手段として放熱用ラジエタ
ー12が熱電変換部材1の他側に付設されている。
【0069】本実施例において、熱吸収体14は熱伝導
率の高い材料から形成され、ミラー13により反射され
た太陽光6を吸収し、熱電変換部材1に熱を伝達する集
熱器として作用する。熱吸収体14の受光面には、例え
ばブラックセル等の反射防止膜処理が施され、反射率を
小さく抑えている。
【0070】また、熱吸収体14のうち開放端表面(図
示上端)等のように、ミラー13からの反射光を受光し
ない部位は断熱部材(不図示)により被覆され、吸収し
た熱が開放端表面等から外部に放熱されないように構成
され、集熱効率を高めている。このため、熱吸収体14
で集熱された太陽熱は、専ら熱電変換部材1の一側を加
熱する。
【0071】永久磁石2の互いに異なる磁極の間の空隙
には、熱電変換部材1が設けられている。本実施例にお
ける発電は、前記実施例と同様、熱電変換部材1内にお
いて、図示横方向の磁場と、図示下向きの温度勾配によ
り、ネルンスト効果により磁場の方向と温度勾配の方向
の両方に垂直な方向、即ち紙面に垂直な方向に電場が発
生し、この方向に熱電変換部材1は延在されており、両
端部に起電力が生じ、両端部に設けられた電極(不図
示)から電圧が取り出せる。永久磁石としては、好まし
くは1テスラ以上の磁場を発生する前記Nd−Fe−B
系希土類磁石等が用いられる。
【0072】本実施例において、冷却手段は放熱用ラジ
エター12から構成されているが、これは図6に示す太
陽熱発電装置が、主に衛星及び宇宙基地等の宇宙空間で
用いられる熱発熱装置であることによる。熱吸収体14
で集熱された熱は、熱電変換部材1の高温側から低温側
に伝達し、放熱用ラジエター12で宇宙空間等の外部に
放熱される。
【0073】地上発電等においては、図6において、冷
却手段として放熱用ラジエター12の代わりに、図1の
冷却パイプ3を用いた構成が適用可能であることは勿論
である。
【0074】図6において、磁気回路の帰還路は、図
4、5等で説明済みであり、省略する。即ち、図6にお
いて、熱電変換部材1が配設された空隙側と一側で対向
する永久磁石2の他側にそれぞれ一端を接続したヨーク
(不図示)を設け、磁気帰還路を形成してもよい。この
場合、ヨークは、例えば図6の永久磁石2の端部から紙
面手前(又は裏面)側に突き出す形態とされる。なお、
不図示のヨークは高透磁率の軟磁性材料、例えば軟鉄等
から成る。特に、衛星等に用いる場合、装置の軽量化が
要請され、高透磁率の軽量材料として、ソフトフェライ
ト等が用いられる。
【0075】あるいは、図6において、永久磁石2をリ
ング磁石として構成してもよいことは勿論である。この
場合、リング磁石は、例えば図6の紙面手前(又は裏
面)側に突き出す形態とされる。
【0076】前記実施例1で説明したように、空隙の磁
場の強さは空隙の長さ(ギャップ長)が短い程大きくな
り、熱電変換部材1において受光面積は永久磁石2の空
隙の長さに制限されるが、本実施例では、翼状に拡開さ
れたミラー13と熱吸収体14の構成により、ギャップ
長を短く保ちながら、集熱効率を高めている。
【0077】なお、本実施例のミラー13は、翼状の互
いに対向する一対の平面型ミラーの構成にのみ限定され
ず、図6において左右のみならず、更に熱電変換部材1
の長手方向(即ち図示紙面に垂直方向)の端部に別の対
のミラーを設けてもよく、あるいは、ミラーを、例えば
底部に開口を設け熱吸収体14が該開口を挿通するよう
にした椀状の曲面ミラーとしてもよい。
【0078】[実施例3]次に図7を参照して、本発明
の更に別の実施例を説明する。図7に示すように、本実
施例は、前記実施例2において説明した太陽熱発電装置
を複数個並設したものである。図7において、両端部に
設けられた永久磁石のそれぞれにヨーク(不図示)を接
続し、磁気帰還路が形成される。本実施例においては、
複数個の発電装置から取り出される出力をそれぞれ互い
に直列又は並列形態に接続することによって所望の電圧
を得ることができる。
【0079】[実施例4]次に図8を参照して、ネルン
スト効果による熱発電を行なう本発明の熱電変換部材の
好ましい構成の一例を説明する。
【0080】前記実施例1乃至実施例3で説明した永久
磁石は、超伝導コイルと比べ磁場が低いため、出力電圧
を高めるために、熱電変換部材は図8に示すように、熱
電変換素子である半導体と電気的絶縁層とを交互に複数
層堆積して成る積層構造として形成される。そして、太
陽光が照射される受光表面は、ブラックセル等の熱吸収
の良い表面部材で被覆されている。電気的絶縁層として
は、熱伝導率が高い、例えばAlN等が用いられる。
【0081】図8において、仮に磁場が紙面に垂直に表
側から裏側の向きに印加されているとして、温度勾配は
図示下向きであるため、ネルンスト効果により図示横方
向に電場が発生し(但し、電場の向きは素子のネルンス
ト係数の正負に依存して左又は右向きとなる)、絶縁層
を介して互いに電気的に絶縁された各層の半導体には図
示左右両端に起電力が生じる。
【0082】従って、積層された複数の半導体の各々に
おいて図示左右両端部に設けられる電極(不図示)を互
いに直列形態に電気的に接続することにより、高い出力
電圧が取り出せることになる。
【0083】ところで、図9に示すように、ネルンスト
効果においては、熱電変換素子内に磁場Hと温度勾配g
radTの両者に垂直な方向に電場Eが発生し、電場E
の向きに沿って電流が流れる。半導体のキャリアの移動
度μは、例えば格子振動、不純物・転位等のキャリアの
各種散乱機構等により温度Tに強く依存する(例えば、
μ∞T-n、GaAsでは電子についてn=1)。そし
て、高温側ではキャリアの移動度は低くなり、抵抗値が
高くなり電流が流れ難い。逆に低温側では、キャリア移
動度が高く、電流が流れ易い。
【0084】このため、熱電変換部材を単層構造とした
場合、低温側において、抵抗体によるジュール発熱が増
大し、且つ熱伝導が大きくなり、温度勾配に変化が生じ
ることになる。更に、場合によっては温度勾配に振動現
象が誘起されることも想定される。図8に示した熱電変
換部材の構成は、個々の半導体の膜厚を薄くし、これを
電気的絶縁層を介して複数堆積することにより、単層構
造のかかる問題を回避するものである。
【0085】なお、本実施例で説明した積層構造の熱電
変換部材は、前記各実施例の熱電変換部材1に適用され
る。
【0086】[実施例5]次に図10を参照して、本発
明の別の視点における実施例を説明する。本実施例は、
ネルンスト効果による熱電発電を主題とする前記各実施
例の構成とは異なり、異種の導体、又はP型、N型半導
体等、互いに異種の素子を接合して熱電対を構成し、一
方を高温に、他方を低温に保つと温度差に応じて起電力
が発生するというゼーベック効果(Seebeck E
ffect)を利用した熱発電装置である。なお、熱源
としてラジオアイソトープを用いた熱電発電装置はボイ
ジャー計画等の深宇宙用に用いられている。本実施例
は、太陽熱を熱源とし、宇宙空間に熱を放熱することに
より熱電発電を行なう装置において、更に熱電変換部材
に磁場を印加することを特徴とする。
【0087】図10に示すように、P型半導体とN型半
導体の一側端は共に集熱金属板に接続され、集熱金属板
の太陽光を受光する側の表面には、集熱効率を高めるた
めに、例えばブラッルセル等の反射防止膜が被覆処理さ
れている。
【0088】P型半導体とN型半導体の他側端には、そ
れぞれ放熱用のラジエター12が付設され、更にP型半
導体とN型半導体の他側端には電極17,18がそれぞ
れ設けられている。図示の如く、P型半導体とN型半導
体はΠ型の熱電変換部材を構成している。
【0089】太陽熱を受光し集熱金属板が加熱され、熱
は図示上方からP型半導体とN型半導体を通って伝導し
ラジエター12で例えば宇宙空間等外部に放熱される。
上下の接合部には温度差が生じ、N型半導体の電極18
には負の、P型半導体の電極17には正の起電力がそれ
ぞれ生じる。半導体の熱起電力(thermopowe
r)は大きな値を有し発電用の熱電変換素子として好ま
しい。
【0090】ところで、ゼーベック効果において、熱電
変換素子の熱起電力が印加された磁場に強く依存し、磁
場を印加した場合、ある温度範囲において熱起電力は、
磁場を印加しない場合と比べ相当量高くなることが知ら
れている(例えば、Blatt,F.J.,Gapla
n,A.D,Chang,C.K,and Shroe
der,P.A.,Solid State Comm
un.15,411,1974)。また、ゼーベック効
果とは対称的なペルチェ効果(PeltierEffe
ct)を利用した熱電冷却において、例えばビスマス−
アンチモン合金の熱電変換の性能指数が磁場に印加する
ことにより向上することが知られており、近時、熱電変
換素子に対する磁場の印加による変換効率の向上に関す
る良好な実験結果が報告されている。
【0091】本実施例は、図示の如く、Π型の熱電変換
部材に対して、例えば並行な方向、又は垂直な方向、更
には両方の方向に磁場を印加し、これにより熱電変換の
変換効率を高めるものである。なお、本実施例の磁場発
生手段としては、永久磁石が用いられるが、好もしい永
久磁石材料及びその構成は既に前記実施例1等で説明し
たものと同様なものが用いられるため、説明を省略す
る。
【0092】以上、本発明を各種実施例に即して説明し
たが、本発明はこれら実施態様の各種組み合わせも含む
ことは勿論である。また本発明は、上記実施例に示した
態様にのみ限定されるものでなく、本発明の原理に準ず
る各種実施態様を含む。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
太陽光を集光して熱源とし、ネルンスト効果を利用した
熱電変換により太陽熱発電を行なうため、高い変換効率
を保ちながら、従来の過熱蒸気を用いてタービンを回す
発電装置と比べ、大幅な小型化、軽量化、及び低コスト
化が達成できる。
【0094】そして、本発明によれば、発電手段は、集
光された太陽光が透過する窓部を設けた筒状の発電パイ
プとして構成され、集光効率を高めると共に、熱電変換
部材は発電パイプ内部に配設された磁場発生手段の磁極
間の空隙において、発電パイプの長手方向に延在されて
配設され、該熱電変換部材の長手方向両端部に長さに比
例した起電力が発生するため、発電パイプの長さに応じ
て所望の出力電圧が得られるという利点を有する。
【0095】本発明における発電手段は、太陽光が透過
する窓部が、パラボラ型の集光装置の焦線に合致するよ
うに位置合わせされて配置されるため、集光、集熱効率
が向上し、熱発電の出力電圧を高めることができる。
【0096】また、本発明においては、発電パイプ内部
に設けられる磁場発生手段として、例えば磁束密度が
1.5テスラにも及ぶ希土類磁石を用いた場合、磁場発
生手段の小型化が達成され、発電パイプの径寸法が大幅
に縮減されると共に、装置の低コスト化も達成できると
いう利点を有する。特に、本発明において、永久磁石を
熱電変換部材から離間して配置し、空隙と永久磁石との
間にヨークを設けた構成によれば、永久磁石の磁気特性
の温度安定性が確保される。
【0097】さらに、本発明によれば、磁場発生手段の
空隙の間に配設される熱電変換部材の断面形状は、該熱
電変換部材を形成する熱電変換素子の特性に応じて、略
台形型の形状とされ、加熱側は幅を大とし、冷却側は幅
を小とし、例えば高温側と低温側の電流の均一化を達成
し、熱電変換部材内における温度勾配の一様化を実現し
ている。また、かかる断面形状により、熱電変換素子の
受光面は冷却側端の面積よりも大きく設けられ、集熱量
を増大させている。
【0098】さらにまた、本発明によれば、集熱手段と
して、熱電変換部材の高温側端部に互いに対向する翼状
のミラーと、該ミラーの反射光を受光して集熱する熱吸
収体を設けることにより、磁極間の空隙の長さを所望の
長さに保ちながら集光量を特段に増大させるという利点
を有する。
【0099】そして、本発明によれば、ネルンスト効果
により熱電発電を行なう熱電変換部材は、半導体等の熱
電変換素子と電気的絶縁層とが交互に複数層堆積された
積層構造から形成され、これにより、高い出力電圧を取
り出せると共に、単層構造に比べて同一の厚さの場合に
熱電変換部材内の温度勾配の安定性を増大するという利
点を有する。
【0100】本発明におけるゼーベック効果による熱電
発電装置の構成によれば、熱源として集光された太陽熱
を用い、高温側から熱電変換素子を伝達した熱は冷却用
のラジエターを介して宇宙空間に放熱され、更に熱電変
換部材に対し所定の向きに磁場を印加し、かかる簡易な
構成により変換効率を高めると共に、小型、軽量化を達
成し、特に衛星等に搭載する電源として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発電パイプの構成を説明す
るための横断面図である。
【図2】本発明の一実施例における集光装置と発電パイ
プの配置状態を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施例の冷却手段の構成を説明する
ための横断面図である。
【図4】本発明における磁場発生手段の構成例の一例を
説明する図である。
【図5】本発明における磁場発生手段の構成例の別の例
を説明する図である。
【図6】本発明の第2の実施例の構成を説明する図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を説明する図であ
る。
【図8】本発明における熱電変換部材の構成例を説明す
る図である。
【図9】ネルンスト効果の原理を説明する図である。
【図10】本発明における、ゼーベック効果を利用した
熱電変換方式の太陽熱発電装置の原理を示す図である。
【図11】ソーラー・セルの構成の一例を示す説明図で
ある。
【図12】従来の太陽熱発電装置の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1…熱電変換部材、2…永久磁石、3…冷却パイプ、4
…真空パイプ、5…窓部、6…太陽光、7…支持棒、8
…ヨーク、9…磁極片、10…発電パイプ、11…集光
装置、12…放熱用ラジエター、13…ミラー、14…
熱吸収体、15…反射防止膜、16…集熱金属板、1
7,18…電極、19…反射板、20…接合部。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を集光する集光手段と、 該集光手段により集光された太陽光を熱源として熱発電
    する発電手段と、を有し、 該発電手段が、 所定の空隙に磁場を発生する磁場発生手段と、 該空隙の間に配設され、前記磁場と交叉する方向からみ
    て一側が前記集光手段により加熱される熱電変換部材
    と、 該熱電変換部材の他側を冷却する冷却手段と、を備え、 前記熱電変換部材内に生じる温度勾配の方向と前記磁場
    の方向に互いに垂直な方向に沿って前記熱電変換部材の
    両端から電圧を取り出すようにした太陽熱発電装置。
  2. 【請求項2】 前記発電手段が、筒状の真空パイプを備
    え、 前記磁場発生手段が、該真空パイプの内側に設けられた
    永久磁石を有し、互いに異なる磁極が前記空隙と対向す
    るリング形態に形成され、 前記冷却手段が、前記磁場発生手段の中空部に配設され
    た冷却パイプを有する請求項1記載の太陽熱発電装置。
  3. 【請求項3】 前記真空パイプにおいて、少なくとも前
    記熱電変換部材が配設される部位に対応して窓部が設け
    られた請求項2記載の太陽熱発電装置。
  4. 【請求項4】前記磁場発生手段と前記真空パイプとの間
    には真空の間隙が設けられて成る請求項2記載の太陽熱
    発電装置。
  5. 【請求項5】 前記熱電変換部材の冷却側端を延在させ
    て前記真空パイプに接合した請求項2記載の太陽熱発電
    装置。
  6. 【請求項6】 前記熱電変換部材の断面が、該熱電変換
    部材を形成する熱電変換素子の特性に応じて、加熱側端
    を長辺とし冷却側端を短辺とする略台形型の形状とされ
    る請求項2記載の太陽熱発電装置。
  7. 【請求項7】 前記集光手段が放物型曲線の集光面を有
    し、前記発電手段を前記集光手段の集光面に並行して配
    設し、前記窓部に前記集光面の焦線が一致するように配
    置されて成る請求項3記載の太陽熱発電装置。
  8. 【請求項8】 前記磁場発生手段は、互いに異なる磁極
    が前記空隙を介して対向する二つの永久磁石と、端部が
    前記二つの永久磁石にそれぞれ接続されたヨークとを有
    する請求項2記載の太陽熱発電装置。
  9. 【請求項9】 前記磁場発生手段は、該永久磁石の各磁
    極にそれぞれ一端が接続されたヨークを有し、該ヨーク
    は延在されてその他端が前記空隙に対向する請求項2記
    載の太陽熱発電装置。
  10. 【請求項10】 前記磁場発生手段の前記熱電変換部材
    と対向する端面を反射膜で表面処理した請求項2、8、
    9のいずれか一に記載の太陽熱発電装置。
  11. 【請求項11】 前記集光手段は、前記磁場と交叉する
    方向からみて前記熱電変換部材の一側に設けられ、互い
    に対向し且つ前記熱電変換部材から離間するに従い拡開
    するミラーと、一側が前記熱電変換部材に接続された熱
    吸収体と、を有し、 前記冷却手段を前記熱電変換部材の他側に付設して成る
    請求項1記載の太陽熱発電装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の太陽熱発電装置を複
    数並設し、各発電装置に設けられた電極を直列又は並列
    形態に接続して成る太陽熱発電装置。
  13. 【請求項13】 前記熱電変換部材が、熱電変換素子と
    絶縁層とを交互に複数層堆積して成る積層体として形成
    された請求項1乃至11のいずれか一に記載の太陽熱発
    電装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の熱電変換素子の両端部にそ
    れぞれ電極を設け、これらの電極を直列形態に接続した
    請求項11記載の太陽熱発電装置。
  15. 【請求項15】 一側を受光面とする集熱導体と、 一端が共に該集熱導体の他側に接続され、互いに異種の
    熱電変換素子から成るΠ型熱電変換部材と、 前記Π型熱電変換部材の他端を冷却するための冷却手段
    と、を備え、 更に、前記Π型熱電変換部材に対し所定の方向に磁場を
    印加し、 太陽光により前記集熱導体が加熱され前記Π型熱電変換
    部材の他端に設けられた電極から電圧を取り出すように
    構成された太陽熱発電装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006049494A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Ricoh Co Ltd 熱電変換材料及び熱電変換装置
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JP2569428B2 (ja) 1997-01-08

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