JPH08500171A - 発電サイクルにおける効率と生産性を向上させるための方法及び装置 - Google Patents
発電サイクルにおける効率と生産性を向上させるための方法及び装置Info
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Abstract
(57)【要約】
より高い効率で熱エネルギを機械エネルギへ変換するための方法及び装置である。この方法においては、作動流体を蒸気に変換するのに十分な量の熱エネルギを貯蔵容器12内の作動流体へ加え、次に蒸気状態の作動流体を、その中のエネルギを機械的な仕事に変換するための発電機などの装置16へ通す。そのあと、作動流体は貯蔵容器12へ循環される。このプロセスの効率を向上させるために、作動流体のおおよその分子量よりも大きくない分子量を有する気体(He)を貯蔵容器12内の作動流体へ加え、貯蔵容器の下流において作動流体から分離する。
Description
【発明の詳細な説明】
発電サイクルにおける効率と生産性を向上させるための方法及び装置
[発明の背景]
この発明は、それに限定されるわけではないが、特に発電の分野において、作
動流体を利用して熱エネルギを機械エネルギへ変換する分野に関する。
有効な仕事(useful work)を行うためには、エネルギの形態を変える必要、
すなわち、例えば位置エネルギから運動エネルギへ、あるいは熱エネルギから機
械エネルギへ、機械エネルギから電気エネルギへ、電気エネルギから機械エネル
ギへと、形態を変える必要がある。実験的に示されているこうしたエネルギ形態
すべての等価性によって、エネルギは発生することも消滅することもなく、形態
を変えても常に一定であるという、熱力学の第1法則が導かれる。従って、エネ
ルギを一つの形態から別の形態へと変換するときには、所望するエネルギ形態の
生産性を最大限に大きくし、一方では他の形態でのエネルギ損失を最小限に抑え
るために、その変換プロセスの効率を上げる努力がなされる。
機械エネルギと、電気エネルギと、運動エネルギとは、非常に高い効率で相互
に変換を行えるエネルギ形態である。しかし、熱エネルギはそうではない。温度
Tの熱エネルギを機械的な仕事に変換しようとすると、そのプロセスの効率は1
−T0/Tに制限される。ただし、T0は周囲温度である。変換することができる
この有効なエネルギは、エクセルギ(exergy)と呼ばれる。一方、エクセルギに
変換することができないエネルギ形態はアネルギ(anergy)と呼ばれる。従って
、熱力学の第1法則は、エクセルギとアネルギの和は常に一定であると言い換え
ることができる。
さらに、プロセスがある決められた方向に進み、反対の方向には進まないとい
うことを述べている熱力学の第2法則は、アネルギをエクセルギに変換すること
は不可能である、と言い換えることができる。
熱力学プロセスは非可逆なものと可逆なものとに分けることができる。非可逆
プロセスにおいては、なされた仕事はゼロであり、エクセルギはアネルギに変換
される。可逆プロセスにおいては、可能な最大限の仕事がなされる。
エネルギ変換は第2法則に基づいており、エクセルギがもはや利用できないエ
ネルギ形態であるアネルギに変換されるまえに、エクセルギを最大限に利用する
ことである。言い換えれば、プロセスの可逆性をできる限り維持するような条件
を作り出す必要がある。
この発明は、特に発電の分野において熱エネルギを機械エネルギへ変換するこ
とに関する。発電プロセスは効率に関して大きな問題を抱えている。このプロセ
スにおいては、熱は作動流体へと変換され、作動流体は可逆サイクルにおいて、
温度、圧力、体積に関する一連の変動を被る。理想的な再生サイクルはカルノー
(Carnot)サイクルとして知られている。しかし、他にも多くのサイクルが用い
られている。特に、ランキン(Rankine)サイクルがそうであり、またアトキン
ソン(Atkinson)サイクル、エリクソン(Ericsson)サイクル、ブレイトン(Br
ayton)サイクル、ディーゼル(Diesel)サイクル、ルノワール(Lenoir)サイ
クルもある。これらのサイクルのどれかを利用して、気体状態の作動流体はその
エネルギを機械エネルギへ変換するための装置へ通される。作動流体のエネルギ
を機械エネルギへ変換するための装置には、タービンその他の様々な熱機関装置
がある。どの場合にも、作動流体が有効な機械仕事を行うにつれて、流体の体積
は増加し、その温度及び圧力は減少する。サイクルの残りは作動流体の温度や圧
力を増大させることに関係し、有用な機械仕事をさらに行う。図1A〜図1Jは
、幾つかの代表的なサイクルに対するP−V図及びT−S図を示している。
作動流体は有効な仕事を行うためのサイクルの重要な部分であることから、多
くのプロセスが知られている。こうしたプロセスにおいては、そのプロセスから
得ることのできる仕事を多くするために、作動流体を改良している。例えば、米
国特許第4,439,988号には、気体状の作動流体をタービンの中に注入するための
エゼクタ(ejector)を利用したランキンサイクルが開示されている。このエゼ
クタを利用して軽い気体を作動流体の中に注入することによって、作動流体を加
熱して蒸気化したあと、タービンは、主要な作動流体のみの場合に必要とされる
よりも小さな圧力低下でもって、利用可能なエネルギを抽出することのできるこ
とがわかった。そして、作動流体の温度はかなり低下し、タービンを低温環境下
で
動作させることが可能になる。使用される軽い気体としては、水素、ヘリウム、
窒素、空気、水蒸気、あるいは作動流体よりも小さな分子量を有する有機化合物
を用いることができる。
米国特許第4,196,594号には、アルゴンやヘリウムなどの希ガスを、熱機関に
おいて機械的な仕事を行うために使用される水蒸気などの気体状の作動流体の中
へ注入することが開示されている。添加が行われた蒸気は作動流体よりも小さな
H値を有する。H値とはCpを定圧比熱、Cvを定積比熱とすると、Cp/Cvであ
る。
米国特許第4,876,855号には、ランキンサイクルの電力プラントに対する作動
流体が開示されている。作動流体は極性化合物と非極性化合物からなっている。
極性化合物は非極性化合物の分子量よりも小さな分子量を有している。
熱エネルギの機械エネルギへの変換を考えるときに、きわめて重要な熱力学特
性がエンタルピである。エンタルピは、内部エネルギと、圧力と体積の積の和、
すなわちH=U+PVである。単位質量当りのエンタルピは、内部エネルギと、
圧力と比体積との積の和、すなわちh=u+Pvである。圧力がゼロに近づくに
つれて、すべての気体は理想気体に近づき、内部エネルギの変化は比熱Cp0と温
度変化dTの積である。“理想的な”エンタルピの変化は、Cp0と温度変化の積
であり、dh=Cp0dTである。圧力がゼロよりも大きいときには、エンタルピ
の変化は”実際の”エンタルピを表している。
理想的なエンタルピと実際のエンタルピの差を、作動流体の臨界温度で割った
ものは、残留エンタルピとして知られている。
本出願人は、システムのそれまでの設計で必要とされる温度及び圧力条件の範
囲内において、システムの実際のエンタルピの変化を増大させることができれば
、可逆プロセスからより大きな効率を得ることができるということを理論付けた
。これは、“残留”エンタルピを解放し、基本的にはシステムのエクセルギの損
失を低下(slow down)させるような方法によって多分実現が可能であると考え
られる。
作動流体の別の非常に重要な特性は圧縮因子Zである。この圧縮因子は現実気
体の挙動を理想気体の挙動と関係付けるものである。圧力(P)、体積(V)、
温度(T)の様々な条件下における理想気体の挙動は、状態方程式
PV=nMRT
によって与えられる。ただし、nは気体のモル数であり、Mは分子量であり、R
しているわけではない。現実気体においては、
PV=ZnMRT または Pv=ZRT
であることがわかっている。ただし、Zは圧縮因子であり、vは比体積すなわち
V/nMである。理想気体に対してはZは1に等しく、現実気体に対しては圧縮
因子は圧力及び温度によって変わる。様々な気体に対して圧縮因子は異なるよう
に見えるけれども、圧縮因子を同じ換算温度と同じ換算圧力の関数として求めれ
ば、圧縮因子はほぼ一定であることがわかっている。換算温度とは、温度と臨界
温度との比T/Tcであり、換算圧力とは圧力と臨界圧力との比P/Pcである。
臨界温度及び臨界圧力とは、物質の液相と気相との間のメニスカスが消え、その
物質が単一の連続した流体相を形成するところの温度及び圧力である。
本出願人はまた、作動流体の圧縮因子を改良することによって、より大きな体
積膨張を実現することができることを理論付けた。
本出願人はさらに、作動流体のエンタルピと圧縮の両方を増加させることので
きる物質を見つけることができることを理論付けた。
[発明の概要]
従って、この発明の目的は、システムの残留エンタルピを解放して、熱エネル
ギの機械エネルギへの変換効率を向上させることである。
この発明の別の目的は、作動流体の膨張を大きくして、作動流体によってなさ
れる仕事を増やすことである。
こうした目的及びその他の目的を達成するために、この発明は以下のような、
熱エネルギを機械エネルギへ変換するためのプロセスに関係している。すなわち
、このプロセスでは、貯蔵容器の中の作動流体に熱エネルギが加えられて流体が
蒸気の形態に変換され、蒸気の状態の作動流体がその中のエネルギを機械的な仕
事に変換するための装置へ通される。このとき、作動流体の膨張は大きくなり、
温度は低下する。次に、膨張し温度が下がった作動流体は貯蔵容器へ循環される
。
本出願人は、貯蔵容器中の作動流体へ気体を添加することによってこのプロセ
スの効率を向上させられることを発見した。添加する気体は、作動流体のおおよ
その分子量を越えない大きさの分子量を有する。従って、作動流体と気体との分
子量は、作動流体のみのおおよその分子量よりも著しく大きくなることはない。
気体はそのあと貯蔵容器の外部において作動流体から分離され、貯蔵容器中の作
動流体へ循環される。
作動流体が水である場合には、このプロセスにおいて使用するのに好ましい気
体は水素とヘリウムである。水素は効率の点で若干利点があるが、ある状況にお
いては安全性の点でいくらか不利である。従って、ヘリウムが実際の応用におい
ては好ましい。
貯蔵容器内の作動流体に気体を添加することの実際的な効果は、エンタルピの
変化が非常に大きくなること、従って与えられた温度及び圧力において流体が被
る膨張が非常に大きくなることである。この膨張が大きいということを考慮する
と、ある決められた熱エネルギ入力に対して、より大きな機械的仕事を行うこと
ができる。あるいは、ある決められた量の仕事を行うための熱エネルギ量を減ら
すことができる。どちらにしても、プロセスの効率はかなり向上する。
[実施例の説明]
この発明の案出するにおいて、本出願人は、作動流体を貯蔵容器の中で加熱す
るとき、与えられた温度範囲における実際のエンタルピの変化は、“触媒”物質
を作動流体へ添加すると、より大きくなることを理論付けた。その場合、触媒物
質が存在すると、仕事を行うのに利用可能な熱がさらに多くなる。また、触媒が
ない場合の同じシステムと比べて、任意の与えられた温度において圧力が増加す
る。触媒のない場合の同じシステムに比べて、任意の与えられた圧力において温
度を下げることができる。
本出願人は、蒸気を重量比で5%という少量の“触媒”気体と組み合わせるこ
とによって、その結果できる気体の圧縮因子が大きく変わるということを理論付
けした。蒸気といろいろな気体との組合せに対して計算された圧縮因子が図2に
示されている。図2に示されている与えられた換算圧力範囲すなわち0.1から
10以上まででは、蒸気のみの場合が最もZが小さい。気体を様々な比率で添加
することによって圧縮因子Zを大きくすることができるが、重い気体であるXe
、Kr、Arを添加したときの変化は比較的小さい。しかし、水素あるいはヘリ
ウムを蒸気に添加すると、圧縮因子の変化はかなり劇的である。このグラフの範
囲の中央部分を拡大したものが図3に示されている。図3からわかるように、1
より大きく約1.5より小さい範囲の換算圧力で動作させたときには、蒸気に5
%のヘリウムを添加すると圧縮因子は約50%増大する。この範囲で蒸気に水素
を添加すると、圧縮因子は約80%増大する。基本的には、少量の触媒物質を蒸
気に添加すると、蒸気は理想気体にずっと近い作用を行い、与えられた温度範囲
において利用可能なエネルギ出力を大きく増加させることができる。
このZの増大は図4にも示されている。図4には、コンピュータ生成グラフが
、換算圧力と換算温度の両方の関数として三次元的に示されている。臨界温度と
臨界圧力をともに越えたところで動作させることによって、Zの増大はさらに劇
的なものになる。
以下の式において、圧力、体積、分子量、定数(R)に対する下付きの添え字
“a”は蒸気のみに関する特性を表すものとし、下付きの添え字“w”は触媒物
質を加えた蒸気に関する特性を表すものとする。圧縮因子の定義から
及び
であることがわかる。上の式を組み合わせると、以下のようになる。
そして、もしP及びTが両方のシステムにおいて同じであれば、それらは式から
なくなって、上の式は
となる。しかし、理論的にはZwはZaよりも大きいか、あるいは等しいことを既
に示した。従って、
すなわち
しかし、我々はまた、
及び、
であることを知っている。これらの関係を式(7)と組み合わせると、
あるいは
を得る。我々はまた、
及び
であることも知っている。ただし、Vaは蒸気の標準の体積膨張であり、Vwは触
媒物質を加えた蒸気の体積膨張である。従って、不等式を
あるいは
と書き直すことができる。
蒸気に重量比で5%のヘリウムを加えるという特定のシステムを考えると、水
の分子量(Ma)は18であり、
となる。分析によって、Mwは15.4286に等しいことがわかっており、従って、
が得られ、式(17)は以下の不等式になる。
Vw≧1.225Va
従って、上の式は与えられた一連の条件のもとでは、蒸気とヘリウム及び/あ
るいは水素との組合せの体積膨張が、蒸気のみの体積膨張よりもかなり大きいこ
とを示している。与えられた条件下での蒸気の体積膨張を増大させることによっ
て、蒸気が行う仕事の量をかなり増加させることができる。
この理論は、与えられたシステムに対して必要な計算を行うことによって理論
的に証明された。ある特定の温度範囲にわたって作動流体の残留エンタルピを求
めるには、一般化された圧縮関数に、そのシステムの理想的なエンタルピと実際
のエンタルピをいっしょにむすびつけるような関数を利用する必要がある。残留
エンタルピは以下の式から計算することができる。
ここで、式の左辺は、圧力がゼロから、与えられた圧力まで一定温度のもとで増
加したときの残留エンタルピを表している。
また、温度と圧力の与えられた変動に対してエンタルピ変化を計算した。図5
は蒸気のみの場合のエンタルピの変化を示している。一方、図6は蒸気を5%の
ヘリウムと組み合わせた場合に対してエンタルピの変化を示している。これらの
グラフは図7では重ね合わされており、劇的な結果を示している。5%のヘリウ
ムを蒸気に加えたとき、エンタルピの変化はどの場合にも、水0.45kg(1ポンド
)当り約13,715ジュール(13BTU)だけ増大している。
この原理を実際の電力発電へ応用することを考える。典型的な発電プラントは
、1時間当り1,927,800kg(4,250,000ポンド)の水を利用して、659MWの電
力を発電している。このプラントの効率を水0.4536kg(1ポンド)当り13,715ジ
ュール(13BTU)だけ増加させることによって、1時間当り約58,025,000,000ジ
ュール(55,000,000BTU)の節約が実現できる。
この理論は蒸気からのエンタルピの解放に応用されてきたが、加熱されて蒸気
にされ、機械的な仕事を行うために膨張と冷却を被る任意のそしてすべての動作
流体に対して同じように適用できる。従って、貯蔵容器内のそうした作動流体へ
軽い分子量の気体を加えることによって、同じ熱入力に対してなされる仕事の量
は増大するであろう。
[図面の簡単な説明]
図1A〜図1Jは、仕事を行うための幾つかのサイクルに対するP−V図及び
T−S図を示している。
図2は、蒸気のみと、蒸気に幾つかの気体を組み合わせたものに対して、圧縮
因子Zと換算圧力の関係を表すグラフである。
図3は図2のグラフの拡大図である。
図4は、蒸気のみと、ヘリウムと組み合わせた蒸気と、水素と組み合わせた蒸
気に対して、圧縮因子Zと温度との、また圧縮因子Zと圧力との関係を表すグラ
フである。
図5は、蒸気に対して、エンタルピと温度との関係と、エンタルピと圧力との
関係の変化を表すグラフである。
図6は5%のヘリウムと組み合わせた蒸気に対して、エンタルピと温度との関
係と、エンタルピと圧力との関係の変化を表すグラフである。
図7は、蒸気のみと、5%のヘリウムと組み合わせた蒸気の両方に対して、エ
ンタルピと温度との関係と、エンタルピと圧力との関係の変化を表すグラフであ
る。
図8は、作動流体として水を使って熱エネルギを機械エネルギに変換するため
の装置である。
図9は、図8に示されている装置の中で加熱された種々の物質に対する温度と
時間との関係を表すグラフである。
図10は、図8の装置の中で加熱された種々の材料に対する圧力と時間との関
係を表すグラフである。
[例]
図8に示されている構造の装置は、この場合には水である作動流体を加熱する
ためにボイラ12を用いている。作動流体へ気体を加えるために、ボイラ12に
はタンク14が連結されている。ボイラの出力はタービン16へ連結されている
。タービン16は電気を発生し、この電気は負荷18によって消費される。ター
ビン16の中で膨張する作動流体はコレクタ20によって集められ、コンデンサ
22によって濃縮されて液体に戻される。コンデンサ22は添加された気体を液
体の作動流体から分離する。作動流体はそのあとボイラへ戻される。おおよその
方法論が利用できる場合には、気体をタービンのまえで蒸気から分離してもよい
。
実際に使用したボイラは、米国、バージニア州アレキサンドリア(Alexandria
,Virginia)のエレクトロ・スチーム・ジェネレータ・コーポレーション(Elect
roSteam Generator Corporation)によってBABY GIANT,Model
BG−3.3という商標名で市販されている装置である。ボイラはステンレスス
チールの投げ込みヒータによって加熱され、3.3KWの電力を消費し、1時間
当り10,565,825ジュール(10,015BTU)の出力を発生する。製造されたボイラは
温度及び圧力のゲージを有しており、これらのゲージはボイラ内の温度と圧力を
測定できるような位置に配置されている。コレクタの中の下流において蒸気の温
度と圧力を測定するために、システムに別のゲージを付け加えた。ボイラにバル
ブを付け加えて、ボイラ内で作動流体へ気体を添加できるようにした。蒸気の温
度と圧力は、蒸気を捉えるように特別に付け加えられた413,700Pa(60psi)の
コンデンサによって測定した。
タービンは12ボルトの自動車のオールタネータであり、それへ溶接されたフ
ィンを有している。
種々のラン(運転)の結果が以下の表1及び表2に示されている。使用したベ
ースの作動流体は水であり、5%のヘリウム、5%のネオン、5%の酸素、5%
のキセノンとそれぞれ組み合わせた水である。装置を最初にターンオンしたとき
と、30分、60分、90分において、水と蒸気の両方に対して、コレクション
コイル(collection coil)で温度と圧力を測定した。
表1及び表2のデータは多数のランから得られた平均を表している。
表1の温度のデータは図9にプロットされている。また、表2の圧力のデータ
は図10にプロットされている。これらのグラフに示されている結果は、きわめ
て劇的である。90分の後、蒸気とヘリウムを組み合わせたものの温度は、すべ
ての作動流体の中で最小であり、平均で約154℃(310°F)である。蒸気に
ネオンを組み合わせたものの温度は少し高く、約183℃(362°F)であり
、蒸気と酸素は約188℃(370°F)であり、蒸気のみと、キセノンを加えた
蒸気の温度はともに約191℃(376°F)である。
同じ関係はボイラ内の水の温度に対しても一般に適用されることがわかってお
り、ヘリウムと組み合わせた水は90分のあと約93℃(200°F)であり、ネ
オンと組み合わせた水は約101℃(215°F)であった。他の組合せはすべて
約110℃(230°F)であった。
圧力に対しては、逆の関係が適用されることがわかった。ヘリウムを加えた蒸
気は最も高い圧力であり、約499,888 Pa(72.5psi)である。他の組合せはす
べてほぼ同じ圧力であり、測定した蒸気圧力は約468,860 Pa(68psi)であっ
た。
さらに、交流出力に電圧計を接続した。蒸気のみに対しての測定値は12ボル
トであった。蒸気+ヘリウムに対する出力は18ボルトまでであった。
このように、少量のヘリウムをボイラへ加えることによって、90分後の温度
が比較的低く、一方、この低温で得られた圧力が比較的高くなることは明かであ
る。圧力がこのように高いことの結果として、同じエネルギ入力でより有効な仕
事が行える。
“触媒”物質は、例えば重量比で約0.1〜50%の広い範囲にわたって作動
流体へ添加することができる。作動流体の分子量により近かいほど、必要な“触
媒”物質の量は多くなる。水が作動流体である場合には、重量比で3〜9%のH2
あるいはHeを加えることが好ましい。
水素とヘリウムの両方とも作動流体のエンタルピを増大させ、圧縮因子を大き
くし、膨張を大きくして、行われる機械的仕事を増やすことが可能になる。さら
に、ヘリウムは実際にボイラを冷却し、燃料の消費や汚染を抑えることがわかっ
ている。
エンタルピと圧縮因子の増加は、作動流体の臨界温度及び臨界圧力(水に対し
ては、374℃及び22,098,475Pa(218atmすなわち3205psi)で動作させると
きに最も劇的である。こうした高い圧力で動作させるには特別なコンテナが必要
であるが、そうした装置は例えば核反応炉を用いた発電で利用されている。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年10月20日
【補正内容】
請求の範囲
(1)熱エネルギを機械エネルギヘ変換するための方法であって、
貯蔵容器内の作動流体に対して、その作動流体を蒸気状態に変換するのに十分
な熱エネルギを加える段階と、
前記蒸気状態の作動流体を、その中のエネルギを機械的な仕事に変換するため
の変換装置へ通し、作動流体を膨張させるとともにその温度を下げる段階と、
前記膨張して温度が下げられた液体状態の作動流体を貯蔵容器へ循環させる段
階と、
前記貯蔵容器内の作動流体に対して、作動流体のおおよその分子量よりも大き
くない分子量を有する気体を加える段階と、
前記作動流体及び気体を前記変換装置に通した後に前記気体を貯蔵容器の外部
で作動流体から分離する段階と、
を有する方法。
(2)前記分離された気体を貯蔵容器へ循環させる段階が設けられている請求項
1記載の方法。
(3)前記作動流体が水である請求項1記載の方法。
(4)前記気体が水素またはヘリウムである請求項3記載の方法。
(5)前記気体が作動流体に対して重量比で約0.1〜9%の量だけ加えられる
請求項1記載の方法。
(6)前記気体が重量比で約3〜9%の量だけ加えられる請求項5記載の方法。
(7)前記貯蔵容器がボイラである請求項1記載の方法。
(8)前記作動流体がおおよそ作動流体の臨界温度及び臨界圧力で前記変換装置
へ通される請求項1記載の方法。
(9)前記作動流体が貯蔵容器内で約374℃まで加熱された水である請求項8
記載の方法。
(10)水蒸気のエンタルピと圧縮因子を増大させるための方法であって、貯蔵
容器内の水を加熱して水蒸気を生成させる段階と、前記貯蔵容器内の水に重量比
で約0.1〜9%の水素またはヘリウムを加えて、エンタルピと圧縮因子が増大
された前記水蒸気との混合物を生成させる段階を有する方法。
(11)熱エネルギを機械エネルギへ変換するための装置であって、
a)作動流体を収容するための貯蔵容器と、
b)前記貯蔵容器と連通した気体供給源と、
c)前記貯蔵容器内の作動流体を蒸気状態まで加熱するための装置と、
d)蒸気状態の作動流体を膨張させ、その中のエネルギの一部を機械的な仕事に
変換するための、前記貯蔵容器と連通した膨脹装置と、
e)膨張した蒸気状態の作動流体を冷却し濃縮するための、前記膨張装置と連通
した装置と、
f)前記冷却され濃縮された作動流体を貯蔵容器へ戻すための装置と、
g)前記冷却され濃縮された作動流体を分離するための装置と、
を有する装置。
(12)前記分離された気体を貯蔵容器へ戻すための装置が設けられている請求
項11記載の装置。
(13)前記気体供給源が水素またはヘリウムを含んでいる請求項11記載の装
置。
(14)前記混合物を使用して仕事をさせる段階をさらに有する請求項10記載
の方法。
(15)重量比で約3〜9%のヘリウムが加えられる請求項10記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 (1)熱エネルギを機械エネルギへ変換するための方法であって、 貯蔵容器内の作動流体に対して、その作動流体を蒸気状態に変換するのに十分 な熱エネルギを加える段階と、 前記蒸気状態の作動流体を、その中のエネルギを機械的な仕事に変換するため の変換装置へ通し、作動流体を膨張させるとともにその温度を下げる段階と、 前記膨張して温度が下げられた作動流体を貯蔵容器へ循環させる段階と、 前記貯蔵容器内の作動流体に対して、作動流体のおおよその分子量よりも大き くない分子量を有する気体を加える段階と、 前記気体を貯蔵容器の外部で作動流体から分離する段階と、 を有する方法。 (2)前記分離された気体を貯蔵容器へ循環させる段階が設けられている請求項 1記載の方法。 (3)前記作動流体が水である請求項1記載の方法。 (4)前記気体が水素またはヘリウムである請求項3記載の方法。 (5)前記気体が作動流体に対して重量比で約0.1〜50%の量だけ加えられ る請求項1記載の方法。 (6)前記気体が重量比で約3〜9%の量だけ加えられる請求項5記載の方法。 (7)前記貯蔵容器がボイラである請求項1記載の方法。 (8)前記作動流体がおおよそ作動流体の臨界温度及び臨界圧力で前記変換装置 へ通される請求項1記載の方法。 (9)前記作動流体が貯蔵容器内で約374℃まで加熱された水である請求項8 記載の方法。 (10)貯蔵容器内で加熱される水のエンタルピと圧縮因子を増大させるための 方法であって、前記貯蔵容器内の水に約0.1〜50%の水素またはヘリウムを 加える段階を有する方法。 (11)熱エネルギを機械エネルギへ変換するための装置であって、 a)作動流体を収容するための貯蔵容器と、 b)前記貯蔵容器と連通した気体供給源と、 c)前記貯蔵容器内の作動流体を蒸気状態まで加熱するための装置と、 d)蒸気状態の作動流体を膨張させ、その中のエネルギの一部を機械的な仕事に 変換するための、前記貯蔵容器と連通した膨脹装置と、 e)膨張した蒸気状態の作動流体を冷却し濃縮するための、前記膨張装置と連通 した装置と、 f)前記冷却され濃縮された作動流体を貯蔵容器へ戻すための装置と、 g)前記冷却され濃縮された作動流体を分離するための装置と、 を有する装置。 (12)前記分離された気体を貯蔵容器へ戻すための装置が設けられている請求 項11記載の装置。 (13)前記気体供給源が水素またはヘリウムを含んでいる請求項11記載の装 置。
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