JPH0849063A - 磁気抵抗効果膜 - Google Patents
磁気抵抗効果膜Info
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- JPH0849063A JPH0849063A JP6200881A JP20088194A JPH0849063A JP H0849063 A JPH0849063 A JP H0849063A JP 6200881 A JP6200881 A JP 6200881A JP 20088194 A JP20088194 A JP 20088194A JP H0849063 A JPH0849063 A JP H0849063A
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- magnetoresistive
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- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y25/00—Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F10/00—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
- H01F10/32—Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
- H01F10/324—Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温下でも磁気抵抗効果特性の劣化が生じに
くく、巨大磁気抵抗効果が安定して得られる磁気抵抗効
果膜を提供することを目的とする。 【構成】 導体層と磁性体層とが交互に積層されてなる
人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜、又は磁性体層と導体
層と磁性体層とがこの順に積層されてなるスピンバルブ
構造の磁気抵抗効果膜において、導体層の主成分をC
u,Ag,Crより選ばれる元素として、これら主成分
である元素に対する固溶上限が室温において1%以下の
添加元素を導体層に0.1〜30原子%添加させる。あ
るいは、磁性体層の主成分をFe,Co,Niとして、
これら主成分である元素に対する固溶上限が室温におい
て1%以下の添加元素を磁性体層に0.1〜30原子%
添加させる。
くく、巨大磁気抵抗効果が安定して得られる磁気抵抗効
果膜を提供することを目的とする。 【構成】 導体層と磁性体層とが交互に積層されてなる
人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜、又は磁性体層と導体
層と磁性体層とがこの順に積層されてなるスピンバルブ
構造の磁気抵抗効果膜において、導体層の主成分をC
u,Ag,Crより選ばれる元素として、これら主成分
である元素に対する固溶上限が室温において1%以下の
添加元素を導体層に0.1〜30原子%添加させる。あ
るいは、磁性体層の主成分をFe,Co,Niとして、
これら主成分である元素に対する固溶上限が室温におい
て1%以下の添加元素を磁性体層に0.1〜30原子%
添加させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気センサや磁気ディ
スク装置用再生ヘッド等の磁界検出用素子に適用される
磁気抵抗効果膜に関し、特に耐熱性の改善に関する。
スク装置用再生ヘッド等の磁界検出用素子に適用される
磁気抵抗効果膜に関し、特に耐熱性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果を有する磁気抵抗効果膜は
磁界検出用素子として用いられ、磁気センサや磁気ヘッ
ド等の分野において広く用いられている。
磁界検出用素子として用いられ、磁気センサや磁気ヘッ
ド等の分野において広く用いられている。
【0003】従来、上記磁気抵抗効果膜には、主にFe
−Ni合金膜(いわゆるパーマロイ膜)が使用されてき
た。しかし、パーマロイ膜の磁気抵抗変化率は小さく、
今後さらに発展すると思われる高密度磁気記録への対応
等を考慮すると、感度等の点で十分なものとは言えな
い。
−Ni合金膜(いわゆるパーマロイ膜)が使用されてき
た。しかし、パーマロイ膜の磁気抵抗変化率は小さく、
今後さらに発展すると思われる高密度磁気記録への対応
等を考慮すると、感度等の点で十分なものとは言えな
い。
【0004】一方、近年、異種の金属を数原子層ずつ交
互に積層した人工格子膜が注目されている。その中で、
Feよりなる磁性体層とCrよりなる導体層との積層体
からなる人工格子膜において、数十%もの磁気抵抗変化
率(以下、「巨大磁気抵抗効果」と称する。)が得られ
ることが報告され、磁気抵抗効果膜への応用が期待され
ている。(フィジカル・レビュー・レターズ、61巻、
2472ページ、1988年) その後、Fe層とCr層の組み合わせ以外にも、磁性体
層をCo層、導体層をCu層とした組み合わせでも巨大
磁気抵抗効果が得られることが報告されている。(フィ
ジカル・レビュー・レターズ、66巻、2152ペー
ジ、1991年)また、磁性体層に、鉄、ニッケル、コ
バルトの三元素を組み合わせた合金を用いることで、小
さな磁場変化でも大きな抵抗変化が得られるようにな
り、外部磁場に対する感度が改善され、実用的な観点か
ら有効であることも報告されている。
互に積層した人工格子膜が注目されている。その中で、
Feよりなる磁性体層とCrよりなる導体層との積層体
からなる人工格子膜において、数十%もの磁気抵抗変化
率(以下、「巨大磁気抵抗効果」と称する。)が得られ
ることが報告され、磁気抵抗効果膜への応用が期待され
ている。(フィジカル・レビュー・レターズ、61巻、
2472ページ、1988年) その後、Fe層とCr層の組み合わせ以外にも、磁性体
層をCo層、導体層をCu層とした組み合わせでも巨大
磁気抵抗効果が得られることが報告されている。(フィ
ジカル・レビュー・レターズ、66巻、2152ペー
ジ、1991年)また、磁性体層に、鉄、ニッケル、コ
バルトの三元素を組み合わせた合金を用いることで、小
さな磁場変化でも大きな抵抗変化が得られるようにな
り、外部磁場に対する感度が改善され、実用的な観点か
ら有効であることも報告されている。
【0005】また、磁性体層と導体層と磁性体層とがこ
の順に積層されてなる3層膜を主構成要素とする膜(い
わゆるスピンバルブ膜)でも、巨大磁気抵抗効果が得ら
れることが報告されている。(ジャーナル・オブ・マグ
ネティズム・アンド・マグネティク・マテリアルズ、9
3巻、101ページ、1991年)
の順に積層されてなる3層膜を主構成要素とする膜(い
わゆるスピンバルブ膜)でも、巨大磁気抵抗効果が得ら
れることが報告されている。(ジャーナル・オブ・マグ
ネティズム・アンド・マグネティク・マテリアルズ、9
3巻、101ページ、1991年)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
積層膜構造をもつ磁気抵抗効果膜は、熱により各層間で
拡散が生じる。そのため、このような磁気抵抗効果膜
は、高温下で磁気抵抗効果特性の劣化を生じやすいとい
う欠点がある。
積層膜構造をもつ磁気抵抗効果膜は、熱により各層間で
拡散が生じる。そのため、このような磁気抵抗効果膜
は、高温下で磁気抵抗効果特性の劣化を生じやすいとい
う欠点がある。
【0007】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであって、高温下でも磁気抵抗効果特性
の劣化が生じにくく、巨大磁気抵抗効果が安定して得ら
れる磁気抵抗効果膜を提供することを目的とする。
提案されたものであって、高温下でも磁気抵抗効果特性
の劣化が生じにくく、巨大磁気抵抗効果が安定して得ら
れる磁気抵抗効果膜を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】導体層と磁性体層とが交
互に積層されてなる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜で
巨大磁気抵抗効果が観測される原因としては、導体中の
伝導電子を介し、磁性体層間でRKKY(ルーダーマ
ン、キッテル、糟谷、芳田)相互作用が働き、相対する
磁性体層が反強磁性的に結合することにより、反平行ス
ピン状態が発生し、その結果スピン依存散乱が生じ、そ
のため大きな磁気抵抗効果が得られるものと考えられて
いる。
互に積層されてなる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜で
巨大磁気抵抗効果が観測される原因としては、導体中の
伝導電子を介し、磁性体層間でRKKY(ルーダーマ
ン、キッテル、糟谷、芳田)相互作用が働き、相対する
磁性体層が反強磁性的に結合することにより、反平行ス
ピン状態が発生し、その結果スピン依存散乱が生じ、そ
のため大きな磁気抵抗効果が得られるものと考えられて
いる。
【0009】また、磁性体層と導体層と磁性体層とがこ
の順に積層されてなる3層膜を主構成要素とするスピン
バルブ構造の磁気抵抗効果膜でも、同様に、反平行スピ
ン状態が発生し、その結果スピン依存散乱が生じ、その
ため大きな磁気抵抗効果が得られるものと考えられてい
る。
の順に積層されてなる3層膜を主構成要素とするスピン
バルブ構造の磁気抵抗効果膜でも、同様に、反平行スピ
ン状態が発生し、その結果スピン依存散乱が生じ、その
ため大きな磁気抵抗効果が得られるものと考えられてい
る。
【0010】以上に述べたように、これらの構造におい
て大きな磁気抵抗効果が得られるのは、反平行スピン状
態が達成できる場合であると考えられているが、この反
平行スピン状態は熱により大きく影響を受ける。そこで
本発明者らが、更に鋭意研究を重ねた結果、導体層に固
溶しにくい元素を添加することにより、あるいは磁性体
層に固溶しにくい元素を添加することにより、反平行ス
ピン状態への熱の影響が緩和され、高温下における磁気
抵抗効果特性の劣化を防げることを見いだすに至った。
て大きな磁気抵抗効果が得られるのは、反平行スピン状
態が達成できる場合であると考えられているが、この反
平行スピン状態は熱により大きく影響を受ける。そこで
本発明者らが、更に鋭意研究を重ねた結果、導体層に固
溶しにくい元素を添加することにより、あるいは磁性体
層に固溶しにくい元素を添加することにより、反平行ス
ピン状態への熱の影響が緩和され、高温下における磁気
抵抗効果特性の劣化を防げることを見いだすに至った。
【0011】そして、導体層に固溶しにくい元素を添加
すればよいという知見に基づいて成された本発明の磁気
抵抗効果膜は、導体層と磁性体層とが交互に積層されて
なる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜であって、導体層
が、Cu,Ag,Crより選ばれる元素を主成分とし、
且つ、これら主成分である元素に対する固溶上限が室温
において1%以下の添加元素を0.1〜30原子%含む
ものである。あるいは、磁性体層と導体層と磁性体層と
がこの順に積層されてなるスピンバルブ構造の磁気抵抗
効果膜であって、導体層が、Cu,Ag,Crより選ば
れる元素を主成分とし、且つ、これら主成分である元素
に対する固溶上限が室温において1%以下の添加元素を
0.1〜30原子%含むものである。
すればよいという知見に基づいて成された本発明の磁気
抵抗効果膜は、導体層と磁性体層とが交互に積層されて
なる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜であって、導体層
が、Cu,Ag,Crより選ばれる元素を主成分とし、
且つ、これら主成分である元素に対する固溶上限が室温
において1%以下の添加元素を0.1〜30原子%含む
ものである。あるいは、磁性体層と導体層と磁性体層と
がこの順に積層されてなるスピンバルブ構造の磁気抵抗
効果膜であって、導体層が、Cu,Ag,Crより選ば
れる元素を主成分とし、且つ、これら主成分である元素
に対する固溶上限が室温において1%以下の添加元素を
0.1〜30原子%含むものである。
【0012】なお、上記磁気抵抗効果膜において、導体
層の主成分がCuである場合は、導体層に添加される添
加元素はAg,B,Bi,C,Co,Fe,Hg,I
r,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,V,Zrより選ば
れる元素であることが好ましい。また、導体層の主成分
がAgである場合は、導体層に添加される添加元素はB
e,Bi,Co,Cr,Cu,Fe,Ge,Ir,N
i,Pb,Si,Uより選ばれる元素であることが好ま
しい。
層の主成分がCuである場合は、導体層に添加される添
加元素はAg,B,Bi,C,Co,Fe,Hg,I
r,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,V,Zrより選ば
れる元素であることが好ましい。また、導体層の主成分
がAgである場合は、導体層に添加される添加元素はB
e,Bi,Co,Cr,Cu,Fe,Ge,Ir,N
i,Pb,Si,Uより選ばれる元素であることが好ま
しい。
【0013】また、上記磁気抵抗効果膜において磁性体
層には、Fe,Co,Ni,Cr,V,Mo,Nb,T
a,W,Re,Ru,Cu,Rh,Pd,Ir,Pt,
B,C,N,O,Si,Al,Ga,Ge,Sn,Sb
の元素のうち少なくとも1種類以上の元素からなる磁性
体で、室温で強磁性体であるものが用いられる。特に、
Cuを1〜50原子%含有し、且つ、Fe,Co,Ni
より選ばれる少なくとも1種を含有するものを磁性体層
とするのが好ましく、この場合は前記磁性体層に含有さ
れるFe,Co,Niは、外部磁場に対する感度を向上
させるために、その組成比を下記のように定めることが
特に好ましい。
層には、Fe,Co,Ni,Cr,V,Mo,Nb,T
a,W,Re,Ru,Cu,Rh,Pd,Ir,Pt,
B,C,N,O,Si,Al,Ga,Ge,Sn,Sb
の元素のうち少なくとも1種類以上の元素からなる磁性
体で、室温で強磁性体であるものが用いられる。特に、
Cuを1〜50原子%含有し、且つ、Fe,Co,Ni
より選ばれる少なくとも1種を含有するものを磁性体層
とするのが好ましく、この場合は前記磁性体層に含有さ
れるFe,Co,Niは、外部磁場に対する感度を向上
させるために、その組成比を下記のように定めることが
特に好ましい。
【0014】FexCoyNiz (x,y,zは原子%)
とすると、 5≦x≦40,20≦y≦90,5≦z≦70,x+y
+z=100 一方、磁性体層に固溶しにくい元素を添加すればよいと
いう知見に基づいて成された本発明の磁気抵抗効果膜
は、導体層と磁性体層とが交互に積層されてなる人工格
子膜構造の磁気抵抗効果膜であって、磁性体層が、F
e,Co,Niを主成分とし、且つ、これら主成分であ
る元素に対する固溶上限が室温において1%以下の添加
元素を0.1〜30原子%含むものである。あるいは、
磁性体層と導体層と磁性体層とがこの順に積層されてな
るスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜であって、磁性体
層が、Fe,Co,Niを主成分とし、且つ、これら主
成分である元素に対する固溶上限が室温において1%以
下の添加元素を0.1〜30原子%含むものである。
とすると、 5≦x≦40,20≦y≦90,5≦z≦70,x+y
+z=100 一方、磁性体層に固溶しにくい元素を添加すればよいと
いう知見に基づいて成された本発明の磁気抵抗効果膜
は、導体層と磁性体層とが交互に積層されてなる人工格
子膜構造の磁気抵抗効果膜であって、磁性体層が、F
e,Co,Niを主成分とし、且つ、これら主成分であ
る元素に対する固溶上限が室温において1%以下の添加
元素を0.1〜30原子%含むものである。あるいは、
磁性体層と導体層と磁性体層とがこの順に積層されてな
るスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜であって、磁性体
層が、Fe,Co,Niを主成分とし、且つ、これら主
成分である元素に対する固溶上限が室温において1%以
下の添加元素を0.1〜30原子%含むものである。
【0015】なお、上記磁気抵抗効果膜において、磁性
体層に添加される添加元素としては、例えば、Ag,
B,Bi,C,Co,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,
Mo,Na,Nb,Pb,V,Pt,Zrより選ばれる
元素が挙げられる。
体層に添加される添加元素としては、例えば、Ag,
B,Bi,C,Co,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,
Mo,Na,Nb,Pb,V,Pt,Zrより選ばれる
元素が挙げられる。
【0016】
【作用】人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜、又はスピン
バルブ構造の磁気抵抗効果膜において、導体層にその主
成分である元素と固溶しにくい添加元素を0.1〜30
原子%添加することにより、あるいは磁性体層にその主
成分である元素と固溶しにくい添加元素を0.1〜30
原子%添加することにより、高温下での磁気抵抗効果特
性の劣化が生じにくくなり、巨大磁気抵抗効果が安定に
得られるようになる。
バルブ構造の磁気抵抗効果膜において、導体層にその主
成分である元素と固溶しにくい添加元素を0.1〜30
原子%添加することにより、あるいは磁性体層にその主
成分である元素と固溶しにくい添加元素を0.1〜30
原子%添加することにより、高温下での磁気抵抗効果特
性の劣化が生じにくくなり、巨大磁気抵抗効果が安定に
得られるようになる。
【0017】
【実施例】以下、実施例と比較例、及びそれらの評価に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】実施例1 図1に示すように、フェライト基板1上に、スパッタリ
ング装置を使用して、Fe20Ni45Co35よりなる厚さ
1.0nmの磁性体層2と、Cuを主成分としCuに固
溶しにくい元素であるAgが添加されてなる厚さ2.1
nmの導体層3を交互に30周期積層して、人工格子膜
構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
ング装置を使用して、Fe20Ni45Co35よりなる厚さ
1.0nmの磁性体層2と、Cuを主成分としCuに固
溶しにくい元素であるAgが添加されてなる厚さ2.1
nmの導体層3を交互に30周期積層して、人工格子膜
構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
【0019】本実施例で使用したスパッタリング装置を
図2に示す。このスパッタリング装置は真空容器4内
に、二つのターゲット5,6と、各ターゲット5,6に
対向するように配され開閉動作により膜厚の制御を行う
二つのシャッタ7,8と、各ターゲット5,6上で回転
するターンテーブル9とを有している。そして、基板1
0は、各シャッタ7,8を介して各ターゲット5,6に
対向するように、ターンテーブル9に取り付けられ、タ
ーンテーブル9の回転Aにより、各ターゲット5,6上
を交互に通過するようになっている。
図2に示す。このスパッタリング装置は真空容器4内
に、二つのターゲット5,6と、各ターゲット5,6に
対向するように配され開閉動作により膜厚の制御を行う
二つのシャッタ7,8と、各ターゲット5,6上で回転
するターンテーブル9とを有している。そして、基板1
0は、各シャッタ7,8を介して各ターゲット5,6に
対向するように、ターンテーブル9に取り付けられ、タ
ーンテーブル9の回転Aにより、各ターゲット5,6上
を交互に通過するようになっている。
【0020】上記人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜の成
膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
【0021】スパッタガス :アルゴン スパッタガス圧:0.3Pa 印加電力 :300W 成膜速度 :0.1〜0.5nm/sec 上記磁気抵抗効果膜においては、Cuターゲット上に、
直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた上でスパ
ッタリングを行うことにより、導体層の主成分であるC
uにAgを添加した。そして、Agの添加量はCuター
ゲット上に乗せるAgチップの個数により制御した。
直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた上でスパ
ッタリングを行うことにより、導体層の主成分であるC
uにAgを添加した。そして、Agの添加量はCuター
ゲット上に乗せるAgチップの個数により制御した。
【0022】そして、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対する
Agの添加量の影響を測定した。測定は、導体層へのA
gの添加量を0.1原子%,5原子%,30原子%,及
び40原子%として上述のように成膜した磁気抵抗効果
膜と、比較例としてAgを添加せずに成膜した磁気抵抗
効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に対して真空
中で230℃,260℃,290℃,及び320℃にて
1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べて行
った。結果を図3に示す。
Agの添加量の影響を測定した。測定は、導体層へのA
gの添加量を0.1原子%,5原子%,30原子%,及
び40原子%として上述のように成膜した磁気抵抗効果
膜と、比較例としてAgを添加せずに成膜した磁気抵抗
効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に対して真空
中で230℃,260℃,290℃,及び320℃にて
1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べて行
った。結果を図3に示す。
【0023】図3に示す結果から、導体層にAgを添加
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。また、Agが0.1原子%以上添加されてい
れば熱劣化の防止効果が認められるが、Agが40原子
%添加されている場合は熱処理を行う前の初期状態での
磁気抵抗効果が減少してしまい不適であることがわか
る。すなわち、Agの添加量は0.1〜30原子%が適
当であるといえる。
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。また、Agが0.1原子%以上添加されてい
れば熱劣化の防止効果が認められるが、Agが40原子
%添加されている場合は熱処理を行う前の初期状態での
磁気抵抗効果が減少してしまい不適であることがわか
る。すなわち、Agの添加量は0.1〜30原子%が適
当であるといえる。
【0024】実施例2 実施例1と同様に、ただし導体層への添加元素をAgか
らPtに代えて磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Pt
の添加は、Cuターゲット上に、直径3mm,厚さ2m
mのPtチップを乗せた上でスパッタリングを行うこと
により行い、導体層へのCuの添加量は、Cuターゲッ
ト上に乗せるPtチップの個数により制御した。
らPtに代えて磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Pt
の添加は、Cuターゲット上に、直径3mm,厚さ2m
mのPtチップを乗せた上でスパッタリングを行うこと
により行い、導体層へのCuの添加量は、Cuターゲッ
ト上に乗せるPtチップの個数により制御した。
【0025】そして、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対する
Ptの導体層への添加量の影響を測定した。測定は、導
体層へのPtの添加量を0.1原子%,5原子%,30
原子%,及び40原子%として上述のように成膜した磁
気抵抗効果膜と、比較例としてPtを添加せずに成膜し
た磁気抵抗効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に
対して真空中で230℃,260℃,290℃,及び3
20℃にて1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率
を調べて行った。結果を図4に示す。
Ptの導体層への添加量の影響を測定した。測定は、導
体層へのPtの添加量を0.1原子%,5原子%,30
原子%,及び40原子%として上述のように成膜した磁
気抵抗効果膜と、比較例としてPtを添加せずに成膜し
た磁気抵抗効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に
対して真空中で230℃,260℃,290℃,及び3
20℃にて1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率
を調べて行った。結果を図4に示す。
【0026】図4に示す結果から、導体層にPtを添加
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。また、導体層へのPtの添加は、Ptが0.
1原子%以上添加されていれば熱劣化の防止効果が認め
られるが、Ptが40原子%添加されている場合は熱処
理を行う前の初期状態での磁気抵抗効果が減少してしま
い不適であることがわかる。すなわち、導体層へのPt
の添加量は0.1〜30原子%が適当であるといえる。
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。また、導体層へのPtの添加は、Ptが0.
1原子%以上添加されていれば熱劣化の防止効果が認め
られるが、Ptが40原子%添加されている場合は熱処
理を行う前の初期状態での磁気抵抗効果が減少してしま
い不適であることがわかる。すなわち、導体層へのPt
の添加量は0.1〜30原子%が適当であるといえる。
【0027】なお、実施例1では、導体層の主成分がC
uの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層に
Agを添加して、実施例2では、導体層の主成分がCu
の人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層にP
tを添加したが、導体層への添加元素をCuに固溶しに
くい元素であるB,Bi,C,Co,Fe,Hg,I
r,Mo,Na,Nb,Pb,V,Zr等にした場合も
同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
uの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層に
Agを添加して、実施例2では、導体層の主成分がCu
の人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層にP
tを添加したが、導体層への添加元素をCuに固溶しに
くい元素であるB,Bi,C,Co,Fe,Hg,I
r,Mo,Na,Nb,Pb,V,Zr等にした場合も
同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
【0028】実施例3 実施例1と同様に、ただし導体層の主成分をCuからA
gに代え、導体層への添加元素をAgからCuに代えて
磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Cuの添加は、Ag
ターゲット上に、直径3mm,厚さ2mmのCuチップ
を乗せた上でスパッタリングを行うことにより行った。
そして、導体層へのCuの添加量は5原子%とした。
gに代え、導体層への添加元素をAgからCuに代えて
磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Cuの添加は、Ag
ターゲット上に、直径3mm,厚さ2mmのCuチップ
を乗せた上でスパッタリングを行うことにより行った。
そして、導体層へのCuの添加量は5原子%とした。
【0029】そして、上記磁気抵抗効果膜と、比較例と
してCuを添加せずに成膜した磁気抵抗効果膜とを、真
空中で230℃,260℃,290℃,及び320℃に
て1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べ
て、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対するCuの添加の影響
を調べた。結果を図5に示す。
してCuを添加せずに成膜した磁気抵抗効果膜とを、真
空中で230℃,260℃,290℃,及び320℃に
て1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べ
て、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対するCuの添加の影響
を調べた。結果を図5に示す。
【0030】図5に示す結果から、導体層にCuを添加
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。
【0031】なお、実施例3では、導体層の主成分がA
gの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層に
Cuを添加したが、導体層への添加元素をAgに固溶し
にくい元素であるBe,Bi,Co,Cr,Cu,F
e,Ge,Ir,Ni,Pb,Si,U等にした場合も
同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
gの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において導体層に
Cuを添加したが、導体層への添加元素をAgに固溶し
にくい元素であるBe,Bi,Co,Cr,Cu,F
e,Ge,Ir,Ni,Pb,Si,U等にした場合も
同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
【0032】実施例4 図6に示すように、フェライト基板11上に、実施例1
と同様にスパッタリング装置を使用して、パーマロイよ
りなる厚さ200nmの磁性体層12と、Cuを主成分
としCuに固溶しにくい元素であるAgが添加されてな
る厚さ5nmの導体層13と、パーマロイよりなる厚さ
200nmの磁性体層14と、Fe50Mn50よりなる厚
さ500nmの反強磁性体層15とを、この順に積層し
てスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
と同様にスパッタリング装置を使用して、パーマロイよ
りなる厚さ200nmの磁性体層12と、Cuを主成分
としCuに固溶しにくい元素であるAgが添加されてな
る厚さ5nmの導体層13と、パーマロイよりなる厚さ
200nmの磁性体層14と、Fe50Mn50よりなる厚
さ500nmの反強磁性体層15とを、この順に積層し
てスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
【0033】上記スピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜の
成膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
成膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
【0034】スパッタガス :アルゴン スパッタガス圧:0.5Pa 印加電力 :300W 成膜速度 :0.1〜0.5nm/sec なお、Agの添加は実施例1と同様に、Cuターゲット
上に、直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた上
でスパッタリングを行うことにより行った。そして、導
体層へのAgの添加量は5原子%とした。
上に、直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた上
でスパッタリングを行うことにより行った。そして、導
体層へのAgの添加量は5原子%とした。
【0035】そして、上記磁気抵抗効果膜と、比較例と
してAgを添加せずに成膜したスピンバルブ構造の磁気
抵抗効果膜とを、真空中で230℃,260℃,290
℃,及び320℃にて1時間の熱処理を行った後に磁気
抵抗変化率を調べて、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対する
Cuの添加の影響を調べた。結果を図7に示す。
してAgを添加せずに成膜したスピンバルブ構造の磁気
抵抗効果膜とを、真空中で230℃,260℃,290
℃,及び320℃にて1時間の熱処理を行った後に磁気
抵抗変化率を調べて、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対する
Cuの添加の影響を調べた。結果を図7に示す。
【0036】図7に示す結果から、導体層にAgを添加
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。
することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されること
がわかる。
【0037】実施例5 実施例4と同様に、ただし導体層への添加元素をAgか
らPtに代えて磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Pt
の添加は、Cuターゲット上に、直径3mm,厚さ2m
mのPtチップを乗せた上でスパッタリングを行うこと
により行い、導体層へのCuの添加量は、Cuターゲッ
ト上に乗せるPtチップの個数により制御して、導体層
へのPtの添加量が5原子%となるようにした。
らPtに代えて磁気抵抗効果膜を成膜した。なお、Pt
の添加は、Cuターゲット上に、直径3mm,厚さ2m
mのPtチップを乗せた上でスパッタリングを行うこと
により行い、導体層へのCuの添加量は、Cuターゲッ
ト上に乗せるPtチップの個数により制御して、導体層
へのPtの添加量が5原子%となるようにした。
【0038】上記磁気抵抗効果膜においても、実施例4
と同様に、磁気抵抗効果の耐熱性の向上が見られた。し
たがって、スピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において
も、導体層にPtを添加することにより磁気抵抗効果の
熱劣化が防止される。
と同様に、磁気抵抗効果の耐熱性の向上が見られた。し
たがって、スピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において
も、導体層にPtを添加することにより磁気抵抗効果の
熱劣化が防止される。
【0039】なお、実施例4では、導体層の主成分がC
uのスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において導体層
にAgを添加して、実施例5では、導体層の主成分がC
uのスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において導体層
にPtを添加したが、導体層への添加元素をCuに固溶
しにくい元素であるB,Bi,C,Co,Fe,Hg,
Ir,Mo,Na,Nb,Pb,V,Zr等にした場合
も同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
uのスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において導体層
にAgを添加して、実施例5では、導体層の主成分がC
uのスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜において導体層
にPtを添加したが、導体層への添加元素をCuに固溶
しにくい元素であるB,Bi,C,Co,Fe,Hg,
Ir,Mo,Na,Nb,Pb,V,Zr等にした場合
も同様に磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
【0040】実施例6 本実施例では、導体層へ添加する元素の種類によって、
磁気抵抗効果膜の耐熱性が変化するかを調べるために、
導体層へ添加する元素を、Ag,B,Bi,C,Co,
Fe,Hg,Ir,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,
V,Zrとして、それぞれについて、添加元素を代えた
以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果膜を成膜した。ま
た、比較例として、導体層へ添加する元素を,Mn,N
i,Siとしたものについても、同様に磁気抵抗効果膜
を成膜した。なお、各磁気抵抗効果膜において、添加元
素の添加量は5原子%とした。
磁気抵抗効果膜の耐熱性が変化するかを調べるために、
導体層へ添加する元素を、Ag,B,Bi,C,Co,
Fe,Hg,Ir,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,
V,Zrとして、それぞれについて、添加元素を代えた
以外は実施例1と同様に磁気抵抗効果膜を成膜した。ま
た、比較例として、導体層へ添加する元素を,Mn,N
i,Siとしたものについても、同様に磁気抵抗効果膜
を成膜した。なお、各磁気抵抗効果膜において、添加元
素の添加量は5原子%とした。
【0041】そして、上記各磁気抵抗効果膜について、
熱処理前の磁気抵抗効果率と、真空中で310℃にて1
時間の熱処理を行った後の磁気抵抗効果率を測定して、
導体層へ添加する元素の種類による磁気抵抗効果膜の耐
熱性への影響を、以下の3段階にて評価した。
熱処理前の磁気抵抗効果率と、真空中で310℃にて1
時間の熱処理を行った後の磁気抵抗効果率を測定して、
導体層へ添加する元素の種類による磁気抵抗効果膜の耐
熱性への影響を、以下の3段階にて評価した。
【0042】○:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が50%以上であるもの。
の磁気抵抗効果率の比が50%以上であるもの。
【0043】△:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が30%以上、50%未満である
もの。
の磁気抵抗効果率の比が30%以上、50%未満である
もの。
【0044】×:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が30%未満であるもの。
の磁気抵抗効果率の比が30%未満であるもの。
【0045】なお、導体層に添加元素を添加しない場合
は、熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後の磁気抵抗効
果率の比は、20%程度である。
は、熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後の磁気抵抗効
果率の比は、20%程度である。
【0046】上記評価の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示した結果から、導体層に固溶しに
くい元素であるAg,B,Bi,C,Co,Fe,H
g,Ir,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,V,Zrを
添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣化が防止されるこ
とがわかる。また、導体層に固溶しやすい元素であるM
n,Ni,Siを添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣
化の防止に効果がないことがわかる。
くい元素であるAg,B,Bi,C,Co,Fe,H
g,Ir,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,V,Zrを
添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣化が防止されるこ
とがわかる。また、導体層に固溶しやすい元素であるM
n,Ni,Siを添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣
化の防止に効果がないことがわかる。
【0049】実施例7 本実施例では、フェライト基板上に、実施例1と同様に
スパッタリング装置を使用して、Fe20Ni45Co35を
主成分としFeNiCoに固溶しにくい元素であるAg
が添加されてなる厚さ1.0nmの磁性体層と、Cuよ
りなる厚さ2.1nmの導体層を交互に30周期積層し
て、人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
スパッタリング装置を使用して、Fe20Ni45Co35を
主成分としFeNiCoに固溶しにくい元素であるAg
が添加されてなる厚さ1.0nmの磁性体層と、Cuよ
りなる厚さ2.1nmの導体層を交互に30周期積層し
て、人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜を成膜した。
【0050】上記人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜の成
膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
膜に際し、各層の成膜条件は以下のようにした。
【0051】スパッタガス :アルゴン スパッタガス圧:0.3Pa 印加電力 :300W 成膜速度 :0.1〜0.5nm/sec 上記磁気抵抗効果膜においては、FeNiCoターゲッ
ト上に、直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた
上でスパッタリングを行うことにより、磁性体層の主成
分であるFe20Ni45Co35にAgを添加した。そし
て、Agの添加量は、FeNiCoターゲット上に乗せ
るAgチップの個数により制御した。
ト上に、直径3mm,厚さ2mmのAgチップを乗せた
上でスパッタリングを行うことにより、磁性体層の主成
分であるFe20Ni45Co35にAgを添加した。そし
て、Agの添加量は、FeNiCoターゲット上に乗せ
るAgチップの個数により制御した。
【0052】そして、磁気抵抗効果膜の耐熱性に対する
Agの添加量の影響を測定した。測定は、磁性体層への
Agの添加量を0.1原子%,5原子%,30原子%,
及び40原子%として上述のように成膜した磁気抵抗効
果膜と、比較例としてAgを添加せずに成膜した磁気抵
抗効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に対して真
空中で230℃,260℃,290℃,及び320℃に
て1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べて
行った。結果を図8に示す。
Agの添加量の影響を測定した。測定は、磁性体層への
Agの添加量を0.1原子%,5原子%,30原子%,
及び40原子%として上述のように成膜した磁気抵抗効
果膜と、比較例としてAgを添加せずに成膜した磁気抵
抗効果膜を用いて、これらの磁気抵抗効果膜に対して真
空中で230℃,260℃,290℃,及び320℃に
て1時間の熱処理を行った後に磁気抵抗変化率を調べて
行った。結果を図8に示す。
【0053】図8に示す結果から、磁性体層にAgを添
加することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されるこ
とがわかる。また、Agが0.1原子%以上添加されて
いれば熱劣化の防止効果が認められるが、Agが40原
子%添加されている場合は熱処理を行う前の初期状態で
の磁気抵抗効果が減少してしまい不適であることがわか
る。すなわち、Agの添加量は0.1〜30原子%が適
当であるといえる。
加することにより磁気抵抗効果の熱劣化が防止されるこ
とがわかる。また、Agが0.1原子%以上添加されて
いれば熱劣化の防止効果が認められるが、Agが40原
子%添加されている場合は熱処理を行う前の初期状態で
の磁気抵抗効果が減少してしまい不適であることがわか
る。すなわち、Agの添加量は0.1〜30原子%が適
当であるといえる。
【0054】なお、実施例3では、磁性体層の主成分が
FeNiCoの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜におい
て磁性体層にAgを添加したが、磁性体層への添加元素
をFeNiCoに固溶しにくい元素であるB,Bi,
C,Co,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,Mo,N
a,Nb,Pb,V,Pt,Zr等にした場合も同様に
磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
FeNiCoの人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜におい
て磁性体層にAgを添加したが、磁性体層への添加元素
をFeNiCoに固溶しにくい元素であるB,Bi,
C,Co,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,Mo,N
a,Nb,Pb,V,Pt,Zr等にした場合も同様に
磁気抵抗効果の耐熱性の向上が認められた。
【0055】実施例8 本実施例では、磁性体層へ添加する元素の種類によっ
て、磁気抵抗効果膜の耐熱性が変化するかを調べるため
に、磁性体層へ添加する元素をAg,B,Bi,C,C
o,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,Mo,Na,N
b,Pb,V,Pt,Zrとして、それぞれについて、
添加元素を代えた以外は実施例7と同様に磁気抵抗効果
膜を成膜した。また、比較例として、磁性体層へ添加す
る元素をAl,Tiとしたものについても、同様に磁気
抵抗効果膜を成膜した。なお、各磁気抵抗効果膜におい
て、添加元素の添加量は5原子%とした。
て、磁気抵抗効果膜の耐熱性が変化するかを調べるため
に、磁性体層へ添加する元素をAg,B,Bi,C,C
o,Cr,Fe,Hg,Ir,Li,Mo,Na,N
b,Pb,V,Pt,Zrとして、それぞれについて、
添加元素を代えた以外は実施例7と同様に磁気抵抗効果
膜を成膜した。また、比較例として、磁性体層へ添加す
る元素をAl,Tiとしたものについても、同様に磁気
抵抗効果膜を成膜した。なお、各磁気抵抗効果膜におい
て、添加元素の添加量は5原子%とした。
【0056】そして、上記各磁気抵抗効果膜について、
熱処理前の磁気抵抗効果率と、真空中で290℃にて1
時間の熱処理を行った後の磁気抵抗効果率を測定して、
磁性体層へ添加する元素の種類による磁気抵抗効果膜の
耐熱性への影響を、以下の3段階にて評価した。
熱処理前の磁気抵抗効果率と、真空中で290℃にて1
時間の熱処理を行った後の磁気抵抗効果率を測定して、
磁性体層へ添加する元素の種類による磁気抵抗効果膜の
耐熱性への影響を、以下の3段階にて評価した。
【0057】○:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が50%以上であるもの。
の磁気抵抗効果率の比が50%以上であるもの。
【0058】△:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が30%以上、50%未満である
もの。
の磁気抵抗効果率の比が30%以上、50%未満である
もの。
【0059】×:熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後
の磁気抵抗効果率の比が30%未満であるもの。
の磁気抵抗効果率の比が30%未満であるもの。
【0060】なお、磁性体層に添加元素を添加しない場
合は、熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後の磁気抵抗
効果率の比は、20%程度である。
合は、熱処理前の磁気抵抗効果率と熱処理後の磁気抵抗
効果率の比は、20%程度である。
【0061】上記評価の結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示した結果から、磁性体層に固溶し
にくい元素であるAg,B,Bi,C,Co,Cr,F
e,Hg,Ir,Li,Mo,Na,Nb,Pb,V,
Pt,Zrを添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣化が
防止されることがわかる。また、磁性体層に固溶しやす
い元素であるAl,Tiを添加した場合は、磁気抵抗効
果の熱劣化の防止に効果がないことがわかる。
にくい元素であるAg,B,Bi,C,Co,Cr,F
e,Hg,Ir,Li,Mo,Na,Nb,Pb,V,
Pt,Zrを添加した場合は、磁気抵抗効果の熱劣化が
防止されることがわかる。また、磁性体層に固溶しやす
い元素であるAl,Tiを添加した場合は、磁気抵抗効
果の熱劣化の防止に効果がないことがわかる。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気抵抗効果膜においては、高温下での磁気抵抗効果
特性の劣化が生じにくくなり、巨大磁気抵抗効果が安定
に得られるようになる。
の磁気抵抗効果膜においては、高温下での磁気抵抗効果
特性の劣化が生じにくくなり、巨大磁気抵抗効果が安定
に得られるようになる。
【図1】本発明を適用した人工格子膜構造の磁気抵抗効
果膜の一例を示す要部拡大断面図である。
果膜の一例を示す要部拡大断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気抵抗効果膜の作製に使用
したスパッタリング装置の一構成例を示す概略斜視図で
ある。
したスパッタリング装置の一構成例を示す概略斜視図で
ある。
【図3】導体層の主成分がCuである人工格子膜構造の
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのAgの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのAgの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
【図4】導体層の主成分がCuである人工格子膜構造の
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのPtの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのPtの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
【図5】導体層の主成分がAgである人工格子膜構造の
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのCuの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化率
の変化を、導体層へのCuの添加量を変えて測定した結
果を示す特性図である。
【図6】本発明を適用したスピンバルブ構造の磁気抵抗
効果膜の一例を示す要部拡大断面図である。
効果膜の一例を示す要部拡大断面図である。
【図7】導体層の主成分がCuであるスピンバルブ構造
の磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化
率の変化を、導体層へのAgの添加量を変えて測定した
結果を示す特性図である。
の磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気抵抗変化
率の変化を、導体層へのAgの添加量を変えて測定した
結果を示す特性図である。
【図8】磁性体層の主成分がFeNiCoである人工格
子膜構造の磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気
抵抗変化率の変化を、磁性体層へのAgの添加量を変え
て測定した結果を示す特性図である。
子膜構造の磁気抵抗効果膜に熱処理を施したときの磁気
抵抗変化率の変化を、磁性体層へのAgの添加量を変え
て測定した結果を示す特性図である。
1 基板 2 導体層 3 磁性体層 4 真空容器 5,6 ターゲット 7,8 シャッタ 9 ターンテーブル 10 基板 11 基板 12 磁性体層 13 導体層 14 磁性体層 15 反強磁性体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 10/14 H01L 43/02 Z
Claims (7)
- 【請求項1】 導体層と磁性体層とが交互に積層されて
なる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において、 導体層が、Cu,Ag,Crより選ばれる元素を主成分
とし、且つ、これら主成分である元素に対する固溶上限
が室温において1%以下の添加元素を0.1〜30原子
%含むことを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項2】 磁性体層と導体層と磁性体層とがこの順
に積層されてなるスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜に
おいて、 導体層が、Cu,Ag,Crより選ばれる元素を主成分
とし、且つ、これら主成分である元素に対する固溶上限
が室温において1%以下の添加元素を0.1〜30原子
%含むことを特徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項3】 導体層の主成分がCuであり、導体層に
含まれる添加元素がAg,B,Bi,C,Co,Fe,
Hg,Ir,Mo,Na,Nb,Pb,Pt,V,Zr
より選ばれる元素であることを特徴とする請求項1又は
請求項2に記載の磁気抵抗効果膜。 - 【請求項4】 導体層の主成分がAgであり、導体層に
含まれる添加元素がBe,Bi,Co,Cr,Cu,F
e,Ge,Ir,Ni,Pb,Si,Uより選ばれる元
素であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
の磁気抵抗効果膜。 - 【請求項5】 導体層と磁性体層とが交互に積層されて
なる人工格子膜構造の磁気抵抗効果膜において、 磁性体層が、Fe,Co,Niを主成分とし、且つ、こ
れら主成分である元素に対する固溶上限が室温において
1%以下の添加元素を0.1〜30原子%含むことを特
徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項6】 磁性体層と導体層と磁性体層とがこの順
に積層されてなるスピンバルブ構造の磁気抵抗効果膜に
おいて、 磁性体層が、Fe,Co,Niを主成分とし、且つ、こ
れら主成分である元素に対する固溶上限が室温において
1%以下の添加元素を0.1〜30原子%含むことを特
徴とする磁気抵抗効果膜。 - 【請求項7】 磁性体層に添加される添加元素が、A
g,B,Bi,C,Co,Cr,Fe,Hg,Ir,L
i,Mo,Na,Nb,Pb,V,Pt,Zrより選ば
れる元素であることを特徴とする請求項5又は請求項6
に記載の磁気抵抗効果膜。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6200881A JPH0849063A (ja) | 1994-05-30 | 1994-08-25 | 磁気抵抗効果膜 |
| EP95108223A EP0685746A3 (en) | 1994-05-30 | 1995-05-29 | Magnetic resistance effect arrangement with improved thermal resistance. |
| KR1019950013794A KR100442753B1 (ko) | 1994-05-30 | 1995-05-30 | 내열성이개선된자기저항효과소자 |
| US08/453,788 US5903708A (en) | 1994-05-30 | 1995-05-30 | Magneto-resistance effect device with improved thermal resistance |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6-117089 | 1994-05-30 | ||
| JP11708994 | 1994-05-30 | ||
| JP6200881A JPH0849063A (ja) | 1994-05-30 | 1994-08-25 | 磁気抵抗効果膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0849063A true JPH0849063A (ja) | 1996-02-20 |
Family
ID=26455270
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6200881A Withdrawn JPH0849063A (ja) | 1994-05-30 | 1994-08-25 | 磁気抵抗効果膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0849063A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08288569A (ja) * | 1995-04-11 | 1996-11-01 | Nec Corp | 磁気抵抗効果素子 |
| JPH0997935A (ja) * | 1995-09-30 | 1997-04-08 | Nec Corp | 磁気抵抗効果素子 |
| US6905780B2 (en) | 2001-02-01 | 2005-06-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Current-perpendicular-to-plane-type magnetoresistive device, and magnetic head and magnetic recording-reproducing apparatus using the same |
| US7821748B2 (en) | 2005-09-29 | 2010-10-26 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magneto-resistance effect element including a damping factor adjustment layer, magneto-resistance effect head, magnetic storage and magnetic memory |
-
1994
- 1994-08-25 JP JP6200881A patent/JPH0849063A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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