JPH0849119A - チタン酸ナトリウム繊維の製造方法 - Google Patents
チタン酸ナトリウム繊維の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】チタン酸ナトリウム繊維の溶融法による製造工
程の改良。特に繊維塊の解繊処理を容易化し、繊維の折
損・粉化を防止すると共に、補強繊維等として好適な繊
維サイズを有するチタン酸ナトリウム繊維製造する。 【構成】TiO2 とK2 Oを含む出発原料組成物(Ti
O2 /K2 Oのモル比=1.5〜2.5)を加熱溶融す
る工程、溶融物を冷却して二チタン酸カリウム繊維の繊
維塊を得た後、湿式解繊すると共に繊維中のKイオン全
量を溶出する工程、ついで苛性ソーダ水溶液等で繊維中
にNaイオンを吸着させる(吸着量は8.5重量%以
上)工程、および結晶構造を変換する焼成処理(900
〜1250℃)を経てチタン酸ナトリウムの板状多結晶
繊維を得る。
程の改良。特に繊維塊の解繊処理を容易化し、繊維の折
損・粉化を防止すると共に、補強繊維等として好適な繊
維サイズを有するチタン酸ナトリウム繊維製造する。 【構成】TiO2 とK2 Oを含む出発原料組成物(Ti
O2 /K2 Oのモル比=1.5〜2.5)を加熱溶融す
る工程、溶融物を冷却して二チタン酸カリウム繊維の繊
維塊を得た後、湿式解繊すると共に繊維中のKイオン全
量を溶出する工程、ついで苛性ソーダ水溶液等で繊維中
にNaイオンを吸着させる(吸着量は8.5重量%以
上)工程、および結晶構造を変換する焼成処理(900
〜1250℃)を経てチタン酸ナトリウムの板状多結晶
繊維を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動部材の基材,プラ
スチックの補強材,樹脂塗料充填材等として有用なチタ
ン酸ナトリウム繊維の製造方法に関する。
スチックの補強材,樹脂塗料充填材等として有用なチタ
ン酸ナトリウム繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】六チタン酸ナトリウムに代表されチタン
酸ナトリウムの繊維(Na2 O・n H 2 O,n =1〜
6)は、耐摩耗性,耐熱性,断熱性,補強性等に優れた
合成無機化合物繊維であり、近時はアスベスト繊維代替
品として、多方面の工学的応用が試みられている。六チ
タン酸ナトリウム繊維は、酸化チタン(TiO2 )また
は加熱により酸化チタンとなるチタン化合物と、酸化ナ
トリウム(Na2 O)または加熱により酸化ナトリウム
となるナトリウム化合物との混合物を出発原料として製
造される。その工業的製造法の一つとして知られる溶融
法によれば、出発原料を、TiO 2 /Na2 Oのモル比
が約3となる組成に調製して加熱溶融し、溶融物を冷却
して三チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti3 O7 )か
らなる繊維塊を得、繊維塊を湿式解繊処理した後、酸水
溶液で繊維中のNaイオンの一部を溶出することによ
り、六チタン酸ナトリウム相当の化学組成をもつ水和チ
タン酸ナトリウムに組成変換し、ついで焼成処理する工
程を経て、目的とする六チタン酸ナトリウム繊維が得ら
れる。
酸ナトリウムの繊維(Na2 O・n H 2 O,n =1〜
6)は、耐摩耗性,耐熱性,断熱性,補強性等に優れた
合成無機化合物繊維であり、近時はアスベスト繊維代替
品として、多方面の工学的応用が試みられている。六チ
タン酸ナトリウム繊維は、酸化チタン(TiO2 )また
は加熱により酸化チタンとなるチタン化合物と、酸化ナ
トリウム(Na2 O)または加熱により酸化ナトリウム
となるナトリウム化合物との混合物を出発原料として製
造される。その工業的製造法の一つとして知られる溶融
法によれば、出発原料を、TiO 2 /Na2 Oのモル比
が約3となる組成に調製して加熱溶融し、溶融物を冷却
して三チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti3 O7 )か
らなる繊維塊を得、繊維塊を湿式解繊処理した後、酸水
溶液で繊維中のNaイオンの一部を溶出することによ
り、六チタン酸ナトリウム相当の化学組成をもつ水和チ
タン酸ナトリウムに組成変換し、ついで焼成処理する工
程を経て、目的とする六チタン酸ナトリウム繊維が得ら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記製造法において
は、出発原料の加熱溶融処理に約1300℃もの高温を
必要とするため、溶解装置の腐食損傷によるメインテナ
ンスの負担が大きい。また、溶融物を冷却して得られる
繊維塊の解繊は困難であり、強い攪拌作用を付加した強
制的な解繊処理を必要とする。このため、解繊処理中に
繊維の折損や粉化を生じ易く、最終製品繊維の形状・サ
イズのバラツキが大きくなり、また繊維の収率も低い。
しかも、Naイオンの溶出処理には多量の酸が必要であ
り、Naイオンの溶出量の制御がやや困難である。本発
明は、溶融法によるチタン酸ナトリウム繊維の製造工程
および繊維品質に関する上記問題を解決することを目的
としてなされたものである。
は、出発原料の加熱溶融処理に約1300℃もの高温を
必要とするため、溶解装置の腐食損傷によるメインテナ
ンスの負担が大きい。また、溶融物を冷却して得られる
繊維塊の解繊は困難であり、強い攪拌作用を付加した強
制的な解繊処理を必要とする。このため、解繊処理中に
繊維の折損や粉化を生じ易く、最終製品繊維の形状・サ
イズのバラツキが大きくなり、また繊維の収率も低い。
しかも、Naイオンの溶出処理には多量の酸が必要であ
り、Naイオンの溶出量の制御がやや困難である。本発
明は、溶融法によるチタン酸ナトリウム繊維の製造工程
および繊維品質に関する上記問題を解決することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のチタン酸ナトリ
ウム繊維の製造方法は、TiO2 または加熱によりTi
O2 を生成するチタン化合物と、K2 Oまたは加熱によ
るK2 Oを生成するカリウム化合物を、TiO2 /K2
Oのモル比が1.5〜2.5となる割合に配合した混合
物を加熱溶融し、加熱溶融物を冷却して二チタン酸カリ
ウム繊維からなる繊維塊を得、繊維塊を、液中に浸漬し
て解繊すると共に、繊維中のKイオンの全量を溶出する
ことにより、水和二チタン酸の多結晶繊維を得、上記水
和二チタン酸繊維を、Naイオンを含む溶液で処理する
ことにより、水和二チタン酸結晶の層間に、8.5重量
%ないしそれ以上のNaイオンを吸着させた後、温度9
00〜1250℃で焼成処理することを特徴としてい
る。
ウム繊維の製造方法は、TiO2 または加熱によりTi
O2 を生成するチタン化合物と、K2 Oまたは加熱によ
るK2 Oを生成するカリウム化合物を、TiO2 /K2
Oのモル比が1.5〜2.5となる割合に配合した混合
物を加熱溶融し、加熱溶融物を冷却して二チタン酸カリ
ウム繊維からなる繊維塊を得、繊維塊を、液中に浸漬し
て解繊すると共に、繊維中のKイオンの全量を溶出する
ことにより、水和二チタン酸の多結晶繊維を得、上記水
和二チタン酸繊維を、Naイオンを含む溶液で処理する
ことにより、水和二チタン酸結晶の層間に、8.5重量
%ないしそれ以上のNaイオンを吸着させた後、温度9
00〜1250℃で焼成処理することを特徴としてい
る。
【0005】
【作用】本発明の製造方法における出発原料は、チタン
化合物とカリウム化合物とを、TiO2 /K2 O(モル
比)が1.5〜2.5となる割合に混合して調製される
ので、加熱溶融処理は、約1150℃以下の比較的低い
温度域で達成される。加熱溶融物を冷却して得られる繊
維塊の繊維は、二チタン酸カリウム結晶であり、このも
のは層状構造を有し、水中に浸漬して活発な水和反応を
生起するので、解繊処理は容易に達成され、繊維の折損
・粉化を招くような強制解繊処理を必要としない。本発
明によるチタン酸ナトリウム繊維(一般式「Na2 O・
n H2 O」で表される。n =1〜6)は、Naイオンの
吸着処理における吸着量により異なる結晶相を有し、六
チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti6 O13) 、五チタ
ン酸四ナトリウム繊維(Na2 Ti4 O9 ) ,または三
チタン酸ナトリウム繊維(Na4 Ti5 O12) 等、ある
いはこれらの複合繊維として得られる。繊維は形状サイ
ズのバラツキの少ない板状多結晶繊維であり、繊維径約
10〜60μm,長さ約80〜400μm,アスペクト
比約2〜10である。
化合物とカリウム化合物とを、TiO2 /K2 O(モル
比)が1.5〜2.5となる割合に混合して調製される
ので、加熱溶融処理は、約1150℃以下の比較的低い
温度域で達成される。加熱溶融物を冷却して得られる繊
維塊の繊維は、二チタン酸カリウム結晶であり、このも
のは層状構造を有し、水中に浸漬して活発な水和反応を
生起するので、解繊処理は容易に達成され、繊維の折損
・粉化を招くような強制解繊処理を必要としない。本発
明によるチタン酸ナトリウム繊維(一般式「Na2 O・
n H2 O」で表される。n =1〜6)は、Naイオンの
吸着処理における吸着量により異なる結晶相を有し、六
チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti6 O13) 、五チタ
ン酸四ナトリウム繊維(Na2 Ti4 O9 ) ,または三
チタン酸ナトリウム繊維(Na4 Ti5 O12) 等、ある
いはこれらの複合繊維として得られる。繊維は形状サイ
ズのバラツキの少ない板状多結晶繊維であり、繊維径約
10〜60μm,長さ約80〜400μm,アスペクト
比約2〜10である。
【0006】次に本発明の製造方法について工程順に説
明する。 〔出発原料の調製〕出発原料は、TiO2 または加熱に
よりTiO2 を生成するチタン化合物(例えば、精製ア
ナターゼ, 酸化チタン水和物, 天然ルチル鉱石等) と、
K2 Oまたは加熱によりK2 Oを生成するカリウム化合
物(例えば,炭酸カリウム,炭酸水素カリウム,水酸化
カリウム等)を配合することにより調製される。出発原
料のTiO2 /K2 O(モル比)を、1.5〜2.5と
しているのは、この組成範囲において、加熱溶融を比較
的低温域で達成でき、かつ初生相繊維である二チタン酸
カリウム繊維を効率よく生成させることができるからで
ある。
明する。 〔出発原料の調製〕出発原料は、TiO2 または加熱に
よりTiO2 を生成するチタン化合物(例えば、精製ア
ナターゼ, 酸化チタン水和物, 天然ルチル鉱石等) と、
K2 Oまたは加熱によりK2 Oを生成するカリウム化合
物(例えば,炭酸カリウム,炭酸水素カリウム,水酸化
カリウム等)を配合することにより調製される。出発原
料のTiO2 /K2 O(モル比)を、1.5〜2.5と
しているのは、この組成範囲において、加熱溶融を比較
的低温域で達成でき、かつ初生相繊維である二チタン酸
カリウム繊維を効率よく生成させることができるからで
ある。
【0007】〔加熱溶融おおび溶融物の冷却凝固処理〕
出発原料の加熱溶融処理は、融点以上の温度域に適当時
間(概ね、0.5〜4Hr)加熱保持することにより達
成される。加熱温度は原料の配合組成比により異なる
が、約950〜1150℃であり、約1150℃を越え
る高温加熱は必要としない。加熱溶融生成物を、適当な
容器(例えば,銅製ベセル)に移し冷却凝固することに
より、初生相として繊維状の二チタン酸カリウム結晶が
束状に集合した繊維塊を得る。
出発原料の加熱溶融処理は、融点以上の温度域に適当時
間(概ね、0.5〜4Hr)加熱保持することにより達
成される。加熱温度は原料の配合組成比により異なる
が、約950〜1150℃であり、約1150℃を越え
る高温加熱は必要としない。加熱溶融生成物を、適当な
容器(例えば,銅製ベセル)に移し冷却凝固することに
より、初生相として繊維状の二チタン酸カリウム結晶が
束状に集合した繊維塊を得る。
【0008】〔解繊処理〕繊維塊は、水中に適当時間
(約1夜)浸漬することにより、二チタン酸カリウム結
晶の水和膨潤反応に伴う結晶の層間の剥離・劈開を生
じ、効率よく解繊を達成する。所望により解繊促進のた
めの攪拌を加えることができるが、緩和な攪拌でよく、
繊維同士を剪断力の作用で強制的に分離させるような強
い攪拌は必要としない。このため、繊維の折損・粉化等
は少なく、高アスペクト比を有する繊維サイズの揃った
均質な多結晶繊維が得られる。
(約1夜)浸漬することにより、二チタン酸カリウム結
晶の水和膨潤反応に伴う結晶の層間の剥離・劈開を生
じ、効率よく解繊を達成する。所望により解繊促進のた
めの攪拌を加えることができるが、緩和な攪拌でよく、
繊維同士を剪断力の作用で強制的に分離させるような強
い攪拌は必要としない。このため、繊維の折損・粉化等
は少なく、高アスペクト比を有する繊維サイズの揃った
均質な多結晶繊維が得られる。
【0009】〔Kイオン溶出処理〕酸水溶液、例えば
0.8%以上の硫酸水溶液,0.8%以上の塩酸等を処
理液とし、これに上記二チタン酸カリウム繊維を浸漬す
ることにより、繊維中のKイオンの全量を溶出する。所
望により、溶出促進のための緩和な攪拌流が加えられ
る。このKイオンの溶出処理には、二チタン酸ナトリウ
ム繊維からNaイオンを溶出させる場合のような多量の
酸の消費を必要せず、また溶出量の制御も比較的容易で
ある。これは二チタン酸カリウム結晶(TiO5 の連続
層状構造を有する)が水和反応を生じ易いことによる。
0.8%以上の硫酸水溶液,0.8%以上の塩酸等を処
理液とし、これに上記二チタン酸カリウム繊維を浸漬す
ることにより、繊維中のKイオンの全量を溶出する。所
望により、溶出促進のための緩和な攪拌流が加えられ
る。このKイオンの溶出処理には、二チタン酸ナトリウ
ム繊維からNaイオンを溶出させる場合のような多量の
酸の消費を必要せず、また溶出量の制御も比較的容易で
ある。これは二チタン酸カリウム結晶(TiO5 の連続
層状構造を有する)が水和反応を生じ易いことによる。
【0010】〔ナトリウム吸着処理〕Kイオンを溶出し
た水和チタン酸繊維に対するNaイオンの吸着量(繊維
のナトリウム含有量)を、8.5重量%以上とするの
は、吸着量がそれに満たないと、その後の焼成工程にお
いてチタニア結晶の析出を伴い、チタン酸ナトリウム結
晶単相の繊維を得ることができなくなるからである。N
aイオン吸着量が8.5重量%(TiO2 /Na2 O=
6.0)である場合、これを焼成処理して得られる最終
繊維は、六チタン酸ナトリウム結晶(Na2 Ti
6 O13)繊維である。Naイオン吸着量を更に高める
と、六チタン酸ナトリウム結晶以外のチタン酸ナトリウ
ム繊維が得られ、例えば吸着量約15.2重量%の場合
は、三チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti3 O7 )、
吸着量約17.6重量%の場合は、五チタン酸四ナトリ
ウム繊維(Na4 Ti5 O12)が得られ、吸着量をそれ
らの中間領域に調節した場合は、複数の結晶相が混在す
る複合繊維、例えば吸着量が約12重量%の場合は、六
チタン酸ナトリウム結晶と三チタン酸ナトリウム結晶と
からなる繊維が得られる。Naイオン吸着処理は、水酸
化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等を処理液
とし、これに適当時間浸漬することにより達成される。
Naイオンの吸着量は、処理液の濃度,液量,pH,処
理時間等により制御することができる。
た水和チタン酸繊維に対するNaイオンの吸着量(繊維
のナトリウム含有量)を、8.5重量%以上とするの
は、吸着量がそれに満たないと、その後の焼成工程にお
いてチタニア結晶の析出を伴い、チタン酸ナトリウム結
晶単相の繊維を得ることができなくなるからである。N
aイオン吸着量が8.5重量%(TiO2 /Na2 O=
6.0)である場合、これを焼成処理して得られる最終
繊維は、六チタン酸ナトリウム結晶(Na2 Ti
6 O13)繊維である。Naイオン吸着量を更に高める
と、六チタン酸ナトリウム結晶以外のチタン酸ナトリウ
ム繊維が得られ、例えば吸着量約15.2重量%の場合
は、三チタン酸ナトリウム繊維(Na2 Ti3 O7 )、
吸着量約17.6重量%の場合は、五チタン酸四ナトリ
ウム繊維(Na4 Ti5 O12)が得られ、吸着量をそれ
らの中間領域に調節した場合は、複数の結晶相が混在す
る複合繊維、例えば吸着量が約12重量%の場合は、六
チタン酸ナトリウム結晶と三チタン酸ナトリウム結晶と
からなる繊維が得られる。Naイオン吸着処理は、水酸
化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等を処理液
とし、これに適当時間浸漬することにより達成される。
Naイオンの吸着量は、処理液の濃度,液量,pH,処
理時間等により制御することができる。
【0011】〔焼成処理〕Naイオンを吸着した繊維
は、化学組成的には、チタン酸ナトリウム結晶に相当す
る組成を有しているが、結晶構造は、先駆体である二チ
タン酸カリウムの結晶構造の名残りをとどめている。焼
成処理は、これをチタン酸ナトリウム結晶に構造変換す
る処理である。焼成処理は、900〜1250℃の温度
域に加熱保持することにより達成される。処理温度の下
限を900℃とするのは、それより低い温度では、得ら
れる複合繊維の結晶性が悪く、化学的に不安定であるか
らであり、1250℃を上限とするのは、六チタン酸ナ
トリウム結晶の溶融を防止するためである。結晶構造の
変換反応は、上記温度域に数分間保持することにより達
成されるが、処理時間は結晶粒の焼結とそれによる繊維
強度とも関係するので、繊維強度を高める点から数時間
(例えば1〜5Hr)の処理を行うのが望ましい。
は、化学組成的には、チタン酸ナトリウム結晶に相当す
る組成を有しているが、結晶構造は、先駆体である二チ
タン酸カリウムの結晶構造の名残りをとどめている。焼
成処理は、これをチタン酸ナトリウム結晶に構造変換す
る処理である。焼成処理は、900〜1250℃の温度
域に加熱保持することにより達成される。処理温度の下
限を900℃とするのは、それより低い温度では、得ら
れる複合繊維の結晶性が悪く、化学的に不安定であるか
らであり、1250℃を上限とするのは、六チタン酸ナ
トリウム結晶の溶融を防止するためである。結晶構造の
変換反応は、上記温度域に数分間保持することにより達
成されるが、処理時間は結晶粒の焼結とそれによる繊維
強度とも関係するので、繊維強度を高める点から数時間
(例えば1〜5Hr)の処理を行うのが望ましい。
【0012】
〔1〕出発原料の調製 精製アナターゼ粉末(純度:99%)と、炭酸カリウム
粉末(純度:99%)とを、TiO2 /K2 O(モル
比)が2となる割合に配合し均一に混合。 〔2〕加熱溶融および溶融物の冷却凝固 出発原料を白金ルツボに入れ、加熱炉内で1100℃に
1時間加熱保持。溶融物を銅皿に流し込み、冷却・凝固
させることにより、二チタン酸カリウム繊維からなる繊
維塊を得る。。
粉末(純度:99%)とを、TiO2 /K2 O(モル
比)が2となる割合に配合し均一に混合。 〔2〕加熱溶融および溶融物の冷却凝固 出発原料を白金ルツボに入れ、加熱炉内で1100℃に
1時間加熱保持。溶融物を銅皿に流し込み、冷却・凝固
させることにより、二チタン酸カリウム繊維からなる繊
維塊を得る。。
【0013】〔3〕湿式解繊およびKイオン溶出処理 繊維塊を水中に浸漬し一夜放置して解繊を達成。つい
で、工業用硫酸(62.5%)を添加し、繊維中のKイ
オンの全量を溶出して水和チタン酸繊維を得る。液量:
固形分に対し100倍量(重量)、硫酸添加量:固形分
に対し80重量%、処理時間:4Hr。
で、工業用硫酸(62.5%)を添加し、繊維中のKイ
オンの全量を溶出して水和チタン酸繊維を得る。液量:
固形分に対し100倍量(重量)、硫酸添加量:固形分
に対し80重量%、処理時間:4Hr。
【0014】〔4〕Naイオンの吸着処理 水和チタン酸繊維を脱水・乾燥(80℃,一晩)の後、
吸着処理に付す。 処理液:水に工業用苛性ソーダ(水酸化ナトリウム48
%水溶液)を添加して調製。 液量 :50倍(固形分に対する重量比,固形分に対す
る工業用苛性ソーダ量は55重量%) 処理時間:4Hr 〔5〕焼成処理 Na吸着処理液から回収した繊維を、脱水,乾燥(200
℃−1Hr)の後、温度1050℃(処理時間:2Hr)で
焼成。
吸着処理に付す。 処理液:水に工業用苛性ソーダ(水酸化ナトリウム48
%水溶液)を添加して調製。 液量 :50倍(固形分に対する重量比,固形分に対す
る工業用苛性ソーダ量は55重量%) 処理時間:4Hr 〔5〕焼成処理 Na吸着処理液から回収した繊維を、脱水,乾燥(200
℃−1Hr)の後、温度1050℃(処理時間:2Hr)で
焼成。
【0015】得られた繊維は次のとおりである。 Na含有量:約8.5重量% 結晶構造 :六チタン酸ナトリウム(Na2 Ti
6 O13)単相 形状サイズ:板状多結晶繊維(直径25μm,長さ15
0μm,アスペクト比6,(平均)。
6 O13)単相 形状サイズ:板状多結晶繊維(直径25μm,長さ15
0μm,アスペクト比6,(平均)。
【0016】
【発明の効果】本発明方法によれば、出発原料の加熱溶
融を比較的低温度域で行うことができ、溶解設備の腐食
損傷が少なく、メンテナンスが軽減される。また、溶融
物を冷却して得られる繊維塊の解繊が容易であり、解繊
処理での繊維の折損・粉化が抑制防止され、繊維の形状
サイズの均質性が高められる。得られるチタン酸ナトリ
ウム繊維は、例えば摩擦材の基材繊維,プラスチック補
強材,樹脂塗料の充填材等として有用であり、極微細の
単結晶繊維と異なってやや大きめの板状多結晶繊維であ
るので、ウィスカ等のような使用上の不具合(例えば、
樹脂中への均一な混練の困難、環境衛生上有害とされて
いる極微細繊維片の発生)の問題が回避され、また高ア
スペクト比であることにより補強効果にも優れている。
融を比較的低温度域で行うことができ、溶解設備の腐食
損傷が少なく、メンテナンスが軽減される。また、溶融
物を冷却して得られる繊維塊の解繊が容易であり、解繊
処理での繊維の折損・粉化が抑制防止され、繊維の形状
サイズの均質性が高められる。得られるチタン酸ナトリ
ウム繊維は、例えば摩擦材の基材繊維,プラスチック補
強材,樹脂塗料の充填材等として有用であり、極微細の
単結晶繊維と異なってやや大きめの板状多結晶繊維であ
るので、ウィスカ等のような使用上の不具合(例えば、
樹脂中への均一な混練の困難、環境衛生上有害とされて
いる極微細繊維片の発生)の問題が回避され、また高ア
スペクト比であることにより補強効果にも優れている。
Claims (1)
- 【請求項1】 TiO2 または加熱によりTiO2 を生
成するチタン化合物と、K2 Oまたは加熱によるK2 O
を生成するカリウム化合物を、TiO2 /K 2 Oのモル
比が1.5〜2.5となる割合に配合した混合物を加熱
溶融し、 加熱溶融物を冷却して二チタン酸カリウム繊維からなる
繊維塊を得、 繊維塊を、液中に浸漬して解繊すると共に、繊維中のK
イオンの全量を溶出することにより、水和二チタン酸の
多結晶繊維を得、 上記水和二チタン酸繊維を、Naイオンを含む溶液で処
理することにより、水和二チタン酸結晶の層間に、8.
5重量%ないしそれ以上のNaイオンを吸着させた後、 温度900〜1250℃で焼成処理することを特徴とす
るチタン酸ナトリウム多結晶繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6181130A JP3028398B2 (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | チタン酸ナトリウム繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6181130A JP3028398B2 (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | チタン酸ナトリウム繊維の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0849119A true JPH0849119A (ja) | 1996-02-20 |
| JP3028398B2 JP3028398B2 (ja) | 2000-04-04 |
Family
ID=16095403
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6181130A Expired - Fee Related JP3028398B2 (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | チタン酸ナトリウム繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3028398B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8178072B2 (en) | 2007-10-15 | 2012-05-15 | Toho Titanium Co., Ltd. | Method of manufacturing alkali metal titanate |
-
1994
- 1994-08-02 JP JP6181130A patent/JP3028398B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US8178072B2 (en) | 2007-10-15 | 2012-05-15 | Toho Titanium Co., Ltd. | Method of manufacturing alkali metal titanate |
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| JP3028398B2 (ja) | 2000-04-04 |
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