JPH0849845A - カラー画像を利用した燃焼判定・制御方法および判定・制御装置 - Google Patents

カラー画像を利用した燃焼判定・制御方法および判定・制御装置

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JPH0849845A
JPH0849845A JP6204275A JP20427594A JPH0849845A JP H0849845 A JPH0849845 A JP H0849845A JP 6204275 A JP6204275 A JP 6204275A JP 20427594 A JP20427594 A JP 20427594A JP H0849845 A JPH0849845 A JP H0849845A
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Eiichiro Nanbu
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泰充 黒崎
Yuichi Miyamoto
裕一 宮本
Kazuki Ogura
一樹 小倉
Isao Tsukimoto
功 月本
Hiroshi Fujiyama
博 藤山
Norio Toyoshima
則雄 豊嶋
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英隆 宮崎
Yoshinobu Mori
芳信 森
Motohiro Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 時間遅れが実用上問題とならない程度に低減
される燃焼判定方法および判定装置を提供する。 【構成】 燃焼状態をカラー画像で撮像し、その画像か
ら燃焼状態に大きくかかわっている特定の表色系の色度
座標から求められる特徴パラメータを燃焼室出口温度T
などのプロセス状態量とともに、ニューラルネットワー
ク手段42に入力して典型的な燃焼状態との適合度を求
め、燃焼状態を評価するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼判定・制御方法およ
び判定・制御装置に関する。さらに詳しくは、カラー画
像を利用した燃焼判定・制御方法および判定・制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ごみ焼却炉やボイラ等の燃焼
装置においては、燃焼が正しくなされているか否かをみ
るために、燃焼状態の判定や燃焼診断がなされている。
これは燃焼が正しくなされていない場合には、NOX
COや煤塵が発生し、大気汚染の原因となるからであ
る。また、この判定結果や診断結果を用いて燃焼制御を
行い、NOXやCOや煤塵の発生を抑制することがなさ
れている。
【0003】この燃焼判定方法および判定装置あるいは
燃焼診断方法および診断装置に関しては、従来より種々
の提案がなされている。
【0004】例えば、特開平1ー263414号公報に
は、バーナの燃焼状態を診断する燃焼診断方法におい
て、火炎の形状及び燃焼のプロセス量を計測し、火炎の
形状と燃焼のプロセス量との相関関係を表すモデルを同
定し、前記モデルを用いて火炎の形状から燃焼のプロセ
ス量を推定することを特徴とする火炎形状計測による燃
焼診断方法が提案されている。
【0005】しかしながら、特開平1ー263414号
公報の提案にかかわる燃焼診断方法においては、NOX
やCOやO2や灰中未燃分等の測定に時間がかかる燃焼
のプロセス量の計測が必要となるために、燃焼診断に相
当の時間遅れを伴うということになる。かかる時間遅れ
は、例えばストーカ炉による燃焼方式のように燃焼に数
十分を要する場合にはさほど問題にはならないが、例え
ば流動床炉のように燃焼が十数秒でなされる場合には、
診断結果が実際の燃焼にマッチしないという問題を生ず
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点に鑑みなされたものであって、時間遅れが実
用上問題とならない程度に低減される燃焼判定方法およ
び判定装置を提供することを主たる目的とし、さらにそ
の結果を用いた燃焼制御方法および燃焼制御装置を提供
することをも目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる従来
技術の問題点に対し鋭意研究した結果、燃焼状態に応じ
て火炎の輝度ばかりでなく色彩も変化するが、これらの
変化が燃焼状態と相関関係を有し、その相関関係がある
特定の表色系の色度座標から求められる特徴パラメータ
に依存していることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の第1発明は、プロセス
状態量を計測する手順と、燃焼状態をカラー画像で撮像
する手順と、得られたカラー画像を画像処理して赤成
分、緑成分および青成分の3成分画像に分けて第1画像
メモリに格納する手順と、格納された赤成分、緑成分お
よび青成分の3成分画像の表色系の変換を行う手順と、
前記表色系変換後の画像から燃焼状態に大きくかかわっ
ている特徴パラメータを抽出する手順と、抽出された特
徴パラメータおよびプロセス状態量をニューラルネット
ワークの入力として用い、典型的な燃焼状態との適合度
を求める手順とを含んでなることを特徴とするカラー画
像を利用した燃焼判定方法に関する。
【0009】ここで、前記プロセス状態量は、例えば燃
焼室出口O2濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口
温度とされる。
【0010】本発明の第1発明においては、撮像された
カラー画像から火炎の領域を分離する手順が付加されて
なるのが好ましい。また、前記適合度を確率的に統合処
理して燃焼状態を評価する手順が付加されてなるのがさ
らに好ましい。
【0011】本発明の第2発明は、前記燃焼判定方法に
よる燃焼判定または評価結果を用いて燃焼制御がなされ
ることを特徴とするカラー画像を利用した燃焼制御方法
に関する。
【0012】より具体的には、前記燃焼制御により、空
気供給量、1次空気量および2次空気量の割合、燃焼室
内への注水量または燃料供給量が調整される。
【0013】本発明の第3発明の第1態様は、プロセス
状態量入力処理手段とカラー画像撮像手段と表色系変換
手段と特徴パラメータ抽出手段とニューラルネットワー
ク手段とを備え、前記表色系変換手段により、撮像され
た画像の表色系の変換がなされ、前記特徴パラメータ抽
出手段により、変換された表色系の成分値に基づいて特
徴パラメータが抽出され、前記ニューラルネットワーク
手段により、前記プロセス状態量入力手段からのプロセ
ス状態量および特徴パラメータに基づいて、典型的な燃
焼状態との適合度が算出されて燃焼状態が評価されるこ
とを特徴とするカラー画像を利用した燃焼判定装置に関
する。
【0014】本発明の第3発明の第2態様は、プロセス
状態量入力処理手段とカラー画像撮像手段と表色系変換
手段と特徴パラメータ抽出手段とニューラルネットワー
ク手段と確率的統合処理手段とを備え、前記表色系変換
手段により、撮像された画像の表色系の変換がなされ、
前記特徴パラメータ抽出手段により、変換された表色系
の成分値に基づいて特徴パラメータが抽出され、前記ニ
ューラルネットワーク手段により、前記プロセス状態量
入力手段からのプロセス状態量および特徴パラメータに
基づいて、典型的な燃焼状態との適合度が算出され、前
記確率的統合処理手段により、算出された適合度が確率
的に処理されて燃焼状態が評価されることを特徴とする
カラー画像を利用した燃焼判定装置に関する。
【0015】ここで、前記プロセス状態量は、燃焼室出
口O2濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口温度と
される。
【0016】本発明の第4発明の第1態様は、プロセス
状態量入力処理手段とカラー画像撮像手段と表色系変換
手段と特徴パラメータ抽出手段とニューラルネットワー
ク手段と燃焼制御処理手段とプロセス制御量出力処理手
段とを備え、前記表色系変換手段により、撮像された画
像の表色系の変換がなされ、前記特徴パラメータ抽出手
段により、変換された表色系の成分値に基づいて特徴パ
ラメータが抽出され、前記ニューラルネットワーク手段
により、前記プロセス状態量入力手段からのプロセス状
態量および特徴パラメータに基づいて、典型的な燃焼状
態との適合度が算出されて燃焼状態が評価され、前記燃
焼制御処理手段により、前記燃焼状態の評価に基づいて
プロセス制御量が算出され、前記プロセス制御量出力処
理手段により、前記プロセス制御量に対し所定の処理が
なされて出力されることを特徴とするカラー画像を利用
した燃焼制御装置に関する。
【0017】本発明の第4発明の第2態様は、プロセス
状態量入力処理手段とカラー画像撮像手段と表色系変換
手段と特徴パラメータ抽出手段とニューラルネットワー
ク手段と確率的統合処理手段と燃焼制御処理手段とプロ
セス制御量出力処理手段とを備え、前記表色系変換手段
により、撮像された画像の表色系の変換がなされ、前記
特徴パラメータ抽出手段により、変換された表色系の成
分値に基づいて特徴パラメータが抽出され、前記ニュー
ラルネットワーク手段により、前記プロセス状態量入力
手段からのプロセス状態量および特徴パラメータに基づ
いて、典型的な燃焼状態との適合度が算出され、前記確
率的統合処理手段により、算出された適合度が確率的に
処理されて燃焼状態が評価され、前記燃焼制御処理手段
により、前記燃焼状態の評価に基づいてプロセス制御量
が算出され、前記プロセス制御量出力処理手段により、
前記プロセス制御量に対し所定の処理がなされて出力さ
れることを特徴とするカラー画像を利用した燃焼制御装
置に関する。
【0018】ここで、前記プロセス状態量は、例えば燃
焼室出口O2濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口
温度であり、前記プロセス制御量は、例えば空気供給
量、1次空気量および2次空気量の割合、燃焼室内への
注水量または燃料供給量に関するものとされる。
【0019】
【作用】燃焼室出口O2濃度、燃焼室炉内圧力、燃焼室
出口温度などのプロセス状態量を計測するとともに、燃
焼状態のカラー画像を撮像し、得られたカラー画像から
赤、緑および青の各色成分からなる3成分画像を作成
し、この3成分画像に対し表色系の変換を行い、ついで
この表色系変換後の画像から燃焼状態に大きくかかわっ
ている特徴パラメータを抽出し、これらプロセス状態量
および特徴パラメータをニューラルネットワークに入力
する。ニューラルネットワークでは、入力されたプロセ
ス状態量および特徴パラメータに基づいて、典型的な燃
焼状態との適合度を求めて燃焼状態の判定または評価が
される。しかるに、燃焼状態のカラー画像の撮像は時間
遅れなくしてなされているので、その画像を利用した燃
焼状態の判定または評価は、実用上、時間遅れがない。
また、得られた適合度を確率的に統合処理して燃焼状態
の評価を行う本発明の好ましい態様においては、確率的
に統合処理しているので、例えば火炎の揺らぎや燃焼む
らにより短時間の間に画像が不規則に変化しても、信頼
性の高い判定または評価がなし得る。
【0020】さらに、この判定または評価結果を用いて
燃焼制御、例えば空気供給量、1次空気量および2次空
気量の割合、燃焼室内への注水量または燃料供給量など
の調整を行えば、前述のごとく、判定が時間遅れがなく
なされているので、燃焼状態に即応させて燃焼制御がな
し得る。すなわち、最適な燃焼制御がなし得る。
【0021】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明を実
施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
【0022】本発明の燃焼判定・制御方法に用いる燃焼
判定・制御装置の機能ブロック図を図1に示し、同判定
・制御装置Aは、カラー画像撮像手段10と、表色系変
換手段22と、特徴パラメータ抽出手段24と、プロセ
ス状態量入力処理手段32と、ニューラルネットワーク
手段42と、確率的統合処理手段44と、燃焼制御処理
手段46と、プロセス制御量出力処理手段34とを主要
部としてなる。
【0023】カラー画像撮像手段10は燃焼を撮像する
ものであって、例えばカラーテレビカメラとされる。こ
のカラー画像撮像手段10により撮像されたカラー画像
は、信号ケーブルによりNTSCなどの複合カラー画像
信号、あるいはRGB3原色成分組合せ信号(以下、単
にRGB信号という)にて表色系変換手段22に入力さ
れる。
【0024】表色系変換手段22は入力された信号の表
色系の変換を行うものである。より具体的には、入力さ
れたカラー画像信号に対して次のような処理がなされ
る。まず、入力されたカラー画像信号をRGB画像メモ
リ(第1画像メモリ)に記憶する。入力された信号が複
合カラー画像信号の場合には、RGB信号に変換した
後、このRGB画像メモリに記憶する。ついで、RGB
画像メモリに記憶されたRGB表色系の画像データから
表色系の変換、例えばYIQ表色系への変換を行い、各
画素ごとに各成分値、例えば(Y,I,Q)を算出す
る。
【0025】特徴パラメータ抽出手段24は、得られた
新しい表色系での成分値から1画面の燃焼状態を表す特
徴パラメータを抽出するものである。例えば、I,Qの
1画面当りの平均値を算出して、その値を特徴パラメー
タとして抽出するものである。これら抽出された特徴パ
ラメータの値は、プロセス状態量入力処理手段32から
のプロセス状態量とともにニューラルネットワーク手段
42に入力される。なお、特徴パラメータを抽出する際
には、より的確に燃焼状態を判断できるようにするため
に、火炎の領域のみを分離する前処理を行うのが好まし
い。この火炎の領域の分離は、例えば、輝度を表すY成
分値に対して閾値処理を施すことによりなされる。より
具体的には、Y成分値がある一定値以上の領域を火炎の
領域とし、一定値未満の領域をその他の背景領域として
処理するものである。
【0026】ここで、前記RGB表色系からYIQ表色
系への変換は、下記数1によりなされる。
【0027】
【数1】
【0028】プロセス状態量入力処理手段32は、燃焼
制御装置からプロセス信号として入力される燃焼室出口
2濃度、燃焼室炉内圧力、燃焼室出口温度等のプロセ
ス状態量の信号形態の処理を行い、燃焼判定・制御装置
Aの処理に適した信号に変換するものである。プロセス
状態量入力処理手段32は、例えば入力インターフェー
スとされる。
【0029】ニューラルネットワーク手段42は、入力
されたプロセス状態量の値および特徴パラメータの値に
基づいて、典型的な燃焼状態との適合度を求めて、例え
ば燃焼悪化、燃焼適正、燃焼活発というような判定また
は評価を行うものである。そして、その判定または評価
結果は、確率的統合処理手段44に入力される。なお、
確率的統合処理手段44が設けられていない場合には、
判定または評価結果がそのまま出力される。
【0030】ここで、このニューラルネットワーク手段
42は、例えば図2に示すように、入力層と中間層と出
力層とから構成され、そしてこの各層は複数の処理ユニ
ットから構成されている。この各処理ユニットは、次層
および前層の間で学習により定められる重み係数でもっ
て結合され、また各処理ユニットは前層からの入力の総
和をとる加算器と学習により定められる閾値を持った閾
値関数を有している。このニューラルネットワークの学
習においては、入力パターン(教師入力)と目標出力パ
ターン(教師出力)対が提示される。この提示の直後
に、ネットワークの出力と目標出力との間の差が減少す
るように、重みと閾値の調整がなされる。学習に際して
は、入力パターンと目標パターンの対の集合である学習
用集合を用い、ネットワークにはこれを繰返し提示す
る。この学習が終了すると、ネットワークの動作テスト
がなされる。
【0031】これをより具体的に説明すると、この学習
においては、順伝播ステップと、その後に実行される逆
伝播ステップとがある。この順伝播ステップおよび逆伝
播ステップは、いずれも学習中にパターンの提示がなさ
れるたびに実行される。順伝播ステップは、ネットワー
クの入力層への入力パターンの提示で始まり、活性レベ
ルの計算が中間層を通じて順伝播していく間継続する。
それぞれの層の全ての処理ユニット(図2では○印で示
す)は、入力の総和を求め、閾値関数により出力を計算
する。それからユニットの出力層がネットワークの出力
を行う。
【0032】ついで、ネットワークの出力パターンと目
標出力パターンとの比較がなされ、それに差異があると
きに逆伝播ステップが開始される。逆伝播ステップで
は、各層のユニットの閾値と重み変化分の計算がなされ
るが、これを出力層から始めて中間層へと順番に逆方向
にたどっていく。この逆伝播ステップでは、ネットワー
クは観測された差異が減少されるように、重みと閾値と
の調整がなされる。
【0033】このような学習がなされるので、ネットワ
ークからの出力パターンは、基本的には、最終的に目標
出力パターンに概ね一致するようになる。
【0034】確率的統合処理手段44は、カラー画像撮
像手段10による撮像が、覗き窓を通してなされるため
に、燃焼領域の全域を撮像することができず、そのた
め、例えば火炎の揺らぎや燃焼むらにより、時間の隔た
りがあまりない画像について異なった判定や評価なされ
るのを防ぐ処理を行うものである。この処理をより具体
的に説明すれば次のようになる。
【0035】ニューラルネットワーク手段42の出力パ
ターンが、例えば燃焼悪化、燃焼適正、燃焼活発のそれ
ぞれのパターンとの適合度として出力されるため、ある
燃焼状態が2以上のパターン、例えば燃焼悪化、燃焼適
正の両パターンとも適合度がある閾値以上で出力される
場合がある。かかる状態に対して、確率的統合処理手段
44は、Dempster & Shaferの確率理論を用いて、複数
の支持信号に対する信頼度区間を計算し、適合度間のあ
いまいさの定量化を図って、最も信頼性の高いと判断さ
れる評価結果を出力する。
【0036】燃焼制御処理手段46は、前記燃焼状態の
評価結果に応じて、空気供給量、燃料供給量、燃焼室内
への注水量などのプロセス制御量を算出するものであ
る。
【0037】プロセス制御量出力処理手段34は、燃焼
制御装置へプロセス信号として出力される空気供給量、
燃料供給量、燃焼室内への注水量などのプロセス制御量
の信号形態の処理を行い、燃焼制御装置による処理に適
した信号に変換するものである。このプロセス制御量出
力処理手段46は、例えば出力インターフェースとされ
る。
【0038】なお、これら表色系変換手段22、特徴パ
ラメータ抽出手段24、ニューラルネットワーク手段4
2、確率的統合処理手段44および燃焼制御処理手段4
6は、具体的には、例えばボードコンピュータに前記機
能に対応させたプログラムを格納することにより実現さ
れる。
【0039】以下、より具体的な実施例に基づいて本発
明をより詳細に説明する。
【0040】実施例 本実施例に用いられる燃焼判定・制御装置の概略図を図
3に示す。同判定・制御装置Aは、ケーブルを介して接
続されているカラーテレビカメラ10で撮像されたカラ
ー画像を処理して燃焼状態の評価および燃焼制御を行う
ものである。
【0041】カラーテレビカメラ10の構成については
特に限定はなく、従来よりカラー画像の撮像のために用
いられている各種カラーテレビカメラとすることができ
る。
【0042】燃焼判定・制御装置Aは、データバスによ
り接続されている、プロセス状態量入力処理手段32お
よびプロセス制御量出力処理手段34として機能するプ
ロセス信号入出力処理部30と、表色系変換手段22お
よび特徴パラメータ抽出手段24として機能する画像処
理部20と、ニューラルネットワーク手段42、確率的
統合処理手段44および燃焼制御処理手段46として機
能する人工知能処理部40とを有している。そのため、
画像処理部20は、例えば画像入力ボードと第1画像メ
モリボード(RGB画像メモリ)と高速演算ボードと第
2画像メモリボードと画像処理CPUボードとを有し、
人工知能処理部40は、例えばニューラルネットワーク
と確率的統合処理部と燃焼制御処理部とを有している。
なお、試験段階におけるプログラムの修正等の便宜のた
めに、この燃焼状態判定・制御装置Aの人工知能処理部
40には、開発支援コンピュータ50が接続されるよう
にされている。
【0043】しかして、カラーテレビカメラ10からの
カラー画像は画像入力ボードでRGB表色系の色度値に
変換された後、第1画像メモリボードに格納され、つい
で高速演算ボードによりRGB表色系からYIQ表色系
への変換されて、その成分値が算出される。ついでその
成分値に基づいて特徴パラメータが抽出される。この抽
出された特徴パラメータは第2画像メモリに格納され
る。なお、ここでは特徴パラメータは、Y、I、Qのそ
れぞれの成分値とされている。さらに、この抽出された
特徴パラメータの値はプロセス状態量、例えば燃焼室出
口温度とともに、画像処理CPUボードにより人工知能
処理部40のニューラルネットワークに入力される。
【0044】ニューラルネットワークは、入力された特
徴パラメータの値およびプロセス状態量に基づいて燃焼
悪化、燃焼適正、燃焼活発等の評価を行う(図4参
照)。図5に、その評価結果の一例を示す。図5から明
らかなように、燃焼悪化と燃焼活発という異なった評価
結果になっているのがわかる。そのため、Dempster &Sh
aferの確率理論を用いて確率的統合処理を行う。すなわ
ち、燃焼悪化のときの適合度、燃焼適正のときの適合度
および燃焼活発のときの適合度をそれぞれfb,fs,f
aとおき、また統合適合度をそれぞれfbA,fBa…fbsA
とおくと、統合適合度fxYおよびfxyZは各々の下記式
により求められる。 fxY=(1−fx)・fy/(1−fx・fy) fxyZ=(1−fx)・fyZ/(1−fx・fyZ
【0045】ここに、 fbA:fb,faからの燃焼活発適合度 fBa:fb,faからの燃焼悪化適合度 ・ ・ ・ fbsA:fb,fs,faからの燃焼活発適合度 x,y,z:a,b,cのいずれかであって、互いに異
なるものである。X,Y,Z:A,B,Cのいずれかで
あって、互いに異なるものである。
【0046】前記統合適合度に関する式により、図5の
場合の燃焼状態を判定する。図5から、fbは0.16
と読み取れ、またfaは0.94と読み取れる。これら
の値を前記式に代入して計算すると、統合適合度fbA
Baはそれぞれ0.929および0.011となる。し
たがって、燃焼活発と評価される。
【0047】次に、ニューラルネットワークの評価結果
と、燃焼室の特性変化との対応関係につき調査した。そ
の結果を図6に示す。図6より、燃焼悪化との信号が出
力された後には燃焼室出口O2濃度増大およびCO濃度
増大が認められ、また燃焼活発との信号が出力された後
には燃焼室出口O2濃度低下およびCO濃度増大が認め
られる。したがって、ニューラルネットワークによる評
価と実際の燃焼とがマッチしているのがわかる。また、
特性変化の計測値よりも先行して燃焼状態が判定されて
いるので、実用上時間遅れなく燃焼状態が判定されてい
るといえる。
【0048】なお、このニューラルネットワークの学習
は、この人工知能処理部40に接続されている開発支援
コンピュータ50を用いて行った。以下、その学習内容
について説明する。
【0049】ここで用いたニューラルネットワークは、
入力層、中間層および出力層からなる階層的ニューラル
ネットワークで構成される。中間層の各セルは、全ての
入力層と接続されている。また、出力層の各セルも全て
の中間層のセルと接続されている。そして、各セルの出
力値Oiは、下記式のジグモイド関数で表される。 Oi=1/(1+exp(−Σωijj))
【0050】ここで、ωijはセルjからセルiへの結合
係数であり、教示データを用いた学習により値が定めら
れる。
【0051】学習には、バックプロパゲーション法を用
い、教示データTiが与えられると、ωijの修正量は下
記式で求められる。 Δωij(k)=αδji+βΔωij(k−1) δj=(Ti−Oi)Oi(1−Oi
【0052】ここで、kは繰返し回数を示す。
【0053】また、燃焼状態を判定するためのニューラ
ルネットワークへの入力として、前述したように、画像
処理部20の出力Y,I,Qの成分値(特徴パラメー
タ)と燃焼室出口ガス温度Tとを用いた。
【0054】なお、画像処理部20の出力および燃焼室
出口ガス温度の時間的な変化も重要な情報であるため、
各々1秒ごとの値を30点計測し、それらもニューラル
ネットワークへの入力とした。
【0055】学習のための教示用データ群として下記に
示す構成の時系列データを、運転後のトレンドデータ
(図6参照)のCO値、O2値から探索し、燃焼悪化、
燃焼適正、燃焼活発の3種について、合計73パターン
を抽出し、ニューラルネットワークの教示を3000回
繰り返した。その結果、得られたニューラルネットワー
クの教示パターンに対するエラーは0.59%となっ
た。
【0056】教示データ例 (1)ニューラルネットワーク入力データパターン NI1 :Y11,Y12…Y130,I11,I12…I130
Q11,Q12…Q130,T11,T12…T130 ・ ・ ・ NIi :Yi1,Yi2…Yi30,Ii1,Ii2…Ii30
Qi1,Qi2…Qi30,Ti1,Ti2…Ti30 ・ ・ ・ NI73:Y731,Y732…Y7330,I731,I732
7330,Q731,Q732…Q7330,T731,T732…T7330
【0057】(2)ニューラルネットワーク出力データ
パターン NO1 :燃焼悪化 ・ ・ ・ NOi :燃焼適正 ・ ・ ・ NO73:燃焼活発
【0058】しかして、燃焼制御処理部では、COの発
生を抑制するために、前記燃焼状態の評価結果に応じ
て、例えば、供給空気量、燃料供給量、燃焼室内への注
水量に対して、次のような処理がなされる。
【0059】(1)燃焼悪化と判定された場合 燃焼が悪化した場合には、急冷により反応が凍結され、
かつ高温での平衡組成ガス排出されることによりCOが
発生するので、次の処理がなされる。
【0060】1次空気量 1次空気量を増加する。これにより層燃焼を一時的に活
発とし、層温度および燃焼室温度を上昇させる。
【0061】2次空気量 2次空気量を減少する。これにより燃焼室の冷却が抑え
られ、燃焼室温度が上昇する。
【0062】燃料供給量 燃料供給量を増加する。これにより燃料減少による燃焼
悪化が回避される。
【0063】燃焼室内への注水量 燃焼室内への注水量を増加する。これにより下記に示す
水谷のCO酸化反応式における水分項が増加してCOの
酸化が促進され、CO濃度が低下する。 -d〔CO〕/dt=1.2x1011〔CO〕〔O20.3〔H2O〕0.5exp(-
8050/T)
【0064】(2)燃焼活発と判定された場合 燃焼が活発になった場合には、混合が一様でなく、局所
的に燃料過濃ガス塊が排出されることによりCOが発生
するので、次の処理がさなれる。
【0065】1次空気量 1次空気量を増加する。これにより、ガス混合を促進す
るとともに、O2不足を解消する。
【0066】2次空気量 2次空気量を増加する。これにより燃焼室でのガス混合
を促進するとともに、O2不足を解消する。
【0067】燃料供給量 燃料供給量を減少する。これにより適正燃料量に移行さ
せる。
【0068】燃焼室内への注水量 燃焼室内への注水量を増加する。これにより前記CO酸
化反応式における水分項が増加してCOの酸化が促進さ
れ、COの濃度が低下する。
【0069】次に、前記要領に従って、例えば確率的統
合処理部の燃焼悪化あるいは燃焼活発の評価に対して、
2次空気量を図6(d)に示すように、減少あるいは増
加させると、図6(b)に示すように、COの発生が抑
制されるのがわかる。
【0070】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
ては、燃焼室出口温度および燃焼室出口O2濃度、燃焼
室炉内圧力などのプロセス状態量とともに、燃焼状態の
カラー画像を画像処理して特徴パラメータを抽出し、そ
れらの値をニューラルネットワークに入力して燃焼状態
の判定または評価を行っているので、実質上、時間遅れ
を生じさせることなく燃焼状態の的確な判定または評価
がなし得るという優れた効果が得られる。
【0071】本発明の好ましい態様においては、判定ま
たは評価結果を確率的に統合処理して燃焼状態を判定ま
たは評価しているので、火炎の揺らぎや燃焼むらにより
短時間の間に画像が不規則的に変動しても、かかる変動
に影響されずに燃焼状態を的確に判定または評価できる
という優れた効果が得られる。
【0072】さらに、本発明による燃焼制御において
は、前記判定または評価に応じて、空気供給量、1次空
気と2次空気と比率、燃焼室内への注水量、燃料供給量
等のプロセス制御量の調整を行っているので、燃焼状態
の変化に即応でき、そのためCOの抑制等が図られた低
公害燃焼を可能とし、大気汚染が防止されるという優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼状態判定・制御方法に用いる判定
・制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明に用いられるニューラルネットワークの
説明図である。
【図3】本発明の実施例にかかわる燃焼状態判定・制御
装置のブロック図である。
【図4】実施例におけるニューラルネットワークの説明
図である。
【図5】実施例における評価結果の一例を示すグラフで
ある。
【図6】実施例における評価結果と燃焼特性との関係を
示すグラフであって、同(a)はニューラルネットワー
クの出力、同(b)はCO濃度、同(c)はO2濃度、
同(d)は2次空気量を示す。
【符号の説明】
10 カラー画像撮像手段、カラーテレビカメ
ラ 20 画像処理部 22 表色系変換手段 24 特徴パラメータ抽出手段 30 プロセス信号入出力処理部 32 プロセス状態量入力処理手段 34 プロセス制御量出力処理手段 40 人工知能処理部 42 ニューラルネットワーク手段 44 確率的統合処理手段 46 燃焼制御処理部 50 開発支援コンピュータ A 燃焼判定・制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 23/02 T 7531−3H 301 T 7531−3H G06F 15/18 550 E 8837−5L G06T 1/00 7/00 (72)発明者 黒崎 泰充 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 宮本 裕一 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 小倉 一樹 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 月本 功 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 藤山 博 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 豊嶋 則雄 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 宮崎 英隆 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 森 芳信 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内 (72)発明者 井上 基広 明石市川崎町1番1号 川崎重工業株式会 社明石工場内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス状態量を計測する手順と、燃焼
    状態をカラー画像で撮像する手順と、得られたカラー画
    像を画像処理して赤成分、緑成分および青成分の3成分
    画像に分ける手順と、得られた赤成分、緑成分および青
    成分からなる3成分画像の表色系の変換を行う手順と、
    前記表色系変換後の画像から燃焼状態に大きくかかわっ
    ている特徴パラメータを抽出する手順と、抽出された特
    徴パラメータおよびプロセス状態量をニューラルネット
    ワークの入力として用い、典型的な燃焼状態との適合度
    を求める手順とを含んでなることを特徴とするカラー画
    像を利用した燃焼判定方法。
  2. 【請求項2】 前記プロセス状態量が、燃焼室出口O2
    濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口温度であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカラー画像を利用した燃
    焼判定方法。
  3. 【請求項3】 撮像されたカラー画像から火炎の領域を
    分離する手順が付加されてなることを特徴とする請求項
    1または2記載のカラー画像を利用した燃焼判定方法。
  4. 【請求項4】 前記適合度を確率的に統合処理して燃焼
    状態を評価する手順が付加されてなることを特徴とする
    請求項1、2または3記載のカラー画像を利用した燃焼
    判定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の燃焼判
    定方法による燃焼判定または評価結果を用いて燃焼制御
    がなされることを特徴とするカラー画像を利用した燃焼
    制御方法。
  6. 【請求項6】 前記燃焼制御が、空気供給量、1次空気
    量および2次空気量の割合、燃焼室内への注水量または
    燃料供給量を調整することによりなされることを特徴と
    する請求項5記載のカラー画像を利用した燃焼制御方
    法。
  7. 【請求項7】 プロセス状態量入力処理手段とカラー画
    像撮像手段と表色系変換手段と特徴パラメータ抽出手段
    とニューラルネットワーク手段とを備え、前記表色系変
    換手段により、撮像された画像の表色系の変換がなさ
    れ、前記特徴パラメータ抽出手段により、変換された表
    色系の成分値に基づいて特徴パラメータが抽出され、前
    記ニューラルネットワーク手段により、前記プロセス状
    態量入力手段からのプロセス状態量および特徴パラメー
    タに基づいて、典型的な燃焼状態との適合度が算出され
    て燃焼状態が評価されることを特徴とするカラー画像を
    利用した燃焼判定装置。
  8. 【請求項8】 プロセス状態量入力処理手段とカラー画
    像撮像手段と表色系変換手段と特徴パラメータ抽出手段
    とニューラルネットワーク手段と確率的統合処理手段と
    を備え、前記表色系変換手段により、撮像された画像の
    表色系の変換がなされ、前記特徴パラメータ抽出手段に
    より、変換された表色系の成分値に基づいて特徴パラメ
    ータが抽出され、前記ニューラルネットワーク手段によ
    り、前記プロセス状態量入力手段からのプロセス状態量
    および特徴パラメータに基づいて、典型的な燃焼状態と
    の適合度が算出され、前記確率的統合処理手段により、
    算出された適合度が確率的に処理されて燃焼状態が評価
    されることを特徴とするカラー画像を利用した燃焼判定
    装置。
  9. 【請求項9】 前記プロセス状態量が、燃焼室出口O2
    濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口温度であるこ
    とを特徴とする請求項7または8記載のカラー画像を利
    用した燃焼判定装置。
  10. 【請求項10】 プロセス状態量入力処理手段とカラー
    画像撮像手段と表色系変換手段と特徴パラメータ抽出手
    段とニューラルネットワーク手段と燃焼制御処理手段と
    プロセス制御量出力処理手段とを備え、前記表色系変換
    手段により、撮像された画像の表色系の変換がなされ、
    前記特徴パラメータ抽出手段により、変換された表色系
    の成分値に基づいて特徴パラメータが抽出され、前記ニ
    ューラルネットワーク手段により、前記プロセス状態量
    入力手段からのプロセス状態量および特徴パラメータに
    基づいて、典型的な燃焼状態との適合度が算出されて燃
    焼状態が評価され、前記燃焼制御処理手段により、前記
    燃焼状態の評価に基づいてプロセス制御量が算出され、
    前記プロセス制御量出力処理手段により、前記プロセス
    制御量に対し所定の処理がなされて出力されることを特
    徴とするカラー画像を利用した燃焼制御装置。
  11. 【請求項11】 プロセス状態量入力処理手段とカラー
    画像撮像手段と表色系変換手段と特徴パラメータ抽出手
    段とニューラルネットワーク手段と確率的統合処理手段
    と燃焼制御処理手段とプロセス制御量出力処理手段とを
    備え、前記表色系変換手段により、撮像された画像の表
    色系の変換がなされ、前記特徴パラメータ抽出手段によ
    り、変換された表色系の成分値に基づいて特徴パラメー
    タが抽出され、前記ニューラルネットワーク手段によ
    り、前記プロセス状態量入力手段からのプロセス状態量
    および特徴パラメータに基づいて、典型的な燃焼状態と
    の適合度が算出され、前記確率的統合処理手段により、
    算出された適合度が確率的に処理されて燃焼状態が評価
    され、前記燃焼制御処理手段により、前記燃焼状態の評
    価に基づいてプロセス制御量が算出され、前記プロセス
    制御量出力処理手段により、前記プロセス制御量に対し
    所定の処理がなされて出力されることを特徴とするカラ
    ー画像を利用した燃焼制御装置。
  12. 【請求項12】 前記プロセス状態量が、燃焼室出口O
    2濃度、燃焼室炉内圧力、または燃焼室出口温度であ
    り、前記プロセス制御量が、空気供給量、1次空気量お
    よび2次空気量の割合、燃焼室内への注水量または燃料
    供給量に関するものであることを特徴とする請求項10
    または11記載のカラー画像を利用した燃焼制御装置。
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