JPH08502468A - 改良された熱応力特性を有する低温ガラスおよびその使用方法 - Google Patents

改良された熱応力特性を有する低温ガラスおよびその使用方法

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JPH08502468A
JPH08502468A JP6510323A JP51032393A JPH08502468A JP H08502468 A JPH08502468 A JP H08502468A JP 6510323 A JP6510323 A JP 6510323A JP 51032393 A JP51032393 A JP 51032393A JP H08502468 A JPH08502468 A JP H08502468A
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Abstract

(57)【要約】 独自の結晶化および結晶再溶融特性を有するガラス組成およびその使用方法が開示される。ガラス組成は、酸化物ベースの重量比で約40−65%Ag2Oと、約15−35%V25と、約0−30%PbO2と、約2−20%TeO2とから本質的になる。本発明はまた、上述の新規のガラス組成を利用する独自の、本質的に樹脂を含まない有機系を企図する。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された熱応力特性を有する 低温ガラスおよびその使用方法 技術分野 この発明は低温ガラスの新規の設計およびその形成方法に関する。低温ガラス とはすなわち、結晶の再溶融温度が低い、低温で結晶化するガラスであり、特に 電子産業で一般に使用されるセラミック基板にガラスが低温で接合することを可 能にする。処理後の結晶化されたガラスの最終的な形はまた、ガラス質の(vitr eous)ガラスに対し、特に半導体デバイスをセラミック基板に接合するアプリケ ーションにおいておよび低温封止ガラスのアプリケーションにおいて重要な利点 を有する。 発明の背景 この出願と出願人を同一にする米国特許番号第4,933,030号に関連し 、Ag/ガラス ダイ接着産業において使用される既存のガラス組成の制限の多 くを克服する低温ガラスが開発された。′030号の特許の教示は、引用により 援用される。“Ag/ガラス”とはガラスにAg粉末および適切な有機物質を添 加し、“ペースト”を作ることを指し、集積回路デバイスの下に与えられ、正し く処理されるときには、結果としての組立体に必要とされる電気的、機械的、お よび熱の特性を生出すだろう。要約すると、米国特許番号第4,933,030 号に述べられた発明により達成される技術的な進歩は、: 1.ダイの集積回路パッケージへの適切な接着性を生むために必要とされる高い 処理温度を減ずる。高密度の集積回路デバイスの性能および歩留りは、高い(一 般的には400℃よりも高い)処理温度により悪化する。これらの感温性のデバ イスを低温(たとえば350℃よりも低い)で接着する可能性は、ユーザにとっ て非常に有益であることが示された。 2.感温性の集積回路デバイスを収容するセラミックパッケージの信頼性の向上 および処理工程の減少。ダイ接着プロセスを350℃よりも低い温度で行なうこ とにより、先行技術の鉛−硼酸塩をもとにしたAg/ガラスシステムに対して必 要な温度である400℃−450℃での処理と比較して、Auめっきの下のニッ ケルめっきの酸化を排除または大きく低減する。400℃−450℃で処理され るときには、ニッケル酸化物を減じ、セラミックパッケージ内のデバイスを気密 封止するために用いられるAuSn予備成形の適切な濡れを達成するために、付 加的な成形ガス処理ステップが一般に必要である。この改良された気密性の発生 および費用のかかるプロセスステップの排除は、特許番号第4,933,030 号に述べられた製品の導入により可能となった。 3.Ag/ガラス内の有機物質の一部としての樹脂材料の排除。米国特許番号第 4,933,030号に述べられた製品の前には、Ag/ガラス組成には常に樹 脂が用いられ て、Ag/ガラス材料を自動化されたディスペンサで与えるための適切な流動学 、および懸濁力と安定性とがペーストにもたらされた。典型的には本質的にアク リル系であるこれらの樹脂には、Ag/ガラスにどんなに大量に与えられるとき にも、2つの主要な不利益が生じた。:(1)これらの樹脂はパッケージ内に封 止される“残留”水分の原因となる水分を保持するものとして知られている。こ の残留水分は、気密的に封止された最終的なデバイスの信頼性に大きくまた逆に 影響を与えるものとして示されている。(2)樹脂はすべて、典型的には300 ℃よりも高い、比較的高温の完全燃焼特性を有する。ダイの浮き、Ag/ガラス 接着剤からの分離、したがって著しい接着欠陥の発生を防止するために、ダイ接 着プロセスの間に、完全燃焼ガスを発生させるためには温度勾配を制御すること が必要である。したがって、米国特許番号第4,933,030号に述べられた 発明は樹脂を排除し、したがって水分レベルを低減し、ダイ接着サイクルの間の 高速処理を可能にした。 米国特許番号第4,933,030号に述べられた発明は実際、既存の技術の 多くの障害を克服する、すなわち、別々の乾燥ガスと成形ガスの洗浄サイクルを 排除することにより、デバイスおよびパッケージの信頼性を向上させ、組立コス トを大きく低減する。しかし、改良の余地はあった。その他の点においては重要 な進歩であるが、米国特許番号第4,933,030号に述べられたTl23/ V25/P25ガラスは、確立された鉛−硼酸塩ガラスシステムの熱サイクル抵抗 を持たなかった。これらのガラスを利用する仕上げられたデバイスはしばしば長 期の熱サイクルにさらされる。パーツが−65℃から150℃で1000サイク ルの間(軍用規格(Mil Std)883、条件(Condition)C)循環され るとき、接着力の値は、熱サイクル応力の結果として、大きく減少するであろう 。結果として生じる接着力の値は軍用規格883の要求に合格するだろうが、こ の値はさらに高温のAg/ガラスシステムにより生ずる接着力の値よりも非常に 低かった。 低温(ガラス転移温度、Tg、250℃よりも低い)での処理、および特にA g/ガラス組成に組入れられるときには高い熱応力抵抗の両方を可能にするガラ ス組成を開発するために、先行技術において様々な試みが行なわれている。不運 にも、また一般的には、ガラスのTgが低減されるにつれ、熱膨張率が増大し、 シリコン半導体デバイスの ppm/C)を有する低温ガラスの膨張率との不整合が大きいために、熱応力抵 抗の大きい低温のAg/ガラスを達成することを非常に困難にする。米国特許番 号第4,933,030号に述べられたガラスは、最も低い温度で処理する可能 性(300−325℃での処理)を提供するが、1000サイクルの間軍用規格 883の条件C(−65℃ないし150℃)で処理されるときには、50%以上 も接 着力が低下する。 他方、米国特許番号第4,401,767に述べられたJMIの鉛−硼酸塩A g/ガラスは、同じ熱サイクルテストを受けるときには接着力の低下は最小であ るが、400℃より高温のAg/ガラスの処理を必要とする〜325℃の高いT gを有する。したがって、ガラス、ペースト、および使用法に対する技術におい ては、上記の問題を克服し、低い処理温度と改良された特性、特に既存の低温シ ステムの熱応力抵抗の両方を与える必要が大いにある。この発明は、これらの目 的を達成する、ガラス設計および成形方法における新規の方策について述べる。 先行技術(米国特許番号第4,933,030号を含む)は歴史的に、実質的 に非晶質のガラス構造を有する接合層を利用する必要性について語っている、と いうのも処理中のガラスの結晶化は粘性を増大させ、ガラスが下の基板に濡れる ことを妨げるからである。この理由のため、市場の現在のすべてのAg/ガラス 組成は、本質的にガラス質のガラスを利用する、たとえば米国特許番号第4,4 01,767号に述べられるJMIの鉛−硼酸塩ガラス、米国特許番号第4,9 96,171号に述べられるJMIのPbO−V25−リン酸塩ガラス、米国特 許番号第4,761,224号および第4,636,254号に述べられるQM Iの鉛−硼酸塩ガラス、米国特許番号第4,743,302号および5,013 ,360号に述べられるV LSIのPbO−V25ガラス、米国特許番号第4,997,718号に述べら れるVLSIのAg2O−P25ガラス、ならびに米国特許番号第4,945, 071号に述べられるナショナルスターチアンドケミカル(National Starch & Chemical)のAg2O−V25−TeO2−PbOガラスなどである。この発明は 、よく似たTgを有する本質的にガラス質のガラスと比較して、熱応力抵抗とい った優れた特性を有する低温結晶化ガラスの新規の発見を開示する。この発明の 結晶化ガラスは、初期(または低温)の結晶化(Tc)においての低いTg、こ れらの結晶の低温での再溶融(Tr)、およびガラスの冷却の間の重要な結晶化 を表わすが、このことについては後により詳細に述べる。 フリエッセン(Friessen)らは、米国特許番号第4,945,071号におい て、ガラス転移温度が約260℃の本質的にガラス質のTeO2/V25/Ag2 O/PbOシステムについて述べている。フリエッセンの発明の核心は、いかな る結晶化も生じさせないことにあった。フリエッセンのガラスは、結晶ピーク温 度がないように、または彼が述べたAg/ガラスの処理温度を超える結晶化温度 を有しないように、設計された。ガラスを本質的にガラス質に保つ(結晶ピーク がないまたは高温の結晶ピーク)鍵は特に、欄5に述べられるように、PbOを 加えることであった。後により詳細に説明するように、Pbの酸化状態 はこの発明にとって好ましい状態ではない。 全く異なる組成は別として、この発明には上記の技術との重大な違いがいくつ かある。最も重要なのは、この発明の新しいガラスシステムは、非常に低温の結 晶化を、これらの結晶の非常に低温での再溶融とともに防止するよりもむしろ促 進するという事実に基づくことである。さらに、結晶の再溶融により、フリエッ センのガラスよりも低い温度においてはより粘性の小さなガラスが生み出され、 さらには、先に説明した関連の利点とともに必要な接着性をも 体を処理することを可能にする。フリエッセンのガラスと異なり、この発明のガ ラスは、冷却された際には処理された最終的な形として大部分が結晶化されるこ ととなり、このことは、後で詳細に説明されるような所望の特性(たとえば熱サ イクル耐久性)を低温ガラスが示すには必須であると考えられている。 同様に、その他のガラス組成は、この発明のガラスおよび特性を教示または示 唆するものではない。たとえば、ドメスニル(Dumesnil)およびフィンケルスタ イン(Finkelstein)は米国特許番号第4,997,718号の中で、組成の残 りとしてほとんどP25およびB23を含む高Ag2Oガラス組成について述べ ている。これらのガラスは本質的にガラス質であり、高膨張率とともに水溶性を 示し、約250℃という、非常に低いTgを有する。 シャバタル(Chvatal)は米国特許番号第3,798,114号および第3, 853,568号で、本質的にガラス質の高Ag2O低温ガラスについて述べて おり、そのいくつかはAg2O、V25およびTeO2の配合を含む。シャバタル は、Ag2Oに対する1回分として必要な材料としてAgNO3を用いることにつ いて教示する。シャバタルの特許では、Ag/ガラス ダイ接着ペーストにおけ るこれらのガラス組成の有効性については教示しておらず、また部分的に結晶化 仕上された構造またはその潜在的な利益についても教示していない。 アクタール(Akhter)は米国特許番号第5,013,697号において、およ びドメスニルとフィンケルスタインは米国特許番号第4,743,302号の中 で、他の酸化物と配合してPbO/V25の2成分を含む封止ガラス、および低 溶融系のガラス質封止ガラスを作り出す膨張率の低いセラミック充填材について 述べている。 この発明は、低温での結晶の再溶融を伴う低温での結晶化のためにガラスは設 計できるという発見に基づく。結果として生じるガラスを、Ag/ガラスに組入 れられるとき、米国特許番号第4,933,030号で規定されたTl23/V25/P25ガラスのように低温で接合し、特性、特に熱応力抵抗および化学的 耐久性における著しい向上を伴うであろう。これらの新しいガラスの特徴は、T gが低く(約250℃以下)、結晶形成温度が低く(約3 00℃以下)、これら結晶の再溶融温度が低い(約350℃以下)、および処理 後の優れた安定性を伴う結晶性の焼成された構造である。 この発明に起因する重要な結果の1つは、最終的に得られたガラスの結晶化度 が制御され、そのためダイ接着のためにAg/ガラスペーストとして処理される ときには焼成ガラス/セラミックをもたらすことである。焼成されたガラス状の 構造の結晶化を制御することは、ダイ接着の際の接着性を高め、熱サイクルが行 なわれるときには接着力低下に対する抵抗を与えることに大いに貢献するが、詳 細については後に説明する。その場結晶化(in-situ crystallization)は、シ リコンダイ/Ag−ガラス界面で発生する破損の拡大を防止する結晶場所を与え るものと信じられているが、このことについては後に詳細に述べる。膨張率 ppm/Cの低温ガラスとの間で、不整合が大きい。先に述べたように、ガラス の温度特性が減少するにつれて膨張率が増大し、熱サイクルでの接着力低下への 抵抗をもたらす部分的に結晶化された構造の必要性が生じる。 今まで、低温ダイ接着材料の主要な問題の1つは、より高温(400℃よりも 高い)の材料と比較して、熱応力抵抗が比較的低いことであった。この発明では 、新しく開示されたガラスシステムおよび方法が、低温での処理を保持しつつい かにして熱応力抵抗の欠陥を克服するかについて 詳細に述べる。熱応力抵抗をさらに改良するため、およびその配合を封止ガラス または絶縁材料として用いるために、新規のガラス組成に熱膨張率の低い酸化物 を約1ないし25重量%加えることは、後に詳細に開示するようにこの発明の一 部として考慮されている。 発明の概要 上記から明らかなように、先行技術のシステムに対する重要な改良点を有する 新しいガラス組成、ペーストおよび使用方法の必要性がこの技術にある。この発 明の目的は、この技術におけるこれらおよひその他の必要を満たすことである。 包括的に言えば、この発明は、以下を有するガラス組成を提供することにより上 記の必要を満たす。 1)約250℃以下の、好ましくは200℃以下の、または最も好ましくは約 150℃である、ガラス転移(Tg)温度。 2)約300℃以下の、好ましくは250℃以下の、または最も好ましくは約 200℃である結晶化温度(Tc)。 3)約350℃よりも低い、好ましくは300℃よりも低い、または最も好ま しくは約275℃である、結晶再溶融温度(Tr)。 これらの必須のガラス特性を有する1つのガラスシステムは本質的に、酸化物 ベースで重量パーセントにして以下を含む。 約40−65% Ag2O 約15−35% V25 約 0−30% PbO2 約 0−20% TeO2 この発明はまた、上記の新規のガラス組成を利用する、独自の、本質的に樹脂 を使わない有機システムをまた意図する。有機システムはまた、官能性の低い芳 香族および/または脂肪族溶媒の配合を、ヘラクレスEHEC(Hercules EHEC )のエチルセルロースのような樹脂とごく少量組合せて含み、分配のためのペー ストの流動学を最適化する。この有機システムにより、気孔を生じることなく大 きなダイを高速に処理することが可能になる。 このようなペーストはさらに、電子構成部品をセラミックに接着するときには 独自の適用性がある。この理由のため、この発明ではその範囲内において集積回 路のシリコンダイといった電子構成部品をセラミック(基板)に接着する際の改 良された方法を意図する。この方法は、この発明のAg/ガラスペーストを、パ ッケージに接合されるパーツの間に接合材として与え、ガラスを溶融させるのに 十分な時間および温度までパッケージを加熱し、そうしてデバイスをセラミック に接合し、その後パッケージを室温まで冷却することを含む。 好ましい実施例においては、ペーストは銀フレークを含み、結果として生じる 接合層は部分的に結晶質のガラスセラミックであり、最終的に封止されたパッケ ージでは50 00ppmよりもはるかに低い水分含有量を有する。この発明のいくつかの目的 は上記から明らかである。 この発明の1つの目的は、低温での流動性が優れ、室温に冷却されることが可 能なときには部分的に結晶化する、低温ガラスを提供することである。 この発明の他の目的は、上記のガラスを組入れ、低温でも高温でも(たとえば 350℃よりも低いまたは高い)半導体デバイスの無機接着を可能にし、米国特 許番号第4,933,030号で述べられた銀/ガラス ダイ接着材料に対して 改良された熱サイクル抵抗特性を表わす、銀/ガラス ダイ接着材料を提供する ことである。 この発明のさらに他の目的は、樹脂を実質的に全く用いずに、この発明のアプ リケーションにおいて気孔を発生させずに、または水分をわずかも保持せずに、 優れた分配特性および高速の処理をもたらす銀/ガラスペーストを提供すること である。 この発明のさらに他の目的は、上記のガラスを使用し、金属を添加することに より、350℃よりも低い温度で半導体デバイスを接着するための方法を提供す ることである。 この発明のさらに他の目的は、特により大きなダイがパッケージされるときに は、ダイにおける(熱により誘発される)残留応力を最小限とするAg充填ガラ スを提供することである。 この発明のさらに他の目的は、パッケージのパーツを気 密的に封止する低温封止ガラス組成を提供することである。これは、この明細書 で述べられるように、膨張率の低い耐火性の充填材を含むだろう。 この発明のさらに他の目的は、この発明の独自のガラスを利用して、熱特性の 優れた電気絶縁性の組成を提供し、半導体または受動デバイスをパッケージ内に 接着することである。 この発明の目的は、この技術におけるこれらおよびその他の必要を満たすこと であり、一旦以下の開示が与えられれば当業者には明らかになるであろう。この 発明は、いくつかの実施例とともに、添付の図面と関連付けて説明されるだろう 。 図面の簡単な説明 図1は、新しい発明と比較した場合の先行技術のガラス特性の違いを示す、熱 分析グラフである。 図2は、Tg、Tc、Trおよび関連のエンタルピー値を示す、図1の曲線B のさらに詳細なDSCグラフである。 図3は、図2の予め結晶化したガラスのDSCグラフである。 図4は、この発明の好ましい使用環境の側面断面図である。 この発明の実施例の詳細な説明 この発明のガラス組成には広い利用分野がある。特に重要であり、したがって これらのガラス組成を利用する好ま しい実施例としては、電子デバイスをセラミックに接合する技術である。この点 で特に好ましい利用法は、集積回路のシリコンダイをセラミック基板に接合する ことにあり、この発明のガラス組成はガラス材料をペースト状で形成するが、こ のペーストはさらに、溶媒、または任意に少量の樹脂、および好ましくは添加パ ウダー、特に銀(Ag)の粒子をに伴う溶媒の配合を含む。このようなペースト は一般的に、Ag/ガラス ダイ接着ペーストとして使用される。 この発明の特徴の多くは、先行技術の組成とこの発明の組成のガラス特性にお ける重要な違いを示す図1を参照して、図示できる。図1は、示差走査熱量計( DSC)による熱分析グラフを示す。少量のガラスの粉末の試料を加熱すること により、エネルギの変化はx−軸の温度に対する垂直軸で測定される。ガラス特 性における現在の技術の実態を例示するガラスは、曲線Aにより図示される。エ ネルギレベルの第1の小さな変化は、ガラス転移温度(Tg)として知られてお り、ガラスの固体からの変化は、応力のないより可塑性のある構造である。たと えば、フリエッセンにより米国特許番号第4,945,071号で、およびドメ スニルにより米国特許番号第4,743,302号で述べられるガラスは、その DSCが曲線Aで描かれるガラスの例である。同様のDSCを有するがTgが高 い(〜300℃)、たとえば米国特許番号第4,701,767号 に述べられるJMIのガラス、およびさらにTgが低い べられるディーマットのガラスのようなガラスがまた存在する。 曲線A(図1)により図示されるタイプのガラスは加熱されるにつれ、ガラス の粘性は、接合される表面を濡らし接着性のある接合層を形成するのに十分低く なるまで粘性が減少する。一般的に、この必要とされる粘性の低さに到達するの に要求される温度は、Tgよりも少なくとも100℃−150℃高いであろう。 冷却の際に、粘性は次第に増加し、Tgで最大に到達する。先に示したように、 Tgが低くなるほど、最終的な組立体におけるガラスの膨張率は高くなる。した がって、組立体が続けて熱サイクルを受けるとき、膨張率の不整合が大きいこと により、ガラス状の構造に微小亀裂を生じ、シリコンダイの基板への接着性が、 上記のように低下する。 曲線Bで示されるDSCグラフは、新しい発明のガラス る。さらに加熱すると、ガラスは約200℃で結晶化し、(Tc)はDSCグラ フ上に発熱曲線を示す。先行技術の教示は通常、この結晶化(発熱)を望ましく ない反応とみなしていたが、これはガラスの粘性が急激に増大することにより、 ガラスがダイおよび基板の界面に濡れることを抑制するからである。しかし、結 晶化された構造をさらに加 熱することにより、約275℃の非常に低温で、最初に形成された結晶の再溶融 (Tr)が発生する。結晶の再溶融のこの吸熱反応は、この発明の鍵である、と いうのもガラスは今や急速に粘性の低い状態へと変化し、このことによりガラス は界面を濡らし強力な接合を生み出すからである。組立体をさらに加熱すること には有害な影響はなく、450℃以上に、逆効果を生むことなく加熱できる。 ダイ/Ag ガラス/基板組立体が冷却されるにつれ、別の重要な反応が起こ るが、それはすなわち非晶質ガラスが約200℃で再び再結晶化することである 。示されていないが、このことは、DSC曲線の別の発熱ピークとして検出でき る。冷却の間の再結晶化は、後に述べるように、この発明の熱応力抵抗への鍵と なる。結晶化および再溶融の程度は、曲線のエネルギで測定でき、ジュール/g mの単位で表現される。この発明はしたがって、図1の曲線Bで描かれた熱反応 、すなわちこれらの結晶の低いTg、初期結晶化(Tc)、低い温度での再溶融 (Tr)および冷却の間の再結晶化を有するガラス組成、を教示する。 この発明のガラス組成は、低温特性を生み出す共融(共晶)組成に近い、Ag2 OとV25との比に基づく。しかし、この2成分の共融組成を用いると、過度 の制御されない結晶化が発生する。結晶化度は、ガラス形成材をプロセスパラメ ータとともに特定的に配合することにより制御できる。TeO2およびPbO2ま たはPb34は、一 次安定材として働くように思われ、したがってもし過剰に使用されれば、先行技 術のフリエッセンのガラスにおけるように、結晶化度がほとんどなくなる可能性 があり、十分な量が用いられなければ、比較的高い再溶融温度で過剰に結晶化が 発生し、低温での十分な接着性のために界面を十分に濡らすガラス相が不足する ために、接着性が乏しくなる。したがって、TeO2およびPbO2の最適量およ び最適な配合により、最終的に得られた構造の所望の結晶化度とともに低温特性 を有するガラスが提供される。この発明の新規のガラス組成は本質的に、酸化物 ベースで重量にして以下を含む。 約40−65% Ag2O 約15−35% V25 約 0−20% TeO2 約 0−30% PbO2 好ましくは、これらは本質的に、酸化物ベースで重量にして、以下を含む。 約40−50% Ag2O 約15−25% V25 約 5−15% TeO2 約10−25% PbO2 これらのガラスはすべて、溶融プロセスにおいて安定した粘性ガラスを形成す るが、再焼成の際には、最終構造において結晶化度が異なるものとなる。ガラス 組成における 構成成分の選択および割合により可能となる結晶化度は、この発明に従い、実質 的に100%よりも小さな好ましい範囲内となるように制御される。最終的なガ ラス構造において示される結晶化度は、主としてガラス組成の成分の特定の比率 と用いられる溶融プロセスパラメータとに依存する。前記のように、結晶化度は 、以下のように接着性への鍵となる。 (1) ガラス遷移温度は先に定義したとおりである。 (2) 以下に説明する方法によって分析的に決定された、焼成構造に存在す る概ねの結晶化度を指す。M337,M355,M370,M206のガラスペ ーストが裸のアルミナ(Al23)基板に与えられ、350℃のピーク温度で処 理された。これらのサンプルは次に、各結晶相につき1秒当りのカウント数を表 すX線回折(XRD)によって分析された。非結晶のバックグラウンド散乱と比 較した結晶ピークの高さは、様々なガラスの結晶化度の定量的比較を与える。4 つのガラスの各々がポットに入れられ、切断され、研磨された。そのガラス切断 片の写真を与える後方散乱放出モードを用いて、走査型電子顕微鏡(SEM)に よってその切断片セクションが分析された。1000Xの倍率で、結晶およびガ ラス状(ガラス質)相が明ら かに区別され得た。各相の面積を推定し、それをXRD結果と比較すると、種々 のガラスの比較的正確な結晶化の定量的な度合が与えられた。DSC曲線はまた 、エネルギ/ユニットの量によって結晶化の半定量的測定値を与え、またはDS C面積が発熱結晶化ピーク(エンタルピー値)および結晶の再溶融の間に認めら れる対応の吸熱エネルギを与える。基準が確立されると、この一連のテストによ って得られた既知の標準と単に比較することによって、他のガラス(以下の表I II)に関して結晶化の割合を概ね知ることができる。 (3) 350℃で処理された .338× .338ダイの裸のアルミナ基 板への接着性。接着性は、米国特許番号第4,933,030号で説明されるよ うなセバスチョンIIIスタッドプロテスタ(Sebastion III Stud pull tester )によって測定された。 低温での優れた接着性および優れた熱サイクル特性を示す、AG/ガラスダイ 接着ペーストで用いるのに特に好ましいガラス組成は、本質的に、 約47% Ag2O 約22% V25 約 9% TeO2 約22% PbO2 からなり、以下、例M666と称する。 M666の好ましい組成は、Ag/ガラスペーストで用 いられ、かつ本発明に従って処理されると、予期せぬような高い接着性を示すの みならず、他の重要な利点をも有する。最も重要なことには、熱サイクル後の接 着力の値は、以下に示すように、米国特許番号第4,933,030号の例M4 4の好ましいガラスと比較して、大きく劣化することはない。 表II ガラス ガラス状 結晶化度 初期 1000T/C溶融物 エッジ温度 接着(1) の後(2) M44 210 なし 115 32−28% M666 205 70% 140 89−64% (1) @350℃で処理された .338″× .338″ダイ(単位はポ ンド) (2) ポンドで表わす初期接着とMil Std 883、条件Cによる1 000温度サイクル後の初期接着の保持の割合 M44ガラスの膨張率は約23ppm/cである一方で、M666ガラスの膨 張率は約19ppm/cである。シリコンダイの膨張率である約3ppm/cに より近いため、膨張率のより低いガラスが好ましい。しかしながら、膨張率の不 整合はまだかなり大きく、したがって、膨張率が幾分低くなったことだけによっ て、熱サイクル後にも接着性が高く保持されることとともに初期接着性が高いこ とを説明できない。 この大きな特性の改善は、その大部分が焼成ガラスにおける制御された結晶化 度に起因する。結晶場所はガラス状構造を強化するだけでなく、ガラスとシリコ ンダイとの膨張率の不整合によって起こる微小亀裂が広がるのを防ぐというのが 前提となっている。対照的に、ガラス質のガラスでの温度サイクルの際には、こ れらの初期の微少亀裂は広がり続け、組立体、すなわちアセンブリ全体を弱めて しまう。一方、部分的に結晶化されたガラスは、微少亀裂が大きくなるのを防ぐ 役割を果たす結晶場所を有する。結晶場所は、特定の化学量論的比率を有する複 雑なAg2O−V25−TeO2−PbO2結晶であると考えられる。この現象が 温度サイクルの後にも接着性が高く保持される大きな理由であると考えられる。 本発明のガラスの構成は、米国特許番号第4,933,030号に詳細に説明 されるのと類似した態様で達成され、これらの手順をここに引用によって援用す る。Ag2O,V25,PbO2およびTeO2がガラスの4つの好ましい原料で あるが、これら以外の配合でも同様のガラス特性、すなわち適切なTg、Tcお よびTr温度を達成することができ、本発明の一部であるとみなされる。他の多 くの原料を種々の量で基本的構成に加えてもよいことが認められ、これらもまた 本発明の範囲内であるとみなされる。一般に、約10%を上回る量での他の材料 の添加は、ガラスの特性を悪く変えてしまう傾向があるが、Tl23の ように例外もある。 以下の例(表III参照)は、好ましい範囲がいかに決定されたか、および使 用された種々の添加物、たとえばP25、Tl23、Bi23、CuOまたはC u2O、B23、MnO2、PbO、Pb34、SnO2、Ta25、Nb25、 Y23、SiO2、Al22、およびWO3を示す。 これらの例より、特に好ましいガラス組成、すなわち例M666が選ばれた。 多くの溶融物は2つ以上の結晶化および/または再溶融温度を有することに注目 されたい。M666溶融物は、単一の低温再溶融を示し、ガラスはより低温での 接合に関しては低粘性状態に達するので、このことは理想的である。この組成と 、ダイ接着ペーストとして処理された後かなりの結晶化度を有する、本発明に従 うAg/ガラスダイ接着ペーストの形成プロセスの詳細を以下に説明する。 好ましい組成、M666は、以下のように1回分を多くとってその重量が測定 された。 酸化物ベースでの重量% wt(gm) Ag2O 46.9 − 140.7 V25 22.0 − 66.0 TeO2 8.9 − 26.7 PbO2 22.2 66.6 100.0 300.0gm 酸化物は、その重量が測定され、プラスチック容器内で十分に混合された。酸 化物の純度は最小でも99.9%であり、そのアルカリ含有量は非常に低かった 。アルカリイオンが移動すると、半導体の実装において腐食を起こすことが知ら れている。 混合物は磁性るつぼに移され、溶融炉に入れられた。約550℃に達した後、 溶融物が除去され、完全に溶融して かつ均質となるように撹拌し、その後炉に戻して、580−600℃のピーク温 度まで加熱された。580℃を超えるが、620℃を下回る温度で保持した後、 溶融物を低温のステンレス鋼のローラを介して注ぎ、その後の研削には理想的で あるガラス質のガラスの薄いシートを形成した。約580℃未満、または約62 0℃を上回るピーク温度では、複数回、より高温で再溶融することが示された。 結果として生じるガラスのフレークを砕き、アセトンと、Al23またはジル コニア等の高密度研削媒体とともに高アルミナボールミルに装填し、水研ぎして 微細な粉末にした。乾燥させたあと、微細なガラス粉末をふるいにかけた。その 結果としての平均の粒子の寸法が表面積で測定され、.1ないし.5m2/gm 以内と小さくなった。.5m2/gmを大きく上回る表面積を有する粉末は、再 焼成中に過度の結晶化を生じる傾向があった。 結果として生じる微細な粉末がDSCによって熱的に分析され、以下の特性を 有した。 152.4℃ Tg(ガラス転移温度) 199.2℃ Tc(ガラス結晶化ピーク温度) 275.8℃ Tr(ガラス再溶融ピーク温度) これらの結果は、ガラス組成M666に関して図2にグラフで示される。これ らの特性は、記録されたほとんどの溶融物に関して表IIIに要約されている。 最も好ましいガラス(M666)が有する結晶ピークおよび低温再溶融 ピークはどちらも1つだけであり、これは上述のように理想的である。 溶融物形成において用いられるPbの酸化状態は、表IIIのM734、M7 35、およびM736に示されるように、本発明のガラスの特性に大きな影響を 与えることが示された。Pb陽イオン比率は一定に保たれ、これが、PbO2、 PbOおよびPb34の重量%におけるわずかな差の理由である。PbO(フリ エッセンの′071特許では好ましい原料である)を用いるM735においては 、2つの結晶ピークと2つのより高温の再溶融があることに注目されたい。一方 、Pb34を用いるM736は、PbO2を用いるM734と同様に作用し、単 一のより低温の再溶融をもたらし、好ましい結果となった。 米国特許番号第4,933,030号で説明されるAg/ガラスとは異なり、 好ましい溶剤は、ごく少量の樹脂が溶解された、基本的に芳香族および脂肪族の 溶剤の混合物であり、実際に使用する際にペーストを分配し、面積の大きなダイ の下で気孔を最小にするための流動学上の最良の配合を示す。基本的に、好まし い溶剤は低水素結合(極性)を示すものであり、気孔および接着の面において全 体的に最良の結果をもたらした。選ばれた芳香族の溶剤はコックケミカル社(Ko ch Chemical)のシュアソール(SureSol)205であり、脂肪族の溶剤はエクソ ン社(Exxon)の686溶剤であった。使用した樹脂はEHECとし て知られる、分子量の非常に高いエチルセルロースであった。したがって、好ま しい実施例における有機系物質(ビヒクル)は、1/2% EHECが溶解され た2:1の割合の上述の溶剤からなる。 2つ以上の溶剤を混合する利点は特に、処理中の溶剤の放出(evolution)の 温度範囲がより広いことである。使用する溶剤が1つだけであれば、通常は、比 較的小さい温度範囲にわたって高い重量の損失が見られる。この重量の損失、す なわち溶剤の放出が早く起こりすぎると、接着されるダイの下のAg/ガラスマ トリックスに気孔が起こるか、または接着が悪くなり得る。放出が起こる温度が 異なる混合溶剤を用いると仮定すれば、混合された溶剤を用いることで、重量の 損失をより広い温度範囲に分散する。 Agペーストは、Ag/ガラスペーストを作製する前に作製される。本発明に おいては特に好ましいAgフレークが用いられたが、他の多くの形態の銀、他の 金属、酸化物等が、粉末、フレークまたは粉末とフレークとの混合物として用い ることができることが認められる。好ましいフレークは、シュメット社(Chemet Corp.)が製造するナンバ−295である。しかしながら、他の多くのAgフレ ークまたは粉末がテストされ、その範囲は表面積が .67ないし1.55m2 /gmのもの、およびタップ(出湯)比重が3.2ないし4.6gm/ccにわ たった。フレークは、以下に示すように@88%でビヒクルと混合した。 295 Agフレーク 88g 88% ビヒクル 12g 12% 100g Agペーストを十分に混合し、これを3ロールミルを介して通すことによって 均質なクリーム状のペーストとなるように分散させた。Agペーストおよびガラ ス粉末が、上述のものに類似した態様で混合され、焼成構造において78%Ag /22%ガラスの比率をもたらした。以下に一例を上げる。 合計 固体 Agペースト − 76.67g 67.47g (88.0%固体) ガラス粉末 − 19.03g 19.03g ビヒクル − 4.30g 100.0g 86.5g 結果としてできるAg/ガラスペーストを、次に、シリコンダイを裸のおよび /またはAu金属化セラミックに接着するために用いた。これは、制御された体 積のペースト(体積はダイの寸法によって決定される)を容積式注射器で堆積す ることによって行なわれた。堆積させたAg/ガラスドット上にダイを置き、均 一に押圧して、図4に示されるようにダイのエッジのあたりを面取りした。 次にアセンブリを炉の中に置き、典型的には350℃のピーク温度で5分間焼 成した。使用する有機系物質のため に、予備乾燥ステップは必要ない。加熱すると、ガラスは結晶化し、再溶融温度 である275℃に達する前に有機物質が飛ぶ。ガラスは約290−300℃で界 面と濡れ、Ag/ガラス構造がより固く焼結してより多くのガラスを界面に押圧 する際も濡れ続ける。アセンブリの冷却中に、ガラスは再度約200℃またはそ れよりもわずかに高い温度で再結晶化した。初期接着性が高く、熱サイクルの後 も接着性を高く保持する理由であり、本発明の鍵となるものの1つは、この再結 晶化である。検査によって、優れた接着性を有する気孔のないアセンブリが認め られた。 図4は、セラミック基板4上に装着された典型的な半導体回路シリコンチップ 1を示し、パッケージは、Ag粒子3がその中に分散されたダイ接着結晶化ガラ ス2によって接合される。図4が概略的なものにすぎないことは当業者には理解 されるであろう。実用において、および好ましい実施例において、体積において 比較的多量の銀の粉末が加熱処理の際に溶融し、示されるような別個の粒子とし てはほとんど残らず、したがって、最終的な接合構造は不透明なものとなる。図 4の概略図の目的は、達成される接合構造が、溶融した銀の粒子間に存在する( すなわち実質的に粒子間の隙間を充填する)、本発明のガラス組成の部分的に結 晶性を有するガラス状接着組織からなり、本質的に樹脂および有機溶剤を含まず 、水分含有量が低い、溶融される銀の粒子の固体構造であることを簡単な製造技 術の範囲 内で示すことである。 予備結晶化 面積の大きなダイを処理する際に、Ag/ガラスペーストに組込む前にガラス が予め結晶化されると、より広い処理ウィンドウが達成されることが認められた 。この予備結晶化は、ガラス粉末を185ないし250℃で1/3ないし1時間 焼付けることによって達成される。冷却したあと、サンプルはDSCにかけられ 、その結果が図3に示される。Tg反応は、これがガラス質のガラスでのみ起こ るので、存在しないことに注目されたい。粉末は焼付けサイクルによって既に結 晶化されているので、結晶化ピーク(Tc)も存在しない。唯一の作用は、通常 275℃での単一の再溶融であり、この際にガラスは、高粘性の固体から低粘性 ガラスに急激に変化し、低温でセラミックおよび半導体ダイを濡らす。 より優れた濡れ、およびより高い接着性等のいくつかの重要な利点が、予め結 晶化されたガラス粉末を用いての面積の大きなダイの処理において認められ、以 下に示すとおりである。 (1) %Aは、界面で起こる破損モード(接着性) に対して、Ag/ガラスマトリックスで起こる望ましい破損モード(凝集)の割 合を示す。 予め結晶化されたガラスを用いる場合のこの改良された結果は、結晶化自体に よって起こる予備結晶化の焼付けの際のガラス粉末の脱気によるものと考えられ る。結晶化の際の非結晶ガラスの再配置は、明らかに構造内の実質的にすべての 吸収されたガスを押出し、その結果として結晶がしっかりと充填されたより密な ガラスとなる。このことは、同じ重量のガラス状物(予備結晶化されていない) と比較すると、予め結晶化されたガラス粉末の体積がより小さいことから明らか であった。Tgがないことも、処理中に閉込めることなく有機物質を飛ばすため の時間をより長くし得る。 低温ガラスにおけるほとんどの先行技術は、ガラスの不安定性、すなわち制御 されない結晶化度のためにガラスを不透明にしない方法を教示している。しかし ながら、本発明のガラスは、Ag/ガラスの特定の組成、溶融プロセス、および 応用プロセスによって制御される固有の量の結晶化を有することができる。最終 アセンブリにおいて形成されるガラス/セラミックは、その特性において他の低 温ガラスおよび多くの高温ガラスをはるかにしのいでいる。 米国特許第4,933,030号で説明されているAg/ガラスペーストと比 較して、本発明で説明するAg/ガラスペーストが有する別の大きな利点は、よ り高い温度で の処理能力である。米国特許第4,933,030号のガラスはそのガラス質の 性質のために、接着性を大きく低下させることなく約400℃を上回って処理す ることができない。しかしながら、M666ガラスは、その部分的に結晶化され る性質のために、以下に示すように、卓越した接着性をもって450℃で焼成す ることができる。 表IV 焼成温度 接着性(.400″×.400″ダイ) 300℃ 220 ポンド 350℃ 198 ポンド 450℃ 220 ポンド このように焼成温度の範囲が広いことによって、ダイ装着が350℃等の低温 で行なわれ450℃等の高温でその後封止される(ガラス)ような応用も可能で ある。 封止ガラス 本発明の独自のガラスには水溶性成分が存在しないので、H2O中で加熱した ときのガラスの重量の損失が大きくないことからわかったように、その化学的耐 久性が優れている。ガラスの低温特性とともに、この化学的耐久性が、このガラ スをより低温でのセラミックパッケージの気密封止に理想的なものとしている。 本発明を用いて2つのセラミック表面を十分に接合する可能性を評価するため に、細かく分けられたM666の粒子(上に詳細に説明したとおりである)が以 下からなるペ ーストにされた。 80% M666 ガラス粒子 20% 686 溶剤 100% このペーストは十分に混合され、92%の黒のAl22本体(セラミック実装 においてよく用いられる)のセラミック表面にドクターブレードされ、その後1 0分間350℃まで加熱され、冷却された。検査によって、セラミックに対する 接着性の優れた均質な結晶化ガラスが認められた。しかしながら、その断面は多 くの小さな気泡でいっぱいの多孔性構造を示した。これらの気泡は、封止プロセ スの前にガラス粉末を予め結晶化することによって本質的に排除され得た。これ は、Ag/ガラスと同じ態様で達成した、すなわちガラス粉末を185−250 ℃で1/3ないし1時間焼付け、これで図3にグラフで示されるようにガラスが 結晶化される。 エクソンの脂肪族686溶剤とともにペーストに入れ、セラミック表面上にド クターブレードし、10分間350℃まで加熱し、室温まで冷却して調べると、 その多孔性が消え、滑らかな光沢が見られた。この予期せぬ結果は、上述のよう に予備結晶化の焼付の際のガラス粉末の脱気、および閉込める前に有機物質を逃 がしたことによると考えられる。 熱膨張改質剤をガラス粉末とともに充填材として用いて、 接合するセラミック本体の膨張率とより近く整合させてもよく、それによって熱 衝撃耐性がより大きい構造となることが当該分野においては周知である。膨張率 の低い以下の膨張率改質剤、すなわちNb25、Ta23、V25、PbTiO3 、ZrW28、SiO2、TiO2、およびY23を種々の量でM666の予め 結晶化されたガラス粉末および686溶剤と混合し、セラミック上にドクターブ レードし、10分間350℃まで加熱して、室温まで下げ、調べた。 ベーターユークリプタイト(LiAlSiO3)、非晶質シリカ、ならびに種 々の他のリン酸塩、バナジン酸塩、ヒ酸塩、アンチモン酸塩、モベイト(mobate )、およびタンタル酸塩等の他の膨張率改質剤が、封止セラミックまたは金属/ セラミック基板の熱衝撃耐性を向上することが示され、種々のセラミックもしく はガラスセラミック本体を封止する際に、またはダイ接着ペーストとして、ガラ スとともに用いる場合に、本発明の一部であるとみなされる。 熱伝導性ガラス この新しいガラスの別の可能な応用例としては、種々の個別の電子部品のため の電気的に絶縁する、熱放散度の高い接着剤が挙げられる。最も一般的な応用例 は、基板から電気的に絶縁されるが接着剤を介しての熱放散度の優れている必要 がある半導体装置の接着であろう。通常のAg/ガラス接着ペーストは電気的に も熱的にも放散度が高く、 したがって、適用できない。 本発明のガラスの有用性を評価するために、M355ガラス粉末に、合成ダイ ヤモンド粉末、AlN、Cu2O、Ni、AlおよびBNの粉末を添加し、これ らはすべて優れた熱伝導性を有する。最も将来性のあるのは、エンジス社(Engi s Corporation)の合成ダイヤモンド粉末との組合せであった。様々な寸法およ び量のダイヤモンド粉末がM355粉末およびテルピネオールと混合され、ペー ストを作製した。これをセラミックに塗布し、シリコンダイを上に置いた。Ag /ガラスペーストと同様に、アセンブリを10分間350℃まで焼成し、冷却し た。ガラス粉末の40%で添加した、15236ミクロンの寸法のダイヤモンド 粉末が、より優れた接着性および卓越した熱伝導性を与えることがわかった。こ の適用例のために他の熱伝導率の高いセラミックまたは金属粉末を用いてもよく 、本発明の一部であると考えられる。 本発明の多くの小さな変形および変更が、ガラス製造、Ag/ガラスペースト 製造、封止ガラス、半導体実装、および関連分野の当業者には明らかであること がわかる。たとえば、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の酸化物の何らかの前駆体を、 これらは溶融プロセス中に酸化物に分解するので、酸化物の代わりに用いてもよ い。このような変形、付加、および改良は本発明の一部であると考えられ、その 範囲は以下の請求の範囲によって規定される。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 約250℃以下のガラス転移温度、約300℃以下の結晶ピーク温度、お よび約350℃以下の結晶再溶融温度を有する、結晶化ガラス。 2. 約200℃以下のガラス転移温度、約275℃以下の結晶ピーク温度、お よび約350℃以下の結晶再溶融温度を有する、結晶化ガラス。 3. 約150℃以下のガラス転移温度、約200℃以下の結晶ピーク温度、お よび約275℃以下の結晶再溶融温度を有する、ガラス組成。 4. ガラス転移温度および結晶ピーク温度を有さず、約350℃以下の結晶再 溶融温度を有する、予め結晶化されたガラス。 5. 前記ガラスが20−80%の結晶化度を可能とする、請求項1、2または 3に記載のガラス。 6. 酸化物ベースの重量比で、約40−65%Ag2Oと、約15−35%V25と、約0−50%の、TeO2、PbO2およびPb34からなる群からの酸 化物の少なくとも1つとからなる、請求項1、2、3、4または5に記載のガラ ス。 7. 酸化物ベースの重量比で、約40−65%Ag2Oと、約15−35%V25と、約0−50%の、TeO2、PbO2およびPb34からなる群からの少 なくとも1つの酸化物とから本質的になる、請求項4に記載のガ ラス。 8. 酸化物ベースの重量比で、約47%Ag2Oと、約22%V25と、約9 %TeO2と、約22%PbO2とから本質的になる請求項1、2、3または5に 記載のガラス組成。 9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8のガラスと、有機溶剤と、ペ ーストの.1%未満の樹脂とを含む、本質的に樹脂を含まないペースト。 10. 前記溶剤が芳香族溶剤から選択され、前記ペーストがさらに、Ag、A u、Al、Cu、Ni、Pd、Zn、Snおよびptからなる群からの材料の少 なくとも1つの導電性の金属粒子を含む、請求項9に記載のペースト。 11. 前記溶剤が脂肪族溶剤から選択され、前記ペーストが、Ag、Au、A l、Cu、Ni、Pd、Zn、SnおよびPtからなる群からの材料の少なくと も1つの導電性の金属粒子をさらに含む、請求項9に記載のペースト。 12. 前記パーツが、ダイヤモンド、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ベリリ ア、アルミナおよびアルミニウムを含む群から選択される少なくとも1つの非導 電性セラミック粒子を含む、請求項9に記載のペースト。 13. 前記ペーストが、界面活性剤を有する約67%の銀のフレークと、約1 8%のガラスと、約15%の前記溶剤とから本質的になり、前記ガラスが、酸化 物ベースの重量比で、約47%Ag2Oと、約22%V25と、約9 %TeO2と、約22%PbO2とから本質的になる、請求項9、10または11 に記載のペースト。 14. 請求項1、2、3または4の特性を有するガラスを利用する、封止ガラ ス組成。 15. 組成物の熱膨張係数が低減されるように耐火膨張率改質剤をさらに含む 、請求項13に記載の封止ガラス。 16. 非導電性の熱伝導率が高い粉末をさらに含む、請求項9に記載のガラス ペースト組成。
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