JPH08502084A - 酵素洗剤組成物 - Google Patents
酵素洗剤組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
(a)(a1)0-95重量%の1種以上の陰イオン性界面活性剤および(a2)5-100重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤から成る界面活性剤系0.1-50重量%;ならびに(b)洗浄過程のメインサイクル中に実質的に脂質分解活性を示すことのできる酵素10-20,000LU/1g洗剤組成物を含む酵素洗剤組成物が提供される。
Description
【発明の詳細な説明】酵素洗剤組成物 技術的分野
本発明は、一般には、酵素洗剤および洗浄組成物の分野に関する。特に、本発
明は、脂肪分解活性を有する酵素を含む酵素洗剤組成物に関する。背景および従来技術
洗剤組成物の添加物として種々の酵素が知られている。例えば、プロテアーゼ
、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼおよびそれらの種々の組み合わせを含む洗
剤組成物が文献に記載されており、そのような製品のいくつかは市販されている
。本発明は、脂肪分解酵素すなわちリパーゼを含む洗剤組成物に関する。そのよ
うな酵素は、トリグリセリドの1個以上のエステル結合を加水分解することによ
り、繊維製品から油汚れを取り除くのに寄与する。
EP−A−214761(Novo Nordisk)は、Pseudomonascepacia種の微生物
から得られるリパーゼを開示しており、EP−A−258068(Novo Nordisk
)は、Thermomyces(以
前の名称はHumicola)属の微生物から得られるリパーゼを開示している。また、
二つの特許出願明細書は共に、これらのリパーゼの洗剤添加物としての用途も記
載している。
さらに、リパーゼ含有洗剤組成物の例は、EP−A−205208およびEP
−A−206390(ともに Unilever)に記載されており、それらは、免疫学
的関係に基づいて規定した一群のリパーゼを開示し、洗剤組成物および繊維織物
の洗濯におけるそれらの使用を記載している。好ましいリパーゼは、Pseudomona s fluorescens
、Pseudomonas gladioliおよびChromobacter種由来のものである
。
EP−A−331376(Amano)は、リパーゼ、それらの用途および組換え
DNA(rDNA)技術による生産を記載しており、Pseudomonas cepacia由来
のリパーゼのアミノ酸配列を記載している。さらに、rDNA技術により生産さ
れるリパーゼ酵素の例は、WO−A−89/09263およびEP−A−218
272(ともに Gist-Brocades)にも記載されている。
リパーゼ酵素およびそれらの改良に関する文献が多数あるにもかかわらず、今
までのところ、Humicola lanuginosaに由来し、Aspergillus oryzaeを宿主とし
て生産されるリパーゼのみが、繊維洗濯製品の添加物としての広汎な用途が見出
されてい
る。その酵素は、Lipolase(登録商標)の商標でNovo-Nordiskから入手できる。
Henrik Malmosは、Chemistry and Industry 1990,pages183-186の文献で、一
般に洗濯工程中のリパーゼの活性は低いことが知られており、Lipolase(登録商
標)も例外ではないことを記している。脱水工程中に繊維の水分が少なくなると
、酵素はその活性を取り戻し、油汚れが加水分解される。続く洗濯サイクル中に
、加水分解された物質が取り除かれる。また、リパーゼの効果が最初の洗濯サイ
クル後は低く、次のサイクルで効果を発揮する理由もこれにより説明される。こ
れらの知見は、Aaslyng et al.,J.Chem.Tech.Biotechnol.50,321-330(199
1),「洗剤工業におけるプロテアーゼおよびリパーゼのメカニズム的研究」にも
記載されている。
本発明者らは、脂肪分解酵素を含む既存の洗剤製品をまだその洗剤製品に触れ
ていない繊維製品の洗濯に使用する場合には、脂肪分解酵素の有用な利点が期待
できないことをその洗剤製品の欠点とみなしている。
さらに、欧州および米国では、自動洗濯機の使用者の間で回転乾燥機を使用し
て洗濯物を乾燥させる傾向が高まっている。これらの機械では、湿った布を熱風
に触れさせることにより急
速に乾燥させる。通常ならば室温で6〜48時間かかる乾燥工程を、回転乾燥機
を使用することにより1時間未満に短縮することができる。上述したように、リ
パーゼ酵素はその活性を脱水工程中で繊維製品の水分が少なくなったときに取り
戻す。リパーゼにとって最適な水分を有する時間は、回転乾燥機を使用する場合
はかなり短い。その結果、洗剤製品中に通常のリパーゼ酵素が存在しても、回転
乾燥機での乾燥工程を含む洗濯工程でその製品を使用する場合は、あまり利点が
ない。
従って、本発明の目的は、自動洗濯機での洗濯工程のメインサイクル中に脂肪
分解活性を有意に示し、その結果、まだ洗剤製品に触れていない繊維製品の洗濯
に使用する場合に脂肪分解活性を示す酵素洗剤組成物を提供することである。ま
た、本発明の目的は、回転乾燥機と組み合わせて使用するのに特に適した酵素洗
剤組成物を提供することである。
さらに、本発明の目的は、自動洗濯機での洗濯工程のメインサイクル中に脂肪
分解活性を有意に示す酵素の製造方法を提供することである。
本発明者らは、驚いたことに、洗濯工程のメインサイクル中に脂肪分解活性を
有意に示す洗剤組成物を処方するために使用できる脂肪分解酵素が存在すること
を見出した。さらに、洗濯
工程のメインサイクル中にそのような脂肪分解活性を示す能力とフルオロリン酸
ジイソプロピル(DFP)による不活性化挙動との間には良好な相関関係がある
ことを見出した。すなわち、適切な脂肪分解酵素は、通常は、それらのDFPに
よる不活性化挙動に基づいて選択することができる。特に、真核生物起源のクチ
ナーゼ酵素は、洗濯工程のメインサイクル中にそのような脂肪分解効果を示す適
切な酵素であることが見出された。
WO−A−88/09367(Genencor)は、効果的な洗浄組成物を処方する
ための、界面活性剤とかなり純粋な微生物由来のクチナーゼ酵素との組み合わせ
を示唆している。(原核生物の)Pseudomonas putida ATCC 53552か
ら得たクチナーゼを含む洗剤組成物が開示されている。しかし、より最近の欧州
特許出願EP−A−476915(Clorox)には、同じ酵素(以下、リパーゼと
言う。)を通常の方法で使用する場合、繊維製品の油汚れの除去において他のリ
パーゼより効果的であるわけではないことが開示されている。言い換えると、こ
の酵素は、洗濯中に効果を示すとは考えられない。
WO−A−9−/09446(Plant Genetics Systems)は、Fusarium solan i pisi
由来の真核生物のクチナーゼの大腸菌でのクローン化および産生を記載し
ており、特に、このクチナー
ゼを使用すると、洗濯洗剤などの洗浄剤ならびに化粧品組成物およびシャンプー
などの他の特定の脂肪溶解剤を処方することができると言及している。しかし、
特定の酵素洗剤組成物は開示も示唆もないので、繊維洗濯用の洗剤組成物を処方
するためにこの特定の酵素を選択するための動機は、当業者であっても見出せな
い。発明の定義
本発明の第一の発明によれば、(a)(a1)0〜95重量%の1種以上の陰
イオン性界面活性剤および(a2)5〜100重量%の1種以上の非イオン性界
面活性剤を含む活性剤系0.1〜50重量%ならびに(b)洗剤組成物1gにつ
き10〜20,000LUの、洗濯工程のメインサイクル中に実質的な脂肪分解
活性を示すことができる酵素を含む酵素洗剤組成物を提供する。
本発明の第二の発明によれば、自動洗濯機での洗濯工程のメインサイクル中に
実質的な脂肪分解活性を示す酵素を、フルオロリン酸ジイソプロピル(DEP)
によるその不活性化挙動に基づいて確認および選択する方法を提供する。
本発明のさらに別の発明によれば、そのような酵素の製造法を提供する。発明の説明
(a)界面活性剤系
本発明の一つは、0〜95重量%の1種以上の陰イオン性界面活性剤および5
〜100重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤を含む活性剤系を0.1〜5
0重量%含む酵素洗剤組成物を提供する。界面活性剤系は、さらに両性または双
性イオン性洗剤化合物を含んでもよいが、それらは比較的高価であるため、通常
は好ましくない。
一般に、非イオン性および陰イオン性の界面活性系は、“Surface Active Age
nts”Vol.1,Schwartz & Perry著,Interscience 1949,Vol.2,Schwartz,Pe
rry & Berch著,Interscience 1958,“McCutcheon′s Emulsifiers andDeterge
nts”Manufacturing Confectioners Company発行または“Tenside-Taschenbuch
”,H.Stache著,2nd Edn.,CarlHauser Verlag,1981に記載された界面活性剤
から選択することができる。
使用できる適切な非イオン性洗剤化合物としては、特に、疎水基を有する化合
物と反応性水素原子を有する化合物との反応生成物、例えば、脂肪族アルコール
、酸、アミドまたはアルキルフェノールとアルキレンオキシド(特にエチレンオ
キシド単
独またはプロピレンオキシドと併用)との反応生成物が挙げられる。特定の非イ
オン性洗剤化合物は、C6〜C22アルキルフェノール−エチレンオキシド縮合体
(一般には5〜25EO、すなわち1分子につき5〜25単位のエチレンオキシ
ドを有する)および直鎖または分岐した第一級または第二級脂肪族C8〜C18ア
ルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物(一般には5〜40EO)である。
使用できる適する陰イオン性洗剤化合物は、通常、約8〜約22個の炭素原子
を含むアルキルラジカルを有する有機硫酸エステルおよびスルホン酸エステルの
水溶性アルカリ金属塩であり、アルキルは高級アシルラジカルのアルキル部分を
含むものとする。適する合成の陰イオン性洗剤化合物の例は、アルキル硫酸ナト
リウムおよびカリウム、特に、例えば獣油またはココナツ油から作られる高級C8
〜C18アルコールを硫酸エステルにすることにより得られるもの、アルキルC9
〜C20ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびカリウム、特に直鎖第二アルキルC10
〜C15ベンゼンスルホン酸ナトリウム;およびアルキルグリセリルエーテル硫
酸ナトリウム、特に獣油またはココナツ油から得られる高級アルコールおよび石
油から得られる合成アルコールのエーテルである。好ましい陰イオン性洗剤化合
物は、
C11〜C15アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびC12〜C18アルキル硫
酸ナトリウムである。
また、EP−A−328177(Unilever)に記載された、塩析に対して耐性
を示す界面活性剤、EP−A−070074に記載のアルキルポリグリコシド界
面活性剤およびアルキルモノグリコシドも適用可能である。
好ましい界面活性剤系は、陰イオン性と非イオン性の洗剤活性物質の混合物で
あり、特にEP−A−346995(Unilever)に示されている陰イオン性およ
び非イオン性の界面活性剤の群および例が挙げられる。特に好ましいのは、C16
〜C18第一アルコールの硫酸エステルのアルカリ金属塩とC12〜C15第一アルコ
ールの3〜7EOエトキシレートとの混合物である界面活性剤系である。
非イオン性洗剤は、好ましくは、界面活性剤系の10重量%より多い量、例え
ば25〜90重量%の量で存在させる。陰イオン性界面活性剤は、例えば、界面
活性剤系の約5〜約40重量%の量で存在させることかできる。
(b)酵素
本発明の酵素洗剤組成物は、さらに、洗剤組成物1gにつき10〜20,00
0LU、好ましくは50〜2,000LUの、
洗濯工程のメインサイクル中に実質的な脂肪分解活性を示すことができる酵素を
含む。本明細書では、LU、すなわちリパーゼ単位をEP−A−258068(
Novo Nordisk)にあるように定義する。
洗濯工程のメインサイクル中の実質的な脂肪分解活性、すなわち洗濯中の効果
とは、酵素を含む洗剤組成物が、欧州型の自動洗濯機で、濃度、水の硬度、温度
に関しては通常の洗濯条件を使用して、1回の洗濯工程中に汚れた繊維製品から
かなりの量の油汚れを取り除くことができることを意味する。同じ条件下では、
通常の市販されている脂肪分解酵素Lipolase(登録商標)(Novo Nordisk製)は
、油汚れに関して有意な洗濯中の効果を有すると思われないことを留意すべきで
ある。
油汚れに関する酵素の洗濯中の効果は、次の測定法を使用して評価することが
できる。綿を33%含む真新しいポリエステル/綿のテスト布を下記に挙げる酵
素を含まない洗剤製品を使用して予備洗濯し、次いで完全に洗い流す。次いで、
汚れのないテスト布に、オリーブ油または他の適切な加水分解可能な油のしみを
付ける。各テスト布(約1g)を100ml容のポリスチレンのびんに入れた3
0mlの洗濯液中でインキュベートする。洗濯液は、1lにつき1gの量で下記
に示す洗剤製品を
含む。びんを、水を満たしたMiele TMT洗濯機中で、通常の30℃メイ
ン洗濯プログラムを使用して30分間揺り動かす。脂肪分解活性を有する酵素を
3LU/mlで洗濯液に前添加する。コントロールは酵素を含まない。洗濯粉末
は下記組成(重量%)を有する。
エトキシ化アルコール非イオン製界面活性剤 9.5
硫酸ナトリウム 38.6
炭酸ナトリウム 40.4
ケイ酸ナトリウム(Na2O:Si2O=2.4) 7.3
水 4.2
非イオン性界面活性剤としてC12〜C15エトキシル化アルコール10.5〜1
3EOを使用したが、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤の種類は広
い範囲で変わりうることが見出された。
洗濯後、布を冷水で完全にすすぎ、回転乾燥機で冷風により乾燥して、残留脂
肪の量を評価する。これは、いくつかの方法で行うことができる。一般的な方法
は、テスト布をソクスレー抽出器で石油エーテルにより抽出し、溶媒を留去して
、テスト布の最初の脂肪量に対する残留脂肪物質の割合(%)を秤量により求め
ることである。
二番目のより感度の高い方法によれば、臭素化オリーブ油を使用してテスト布
に汚れを付す(Richards,S.,Morris,M.A.and Arklay,T.H.(1968),Text
ile Research Journal,38,105-107)。次いで、各テスト布を100ml容の
ポリスチレンのびんに入れた30mlの洗濯液中でインキュベートする。次いで
、一連のびんを、水を満たした洗濯機で、通常の30℃メイン洗濯プログラムを
使用して揺り動かす。メインの洗濯後、テスト布を冷水中で5秒間、注意してす
すぐ。すすぎ後直ちに、テスト布を乾燥機で冷風により乾燥する。乾燥後、残留
脂肪の量は、X線蛍光分光法により布の臭素含量を測定することにより求めるこ
とができる。脂肪除去率は、テスト布に最初に存在した量に対する割合(%)と
して次のように求めることができる。
[式中、臭素bwは洗濯前の布上の臭素の割合を示し、臭素awは洗濯後の臭素の割
合を示す。]
酵素活性のさらに別の評価法は、標準法に従って460nmでの反射率を測定
することにより行う。
本発明による洗剤組成物は、本明細書に記載した測定法で、
酵素を含まない同一の洗剤組成物よりも、最初の油汚れの量に基づいて、少なく
とも5%、好ましくは少なくとも10%多く油汚れを除去することができる酵素
を含む。
酵素活性を定義する別の方法は、市販のLipolase(登録商標)(Novo/Nordis
k製のリパーゼ)の活性と関連させるものである。本発明によれば、本明細書に
記載した測定法で、該酵素による油汚れ除去とLipolase(登録商標)による油汚
れ除去との比が少なくとも3、好ましくは少なくとも5である。酵素による汚れ
除去は、酵素の存在に起因する汚れ除去、すなわち、酵素が存在しない場合に認
められる汚れの除去をバックグランドとして差し引いたものを意味する。
開示したように、本発明によれば、実質的に洗濯中の効果を有する洗剤組成物
を処方することが可能であり、本発明での使用に適する酵素の選択は当業者であ
れば明らかである。しかし、本発明者らは、本発明の組成物に適切な脂肪分解酵
素を選択するための非常に便利な方法を見出した。その方法は、脂肪分解酵素の
洗濯中の効果がフルオロリン酸ジイソプロピル(DFP)によるそれらの酵素の
不活性化挙動と密接に関連するという本発明者らの知見に基づくものである。一
般に、この化合物は脂肪分解酵素の活性部位であるセリン残基と容易に反応し、
その
結果、該酵素の酵素活性を奪うことが知られている。本発明者らは、DFPによ
り容易に不活性化される脂肪分解酵素、すなわち接近可能な活性部位のセリン残
基を有する酵素は、一般的に良好な洗濯中の効果を示すことを見出した。他方、
DFPによる不活性化がゆっくりである脂肪分解酵素、すなわち接近困難な活性
部位のセリン残基を有する酵素は、一般的に洗濯中の効果を示さないか、その効
果が非常に乏しい。室温、pH10でDFPと10分インキュベートした後の残
留活性が50%未満、好ましくは40%未満である脂肪分解酵素は、良好な洗濯
中の効果を有することが見出された。残留活性が25%未満である脂肪分解酵素
は洗濯中の効果がさらに良好であり、残留活性が15%未満である脂肪分解酵素
は最も良好であることが見出された。DPF−不活性化の測定の詳細は実施例に
記載する。
本発明組成物に適切な酵素は、エステラーゼおよびリパーゼの酵素群(EC3
.1.1.*;*は何らかの数字を示す。)に見出すことができる。
本発明に係る洗濯中の効果を示す非常に好ましい酵素の種類は、真核生物由来
のクチナーゼである。クチナーゼは、酵素(EC3.1.1.50)のサブクラ
スであるワックスエステル加水分解酵素である。これらの酵素は、葉および幹の
保護膜
として植物に存在するエステル化長鎖脂肪酸および脂肪アルコールの層であるク
チンを分解することができる。さらに、それらの酵素は、いくらかの脂肪分解活
性を有し、トリグリセリドを加水分解することもできる。すなわち、特殊なリパ
ーゼとみなすことができる。
リパーゼの特徴は、それらが界面活性化を示すことである。これは、酵素活性
が、完全に溶解した基質よりも界面またはミセルを形成した基質に対してより高
いことを意味する。界面活性化は、基質濃度が基質の臨界ミセル濃度(CMC)
以上に上昇して界面が形成されると、脂肪分解活性が突然増加することで示され
る。この現象は、実験的には、酵素活性対基質濃度のグラフの不連続性として認
めることができる。しかし、クチナーゼは、リパーゼとは反対に、実質的な界面
活性化を示さない。
この特徴、すなわち界面活性化を示さないため、本発明では、クチナーゼを、
実質的に界面活性化を示さない脂肪分解酵素として定義する。従って、クチナー
ゼは、触媒結合部位を覆う螺旋の蓋(lid)を有しない点で伝統的なリパーゼ
とは異なる。
クチナーゼは、その脂肪分解特性のため、一般に酵素洗剤組成物の成分として
提案されている。例えば、WO−A−88/09367(Genencor)は、効果的
な洗浄組成物を処方するた
めに、界面活性剤と実質的に純粋な微生物由来のクチナーゼとを組み合わせるこ
とを示唆している。開示されているのは、グラム陰性菌Pseudomonas putlida
ATCC 53552から得られる(原核生物の)クチナーゼを含む洗剤組成物
である。しかし、上述したように、より最近の欧州特許出願EP−A−4769
15(Clorox)には、同じ酵素(以下、リパーゼと言う。)を通常の方法で使用
すると、繊維製品の油汚れの除去において他のリパーゼより効果的でないことが
開示されている。
Fusarium solani pisiから得たクチナーゼ遺伝子がクローン化され、配列決定
が行われている(Ettinger et al.,(1987)Biochemistry,26,7883-7892)。
WO−A−90/09446(Plant Genetics Systems)は、この遺伝子の大腸
菌でのクローン化および産生を記載している。クチナーゼは、水性および非水性
媒体中、クチナーゼと基質との間の界面の非存在下および存在下で、エステルの
加水分解および合成を効率的に触媒することができる。このクチナーゼは、その
全体的な安定性に基づいて、洗濯洗剤などの洗浄剤ならびに化粧品組成物および
シャンプーなどの他の特定の脂肪溶解剤の製造に使用することができると考えら
れる。しかし、その酵素の実行可能な経済的方法での製造法は開示されていない
し、そのクチナーゼを含む特
定の酵素洗剤組成物も開示されていない。
クチナーゼは、植物(例えば、花粉)、細菌および真菌類など多数の源から得
ることができる。本発明で使用できるクチナーゼは、真核生物由来のクチナーゼ
群から選択される。そのような真核生物由来のクチナーゼは、植物(例えば、花
粉)または真菌類などの種々の源から得ることができる。
(真核生物の)真菌類由来のクチナーゼ群は、異なる特異性、すなわち葉特異
性および幹特異性を有する二種類の群を含むと考えられる。葉特異性を有するク
チナーゼは酸性または中性に最適pHを有する傾向があるが、幹特異性を有する
クチナーゼはアルカリ性に最適pHを有する傾向がある。アルカリ性に最適pH
を有するクチナーゼは、重質繊維製品用洗濯粉末および液体などのアルカリ性ビ
ルダー入り洗剤組成物での使用により適する。酸性〜中性に最適pHを有するク
チナーゼは、軽質製品またはリンスコンディショナーにより適するが、工業用洗
浄製品にも適する。
下記表Iに4種類の幹特異性クチナーゼを、それらの最適pHとともに掲げる
。
表 I
幹特異性を有するクチナーゼの例 最適pH
Fusarium solani pisi 9
Fusarium roseum culmorum 10
Rhizoctonia solani 8.5
Alternaria brassicicola(PNBase I) 9
本発明で特に好ましいのは、野生型Fusarium solani pisi(Ettinger et al.
,1987)から得られるクチナーゼである。このクチナーゼを適する洗剤組成物に
使用すると、明らかに「洗濯中の(in-the-wash)」効果を示す。
また、本発明では、Fusarium solani pisi由来のクチナーゼとアミノ酸配列の
相同性が高いクチナーゼも好ましい。例としては、Colletotrichum capsici,Co lletotrichum gloeosporiodes
およびMagnaporthe grisea由来のクチナーゼが挙
げられる。
本発明に適さないのは、EP−A−305216(Novo Nordisk)に記載のHu micola lanuginosa
リパーゼである。これは、Lipolase(登録商標)として市販
されている。しかし、この酵素は洗濯工程のメインサイクル中に実質的な脂肪分
解活性を示すようにrDNA技術で修飾することができると考えられる。
そのような修飾はリパーゼ酵素の構造に影響を及ぼす。従って、酵素の立体配座
の避けられないゆがみと酵素活性の利点との間のバランスを見出すためにいくつ
かの実験が必要である。一般に、活性部位の周りの電荷にあまり影響を及ぼさな
い修飾が好ましい。
本発明の脂肪分解酵素は、適するどんな形状でも洗剤組成物に有用に添加する
ことができる。すなわち、顆粒状組成物の形状、スラリー状の酵素または担体物
質(EP−A−258068に記載したものならびにNovo Nordisk製品のSavina
se(登録商標)およびLipolase(登録商標))とともに添加することができる。
液体洗剤製品に酵素を添加する良好な方法は、EP−A−450702(Unilev
er)に記載したように、エトキシル化アルコール非イオン性界面活性剤中に0.
5〜50重量%の酵素を含むスラリーの形態で行う。
本発明の洗剤組成物で使用する酵素は、酵素の遺伝子を、適当な産生生物(例
えばBacilliまたはPseudomonaceae)、酵母(例えば、Saccharomyces,Kluyvero myces
,HansenulaまたはPichia)または真菌類(Aspargillusなど)でクローン
化することにより産生することができる。
天然のクチナーゼを生産する微生物は通常は植物の病原体で
あり、これらの微生物は、クチナーゼ遺伝子の宿主細胞としての作用にはあまり
適さない。従って、(プロ)クチナーゼをコードする遺伝子を、rDNA技術に
好ましい宿主微生物に移すことができるrDNAベクターに組み込んだ。この目
的に対しては、WO−A−90/09446に記載のrDNAベクターと本質的
に同様のrDNAベクターを使用することができる。
醗酵工程の収量を改善するために、クチナーゼをコードする遺伝子を、安価な
培地で速く増殖でき且つ大量の酵素を合成・分泌することができる微生物に移す
べきである。本発明に従って修飾された適するrDNA(宿主微生物)は、細菌
、中でもBacilli、Corynebacteria、StaphylococciおよびStreptomyces、またはSaccharomyces cerevisiae
および関連種、Kluvveromyces marxianusおよび関連
種、Hansenula polymorphaおよび関連種、ならびにAspergillus属などの下等真
核生物である。好ましい宿主微生物は下等真核生物である。なぜならば、これら
の微生物は、醗酵工程で非常に良好に酵素を生産・分泌し、クチナーゼ分子を解
糖することができるからである。グリコシル化は、洗剤系でのクチナーゼの安定
性に寄与する。
本発明はまた、真核生物由来のクチナーゼ遺伝子、例えばFusarium solani pi si
由来の遺伝子をクローニングrDNAベ
クターに導入して得られる遺伝物質、ならびに、新しい宿主細胞の形質転換、お
よびその新しい宿主細胞でのクチナーゼ遺伝子の発現を行うためのこれらの遺伝
物質の使用を提供する。
また、本発明は、rDNA技術で作ったまたは修飾した、該クチナーゼをコー
ドするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むrDNAベクターおよび該
ポリヌクレオチドおよび/または該rDNAベクターを含むrDNA修飾微生物
も開示する。本発明はまた、真核生物由来のクチナーゼをコードする対応のポリ
ヌクレオチド、例えば成熟クチナーゼをコードする塩基配列を有するポリヌクレ
オチドを提供する。そのポリヌクレオチドでは、最後に翻訳されるコドンの後に
停止コドンが続き、所望により成熟クチナーゼをコードするヌクレオチド配列の
すぐ上流にこのクチナーゼのプレプロ−またはプロ−配列をコードするヌクレオ
チド配列を有する。
そのようなポリヌクレオチドでは、クチナーゼをコードする生物起源のヌクレ
オチド配列を修飾して少なくとも1個のコドン、好ましくはできるだけ多くのコ
ドンの「サイレント」突然変異を誘発して同等のアミノ酸残基をコードするコド
ンを形成することができ、新しい宿主の好むコドンにすることにより、安定性が
改善された導入遺伝子に対するメッセンジャーRNA
を該宿主の細胞内で使用することができる。
プロ−または成熟クチナーゼをコードするヌクレオチド配列の上流には、選択
した宿主に適するシグナルまたは分泌配列をコードするヌクレオチド配列を位置
させることができる。すなわち、本発明の一態様は、クチナーゼまたはその前駆
体をコードするヌクレオチド配列が挿入されたrDNAベクターに関する。
ヌクレオチド配列は、例えば下記から誘導することができる。
(a)天然のヌクレオチド配列(例えば、Fusarium solanipisiにより産生され
るプロプレ−またはプロ−クチナーゼの初のアミノ酸配列をコードする配列);
(b)新しい宿主が好むコドンおよびその新しい宿主において安定したメッセン
ジャーRNAとなるヌクレオチド配列から成り、やはり最初のアミノ酸配列をコ
ードする化学的に合成したヌクレオチド配列;
(c)Fusarium solani pisiクチナーゼをコードする前記aおよびbで述べたヌ
クレオチド配列の一つから誘導され、アミノ酸配列は異なるが、洗剤系での安定
性および/または活性は優れている、遺伝子工学的に処理されたヌクレオチド配
列。
要約すると、上述したクチナーゼ遺伝子をコードするヌクレ
オチド配列を好ましい宿主の一つで発現することができるrDNAベクターは、
下記要素を含む。
(a)成熟したクチナーゼまたはプレクチナーゼまたは(選択した宿主細胞にと
って好ましい)分泌シグナルのすぐ下流でプレ配列の少なくとも一部が除去され
た対応するプレクチナーゼをコードする二本鎖(ds)DNA。翻訳すべき遺伝
子部分がATGコドンで始まっていない場合は、ATGコドンを前に置くべきで
ある。遺伝子の翻訳部分はいつも適切な停止コドンで終わるべきである;
(b)クチナーゼをコードするdsDNAの+鎖の上流に位置する(選択した宿
主微生物に適する)発現レギュロン(要素(a));
(c)クチナーゼをコードするdsDNAの+鎖の下流に位置する(選択した宿
主微生物に適する)ターミネーター配列(要素(a));
(d1)dsDNAの選択した宿主のゲノムへの組入れを容易にするヌクレオチ
ド配列または;
(d2)選択した宿主に適する複製起点;
(e1)所望により、(栄養要求性)選択マーカー。栄養要求性マーカーは、栄
養要求性マーカーのコード領域および欠陥プ
ロモータから成りうる;
(e2)所望により、クチナーゼの前駆体形の一つの選択した宿主での成熟およ
び/または分泌に関与する蛋白質をコードするdsDNA配列。
そのようなrDNAベクターはまた、先に定義したポリヌクレオチドの上流お
よび/または下流に、クチナーゼの機能発現を容易にする別の配列を有すること
ができる。栄養要求性マーカーは、栄養要求性マーカーのコード領域および欠陥
プロモーター領域で構成することができる。
本発明はまた、洗濯中の効果を示すことができる脂肪分解酵素の製造法を提供
する。その方法は、洗濯中の効果を有する脂肪分解酵素をコードする、rDNA
技術により作製した遺伝子を含む人工的に修飾した微生物を醗酵培養する工程、
微生物により生産した酵素を醗酵培養基から分離するか、微生物細胞を醗酵培養
基から分離することにより酵素を調製する工程、分離した細胞を崩壊する工程お
よび酵素を該培養基または該細胞から物理的または化学的濃縮または精製法によ
り濃縮または部分精製する工程を含む。該醗酵は、通常のバッチ式醗酵、供給−
バッチ式醗酵または連続醗酵のいずれでもよい。使用すべき方法の選択は、宿主
菌株および好ましい下流処理法(自体公知)
に依存する。
好ましい条件は、酵素が微生物によって醗酵培養基中に分泌され、その酵素が
細胞の除去後に濾過または遠心のいずれかにより培養基から回収されるように選
択する。酵素は次いで、所望により、望ましい程度に濃縮および精製することが
できる。
微生物の特定の性質とは別に醗酵法自体は、公知の醗酵法ならびに通常使用さ
れる醗酵および下流処理装置に基づくことができる。
本発明の別の発明では、本明細書で定義した脂肪分解活性を有する酵素の遺伝
子を含み、該遺伝子によってコードされる酵素を産生することができる人工的に
修飾された微生物を提供する。
本発明はさらに、本明細書で記載した洗濯中の活性を有する脂肪分解酵素をコ
ードするヌクレオチド配列を有する組換えDNAベクターを提供する。
(c)他の成分
本発明の酵素洗剤組成物は、さらに5〜60重量%、好ましくは20〜50重
量%の洗剤ビルダーを含むことができる。この洗剤ビルダーは、洗濯液中の遊離
カルシウムイオンレベルを低下することができる物質を含んでいてもよく、好ま
しくは、
アルカリ性pHの発生、繊維製品から除去した汚れの懸濁および繊維柔軟化粘土
物質の懸濁などの他の利点を有する組成物を提供する。
洗剤ビルダーの例としては、アルカリ金属の炭酸塩、重炭酸塩、オルトリン酸
塩などの沈降ビルター、アルカリ金属のトリポリリン酸塩もしくはニトリロトリ
酢酸塩などの金属イオン封鎖ビルター、またはアルカリ金属の無定形アルミノケ
イ酸塩またはゼオライトなどのイオン交換ビルダーが挙げられる。
本発明の洗剤組成物は、遊離カルシウム濃度を1mM以下に減少させるような
ビルダー物質を含む場合、その脂肪分解活性に対して特に好ましいことが見出さ
れた。
本発明の酵素洗剤組成物はまた、別の態様では、酵素および洗剤系で通常使用
される他の構成物(例えば、洗剤組成物用添加物)の組み合わせを含むことがで
きる。そのような他の成分は、多くの公知種類のいずれでもよく、例えば、GB
−A−1372034(Unilever)、US−A−3950277、US−A−4
011169、EP−A−179533(Procter& Gamble)、EP−A−20
5208およびEP−A−206390(Unilever)、JP−A−63−078
000(1988)およびResearch Disclosure 29056 of June 1988ならび
に本明細書で言及したいくつかの明細書の各々に記載したものが挙げられる。本
発明に係る洗剤組成物の組成は、EP−A−407225(Unilever)の実施例
D1〜D14を参照して説明することもできる。
蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)も存在するような洗剤組成物では、特別の利
点が得られる。EP−A−271154(Unilever)は、pIが10以下である
多数の適するプロテアーゼを記載している。リパーゼとともに使用するためのプ
ロテアーゼとしては、ある環境下では、例えばBPN型のズブチリシンまたは文
献に開示された多くの型のズブチリシンが挙げられ、そのいくつかは、洗剤用の
用途としてすでに提案されており、例えば、EP−A−130756またはEP
−A−51446(ともに Genentech)、US−A−4760025(Genenco
r)、EP−A−214435(Henkel)、WO−A−87/04661(Amgen
)、WO−A−87/05050(Genex)、Thomas et al.(1986),Nature 5
,316および 5,375-37、並びに J.Mol.Biol.(1987)193,803-813,Russe
l et al(1987) in Nature 328,496-500などに記載の突然変異体プロテアーゼが
挙げられる。
以下の実施例で本発明を更に具体的に説明する。添付の図面
は:図1A
合成フザリウムソラニピシ(Fusarium solani pisi)クチナーゼ遺伝子および構
成オリゴヌクレオチドのカセット1のヌクレオチド配列。オリゴヌクレオチドト
ランジションを、カセット配列内で示す。小文字は、転写解読枠の外側の位置の
ヌクレオチドを示す。図1B
合成Fusarium solani pisiクチナーゼ遺伝子および構成オリゴヌクレオチドのカ
セット2のヌクレオチド配列。オリゴヌクレオチドトランジションを、カセット
配列内で示す。図1C
合成Fusarium solani pisiクチナーゼ遺伝子および構成オリゴヌクレオチドのカ
セット3のヌクレオチド配列。オリゴヌクレオチドトランジションを、カセット
配列内で示す。小文字は、転写解読枠の外側の位置のヌクレオチドを示す。図1D Fusarium solani pisi
プレ−プロ−クチナーゼをコードする合成クチナーゼ遺伝
子のヌクレオチド配列。クチナーゼプレ-配列、プロ-配列および成熟配列を示す
。また、クローニングに
用いた部位およびオリゴヌクレオチドトランジションも示す。小文字は、転写解
読枠の外側の位置のヌクレオチドを示す。図2 Fusarium solani pisi
プロ-クチナーゼをコードする配列を、大腸菌(E. coli)
phoAプレ-配列の誘導体をコードする配列に連結するための合成DNA断片
のヌクレオチド配列。リボソーム結合部位(RBS)およびクローニングに用い
る制限酵素部位を示す。また、コードされたphoAシグナル配列およびクチナ
ーゼ遺伝子の一部のアミノ酸配列を、一文字記号を用いて示す。図3
カセット8のヌクレオチド配列、即ちインベルターゼプレ-配列および成熟Fusar ium solani pisi
クチナーゼをコードする配列の融合点をコードするSacl-B cll
断片。図4
0.2kbSalI-NruIのpUR2740からの欠失により得たプラスミ
ドpUR2741は、pBR322の一部、2μmプラスミドから誘導される、
酵母細胞内の複製起点、酵母leu2D遺伝子および、酵母gal7プロモータ
ーの制御下、植物のα-ガラクトシダーゼ遺伝子と酵母インベルターゼ
シグナル配列をコードする領域との融合体から成るE.coli-S.cerevisiaeシャ
トルベクターである。図5
プラスミドpUR7219は、pBR322の一部、2μmプラスミドから誘導
される、酵母細胞内の複製起点、酵母leu2D遺伝子および、酵母gal7プ
ロモーターの制御下、成熟Fusarium solani pisiクチナーゼをコードする領域と
酵母インベルターゼシグナル配列をコードする領域との融合体から成るE.coli-S.cerevisiae
シャトルベクターである。図6
プラスミドpUR2740は、pBR322の一部、2μmプラスミドから誘導
される、酵母細胞内の複製起点、酵母leu2D遺伝子および、酵母gal7プ
ロモーターの制御下、植物のα-ガラクトシダーゼ遺伝子と酵母インベルターゼ
シグナル配列をコードする領域との融合体から成るE,coli-S.cerevisiaeシャ
トルベクターである。図7
ex1Aプレ-配列および成熟Fusarium solani pisiクチナーゼのコード配列の
異なる型の連結を含む、カセット5、6および7のヌクレオチド配列。図8
pUC19のSalI部位内のアスペルギルスニガー亜種アワモリ(Aspergillu s niger
var.awamori)ゲノミックDNAの5.3kbSa1I断片の挿入によ
り得たプラスミドpAW14B。図9
pAW14B内のexlA転写解読枠から成るBspHI-AflII断片を、F usarium solani pisi
プレ-プロ-クチナーゼをコードする配列から成るBspH
I-AflII断片で置き換えることにより得たプラスミドpUR7280。従
って、プラスミドpUR7280は、A.niger var.awamoriプロモーターおよ
びターミネーターの制御下、Fusarium solanipisiプレ-プロ-クチナーゼ遺伝子
を含む。図10
A.nidulans amdSおよびA.niger var.awamori pyrG選択マーカーの両方をpU
R7280内に導入することにより得たプラスミドpUR7281。図11
DFP-不活性化後の残存活性と種々の脂質分解酵素のよごれ除去パーセンテー
ジ間の相関関係。以下の省略記号を用いる:
リポラーゼ(TM,Novo Nordisk社) lip
Fusarium solani pisiクチナーゼ(実施例2) CT
Candida cylindraceaリパーゼ(Sigma社) Candida
Chromobacterium viscosumリパーゼ(Sigma社) Chrom
ブタ膵臓リパーゼ(Sigma社) Panor
ジェネンコアリパーゼ(Pseudomonas putida
ATCC 53552の亜種) Gen
AKGリパーゼ30B(Amano社) AKG
SDL 195リパーゼ(Showa Denko社) SDL
Ps.pseudoalcaligines CBS 473.85リパーゼ Ps.Alk図12 Fusarium solani pisi
から得たクチナーゼとリポラーゼ(TM)の脂質分解活性
の比較。図13
種々の種類のよごれに対するFusarium solani pisiクチナーゼとリポラーゼ(T
M)の1回洗浄の影響。図14A
は、多数回洗浄を繰り返した後に測定して1LU/mlの酵素水準にお
ける、図14B
は、同様にして3LU/mlの酵素水準における、図14C
は、同様にして5LU/mlの酵素水準における、図14D
は、同様にして10LU/mlの酵素水準における、Fusarium solani pisi
由来のクチナーゼとリポラーゼ(TM)の効果。図15
PAS/非イオン処方におけるリポラーゼ(TM)、Pseudomonas gladioliリパ
ーゼおよびFusarium solani pisiクチナーゼを用いた複数回洗浄試験。図16
別のPAS/非イオン形成におけるリポラーゼ(TM)、Pseudomonas gladioli
リパーゼおよびFusarium solani pisiクチナーゼを用いた複数回洗浄試験。図17
各洗浄サイクル後に再度よごれをつけたことを除いては図16と同様。
参考文献
実施例1 Fusarium solani pisi
プレ-プロ-クチナーゼをコードする合成遺伝子の構築
Fusarium solani pisiプレ-プロ-クチナーゼをコードする合成遺伝子を、実質
的にEP-A-407225(Unilever社)に記載された方法により構築した。公
開されたFusarium solani pisi遺伝子のヌクレオチド配列(Soliday等(1984年
)およびWO-A-90/09446,Plant Genetic Systems社)に基づき、Fusarium solan i pisi
プレ-プロ-クチナーゼポリペプチドをコードする領域から成る完全合成D
NA断片を設計した。元のFusarium solani pisi遺伝子のヌクレオチド配列と比
較して、この合成クチナーゼ遺伝子は、コードされたアミノ酸配列に影響するこ
となく、遺伝子内の都合のいい位置に制限酵素認識部位を導入したいくつかのヌ
クレオチドの変化を有する。全合成クチナーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を図1
Dに示す。
合成クチナーゼ遺伝子の構築は、合成DNAオリゴヌクレオチドから出発する
3種の別個のカセットの組み立てにより行った。各合成DNAカセットは、起点
にEcoRI部位、終点にHindIII部位を備えている。オリゴヌクレオチ
ドを、アプライドバイオシステムズ380A DNAシンセサイザーを
用いて合成し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製した。各カセットの
構築は、以下に概説した手法に従った。所定のカセットを構成する等モル量(5
0pモル)のオリゴヌクレオチドを混合し、5′-末端で燐酸化し、アニーリン
グをし、標準技法によりライゲートした。その結果できた2重鎖DNA分子の混
合物をEcoRIおよびHindIIIで切断し、アガロースゲル電気泳動によ
りサイズ分別し、電気溶出によりゲルから回収した。その結果できた合成DNA
カセットをpUC9の2.7kbEcoRI-HindIII断片と共にライゲ
ートし、Escherichia coliに導入した。合成カセットの配列を確認するのに好適
なオリゴヌクレオチドプライマーを用い、多数のクローンのEcoRI-Hin
dIII挿入物を両方向に完全に配列決定した。この手法を用い、pUR720
7(カセット1を含む、図1A)、pUR7208(カセット2を含む、図1B
)およびpUR7209(カセット3を含む、図1C)を構築した。最後に、p
UR7207の2.9kbEcoRI-ApaI断片とpUR7208の0.2
kbApaI-NheI断片およびpUR7209の0.3kbNheI-Hin
dIII断片とを合わせることにより組み立て、pUR7210を得た。このプ
ラスミドは、Fusarium solani pisiの
完全なプレ-プロ-クチナーゼをコードする転写解読枠を含む(図1D)。実施例2
Fusarium solani pisi(プロ)クチナーゼのEscherichia coli中での発現
WO-A-90/09/446(プラントゲネティックシステムズ社)に記載さ
れたものと機能的に類似している、合成クチナーゼ遺伝子でE. coli中での発現
のためのベクターを構築した。Fusarium solani pisiプロ-クチナーゼをコード
する合成遺伝子の一部が、適当なE. coli発現シグナル、即ち、(i)誘導プロ
モーター、(ii)リボソーム結合部位および、(iii)翻訳開始コドンを提
供し、細胞膜の外側へのプロ-クチナーゼの送りだしに要求される情報を提供す
るシグナル配列により先導される構築物を設計した。
合成クチナーゼ遺伝子のプロ-配列へのE. coli phoAシグナル配列の誘導体(M
ichaelis等,1983)の融合のための合成リンカーを設計した(図2参照)。シグ
ナルペプチドの切断およびプロ-クチナーゼの分泌を最適化するために、このリ
ンカーのヌクレオチド配列は、phoAシグナル配列の3個のC-末端アミノ酸
残基(Thr-Lys-Ala)がAla-Asn
-Alaに変化し、クチナーゼプロ-配列のN-末端アミノ酸残基(Leu1、図
1D参照)がAlaに変化したものであった。この構築物は、細胞周辺腔内への
クチナーゼの分泌を保証する(WO-A-90/09446、プラントゲネティッ
クシステムズ社参照)。
このような構築物を得るために、クチナーゼプレ-配列およびプロ-配列の一部
から成る69bpEcoRI-SpeI断片をpUR7210から取り除き、E. coli
phoAプレ-配列の誘導体およびクチナーゼプロ-配列の変化したN-末端アミ
ノ酸残基を提供する合成DNAリンカー配列(EcoRI-SpeI断片)(図
2)で置換した。その結果できたプラスミドをpUR7250と命名し、リボソ
ーム結合部位および、phoAシグナル配列をコードする領域に融合したプロ-
クチナーゼをコードする領域から成る0.7kbBamHI-HindIII断
片の単離に用いた。この断片をpMMB67EH(Fursle等,1986)の8.9k
bBamHI-HindIII断片とライゲートしてpUR7220を得た。こ
のプラスミド内でプロ-クチナーゼをコードする合成遺伝子をphoAシグナル
配列の変形バージョンに融合させ、誘導tac-プロモーターの制御下においた
。
pUR7220を有するE. coli菌株WK6を、0.017MのKH2PO
0.017MのK2HPO
12g/lのバクト-トリプトン
24g/1のバクト-イーストエキス
0.4%グリセロール(v/v)から成る0.5LのIXTB培地(Tartol and
Hobbs,1988)が入った2Lの振蕩フラスコ内で生育させた。
培養物を、100pg/mlのアンピシリンの存在下、25℃-30℃で一晩
激しく振蕩(150rpm)してODが610nmで10-12になるまで生育
させた。次いで、IPTG(イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド)を
、10μMの最終濃度になるように加え、更に12-16時間インキュベーショ
ンを続けた。培養物から採取した試料の分析により判断することであるが、生産
される脂質分解活性の量における更なる顕著な増加が観察されなくなった時点で
、細胞を遠心分離により集め、20%庶糖を含有する緩衝液の元の培養容量に0
℃で再懸濁させた。細胞を遠心分離により集め、浸透ショックを介した細胞溶解
を引き起こす氷冷水の元の培養容量に再懸濁させた。細胞の破片を遠心分離によ
り除去し、無細胞抽出液
を酢酸でpH4.8に酸性化し、4℃で一晩放置し、その結果生じた沈澱を取り
出した。細胞内リパーゼを実質的に含まない75%以上純粋なクチナーゼ調製物
を、この段階で、無細胞抽出液の限外濾過および凍結乾燥の手段により得た。あ
るいは、クチナーゼは、酸性化した無細胞抽出液をSP-セファデックスにかけ
、pH8.0の緩衝液で酵素を溶出し、適切な容量のDEAE-セルロース(ワ
ットマンDE-52)を介して濃アルカリ溶液を通過させ、DEAE通過物をQ-
セファロースHP(ファルマシア社)カラムに直接供することにより均質(即ち
、95%以上純粋)になるまで精製することができる。塩勾配を用いた溶出によ
り、均質クチナーゼ調製物を代表的な全収率の75%以上で得た。実施例3 Fusarium solani pisi
クチナーゼのSaccharomyces cerevisiaeにおける発現
合成Fusarium solani pisiクチナーゼ遺伝子のSaccharomyces cerevisiaeにお
ける発現のために、成熟クチナーゼをコードする合成遺伝子がS.cerevisiaeイン
ベルターゼのプレ-配列(Taussig and Carlsson,1983)および、強力な誘導g
al7プロモーター(Nogi and Fukasawa,1983)により先導される発現
ベクターを構築した。このような融合体用の合成クチナーゼ遺伝子を調製するた
めに、インベルターゼプレ-配列をコードする配列を、成熟クチナーゼのN-末端
をコードする配列に融合させるアダプター断片を合成した。この断片を、実質的
に実施例1(カセット8、図3参照)で述べた通りに、pUC9中にEcoRI
-HindIIIカセットとして組み入れ、pUR7217を得た。プラスミド
pUR7210およびpUR7217をE.coli JM110(damメチラーゼ活性が欠
乏した菌株)に導入し、pUR7217の2.8kbBclI-HindIII
断片をpUR7210の0.6kbBclI-HindI11断片とライゲ−ト
して、成熟クチナーゼポリペプチドをコードするヌクレオチド配列がS,cerevisi ae
インベルターゼプレ-配列をコードする領域の一部と融合するpUR7218
を得た。
pUR2740の8.9kbNruI-SalI断片の単離、SalIの突出
末端内のクレナウポリメラーゼによる充填および、断片の再環化により、発現ベ
クターpUR2741(図4参照)をpUR2740(Verbakel,1991,図6参
照)から誘導した。pUR2741の7.3kbSacI-HindIII断片
を、pUR7218の0.7kbSacI-HindI
II断片とライゲートしてpUR7219を得た(図5参照)。任意に、S.cer evisiae
polIIターミネーターは、HindIII部位中のクチナーゼ遺
伝子の後ろに置くことができ、これはクチナーゼ遺伝子の効率的な発現に必須で
はないことがわかった。E.coli-S,cerevisiaeシャトルプラスミドpUR72
19は、2μプラスミド(cir+菌株)を含むS.cerevisiae菌株における複製
起点、S.cerevisiae Leu2-菌株における高コピー数の形質転換体の選択を
可能にするS.cerevisiae Leu2遺伝子のプロモーター欠失バージョンおよ
び、強力な誘導S.cerevisiae gal7プロモーターの調節下、S.cerevisiae
インベルターゼプレ-配列に機能的に結合したFusarium solani pisiクチナーゼ
の成熟部分をコードする合成遺伝子を含有する。
菌株YT6-2-1L(Erhart and Hollenberg,1981)と同一であるS.cerevi siae
菌株SU50(a、cir0、Leu2、his4、can1)を、酵母
細胞のエレクトロポレーション用標準プロトコールを用い、2μS.cerevisiae
プラスミドとpUR7219との等モル混合物で同時形質転換した。形質転換体
は、ロイシン原栄養株を選択し、全DNAを多数の形質転換体から単離した。全
形質転換体は、2μプラスミドとp
UR7219の両方を含有すると考えられ、pUR7219上に含有されるLe
u2遺伝子のプロモーター-欠失バージョンは、2μ酵母プラスミドが同時に存
在するため高コピー数で存在する場合、leu2欠失菌株を単に機能的に補完す
ることができることを示す。形質転換体の1つは、40世代以上完全培地上で培
養し、続いて選択および完全固体培地上で複製プレーティングすることによりp
UR7219プラスミドを除去してS.cerevisiae 菌株SU51(a、cir+
、Leu2、his4、can1)を得た。
pUR7219プラスミドを有するS.cerevisiae 菌株SU51を、
- アミノ酸を含まない酵母窒素ベース(YNB) 6.7g/l
- ヒスチジン 20mg/l
- ブドウ糖 20g/l
から成る0.2LのMM培地が入った1Lの振蕩フラスコ中で生育させた。培養
物を、30℃で一晩激しく振蕩(150rpm)してODが610nmで2-4
になるまで生育させた。細胞を遠心分離により集め、2Lの振蕩フラスコに入っ
た
- 酵母エキス 10g/l
- バクトペプトン 20g/l
- ガラクトース 50g/l
から成る1LのYPGAL培地に再懸濁し、更に12-16時間インキュベーシ
ョンを続けた。規則的な間隔で試料を培養液から採取し、遠心分離してバイオマ
スを取り除いた。基質としてオリーブ油を用いた滴定アッセイにより、上澄のク
チナーゼ活性を分析した。各試料について、100から200μlの濾液を、5
.0mlのリパーゼ基質(シグマ社、リパーゼの基質としてオリーブ油を含有)
と25.0mlの緩衝液(5mMのトリス-HCl、pH9.0、40mMのN
aCl、20mMのCaCl2)との撹拌混合液に加えた。アッセイは、30℃
で行い、脂肪酸の放出を、メトラー(Mettler)DL25タイトレーター
を用い0.05MのNaOHでpH9.0にする自動滴定により測定した。時間
に対する滴定剤の量のカーブを得た。このカーブの最大スロープから試料中に含
まれるリパーゼ活性の量を算定した。酵素活性の1単位を、上記の特定の条件下
、1分間にオリーブ油から1μMの脂肪酸を放出する酵素の量と定義する。この
ような測定法は、当業者等に公知である。
クチナーゼ活性の生産がもはや増加しなくなった時点で、遠心分離により細胞
を除去し、無細胞抽出液を酢酸でpH4.8に酸性化し、実施例1に記載の通り
にクチナーゼを回収した。実施例4
AspergilliにおけるFusarium solani pisiクチナーゼの発現
Aspergillus niger 亜種awamori における合成Fusariumsolani pisiクチナー
ゼ遺伝子の発現のために、Fusariumsolani pisiプレ-プロ-クチナーゼをコード
する合成遺伝子を、A.niger亜種awamori の強力な誘導exlAプロモーター(
Maat等,1992年,de Graaff等,1992年)の制御下においた発現ベクターを構築
した。
プラスミドpAW14Bから出発してプレ-プロ-クチナーゼ発現プラスミド(
pUR7280)を構築して、これをE.coli 菌株JM109に導入し、これを
1990年5月31日にN゜CBS237.90としてCentraalbureau voorSch
immelcultures,Baarn,オランダに寄託したが、これは、2.5kbの5′-フ
ランキング配列および2.0kbの3′-フランキング配列と共に0.7kbエ
ンドキシラナーゼII(exlA)遺伝子が位置する約5.3kbSalI断片
(図8)を含んでいる。pAW14B内のexlAコード領域を、プレ-プロ-ク
チナーゼコード領域により置換した。exlA遺伝子の第一コドン(ATG)か
ら成るBspHI部位(5′
-TCATGA-3′)およびexlA遺伝子の終止コドン(TAA)から成るA fl
II部位(5′-CTTAAG-3′)は、pUR7280の構築を容易にし
た。
構築は、以下の通りに行った:pAW14B(7. 9kb)をBspHIで
部分的に切断し、直線化したプラスミド(7.9kb)をアガロースゲルから単
離した。次いで、単離した7.9kb断片を、これのBspHI部位の数個のヌ
クレオチド下流を切断するBamIで切断して、別のBspHI部位で直線化し
たプラスミドを取り出した。断片をアガロースゲル上で分離し、7.9kbBs p
HI-BamI断片を単離した。これを、AflIIで部分的に切断し、その
結果生じた7.2kbBspHI-AflII断片を単離した。
Fusarium solani pisiプレ-プロ-クチナーゼをコードする全転写解読枠から成
る、pUR7210の0.7kbBspHI-AflII断片をpAW14Bの
7.2kbBspHI-AflII断片と共にライゲートし、pUR7280を
得た。構築したベクター(pUR7280)は、次いで、従来の同時形質転換技
法の手段によりカビ(例えば、Aspergillus niger 、Aspergillus niger 亜種aw amori
等)に導入することができ、次いで、プレ-プロ-クチナーゼ遺伝子は、エ
ンドキシラナー
ゼIIプロモーターの誘導を介して発現させることができる。また、構築したr
DNAベクターは、従来の選択マーカー(例えば、amdsまたはpyrG、ハ
イグロマイシン等)と共に提供することもでき、その結果できたrDNAベクタ
ーでカビを形質転換して所望の蛋白を生産することができる。例として、amd
sおよびpyrG選択マーカーを発現ベクター内に導入してpUR7281を得
た(図10)。この目的のために、合成オリゴヌクレオチド(5′-AATTG
CGGCCGC-3′)を用い、EcoRI部位(プレ-プロ-クチナーゼ遺伝子
のATGコドンの1.2kb上流に存在)をNotI部位に変換することにより
NotI部位を創出し、pUR7282を得た。全A.nidulans amdS遺伝子およ
びA.niger亜種awamoripyrG遺伝子ならびにそれら自身のプロモーターおよ
びターミネーターから成る適切なDNA断片に、フランキングNotI部位を備
えさせ、pUR7282のNotI部位に導入してpUR7281を得た(図1
0)。
Aspergillus niger亜種awamori中で合成Fusarium solanipisiクチナーゼ遺伝
子を発現させる別のアプローチとして、成熟クチナーゼをコードする合成遺伝子
がそれ自身のプレ-プロ-配列ではなくA.niger亜種awamoriexlAのプレ−配
列に
よって先導される発現ベクターを構築した。
このような融合体用の合成クチナーゼ遺伝子を調製するために、exlAプレ
-配列をコードする配列を、成熟クチナーゼのN-末端をコードする配列に異なる
方法で連結するいくつかのアダプター断片を合成した。カセット5内で、この連
結を、exlAプレ-配列をクチナーゼのプロ-配列に融合させることにより行っ
た。カッセト6内で、exlAプレ-配列を成熟クチナーゼのN-末端残基と融合
させた。カッセト7は、カッセト6と同様であるが、こちらは、シグナルペプチ
ドの切断に対する要求をより満たすために、コードされた成熟クチナーゼポリペ
プチドのN-末端残基が元のグリシンからセリン残基に変化している。カセット
5、6および7を、実質的に実施例1に述べた通りに合成オリゴヌクレオチドか
ら組み立てた(図7参照)。カセット5を用いてpUR7210の0.1kbE co
RI-SpeI断片を置き換え、pUR7287を得た。カセット6および
7を用いてpUR7210の0.1kbEcoRI-BclI断片を置き換え、
各々pUR7288およびpUR7289を得た。pUR7287、pUR72
88およびpUR7289の各プラスミドのために、0.7kbBspHI-A
FlII断片をpAW14Bの7.2kbBsp
HI-AflII断片とライゲートして、各々、pUR7290、pUR729
1およびpUR7292を得た。
構築したrDNAベクターを、次いで、従来の同時形質転換技法の手段により
カビ(Aspergillus niger、Aspergillusniger 亜種awamori)に導入し、プレ-(
プロ)-クチナーゼ遺伝子を、エンドキシラナーゼIIプロモーターの誘導を介
して発現させた。また、構築したrDNAベクターは、本実施例でpUR728
0を用いて具体的に説明した(上記参照)ように、従来の選択マーカー(例えば
、amdsまたはpyrG、ハイグロマイシン)と共に提供することもでき、そ
の結果できたrDNAベクターでカビを形質転換して所望の蛋白を生産すること
ができる。
発現ベクターpUR7280、pUR7281、pUR7290、pUR72
91、pUR7292(A.niger亜種awamori exlAプロモーターおよびター
ミネーターの制御下、相当するプロ-配列を有するまたは有せずにFusariumsolan i pisi
成熟クチナーゼをコードする領域ならびにクチナーゼシグナル配列もし
くはexlAシグナル配列のいずれかを含有)のいずれかで形質転換されたAs
pergillus菌株を以下の条件で生育させた:400mlの合成培地(p
H
6.5)を含む複数個の1Lの振蕩フラスコに胞子を接種した(最終濃度:10
E6/ml)。培地は、以下の組成(AW培地)を有した:
庶糖 10g/l
NaNO3 6.0g/l
KCl 0.52g/l
KH2PO4 1.52g/l
MgSO4・7H2O 0.49g/l
酵母エキス 1.0g/l
ZnSO4・7H2O 22mg/l
H3BO3 11mg/l
MnCl2・4H2O 5mg/l
FeSO4・7H2O 5mg/l
CaCl2・6H2O 1.7mg/l
CuSO4・5H2O 1.6mg/l
NaH2MoO4・2H2O 1.5mg/l
Na2EDTA 50mg/l。
MK Xインキュベーターシェーカー内で30℃、200rpmで24時間イ
ンキュベーションを行った。生育後、細胞を濾別(0.45μmフィルター)し
、庶糖および酵母エキスを
含まないAW培地(塩溶液)で2回洗浄し、50mlの塩溶液に再懸濁し、50
mlの塩溶液が入った300mlの振蕩フラスコに移し、これに、最終濃度が1
0g/lになるようにキシロースを加えた(誘導培地)。上記と同じ条件下でイ
ンキュベーションを一晩続けた。その結果できた培養物をミラクロス上で濾過し
てバイオマスを取り除き、実質的に実施例2に記載の通りにクチナーゼを回収し
た。実施例5 Fusarium solani pisi
クチナーゼ遺伝子に関する遺伝子の単離および同定
Fusarium solani pisiクチナーゼとの相同性の程度が異なるクチナーゼをコー
ドする遺伝子を異なるカビから単離した。カビの培養物を、0.25%ブドウ糖
を追加したHankin andKolattukudy(1968)によって述べられた培地200ml
を含む500mlの振蕩フラスコ内に加え、MK Xインキュベーターシェーカ
ー(100rpm)内で28℃で4日間インキュベートした。この時点で、ブド
ウ糖が消費され、実質的にEttinger等(1987年)により述べられた通りにクチン
加水分解物を加えることによりクチナーゼ生産が誘導された。規則的間隔で試料
を培養物から採取し、標準技法(実施例4参照)によ
り脂質分解活性の存在を分析した。通常、誘導の約2日後に脂質分解活性を示し
、その時点で標準技法を用いて細胞を濾過により回収した。菌糸を洗浄し、液体
窒素中で冷凍し、標準技法により凍結乾燥した。全細胞RNA調製物を、実質的
にSambrook等(1989年)により述べられた通りに、グアニジンチオシアネート法
を用いて単離し、塩化セシウム濃度勾配遠心分離により精製した。polyA(
+)mRNA画分を、polyATtract mRNA単離キット(Prom
ga社)を用いて単離した。polyA(+)mRNA画分を、標準技法により
プローブとしてFusarium solani pisiクチナーゼ遺伝子から得たcDNA断片を
用いたノーザンハイブリダイゼーション分析に使用して、クチナーゼが関連した
遺伝子の発現を確認した。プローブとハイブリダイズすることのできる材料から
成るmRNAの調製物を、製造元の指示書によりZAP cDNA合成キット(
ストラタジーン社、La jolla)を用いてcDNAの合成に使用して、poly-
A部位をフランクするXhoI付着末端と他方の末端のEcoRIアダプターを
有するcDNA断片を得た。β-ガラクトシダーゼ融合蛋白(Huse等,1988年)
を発現させるために、得られたcDNA断片を、λZAPIIベクター(ストラ
タジーン社、La Jolla)内でセンス方向のク
ローニングによる発現ライブラリーの構築に用いた。これらのライブラリーを、Fusarium solani pisi
クチナーゼに対して生成させた抗血清を用いてスクリーニ
ングした。
或は、合成したcDNA画分をクチナーゼ特異プライマーを用いたPCR-ス
クリーニングに供した(表2参照)。これらのプライマーは、いくつかのカビク
チナーゼ遺伝子(Ettinger等,1987年)のアミノ酸配列の比較により誘導した。
対照としてFusarium solani pisiクチナーゼから得たcDNAを用い、PCR反
応の条件をプライマーの各セットに最適化した。それによって、同様の条件下でFusarium solani pisi
クチナーゼから得たcDNAにより生成したPCR断片の
長さと同じ(又はそれよりも長い)長さの特異的PCR断片を生成することので
きるcDNAの調製のために、PCR断片をゲル電気泳動により精製し、ゲルか
ら分離した。
また、別のアプローチとして、クチナーゼ特異プライマーを用いたPCRスク
リーニング技法を、陽性の対照としてFusarium solani pisiのゲノミックDNA
を用いた、カビ菌株のゲノミックDNAに直接供した。それによって、同様の条
件下でFusarium solani pisiクチナーゼから得たcDNAにより生成したPCR
断片の長さと同じ(又はそれよりも長い)長さ
の特異的PCR断片を生成することのできるカビゲノミックDNAの調製のため
に、PCR断片をゲル電気泳動により精製し、ゲルから分離した。
発現ライブラリーアプローチまたはPCRスクリーニングアプローチのいずれ
かで陽性反応を示した菌株(cDNAまたはゲノミックDNAのいずれかを有す
る)および他の多数の菌株のために、高分子量ゲノミックDNAを単離した。菌
株を実質的にEttinger等(1987年)により記載された通りに生育させ、ゲノミッ
クDNAをGraaff等(1988年)により記載された通りに単離した。ゲノミックD
NAを種々の制限酵素で消化し、プローブとして類似のcDNAインサート(発
現ライブラリーアプローチ)またはPCR断片(PCRスクリーニングアプロー
チ)またはFusarium solani pisiクチナーゼ遺伝子(他の菌株)を用いたサウザ
ンハイブリダイゼーションにより分析し、クチナーゼ遺伝子の制限酵素地図を構
築した。ゲノミックDNAの適切な消化物をゲル電気泳動によりサイズ分別し、
適切なサイズの断片をゲルから分離し、pUC19にサブクローンした。これら
のゲノミックライブラリーを、相当するcDNAインサート(発現ライブラリー
アプローチ)またはPCR断片(PCRスクリーニングアプローチ)でスクリー
ニングしてクチナー
ゼ遺伝子のゲノミックコピーから成るクローンを得た。これらの遺伝子は、両方
向に配列決定した。イントロンを、相当するcDNAを配列決定することにより
又は他のクチナーゼ配列(Ettinger等,1987年)との比較により同定した。また
、成熟クチナーゼポリペプチドのN-末端もこのような比較から演繹した。標準
PCR技法を用いて、イントロンを除去し、HindIII部位を転写解読枠の
すぐ下流に設計し、Saccharomyces cerevisiaeインベルターゼ遺伝子(SacI
部位により先導された、カセット8と比較せよ、図3)のプレ-配列をコードす
る配列を、成熟クチナーゼのN-末端をコードする配列に融合した。得られた、S .cerevisiae
インベルターゼプレ-配列をコードする配列に機能的に結合したク
チナーゼ遺伝子から成るSacI-HindIII断片を、pUR7241の7
.3kbSacI-HindIII断片(図4参照)とライゲートし、S.cerevi siae
菌株SU51に導入した。カビクチナーゼを発現させ、実質的に実施例4
に記載の通りに培養液から回収した。実施例6
ジ-イソプロピルフルオロホスフェート(DFP)を用いた不活性化実験
この実験で、種々の起源の脂質分解酵素を、種々の濃度のDFPによる一定期
間の不活性化に供した。不活性化期間後の残存活性のパーセンテージを、pH-
スタット実験で測定した。
実験条件は:
試験しようとする脂質分解酵素を、20mMのCaCl2・2H2Oを含有する
10mMトリス緩衝液pH10.0(メルク社)中でml当り0.5mgの蛋白
濃度で用いた。20μlのDFP-阻害剤溶液を、この酵素溶液(試料)0.5
mlに加え、20μlのエーテルを別の0.5mlの酵素溶液に加えた(ブラン
ク)。DFP-阻害剤溶液は、エーテル(Baker社)に溶解した0.5MのDFP
(ジ-イソプロピルフルオロホスフェート、Fluka社)である。両方の試料を室温
で10分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液を、エッペンドル
フ遠心分離機で全速力(14,000rpm)で2分間遠心分離した。上澄を用
いた。試料とブランクの両方のリパーゼ活性を、リパーゼ基質(シグマ社、カタ
ログNo.800-1)を用いpH10.0でのpH-スタット実験で測定した。
次いで、残存活性(RA)を以下の通りに算定した:
RA=試料のリパーゼ活性/ブランクのリパーゼ活性
*100%
残存活性のパーセンテージを下記に示す:脂質分解酵素 残存活性(%)
リポラーゼ(TM、Novo Nordisk社) 86Fusarium solani pisi
クチナーゼ(実施例2) 5Candida cylindracea
リパーゼ(Sigma社) 83Chromobacteriumu viscosum
リパーゼ(Sigma 65
ブタ膵臓リパーゼ(Sigma社) 60
Genencorリパーゼ(Pseudomonas putida ATCC 53552
の亜種,“Lumafast”) 65
AKGリパーゼ30B(Amano社) 52
SDL 195リパーゼ(Showa Denko社) 20Ps.pseudoalcaligines
CBS 473.85リパーゼ 60実施例7
前記実施例で試験した酵素の脂質分解活性を、上記Br-オリーブ油法を用い
て測定した。洗浄温度は30℃であり、水の硬度は27゜FHであった。洗浄実
験で除去されたBr-オリーブ油のパーセンテージは、以下の通りであった:脂質分解酵素 よごれ除去(%)
リポラーゼ(TM、Novo Nordisk社) 0Fusarium solani pisi
クチナーゼ(実施例2) 19Candida cylindracea
リパーゼ(Sigma社) 0Chromobacleriumu viscosum
リパーゼ(Sigma) 1.6
ブタ膵臓リパーゼ(Sigma社) 10
Genencorリパーゼ(Pseudomonas putida ATCC
53552の亜種) 11
AKGリパーゼ30B(Amano社) 10
SDL 195リパーゼ(Showa Denko社) 20Ps.pseudoalcaligines
CBS 473.85リパーゼ 15
実施例6で得られたデータ(DFPと共にインキュベーションした後の残存活
性)とこの実施例で得られたデータとを、線形回帰分析の方法により互いに関係
づけた。図11に、この相関関係のグラフ図を示す。この図で、所定の脂質分解
酵素の残存活性パーセンテージと洗浄性能との間に良好な相関関係があることが
わかる。従って、実施例6によるDFPとのインキュベーション後の残存活性パ
ーセンテージを、いずれの起源の脂質分解酵素の洗浄中の性能の簡単な予測試験
として用いることができると結論する。実施例8 Fusarium solani pisi
クチナーゼとリポラーゼ(TM)との脂質分解活性の比較
実施例2により単離したFusarium solani pisi由来のクチナーゼの脂質分解活
性を、Novo Nordisk社A/Sから市販されているリポラーゼ(TM)、即ちHumicol a lanuginosa
リパーゼの脂質分解活性と比較した。
綿織物および綿編み物でできた試験クロスに純粋なオリーブ油でよごれをつけ
た。各試験クロスを、次いで、100mlのポリスチレン瓶に入った30mlの
洗浄液中でインキュベートした。瓶を、水をはったMiele TMT洗濯機内で通常の
30℃の主洗浄プログラムを用いて撹拌した。洗濯液は、以下の組成(重量%)
:
非イオン性界面活性剤C12−C15
アルコール10.5-13EO 9.5
硫酸ナトリウム 38.6
炭酸ナトリウム 40.4
ケイ酸ナトリウム(Na2O:Si2O=2.4) 7.3
水 4.2
を有する洗剤粉末2gに対し水(6゜FH)1Lから成る。
第1回の洗浄後、室温でタンブルドライヤー内で試験クロスを乾燥した後、残
存脂肪を直ちに定量した。試験クロスは、ソックスレーの装置内で石油エーテル
で抽出した。次に、脂肪物質の量を、重量を計ることにより決定し、クロス上の
脂肪パーセンテージとして表した。結果を図12に示す。
この図から、リポラーゼ(TM)は、オリーブ油の除去において対照に対しな
んら改良が見られないことがわかるが、一方、寄与を示す実験においては僅かに
負であったが、これは顕著なものではないと考えられる。他方、クチナーゼは、
明瞭な洗浄中の効果を示す。実施例9
異なる型の汚れに対するFusarium solani pisiクチナーゼとリポラーゼ(TM)
の1回洗浄の効果
綿製の試験クロスに落花生油、オレイン酸オレイルおよびこれら2種の脂肪の
50/50の混合物で汚れをつけた。洗剤粉末および洗濯条件は、実施例8と同
じであった。1回洗浄後の洗浄効果を、460nmにおける反射率を測定するこ
とにより評価した。結果を図13に示す。
この図から、クチナーゼを含有する洗剤組成物のいくつかの型の油汚れに対す
る洗浄効果が、リポラーゼ(TM)を含有す
る組成物のそれに比し一貫して良好であることが分かる。その効果は、純粋な落
花生油について最もはっきりしている。実施例10
各洗浄サイクル後に測定した、多数の酵素レベルにおけるFusarium solani pisi
クチナーゼとリポラーゼ(TM)の効果
試験クロスにLS-3で汚れをつけ、実施例9を実質的に繰り返した。これは
、75gの落花生油、40gの乳化剤、125gのAS-8および125gのミ
ルク粉末のエマルジョンである。第1回洗浄後、試験クロスに再度よごれをつけ
、再度洗浄した。これを計4回繰り返した。クチナーゼおよびリポラーゼ(TM
)の効果を洗浄液1ml当り1、3、5および10LUの酵素水準で、各洗浄サ
イクル後に測定した。結果を図14A-Dに示す。
これらの実験からいくつかの結論を引き出すことができる。クチナーゼは、全
ての酵素水準で顕著な1回洗浄の効果を示すのに対し、リポラーゼ(TM)は、
最も高い水準の10LU/mlで1回洗浄の小さい効果のみを示すことが明瞭で
ある。第1回洗浄後のリポラーゼ(TM)に対するクチナーゼの有利性は、全4
回の洗浄サイクルに対して維持されている。実施例11 Fusarium solani pisi
クチナーゼ、Pseudomonas gladioli由来のリパーゼおよび
リポラーゼ(TM)の効果
67%ポリエステルおよび33%綿の試験クロスを、下記に示した洗剤製品を
5g/Lで用いてのり抜きし、充分すすいだ。7.5cm×7.5cm片に切断
し、固定した。このような汚れていないクロス10枚(全量約6.5g)を、下
記に示した洗剤製品を1L当り5gの量で含む75mlの洗浄液6゜FH中で洗
浄した。Pseudomonas gladioli由来のリパーゼ、リポラーゼまたはFusarium sol ani pisi
クチナーゼを、1LU/mlで洗浄液に予備添加した。Pseudomonas gl adioli
由来のリパーゼは、EP-A-205 208およびEP-A-206390
(両方ともユニリバー社)に記載の通りにして得た。洗浄液とクロスを小瓶に入
れ、これを、Lavamat AEG洗濯機内で30℃で30分間撹拌した。洗剤粉末は、
以下の組成(重量%)を有した:
ココ-一級アルキル硫酸塩 5.2
非イオン性界面活性剤C13-C15アルコール7EO 5.2
非イオン性界面活性剤C13-C15アルコール3EO 6.6
ゼオライト4A 32.00
炭酸ナトリウム 11.52
ケイ酸ナトリウム 0.45
硬化牛脂石鹸 2.00
初めのpHは、いずれの場合も約10であった。洗浄の最後に、クロスをかた
く絞り300mlの水道水で約30秒すすいだ。これを3回繰り返した。次いで
、クロスをもう1回かたく絞り、周囲条件下でライン干しした。乾燥クロスの半
分にオリーブ油でよごれをつけ、3日間放置した。初めにクロスの約5重量%で
あった油よごれの量を、重量を計ることにより定量した。結果を図15に示す。
リポラーゼ(TM)が1回洗浄後の油よごれの除去に寄与していないことは明
瞭である。リポラーゼ(TM)の効果は、繰り返し洗浄後にのみ現れる。P.gla dioli
リパーゼは、第1回洗浄後小さいが明らかな洗浄効果を、その後の洗浄サ
イクルで明らかな違いを示す。クチナーゼは、既に第1回洗浄サイクルから既に
油よごれ除去に寄与しており、この恩恵は、その後のサイクルを通じて維持され
る。実施例12 Fusarium solani pisi
クチナーゼ、Pseudomonas gladioli由来のリパーゼおよび
リポラーゼ(TM)の効果
以下の洗剤製品を5g/Lの濃度で用い実施例11を繰り返した:
ココ-一級アルキル硫酸塩 1.7
非イオン性界面活性剤C12-C15アルコール7EO 6.8
非イオン性界面活性剤C12-C15アルコール3EO 8.5
ゼオライトMAP1) 32.00
炭酸ナトリウム 11.52
ケイ酸ナトリウム 0.45
硬化牛脂石鹸 2.00
1)ゼオライトMAPは、“最大アルミニウムゼオライトP”を表し、これは、ゼオ
ライトの型であり、EP-A-384070(ユニリバー社)に詳細に記載されて
いる。
結果を図16に示す。両方のリパーゼとも、第1回洗浄後またはその後のサイ
クル後のいずれの油よごれ除去に寄与しないということになる。しかしながら、
クチナーゼは、既に第1回洗浄サイクル後洗浄における大きな効果を示している
。実施例13 Fusarium solani pisi
クチナーゼ、Pseudomonas gladioli由来のリパーゼおよび
リポラーゼ(TM)の効果。
各洗浄サイクルの間に再度汚れをつけたことを除いては、実
施例12を繰り返した。結果を図17に示す。第2回洗浄サイクル後、リポラー
ゼ(TM)およびP.gladioli のリパーゼに僅かな有益性が観察された。クチナ
ーゼは、既に1回洗浄において油よごれの量を最小限に減らしている。その後の
洗浄サイクルは、再度よごれをつけた後でさえ油よごれの更なる減少に帰する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年9月6日
【補正内容】請求の範囲
1.酵素洗剤組成物であって、
(a)0.1-50重量%の、
(a1)0-95重量%の1種以上の陰イオン性界面活性剤および
(a2)5-100重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤から成る界面活
性剤系;ならびに
(b)真核生物クチナーゼ10-20,000LU(EP-A-258068で定
義された通りのリパーゼ単位)/g洗剤組成物を含むことを特徴とする前記組成
物。
2.酵素が、本明細書で述べた通りのアッセイで、酵素を含まない同じ洗剤組成
物と比較して当初の油よごれ量に基づき少なくとも5%以上、好ましくは少なく
とも10%以上の油よごれを除去することのできる、請求項1に記載の洗剤組成
物。
3.本明細書で述べた通りのアッセイで、リポラーゼ(TM)による酵素的油よ
ごれ除去に対する本酵素による酵素的油よごれ除去の比率が、少なくとも3、好
ましくは少なくとも5である、請求項1に記載の洗剤組成物。
4.脂質分解活性を示す酵素が、本明細書で述べたように、
pH10でジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)と共に室温で10分
間インキュベーション後、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは
25%未満の残存活性を有する脂質分解酵素である、請求項1〜3のいずれか1
つに記載の洗剤組成物。
5.真菌クチナーゼを含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の洗剤組成物。
6.幹特異性を有する真菌クチナーゼを含む、請求項5に記載の洗剤組成物。
7.クチナーゼが、Fusarium solani pisi、Fusarium roseum culmorum、Rhizoc tonia solani
およびAlternaria brassicicola (PNBase I)から成る群から選ば
れる、請求項5に記載の洗剤組成物。
8.酵素がFusarium微生物から得ることのできるクチナーゼである、請求項5に
記載の洗剤組成物。
9.酵素がFusarium solani pisiから誘導されるクチナーゼである、請求項5に
記載の洗剤組成物。
10.酵素が、Fusarium solani pisiから誘導されるクチナーゼに対する抗体と
免疫学的に交差反応性である、請求項5に記載の洗剤組成物。
11.陰イオン性界面活性剤を含まない、請求項1〜10のいずれか1つに記載
の洗剤組成物。
12.陰イオン界面活性剤が一級アルコールサルフェートである、請求項1〜1
0に記載の洗剤組成物。
13.陰イオン界面活性剤がC12〜C15一級アルコールサルフェートである、請
求項12に記載の洗剤組成物。
16.汚れた繊維製品を洗濯する方法であって、(a)請求項1〜15のいずれ
か1つに記載の洗剤組成物の水溶液と共に汚れた繊維製品を洗濯し、(b)温風
により繊維製品を乾かす工程から成ることを特徴とする前記方法。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
//(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:77)
C12R 1:77)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,H
U,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,MG,MN
,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,
SD,SE,SK,UA,VN
(72)発明者 ワール,ジヨナサン・フランク
イギリス国、ウイラル・エル・62・4・ユ
ー・エル、ポート・サンライト、バス・ス
トリート・15
(72)発明者 クリユギスト,ジヤン
イギリス国、スピタル・エル・63・9・エ
フ・エヌ、ヘロンパーク・ウエイ・25
(72)発明者 マステルス,ウオウテル
オランダ国、エヌ・エル―3141・エル・デ
ー・マースルイス、ウイペルスパーク・
138
(72)発明者 ホンドマン,デイルク・ヘルマン・アー
オランダ国、エヌ・エル―2712・エー・カ
ー・ツオエテルメール、ペルクストラー
ト・49
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 酵素洗剤組成物であって、 (a)0.1−50重量%の、 (a1)0−95重量%の1種以上の陰イオン性界面活性剤および (a2)5−100重量%の1種以上の非イオン性界面活性剤から成る界面活 性剤系;ならびに (b)洗浄過程のメインサイクル中に実質的に脂質分解活性を示すことのできる 酵素10−20,000LU/g洗剤組成物を含むことを特徴とする前記組成物 。 2. 酵素が、本明細書で述べた通りのアッセイで、酵素を含まない同じ洗剤組 成物と比較して当初の油よごれ量に基づき少なくとも5%以上、好ましくは少な くとも10%以上の油よごれを除去することのできる、請求項1に記載の洗剤組 成物。 3. 本明細書で述べた通りのアッセイで、リポラーゼ(TM)による酵素的油 よごれ除去に対する本酵素による酵素的油よごれ除去の比率が、少なくとも3、 好ましくは少なくとも5である、請求項1に記載の洗剤組成物。 4. 脂質分解活性を示す酵素が、本明細書で述べたように、 pH10でジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP)と共に室温で10分 間インキュベーション後、50%未満、好ましくは40%未満、より好ましくは 25%未満の残存活性を有する脂質分解酵素である、請求項1〜3のいずれか1 つに記載の洗剤組成物。 5. 酵素がエステラーゼまたはリパーゼである、請求項1〜4のいずれか1つ に記載の洗剤組成物。 6. 酵素が真核生物クチナーゼである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の 洗剤組成物。 7. 酵素が真菌クチナーゼである、請求項6に記載の洗剤組成物。 8. 酵素が、幹特異性を有する真菌クチナーゼである、請求項7に記載の洗剤 組成物。 9. 酵素が、Fusarium solani pisi、Fusarium roseum culmorum、Rhizoctoni a solani およびAlternaria brassicicola(PNBase I)から成る群から選ばれる クチナーゼである、請求項8に記載の洗剤組成物。 10. 酵素がFusarium微生物から得ることのできるクチナーゼである、請求項 7に記載の洗剤組成物。 11. 酵素がFusarium solani pisiから誘導されるクチナー ゼである、請求項7に記載の洗剤組成物。 12. 酵素が、Fusarium solani pisiから誘導されるクチナーゼに対する抗体 と免疫学的に交差反応性がある、請求項7に記載の洗剤組成物。 13. 陰イオン性界面活性剤を含まない、請求項1〜12のいずれか1つに記 載の洗剤組成物。 14. 陰イオン界面活性剤が一級アルコールサルフェートである、請求項1〜 12に記載の洗剤組成物。 15. 陰イオン界面活性剤がC12−C15一級アルコールサルフェートである、 請求項14に記載の洗剤組成物。 16. 汚れた繊維製品を洗濯する方法であって、(a)請求項1〜15のいず れか1つに記載の洗剤組成物の水溶液と共によごれた繊維製品を洗濯し、(b) 温風により繊維製品を乾かす工程から成ることを特徴とする前記方法。
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