JPH08500330A - 3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフランを含有する非経口溶液 - Google Patents
3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフランを含有する非経口溶液Info
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Abstract
(57)【要約】
不整脈の処置に有用である、酢酸塩緩衝液中に3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイルーベンゾフランを含有する非経口溶液につき開示する。さらに、3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフラン酢酸塩についても開示する。
Description
【発明の詳細な説明】
3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフランを含有する非経口溶液発明の背景
本出願は1992年4月1日付け出願の米国特許出願第07/861,608
号の部分継続出願である。発明の技術分野
本発明は、次の構造式:
[式中、R1はアルキルであり、R2は水素もしくはメチルであり、NR3はジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノもし
くはモルホリノであり、YおよびY1および同一もしくは異なるものであって水
素、ヨウ素もしくは臭素を示す]
を有する3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフランを含有した新
規な非経口溶液に関するものである。より詳細には本発明は、活性成分として2
−n
ブチル−3−(3,5−ジイオド−4−β−N−ジエチルアミノエトキシベンゾ
イル)ベンゾフラン[以下、アミオダロン(amiodarone)と称する]を含有する静
脈内投与に適した非経口溶液に関するものである。
アミオダロンは、1985年以来、米国における生命の危険をもたらす心室頻
拍性不整脈の処置につき経口錠剤型(コルダロン(登録商標))で承認されてい
る。この薬物は、これら不整脈の処置だけでなく大して重度でない心室不整脈、
並びに心房細動および副伝導路が関与するリエントリー性頻拍性不整脈を含め多
くの上室性不整脈の処置にも有用である。
不整脈を処置するため、この化合物はたとえば200mg錠剤の形態などの経
口投与形態物にて投与することができ、或いは静脈注溶液として投与することも
できる[たとえばB.エスクーベ等、「アミオダロンを1回だけ経口投与した数
時間後の不整脈の抑制、並びに血漿および心筋濃度との関係」、アメリカン・ジ ャーナル・カルジオロジー
(1985)、第55巻、第696〜702頁;モス
トウ等、「高投与量の経口アミオダロンによる複合心室不整脈の急速抑制」、サ ーキュレーション
(1986)、第73巻、第1231〜8頁;モラデー等、「
再発性心室頻拍の急性処置における静脈内アミオダロン」、アメリカン・ジャー ナル・カルジオロジー
(1983)、第51巻、第156〜9頁;およびカディ
ッシュ等、「生命の危険を与える頻拍性不整脈の急性
療法における静脈内アミオダロンの使用」、プログレス・イン・カルジオバスキ ュラ・ディジーズ
(1989)、第31:4巻、第281〜294頁参照]。
アミオダロンはたとえばベンゼン、トルエン、エタノールおよび酢酸エチルの
ような各種の有機溶剤に可溶性である[たとえば、米国特許第4,791,13
7号参照]。しかしながら、実用的にアミオダロンは水性溶剤に不溶性または微
溶性である。したがって、静脈内投与するのに適した投与形態物を処方するのが
困難である。水に対する溶解を促進するため、たとえば界面活性剤が示唆されて
いる。たとえば従来技術のI.V.コルダロンと呼ばれるこの化合物の静脈内投
与形態物は、商品名ツイーン−80として入手しうるポリソルベート80とべン
ジルアルコールとからなる溶剤に溶解したアミオダロンからなっている。従来技
術によるアミオダロンの静脈内溶液を、ここではIVコルダロンと称する。
しかしながら、この投与形態物の使用は、界面活性剤に起因しうる心臓血管へ
の悪影響を示すので極めて望ましくない。たとえばジャーナル・オブ・エレクト ロカルジオロジー
、第17(2)巻(1984)、第145〜152頁において
トレス・アロールト等は、ツイーン−80が有力な心機能抑制剤であってイヌに
おける低血圧を生ぜしめると報告している[ゴウ等、「市販の静脈内アミオダロ
ンおよびポリソルベート80のイヌにおける降圧作用」、ジャーナル・オブ・カ ルジオバスキュラ
・ファーマコロジー
(1982)、第4巻、第375〜380頁をも参照]。
コシンズキー等、アメリカン・ジャーナル・カルジオロジー(1984)、第
4巻、第565〜70頁は、静脈内アミオダロン(IVコルダロン)が左心室機
能不全を既に有する患者にて左心室機能を顕著に阻害しうると報告している。急
激な静脈内ボルス投与の後、0.35より大きい左心室拍出割合を有する患者は
、急性および慢性の末梢血管拡張により向上した心機能を示した。しかしながら
、それより低い拍出割合を有する患者は、急性ボルス投与の後に心機能指数にお
ける20%の低下を示すと共に、右心臓圧の臨床上顕著な上昇を示した。
レム等、アメリカン・ハート・ジャーナル(1991)、第122巻、第96
〜103頁は、静脈内アミオダロンが血圧の15%低下および心拍数の18%増
加を生ぜしめ、さらに左心室および拡張期の圧力の上昇を伴った収縮性(Vmax
)の進行性低下も生ぜしめると報告している。
ボップ等、ジャーナル・カルジオロジー ・ファーマコロジー(1985)、
第7巻、第286〜289頁は、IVコルダロンが拍出割合の減少と、肺ウェッ
ジ圧の増加と、dP/dtにおける15%低下と、左心室機能の12%低下とを
生ぜしめたと報告している。
上記3種の引例はそれぞれ、静脈内アミオダロン(IVコルダロン)、すなわ
ち静脈内投与のためポリソルベ
ート80およびベンジルアルコールを用いて溶解させたアミオダロンの作用につ
き検討している。
本発明は、これら欠点を解消するアミオダロンの非経口溶液を提供する。関連技術の説明
従来技術は、アミオダロンの製造および使用につき豊富である。たとえば19
66年4月26日付け発効の米国特許第3,248,401号は、3−ジアルキ
ルアミノエトキシベンゾイル−ベンゾフランの製造を記載している(その開示を
参考のためここに引用する)。
フィジシャンス・デスク・リファレンス(1992)、第2446頁は、商品
名コルダロン(登録商標)としてこの重要な製品の経口型に関する処方情報を与
えている。
上記トレス・アロールト、ヤスカおよびゴウの諸論文は、IVコルダロン(ツ
イーン−80中のアミオダロン)を静脈内投与した後の降圧作用につき記載して
いる。
論文「静脈内アミオダロン」、クリニカル・プログレス・イン・エレクトロフ ィジオロジー ・アンド・ペーシング
(1986)、第4:5巻、第433頁は
、「アミオダロンが静脈内投与されれば顕著な血流力学的効果および電気生理学
的効果をもたらす作用を急速に開始させると思われる」と報告している。発明の要点
本発明は、活性成分として次式:
[式中、R1は1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキルであ
り、R2は水素または1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルキルであり、NR3は
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ピぺリジノ、ピロリジノ
もしくはモルホリノであり、YおよびY1は同一もしくは異なるものであって水
素、ヨウ素もしくは臭素を示す]
の3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイルーベンゾフランを含む非経口溶液を
提供する。より詳細には本発明は、活性成分として不整脈防止に有効な量の2−
n−ブチル−3−(3,5−ジイオド−4−β−N−ジエチルアミノエトキシベ
ンゾイル)ベンゾフラン(アミオダロン)を、約3.2〜4.6のpHを有する
酢酸塩緩衝液からなる無菌溶媒に含有してなる静脈内投与に適する非経口溶液、
すなわちアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液を提供する。
さらに本発明は、約3.2〜3.8のpHを有する酢酸塩緩衝液におけるアミ
オダロンからなる非経口投与に適した安定性の増大した溶液を提供する。
さらに本発明は、その範囲内でこの種の溶液の製造方法をも包含する。
さらに本発明は、酢酸3−(ジアルキルアミノエトキシベンゾイル)ベンゾフ
ランをも提供する。さらに本発明は酢酸2−n−ブチル−3−(3,5−ジイオ
ド−4−β−N−ジエチルアミノエトキシベンゾイル)ベンゾフラン(酢酸アミ
オダロン)をも包含する。
さらに本発明は非経口投与(たとえば静脈内投与)に適する溶液をも提供し、
この溶液は不整脈防止に有効な量の酢酸アミオダロンを約3.2〜4.6のpH
を有する酢酸塩緩衝液中に含んでいる。さらに不整脈防止に有効な量の酢酸アミ
オダロンを約3.2〜3.8のpHを有する酢酸塩緩衝液中に含んでなる安定性
の増大した溶液も提供される。
さらに本発明は不整脈患者の処置方法をも提供し、この方法は有効量のこの種
の酢酸塩緩衝液におけるアミオダロンまたは酢酸アミオダロンの溶液を非経口投
与(たとえば静脈内投与)することからなっている。図面の簡単な説明
第1A図は酢酸塩緩衝液におけるアミオダロンの試料につき行った高性能液体
クロマトグラフィー (HPLC)の結果を示す図面(プリントアウト)であり
、大きいピ
ークはアミオダロンのピークである。
第1B図はIVコルダロン(ポリソルベート80中のアミオダロン)の試料に
つき行った高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)の結果を示す図面(プリ
ントアウト)であり、狭いスパイクはポリソルベート80のピークであり、大き
いピークはアミオダロンのピークである。
第2図は酢酸アミオダロンの質量スペクトル分析のプリントアウトである。ア
ミオダロンのピークは分子量645であり、酢酸塩ピークは分子量60である。
第3図は塩酸アミオダロン(アミオダロンHCI)の質量スペクトル分析のプ
リントアウトである。
第4図は酢酸アミオダロン(分子量707)の存在を示す高速原子衝突(FA
D)スペクトルである。
第5図は分子量707にピークを持たないアミオダロンHCIの高速原子衝突
(FAD)スペクトルである。発明の詳細な説明
本発明によれば、活性成分として次の構造式:
[式中、R1は1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキルであ
り、R2は水素または1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルキルであり、R3はジ
メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノも
しくはモルホリノであり、Y1およびY2は同一もしくは異なるものであって水素
、ヨウ素もしくは臭素を示す]
を有する3−ジアルキルアミノエトキシベンゾイルベンゾフランを含有する非経
口溶液が提供される。特に本発明は、活性成分として不整脈防止に有効な量の選
択された置換べンゾフランを含む静脈内投与に適した非経口溶液、すなわち以下
詳細に説明する賦形剤におけるアミオダロンに関するものである。
本発明の典型的な実施において、精製することができかつ結晶であるアミオダ
ロンHClは弱酸および弱酸の塩を含む緩衝液系に溶解され、より詳細には4.
6未満、特に約3.2〜4.6の範囲のpHと約0.05〜約0.1Mのモル濃
度とを有する酢酸と酢酸ナトリウムとの組合せ物に溶解される。長期間にわたる
貯蔵を意図した酢酸アミオダロン緩衝溶液は、約3.2〜3.8のpHを有する
酢酸塩緩衝液を用いて作製される。不整脈防止に有効な量のアミオダロン(たと
えば約15〜70mg/ml)を緩衝液と混合し、約75℃を越えないない温度
、すなわち約60〜75℃N好ましくは約60〜65℃にて溶解が完了するまで
加熱する。得られるアミオダロン
溶液は約15〜75mg/mlのアミオダロンを含有する。好適溶液は約15〜
50mg/mlのアミオダロンを含有する。特に好適な溶液は約15mg/ml
のアミオダロンを含有する。その後、得られた溶液を室温まで冷却し、公知手段
(たとえば限外濾過もしくは酸化エチレン処理)によって滅菌すると共に、非経
口製品として調合するのに適した小瓶中に充填する。
pH3.8にて得られた製剤は全く驚くことに溶液状態を保つことが判明し、
これは静脈内投与用の製品につき重要な性質であることは勿論である。事実、こ
の製品は室温にて4か月間にわたり貯蔵した際に濁りもしくは沈殿物を形成する
ことなく顕著な安定性を示す。
このように処方された溶液は生命に危険を及ぼす心室頻拍もしくは細動の処置
が可能であり、しかもツイーン−80におけるアミオダロンの溶液を投与する際
に観察される望ましくない副作用の危険がない。他の有力な薬物の場合と同様に
、投与量は担当医により個々に決定せねばならない。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。実施例1 水溶液におけるアミオダロンの可溶化
アミオダロンを溶解するための賦形剤は、約3.5〜4.6の範囲のpHを有
する約0.05〜0.1Mの酢酸塩緩衝液で構成される。上記したように、長期
間にわたる貯蔵を目的とした溶液は約3.2〜3.8のpHを
有する酢酸塩緩衝液を用いて作製される。例として、50mg/mlのアミオダ
ロン溶液を作製するため1mlの緩衝液を小瓶内の50mgの化合物に添加し、
この調製物をたとえばボルテックス・ミキサーのようなミキサーを用いて混合す
る。次いで調製物を小瓶の内容物(緩衝液およびアミオダロン)が約75℃を越
えない、すなわち約60〜75℃、好ましくは約60〜65℃になるよう水浴に
て加熱する。次いで調製物を室温まで冷却する。約pH3.2〜3.8の酢酸塩
緩衝液を用いて新たな賦形剤に溶解されたアミオダロンは、約15〜75mg/
mlの濃度にて室温で長期間にわたり溶液状態を維持する。
同じpH範囲にて0.2Mの酢酸塩緩衝液で加熱した際に最初に溶解したアミ
オダロンは冷却の後にゲルを形成した。他方、生理食塩溶液(0.9%NaCl
)が添加されたアミオダロンを含有する緩衝液(0.1M酢酸塩)は、室温まで
冷却すると沈殿物を形成した。フタル酸塩緩衝液(0.1M、pH3.5〜3.
8)においては、加熱された溶液を冷却すると沈殿物が生じた。燐酸塩緩衝液(
0.1M、pH3.5〜3.8)における加熱は化合物を溶解させるが、冷却す
ると全ゆるpHにてゲル形成が生じた。実施例1A 塩水/デキストロース/アミオダロン溶液の作製
不整脈患者に静脈内投与するのに適したアミオダロン
を含有する塩水/デキストロース溶液は実質的に次のように作製することができ
る:酢酸塩緩衝液(pH3.8、10ml)におけるアミオダロン(10〜15
mg/ml)のアンプルを塩水/デキストロース溶液の1リットル袋に注入した
。アミオダロンは溶液状態を維持した。
この種の溶液は、酢酸塩緩衝液における15mg/mlのアミオダロンの10
mlボルス初期投与に対する追加投与として使用することができる。実施例2 実施例1の調製物の特徴および特性
アミオダロンー酢酸塩緩衝液調製物の最も重要な特徴は、アミオダロンが長期
間にわたり溶液状態を維持することである。溶液の安定性を分析するため、約1
5〜75mg/mlアミオダロンの溶液を実施例1に記載したように0.1M酢
酸塩(pH3.8)で作製し、室温に維持した。これら溶液を作製してから4か
月間にわたり定期的に検査した。これら溶液は完全に透明に留まり、すなわち濁
りもしくは沈殿物の徴候を示さなかった。しかしながらpH4.0もしくはそれ
以上にて、アミオダロンの濃度が約50mg/mlになると室温でゲルが形成さ
れた。
アミオダロンHClは最初に15〜30mg/mlの濃度で3.2〜4.6の
pHを有する0.1Mまでの酢酸塩緩衝溶液に対し可溶性である。しかしながら
、約4.0〜4.6のpHにて30mg/mlのアミオダロン溶
液は約2日後に沈殿物を形成したのに対し、15mg/mlの溶液は約1週間後
に沈殿物を形成した。3.8より高いpHにて50mg/mlのアミオダロンを
含有する溶液は冷却の直後にゲルを形成する。約4.0〜4.6のpHにて約1
5〜30mg/mlのアミオダロンを含有する溶液は、アミオダロンが沈澱する
まで非経口投与に適する。すなわち、この種の溶液は不整脈患者に投与する直前
または短時間前に作製することができる。
不整脈の処置は、酢酸塩緩衝液におけるアミオダロンの初期ボルス投与と、そ
れに続くアミオダロンを含有する塩水/デキストロース溶液の静脈内注入とで構
成することができる。初期ボルス投与は15mg/mlもしくはそれ以上の濃度
におけるアミオダロンの溶液で構成することができる。この溶液は好ましくは3
.2〜4.6の範囲のpHを有する。約3.8より高いpHを有する溶液は新た
に作製せねばならず、すなわち15mg/mlの調製物については投与の約1週
間以内および30mg/mlの調製物については投与の約2日間以内に作製せね
ばならない。
この方法により得られたアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液の評価では、アミオダ
ロンの物理的および化学的性質がHPLCにより測定して変化せずに留まること
を示している。第1A図および第1B図に示したように、ポリソルベート80(
ツイーン−80)に溶解したアミオダロンのピーク(第1B図)は、本発明の酢
酸塩緩衝液に
おけるアミオダロンHClにつき観察されたピーク (第1B図)と同一である
。前者の調製物におけるツイーン−80のピークは明らかに目に見え、これが2
つのHPLC図間の唯一の相違である。実施例3 生物学的活性:抗不整脈活性
ここで問題となるアミオダロンの活性は薬物の抗不整脈作用である。この活性
を測定する標準的方法は、ラットの左腹側下降冠状動脈を結紮すると共に、不整
脈活性を抗不整脈剤の予備処理を行って或いは行わずに記録することである。I
Vコルダロンの投与量の増加に対する作用を、冠状動脈閉塞の15分間前に薬物
を静脈内投与し、冠状動脈閉塞した後に評価した。心室の早期収縮(VPC)頻
度は最高投与量にて僅かに抑制されるにすぎないが、最も重度の不整脈(すなわ
ち心室頻拍(VT)および心室細動(VF))の頻度および程度は投与量に依存
して抑制される(第1表)。実施例1により作製して同じ投与量範囲で検討した
アミオダロンは、VTおよびVFの発生率と同様、VPC頻度においても同様な
低下を示した(第2表)。アミオダロンにより観察されるこの投与量依存性の不
整脈抑制は、塩水対照群で観察される抑制とは顕著に相違する。アミオダロン−
酢酸塩緩衝液調製物(室温にて2か月間にわたり維持)は、新たに作製した溶液
と同等に有効であった。すなわち本発明の調製物は、長期間の生物学的安定性を
示した。
実施例4 生物学的活性:新規な調製物の追加的心臓血管特性収縮性に対する作用
本発明による新規な調製物は、或る種の独特な心臓血
管特性を有する。すなわち新規な調製物は、IVコルダロン溶液よりも顕著に低
い抑圧性心臓収縮作用を示す。心臓収縮性に関する検討は次のように行った:
体重450〜550gの5匹もしくは6匹のラットの群を用いた。これらラッ
トをペントバルビタール60mg/kg IPで麻酔した。ラットが麻酔された
後、心臓を露呈させた。心臓を心膜架台に懸垂し、ワルトンーブラデー歪計を左
心室に縫合した。歪計アーチを、左心室を約50%延ばすよう所定位置に縫合し
た。
アミオダロン調製物の効果を次の2つの方法で測定した:一定投与量および増
加投与量。収縮性に対する作用:一定投与量の方法
一定投与量の方法に関する手順は次の通りである:各ラットに一定投与量(1
群当りラット6匹)のアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液もしくはIVコルダロンを
摂取した。ワルトン−ブラデ−歪計により測定を行い、アミオダロン−酢酸塩緩
衝溶液を摂取した群とIVコルダロンを摂取した群との間で比較した。このモデ
ルは、抗不整脈剤を包含する各種の陰性の筋変力作用剤により誘発される左心室
抑圧の尺度として有効であることが予め示されている。
この検討の結果を第3A表に示す。これらの結果は、心臓収縮の変化(抑圧)
程度が全ゆる投与量にてIVコルダロンよりもアミオダロン−酢酸塩緩衝調製物
につき顕著に低かったことを示す。
収縮性に対する作用:増加投与量
3種の独立したベースライン測定値からの変化%を、3種の増加量のアミオダ
ロンにて歪計変位から測定した。測定はベースラインで、および注射の15分間
後に行った。次の高い投与量を注射する前に、さらに15分間放置した。
得られた結果を下表3Bに示す。これらの結果は、新規なアミオダロン調製物
がIVコルダロンよりも顕著に低い心臓収縮性の抑圧を生ぜしめることを示す。
これは、
新規な賦形剤におけるアミオダロンを一層阻害された左心室機能を有する重傷患
者に投与することを可能とする各調製物間の主たる相違点である。
血圧に対する作用
本発明により作製されたアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液の作用を、降圧作用に
関しIVコルダロンと対比した。アミオダロン−酢酸塩緩衝溶液は、静脈内投与
の後に動脈血圧を顕著に降下させるIVコルダロンとは異なり、血圧の僅かな変
化しか与えない。この検討の手順は次の通りである。
酢酸塩緩衝溶液におけるアミオダロンを、ペントバルビタール(60mg/k
g)で麻酔したラットを用いて
IVコルダロンと対比した。カニューレを左頚動脈に挿人し、検定されたスタテ
ムP−23 DBトランスジューサに取付けた。血圧をこのトランスジューサか
ら記録した。
収縮期および拡張期の血圧を、増加量のアミオダロン−酢酸塩緩衝調製物また
はIVコルダロンを投与する前および投与した後に測定する。検査する薬剤の投
与および血圧変化の観察の後、血圧ベースラインに再び達するには15分間を要
し、その後に増加量の薬剤を投与する。
使用した動物の全数: 8匹のラット
体重: それぞれ450〜550g
アミオダロン−酢酸塩緩衝溶液:4匹
IVコルダロン :4匹
種々異なる調製物で観察された血圧変化を第4表に示す。
上記データから要約しうるように、IVコルダロンは実施例1で作製したアミ
オダロン−酢酸塩緩衝溶液のIV投与に対して血圧における大きい抑圧をもたら
す。この差は、IVコルダロン調製物におけるポリソルベート80/べンジルア
ルコールの存在に直接に起因する。アミオダロンの電気生理学的作用
本発明により作製した酢酸塩緩衝溶液におけるアミオダロンをIVコルダロン
と比較した。このモデルにおいては、各動物をペントバルビタール(60mg/
kg)により腹腔内(i.p.)麻酔した。動物に心電計(ECG)を接続し、
心電図をベースラインで、次いで実験期間にわたり5分間間隔で得た。薬物を投
与した後、ECGを継続30分間にわたり5分間毎に記録した。心拍数、PR、
QRSおよびQT間隔を50mm/secで記録された表面ECGから求めた。
ECGの連続記録を磁気テープに記憶させる。
使用した動物の全数: 30匹のラット
(スプラグ・ ドーりー種)
体重: それぞれ450〜550g
アミオダロン−酢酸塩緩衝溶液: 15匹
(各投与量増加にて5)
IVコルダロン: 15匹
(各投与量増加にて5)
結果:IVコルダロンも酢酸塩緩衝溶液におけるアミオダロンも、このラットモ
デルにてPR、QRSもしくはQT間隔のいずれでも顕著な投与量依存性の変化
を生じなかった。
さらに増加量のアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液またはIVコルダロンを投与し
た後、PR、QRSおよびQT間隔を30分間にわたり観察した。これらパラメ
ータには有意の相違がアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液とIVコルダロンとの間に
認められなかった。しかしながら、心拍数の低下に関し有意の差が存在した。IVコルダロンと対比した酢酸塩緩衝溶液におけるアミオダロンの毒性
酢酸塩緩衝液におけるアミオダロンの毒性をIVコルダロンと比較した。アミ
オダロン−酢酸塩緩衝溶液の静脈内毒性を測定するため、ラットモデルを連続E
KG監視して使用した。アミオダロン−酢酸塩緩衝溶液を、死亡の時点まで3分
間間隔にて10mg/kgの投与量で静脈内投与した。同じ手順をIVコルダロ
ンについても行った。死亡をもたらすアミオダロン−酢酸塩緩衝溶液の平均投与
量は50mg/kgであったのに対し、IVコルダロンの平均量は35mg/k
gであった(第5表)。新規な調製物の安全性向上が顕著な性質である。アミオ
ダロン−酢酸塩緩衝溶液により6匹のうち1匹の動物が死亡したのに対し、同量
のIVコルダロンを摂取した動物のうち50%が心臓停止(不全収縮)または心
室細
動により死亡した(第5表参照)。IVコルダロン群にて全ラットに対し致死的
である投与量にて、アミオダロン−酢酸塩緩衝溶液を摂取した動物の50%のみ
が死亡した(第5表)。
実施例6 静脈内投与形態物の作製
実施例1により作製した溶液を滅菌し、滅菌限外濾過膜を用いてシールし、滅
菌ガラスアンプルに充填し、次いで無菌条件下でシールして、静脈内注射に適し
かつ約
25〜50mg/mlのアミオダロンを含有する投与形態物を得た。実施例7 酢酸アミオダロンの作製
アミオダロン−HCl(3.02g)に30mlの酢酸塩緩衝液(0.1M、
pH3.8)を添加し、混合物を60℃にて2分間加熱し、得られた溶液を室温
まで冷却した。この溶液は冷却の直後にゲル化し、さらに30mlの酢酸塩緩衝
液を添加し、透明溶液を得た。この溶液に1.4gの酢酸銀を添加すると塩化銀
の沈殿物が生じた。次いで混合物を遠心分離し、透明な上澄液(pH5.25)
を冷蔵庫(4℃)内で1晩保った。この溶液のpHを希酢酸により3.8に調整
し、次いで冷蔵庫内に再び放置した。2日間の後、結晶沈殿物が生じた。同じ濃
度を有しかつ4℃にて2日間貯蔵したアミオダロンHCI調製物は結晶または沈
殿物を形成しなかった。結晶沈殿物を濾過し、減圧下に乾燥させた。
乾燥した物質の試料を純結晶アミオダロンHClと共に質量スペクトル分析に
かけた(第2図および第3図)。酢酸アミオダロンの分析は、60m/zに酢酸
塩ピークの存在を示した(第2図)。このピークはアミオダロンHClには存在
しなかった(第3図)。スペクトル分析を160℃にて行ったので、観察された
酢酸塩ピークは遊離酢酸塩汚染物に起因するものでなく、酢酸アミオダロンとし
てアミオダロンに結合した酢酸から生ずるもの
である。これは、160℃にて遊離の酢酸塩はこの温度にて揮発するため試料か
ら除去されるからである。
質量スペクトル分析法は酢酸アミオダロンの存在を示す。この結論は、高速原
子衝突(FAD)を用いる沈殿物の分析によっても支持される。FADは、物質
の分子量に関しさらに情報を与える。沈殿物のFADスペクトル分析(第4図)
は分子量707にてピークを示し、この分子量は酢酸アミオダロンにつき予想さ
れるものである。アミオダロンHCl(分子量約681)のFADスペクトル(
第5図)は707の分子量にはピークを示さない。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 活性成分として不整脈を防止する量の式: [式中、R1は1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキルであ り、R2は水素または1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルキルであり、NR3は ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ピぺリジノ、ピロリジノ もしくはモルホリノであり、YおよびY1は同一もしくは異なるものであって水 素、ヨウ素もしくは臭素を示す] の置換べンゾフランよりなる群から選択される一員を、約3.2〜4.6のpH を有する水性酢酸塩緩衝系に溶解してなる非経口投与に適する溶液。 2. 置換べンゾフランとしてアミオダロンである請求項1に記載の非経口投与 に適する溶液。 3. 活性成分として約3.2〜4.6のpHを有する約0.05〜0.1Mの 酢酸塩緩衝溶液中の約15〜50mg/mlのアミオダロンである請求項2に記 載の溶液。 4. 酢酸塩緩衝溶液のpHが約3.5〜3.8である請求項3に記載の溶液。 5. 酢酸塩緩衝溶液のpHが約3.8〜4.6である請求項3に記載の溶液。 6. 有効な量の請求項2に記載の溶液を静脈内投与することを特徴とする不整 脈を有する患者の処置方法。 7. 請求項3に記載の溶液を静脈内投与することを特徴とする不整脈を有する 患者の処置方法。 8. 約50〜75部の前記アミオダロンと約1000部の約3.2〜4.6の pHを有する約0.05〜0.1Mの酢酸塩緩衝液との混合物を形成し、この混 合物を溶解が完了するまで75℃未満の温度にて加熱することを特徴とする請求 項2に記載の溶液の製造方法。 9. 混合物を60〜75℃の温度にて加熱する請求項8に記載の方法。 10. 混合物を60〜65℃にて加熱する請求項9に記載の方法。 11. 請求項8に記載の方法により作製される溶液。 12. 式: [式中、R1は1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキルであ り、R2は水素または1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルキルであり、NR3は ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ もしくはモルホリノであり、YおよびY1は同一もしくは異なるものであって水 素、ヨウ素もしくは臭素を示す] の化合物。 13. 約3.2〜4.6のpHを有する水性酢酸塩緩衝溶液における請求項1 2に記載の化合物の溶液。 14. 化合物の濃度が約15〜50mg/mlであり、酢酸塩緩衝液のpHが 約3.2〜3.8である請求項13に記載の溶液。 15. 酢酸アミオダロンである請求項12に記載の化合物。 16. 酢酸アミオダロンの濃度が約15〜50mg/mlである、約3.2〜 3.8のpHを有する酢酸塩緩衝液における酢酸アミオダロンの溶液。 17. 酢酸塩緩衝液の濃度が0.1Mである請求項16に記載の溶液。 18. 酢酸アミオダロンの濃度が約15〜30mg/mlである、約4.0〜 4.6のpHを有する酢酸塩緩衝液における酢酸アミオダロンの溶液。 19. 有効な量の請求項17に記載の溶液を静脈内投与することを特徴とする 不整脈を有する患者の処置方法。 20. 約0.5〜0.75mg/mlのアミオダロンを含有する塩水/デキス トロース溶液。 21. 約0.6〜0.7mg/mlのアミオダロンを含有する塩水/デキスト ロース溶液。 22. pH3.8の酢酸塩緩衝液における15mg/mlのアミオダロンの溶 液を1リットルの塩水/デキストロース溶液に添加することを特徴とする塩水/ デキストロース溶液の製造方法。 23. 酢酸アミオダロンである化合物。
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