【発明の詳細な説明】
発明の名称
認識疾患の治療に有用な3,3−ジ置換された三環式および四環式インドリン−2
−オン
発明の分野
本発明は、3,3−ジ置換された三環式および四環式インドリン−2−オン、そ
の医薬組成物、および変性神経系疾患に限定するものではないが、認識疾患、神
経系機能不全および(または)気分障害を治療するためにこれらの化合物を哺乳
動物において使用する方法に関するものである。さらに、これらの化合物は、神
経伝達物質疾患の生化学的機構に対する研究において試薬として使用することが
できる。
従来の技術を包含する背景
神経系疾患および神経系の欠損症状に対する有効な治療が近年ますます要求さ
れている。これらの疾患の多くは、主として神経系における変性変化のために、
増加する年令と相互関係がある。初期の段階における若干の疾患においては、あ
る系(例えばアルツハイマー病および重症筋無力症におけるコリン作用系、パー
キンソン病におけるドパミン作用系など)が特に影響をうけるけれども、老人性
痴呆症、多発梗塞性痴呆症、ハンチントン病、精神遅滞などのような後期の段階
の疾患においては、多発性神経伝達物質系欠損症状(アセチルコリン、ドパミン
、ノルエピネフリン、セロトニン)が一般に見出される。これは、認識の、神経
系の、および有効な/精神病的成分を包含する一般に観察される多発性症候を明
らかにする〔Gottfries,Psychopharmacol.,86,246(1985)参照〕。脳におけ
るアセチルコリンの合成および放出の不足は、一般に、認識の欠陥に関係がある
と考えられている〔Francis等、New England J.Med.,7,313(1985)参照〕
。これに反して、神経系の欠損(例えばパーキンソン病症候群)および気分/精
神変化は、それぞれドパミン作用系およびセロトニン作用系の欠陥に関係がある
。他の神経系の欠損(例えば重症筋無力症)は、末梢神経系のコリン作用欠除に
関係がある。
従来使用されている治療方法は、血管活性薬剤、例えばビンカミンおよびペン
トキシフィリン;代謝増強剤、例えばエルゴロイドメシレート、ピラセタムおよ
びナフチドロフリル;神経伝達物質プレカーサー、例えばl−DOPA、コリンおよ
び5−ヒドロキシトリプタミン:伝達物質代謝酵素阻害剤、例えばフィソスチグ
ミン;および神経ペプチド、例えば副腎皮質刺激ホルモンおよびバソプレシン−
関連ペプチドを包含する。パーキンソン病に対するl−DOPA治療および重症筋無
力症に対するコリンエステラーゼ阻害剤治療を除いて、これらの治療方法は、一
般に、神経伝達物質の刺激−誘発放出の増強によって情動性系の残留機能を増強
するのに失敗した。理論的に、このような増強は、情報の化学伝達中のシグナル
対ノイズ比を改善し、それによって、認識、神経系機能および気分調節に関係す
るプロセスにおける欠損を減少する。
欧州特許出願311,010号は、式
のα,α−ジ置換された芳香族またはヘテロ芳香族化合物またはそ
の塩が認識増強剤として有用であることを開示している。
Myers等に発行された米国特許第4,760,083号は、次式のインドリンが認識欠陥
の治療に有用であることを開示している。
これらの文献は、活性に対して2個のヘテロアリール基が必要であることを説
明している。
Effland等による欧州特許出願No.0 415 102 A1は、式
に関する発明を開示している。
D.E.Butlerに発行された米国特許第3,595,866号は、式
の発明を開示している。
Ting等による欧州特許出願No.0 347 698 A1は、式
の化合物を開示している。
特許WO 91/01/306 1991は、老人性痴呆を治療するのに有用な、すなわち、
脳機能を改善しそして脳代謝を活性化しそして保護するのに有用な式
のオクスインドール誘導体を開示している。この文献は、イミドを開示している
にすぎずそしてアルキルまたはアリール置換されたアミドを示唆していない。
発明の要約
ある3,3−ジ置換された三環式および四環式インドリン−2−オンが神経伝達
物質、特に神経組織におけるアセチルコリンの刺激−誘発放出を強化しそしてそ
の結果回避試験における学習および記憶に関するプロセスを改善するということ
が見出された。
本発明によれば、式
の化合物またはその医薬的に許容し得る塩が提供される。
上記式において、
Xは、単一結合、O、S、SO、SO2、CH2、CH2CH2、CH=CH、C=0、C(R7)(OR6
)、CH(OR6)、-CONR6-、-NR6CO-、-CH2-NR6-、-NR6-CH2-、NR6、-C(R7)=N-
、-CH(R7)-N(R6)-、または-CR7-、-CH-(aが単結合でありそしてbが二重
結合である場合)であり;
aおよびbは、それぞれ単結合または二重結合でありそして但し、bが二重結
合である場合はaは単結合であり、aが二重結合である場合はbは単結合であり
、そしてXが-CH-または-CR7-でありそしてaが単結合である場合はbは二重結
合であり;
R1は、2−、3−または4−ピリジルまたは4−ピリミジニルであり;
R2は、-(CH2)m-W
(式中、mは1〜4でありそしてWは
(a) 2−、3−または4−ピリジル
(b) 2−、4−または5−ピリミジニル
(c) 2−ピラジニル
(d) 3−または4−ピリダジニル
(e) 3−または4−ピラゾリル
(f) 2−または3−フリル
(g) 2−または3−テトラヒドロフラニル
(h) 2−または3−チエニル
(i) 3−インドリル
(j)置換されないかまたは1〜3個のR5で置換されたアリール
(k) 2−フルオロ−4−ピリジルの群から選択されたものである)である
か、または
R2は-(CH2)n-Y
(式中、nは1〜6でありそしてYは-CH=CHCO2R7、-CH=CHCOR7、-CH=CHR7、-CH
=C(R7)2、-CH=CH2、-C≡CCO2R7、-C≡CCOR7、-C≡CR7、または-C≡CH、F、Cl
、Br、OR6、N(R6)2、CO2H、CO2R7、CONHR7、NHCHO、CONHR6、CON(R7)2、CN
、-OCOR7、COR7、CHO、SR7、SOR7、SO2R7またはNO2の群から選択されたものであ
る)であり;
R3およびR4は、それぞれ独立して、H、1〜6個の炭素のアルキル、2〜6個
の炭素のアルケニル、2〜6個の炭素のアルキニル、3〜7個の炭素のシクロア
ルキル、3〜10個の炭素のシクロアルキルアルキル、置換されていないかまたは
1〜3個のR5で置換されたアリール、1〜10個の炭素のアルカリールでありそし
て但しaが単結合である場合はR3は=0、=CH2、=CH(R7)、=C(R7)2または(CH3
)2でありそして但しaおよびbがそれぞれ単結合である場合はR3およびR4はそ
れぞれ独立して=0、=CH2、=CH(R7)、=C(R7)2、(CH3)2の群から選択された
ものであるか、または
R3およびR4は一緒になって置換されていないかまたは1〜2個のR5により置換
された飽和または不飽和の炭素環式または複素環式環
を形成し:
R5は、H、1〜6個の炭素のアルキル、置換されていないかまたは1〜3個の
R8で置換されたアリール、1〜10個の炭素のアルカリール、F、Cl、Br、I、OR6
、NHR6、N(R6)2、CO2H、CO2R7、CONHR7、CON(R7)2、CN、COR7、CHO、SR7、
SOR7、SO2R7、NO2または隣接する炭素原子に結合して縮合環を形成する-CH=CH-C
H=CH-から選択されたものであり;
R6は、独立して、それぞれの場合において、H、1〜6個の炭素のアルキル、
置換されていないかまたは1〜3個のR8により置換されたアリール、1〜10個の
炭素のアルカリール-SO2-R7および-COR7から選択されたものであり;
R7は、独立して、それぞれの場合において、1〜6個の炭素のアルキル、置換
されていないかまたは1〜3個のR8により置換されたアリールおよび1〜10個の
炭素のアルカリールから選択されたものであり;
R8は、独立してそれぞれの場合において、OR9、NHR9、N(R9)2、CO2H、CO2R9
、CONHR9、CON(R9)2、CN、COR9、CHO、SR9、SOR9、SO2R9およびNO2の群から選
択されたものであり;
R9は、独立してそれぞれの場合において、H、1〜6個の炭素のアルキルおよ
びアリールの群から選択されたものである。好ましい態様
本発明の好ましい化合物は、一緒になってまたは独立して、
Xが、単結合、O、S、SO、SO2、CH2、CH2CH2、CH=CH、C=O、NR6であり;
aが、単結合または二重結合であり;
bが、単結合であり;
R1が、2−、3−または4−ピリジルまたは4−ピリミジニルであり;
R2が、-(CH2)m-W(式中、mは1〜4でありそしてWは2−、3−または4
−ピリジル、2−、4−または5−ピリミジニルまたは2−ピラジニルの群から
選択されたものである)であるか、または
R2が、-(CH2)n-Y(式中、nは1〜6でありそしてYはCO2R7、CN、COR7、CH
O、-OCOR7の群から選択されたものである)であり;
R3およびR4が、それぞれ独立して、H、1〜6個の炭素原子のアルキルまたは
縮合環を形成する-CH=CH-CH=CH-の群から選択されたものであり;
R5が、H、1〜6個の炭素のアルキル、置換されていないかまたは1〜3個の
R8で置換されたフェニル、F、Cl、Br、I、NO2、または隣接する炭素に結合し
て縮合環を形成する-CH=CH-CH=CH-の群から選択されたものである式Iの化合物
である。
本発明のより好ましい化合物は、
Xが、O、S、SO、SO2、CH2、CH2CH2、C=0であり;
R2が、-(CH2)m-W(式中、m=1でありそしてWは2−、3−または4−ピ
リジルおよび4−ピリミジニルの群から選択されたものである)であるか、また
は
R2が、-(CH2)n-Y(式中、n=3〜4でありそしてYはCO2R7、CNおよび-OCO
R7の群から選択されたものである)であり;
R3およびR4が、それぞれHであるかまたはR3およびR4が一緒になって結合して
-CH=CH-CH=CH-からなる縮合環を形成し;そして
R5が、H、Cl、Br、I、NO2または隣接した炭素原子に結合して縮合環を形成
する-CH=CH-CH=CH-の群から選択されたものである好ましい化合物である。
特に好ましい化合物は、以下に記載する式Iの化合物である。
(a) 2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔3,2,1−klフエノチア
ジン−1(2H)−オン;
(b) 1,1−ビス(4−ピリジニルメチル−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ〔3,
2,1−ij〕キノリン−2(1H)−オン;
(c) 2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−6,7−ジヒドロ−インドロ〔1,
7−ab〕〔1〕ベンザピン−1(2H)−オン:
(d) 2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔3.2.1−kl〕フェノキ
サジン−1(2H)−オン;
(e) 2,3−ジヒドロ−6,6−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔1,2,
3−de〕−1,4−ベンゾチアジン−5(6H)−オン;
(f) 1,2−ジヒドロ−2−(4−ピリジニルメチル)−2−(ペンタンニ
トリル)−ピロロ〔3.2.1−klフェノキサジン−1(2H)−オン,臭化水素酸塩
。
上述した群の化合物は、本発明の好ましい態様を示したものでありそしてこれ
らの記載は、如何なる点においても本発明の範囲を限定するものではない。
本発明は、また、適当な医薬担体および認識機能不全または神経系機能不全を
治療するのに有効な1種または2種以上の上述した化合物の量からなる医薬組成
物を提供する。さらに、本発明は、1種または2種以上の上述した化合物の治療
的に有効な量を哺乳動物に投与することからなる哺乳動物における認識機能不全
または神経系
機能不全を治療する方法に関するものである。
発明の詳細な説明
上述した化合物は、不斉中心を有することができる。すべてのキラル、エナン
チオマー、ジアステレオマーおよびラセミ形態が本発明に包含される。すなわち
、式(I)の化合物は、個々の立体異性体、非−ラセミ立体異性体混合物または
ラセミ混合物の形態で得ることができる。
オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何学異性体もまた上述した化合物に
おいて存在することができそしてこのような安定な異性体は、本発明に包含され
る。
何れかの成分または式(I)若しくはその他の式において、変数が一度以上現
れる場合に、それぞれの場合におけるその変数の定義はあらゆる他の場合におけ
るその変数の定義からは独立したものである。また、置換および/または可変要
素の組み合わせは、このような組み合わせにより安定な化合物が得られる場合に
のみ可能である。
本明細書において使用される“アルキル”なる用語は、特定の数の炭素原子を
有する分枝鎖状および直鎖状の飽和の脂肪族炭化水素基を包含する。本明細書に
おいて使用される“アルコキシ”なる用語は、酸素架橋を介して結合された特定
の数の炭素原子のアルキル基を示す。“シクロアルキル”なる用語は、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよ
びシクロオクチルのような飽和環基を包含する。“ビシクロアルキル”なる用語
は、〔3.3.0〕ビシクロオクタン、〔4.3.0〕ビシクロノナン、〔4.4.0〕ビシク
ロデカン(デカリン)、〔2.2.2〕ビシク
ロオクタンなどのような飽和の二環式環基を包含する。“アルケニル”なる用語
は、エテニル、プロペニルなどのような鎖に沿った何れかの安定な点において存
在することのできる1個または2個以上の不飽和炭素−炭素結合を有する直鎖状
または分枝鎖状の炭化水素鎖を包含する。“アルキニル”なる用語は、エチニル
、プロピニルなどのような鎖に沿った何れかの安定な点において存在することの
できる1個または2個以上の三重の炭素−炭素結合を有する直鎖状または分枝鎖
状の炭化水素鎖を包含する。“シクロアルキル−アルキル”なる用語は、アルキ
ルに結合したシクロアルキルを包含する。本明細書において使用される“ハロゲ
ン”なる用語は、弗素、塩素、臭素および沃素を意味し、そして“対イオン”な
る用語は、クロライド、ブロマイド、ヒドロキシド、アセテート、サルフェート
などのような小量の負電荷の種類を示すために使用される。
本明細書において使用される“アリール”また“芳香族基”なる用語は、フェ
ニルまたはナフチルを意味する。“炭素環式”なる用語は、何れかの安定な5〜
7員の単環式または二環式または7〜14員の二環式または三環式の炭素環を意味
するものでありそしてこれらの環は、飽和、部分的不飽和または芳香族の環、例
えばインダニルまたはテトラヒドロナフチル(テトラリン)であってよい。
本明細書において使用される“複素環”なる用語は、飽和または不飽和であり
そして炭素原子およびN、OおよびSからなる群から選択された1〜3個の異種
原子からなる安定な5〜7員の単環式または二環式または7〜10員の二環式の複
素環式環を意味し、そして窒素および硫黄異種原子は、場合によっては酸化され
ていてもよくそして窒素は、場合によっては四級化されていてもよく、そして上
述した複素環式環の何れかがベンゼン環に縮合している二環式基を包含する。複
素環式環は、安定な構造を与える異種原子または炭素原子においてそのペンダン
ト基に結合することができる。上述した複素環式環は、もし得られる化合物が安
定であるならば、炭素原子上または窒素原子上において置換されていてもよい。
このような複素環の例は、これらに限定するものではないけれども、ピリジル、
ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テ
トラゾリル、ベンゾフラニル、ベゾチオフェニル、インドリル、インドレニル、
キノリニル、イソキノリニルまたはベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピ
ペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラ
ニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノ
リニル、ピラジニル、キナゾイル、フタラジニル、ナフチリジニルまたはオクタ
ヒドロイソキノリニルが包含される。
本明細書において使用される“置換された”なる用語は、企図された原子の正
常な原子価を越えないことを条件として企図された原子上の1個または2個以上
の水素原子が選択された上述した基によって置換されそして該置換が安定な化合
物を与えるということを意味する。
“安定な化合物”または“安定な構造”なる用語は、反応混合物からの有用な
程度の純度の形態の化合物の単離および有効な治療剤への処方に十分に耐える化
合物を意味する。
本明細書において使用される“医薬的に許容し得る塩”なる用語は、酸塩また
は塩基塩を製造することによって変性された開示化合物の誘導体を意味する。こ
れらに限定するものではないけれども、
その例は、アミンのような塩基性残基の鉱酸または有機酸塩;カルボン酸のよう
な酸性残基のアルカリ金属または有機塩が包含される。
本発明の化合物の医薬的に許容し得る塩は、水、有機溶剤またはこれらの混合
物中で、遊離酸または塩基形態のこれらの化合物を、化学量論的な量の適当な塩
基または酸と反応させることにより製造することができる。一般に、エーテル、
酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水
性媒質が好ましい。適当な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Scienc es
,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1985,1418頁に見出さ
れる。該文献の開示を参照として本明細書に引用する。
本明細書において使用される“治療的に有効な量”なる用語は、臨床家または
研究者により要求される動物またはヒトの組織の生物学的または医薬応答を誘発
する薬剤または医薬剤の量を意味する。
合 成
本発明の化合物は、適当な物質を使用して以下のスキームおよび実施例にした
がって製造することができそしてさらに以下の具体的な実施例によって例示され
る。当業者により容易に理解されるように、これらの化合物を製造するために、
以下の製造操作の条件および方法の既知の変形を使用することができる。
スキーム1は、本発明の化合物を製造する一つの方法を示す。このスキームに
おいては、式2の化合物を、不活性溶剤中で塩化クロロアセチルと反応させて化
合物3を得る。溶剤は、好ましくは芳香族炭化水素、例えばベンゼンまたはトル
エン、またはハロ炭化水素、
例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタンまたはクロロホルムである。反応温
度は、重要でなくそして一般に約20℃〜約120℃の範囲にある。好ましくは、反
応温度は、溶剤の還流温度である。次に、約200℃より大でない温度を使用する
以外は式3の化合物の融点の数度以内の温度で、式3の化合物を無水の塩化アル
ミニウムと一緒に溶解して式4の化合物を得る。この反応は、参照として本明細
書に引用される文献:Chem.Ber.47,2120(1914)、J.Chem.Soc.1697(195
4)、Tetrahedron 24,6093(1968)およびJ.Med.Chem.15,762(1972)に開
示されている。また、表1にあげた文献を参照されたい。次に、適当な非プロト
ン性溶剤および適当な温度で塩基で処理することによって、式4の化合物のアニ
オンを生じさせる。それから、得られたアニオンを適当なアルキルハライド(R1
CH2−Hal)でアルキル化して式5の化合物を得る。それから、方法を反復して、
式5の化合物を塩基で処理し次いで第二のアルキル化剤(R2-Hal)を加えて式I
の化合物を生成する。
アルキル化反応の温度および時間は重要でなくそして室温で24時間〜80℃で3
時間の広い範囲にわたって変化することができる。好ましい条件は、室温および
2〜3時間の時間である。当量の試薬を使用することができるが、僅かに過剰の
ハロアルキル化剤を使用することが好ましい。この方法は、MyersおよびNickols
onによって米国特許第4,876,259号および第4,760,083号に開示されている。これ
らの米国特許を参照として本明細書に引用する。
スキーム1
式4および5の化合物のアニオンを生じさせるのに適当な塩基は、これらに限
定するものではないけれども、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド(LDA)、水素化ナトリウム、カリウム第三ブトキシド、ナトリウムアルコキ
シド、カリウムアルコキシド、
水素化カリウム、リチウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ブチルリチウム
、第二ブチルリチウム、第三ブチルリチウムおよびリチウム−、ナトリウム−ま
たはカリウムヘキサメチルジシラジドを包含する。反応は、非プロトン性溶剤、
一般にエーテル、例えば限定するものではないが、テトラヒドロフラン(THF)
、ジオキサン、グライム、ジグライムまたはジエチルエーテル中で行うことがで
きる。さらに、反応は、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド中で
実施することができる。しかしながら、化合物が非極性溶剤に可溶性である場合
は、反応は、炭化水素溶剤、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、ベンゼンまたはトルエン中で実施することができる。塩基の
強度によって、反応は、約−78℃〜溶剤還流温度の温度で行うことができる。引
き続き反応を実施する代りに、ときどき2当量の塩基を式4の化合物に加え次い
で2〜3当量のアルキル化剤を加えることができる。このようにする代りに、水
酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような水性塩基の存在下において、第四
アンモニウム塩または第四ホスホニウム塩と一緒にベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルムのような溶剤を使用し
て、相−転移触媒条件を使用することができる。この操作は、BryantおよびHuhn
によって米国特許第4,806,651号およびJ.HeterocyclicChem.20,771(1983)
に記載されている。これらの文献を、参照として本明細書に引用する。
薄層クロマトグラフィーによってアルキル化反応が完了したことが証明された
ときに、過剰のアニオンを飽和塩化アンモニウム溶液で分解しそして反応混合物
を酸−塩基サイクルを通して処理して中
性の出発物質を除去する。塩基性生成物の精製は、一般に、普通の精製技術、例
えばフラッシュクロマトグラフィー次いで必要に応じて再結晶からなる。純粋な
塩基(薄層クロマトグラフィーおよび分析HPLCにおいて一スポット)は、油、ゴ
ム状物質または無定形の固体として集めるか、または適当な溶剤系から再結晶す
るか、または、さらにクロマトグラフィー法、昇華法もしくは蒸溜法によって精
製することができる。化合物は、“遊離塩基”としてまたは医薬的に許容し得る
酸から形成された酸付加塩として存在することができる。さらに、式Iの化合物
は、ラセミ体、ジアステレオマー混合物または光学的に純粋な異性体として存在
することができる。
式5の化合物は、また、スキーム2により製造することもできる。式5の化合
物が式4の化合物またはジアルキル化生成物によって不純化されることなく得ら
れるので、この操作は、特に、R2が-CH2-R1と同じでないときに有用である。こ
の操作は、BryantおよびHuhnによって米国特許第4,806,651号に十分に記載され
ている。この米国特許を参照として本明細書に引用する。
スキーム2
スキーム1によって示されたフリーデル−クラフツシクロアルキル化に加えて
、式4の化合物は、Gassmanの米国特許第3,897,451号(1975)、第3,996,264号
(1976)および第3,972,894号(1976)の一般的な“アザスルホニウムイオン”
転位法によって製造することもできる。これらの特許を、参照として本明細書に
引用する。また、J.Am.Chem.Soc.,96,5512(1974)、Synthesis 534(1981
)参照。この方法ルートは、スキーム3に示される通りである。
スキーム3
本発明の他の代表的な化合物は、1個のY基を他のY基に変換することによっ
て合成することができる。例えば、エステル(Y=CO2R7)である式Iの化合物
を式Iの相当するアルコール(Y=CH2OH)に変換することができそしてこのも
のはさらにエーテル(Y=OR6)または“リバースエステル(reverse ester)”
(Y=CH2OCOR7)に変換することができる。このような場合において、エステル
をけん化して酸(Y=CO2H)を得そしてこれを還元してアルコールを得ることが
できる。このようにする代りに、エステルを直接アルコールに還元することがで
きそして次にこのアルコールは、酸ハライドまたは酸無水物でまたはジシクロヘ
キシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾールまたは若干の他のカップリン
グ剤を
使用してアルコールを酸にカップリングさせることによって、アシル化すること
ができる。
ニトリルは、Noller,Org.Syn.Coll.Vol.II,586により記載されている操
作を使用して相当するアミドに酸化することができる。同じアミドは、けん化、
カルボキシルの活性化およびアンモニアまたはアンモニア誘導体との反応によっ
て相当するエステルから製造することができる。アンモニアの代りに第一または
第二アミンを使用することによって、本発明の他の化合物を製造することができ
る。
表IおよびΠに記載した化合物は、本発明の化合物を製造するための出発物質
として使用することができる。これらの記載された化合物は、商業的に入手する
ことができるかまたは文献に開示されている。これらの記載された化合物は、包
括的なものでなくそして本発明を説明するためのものであって、これらの化合物
に限定されるものではない。表中の文献は、すべて参照として引用されるもので
ある。
実施例
分析データは、次の一般的操作を使用して以下に記載した化合物に対して記録
した。プロトンNMRスペクトルは、Varian FT−NMRスペクトロメーター(200MHz
または300MHz)上で記録し、化学シフトは、ジュウテロクロロホルムまたはジュ
ウテロジメチルスルホキシド中の内部テトラメチルシラン標準からのppm(δ)
で記録しそして結合定数(J)は、Hzで記録した。質量スペクトル(MS)または
高分解能質量スペクトル(HRMS)は、Finnegan MAT 8230スペクトロメーターま
たはHewlett Packard 5988Aモデルスペクトロメーター上で記
録した。融点は補正しない。沸点は補正しない。
試薬は、商業源から購入しそして必要な場合は、D.D.PerrinおよびW.L.F.Ar
marego,Purification of Laboratory Chemicals,3rd ed.(New York:Pergam
on Press,1988)により説明されている一般的操作によって、使用前に精製した
。クロマトグラフィーは、以下に示す溶剤系を使用してシリカゲル上で行った。
混合溶剤系に対しては、容量比を記載した。部および%は、とくにことわらない
限り、重量部および重量%である。次の普通の略号を使用した:THF(テトラヒ
ドロフラン)、TBDMS(t−ブチル−ジメチルシリル)、DMF(ジメチルホルムア
ミド)、Hz(ヘルツ)、TLC(薄層クロマトグラフィー)。温度は、すべて摂氏
(℃)で記載した。
以下の実施例および製造は、説明の目的のためにのみ記載するものでありそし
て本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
製造1
ピロロ〔3,2,1−k1〕フェノキサジン−1,2−ジオン
ジクロロエタン(125ml)中のフエノキサジン(21.05g、0.115モル)の溶液に
、撹拌しながら、塩化オキザリル(1.05当量、0.121モル、15.3g、10.52ml)を
加えた。この溶液を50℃で1時間加熱し、
それから室温に冷却した。ニトロベンゼン中の塩化アルミニウムの溶液(1M、
1当量、0.115モル、115ml)を、室温で添加漏斗を経て加えた。溶液を6時間撹
拌し、氷浴で冷却しそして1N HClおよび水で反応停止した。さらにジクロロ
エタンを加えそして有機溶液を引き続き水、水性NaHCO3および食塩水で洗浄しそ
して硫酸マグネシウム上で乾燥した。ジクロロエタンを回転蒸発により除去しそ
してヘキサン1000mlを得られた暗色のニトロベンゼン溶液に加えて暗紫色の結晶
を得た。この固体を濾過しそして真空下で乾燥して標記化合物19.95g(0.084モ
ル、収率73%)を得た。融点218〜219℃。MS(NH3/CI)m/e 238(M+H)。分
析値:C14H7NO3に対する計算値:C 70.89;H 2.97;N 5.90。実測値:C 70.62;
H2.89;N 5.82。
製造2
1,2−ジヒドロ−2−(4−メテニルピリジニル)ピロロ〔3,2,1−k1〕フェノキ サジン−1(2H)−オン
無水酢酸(20ml)中の製造1からの化合物(2.38g、0.010モル)の混合物に、
酢酸(2ml)および4−ピコリン(1.75当量、0.0175モル、1.63g、1.7ml)を
加えた。混合物を、110℃に加熱しそしてこの温度に45分保持した。この時間に
おいて赤色の沈澱が形成された。反応混合物を室温に冷却しそして氷上に注加し
た。固体を集め
そして水で洗浄した。この物質を、真空下で一夜乾燥して標記化合物2.94g(0.0
094モル、収率94%)を得た。融点240〜245℃。MS(NH3/CI)m/e 313(M+H
)
製造3
1,2−ジヒドロ−2−(4−ピリジニルメチル)ピロロ〔3,2,1−k1〕フエノキ サジン−1(2H)−オン
製造2からの生成物(3.0g、9.6ミリモル)を、ParrTM振盪びんに入れそして
テトラヒドロフラン(150ml)を、20%Pd(OH)2付炭素160mgおよび10%Pd/C200
mgと一緒に加えた。混合物を、55psiの水素下で4時間振盪した。この時間にお
いて赤色が消えた。反応混合物を濾過して触媒を除去しそして溶剤を回転蒸発に
より除去した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル
中5%メタノール)により精製しそして固体を酢酸エチルから再結晶して標記化
合物1.902g(6.1ミリモル、収率64%)を得た。融点180〜182℃。1H-NMR(300 M
Hz,CDCl3)δ3.04(dd,1H,J=9,14Hz),3.45(dd,1H,J=5,14Hz),3.88
(dd,1H,J=5,9Hz),6.43(d,1H,J=7Hz),6.70(d,1H,J=8Hz),6.83(
d,1H,J=8Hz),6.88(m,1H),7.00(m,2H),7.13(d,2H,J=6Hz),8.25
(dd,1H,J=3,7Hz),8.51(d,2H,J=6Hz)。MS(NH3/CI)m/e 315(M+H)
。分析値:
C20H14N2O2に対する計算値:C 76.42;H4.49;N 8.91。実測値:C 76.23;H 4.4
2;N 8.81。
実施例193
2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔3.2.1−K1〕フェノキサジン−1 (2H)−オン
トルエン(25ml)中のピロロ〔3.2.1−k1〕フェノキサジン−1(2H)−オン
(486mg、2.18ミリモル)の溶液に、4−ピコリルクロライド塩酸塩(2.2当量、
4.8ミリモル、787mg)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロライド(0.08
7当量、0.19ミリモル、43mg)を加えた。混合物を室温で撹拌しながら、50%水
性水酸化ナトリウムを滴加した。混合物を60℃で2時間加熱した。この時間にお
いて、TLCはすべての出発物質が消費されたことを示す。水を加え、そして暗褐
色の反応混合物を、水と酢酸エチルとの間に分配した。有機層を水、それから、
食塩水で洗浄しそして溶液を硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶剤の除去後、残
留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル中5%メタノール)
により精製しそして固体をジクロロメタン/ヘキサンから再結晶して標記化合物
471mg(1.16ミリモル、収率53%)を得た。融点199〜200℃。MS(NH3/CI)m/e
406(M+H)。1H-NMR(300 MHz,CDCl3)δ3.12
(d,2H,J=13Hz),3.38(d,2H,J=13Hz),6.60(d,1H,J=8Hz),6.76(m
,1H),6.82(d,1H,J=8Hz),6.86(d,4H,J=6Hz),6.90−6.98(m,3H)
,8.12(m,1H),8.34(d,4H, J=6Hz)。分析値:C26H19N3O2に対する計算
値:C 77.02;H4.72;N 10.36。実測値:C 76.81;H4.62;N 10.28。
同様な方法において、次の化合物を製造した。
2,3−ジヒドロ−6,6−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔1,2,3−de〕
−1,4−ベンゾチアジン−5(6H)−オン(実施例49):融点160〜161℃,MS(N
H3/CI)m/e 374(M+H),1H-NMR(300 MHz,CDCl3)δ2.44(t,2H),3.11
(d,2H,J=12.9Hz),3.32(d,2H,J=12.8Hz),3.56(t,2H),6.79(d,4H
,J=1.5Hz),6.91(m,3H),8.31(d,4H,J=1.5Hz)。分析値:C22H19N3OSに
対する計算値:C 70.75;H5.13;N 11.25。実測値:C 70.32;H5.01;N 11.04。
1,1−ビス(4−ピリジニルメチル)−5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ〔3,2,1−i
j〕キノリン−2(1H)−オン(実施例1):融点140〜1℃,MS(CH4/CI)m/
e 356(M+H),384(M+29),1H-NMR(300MHz,CDCl3)δ1.45(quin,2H,J=
6Hz),2.42(t,2H,J=6Hz),3.11(d,2H, J=13Hz),3.26(t,2H,J=6H
z),3.33(d,2H,J=13Hz),6.82(d,4H,J=6Hz),6.86(d,1H,J=7Hz),
6.94(t,1H,J=7Hz),7.07(d,1H,J=7Hz),8.28(d,4H,J=6Hz)。分析
値:C23H21N3Oに対する計算値:C 77.72;H 5.96;N 11.82。実測値:C 77.65;
H 5.79;N 11.77。
2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−ピロロ〔3,2,1−k1〕フェノチアジン−
1(2H)−オン(実施例169):融点190〜1℃,MS(CH4/CI)m/e 422(M+H
),450(M+29),1H-NMR(300 MHz,CDCl3)δ
3.10(d,2H,J=13Hz),3.38(d,2H,J=13Hz),6.69(d,1H,J=7Hz),6.77
−7.08(m,5H),6.86(d,4H,J=6Hz),8.34(d,4H,J=6Hz),8.58(d,1H
,J=8Hz)。分析値:C26H19N3OSに対する計算値:C 74.09;H 4.54;N 9.97。実
測値:C 73.87;H4.34;N 9.82。
2,2−ビス(4−ピリジニルメチル)−6,7−ジヒドロ−インドロ〔1,7−ab〕
〔1〕ベンザピン−1(2H)−オン ジ塩酸塩(実施例217):融点274〜6℃,
MS(CH4/CI)m/e 418(M+H),446(M+29),HRMS:m/e計算値417.1841,
m/e実測値417.1836。分析値:C28H23N3O・2HCl・H2Oに対する計算値:C 66.14
;H 5.35;N 8.26。実測値:C 66.14;H 5.23;N 8.15。
実施例200
1,2−ジヒドロ−2−(4−ピリジニルメチル)−2−(ペンタンニトリル)ピ ロロ〔3.2.1−k1〕フェノキサジン−1(2H)−オン,臭化水素酸塩
室温のTHF中の水素化ナトリウム(油中60%、176mg、4.4ミリモル)のスラリ
ーに、製造3からの化合物(2.2ミリモル、692mg)次いで5−ブロモバレロニト
リル(5当量、11ミリモル、1.78g)を加えた。エタノール1滴を加えそして混合
物を室温で3日間撹拌した。メタノールを加えて過剰の水素化ナトリウムを分解
しそして溶
剤を回転蒸発により除去した。残留物を酢酸エチルと水との間に分配し、それか
ら生成物を1N HCl中に抽出した。水性層を塩基性にしそして生成物をジクロロメ
タン中に抽出した。次にカラムクロマトグラフィーにより精製して油475mg(収
率55%)を得た。MS(NH3/CI)m/e 396(M+H)。1H-NMR(300 MHz,CDCl3)
δ1.25(m,2H),1.61(m,2H),1.88(m,1H),2.13(m,1H),2.25(m,2
H),2.99(d,1H,J=13Hz),3.20(d,1H,J=13Hz),6.68(d,1H,J=8Hz)
,6.78(d,1H,J=8Hz),6.84(d,2H,J=6Hz),6.86(m,1H),6.98(m,3H
),8.19(dd,1H,J=2,7Hz),8.31(d,2H,J=6Hz)。化合物を臭化水素酸で
塩に変換した。融点239〜245℃。分析値:C25H21N3O2・2HBr・0.25H2Oに対する計
算値:C 62.44;H 4.72;N 8.74。実測値:C 62.61;H 4.58;N 8.64。
上記実施例において記載した方法を使用することによって、表III、IVおよび
Vにおける化合物を製造することができる。
生化学的試験操作
神経伝達物質放出検査:本発明の化合物の神経伝達物質放出活性は、Mulder等
、Brain Res.70,372(1974)により記載されている操作の変形法であるDrug D evelopment Research
, 19, 285-300(1990)に報告されている方法によって測
定した。これらの文献を、参照として本明細書に引用する。
体重175〜200gの雄のウィスターラット(Charles River)を使用した。ラット
は、実験前少なくとも7日間、12/12時間の明/暗サイクル下で動物用施設に収
容した。脱イオン化水および標準ラット食物(Purina)を任意に摂取させた。
ラットを断首しそして脳をすぐに取り出して、recessed Luciteguideを使用し
て手で頭頂皮質からスライス(厚さ3.0mm)を作った。次に、スライスは、McIlr
oain組織チョッパーで0.25×0.25mm平方に切断した。
脳皮質スライス(約100mgの湿潤重量)を、10mCiの3H−コリン(比活性度約8
0uCi/mM;Du Pont-NEN)および10nモルの非標識コリンを1mMの最終濃度を与
えるように添加したNaCl(116mM)、KCl(3mM)、CaCl2(1.3mM)、MgCl2(1.2
mM)、KH2PO4(1.2mM)、Na2SO4(1.2mM)、NaHCO3(25mM)およびグルコース(
11.0mM)を含有するクレブス−リンガー培地(KR)10ml中で培養した。脳標本は
、O2 95%/CO2 5%の定常流下37℃で30分培養した。これらの条件下において
、標本によりとられた放射性コリンの一部は、シナプス小胞に貯蔵されたコリン
作用神経終末により放射性アセチルコリン(Ach)に変換されそして高カリウム
イオン(K+)含有培地による脱分極によって放出された。
Ach貯蔵の標識後、スライスを、非放射性KR培地で3回洗浄しそしてAch放出に
対する薬剤の作用を測定するためにスーパーフュージョン(super fusion)装置
に移した。スーパーフュージョン装置は、スライス(約10mgの組織/カラム)を
支持するためのGF/Fガラス繊維フィルターを具備した直径5の10本のサーモス
タットガラスカラムからなる。スーパーフュージョンは、10mMのヘミコリニウム
−3(HC−3)を含有するKR−培地(0.3ml/分)において実施した。HC−3は
、非標識Achに変換されそして予備−形成された標識Achに先立って放出される、
コリン脂質および放出されたAchからスーパーフュージョン中に形成されるコリ
ンの再取込みを防止する。培地は、25−チャンネル蠕動ポンプ(Ismartec by Br
inkman)により供給しそしてスーパーフュージョンカラムに入れる前にサーモス
タットステンレス鋼製コイル中で37℃に加温した。それぞれのカラムは、低〜高
K+/KR培地の急速な変化が可能な4−方向スライダーバルブ(Beckmann装置)お
よび薬剤不含から薬剤−低含有および高K+/KR培地に変えるために使用される2
つの10チャンネル3−方向バルブを具備している。
非特異的に結合した放射能の15分の洗浄後に、各4分のフラクションの収集を
開始した。3回の4分の収集後に、もとの培地は、KCl濃度が、25mM(高K+−KR
培地;S1)に増加したKR−培地に変化した。高K+/KR−培地による放出の脱分極
−誘発刺激を4分つづけた。それから、薬剤不含の低および高K+/KR−培地を、
薬剤−およびベヒクル含有の低および高K+/KR−培地により置換しそしてスーパ
ーフュージョンを、低K+/KR−培地による3回の4分の収集、高K+/KR−培地(
S2)による1回の4分の収集および低K+/KR−培地
による2回の4分の収集に対してつづけた。
薬剤は、低−および高−K+/KR−培地による適当な薬剤濃度(0.9%生理食塩
水中)の100倍稀釈によって培地に加えた。
すべてのスーパーフュージョンフラクションを液体シンチレーションカウンテ
ィングバイアルに集めた。スーパーフュージョン後、スライスをスーパーフュー
ジョンカラムから取り出しそして0.1N HCl 1.0mlで抽出した。Liquiscint(NEN
)シンチレーション液体(12ml)を、スーパーフュージョンフラクションおよび
抽出液に加えそして試料をPackard Tricarb液体シンチレーションカウンターで
カウントした。クエンチングに対して補正は行わなかった。
S2/S1の比(薬剤がS2中存在しなかった場合のコントロールに比較した)は、
剌激−誘発アセチルコリン放出を増強または抑制する薬剤の能力の測定値である
。この検査を使用して10mMの薬剤により生じたアセチルコリン(Ach)増強放出
の%は表5に示すとおりである。
表 5
実施例番号 10mMにおけるAch放出%
1 188
49 368
169 262
193 218
200 313
217 325
有用性
上述した試験結果は、本発明の化合物が、アルツハイマー病、パーキンソン病
、老人性痴呆、多発梗塞性痴呆、ハンチントン病、精神遅滞、重症筋無力症など
のような神経系疾患にかかった患者の認識疾患および(または)神経系機能欠損
症状および(または)気分および精神障害の治療に用いることができることを示
している。上述した試験管内検査は、アルツハイマー病、パーキンソン病、老人
性痴呆、多発梗塞性痴呆、ハンチントン病、精神遅滞、重症筋無力症などのよう
な神経系疾患にかかった患者の認識疾患および(または)神経系機能欠損および
(または)気分および精神障害の治療に有用な薬剤を確認するのに認められてい
るものである。Cook等、Drug Development Research,19,301-304(1990)、Ni
ckolson等、Drug Development Research,19,285-300(1990)およびDeNoble等
、Pharmacology Biochemistry & Behavior,36,957-961(1990)は、すべて上
述した試験管内検査によって、化学名3,3−ビス(4−ピリジニルメチル)−1
−フェニルインドリン−2−オン(リノピルジン)を有する薬剤Dup996が認識機
能不全の治療に有用であることを示している。
処方
本発明の化合物は、活性剤を哺乳動物の体中の活性剤の作用部位と接触させる
手段によって、上述した欠損を治療するために投与することができる。化合物は
、個々の治療剤としてまたは治療剤の組み合わせとして、医薬として利用できる
何れかの普通の手段によって投与することができる。これらの化合物は、単独で
投与することができるけれども、一般に、選択された投与方法および標準医薬プ
ラクチスを基にして選択された医薬担体と一緒に投与される。
投与される投与量は、使用および既知の因子、例えば特定の治療剤の薬力学的
特性および投与の型および方法;患者の年令、体重および健康;症状の性質およ
び程度;同時に行われる治療の種類;治療の頻度;および望まれる作用によって
変化する。上述した疾患の治療に使用するにあたって、本発明の化合物は、1日
につき、体重1kg当り0.002〜200mgの活性成分の投与量で経口的に投与すること
ができる。普通、0.01〜10mg/kgの投与量を1日1〜4回に分割した投与量でま
たは持続性放出処方として投与することが、所望の薬理学的効果を得るのに有用
である。
投与に適した投与形態(組成物)は、1単位当り約1mg〜約100mgの活性成分
を含有している。これらの医薬組成物において、活性成分は、普通、組成物の全
重量を基にして約0.5〜95重量%の量で存在する。
活性成分は、カプセル、錠剤および粉末のような固体の投与形態でまたはエリ
キシル剤、シロップ、および(または)懸濁液のような液状の形態で経口的に投
与することができる。本発明の化合物は、また、滅菌された液状投与処方として
非経口的に投与することもできる。
ゼラチンカプセルは、活性成分および適当な担体、例えばこれらに限定するも
のではないけれども、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸、またはセルロース誘導体を含有するようにして使用することができる。同
様な稀釈剤は、圧縮された錠剤を製造するためにも使用することができる。錠剤
およびカプセルは、一定の時間医薬を連続的に放出する持続性放出製品として処
方することができる。圧縮した錠剤は、不快な味を遮蔽するために、または活性
成分を湿気から保護するために、または胃腸管内における錠剤の選択的崩壊を可
能にするために、糖被覆またはフィルム被覆することができる。
経口投与用の液状投与形態は、患者への受容性を高めるために、着色剤または
風味剤を含有することができる。
一般に、水、医薬的に許容し得る油、生理食塩水、水性デキストロース(グル
コース)および関連した糖溶液およびグリコール、例えばプロピレングリコール
またはポリエチレングリコールが、非経口的溶液に対する適当な担体である。非
経口的投与用の溶液は、好ましくは、活性成分の水溶性塩、適当な安定剤、およ
び必要に応じて、緩衝物質を含有する。酸化防止剤、例えば単独または組み合わ
された酸性亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸が適当な
安定剤である。また、クエン酸およびその塩およびEDTAも使用される。さらに、
非経口的溶液は、防腐剤、例えばベンザルコニウムクロライド、メチル−または
プロピル−パラベンおよびクロロブタノールを含有することができる。
適当な医薬担体は、この分野における標準参考書である“Remin-gton's Pharm
aceutical Sciences”、A.Osolに記載されている。
本発明の化合物を投与するための有用な医薬投与形態を、以下に記載する。
カプセル
標準2−片硬質ゼラチンカプセルそれぞれに、粉末状の活性成分100mg、ラク
トース150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを充填する
ことによって、多数の単位カプセルを製造
した。
軟質ゼラチンカプセル
大豆油、綿実油またはオリーブ油のような消化性油中の活性成分の混合物を製
造しそして容量形ポンプによってゼラチン中に注入して活性成分100mgを含有す
る軟質ゼラチンカプセルを形成させる。カプセルを洗浄しそして乾燥する。
錠剤
投与単位が活性成分100mg、コロイド二酸化珪素0.2mg、ステアリン酸マグネシ
ウム5mg、微小結晶性セルロース275mg、澱粉11mgおよびラクトース98.8mgである
ように、普通の操作によって、多数の錠剤を製造する。適当な被膜を適用して美
味または遅延吸収を増加することができる。
本発明の化合物は、また、神経系機能不全および疾患の生化学的研究における
試薬または標準化合物として使用することもできる。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/55
C07D 487/06 7019−4C
498/06 9360−4C
513/06 9360−4C