【発明の詳細な説明】
羽根形機械利用分野
本発明は、ステータに支承されたスリット付ロータを備え、このロータ内に、
半径方向に摺動可能な羽根が滑動配置され、この羽根が遠心力、ばね力または他
の圧力で付勢されてステータ内壁に滑動支承されるよう押しつけ可能であり、三
日月状に広がるかまたは狭まる搬送区画室が形成され、中空の中央のステータと
羽根区画室の充填部を通って内側から外側へ液体が流入する液体用羽根形機械に
関する。技術水準
羽根形機械は定容量形ポンプまたは定容量形モータとしてあるいは可変容量形
ポンプまたは可変容量形モータとして形成される。しかし、羽根形機械は容量メ
ータとして使用することができる。羽根形機械の利点はその搬送流れが均一であ
り、回転騒音が小さいことにある。問題はその都度の液圧による半径方向と軸方
向の軸受負荷によって生じる。
羽根の作動範囲と同じ長さのロータを備えた羽根形機械の場合には液圧による
半径方向の軸受負荷は、ロータと突出する羽根の投影面積と液圧との積、すなわ
ちロータに作用する差圧から生じる。半径方向の小さな負荷は、ステータ上とロ
ータスリット内の羽根摩擦と、ロータの自重によって生じる。全体として生じる
半径方向の力と、小さな差圧のときに既に発生する大きな力を受け止めるために
、ロータ軸と軸受は丈夫に採寸されるかまたはコストがかかり流体技術的に不利
なマルチストローク型のポンプ構造またはモータ構造によって力を相殺すること
が試みられる。
液圧による軸方向の軸受負荷はロータの軸方向の液圧作用面を対称に形成する
ことによって防止することができる。この場合、作用面にかかる液圧は等しくな
ければならない。製作技術的およびコスト的な理由から有利である、軸方向に移
動可能なロータを備えた実施形の場合には、ロータが片側の範囲でステータに接
触している。この場合、反対側で、液圧が強く作用するので、軸方向の力のつり
合いは達成されない。その対策として、ロータを軸方向に移動しないように軸受
し、端面側のロータ隙間が正確に同一に調節された。しかし、これにはコストが
かかる。例えば本願対象物に関連する空気圧コンプレッサまたはモータのために
、空気圧緩衝材が、ロータの端面に形成された、ドイツ連邦共和国特許出願公開
第2133455号による若干の凹部内に設けられる。この凹部はロータ羽根の
間にあり、圧縮可能な空気が通路を経て供給される。この通路はケーシングの側
方のカバーに円弧状に形成されている。従って、ロータが軸方向に摺動するとき
に、ロータの両側にある空気圧緩衝材の間に圧力差が発生する。この圧力差は押
し戻し力を中央位置の方へ加える。
ドイツ連邦共和国特許第3120350号においても、比較的にコストのかか
る解決策が羽根形機械のために提案されている。この場合、軸付ロータが軸方向
に大きく摺動可能なブッシュを備えている。このブッシュは背面と端面に設けた
軸方向に摺動可能な軸受ブッシュ内で、圧力付勢される隙間内の搬送圧力によっ
て付勢され、それによって軸付ロータの圧力をつり合わせることができ、軸受負
荷と摩擦損失を最小限に抑えることができる。液圧作動範囲内の多数の精密部品
が大きくてコストがかかり、高圧範囲と低圧範囲の間の隙間長さを比較的に長く
形成する必要があり、その結果羽根形機械の効率が悪いという欠点がある。
更に、駆動および被駆動のために回転ピストン機械から突出する軸が、軸シー
ルにおける差圧と、スリップリングシールの場合には更にそのばね力によって、
軸方向の軸受負荷を生じる。反対側で対称構造によってつり合いが達成される場
合にはこの軸受負荷は発生しない。
更に、回転ピストンポンプが例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第1236
641号公報によって知られている。この回転ピストンポンプでは、一様な横断
面のステータ中空室内に、ほぼ半径方向の多数のスリットを有する回転する円筒
状のロータが支承され、このスリット内で羽根が滑動する。この場合、ステータ
中空室の横断面輪郭を軸状に形成することにより、ステータとロータの間に多数
の搬送区画室が形成される。この搬送区画室には、搬送媒体または作動媒体が接
線方向に開口する通路を経て供給および排出される。この通路のうち、吸込み側
または低圧側の通路は羽根の一方の側にある、中央のロータ中空室に通じる穴で
あり、羽根の他方の側にある高圧側の通路はそれぞれ、各々の羽根に付設された
、ロータの貫通する縦方向通路に接続されている。縦方向通路はステータ側壁に
形成された環状溝に連通している。この環状溝はポンプまたはモータの高圧側の
接続口に接続している。
搬送媒体を直接供給および排出するために搬送区画室に開口する通路をロータ
に設けることが知られている。この通路は動かないケーシング部分の通路に接続
している。例えはロータ外周面とステータ中空室の外周壁との間に一つまたは複
数の作動室が設けられていると、このようなロータ通路の使用は有利である。な
ぜなら、多数の入口や出口をステータ壁に設ける場合、作動室の大きな部品が、
押しのけ区画室を吸込み側と吐出側から閉鎖する範囲として作用しないからであ
る。利用可能な作動室を小さくし、大きな摩擦損失を生じる非常に多数の吐出操
作が行われると、作動室の大きな部品が押しのけ区画室を閉鎖する範囲として作
用する。
ロータ内の供給通路および排出通路を充分な幅に形成できるようにするため、
他方では通路によるロータの大きな弱体化を避けるために、そして圧力に反対の
作用を与える送出通路からの軸方向スラストを避けるために、ドイツ連邦共和国
特許出願公告第1236941号公報では更に、圧力側の通路として、各々の羽
根の圧力側に、羽根滑動方向に延びる多数の溝を設けることが提案されている。
この溝は所属のロータスリットの壁に形成されている。更に、ロータの両側にお
いて、ロータ端壁寄りのステータの側壁に、各々一つの環状溝が設けられている
。この環状溝内には、ロータの圧力側の縦方向通路が開口している。この場合、
環状溝はポンプまたはモータの圧力接続部に接続されている。ロータの低圧側の
穴が通じるロータ中空室は、ロータに連結された軸の中央の縦方向穴の一部であ
る。しかし、この回転ピストン機械は多数の半径方向穴および羽根スリットの外
側の穴と多数の出口に基づいて、構造的コストがかかる。
技術水準によって知られている、羽根区画室を備えた、搬送ポンプとしての液
体用回転ピストン機械の場合には、高い蒸気圧を有し、回転数と共に迅速に増大
する有効吸込みヘッドによる正の流入ヘッドを有する液体にとって、例えば14
50回/分以上の経済的な駆動回転数による運転はもはや不可能である。
羽根ポンプの容積効率と乾燥吸入能力(空のポンプの場合)は、隙間損失によ
って決まる。この隙間のオーダーは、搬送製品と製作精度と圧力差が同じである
と仮定すると、隙間の長さに依存する。従って、比較し得る搬送流れの場合、大
きな周期的吐出量と長い隙間長さを有するゆっくり回転するポンプは、小さな周
期的吐出量と短い隙間長さを有する迅速に回転するポンプよりも、容積効率が悪
く、かつ乾燥吸入能力が小さい。この技術的な関係は、有効吸込みヘッドによる
必要な回転数制限のため、容積効率と乾燥吸入能力の構造的な改善可能性を制限
する。
更に、液体用回転ピストン機械は、ロータと突出する羽根によって形成された
、大きな差圧で付勢される大きな投影面積のために、採寸された軸と支承部を必
要とする。回転ピストン機械がダブルストローク型羽根ポンプまたは羽根モータ
として形成されている場合には、採寸された軸と支承部を必要としないが、この
ポンプまたはモータは液体のためのそれぞれ二つの入口と出口を備え、製作技術
的にコストのかかる手段を備え、ポンプの場合には、有効吸入ヘッドを高めて悪
化させることになる。課題、解決策、効果
そこで、本発明の課題は、半径方向と軸方向の力のつり合いが完全にまたは充
分に達成され、長い寿命の観点から摩耗が最小限に抑えられ、高い効率が達成さ
れるように、公知の羽根形機械を改良することである。羽根形機械が容積メータ
ーであるときには、測定精度を改善すべきである。本発明の他の課題は、有効吸
入ヘッドを低下させることによって、ポンプとしての用途を広げ、ポンプまたは
モータとして使用される機械の場合には効率を改善することである。更に、本発
明の課題は、大きな構造的コストをかけずに、構造的手段によって、軸方向と半
径方向の液圧負荷の少なくとも一部または全部を改善することである。
この課題は、請求の範囲第1項記載の羽根形機械によって解決される。
これによれば本発明は、羽根形機械のロータが軸を備えていないで管状に形成
され、両側が羽根によって決まる作動範囲を越えて延長し、この延長部が外側ス
テータに支承され、ロータが内周から外周まで貫通する羽根スリットを備え、半
径方向に発生する力を少なくとも部分的に相殺または回避するために、ステータ
の外周壁がロータ延長部の範囲の表面に、運転圧力によって付勢およびまたは付
勢解除される、ロータの方へ向いた液圧作用面を備えていることを特徴とする。
しかしながら、軸を持たず、作動範囲から両側へ延長しているロータの場合には
、そこにある、ロータと外側ステータの間の支承隙間に、運転圧力が作用する。
これは他の支承負荷を生じることになる。これに対して、運転圧力から負荷解除
された、ステータ外周壁内の凹部(作用面)によって、この半径方向の負荷部分
は大幅に減る。
更に、請求の範囲第2項記載の解決策は、中空の中央のステータを通って液体
が流入し、広がる羽根区画室を充填するための通路が、羽根およびまたは羽根ス
リット内の半径方向の凹部によって形成され、半径方向の力を少なくとも部分的
に相殺するために、中央のステータが表面に、運転圧力によって付勢されてロー
タの方へ向いた作用面を備えていることを特徴とする。この場合、液圧負荷可能
な凹部は、運転圧力によって負荷される小さな穴によって置き換え可能である。
この穴はロータと外側ステータの間の支承隙間内でロータと反対方向に向いた大
きな圧力作用面を生じる。この手段は簡単に製作され、隙間損失が比較的に小さ
く、それによって容積効率を改善する。この羽根形機械は簡単に構成されるので
有利である。この場合、比較的にコストのかかる負荷的な軸支承と、この軸支承
時に発生する摩擦力が、軸方向と半径方向の液圧の力のように、最初から最小限
に抑えられる。
請求の範囲第3項記載の他の解決策では、搬送区画室を充填するための半径方
向の通路が、羽根およびまたは羽根スリット内の半径方向凹部によって形成され
、この半径方向の凹部が外周から、羽根によって決まる作動範囲を越えて両側へ
突出する軸なしロータの内周としてのロータ長手方向穴まで貫通して延び、液体
が中空のロータ軸に軸方向から流入し、広がる搬送区画室への充填が、ロータ軸
の凹部を通って半径方向に、そしてロータおよびまたは羽根の穴を通って行われ
る。
作動範囲を越えて突出するロータ部分または両側のロータ部分は、ステータと
相対的に回転可能であり、シールされて嵌め込まれている。ポンプの場合、有効
吸入へッドに関連して重大な利点が生じる。というのは、ロータスリットへの液
体の導入損失だけが有効吸入ヘッドに関係し、羽根区画室の充填までの他の圧力
損失、ひいては遠心力に関連する液体の速度上昇は、駆動装置によってエネルギ
ーを加えて発生しなければならないからである。更に、ロータスリットを経て内
側から羽根区画室に液体を充填すると、羽根のストローク容積をロータスリット
に含めることが、遠心力に抗してこのストローク容積を特別に充填しないで、ポ
ンプまたはモータの周期的な作動容積内で行われるという利点がある。これは技
術水準では公知のように、外側から接線方向または軸方向に行われる羽根区画室
の充填を必要とする。同時に液体入口としておよびロータ用軸承部としての働き
をするロータ軸は、ポンプやモータの場合、ロータ軸に対して液圧的に支持する
ことによって、特に半径方向の液圧つり合いを可能にするので有利である。
本発明の他の実施形は従属請求項に記載してある。
例えば凹部が特に液体による運転圧力によって付勢されるので、他の圧力源ま
たは制御は不要である。
第1の実施形では、ステータ外周壁の凹部が羽根作動範囲の外側においてロー
タ外周壁に対向して、すなわち羽根作動範囲を通る垂直平面に関して対称に配置
されている。他の実施形では、凹部はステータ軸の外周面に設けられている。こ
のステータ軸はロータ管の中央の穴に挿入され、このロータ管に密封接触してい
る。この最後の実施形は、凹部の羽根作動範囲と同じ高さ位置に設けることがで
き、それによって場合によっては構造高さが低くなるという利点がある。更に、
前記実施形の組み合わせが可能である。
本発明の他の実施形では、羽根作動範囲を越えて突出るロータ部分が、羽根作
動範囲内のその直径と比較して、同じ外径または小さな外径を有する。羽根作動
範囲の外側の直径を縮小することにより、羽根形機械の回転運転中、ロータが軸
方向でセンタリングされるという利点がある。
羽根形機械の停止時には、羽根はロータスリット内に沈んでいる。それによっ
てロータ全体が同じ直径を有するのでロータが軸方向に摺動可能である。ロータ
の縮小直径部が延長し、ロータが軸方向に自由に移動可能である場合には、直径
差が作動室に対してロータをセンタリングするために役立つ。この場合、反対側
で接触することによって片側で液圧が強く作用するという前記欠点が生じない。
なぜなら、作用面が小さな直径差によって小さくなっているからである。作動室
に対するこのロータのセンタリングによって、ロータの端面と両側のステータの
間に、同じ圧力のときの静圧的な力のつり合いのための隙間が形成される。
ロータが同じ直径で両側へ延長している場合には、作動室に対するロータの必
要なセンタリングが羽根によって行われる。羽根の下方の案内スリット内の空間
は、例えば羽根およびまたはロータの半径方向の凹部によって、回転方向手前の
羽根区画室に連通している。運転中遠心力によって半径方向外側へ動かされる羽
根は、羽根形機械の停止状態ではロータ内に沈み、自由に動くロータが片側で端
面側のステータの方へ軸方向に摺動可能であり、羽根形機械の始動時にステータ
が羽根の飛び出しを阻止するかまたは傾斜させるので、圧力差で負荷されない羽
根の範囲に、作動室を側方から画成するステータ部分が回転軸線の方へ作動室を
拡大するようややテーパが付けられている。このテーパは両側で、ステータ内で
のロータの軸方向の移動距離よりも幾分広く形成されているので、羽根形機械の
回転開始と共に、遠心力によって外へ出る羽根が直ちに作動室に対するロータの
センタリングを行い、軸方向に力が作用しないのでこのセンタリングが羽根との
付加的な摩擦を生じないで保たれる。
本発明による羽根形機械の特別な実施形では、ロータが管状に形成され、かつ
長手方向穴を備え、この長手方向穴内に、偶数の羽根スリットが開口し、それぞ
れ直径方向に対向する羽根が互いに固定連結されているかあるいは一体に形成さ
れている。
しかしその代わりに、ロータが管状に形成され、この管の穴にステータ軸が挿
入され、このステータ軸の内側が中空であり、ステータ軸が摺動可能な羽根のた
めの、ロータを半径方向に貫通するスリットの範囲に窓を備え、羽根およびまた
はロータスリットが半径方向の凹部を備えていてもよい。この実施形は半径方向
の液圧の力をロータ上で部分的につり合わせる。
ロータは好ましくはその一方の端面のところで、駆動装置連結部または被駆動
装置連結部としての軸方向に固定された軸に連結されている。この場合、軸はス
テータケーシン内に収容される。
請求の範囲第3項の技術的な解決策の他の実施形が従属請求項に記載されてい
る。
特に、搬送区画室の充填範囲において、ステータ穴が羽根の半径方向の最大振
れの範囲にわたって、半径方向外側へ部分円状に形成され、それによって形成さ
れる凹部を介して、二つ以上の搬送区画室が連通している。この手段は搬送区画
室の充填を容易にする。
更に、拡大する羽根区画室と縮小する羽根区画室の間のステータ外周壁移行範
囲または二つの羽根区画室の間の範囲における羽根の案内部が、ロータ回転軸線
と同軸に設けられ、それによって羽根が回転時に差圧で負荷されるこの移行範囲
において半径方向に移動しない。
他の実施形によれば、内側ロータ外周壁が半径方向の液圧支承部負荷を少なく
とも部分的に相殺するための、ポンプ搬送圧力またはモータ入口圧力によって液
圧的に付勢可能な凹部を備えている。構造的に簡単に得られるこの手段によって
、丈夫に採寸された支承部を省略することができる。
羽根作動範囲から突出するロータ部分は特に、羽根作動範囲のロータ直径と比
較して小さな外径を有する。これにより、運転中ロータは軸方向においてセンタ
リングされる。
羽根はロータ停止時にロータスリット内に沈む。これにより、ロータは、外径
を縮小しないで、軸方向に摺動可能である。ロータの再始動時に、羽根がその作
動範囲の外側でステータ内周面によって誤って傾斜しないようにするために、羽
根作動範囲を側方から画成するステータ外周壁が圧力によって付勢さない羽根の
範囲においてテーパ状に形成されているので、羽根は始動時に軸方向のセンタリ
ング位置へ強制的に案内される。
他の実施形によれば、ロータが入口と反対側の端面で、駆動装置または被駆動
装置としての軸に直接連結されているかあるいは継手を介して連結されている。
この場合、軸はシールされてステータケーシング内を案内されている。図面の簡単な説明
次に、図を参照して、本発明の実施例を詳しく説明する。
図1は羽根ポンプの垂直断面図、
図2は図1のII−II線に沿った垂直断面図、
図3は、羽根作動範囲とそれに隣接するステータ外周壁との間に円錐形に形成
された移行範囲を有する羽根ポンプの部分縦断面図、
図4は、管状のロータを備え、直径方向に対向する羽根が互いに連結されてい
る羽根ポンプの断面図、
図5は図4のV−V線に沿った垂直断面図、
図6はステータ軸を嵌め込む中央の穴を有するロータを備えた羽根ポンプの断
面図、
図7は図6のVII−VII線に沿った垂直断面図、
図8はステータの中央に入口接続部が形成されている実施例の垂直断面図、
図9は図8のIX−IX線に沿った垂直断面図、
図10は羽根ポンプの他の実施例の縦断面図、
図11は図10の断面に対して垂直な羽根作動範囲の高さ位置の横断面図、
図12は羽根ポンプの垂直断面図、
図13は図12のXIII−XIII線に沿った垂直断面図である。本発明の詳細な説明および本発明を実施するための最良の方法
好ましくは単ストローク型羽根形機械として形成された羽根形機械は、図1,
2に示した実施例ではポンプとして形成されている。このポンプは軸無しロータ
1を備えている。ロータは軸方向において、羽根作動範囲15と同じ外周を有す
る外径2を備えていてもよいし、これよりも縮小した外周3を有する外径を備え
ていてもよい。羽根作動範囲の外側において、ロータ1はステータ4に密封支持
されるように嵌め込まれている。この嵌込み範囲にステータは凹部5を備えてい
る。この凹部はその位置と大きさが次のように形成されている。すなわち、その
中に作用する液体の運転圧力が、摩擦力や重力を考慮に入れても、部分的または
完全な液圧力のつり合いをもたらすように選定されている。図2に示す実施例の
場合には、凹部5が軸方向に見て、羽根作動範囲15の前または後ろにかつ羽根
作動範囲に対して対称に配置されている。
図2の上側半部に示すようにロータ1が直径差を有する場合、垂直方向端面、
すなわち直径差6は同時に、ロータの軸方向のセンタリングのために役立つ。そ
れによって、回転運転中、ロータ端面と、それぞれ対向するステータ端面との間
に、同じ大きさの隙間7が生じる。直径が縮小して延長し、さもなければ軸方向
に自由に移動可能なロータの場合には、この直径差6は作動室に対してロータを
センタリングするために役立つ。この場合、両側で接触することによって液圧が
片側で強く作用するという前述の欠点を受け入れることができる。なぜなら、作
用面としての端面6が小さな直径差によって小さく抑えられるからである。作動
室に対してロータをこのようにセンタリングすることにより、ロータ1の端面と
両側のステータ4の間に、同じ圧力のときに静水圧の力をつり合わせるための隙
間7が確保される。
ロータ1はそれぞれ半径方向に延びるスリット8を備えている。このスリット
内で羽根9が滑動案内される。羽根9の下方の案内スリット8内の空間はそれぞ
れ、回転方向において手前側に位置する羽根区画室に連通している。本実施例で
は、羽根内の半径方向凹部10およびまたはロータ内の凹部11によって連通し
ている。作動中は遠心力によって外方へ移動する羽根が、羽根ポンプの停止状態
では、図3に示すようにロータ内に沈むことができ、直径が縮小していない自由
に移動可能なロータ1が片側へステータ4の端面に向かって軸方向に摺動可能で
あり、それによって羽根形機械の始動時に、羽根9が外へ出ることが阻止され、
これが当該のステータ内壁での羽根のくさび作用を生じ得るので、差圧によって
付勢されない羽根9の範囲内において、作動室15を側方から画成するステータ
内周壁部分12は、回転軸線の方へ作動室を広げるようテーパがつけられている
かまたはやや傾斜させて形成されている。このテーパ付または傾斜したステータ
内周壁部分12はその両側で、ステータ内でのロータ1の軸方向移動距離よりも
少しだけ広い範囲にわたって形成されている。従って、羽根ポンプの回転開始に
より、遠心力で外へ出る羽根は直ちに、作動室15に対してロータ1をセンタリ
ングし、軸方向の力を作用させずにかつ羽根9上で付加的な摩擦を生じないでこ
のセンタリング位置を維持する。
羽根ポンプと駆動装置および被駆動装置の連結は、ステータケーシング4内に
達しそこでシールされた軸13を介して行われる。この軸は、軸方向に反作用を
生じないように、継手14を介してロータに連結されている。
図6,7に示した他の実施例の場合には、ロータ1が管状に形成されている。
この場合、管の穴にステータ軸16が同心的に挿入され、ステータ軸16がその
他のステータ部分に固定連結されている。このように形成することにより、管ス
リットの範囲の運転液圧がロータに作用しない。液圧の力と、重量と摩擦によっ
て生じる半径方向の力は、運転液圧によって付勢された、同心的なステータ軸1
6の表面の凹部17または18によって、凹部の位置と大きさに依存して部分的
にまたは完全に相殺される。ポンプの場合、凹部17は羽根区画室が小さくなる
範囲に設けられ、モータや容積カウンターの場合には、凹部18は羽根区画室が
大きくなる範囲に設けられている。
前述の実施例の場合には、広がる羽根区画室の充填が外部からほぼ接線方向に
行われるが、図8,9に示した実施例では、入口が作動室幅20の端部まで中空
に形成されたステータ軸16に設けられている。このステータは広がる羽根9の
作動範囲15に、窓21を備えている。この場合、羽根9およびまたはロータ1
には半径方向の凹部10,11が設けられている。遠心力によって補助されて、
この凹部から広がる羽根区画室へ充填が行われる。凹部10,11は回転方向に
見て、羽根の背面に、およびまたは羽根のすぐ後ろでロータに設けられている。
図10,11に示した羽根ポンプは、内側ロータ100としての中空軸110
に支承されたロータ111を備えている。このロータは回転可能に配置され、か
つステータ112内て中空軸を取り囲んでいる。ステータ112は図10から判
るように、二つの部分からなり、特に中空軸110と一体化された構成要素11
3を備えている。ロータ111は羽根124によって定まる作動範囲(図10)
の外側に、それぞれ作動範囲から側方へ縮小した直径を有し、その外周面はステ
ータ内周面に密封接触している。ロータの端面114,115とステータの対向
する端面との間にはそれぞれ隙間116または117が形成されている。この隙
間は圧力によって付勢される。隙間116と117の間で圧力をつり合わせるた
めに、軸方向の穴118と半径方向の穴118′が設けられている。ロータは駆
動側または被駆動側において、軸119に直接または図示していない継手を介し
て連結されている。この軸119はステータケーシングまたは駆動機械または被
駆動機械に回転可能に密封支承されている。中空軸110は矢印120の方向か
らアクセス可能な端面側の入口を備えている。この入口は中空軸の窓開口121
とロータの対応する凹部を経て、ロータの半径方向に延びる溝状の凹部122と
羽根の凹部123に連通している。羽根124はロータ111の半径方向スリッ
ト125内にある。内側ステータ100はその回転面に凹部126を備えている
。この凹部126はポンプの搬送圧力またはモータの入口圧力によって液圧的に
付勢され、半径方向の液圧支承負荷が部分的または完全に相殺されるように配置
されている。
ロータ111とステータ112の間にある、三日月状搬送区画室127を備え
た空間はそれぞれ、羽根124によって分割されている。羽根はその端部が弧1
28によって示した範囲に沿って回転する。更に、ステータ内周面は付加的な凹
部129を備えている。この凹部は最大半径方向振れ(曲線128)から三日月
状に突出している。
広がる搬送区画室と狭くなる搬送区画室127の間には、移行範囲130が設
けられている。この移行範囲において、羽根は、矢印131の方へ回転するとき
に、半径方向に移動しない。
図10,11の羽根ポンプは次のように作動する。
矢印120の方向から流入する液体は窓開口121と溝状の半径方向凹部12
2,123を経て半径方向外方へ向かって搬送区画室127内へ案内され、ほぼ
接線方向に矢印132の方へ排出される。それによって、ポンプの場合には、中
空軸からの液体流入と、広がる羽根区画室への内側から外側への充填が、駆動装
置へのエネルギー供給によって行われ、高い回転数の場合にも低い有効吸込みへ
ッドとなる。同時に、簡単な構造的手段によって、液圧のつり合いが達成可能で
ある。
図12,13には、ポンプの例に基づいて、ロータに作用する半径方向の液圧
の力のつり合い装置の、機能的で製作技術的にきわめて有利な実施形が示してあ
る。
管状のロータ201は両軸受202,203に滑動支承されている。単ストロ
ーク型吸込みリング204は作動室205を形成し、軸受202,203に固定
連結されている。この三つの部材からなる外側円筒状のステータは、液体を案内
または流通する隙間206を有するようポンプケーシング207に挿入され、両
端でO−リング208によってポンプケーシングに対してシールされている。吸
込みリング内にある圧力出口209は、ケーシング207の対応する出口管21
8に移行するときに、その都度のポンプの運転圧力によって隙間206を付勢す
る。
ほぼ図12の切断線の方向にロータに作用する半径方向の液圧の力に対向して
、一つまたは複数の穴210が軸受202,203に設けられている。この穴は
軸受範囲内で反対向きの圧力をロータに作用させることができ、圧力を部分的ま
たは完全につり合わせる。
内側ロータ213は無接触でかつ狭い隙間を生じるよう、ロータ201の内径
部に嵌め込まれている。駆動側まで連続する内側ロータ213の入口214と、
広がる羽根区画室の範囲の窓215を経て、羽根区画室の充填が行われる。貫通
する穴214と穴216を経て、入口圧力がロータの両端面に作用する。
液圧による半径方向の圧力を、作動範囲、すなわち吸込みリングの軸方向長さ
に制限するために、軸受は、液圧による半径方向の圧縮力の作用範囲に、凹部2
11を備えている。この凹部は隙間217と穴214,218を経て低圧側に連
通しているので、凹部211の範囲に、シールや支承にとって充分である短い軸
受212が形成される。
ロータ内のスリット217を通って、液圧の運転圧力がロータを付勢しないで
内側ステータに直接作用し、更にロータスリットを経てロータと内側ステータの
間の隙間が圧力で付勢される。この圧力は更に部分的な圧力つり合いのために寄
与する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年10月20日
【補正内容】
明細書
羽根形機械利用分野
本発明は、ステータに支承されたロータを備え、このロータが半径方向に延び
る案内スリットを備え、この案内スリット内に半径方向に摺動可能な羽根が滑動
配置され、この羽根が遠心力で付勢されてステータの内壁に押しつけ可能であり
、ロータ回転時に三日月状に広がるかまたは狭まる搬送区画室が形成され、液体
の流入が内側の管状ステータと羽根区画室の充填部を通って内側から外側へ行わ
れる液体用羽根形機械に関する。技術水準
羽根形機械は定容量形ポンプまたは定容量形モータとしてあるいは可変容量形
ポンプまたは可変容量形モータとして形成される。しかし、羽根形機械は容量メ
ータとして使用することができる。羽根形機械の利点はその搬送流れが均一であ
り、回転騒音が小さいことにある。問題はその都度の液圧による半径方向と軸方
向の軸受負荷によって生じる。
羽根の作動範囲と同じ長さのロータを備えた羽根形機械の場合には液圧による
半径方向の軸受負荷は、ロータと突出する羽根の投影面積と液圧との積、すなわ
ちロータに作用する差圧から生じる。半径方向の小さな負荷は、ステータ上とロ
ータスリット内の羽根摩擦と、ロータの自重によって生じる。全体として生じる
半径方向の力と、小さな差圧のときに既に発生する大きな力を受け止めるために
、ロータ軸と軸受は丈夫に採寸されるかまたはコストがかかり流体技術的に不利
なマルチストローク型のポンプ構造またはモータ構造によって力を相殺すること
が試みられる。
液圧による軸方向の軸受負荷はロータの軸方向の液圧作用面を対称に形成する
ことによって防止することができる。この場合、作用面にかかる液圧は等しくな
ければならない。製作技術的およびコスト的な理由から有利である、軸方向に移
動可能なロータを備えた実施形の場合には、ロータが片側の範囲でステータに接
触している。この場合、反対側で、液圧が強く作用するので、軸方向の力のつり
合いは達成されない。その対策として、ロータを軸方向に移動しないように軸受
し、端面側のロータ隙間が正確に同一に調節された。しかし、これにはコストが
かかる。例えば本願対象物に関連する空気圧コンプレッサまたはモータのために
、空気圧緩衝材が、ロータの端面に形成された、ドイツ連邦共和国特許出願公開
第2133455号による若干の凹部内に設けられる。この凹部はロータ羽根の
間にあり、圧縮可能な空気が通路を経て供給される。この通路はケーシングの側
方のカバーに円弧状に形成されている。従って、ロータが軸方向に摺動するとき
に、ロータの両側にある空気圧緩衝材の間に圧力差が発生する。この圧力差は押
し戻し力を中央位置の方へ加える。
ドイツ連邦共和国特許第3120350号においても、比較的にコストのかか
る解決策が羽根形機械のために提案されている。この場合、軸付ロータが軸方向
に大きく摺動可能なブッシュを備えている。このブッシュは背面と端面に設けた
軸方向に摺動可能な軸受ブッシュ内で、圧力付勢される隙間内の搬送圧力によっ
て付勢され、それによって軸付ロータの圧力をつり合わせることができ、軸受負
荷と摩擦損失を最小限に抑えることができる。液圧作動範囲内の多数の精密部品
が大きくてコストがかかり、高圧範囲と低圧範囲の間の隙間長さを比較的に長く
形成する必要があり、その結果羽根形機械の効率が悪いという欠点がある。更に
、駆動および被駆動のために回転ピストン機械から突出する軸が、軸シールにお
ける差圧と、スリップリングシールの場合には更にそのばね力によって、軸方向
の軸受負荷を生じる。反対側で対称構造によってつり合いが達成される場合には
この軸受負荷は発生しない。
更に、回転ピストンポンプが例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第1236
641号公報によって知られている。この回転ピストンポンプでは、一様な横断
面のステータ中空室内に、ほぼ半径方向の多数のスリットを有する回転する円筒
状のロータが支承され、このスリット内で羽根が滑動する。この場合、ステータ
中空室の横断面輪郭を軸状に形成することにより、ステータとロータの間に多数
の搬送区画室が形成される。この搬送区画室には、搬送媒体または作動媒体が接
線方向に開口する通路を経て供給および排出される。この通路のうち、吸込み側
または低圧側の通路は羽根の一方の側にある、中央のロータ中空室に通じる穴で
あり、羽根の他方の側にある高圧側の通路はそれぞれ、各々の羽根に付設された
、ロータの貫通する縦方向通路に接続されている。縦方向通路はステータ側壁に
形成された環状溝に連通している。この環状溝はポンプまたはモータの高圧側の
接続口に接続している。
搬送媒体を直接供給およひ排出するために搬送区画室に開口する通路をロータ
に設けることが知られている。この通路は動かないケーシング部分の通路に接続
している。例えはロータ外周面とステータ中空室の外周壁との間に一つまたは複
数の作動室が設けられていると、このようなロータ通路の使用は有利である。な
ぜなら、多数の入口や出口をステータ壁に設ける場合、作動室の大きな部品が、
押しのけ区画室を吸込み側と吐出側から閉鎖する範囲として作用しないからであ
る。利用可能な作動室を小さくし、大きな摩擦損失を生じる非常に多数の吐出操
作が行われると、作動室の大きな部品が押しのけ区画室を閉鎖する範囲として作
用する。
ロータ内の供給通路およひ排出通路を充分な幅に形成できるようにするため、
他方では通路によるロータの大きな弱体化を避けるために、そして圧力に反対の
作用を与える送出通路からの軸方向スラストを避けるために、ドイツ連邦共和国
特許出願公告第1236941号公報では更に、圧力側の通路として、各々の羽
根の圧力側に、羽根滑動方向に延ひる多数の溝を設けることが提案されている。
この溝は所属のロータスリットの壁に形成されている。更に、ロータの両側にお
いて、ロータ端壁寄りのステータの側壁に、各々一つの環状溝が設けられている
。この環状溝内には、ロータの圧力側の縦方向通路が開口している。この場合、
環状溝はポンプまたはモータの圧力接続部に接続されている。ロータの低圧側の
穴が通じるロータ中空室は、ロータに連結された軸の中央の縦方向穴の一部であ
る。しかし、この回転ピストン機械は多数の半径方向穴および羽根スリットの外
側の穴と多数の出口こ基づいて、構造的コストがかかる。
米国特許第3,361,076号明細書に、ステータに支承され、作動範囲に
スリットを有するロータを備えた羽根形モータが記載されている。このロータは
羽根のための収容部、端部材および流通ブッシュを互いにボルト止めして構成さ
れている。羽根のための収容部は端フランジを備えている。この端フランジは端
部材と同様に、スリット付ロータの外周とステータ要素の内周から半径方向に突
出し、それによって液圧作動範囲を側方から画成している。羽根のための収容部
は軸方向外側が軸として形成され、ステータ内でころがり軸受で軸受され、シー
ルされ、そして駆動要素を収容するために羽根形モータから外へ案内されている
。その際、端部材はころがり軸受を収容するための短い軸突起を備えている。そ
の際、羽根区画室の充填は内側から外側へ行われる。この場合、可動の吸込みリ
ングを軸方向に形状補完的にセンタリングするために、スリット付範囲を越えて
両側へ大きな外径で延長したロータが設けられている。両延長部は、半径方向と
軸方向の液圧の力を受け止めるために、円錐ころ軸受を介してケーシングに軸受
されている。この場合、回転密封された軸としての延長部は、駆動連結のために
機械から外へ案内されている。圧力調節可能な溢流弁が運転圧力の漏れによって
発生する隙間内の隙間圧力を制限する。この隙間圧力は同じ圧力のときにこの隙
間範囲を越えてシール直径まで軸方向の圧力のつり合いを生じる。シール内周の
下側の圧力がつり合わない面の上方における軸方向の液圧力は、支承部によって
受け止められる。この羽根形モータの場合には羽根はばねで付勢されている。そ
れによって、ばね押圧力が弱まると、運転状態で羽根がステータ内壁に沿って案
内されなくなるので、非常に故障しやすい。更に、羽根がばねに抗してロータの
その収容スリット内に入り込むことができるように、ステータと相対的なロータ
が回転しなければならない。そのため、三つの部材からなるロータは軸を持たな
いように形成されていないし、また管状に形成されていない。ロータは内周から
外周へ貫通する羽根スリットを備えていない。なぜなら、内周が流通ブッシュに
よって形成されるからである。ステータの圧力付勢室は、ロータ延長部の範囲で
は、運転圧力によってロータ部分だけに作用する半径方向の力を相殺するために
寄与しない。隙間内に存在する同じ圧力は、弁によって調節されて制限され、シ
ール直径から外へ出た作用面のために、この圧力による軸方向の力を回避する。
しかし、作用面はシール直径の下方では軸方向において圧力で相殺不可能である
。
米国特許第3,153,384号明細書には羽根形機械が記載されている。こ
の羽根形機械の場合、共通の軸上に、スペーサディスクによって分離された2個
のロータ、2個の支持ロータ、2個のスペーサブッシュおよび2個のつり合いデ
ィスクが軸方向に固定されて設けられている。支持ロータはケーシング内で軸受
ブッシュに滑動支承されている。この軸受ブッシュ内には、半径方向の液圧の力
を相殺するために、運転圧力によって付勢された適当な凹部が形成されている。
運転圧力は外側の導管を通って圧力側から軸受ブッシュの凹部へ案内されている
。この羽根ポンプの場合には、運転圧力によって付勢されロータの方へ向いた作
用面がステータ内に設けられている。滑動支承されたロータを有する羽根形機械
の場合に半径方向の液圧の力を相殺するために、負荷される滑り軸受範囲に、運
転圧力によって付勢される作用面を設けることが知られている。この羽根ポンプ
の場合には、運転圧力によって負荷される、比較的に短い隙間長さを有する付加
的な隙間流入通路が形成され、容量損失が増大するため効率が悪くなるという欠
点がある。更に、動圧の圧力支持面の形成が妨げられる。なぜなら、そのために
軸受範囲に必要な狭い隙間が、この個所に設けられた運転圧力で付勢される作用
面によって無くなるからである。
フランス国特許出願公開第1395435号により、軸で支承されたロータが
ステータ内で回転する羽根形機械が知られている。この場合、ステータの内周面
は三つの部分円状の凹部を備えている。この凹部の壁面は、各々二つの壁面の連
結範囲がロータの外周範囲に設けられるよう案内されている。ロータは半径方向
に延ひる、4個の羽根のための案内スリットを備えている。この場合、それぞれ
対向する二つの案内スリットが仮想の半径方向線に対して互いにずれるよう、案
内スリットが配置され、その結果、個々の部分円状の凹部内に、その都度羽根が
一つだけしか存在しない。その際、ロータ軸の搬送液潤滑式滑り支承部は設けら
れていない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第2022841号公報には、搬送を行う円形
の回転羽根を備え、弁を持たない回転ピストンポンプが記載されている。このポ
ンプはケーシングと、回転ピストンとして形成され駆動中空軸に支承されたた二
つ以上の羽根と、固定されたプロフィル軸とからなっている。このプロフィル軸
は個々の作動相において羽根の位置を決定する。この場合、駆動中空軸はポンプ
ケーシング内に次のように偏心させて支承されている。すなわち、作動範囲にお
いて中空軸とケーシングとの間に充分な搬送横断面が形成され、分離範囲におい
て中空軸がケーシングに密封接触し、吐出側と吸引側の分離を行うように支承さ
れている。媒体の吸込みと搬送を行う羽根は、作動範囲において、中空軸からケ
ーシング壁に達するように突出している。この場合、駆動軸は中空軸として形成
され、この中空軸に羽根が半径方向に摺動可能に支承され、中空軸の内部に固定
支承されたプロフィル軸に支持されている。この場合、中空軸はポンプケーシン
グに支承されている。従って、軸を持たない支承部は設けられていない。
技術水準によって知られている、羽根区画室を備えた、搬送ポンプとしての液
体用回転ピストン機械の場合には、高い蒸気圧を有し、回転数と共に迅速に増大
する有効吸込みヘッドによる正の流入ヘッドを有する液体にとって、例えば14
50回/分以上の経済的な駆動回転数による運転はもはや不可能である。
羽根ポンプの容積効率と乾燥吸入能力(空のポンプの場合)は、隙間損失によ
って決まる。この隙間のオーダーは、搬送製品と製作精度と圧力差が同じである
と仮定すると、隙間の長さに依存する。従って、比較し得る搬送流れの場合、大
きな周期的吐出量と長い隙間長さを有するゆっくり回転するポンプは、小さな周
期的吐出量と短い隙間長さを有する迅速に回転するポンプよりも、容積効率が悪
く、かつ乾燥吸入能力が小さい。この技術的な関係は、有効吸込みヘッドによる
必要な回転数制限のため、容積効率と乾燥吸入能力の構造的な改善可能性を制限
する。
更に、液体用回転ピストン機械は、ロータと突出する羽根によって形成された
、大きな差圧で付勢される大きな投影面積のために、採寸された軸と支承部を必
要とする。回転ピストン機械がダブルストローク型羽根ポンプまたは羽根モータ
として形成されている場合には、採寸された軸と支承部を必要としないが、この
ポンプまたはモータは液体のためのそれぞれ二つの入口と出口を備え、製作技術
的にコストのかかる手段を備え、ポンプの場合には、有効吸入ヘッドを高めて悪
化させることになる。課題、解決策、効果
そこで、本発明の課題は、半径方向と軸方向の力のつり合いが完全にまたは充
分に達成され、長い寿命の観点から摩耗が最小限に抑えられ、高い効率が達成さ
れるように、公知の羽根形機械を改良することである。羽根形機械が容積メータ
ーであるときには、測定精度を改善すべきである。本発明の他の課題は、有効吸
入ヘッドを低下させることによって、ポンプとしての用途を広げ、ポンプまたは
モータとして使用される機械の場合には効率を改善することである。更に、本発
明の課題は、大きな構造的コストをかけずに、構造的手段によって、軸方向と半
径方向の液圧負荷の少なくとも一部または全部を改善することである。
この課題は、請求の範囲第1項記載の羽根形機械によって解決される。
これに従って、羽根形機械は、ロータが軸を備えていないで管状に形成され、
両側が羽根によって決まる作動範囲を越えて延長し、この延長部が外側ステータ
に支承され、ロータが内周から外周まで貫通する羽根スリットを備え、この場合
、半径方向に発生する力を少なくとも部分的に相殺または回避するために、ステ
ータの外周壁がロータ延長部の範囲の表面に、運転圧力によって付勢およびまた
は付勢解除される、ロータの方へ向いた液圧作用面を備えていることを特徴とす
る。しかしながら、軸を持たず、作動範囲から両側へ延長しているロータの場合
には、そこにある、ロータと外側ステータの間の支承隙間に、運転圧力が作用す
る。これは他の支承負荷を生じることになる。これに対して、運転圧力から負荷
解除された、ステータ外周壁内の凹部(作用面)によって、この半径方向の負荷
部分は大幅に減る。両側の管延長部は圧力に依存する隙間漏れによって搬送液で
潤滑されてステータ内で滑動支承されている。これは、内周部がロータ全長にわ
たって中央のステータ上に搬送液で潤滑されて滑動支承されているロータにも当
てはまる。
他の実施形によれは、羽根形機械において、中空の中央のステータを通って液
体が流入し、広がる羽根区画室を充填するための通路が、羽根およびまたは羽根
スリット内の半径方向の凹部によって形成され、半径方向の力を少なくとも部分
的に相殺するために、中央のステータが表面に、運転圧力によって付勢されてロ
ータの方へ向いた作用面を備えていることを特徴とする。この場合、液圧負荷可
能な凹部は、運転圧力によって負荷される小さな穴によって置き換え可能である
。この穴はロータと外側ステータの間の支承隙間内でロータと反対方向に向いた
大きな圧力作用面を生じる。この手段は簡単に製作され、隙間損失が比較的に小
さ
く、それによって容積効率を改善する。この羽根形機械は簡単に構成されるので
有利てある。この場合、比較的にコストのかかる負荷的な軸支承と、この軸支承
時に発生する摩擦力が、軸方向と半径方向の液圧の力のように、最初から最小限
に抑えられる。
その際、半径方向の通路は、搬送区画室を充填するために、羽根およびまたは
羽根スリット内の半径方向凹部によって形成され、この半径方向の凹部が外周か
ら、羽根によって決まる作動範囲を越えて両側へ突出する軸なしロータの内周と
してのロータ長手方向穴まで貫通して延び、液体が中空のロータ軸に軸方向から
流入し、広がる搬送区画室への充填が、ロータ軸の凹部を通って半径方向に、そ
してロータおよびまたは羽根の穴を通って行われる。
作動範囲を越えて突出するロータ部分または両側のロータ部分は、ステータと
相対的に回転可能であり、シールされて嵌め込まれている。ポンプの場合、有効
吸入ヘッドに関連して重大な利点が生じる。というのは、ロータスリットへの液
体の導入損失だけが有効吸入ヘッドに関係し、羽根区画室の充填までの他の圧力
損失、ひいては遠心力に関連する液体の速度上昇は、駆動装置によってエネルギ
ーを加えて発生しなければならないからである。更に、ロータスリットを経て内
側から羽根区画室に液体を充填すると、羽根のストローク容積をロータスリット
に含めることが、遠心力に抗してこのストローク容積を特別に充填しないで、ポ
ンプまたはモータの周期的な作動容積内で行われるという利点がある。これは技
術水準では公知のように、外側から接線方向または軸方向に行われる羽根区画室
の充填を必要とする。同時に液体入口としておよひロータ用軸承部としての働き
をするロータ軸は、ポンプやモータの場合、ロータ軸に対して液圧的に支持する
ことによって、特に半径方向の液圧つり合いを可能にするので有利である。
本発明の他の実施形は従属請求項に記載してある。
例えは凹部が特に液体による運転圧力によって付勢されるので、他の圧力源ま
たは制御は不要である。
第1の実施形では、ステータ外周壁の凹部が羽根作動範囲の外側においてロー
タ外周壁に対向して、すなわち羽根作動範囲を通る垂直平面に関して対称に配置
されている。他の実施形では、凹部はステータ軸の外周面に設けられている。こ
のステータ軸はロータ管の中央の穴に挿入され、このロータ管に密封接触してい
る。この最後の実施形は、凹部の羽根作動範囲と同じ高さ位置に設けることがで
き、それによって場合によっては構造高さが低くなるという利点がある。更に、
前記実施形の組み合わせが可能である。
本発明の他の実施形では、羽根作動範囲を越えて突出るロータ部分が、羽根作動
範囲内のその直径と比較して、同じ外径または小さな外径を有する。羽根作動範
囲の外側の直径を縮小することにより、羽根形機械の回転運転中、ロータが軸方
向でセンタリングされるという利点がある。
羽根形機械の停止時には、羽根はロータスリット内に沈んでいる。それによっ
てロータ全体が同じ直径を有するのでロータが軸方向に摺動可能である。ロータ
の縮小直径部が延長し、ロータが軸方向に自由に移動可能である場合には、直径
差が作動室に対してロータをセンタリングするために役立つ。この場合、反対側
で接触することによって片側で液圧が強く作用するという前記欠点が生じない。
なぜなら、作用面が小さな直径差によって小さくなっているからである。作動室
に対するこのロータのセンタリングによって、ロータの端面と両側のステータの
間に、同じ圧力のときの静圧的な力のつり合いのための隙間が形成される。
ロータが同じ直径で両側へ延長している場合には、作動室に対するロータの必
要なセンタリングが羽根によって行われる。羽根の下方の案内スリット内の空間
は、例えば羽根およびまたはロータの半径方向の凹部によって、回転方向手前の
羽根区画室に連通している。運転中遠心力によって半径方向外側へ動かされる羽
根は、羽根形機械の停止状態ではロータ内に沈み、自由に動くロータが片側で端
面側のステータの方へ軸方向に摺動可能であり、羽根形機械の始動時にステータ
が羽根の飛び出しを阻止するかまたは傾斜させるので、圧力差で負荷されない羽
根の範囲に、作動室を側方から画成するステータ部分が回転軸線の方へ作動室を
拡大するようややテーパが付けられている。このテーパは両側で、ステータ内で
のロータの軸方向の移動距離よりも幾分広く形成されているので、羽根形機械の
回転開始と共に、遠心力によって外へ出る羽根が直ちに作動室に対するロータの
センタリングを行い、軸方向に力が作用しないのでこのセンタリングが羽根との
付加的な摩擦を生じないで保たれる。
本発明による羽根形機械の特別な実施形では、ロータが管状に形成され、かつ
長手方向穴を備え、この長手方向穴内に、偶数の羽根スリットが開口し、それぞ
れ直径方向に対向する羽根が互いに固定連結されているかあるいは一体に形成さ
れている。
しかしその代わりに、ロータが管状に形成され、この管の穴にステータ軸が挿
入され、このステータ軸の内側が中空であり、ステータ軸が摺動可能な羽根のた
めの、ロータを半径方向に貫通するスリットの範囲に窓を備え、羽根およびまた
はロータスリットが半径方向の凹部を備えていてもよい。この実施形は半径方向
の液圧の力をロータ上で部分的につり合わせる。
ロータは好ましくはその一方の端面のところで、駆動装置連結部または被駆動
装置連結部としての軸方向に固定された軸に連結されている。この場合、軸はス
テータケーシン内に収容される。
特に、搬送区画室の充填範囲において、ステータ穴が羽根の半径方向の最大振
れの範囲にわたって、半径方向外側へ部分円状に形成され、それによって形成さ
れる凹部を介して、二つ以上の搬送区画室が連通している。この手段は搬送区画
室の充填を容易にする。
更に、拡大する羽根区画室と縮小する羽根区画室の間のステータ外周壁移行範
囲または二つの羽根区画室の間の範囲における羽根の案内部が、ロータ回転軸線
と同軸に設けられ、それによって羽根が回転時に差圧で負荷されるこの移行範囲
において半径方向に移動しない。
他の実施形によれば、内側ロータ外周壁が半径方向の液圧支承部負荷を少なく
とも部分的に相殺するための、ポンプ搬送圧力またはモータ入口圧力によって液
圧的に付勢可能な凹部を備えている。構造的に簡単に得られるこの手段によって
、丈夫に採寸された支承部を省略することができる。
羽根作動範囲から突出するロータ部分は特に、羽根作動範囲のロータ直径と比
較して小さな外径を有する。これにより、運転中ロータは軸方向においてセンタ
リングされる。
羽根はロータ停止時にロータスリット内に沈む。これにより、ロータは、外径
を縮小しないで、軸方向に摺動可能である。ロータの再始動時に、羽根がその作
動範囲の外側でステータ内周面によって誤って傾斜しないようにするために、羽
根作動範囲を側方から画成するステータ外周壁が圧力によって付勢さない羽根の
範囲においてテーパ状に形成されているので、羽根は始動時に軸方向のセンタリ
ング位置へ強制的に案内される。
他の実施形によれぱ、ロータが入口と反対側の端面で、駆動装置または被駆動
装置としての軸に直接連結されているかあるいは継手を介して連結されている。
この場合、軸はシールされてステータケーシング内を案内されている。図面の簡単な説明
次に、図を参照して、本発明の実施例を詳しく説明する。
図1は羽根ポンプの垂直断面図、
図2は図1のII−II線に沿った垂直断面図、
図3は、羽根作動範囲とそれに隣接するステータ外周壁との間に円錐形に形成
された移行範囲を有する羽根ポンプの部分縦断面図、
図4は、管状のロータを備え、直径方向に対向する羽根が互いに連結されてい
る羽根ポンプの断面図、
図5は図4のV−V線に沿った垂直断面図、
図6はステータ軸を嵌め込む中央の穴を有するロータを備えた羽根ポンプの断
面図、
図7は図6のVII−VII線に沿った垂直断面図、
図8はステータの中央に入口接続部が形成されている実施例の垂直断面図、
図9は図8のIX−IX線に沿った垂直断面図、
図10は羽根ポンプの他の実施例の縦断面図、
図11は図10の断面に対して垂直な羽根作動範囲の高さ位置の横断面図、
図12は羽根ポンプの垂直断面図、
図13は図12のXIII−XIII線に沿った垂直断面図である。本発明の詳細な説明および本発明を実施するための最良の方法
好ましくは単ストローク型羽根形機械として形成された羽根形機械は、図1,
2に示した実施例ではポンプとして形成されている。このポンプは軸無しロータ
1を備えている。ロータは軸方向において、羽根作動範囲15と同じ外周を有す
る外径2を備えていてもよいし、これよりも縮小した外周3を有する外径を備え
ていてもよい。羽根作動範囲の外側において、ロータ1はステータ4に密封支持
されるように嵌め込まれている。この嵌込み範囲にステータは凹部5を備えてい
る。この凹部はその位置と大きさが次のように形成されている。すなわち、その
中に作用する液体の運転圧力が、摩擦力や重力を考慮に入れても、部分的または
完全な液圧力のつり合いをもたらすように選定されている。図2に示す実施例の
場合には、凹部5が軸方向に見て、羽根作動範囲15の前または後ろにかつ羽根
作動範囲に対して対称に配置されている。
図2の上側半部に示すようにロータ1が直径差を有する場合、垂直方向端面、
すなわち直径差6は同時に、ロータの軸方向のセンタリングのために役立つ。そ
れによって、回転運転中、ロータ端面と、それぞれ対向するステータ端面との間
に、同じ大きさの隙間7が生じる。直径が縮小して延長し、さもなければ軸方向
に自由に移動可能なロータの場合には、この直径差6は作動室に対してロータを
センタリングするために役立つ。この場合、両側で接触することによって液圧が
片側で強く作用するという前述の欠点を受け入れることができる。なぜなら、作
用面としての端面6が小さな直径差によって小さく抑えられるからである。作動
室に対してロータをこのようにセンタリングすることにより、ロータ1の端面と
両側のステータ4の間に、同じ圧力のときに静水圧の力をつり合わせるための隙
間7が確保される。
ロータ1はそれぞれ半径方向に延びるスリット8を備えている。このスリット
内で羽根9が滑動案内される。羽根9の下方の案内スリット8内の空間はそれぞ
れ、回転方向において手前側に位置する羽根区画室に連通している。本実施例で
は、羽根内の半径方向凹部10およびまたはロータ内の凹部11によって連通し
ている。作動中は遠心力によって外方へ移動する羽根が、羽根ポンプの停止状態
では、図3に示すようにロータ内に沈むことができ、直径が縮小していない自由
に移動可能なロータ1が片側へステータ4の端面に向かって軸方向に摺動可能で
あり、それによって羽根形機械の始動時に、羽根9が外へ出ることが阻止され、
これが当該のステータ内壁での羽根のくさび作用を生じ得るので、差圧によって
付勢されない羽根9の範囲内において、作動室15を側方から画成するステータ
内周壁部分12は、回転軸線の方へ作動室を広げるようテーパがつけられている
かまたはやや傾斜させて形成されている。このテーパ付または傾斜したステータ
内周壁部分12はその両側で、ステータ内でのロータ1の軸方向移動距離よりも
少しだけ広い範囲にわたって形成されている。従って、羽根ポンプの回転開始に
より、遠心力で外へ出る羽根は直ちに、作動室15に対してロータ1をセンタリ
ングし、軸方向の力を作用させずにかつ羽根9上で付加的な摩擦を生じないでこ
のセンタリング位置を維持する。
羽根ポンプと駆動装置および被駆動装置の連結は、ステータケーシング4内に
達しそこでシールされた軸13を介して行われる。この軸は、軸方向に反作用を
生じないように、継手14を介してロータに連結されている。
図6,7に示した他の実施例の場合には、羽根9によって決まる作動範囲を越
えて両側へ延長した − 延長部1′,1″を有する − ロータ1が管状に形
成されている。この場合、管の穴にステータ軸16が同心的に挿入され、ステー
タ軸16がその他のステータ部分に固定連結されている。このように形成するこ
とにより、管スリットの範囲の運転液圧がロータに作用しない。液圧の力と、重
量と摩擦によって生じる半径方向の力は、運転液圧によって付勢された、同心的
なステータ軸16の表而の凹部17または18によって、凹部の位置と大きさに
依存して部分的にまたは完全に相殺される。ポンプの場合、凹部17は羽根区画
室が小さくなる範囲に設けられ、モータや容積カウンターの場合には、凹部18
は羽根区画室が大きくなる範囲に設けられている。
前述の実施例の場合には、広がる羽根区画室の充填が外部からほぼ接線方向に
行われるが、図8,9に示した実施例では、入口が作動室幅20の端部まで中空
に形成されたステータ軸16に設けられている。このステータは広がる羽根9の
作動範囲15に、窓21を備えている。この場合、羽根9およびまたはロータ1
には半径方向の凹部10,11が設けられている。遠心力によって補助されて、
この凹部から広がる羽根区画室へ充填が行われる。凹部10,11は回転方向に
見て、羽根の背面に、およびまたは羽根のすぐ後ろでロータに設けられている。
図10,11に示した羽根ポンプは、内側ロータ100としての中空軸110
に支承されたロータ111を備えている。このロータは回転可能に配置され、か
つステータ112内で中空軸を取り囲んでいる。ステータ112は図10から判
るように、二つの部分からなり、特に中空軸110と一体化された構成要素11
3を備えている。ロータ111は羽根124によって定まる作動範囲(図10)
の外側に、それぞれ作動範囲から側方へ縮小した直径を有し、その外周面はステ
ータ内周面に密封接触している。ロータの端面114,115とステータの対向
する端面との間にはそれぞれ隙間116または117が形成されている。この隙
間は圧力によって付勢される。隙間116と117の間で圧力をつり合わせるた
めに、軸方向の穴118と半径方向の穴118′が設けられている。ロータは駆
動側または被駆動側において、軸119に直接または図示していない継手を介し
て連結されている。この軸119はステータケーシングまたは駆動機械または被
駆動機械に回転可能に密封支承されている。中空軸110は矢印120の方向か
らアクセス可能な端而側の入口を備えている。この入口は中空軸の窓開口121
とロータの対応する凹部を経て、ロータの半径方向に延びる溝状の凹部122と
羽根の凹部123に連通している。羽根124はロータ111の半径方向スリッ
ト125内にある。内側ステータ100はその回転面に凹部126を備えている
。この凹部126はポンプの搬送圧力またはモータの入口圧力によって液圧的に
付勢され、半径方向の液圧支承負荷が部分的または完全に相殺されるように配置
されている。
ロータ111とステータ112の間にある、三日月状搬送区画室127を備え
た空間はそれぞれ、羽根124によって分割されている。羽根はその端部が弧1
28によって示した範囲に沿って回転する。更に、ステータ内周面は付加的な凹
部129を備えている。この凹部は最大半径方向振れ(曲線128)から三日月
状に突出している。
広がる搬送区画室と狭くなる搬送区画室127の間には、移行範囲130が設
けられている。この移行範囲において、羽根は、矢印131の方へ回転するとき
に、半径方向に移動しない。
図10,11の羽根ポンプは次のように作動する。
矢印120の方向から流入する液体は窓開口121と溝状の半径方向凹部12
2,123を経て半径方向外方へ向かって搬送区画室127内へ案内され、ほぼ
接線方向に矢印132の方へ排出される。それによって、ポンプの場合には、中
空軸からの液体流入と、広がる羽根区画室への内側から外側への充填が、駆動装
置へのエネルギー供給によって行われ、高い回転数の場合にも低い有効吸込みヘ
ッドとなる。同時に、簡単な構造的手段によって、液圧のつり合いが達成可能で
ある。
図12,13には、ポンプの例に基づいて、ロータに作用する半径方向の液圧
の力のつり合い装置の、機能的で製作技術的にきわめて有利な実施形が示してあ
る。
管状のロータ201は両軸受202,203に滑動支承されている。単ストロ
ーク型吸込みリング204は作動室205を形成し、軸受202,203に固定
連結されている。この三つの部材からなる外側円筒状のステータは、液体を案内
または流通する隙間206を有するようポンプケーシング207に挿入され、両
端でO−リング208によってポンプケーシングに対してシールされている。吸
込みリング内にある圧力出口209は、ケーシング207の対応する出口管21
8に移行するときに、その都度のポンプの運転圧力によって隙間206を付勢す
る。
ほぼ図12の切断線の方向にロータに作用する半径方向の液圧の力に対向して
、一つまたは複数の穴210が軸受202,203に設けられている。この穴は
軸受範囲内で反対向きの圧力をロータに作用させることかでき、圧力を部分的ま
たは完全につり合わせる。
内側ロータ213は無接触でかつ狭い隙間を生じるよう、ロータ201の内径
部に嵌め込まれている。駆動側まで連続する内側ロータ213の入口214と、
広がる羽根区画室の範囲の窓215を経て、羽根区画室の充填が行われる。貫通
する穴214と穴216を経て、入口圧力がロータの両端面に作用する。
液圧による半径方向の圧力を、作動範囲、すなわち吸込みリングの軸方向長さ
に制限するために、軸受は、液圧による半径方向の圧縮力の作用範囲に、凹部2
11を備えている。この凹部は隙間217と穴214,218を経て低圧側に連
通しているので、凹部211の範囲に、シールや支承にとって充分である短い軸
受212が形成される。
ロータ内のスリット217を通って、液圧の運転圧力がロータを付勢しないで
内側ステータに直接作用し、更にロータスリットを経てロータと内側ステータの
間の隙間が圧力で付勢される。この圧力は更に部分的な圧力つり合いのために寄
与する。
請求の範囲
1.ステータ(4)に支承されたロータ(1)を備え、このロータが半径方向に
延びる案内スリット(8)を備え、この案内スリット内に半径方向に摺動可能な
羽根(9)が滑動配置され、この羽根が遠心力で付勢されてステータ(4)の内
壁に押しつけ可能であり、ロータ回転時に三日月状に広がるかまたは狭まる搬送
区画室が形成され、液体の流入が内側の管状ステータ(100)と羽根区画室の
充填部を通って内側から外側へ行われる液体用羽根形機械において、
a) 羽根(9)によって定まる作動範囲内で内周から外周へ貫通する半径方向
の案内スリット(8)を備えた、軸を持たず環状に形成されたロータ(1)が、
羽根(9)によって定まる作動範囲を越えて両側へ延長し、この延長部が羽根作
動範囲のロータ直径と比べて縮小した外径を有し、好ましくは一定の内径と外径
を有し、後側に位置する連通する低い圧力の室に対して作動室を軸方向にシール
するために、外側中央のステータ(4)に対して小さな隙間を有し、
b) 両側のロータ延長部(1′,1″)が圧力に依存する隙間漏れによって搬
送液で潤滑されてステータ(4)内で滑動支承され、
c) ロータ(1)がその内周で、ロータ延長部にわたって中央のステータ(4
)上に搬送液で潤滑されて滑動支承されている
ことを特徴とする羽根形機械。
2.ステータ(4)の外周壁がロータ(1)の側方の延長部(1′,1″)の範
囲において表面に、圧力負荷解除されロータ(1)の方へ向いた液圧作用面を備
えていることを特徴とする請求の範囲第1項の羽根形機械。
3.ロータの両延長部(1′,1″)の少なくとも一方の範囲において、運転圧
力によって支承部を負荷される両延長部(1′,1″)の範囲内に、ロータ(1
)とステータ(4)の間の支承隙間に運転圧力を案内する穴(216)がステー
タ(4)内に設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項の
羽根形機械。
4.両側のロータ延長部(1′,1″)が運転状態で端面において、ロータ案内
スリット(8)、羽根(9)およびステータ(4)の間の形状拘束部を介してロ
ータをセンタリングすることにより、ステータ(4)内で接触しないで保持され
ていることを特徴とする請求の範囲第1〜3項のいずれか一つの羽根形機械。
5.請求の範囲第1〜4項のいずれか一つの羽根形機械において、ステータ(1
12)と、その中に支承されたスリット付ロータ(111)とを備え、このロー
タ内に半径方向に摺動可能な羽根(124)が設けられ、ロータがロータ延長穴
を備え、この延長穴から半径方向の通路が搬送区画室(127)へ延び、ロータ
が内側ロータ(100)備え、搬送区画室を充填するための半径方向の通路が、
羽根(124)およびまたは羽根スリット(125)内の半径方向凹部(122
,123)によって形成され、この半径方向の凹部が外周から、羽根(124)
によって決まる作動範囲を越えて両側へ突出する軸なしロータ(111)の内周
としてのロータ長手方向穴まで貫通して延び、液体が中空のロータ軸(110)
に軸方向から流入し、広がる搬送区画室(127)への充填が、ロータ軸の窓(
121)を通って半径方向に、そしてロータ(111)およびまたは羽根(12
4)の凹部(122)を通って行われることを特徴とする羽根形機械。
6.凹部(5,17)が液体による運転圧力によって付勢されることを特徴とす
る請求の範囲第1〜5項のいずれか一つの羽根形機械。
7.ステータ外周壁の凹部(5,17)が羽根作動範囲(15)の外側において
ロータ外周壁に対向しておよびまたはステータ軸(16)の外周面に設けられ、
このステータ軸がロータ管の中央の穴に挿入され、このロータ管に密封接触して
いることを特徴とする請求の範囲第1〜6項のいずれか一つの羽根形機械。
8.羽根作動範囲(15)を越えて突出るロータ部分が、羽根作動範囲(15)
内のその直径と比較して、同じ外径または小さな外径(2,3)を有することを
特徴とする請求の範囲第1〜7項のいずれか一つの羽根形機械。
9.羽根作動範囲(15)の側方を画成するステータ外周壁(12)が、圧力に
よって付勢されない羽根の範囲において、回転軸線の方へ作動室を広げるようテ
ーパ状に形成されているかまたは斜面を有し、この場合斜面が両側で、ロー
タ(1)の軸方向の移動に相当する距離よりも長く延ひていることを特徴とする
請求の範囲第1〜8項のいずか一つの羽根形機械。
10.ロータ(1)が管状に形成され、かつ長手方向穴を備え、この長手方向穴内
に、偶数の羽根スリット(8)が開口し、それぞれ直径方向に対向する羽根(9
)が互いに固定連結されているかあるいは一体に形成されていることを特徴とす
る請求の範囲第1〜9項のいずれか一つの羽根形機械。
11.ロータ(1)が管状に形成され、この管の穴にステ一夕軸(16)が挿入さ
れ、このステータ軸の内側が中空であり、ステータ軸が半径方向に摺動可能な羽
根(9)のためのスリット(8)の範囲に窓(21)を備え、羽根(9)および
またはスリット(8)が半径方向の凹部(10,11)を備えていることを特徴
とする請求の範囲第1〜10項のいずれか一つの羽根形機械。
12.軸なしロータ(1)が羽根(9)によって決まる作動範囲を越えて両側へ延
長し、この延長部が同じ直径または縮小した直径を有し、この延長部(1′,1
″)が隙間をシールするように周囲のステータ(4)内に容易に回転可能に嵌め
込まれ、ステータ(4)が両側においてロータ延長部(1′,1″)の範囲に、
運転圧力によって付勢される凹部を備え、この凹部の位置と大きさが、半径方向
の液圧の力と重力を部分的にまたは完全に相殺するように、定められていること
を特徴とする請求の範囲第1〜11項のいずれか一つの羽根形機械。
13.ロータ(1)がその一方の端面のところで、駆動装置連結部または被駆動装
置連結部としての軸方向に固定された軸(13)に連結されていることを特徴と
する請求の範囲第1〜12項のいずれか一つの羽根形機械。
14.搬送区画室(127)の充填範囲において、ステータ穴が羽根(124)の
半径方向の最大振れ(128)の範囲にわたって、半径方向外側へ部分円状に形
成され、それによって形成される凹部(129)を介して、二つ以上の搬送区画
室(127)が連通していることを特徴とする請求の範囲第1〜13項のいずれ
か一つの羽根形機械。
15.拡大する羽根区画室と縮小する羽根区画室(127)の間のステータ外周壁
移行範囲(130)または二つの羽根区画室(127)の間の範囲における羽根
(124)の案内部が、ロータ回転軸線と同軸に設けられ、それによって羽
根(124)が回転時にこの移行範囲(130)において半径方向に移動しない
ことを特徴とする請求の範囲第1〜14項のいずれか一つの羽根形機械。
16.内側ロータ(100)が半径方向およびまたは軸方向の軸受液圧負荷の少な
くとも一部を相殺するための凹部(125)を備えていることを特徴とする請求
の範囲第1〜15項のいずれか一つの羽根形機械。
17.羽根作動範囲の側方を画成するステータ外周壁が、圧力によって付勢されな
い羽根の範囲においてテーパー状に形成されていることを特徴とする請求の範囲
第1〜16項のいずれか一つの羽根形機械。
18.端面側の隙間(116,117)が液圧接続部(18,18′)を介して圧
力をつり合わせられていることを特徴とする請求の範囲第1〜17項のいずれか
一つの羽根形機械。
19.ロータ(111)が入口と反対側の端面で、駆動装置または被駆動装置とし
ての軸(119)に直接連結されているかあるいは継手を介して連結されている
ことを特徴とする請求の範囲第1〜18項のいずれか一つの羽根形機械。
20.送出口(209)を有する吸込みリング(104)が両側で軸受(202,
203)に固定連結され、円筒状ユニットとしてケーシング(207)に挿入さ
れ、そして両端部がケーシングに対してシールされていることを特徴とする請求
の範囲第1〜19項のいずれか一つの羽根形機械。
21.吸込みリング(204)と軸受(202,203)からなる円筒状ユニット
が、ケーシング穴よりもはるかに小さな直径を有し、全周が吸込みリング(20
4)の送出口(209)から運転圧力によって付勢されていることを特徴とする
請求の範囲第1〜20項のいずれか一つの羽根形機械。
22.回転軸線に関して半径方向の液圧の力にほぼ対向して、一つまたは複数の半
径方向穴(210)が軸受(202,203)に設けられていることを特徴とす
る請求の範囲第1〜21項のいずれか一つの羽根形機械。
23.内側ステータ(213)が無接触で狭い隙間をもって、ロータ(201)の
内周に嵌め込まれていることを特徴とする請求の範囲第1〜22項のいずれか一
つの羽根形機械。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AT,AU,CA,CH,C
Z,DE,DK,ES,FI,GB,HU,JP,KR
,LU,NL,NO,PL,PT,RU,SE,SK,
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